第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要になる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積もりは不確実性をともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合がありあます。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

当社連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び当該経営成績等に関する経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

外食業界の市場規模は今後も大きな伸びは期待できない状況が続くものと見られ、加えて顧客嗜好の多様化が進み、今後ますます企業間の競争は激しくなると認識しております。

当社グループは、第一次産業から第三次産業までの領域で牡蠣の高付加価値化を図り、新しい牡蠣を通じた食文化の創造を目指しております。

経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛や営業時間短縮要請が断続的に発生しており、厳しい状況が継続しております。当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染拡大による影響を大きく受けております。特に、2020年12月以降は、政府・自治体からの営業時間短縮等の要請が継続しており、店舗事業の集客に大きな影響を受けております。今後は、新型コロナワクチンの接種等が進むことで、収束することが見込まれますが、当面は厳しい経営環境が続くことが想定されております。

このような経営環境のもと、下記に掲げる事項を、対処すべき重要な課題としており、課題解決に向けて積極的に取り組んでまいります。

 

(1) 店舗事業について

新コストコントロールを効かせたwithコロナの経営スタイルに努めます。
 売上面につきましては、販売促進活動の更なる強化に加え、店舗メニューの戦略的見直しにより、客単価増加に努めます。また、AIによる電話予約対応を開始し、予約システムを更に強化することで、客数の増加にも努めます。
 コスト面につきましては、グループの安心安全のプラットフォームを維持・改善した上で、原価低減を行っていきます。また、コロナ禍の営業体制下では、効率的なシフト管理を徹底し、引き続き人件費を抑制した運営を行います。また、withコロナの店舗運営の体制構築に向けて、QRコードによるオーダーシステムや配膳・運搬ロボットを一部店舗で導入しております。店舗の業務効率化だけでなく、非接触型の店舗運営で、顧客満足度の向上にも努めてまいります

 

(2) 卸売事業及び加工事業について

グループの持つ、安心安全のプラットフォームの高付加価値を活かし、国内販売に関しては、営業力強化、取引先開拓、取引顧客数拡大と、取り扱い高増加に努めていきます。
 また、アジアを中心とした海外販売に関しては、レストランだけでなく、巣ごもり需要のニーズが高まり、高級スーパーでの販売数もコロナ禍で伸びており、更に取引高を増加させるべく、様々な販路拡大に努め、収益力向上を目指します。

 

(3) そのほか(陸上養殖事業)について

沖縄の陸上養殖については、実証実験を続け、量産化に向け、ステップを歩んでおります。
 岩手の加工工場につきましては、直営店舗向けの牡蠣フライなどの加工製造を行っていますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、店舗事業の売上減少により、稼働を大幅に抑制しておりました。そんな中、加工工場の有効活用を模索していたところ、品質面を含め、安定した委託先を探していた総合商社様の要望に合致し、当社加工工場において、海産物の加工製造受託業務に係る取引条件の合意に至ることができました。今後は、新たに海産物における受託事業を開始することになり、更なる収益力の強化につなげていきます。
 また、牡蠣の販売チャネルを拡大させるべく、EC通販サイトを立ち上げましたが、順調にリピーター数も増加しており、販売量も拡大してきました。今後もSNSなどを通じたマーケティングを強化し、収益拡大に努めてまいります。

 

(4) 人材の確保と育成及び定着化について

当社は、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、優秀な人材の確保と育成及び定着化が今後の当社の成長にあたって不可欠であると認識しております。今までの即戦力となる中途採用に加え、将来の幹部人材の早期育成の為、若手採用も強化してまいります。
 また、今後、国内外の環境が大きく変化する中、高い専門性を持ち、様々な課題に対処し、進化させることができる人材育成及び確保が必須と認識しております。引き続き従業員の能力が最大限に発揮できる環境作りや研修制度の充実、さらに福利厚生を充実させた人事制度の刷新に取り組むことで、働き甲斐がある制度作りを進める方針であります。

 

(5) 衛生管理の強化、徹底について

当社グループは、各店舗、各センターや拠点では、衛生管理マニュアルに基づく衛生管理の徹底を行っております。また、定期的に本社衛生管理部門の人員による抜き打ち監査や外部検査機関による検査、さらにノロウイルス検査に関しては、当社浄化センターへの牡蠣の入荷時及び出荷時における二重検査を行っております。今後も、全従業員の健康管理に努め、お客様、お取引先様に安心・安全に利用していただけるよう、法改正等に対応しながら更なる衛生管理体制の強化を行っていく方針です。

 

(6) 内部統制の強化について

 当社は、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのため、権限に基づく意思決定の明確化、内部監査及び監査等委員会の監査並びに監査法人による監査との連携を強化するほか、全従業員に対して、継続的な啓蒙、教育活動を行っていく方針です。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況の変化について

当社グループは、牡蠣を主体とするレストランであるオイスターバーの店舗事業を中心に展開しており、日本国内の景気変動の影響等が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費・物流費等の上昇が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 各種法的規制について

① 食品衛生管理について

当社グループは、店舗事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止もしくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 卸売事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より魚介類販売許可を受けて、直営店舗及び一般飲食店への卸売販売を行っております。同免許は、子会社である株式会社海洋深層水かきセンターの富山入善センターで取得しておりますが、万一許可が取り消された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 労働関連法令について

当社グループは、店舗や浄化センターにおいて多数の短期間労働者を雇用しておりますが、これら短時間労働者の厚生年金などの社会保険適用範囲の拡大実施により、当社グループの社会保険料負担が増大すること等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 主要食材(牡蠣)への依存について

当社グループは、主力食材を牡蠣という特定食材に依存し、かつ、生牡蠣がメインとなるオイスターバー店舗の売上構成比が高い状況にあります。したがいまして、ノロウィルス等の疫病発生、食品衛生問題等によるブランド毀損、風評被害による消費控えなどの変化が発生した場合、牡蠣の販売数量低下により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 出退店政策について

当社グループは、直営店舗による店舗展開を行っており、2021年3月31日現在、26店舗の営業を行っております。出店は高い集客が見込める都心部、主要ターミナル駅周辺にて実施しておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、出店にかかわる賃貸借契約のほとんどが定期建物賃貸借契約となっており、採算性が確保されている店舗につきましても、期間満了により退店する可能性があります。店舗採算が不採算による退店を含めて、退店の際には減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 差入敷金について

当社グループの店舗は賃借により出店等を行うことを基本方針としており、全ての店舗において敷金を差し入れております。この敷金は、退店時には貸主から返還されることになっておりますが、貸主の財政状態の悪化等により、差入敷金の一部又は全部が返還されない場合があり、これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 減損損失について

当社グループは、今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振や加工食品の販売不振等により、固定資産の減損会計による損失を計上することとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

特に、加工工場については、取引先と合意した条件をもとに算出した海産物の取引数量を前提に、保守的かつ最善

の見積もりを実施しております。しかしながら、新型コロナウイルスの変異等による影響の長期化、または自然災害等による海産物への甚大な被害が発生した場合、見積もりに用いた仮定と相違する可能性が存在するため、将来において追加の減損損失を計上しなければならないという不確実性が存在しております。

 

(7) 特定仕入先への依存について

当社グループは、主要食材である牡蠣について、全国各地の生産者・漁協から直接仕入を行っております。当社グループとしましては、高品質の牡蠣の仕入が継続してできるよう生産者と一体となった養殖に取り組み、リスク分散を図っていく方針であります。しかしながら、天候不順をはじめ、海域の汚染状況など自然環境の悪化などにより、必要な牡蠣が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保及び育成について

当社グループは、優秀な人材の継続的な確保が重要な経営課題であります。このため、当社グループは、採用の仕組みを整え人材確保に努めるとともに、教育による育成を行っております。しかしながら、十分な人材の確保及び育成ができない場合、新規事業開発の遅れ、店舗での接客サービスの低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 新規事業の展開について

当社グループは、店舗事業が主力でありますが、牡蠣という食材の六次産業化を目指し収入源の多チャネル化を図るため、生産及び加工に係る新規事業を展開しております。生産におきましては、沖縄県久米島町における海洋深層水を利用したウィルスフリー牡蠣の生産を、加工におきましては、岩手県大槌町において牡蠣の加工食品を製造する工場が稼動させ早期の収益化を目指しております。しかしながら、計画通りに進捗しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 商標管理について

当社グループは、「ガンボ&オイスターバー」、「オイスターテーブル」などの複数の店舗ブランドをはじめとする商標権の登録を行っております。当社グループが保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、使用差し止め、使用料、損害賠償等の支払いを請求された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 個人情報の保護について

当社グループは、店舗事業において会員向けポイント還元やイベントなどを行い、会員の個人情報をデータとして蓄積しております。これらの情報については、「個人情報保護に関する法律」を遵守すべく、データへのアクセス制限や外部からの侵入を防止するための方策をとっております。また、「個人情報保護方針」や「個人情報管理規程」を制定し、個人情報を取り扱う関係者に対して情報漏洩防止の徹底を啓蒙しております。

しかしながら、内部管理体制の問題や外部からの侵入により、これらの情報が漏洩した場合には、信用低下や損害賠償等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 売上高の季節変動について

当社グループは、牡蠣を主食材とする店舗事業及び卸売事業を展開しており、食材に対する消費者の認識上、冬場である11月から3月に売上が偏重する傾向にあります。また、仕入原価も需給バランスが落ち着く冬場の方が低減されることから、損益面でも下半期に大きく偏重する傾向にあります。

当社グループとしましては、夏場における岩牡蠣など、旬の牡蠣による新しい食べ方提案などにより需要の掘り起こしを図るとともに、加工事業などにより外食市場以外での収入源を確保することで、年間を通じて売上の平準化を目指していく方針としております。

なお、2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言等による影響が大きいものであったため、売上の季節変動が抑制されております。

 第21期(2021年3月期)における当社グループの四半期別売上高及び営業損失の構成は次のとおりであります。

区分

売上高(千円)

構成比(%)

営業利益又は

営業損失(千円)

構成比(%)

第1四半期

231,507

9.90

△213,507

59.44

第2四半期

673,175

28.78

△76,055

21.17

上期合計

904,682

38.68

△289,563

80.61

第3四半期

874,116

37.37

30,767

△8.57

第4四半期

559,997

23.94

△100,419

27.96

下期合計

1,434,113

61.32

△69,652

19.39

通期合計

2,338,795

100.00

△359,215

100.00

 

 

(13) 自然災害等について

当社グループの26店舗は、全国に展開しておりますが、このうち16店舗を関東エリアで展開しております(2021年3月31日現在)。したがいまして、地震・台風などの自然災害や大雪などの局地的な気象状況の影響により、店舗の営業休止や縮小等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、上記の自然災害に起因して、電力・ガス・水道等の使用の制限、消費者の消費意欲の低下といった影響が生じた場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) 競合について

外食業界は、参入障壁が低く新規参入が多い一方で、少子高齢化の流れの中で外食市場全体は横這いという状況下で激しい競合状態が続いています。その中で当社グループは、取扱食材として極めて高いレベルでの安全性が求められる牡蠣を扱っていますが、その安全性は、ノウハウなどのソフト面のみならず、浄化施設を自社保有するハード面の両面を兼ね備えることで、競争優位性の確保を図っております。しかしながら、今後、当社グループと同レベルのソフト及びハード機能を持つ店舗が出現した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15) 配当政策について

当社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案して、利益還元策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は当期純損失を計上しており、未だ内部留保が充実しているとは言えず、創業以来配当を行っておりません。現在は内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指す方針であり、将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

(16)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において営業損失146,122千円、経常損失157,131千円、親会社株主に帰属する当期純損失106,971千円を計上し、当連結会計年度においても営業損失359,215千円、経常損失367,145千円、親会社株主に帰属する当期純損失641,485千円を計上したことで、純資産が△116,193千円の債務超過となっております。

また、新型コロナウイルス感染症拡大のための政府の緊急事態宣言が断続的に発令され、時短営業又は休業を適宜実施しております。今後、時短営業の継続による景況などにより、資金繰りにも影響が出てくる可能性があります。

 

これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

この事象を解消するための対応策は以下のとおりです。 

(a)事業について

イ.店舗事業

コストコントロールを効かせたwithコロナの経営スタイルに努めます。
 売上面につきましては、販売促進活動の更なる強化や店舗メニューの戦略的見直し等の施策及び予約システム強化で、予約件数を確保し、客数及び客単価の増加に努めます。
 また、コスト面につきましては、グループの安心安全のプラットフォームを更に改善し、原価低減を行い、コロナ禍の営業体制下で、効率的なシフト管理を徹底し、人件費を抑制していきます。
 加えて、withコロナの店舗運営の体制強化へ向け、QRコードによるオーダーシステムを一部店舗で導入し、店舗の業務効率化だけでなく、非接触型の店舗運営で、顧客満足度の向上にも努めてまいります。

なお、政府・自治体の要請に従い休業や時短営業の要請に伴う協力金等の申請を行っておりますが、時短要請の期間終了後の申請となることに加え、自治体の審査等に時間を要していることもあり、協力金の収益計上まで、タイムラグが発生しております。従いまして、速やかに申請するとともに、弊社側の書類不備等の防止のためのチェック体制等を強化し、自体体の審査手続き等を迅速に進められるようすることで、早期に収益計上できるように努めます。

ロ.卸売事業

グループの持つ安心安全のプラットフォームの高付加価値を活かし、国内販売は営業力を強化し、取引先の開拓に努め、取引顧客数と、取扱高を更に強化していきます。
 また、アジアを中心とした海外販売に関しましては、巣ごもり需要のニーズの高まりにより、高級スーパーの販売数が伸びており、更に取引高を拡大させるべく、様々な販路拡大に努め、収益力拡大を目指します。

ハ.その他

沖縄の陸上養殖は、実証実験を続け、量産化に向け、ステップを歩んでおります。
 岩手の加工工場の事業につきましては、牡蠣フライなどの加工製造を行っていますが、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗売上減少により、稼働が低迷しておりました。そのため、本加工工場の有効活用を模索していたところ、安定した委託先を探していた総合商社様の要望に合致し、成約に至ることができました。新たに食品加工分野における受託事業を開始することになり、更なる収益力の強化につなげていきます。
 また、牡蠣の販売チャネルを拡大させるべく、EC通販サイトを立ち上げた結果、リピーターも着実に増加し、販売量も拡大しております。今後もSNSなどを通じたマーケティングを強化し、収益拡大に努めてまいります。

(b) 財務基盤の安定化

当連結会計年度において、長期借入金577,000千円及び新株予約権の行使により、269,440千円の資金調達を実施致しました。また、2021年4月1日から2021年6月23日までの間に、新株予約権が2,630個行使された結果、221,446千円の資金調達をしております。今後は、営業損益の改善に努めるとともに、一年内返済予定の長期借入金の削減を図り、債務超過を解消するため、投資家や事業会社と協議を進めてまいります。

しかし、これらの対応策の効果の発現については、関係先との明確な合意を要する事案もあり、すべてを確定するに充分な状況には至っておりません。また、資金繰りの計画に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響が、2022年3月期まで続くものと仮定し、さらに加工工場については取引先と合意した条件をもとに算出した海産物の取引数量を前提に、保守的かつ最善に見積りを実施しております。この前提と異なる状況となった場合には、当社グループの資金繰りに重大な支障をきたす可能性があります。
従いまして、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。


 なお、連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動に大きな制約を受け、非常に厳しい状況で推移しました。停滞していた経済活動は、政府の各種政策が実施され徐々に再開しつつありましたが、変異ウイルスによる感染拡大がみられるなど、未だに収束時期の見通しが立たない状況です。従いまして、景気・経済の先行きにつきましては、今後も不透明な状況が続くことが予想されます。

 外食業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛や営業時間短縮要請が断続的に発生しており、厳しい経営環境が継続しております。2020年の夏から秋にかけて、国内外の経済活動に一部回復の兆しも見られましたが、今年に入ってからは、営業時間の短縮要請が継続しており、厳しい経営環境からの出口が見えない状況にあります。

  このような状況の中、当社グループにおきましても、新型コロナウイルス拡大による影響を大きく受けております。特に、2020年12月以降は、政府・自治体からの営業時間短縮等の要請が継続しており、店舗事業の集客に大きな影響を受けております。

こうした環境のもと、当社グループでは、ランチタイムの食べ放題開始等による販促強化、テイクアウト取扱い開始及びECサイト(eOyster)を通じた一般消費者への販売開始により、コロナ禍の状況でも売上を確保すべく努めてまいりました。また、損失を最小限に留められるよう、店舗アルバイトのシフト見直しによる人件費削減、家賃の減免交渉等、新型コロナウイルス感染症支援策関連の補助金・助成金の活用等、あらゆる手段を通じて支出削減をしております。

一方、資金面においては、業績低迷が長期化するリスクに備え、安定的なグループ経営に資するよう、充分な手元流動性を確保すべく銀行からの借入等を実施しております。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は1,516,833千円となり、前連結会計年度末と比較して49,016千円の減少とな

りました。

 当連結会計年度末における負債は1,633,026千円となり、前連結会計年度末と比較して339,592千円の増加となり

ました。

 当連結会計年度末における純資産は388,609千円の減少となり、△116,193千円の債務超過となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高2,338,795千円(前年同期比34.7%減)、営業損失359,215千円(前年同期は営業損失146,122千円)、経常損失367,145千円(前年同期は経常損失157,131千円)となりました。また、大幅な店舗事業の売上減少により、稼働を抑制していた大槌工場の状況を踏まえ、将来の回収可能性を保守的に検討し、大槌工場にかかる減損損失409,321千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失641,485千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失106,971千円)となりました。

 

なお、セグメントの概況は以下のとおりです。以下の売上高の数値はセグメント間の取引消去前となっております。

セグメントと事業の内容の関係性は次のとおりです。

(a)「店舗事業」は、直営店舗事業、富山入善ヴィレッジ事業の店舗から構成されます。

(b)「卸売事業」は、卸売事業から構成されます。

(c)「その他」は、浄化センター、加工工場及び陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業及びECサイト事業から構

  成されます。

 

(a) 「店舗事業」

店舗事業では、東京を中心に全国で牡蠣を主体とするレストラン(オイスターバー)26店舗を展開しています。当連結会計年度においては、新規出店及び閉店がともになかったものの、2019年7月下旬に「レカイエオイスターバーJR博多シティ」(福岡市博多区)をリニューアルオープンしたことにより、2020年7月までの店舗数は前年同月比で1店舗の増加となっております。一方、業績につきましては、2020年4月の緊急事態宣言発出により、休業等を余儀なくされたことに加え、その後も新型コロナウイルス感染症拡大による営業時間短縮の要請が断続的に発生しており、大幅な減収減益となりました。

以上の結果、店舗事業における売上高2,152,172千円(前年同期比34.2%減)、セグメント利益6,907千円(前年同期比97.8%減)となりました。

(b) 「卸売事業」

卸売事業では、グループ外の飲食店舗などに牡蠣を卸売販売しています。業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による営業時間短縮の要請が断続的に発生したことにより、販売先の飲食店の売上が減少し、大幅な減収減益となりました。

 以上の結果、卸売事業における売上高168,770千円(前年同期比39.8%減)、セグメント利益51,241千円(前年同期比55.9%減)となりました。

(c) 「その他」

その他には、浄化センター、加工工場及び陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業に加え、ECサイト事業などで売上がございました。

以上の結果、その他の事業における売上高17,852千円(前年同期比35.6%減)、セグメント利益564千円(前年同期比96.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ417,437千円増加し、541,063千円となりました。
 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動により使用した資金は305,507千円(前連結会計年度は、37,886千円の使用)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失が663,531千円、減損損失410,526千円、未収又は未払消費税等の増減による減少額56,991千円によるものです。

 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動から使用した資金は6,771千円(前連結会計年度は、7,057千円の使用)となりました。これは、店舗の設備更新に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出8,237千円、敷金及び保証金の回収による収入1,466千円によるものです。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動から獲得した資金は729,715千円(前連結会計年度は、36,953千円の獲得)となりました。これは主として、長期借入れによる収入577,000千円、株式発行による収入269,440千円及び長期借入金の返済による支出79,367千円によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 a. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

前年同期比(%)

店舗事業(千円)

785,370

△30.2

卸売事業(千円)

109,572

△40.1

その他(千円)

11,023

△17.9

合計(千円)

905,967

△31.5

 

(注) 1.金額は仕入価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

前年同期比(%)

店舗事業(千円)

2,152,172

△34.2

卸売事業(千円)

168,770

△39.8

その他(千円)

17,852

△35.6

合計(千円)

2,338,795

△34.7

 

(注) 1.金額は販売価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 (資産の部)

当連結会計年度末における総資産は1,516,833千円となり、前連結会計年度末と比較して49,016千円の減少となりました。資産減少の主な要因は、現金及び預金が417,437千円増加し、有形固定資産が468,662千円減少したことによるものです。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は1,633,026千円となり、前連結会計年度末と比較して339,592千円の増加となりました。これは主として、長期借入金が520,425千円増加し、未払金が37,684千円、買掛金が28,148千円、未払費用が26,895千円、1年以内返済予定の長期借入金が22,792千円減少したたことによるものです。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は388,609千円の減少となり、△116,193千円の債務超過となりました。これは主として、利益剰余金が641,485千円減少したことによるものです。

 

b.経営成績の分析

(a) 売上高

当連結会計年度の売上高は2,338,795千円(前連結会計年度比34.7%減少)となりました。

当社グループの報告セグメントごとの内訳は、店舗事業が2,152,172千円、卸売事業が168,770千円、その他17,852千円となっております。

店舗事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の動向が、売上高に大きな影響を与えました。第1四半期は、第一回目の緊急事態宣言の発令により、多くの店舗が休業等を余儀なくされたこと等により、売上が大幅に落ち込みました。その後、第二四半期以降は、順調に回復し、2020年10月には前年と同水準の売上まで回復しました。しかしながら、2021年1月には第二回目の緊急事態宣言が再度発令される等の影響により、売上が再び大きく減少しました。その結果、店舗事業の売上が前年対比34.2%減少と大幅な落ち込みとなりました。

卸売事業は、主な販売先が飲食店となるため、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、販売先の売上が大きく減少したため、店舗事業と同様に、売上が対前年比39.8%と大幅に減少しました。

その他には、浄化センター、加工工場及び陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業に加え、ECサイト事業などで売上がございました。

(b) 営業損失

当連結会計年度の営業損失は359,215千円(前連結会計年度は営業損失146,122千円)となりました。

当社グループの報告セグメントごとの内容は、店舗事業のセグメント利益6,907千円、卸売事業のセグメント利益51,241千円、その他のセグメント利益564千円となり、合計でセグメント利益58,713千円となっております(営業損失との差額は、全社費用となります)。

店舗事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による売上減少に伴う営業損失の拡大を抑制すべく、店舗メニュー見直しによる客単価の引き上げ、アルバイトのシフト管理徹底による人件費削減、その他家賃減額等による経費見直しにより、コスト削減を徹底しましたが、売上減少による利益減少を賄いきれず、大幅な営業利益減少となりました。
 卸売事業につきましても、販売先が主に飲食店となるため、大きく売上が減少しましたが、卸売事業という業態から、固定費等が少ないため、店舗事業と比べ、営業利益の減少幅は小さいものとなりました。

その他、各報告セグメントに配分していない全社費用417,929千円を計上しました。特に、岩手の加工工場につきましては、コロナ禍による事業環境を踏まえ、一部稼働休止や時間短縮など機動的な稼働へ転換することで、コスト削減の徹底を諮りました。

(c) 経常損失

当連結会計年度の経常損失は367,145千円(前連結会計年度は経常損失157,131千円)となりました。これは、主に営業外費用として借入れによる支払利息14,734千円を計上したことによるものです。

(d) 親会社株主に帰属する当期純損失

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は641,485千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失106,971千円)となりました。これは、主として緊急事態宣言等による店舗施設の時短営業に伴う協力金等を補助金収入として、114,139千円の特別利益を計上した一方、加工工場等の減損損失として410,526千円を計上したことによるものです。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 (1) 研究開発戦略

当社グループの研究開発戦略は、「海洋深層水を用いたウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖」を軸としております。

ウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を陸上養殖することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指して沖縄県久米島で実証実験を行っております。

現在は、ウィルスフリーの牡蠣の商品化に向け、スモール・スケールでのプラントで、研究開発を加速化しております。

  

(2) 研究体制

 海洋深層水を用いた環境安全型ウィルスフリー牡蠣の陸上養殖は、連結子会社の株式会社ジーオー・ファームにおいて行っており、外部の専門家や研究者の知見を取り入れながら研究を行っております。

 

(3) 連結会計年度における研究開発費

研究開発費の総額は43,259千円であります。