第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

国際会計基準

第10期

第11期

第12期

第13期

第14期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上収益

(百万円)

27

41

90

121

560

税引前当期損失(△)

(百万円)

5,378

4,462

5,330

3,626

4,061

親会社の所有者に帰属する当期損失(△)

(百万円)

5,512

4,910

5,169

3,823

4,235

親会社の所有者に帰属する当期包括利益

(百万円)

5,015

6,156

6,731

3,885

4,190

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

7,844

8,639

4,382

3,856

2,063

総資産額

(百万円)

23,171

23,971

15,033

15,155

14,191

1株当たり親会社所有者帰属持分

(円)

151.82

156.65

69.33

51.73

22.86

基本的1株当たり当期損失(△)

(円)

107.20

93.36

90.67

56.22

47.86

希薄化後1株当たり当期損失(△)

(円)

107.20

99.51

90.67

56.22

47.86

親会社所有者帰属持分比率

(%)

33.9

36.0

29.2

25.4

14.5

親会社所有者帰属持分当期利益率

(%)

54.6

59.6

79.4

92.8

143.1

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

3,945

5,089

4,601

2,822

1,817

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

1,216

736

909

1,121

1,418

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

803

6,988

2,502

3,337

77

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

13,923

15,126

7,247

6,722

3,672

従業員数

(人)

114

116

71

64

65

(外、平均臨時雇用者数)

(19)

(27)

(26)

(20)

(19)

(注)1.第10期より、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しております。なお、当社は第9期まで「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第2項により、当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性が乏しいものとして日本基準に準拠して連結財務諸表を作成していないため、日本基準に基づく連結経営指標等は記載しておりません。

2.株価収益率については、基本的1株当たり当期損失を計上しているため記載しておりません。

3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

4.百万円未満を四捨五入して記載しております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第10期

第11期

第12期

第13期

第14期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(百万円)

80

121

571

経常損失(△)

(百万円)

4,223

5,470

5,293

3,017

2,602

当期純損失(△)

(百万円)

4,434

5,473

8,414

2,881

2,673

資本金

(百万円)

4,991

6,179

4,566

1,678

1,364

発行済株式総数

(株)

51,666,500

55,147,900

63,204,200

74,543,600

90,219,200

純資産額

(百万円)

5,569

5,824

833

1,066

824

総資産額

(百万円)

18,400

18,782

9,160

6,616

4,084

1株当たり純資産額

(円)

104.23

98.89

3.52

6.24

0.43

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

86.24

104.06

147.59

42.37

30.21

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

29.3

29.0

2.4

7.0

0.9

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(人)

113

115

70

61

58

(外、平均臨時雇用者数)

(19)

(27)

(26)

(20)

(19)

株主総利回り

(%)

131.7

85.9

18.0

11.1

11.9

(比較指標:東証グロース市場250指数)

(%)

(133.3)

(110.1)

(81.4)

(78.7)

(71.8)

最高株価

(円)

2,216

2,557

1,302

398

264

最低株価

(円)

1,036

1,185

247

146

114

 (注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第12期の期首から適用しており、第12期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

3.自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

4.株価収益率については、1株当たり当期純損失金額を計上しているため記載しておりません。

5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

6.株主総利回りの比較指数については、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東証マザーズ指数から東証グロース市場250指数に名称変更しております。

7.最高株価及び最低株価は2022年4月3日以前は東京証券取引所(マザーズ)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所(グロース)におけるものであります。

8.百万円未満を四捨五入して記載しております。

 

2【沿革】

2011年2月

現 代表執行役社長CEO鍵本忠尚らの出資により、福岡県福岡市東区において株式会社日本網膜研究所(現 株式会社ヘリオス)を設立

iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の開発を開始

2012年12月

東京都千代田区に東京事務所を開設

2013年9月

商号を株式会社ヘリオスに変更

東京事務所を東京都中央区に移転するとともに同所に本店を移転

2013年10月

公益財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター(現 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)内に研究室(現 神戸研究所)を開設

2013年12月

大日本住友製薬株式会社(現 住友ファーマ株式会社)と国内におけるiPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の開発に関する共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結

アキュメン株式会社より眼科手術補助剤に関する事業の譲受

2014年2月

大日本住友製薬株式会社(現 住友ファーマ株式会社)との合弁により株式会社サイレジェンを設立

2014年9月

本店を東京都港区に移転

2014年10月

公立大学法人横浜市立大学とiPS細胞等を用いた再生医療等製品(ヒト臓器に関するものを含む)に係る特許実施許諾契約(独占)を締結

2015年6月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2016年1月

米国Athersys, Inc.と国内における幹細胞製品MultiStem®を用いた再生医療等製品に関するライセンス契約を締結

2017年2月

株式会社ニコンと再生医療分野における業務・資本提携契約を締結

2017年4月

BBG250を含有する眼科手術補助剤に係る事業を株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所に譲渡

2018年2月

米国に子会社 Healios NA, Inc.(現 連結子会社)を設立

2019年6月

大日本住友製薬株式会社(現 住友ファーマ株式会社)とのiPS細胞由来網膜色素上皮細胞による治療法の日本国内における共同開発体制を変更

2020年1月

国際会計基準(IFRS)の適用を開始

2020年10月

本店を東京都千代田区に移転

2021年1月

米国Saisei Ventures LLC含め、再生医療分野のファンド子会社(現 連結子会社)を設立

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行

2023年7月

子会社 株式会社プロセルキュア(現 連結子会社)を設立

2023年8月

子会社 株式会社eNK Therapeutics(現 連結子会社)を設立

2023年10月

米国Athersys, Inc.から幹細胞製品MultiStem®を用いた再生医療等製品に関する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象としたグローバルライセンスを取得

2024年4月

米国Athersys, Inc.の実質的全資産を取得し、MultiStem®及びその関連資産の権利を獲得

2024年4月

一般社団法人 AND medical groupと培養上清活用に向けた共同研究契約締結

2024年6月

アルフレッサ株式会社と業務提携基本契約及び社債買取契約締結

2024年6月

アステラス製薬株式会社の子会社 米国Astellas Institute for Regenerative MedicineとRPE細胞製造方法等に関するライセンス契約締結

 

3【事業の内容】

当社グループの企業集団は、当社、連結子会社7社により構成されており、「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションの下、幹細胞技術をもって難治性疾患を罹患された方々に治癒と希望を届けるべく、体性幹細胞再生医薬品分野、及びiPS細胞に関連する技術を活用した再生医療等製品(iPSC再生医薬品)の研究・開発・製造を行うiPSC再生医薬品分野において事業を推進しております。

なお、当社グループの事業セグメントは、医薬品事業のみの単一セグメントであります。

 

以下の表は、当連結会計年度末現在の当社グループの開発品並びにその適応症、市場、開発段階及び進捗状況を示しております。

なお、製品の開発に際しては様々なリスクを伴うため、当社グループとして各製品に関する製造販売承認の取得又はその時期を保証できるものではありません。当社グループ製品の開発リスクの概要については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」のとおりであります。

 

[体性幹細胞再生医薬品分野]

0101010_001.png

(*1)米国FDAよりFast Track及びRMAT(重篤または生命を脅かす疾病や治療法のない疾病に対する新薬の開発に向け、一定の条件を満たした医薬品(RMATは細胞加工製品)に対し迅速承認を可能とする制度)指定を受けています。

 

[iPSC再生医薬品分野]

0101010_002.png

(*2)Retinal Pigment Epithelium:網膜色素上皮細胞

0101010_003.png

 カーブアウト予定のパイプラインは表記より除いています。

 

(1)体性幹細胞再生医薬品分野

① 概要

体性幹細胞再生医薬品は、生体のさまざまな組織にある幹細胞である「体性幹細胞」を利用して、現在有効な治療法のない疾患等に対する新たな治療法を開発することを目的とする製品です。

なお、体性幹細胞には、神経幹細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞など複数の種類があり、生体のさまざまな組織に存在します。限定された種類の細胞にのみ分化(細胞が特定の機能を持った細胞に成熟することをいいます。)するものや、複数の種類の細胞に分化するものもありますが、iPS細胞等との比較においては、分化する細胞の種類は一般に限られています。

本医薬品分野において当社グループは、2016年より米国Athersys, Inc.(以下、「アサシス社」と言います。)が特許権・特許実施許諾権を有する体性幹細胞製品MultiStem®を用いた脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(以下、「ARDS」と言います。)に対する細胞治療医薬品の開発・販売に関する国内の独占的なライセンス契約を締結しておりました。しかしながら、アサシス社が2024年1月に米国連邦破産法第11条に基づく破産手続きを申請したことを受け、当社グループは、オハイオ州北部地区連邦破産裁判所からの許可を得て、アサシス社の資産買収を完了し、グローバルでの開発権を含めたMultiStem®及びその関連資産の所有者となりました。

 

② 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプライン(HLCM051)

(ⅰ)急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する治療法開発

当社グループは2018年5月、アサシス社の創製した体性幹細胞製品MultiStem®を用いたARDSに対する治療法の日本国内における開発を開始いたしました。

 

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、様々な重症患者に突然起こる呼吸不全の総称で、原因疾患は多岐にわたりますが、およそ1/3は肺炎が原因疾患で、新型コロナウイルス感染症の重症患者においても併発することが確認されています。生命予後を直接改善できる薬物療法は無く、人工呼吸管理による呼吸不全の対症療法が実施されますが、有効な治療薬はいまだ開発されていません。そのため、ARDSは非常にアンメットメディカルニーズが高く、新たな治療の選択肢が望まれている疾患と言えます。発症後の死亡率は全体の30~58%*aである極めて予後不良の疾患で、生命予後を改善できる新規の治療法が望まれています。現在国内の患者数は年間2.8万人程度*bと推定されており希少疾患に指定されていますが、米国では21.3万人から26.2万人*c、欧州では13.3万人程度*d、中国では67万人*e、全世界では110万人以上が罹患していると推定されます。

(出典)

*a ARDS診断ガイドライン2016

*b 疫学データの発症率と人口統計による日本総人口を基に当社推定

*c Diamond Metal. 2023 Feb 6. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023 Jan–.PMID: 28613773 のデータと外務省アメリカ合衆国基礎データによる米国総人口を基に当社推計

*d Community Research and Development Information Service (CORDIS) 2020 7-9 3

*e song-et-al-2014-acute-respiratory-distress-syndrome-emergingresearch-in-china

 

当社グループが開発を進めるARDSに対する新規の細胞治療法は、HLCM051をARDSと診断された患者に一定の時間内に静脈投与するものです。HLCM051は、炎症性T細胞を中心とした炎症免疫細胞の活性化を抑制することにより、肺での過剰炎症や毛細血管内皮の損傷を抑制し、肺水腫の状態を改善することで呼吸機能を正常化する効果があると考えられています。その結果、ARDS患者における人工呼吸器の使用期間を短縮、又は死亡率を低下させる可能性があると考えられます。

アサシス社は、欧米においてARDS患者に対するMultiStem®の安全性と有効性を探索する第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施しており、2021年11月にIntensive Care Medicineに試験結果が掲載されました。この試験は統計的に有意差を検出することを目的とはしていませんでしたが、ARDS患者20人に対してMultiStem®を、10人に対してプラセボを投与して実施した第Ⅱ相二重盲検試験において、死亡率、投与後28日間の人工呼吸器を使用しなかった日数及び集中治療室での管理を必要としなかった日数などの指標においてMultiStem®投与群では改善傾向が見られました。

当社グループは、2018年10月、日本国内における肺炎を原因疾患とするARDS患者を対象としたHLCM051の有効性及び安全性を検討する第II相試験(治験名称:ONE-BRIDGE試験)を開始しました。本治験は、非盲検下で標準治療対照、組入症例数30として、2019年4月より患者組み入れを開始しました。2020年4月には、あらたに評価対象群を追加し、新型コロナウイルス由来の肺炎を原因疾患とするARDS患者5症例を対象に、安全性の検討を実施するため試験プロトコルの変更を行いました。2021年8月と11月には、HLCM051投与後90日と180日の評価項目のデータの一部を発表し、有効性並びに安全性について良好な結果が示されました。

これらを経て、2022年3月、PMDAとの承認申請に向けての相談において、承認申請にあたってはデータ補強が必要との助言を受け、追加試験として国内第Ⅲ相試験の準備を進めておりました。一方、2024年9月には米国FDA(Food and Drug Administration)との協議により、米国を中心としたARDS治療薬のグローバル第Ⅲ相試験(治験名称:REVIVE-ARDS試験)に関する治験デザインに合意し、米国における治験開始に向けた準備を進めることとなりました。さらに、日本においては、既に日本国内で完了した第Ⅱ相試験(ONE-BRIDGE試験)の良好な結果に加え、検証試験としてREVIVE-ARDS試験を実施することを前提に、国内第Ⅲ相試験を実施せず、国内での条件及び期限付承認申請を行う方針について規制当局との協議を進めており、承認に向けた臨床データパッケージの内容や承認後の製品の製造法や品質管理等に関する内容について規制当局と概ねの合意を得ることができました。そのため、国内第Ⅲ相試験を取り止めるとともに、国内での条件及び期限付承認申請に向けた準備を進めております。

なお、当社グループの開発するHLCM051は、2019年11月に、ARDSを対象とした希少疾病用再生医療等製品として厚生労働大臣より指定されています。

 

(ⅱ)脳梗塞急性期に対する治療法開発

脳梗塞は、脳の血管が詰まることにより、その先に酸素や栄養分が届かなくなり、詰まった先の神経細胞が時間の経過とともに壊死していく病気です。日本の年間発症患者数は23万人~33万人(総務省資料及びDatamonitor等を基に当社推定)、死亡者数は年間約6万2千人(厚生労働省 人口動態統計)と推定され、発症した患者さんの中には死亡を免れても機能障害が残り、寝たきりや日常生活に介護が必要となる場合があることが知られています。

脳梗塞急性期に対しては、脳の血管に詰まった血の塊を溶かす血栓溶解剤t-PAを用いた治療が行われていますが、血栓溶解剤の処方は発症後4時間半以内に限定されており、脳梗塞発症後に治療できる時間がより長い新薬の開発が待たれる疾患領域となっています。HLCM051は、点滴により静脈投与され、脾臓に分布して炎症免疫細胞の活性化を抑制する事により炎症や免疫反応を抑えて神経細胞の損傷を抑制し、神経保護物質を産生して治療効果を発揮すると考えられています。

本製品は、すでにアサシス社によって欧米にて第Ⅱ相試験が行われており、脳梗塞発症後36時間以内の患者さんに対する治療法となりうる可能性が示されております。当社グループは、この欧米での試験結果を参考とし、脳梗塞発症後18時間から36時間以内の患者さんを対象とした、有効性及び安全性を検討するプラセボ対照二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相試験(治験名称:TREASURE試験)を実施しました。2017年11月より患者への投与が開始され、以降40施設強の医療機関で臨床試験を進め、2021年8月に患者組み入れが完了いたしました。2022年3月末にすべての治験登録患者の投与後365日後データの収集が完了し、同年5月に試験データの一部を解析し速報値を公表しました。その結果、主要評価項目は未達となりました。一方で、脳梗塞患者の日常生活における臨床的な改善を示す複数の指標を通じて、全般的に1年後の患者の日常生活自立の向上が示唆されました。2023年10月にはアサシス社が、欧米で実施している治験(治験名称:MASTERS-2試験)の中間段階でのデータ解析を行い、統計学的有意性を満たすためには組み入れ患者数の追加が必要との結論になりました。当社グループは現在、MASTERS-2試験で得られた全てのデータに関する解析を進めるとともに、これら日米の治験データに基づき規制当局と日本における今後の対応方針について協議を行っております。

なお、脳梗塞急性期を対象としたHLCM051は、2017年2月に先駆け審査指定制度の対象品目に指定されております。

 

(2)iPSC再生医薬品分野

① 概要

iPSC再生医薬品は、iPS細胞を分化誘導(細胞を特定の機能を持った細胞、例えば神経細胞・皮膚細胞などに人為的に変化させることをいいます。)して作製した人体と近似の機能を持つ細胞を移植することによって、機能を回復することを目的とする製品であります。

iPS細胞(人工多能性幹細胞)とは、2006年に国立大学法人京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功し、2012年にその功績からノーベル生理学・医学賞を受賞したことで広く知られるようになった、皮膚などの体細胞にいくつかの遺伝子(山中因子)を導入することによって作り出される、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力(多能性)と、ほぼ無限に増殖する能力(増殖能)を持った細胞であります。

ヒトの体は約60兆個の細胞からなりますが、それらの細胞は全て元々一つの細胞であった受精卵が細胞分裂を繰り返し、それぞれ臓器・器官等を構成する細胞へと分化したものであります。受精卵が特定の細胞に分化していく流れは一方通行であり、従来の技術では一度分化した細胞を分化する前の細胞に戻すことはできませんでした。ところが、皮膚細胞などの成熟した細胞にいくつかの遺伝子を導入することにより、新たに様々な細胞に分化する能力(多能性)とほぼ無限に増殖する能力(増殖能)を持たせることに成功したものがiPS細胞であります。iPS細胞のような多能性幹細胞は、いずれも自然に特定の細胞に分化していく訳ではないため、特定の細胞に分化を誘導するためにはiPS細胞の作製とは別の技術が必要となります。

加えて、近年、細胞医薬品分野においては、罹患者自身から採取した細胞(自家細胞)由来の幹細胞を用いたもののみならず、安全性が確認された他人の細胞(他家細胞)由来の幹細胞を活用した医薬品などの研究開発が進んでおります。

 

② iPSCプラットフォーム

当社グループは、遺伝子編集技術を用いて、HLA型*1に関わりなく免疫拒絶*2のリスクを低減する次世代iPS細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell:以下、「UDC」と言います。)の作製を進めてまいりました。

UDCは、免疫拒絶反応を抑えた他家iPS細胞です。次世代がん免疫療法、眼科領域、臓器原基等への活用を目指しています。通常、移植細胞は患者とのHLA型を一致させない場合には、免疫拒絶反応を起こします。そのため、移植時には免疫抑制剤の投与が必要となりますが、患者の負担も大きくなります。免疫抑制剤の投与を回避するためには、自らの細胞から作製する自家iPS細胞の使用が望ましいのですが、この作製には多くの時間と多額の費用が必要となります。UDCは、遺伝子編集技術を用い、免疫拒絶反応の抑制を可能にするiPS細胞です。当社グループのUDCは、他家iPS細胞から拒絶反応を引き起こすHLA遺伝子を除去し、その細胞に免疫抑制関連遺伝子、及び安全装置としての自殺遺伝子を導入した、安全な細胞医薬品の原材料となる細胞です。iPS細胞本来の特長である無限の自己複製能力や、様々な細胞に分化する多能性を維持しながら、免疫拒絶を抑え安全性を高めた再生医療等製品創出のための次世代技術プラットフォームです。

2020年には、日米欧を含む国内外でのヒトへの臨床応用も可能なレベルの細胞株(臨床株)の作製に成功し、2021年には、UDCのマスターセルバンクを完成させました。2021年9月には、国立研究開発法人国立国際医療研究センターとの共同研究においてUDCから膵臓β細胞*3への分化誘導を確認しました。2023年4月には、米国ノースウェスタン大学の研究チームが、UDCから分化させた聴神経前駆細胞が、遺伝子編集前の親株細胞から分化させた聴神経前駆細胞に比べて蝸牛への移植後生着率向上を示すことを確認しました。新たな治療薬の研究や細胞置換を必要とする疾患に対するさらなる治療法の研究を目的に、国内外の企業・研究機関10社以上にUDCやiPS細胞を提供し様々な疾患への適応可能性について評価を実施しています。さらに、2023年10月には、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM:California Institute for Regenerative Medicine)が公募する臨床研究支援プログラムにおいて、当社グループの米国子会社であるHealios NA, Inc.に対して、次世代UDCの実現に向けた研究開発に関する補助金交付が決定し、現在その資金を活用し研究開発を進めております。

 

*1 HLA型:HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球型抗原)は、すべてのヒト細胞に発現しており、免疫にかかわる重要な分子です。体内では、自分のHLA型と異なるものはすべて異物と認識され、免疫反応により拒絶・攻撃されます。よって、臓器移植においてはHLA型の一致が非常に重要になります。

*2 免疫拒絶反応:他人の細胞や臓器を移植した場合、移植された細胞・臓器(移植片)が異物として認識され、免疫細胞に攻撃・排除される反応です。

*3 膵臓にあるランゲルハンス島を構成している細胞の1種で、血糖値に応じてインスリンを生産・分泌し、血液中の糖を調整しています。

 

③ iPSC再生医薬品分野のパイプライン(HLCN061、HLCR011、HLCL041)

(ⅰ)がん免疫(HLCN061)

当社グループは、遺伝子編集技術により特定機能を強化した他家iPS細胞由来のナチュラルキラー細胞*1(eNK®細胞)を用いて、固形がんを対象にしたがん免疫細胞療法の研究を進めております。

これまで当社グループが培ってきたiPS細胞を取り扱う技術と遺伝子編集技術を用いることで、殺傷能力を高めたeNK®細胞の作製に成功しており、更に大量かつ安定的に作製する製造工程を開発するなど、次世代がん免疫療法を創出すべく自社研究を進めています。神戸医療イノベーションセンター内に、2022年7月、当社グループの自社管理による細胞加工製造用施設が本稼働し、eNK®細胞の治験製品の製造に向けた試作製造に着手いたしました。なお、上記施設にて使用する培養装置の供給元である佐竹マルチミクス株式会社と、2022年10月、培養装置の継続的改良と支援業務に関する資本業務提携契約を締結しました。

昨今、遺伝子改変したT細胞やNK細胞を用いたがん免疫細胞療法の可能性が報告されています。血液がんに関しては、患者自身のT細胞を取り出し遺伝子改変により標的となるがん細胞への攻撃力を高め、再び体内に戻すCAR-T細胞療法が、国内で承認されています。一方、固形がんについては、がん免疫細胞療法として承認されている製品はなく、その実現が今後の課題となっています。特に、がん疾患の多くを固形がんが占めていることから、固形がんに対する有効な治療法が望まれております。

自社研究の成果として、eNK®細胞が肺がん同所生着モデルマウス、肝がん皮下移植モデルマウス、胃がん腹膜播種モデルマウス、及び中皮腫皮下移植モデルマウスに対して抗腫瘍効果を有すること、生体におけるがんと同様の環境を有している肺がん患者由来のがんオルガノイド*2においても、同様に抗腫瘍効果があることを確認しております。また、国立研究開発法人国立がん研究センター(以下、「国立がん研究センター」と言います。)と現在共同研究にて、国立がん研究センターが保有する複数種類のがん種に由来するPDX*3(Patient-Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)移植マウスを用いてヒト肺がん組織に対するeNK®細胞の抗腫瘍効果を確認しております。さらに、国立大学法人広島大学とeNK®細胞を用いた肝細胞がんに対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を、兵庫医科大学とeNK®細胞を用いた中皮腫に対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めております。当社グループは、治験の開始に向けて、eNK®細胞が抗腫瘍効果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索・評価を行うとともに、PMDAとの相談を進めています。2024年12月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が公募した支援研究課題に採択され、eNK®細胞を用いて薬事規制に沿った各種非臨床試験の実施、臨床医と共同で投与方法の検討等に関する補助金交付が決定しました。

さらに2025年1月には、当社はAkatsuki Therapeutics株式会社(以下、「Akatsuki社」と言います。)と、eNK細胞®を用いた次世代がん免疫細胞療法の研究・開発を推進するための共同事業契約及びライセンスオプション契約を締結しました。共同事業契約に基づき、これまで当社が単独で実施してきたeNK®細胞の研究開発業務は、当社グループ全体の資源の効率的活用及び資金の機動的調達並びに研究の独立性の確保の観点より、今後Akatsuki社が主導し、当社はAkatsuki社より研究開発業務を受託します。また、ライセンスオプション契約に基づき、当社はAkatsuki社に対して、がん領域を中心とするあらゆる領域におけるeNK®細胞についての研究・開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結するオプション権を付与することとなりました。

当社グループは、eNK®細胞を用いた治療薬開発にむけた早期の治験開始を目指すとともに、次世代eNK®細胞としてCAR-eNK®細胞の研究を進めております。CAR(キメラ免疫受容体:Chimeric Antigen Receptor)とは、遺伝子編集技術を用いて工学的に作成される人工の受容体で、細胞表面に抗原を発現しているがん細胞と結合することで自らを活性化し、結合したがん細胞を攻撃し、死滅させることができます。当社グループでは、本特徴を有したCAR-eNK®細胞は、次世代eNK®細胞として新たな治療薬になりうる重要な技術と期待しております。

 

*1 ナチュラルキラー細胞(NK細胞):人間の体に生まれながらに備わっている防衛機構で、がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する白血球の一種です。さらに白血球の分類においてはリンパ球に分類されます。NK細胞を用いた治療の有効性としては延命効果、症状の緩和や生活の質の改善、治癒が期待されています。

*2 生体内の組織・器官に極めて似た特徴を有している3次元的な構造を持つ組織・細胞。

*3 PDXモデル:PDX(Patient-Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)モデルは、患者由来のがん組織片を免疫不全マウスに移植し腫瘍を再現したモデルです。臨床に近い状態が再現されており前臨床創薬研究において活用されています。従来の実験に用いられてきたがん細胞株は、元のがん組織の特性が失われているため、抗がん剤の正確な治療効果を予測できない可能性がありました。PDXモデルは、がん組織の特徴が保持されており、抗がん剤の治療効果の予測に高い精度をもたらすことができます。

 

(ⅱ)細胞置換

(a)眼科領域(HLCR011)

当社グループは、他家iPS細胞を正常な網膜色素上皮細胞(以下、「RPE細胞」と言います。)に分化誘導し、純化した上で、iPS細胞由来RPE細胞懸濁液という形で罹患者に移植し、加齢黄斑変性の治療を行うiPSC再生医薬品の開発を進めております。

加齢黄斑変性(AMD:Age-related Macular Degeneration)は、網膜変性疾患の一種であり、網膜の中でも視力を保つために極めて重要な役割を果たす「黄斑部」に障害が生じる病気で、発症すると次第に視力が低下し、見え方に異常が生じるなどの症状が現われます。その原因は、黄斑部を支えるRPE細胞が老化等の原因により感覚網膜への栄養補給や老廃物の分解ができなくなってしまうことにあるものとされております。加齢黄斑変性は、日本人に多く見られる滲出型(ウェット型)と欧米人に多く見られる萎縮型(ドライ型)に大別されます。

当社グループは、罹患者自身ではない第三者の細胞から作製され、安全性等に関する基準を満たしたiPS細胞から作製したRPE細胞を含む懸濁液(懸濁液とは、液体中に個体粒子が分散しているものを言います。)を移植し、患部に定着させることにより感覚網膜への栄養補給や老廃物の分解機能を回復させ、視機能を改善させることを目指す、新しい治療法開発を進めております。

この治療法の開発のため、当社は、2013年2月にiPSアカデミアジャパン株式会社との間でRPE細胞を有効成分として含有する細胞製品を対象とする全世界を許諾領域としたiPS細胞樹立基本技術に関する特許実施権許諾契約を締結して非独占的ライセンスを受けるとともに、理化学研究所との間で同年3月にiPS細胞を含む多能性幹細胞由来RPE細胞を有効成分として含有する再生医療製品を対象とする全世界を許諾領域とした特許実施許諾契約を締結して独占的ライセンスを受けております。2013年12月には、大日本住友製薬株式会社(現、住友ファーマ株式会社。以下、「住友ファーマ」と言います。)との間で、日本におけるRPE細胞製品の開発を共同して行うことを合意しました。その後、iPS細胞を用いた治療法の実現には当社グループと住友ファーマのみならず様々なステークホルダーも交えた長期的な開発体制が必要となることから、資源配分の有効性を考慮したうえで共同開発体制の変更が適切であると判断するに至りました。その結果、2019年6月、今後は住友ファーマが主体となって治験を進めることとなり、2023年6月に網膜色素上皮裂孔の患者を対象とする第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しました。2024年には最初の被験者組み入れが行われ、引き続き治験が進められています。

 

(b)肝疾患領域(HLCL041)

当社は2014年10月、公立大学法人横浜市立大学(以下、「横浜市立大学」と言います。)と臓器のもとになる臓器原基を人為的に作製する新規の細胞培養操作技術を用いた機能的なヒト臓器の作製技術に関し、独占的な特許実施許諾契約を締結いたしました。同技術は、胎内で細胞同士が協調し合って臓器が形成される過程を模倣するという発想から開発されたもので、3種類の細胞(内胚葉細胞、血管内皮細胞、間葉系幹細胞)を一緒に培養することで臓器のもとになる立体的な臓器原基(臓器の芽)を人為的に創出する新規の細胞培養操作技術です。

この実用化に向け、当社は、機能的なヒト臓器をつくり出す3次元臓器を用いた治療法開発に向けて、横浜市立大学と肝疾患を対象とした肝臓原基*4の製造に関する共同研究を進め、2022年4月からは、国立大学法人東京大学医科学研究所再生医学分野と、本治療法の実用化に向け、UDCを用いた肝臓原基の製造法確立を目的とした共同研究を実施しました。肝臓は、たんぱく質など身体に必要なさまざまな物質を合成し、不要有害な物質を解毒、排泄するなど約500種類もの機能を、約2,000種類以上の酵素を用いて果たしている体内の化学工場といえる臓器です。HLCL041は、肝臓へ肝臓原基を注入し機能的な肝臓に育てることで、生産できない酵素を生産できるように肝臓機能を改善させることを目的とした再生医療等製品を目指しており、ヒトへの移植が可能なヒト肝臓原基の大量製造方法の構築、さらに作製されたヒト肝臓原基の評価方法や移植方法を検討しました。

現在、臓器が適切に機能しない疾患に対しては、機能を損なった臓器を健常な臓器へ置換する臓器移植が有効な治療法として実施されています。しかしながら、年々増大する臓器移植のニーズに対し、ドナー臓器の供給は絶対的に不足しており、iPS細胞等を用いて作製した臓器原基をヒトの体内に移植することによって機能的なヒト臓器を創り出すという新たな再生医療等製品(3次元臓器)は、臓器移植の代替治療としての新たな治療概念を提唱できるプラットフォーム技術として幅広い展開が期待されています。

なお、本研究につきましては、2023年2月、開発のさらなる加速のため、当社グループからカーブアウトした上でベンチャーキャピタル等の外部パートナーと共同で研究開発を推進する方針を決定いたしました。

 

*4 肝臓の基となる立体的な肝臓の原基。肝細胞に分化する前の肝前駆細胞を、細胞同士をつなぐ働きを持つ間葉系細胞と、血管をつくり出す血管内皮細胞に混合して培養することで形成されます。

 

4【関係会社の状況】

関係会社は次のとおりであります。

名称

住所

資本金

主な事業内容

議決権の

所有割合又は

被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

Healios NA, Inc.

(注)1

米国カリフォルニア州

2,650千米ドル

医薬品の開発等

100.0

役員の兼任

Saisei Ventures LLC

(注)2

米国マサチューセッツ州

70千米ドル

Saisei Capital Ltd.に対する投資助言

49.0

役員の兼任

Saisei Capital Ltd.

(注)3

ケイマン

Saisei Bioventures, L.P.の運営

49.0

Saisei Bioventures, L.P.

(注)1

ケイマン

33,581千米ドル

再生医療関連分野への投資

8.4

株式会社プロセルキュア

兵庫県神戸市

中央区

0百万円

医薬品の開発等

100.0

役員の兼任

株式会社 eNK Therapeutics

東京都千代田区

0百万円

医薬品の開発等

100.0

役員の兼任

その他1社

 

 

 

 

 

(持分法適用共同支配企業)

株式会社サイレジェン

兵庫県神戸市

中央区

6百万円

iPSC再生医薬品の製造等

50.0

研究開発活動の委託

役員の兼任

(注)1.特定子会社に該当しております。

2.当社が有するSaisei Ventures LLCの議決権の所有割合は49%でありますが、実質的に支配しているため、当社の子会社としております。

3.当社が有するSaisei Capital Ltd.の議決権の所有割合は49%でありますが、実質的に支配しているため、当社の子会社としております。

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

セグメント情報を記載していないため、事業部門別の従業員数を示すと次のとおりであります。

 

2024年12月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

研究開発部門

49

14

管理部門

16

5

合計

65

19

(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

58

19

45.1

6.5

9,157

 

セグメント情報を記載していないため、事業部門別の従業員数を示すと次のとおりであります。

 

事業部門の名称

従業員数(人)

研究開発部門

45

14

管理部門

13

5

合計

58

19

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合は結成されていませんが、労使関係は安定しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。