第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「熱心な素人は玄人に勝る-新しいことを自分で創めよう-」を企業理念として掲げております。

コールセンターは、商品メーカーの問い合わせ窓口だけでなく、電話セールスとしての「顧客とのコミュニケーションの場」としても幅広く使われています。また、国や地方自治体の問い合わせ窓口として活用されるほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、非対面接客としても、その重要性や存在意義が高まっております。

またコールセンターには、日々蓄積される“お客様との対話”(=「顧客の生の声」)や、年齢・性別などの顧客基本情報や問い合わせ対応履歴などの各種情報等、膨大なデジタルデータが集まります。その情報資産を十分に活用し、顧客が持つ潜在的なニーズを捉え、コールセンターと顧客の“エンゲージメント”の機会を創り出すことも、これからのコールセンターには必要になってきます。

私たちは、このような「コールセンター」を軸につながる企業と顧客・消費者の接点を、最新技術を用いたクラウドサービスで、「より快適に・より便利に」を実現し、「コールセンターで人々の生活をより豊かに」することで社会に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、事業活動の成果を示す①売上高、②サービス別月次利用数を重要な経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、2024年3月期から2026年3月期までの3か年を対象とした「中期経営計画」を策定し、2023年5月に公表しております。

当社が属するコールセンター市場は、人材不足が深刻化しており、顧客との接点は労働集約的な人による対応から自動化やAI化が加速していくものと考えられます。また、今後のコールセンターシステムは、コールセンターに

おいて収集した情報をAIに分析させ、広告配信や効果的な販売に結び付ける等、DXによる統合化が進んでいくことが予想されます。

当社は、このような将来の自動化・AI化のニーズを先読みすべく、次世代のコールセンターシステムに関する知的システムの開発を進めてまいりました。今後3年間においては、後述の2点を成長戦略としていく方針です。

 

[成長戦略]

① 「@nyplace」の安定成長

当社の売上高の大半を占める「@nyplace」において、交換機のバージョンアップと体制の最適化によって、収益基盤であるサービスの着実な成長を保持します。具体的には、以下の施策を予定しております。

・交換機(PBX)のシステムバージョンアップにより、新機能及びサービス対応範囲の拡張、基盤強化、SIP(※1)対応や他システムとの連携機能強化を行い、付加価値の高いサービスへ転換し差別化する。

・顧客向けポータルサイトやFAQの充実等により作業の自動化や効率化を実現し、利益を最大化する。

 

② 独自サービスの飛躍成長

前中期経営計画における新サービス(コールセンターシステムのAI化+マーケティング活用)を含めた当社独自サービスで、多様化、低価格化、拡張性を求める既存のマーケットニーズへ対応し、新たなマーケティング市場の開拓を推進します。

・近日リリース予定の「VLOOM」及び「Afullect」によって既存のコールセンター市場を開拓

・マーケティング活用型サービスである「GROWCE」、「GOLDEN LIST」、「UZMAKI」によって新市場を開拓

・全サービスの連携及び統合化を進め、当社独自のサービスを確立

 

当社の中期経営計画3ヶ年における主要定量目標は以下であります。

 

2024年3月期(目標)

2025年3月期(目標)

2026年3月期(目標)

売上高

24億円

27億円

31億円

※今後の目標数値は、いずれも策定時点で目標値として社内的に定めたものであり、今後、適時開示等で公表される業績予想値と異なる場合があります。

 

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

当社の営むクラウドサービス事業は、導入コストの負担軽減とスピーディーな導入、システムコストの最適化等が可能な点から注目を集める一方、新規参入が多い事業でもあります。

当社は、競合他社との差別化を図るために、クライアントニーズを捉えたサービス、可用性の高いシステム、信頼を得られる組織の構築が重要であると考えております。

これらを踏まえ、中期経営計画の実現と更なる事業推進のため、以下の6点を重要課題として取り組んでまいります。

 

① 販売力強化及び販路拡大

 当社は、今後も成長が見込まれる市場環境において、営業の組織体制強化による新規マーケット開拓及び既存マーケット拡大、オンライン集客の強化によるWebリード数増加及びサービスサイト強化、販売パートナーとの協業・共創によるサービス力強化及び販売チャネル拡大等の取り組み、また、製販一体となる組織体制の最適化、クライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの追加、競争優位性を高める価格戦略等を通じて、販売力強化及び販路拡大を図ってまいります。

 

② 事業領域の拡大について

当社は、今後更なる成長を遂げるために、従来のサービスに加え、多様化するコンタクトチャネルやクライアントニーズに対応した新たな機能及びサービスを提供していきます。さらに、コールセンターに蓄積される様々なデータを活用する新たな事業の開発・参入等を通じて、マーケティング事業領域等の周辺事業領域への事業の拡充を図ってまいります。

 

③ 開発力の強化

当社は、あらゆるクライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの開発に努めてまいります。また、それに加えてニーズを超えるさらに価値あるサービスの創造を実現するため、開発技術力強化のための教育と内製化及び環境整備へ積極的な投資を行い、開発機能の品質とスピードの向上を進めてまいります。

 

④ システム安定性の強化

当社は、コールセンターに不可欠な365日24時間のシステム提供に耐えうる十分な設備投資を行っており、今後も継続してサービス品質の維持向上を図るため、定期的・計画的な予防保守の運用体制を構築し、持続可能かつ高品質な安定したサービスの実現に努めてまいります。

 

⑤ 組織体制整備及び人材育成

当社は今後もクライアントの要望に対してスピーディーに対応していく組織の確立を目標として、専門分野を有する人材の補強、社内研修体制の更なる充実及び管理職のマネジメント能力の強化を図り、全社的な高い営業力を持つとともに、全社が隔たりなく連携する組織体制の整備に努めてまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

企業として大きく成長していくためには、クライアントのみならず社会的な信用を得ることは、重要な課題であると考えております。そのため当社は、コーポレート・ガバナンスの充実に努め、内部統制システムの整備、コンプライアンス体制の充実及び経営の透明性の確保を図り、企業倫理の一層の向上を着実に進めております。

 

 

〔用語解説〕

※1.SIP

Session Initiation Protocolの略称で、IPネットワークを利用し、通信相手と音声や映像、メッセージの交換などを行うために必要な通信経路(セッション)を確立するための通信プロトコルのこと。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方及び取り組み

当社のサステナビリティに関する考え方については、事業を通して顧客並びに社会における課題解決に貢献することと考えており、顧客が抱える課題を解決するサービスを提供し続けることにより、顧客の企業価値向上に貢献し、それが当社の企業価値向上につながり、顧客への継続的なサービス提供を可能にするというライフサイクルを重視しています。また、業務提携先とのパートナーシップやコラボレーションを推進し、多様化・複合化する顧客ニーズに対応することを重視しています。

このライフサイクルの実現には、5つの要素が重要であると考えており、「顧客基盤」「情報収集力」「企画力・提案力」「開発力」「信頼性・専門性」の5つの要素を安定的、かつ継続的に生み出す基盤として人的資本投資が最重要課題であると捉え、取り組みを行っております。

 

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(2)ガバナンス

当社は、「熱心な素人は玄人に勝る-新しいことを自分で創めよう-」という企業理念の下、新しいことへチャレンジし続ける精神を礎に、顧客のニーズを叶える新たなサービスを常に創出し続けることが当社の企業基盤であると考えております。この実現のため、公正・適正な事業運営により各種のステークホルダーとの良好な関係を築くことはもとより、そのパートナーとして互いに成長しあうことにより、社会に貢献するとともに長期的な事業継続と企業価値の向上に努めております。

 

■コーポレート・ガバナンス体制

当社は、内部統制及びリスク管理を徹底することにより、株主、取引先及び従業員をはじめとした様々なステークホルダーに対して社会的な責任を遂行し、企業価値の最大化に努めております。また、当社は、会社経営の健全性の確保を図り、コーポレート・ガバナンスを強化するために、内部統制システムの確立、整備及びその拡充を推進しております。

当社の経営方針や重要課題、法令遵守に係る重要事項等のすべてを決定する最高意思決定機関として、取締役及び監査役が出席する取締役会を原則月1回開催し、取締役の職務執行の状況を監督するとともに、経営環境の変化に対応し迅速かつ慎重に業務執行を行うことを目的として常勤の取締役及び監査役が出席する経営会議を原則月2回開催しております。加えて、管掌役員制を導入することにより各部署の実効性を高め、社長補佐として全社的見地から管掌組織の業務執行に対する指導及び監督を行っております。

また、社外監査役3名で構成する監査役会を設置し、監査方針の決定の下、取締役の業務執行を十分に監査できる体制を構築するとともに、内部監査室の設置により、取締役及び各部署所属員に対し、法令遵守やコンプライアンスの観点から業務執行状況に対する監査を行い、代表取締役への報告、並びに監査役会及び会計監査人との連携により社内体制の改善等を図っております。

 

(3)リスク管理

当社は、事業運営及び事業継続に関わるビジネスリスクに対して、各種規程の制定により、リスクの抽出及び対応方針の検討・決定を行い、適切なリスクマネジメントを行うための体制を構築しております。

 

■体制及びプロセス

当社は、事業運営における様々なリスクについて、「業務分掌規程」による各部署の責任範囲の明確化並びに管掌役員制の導入による全社的見地からの管掌組織へのモニタリングを行うとともに、「権限規程」及び「稟議規程」に基づき、各組織において発生する各種のリスクは経営会議へ報告がなされる体制としております。経営会議においては、リスクを評価・分析し、対応方針について検討を行うとともに、決定した方針はその重要度に応じて取締役会への報告または決議を行うこととしております。

また、内部監査室による内部監査並びに内部統制報告制度(J-SOX)において、ビジネスリスクとなる危険が発見された場合には、代表取締役並びに取締役会へ報告する体制としております。その他、「リスク管理規程」においてリスク対策委員会を設置できるものとしており、発生するリスクに対して多方面からマネジメントを行う体制を構築しております。

 

 

(4)戦略

当社の人的資本経営については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載された企業理念、経営方針に加え、従業員がやりがいを持って前向きに仕事に取り組めるよう定めた以下の5つの行動指針が根本となっております。

一、売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。

一、自立、職人(プロフェッショナル)の意識を持ち、事業を興すことにより、利益の追求だけでなく人間的に成長することを必達とする。

一、初心、感謝、謙遜、思いやり、闘争心の念を忘れず、決して驕り高ぶらず、決して手を抜かず、勤勉、努力を旨とする。

一、自分の人生の目標を持ち、自分で考え、自分で行動する。

一、家族を大切にする。

当社では、これらの企業理念、経営方針、行動指針を体現できる人材の育成により継続的にマーケットを開拓し、顧客のニーズにあった新しいサービスを提供することが企業価値の確立・向上を生むライフサイクルの実現につながるとの考えに基づき、就業規則や人事制度、研修制度等を通じ以下の施策を進めてきました。

 

■具体的な取り組み

①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取り組み

当社は、以下の施策を通し、採用の門戸を広げながらキャリアの段階にあわせたOJTとOFF-JTの両輪による育成プログラムを実施することで、社員一人ひとりがビジネスパーソンとして「人財」へ成長することを支援しております。

1)採用に関する取り組み

当社が2008年から一貫して継続している新卒採用による社員数は、全社員の約4割を占めるほどになっております。性別、国籍、学部不問での母集団形成と自社独自の選考基準に加え、人事担当者だけでなく営業や技術の現場先輩社員もリクルーターとして学生からの相談に親身になって寄り添うことで、入社後ギャップの低減と早期離職の防止を図っております。

一方、中途採用においても、創業期から一貫して年齢や国籍、性別にかかわらず、スキルや人柄、入社以前の経験等を重視した採用選考を行っております。このような取り組みを通してサステナブルな事業サイクルを支える人材の育成・輩出に繋がっております。

 

2)若手社員育成のための取り組み

新入社員研修では、入社時研修の一環として人事担当者や職業能力開発推進者によるキャリアへの動機づけを促すためのプログラムを実施しております。その後、配属されてから1年目の期間は先輩社員が専任の指導員となり、業務遂行上のアドバイスや職種別のスキルチェックを行いながら新入社員の自立と成長を促す制度を運用しております。

入社2年目以降については、直属の上司による半期毎の評価後面談において、これまでの業務に関する内容だけでなく今後のキャリアプランや異動希望、働き方など、中長期的なキャリアに関する棚卸しや将来への展望といった相談にも真摯に対応しております。

 

3)中堅以上の社員育成のための取り組み

中堅以上の社員育成のための取り組みについては、経理、法務、自社ソリューション等の研修を実施することで、事業部門の人材を対象とするOff-JTを中心に、その育成を継続支援しております。また、新任の管理職に対しては、マネジメントに欠かせないビジネスマインドや各種コンプライアンスに関する研修を実施するなど、OJTを行う事業部門とOff-JTを行う人事部門が連携協力することで次世代経営幹部の育成・輩出に取り組んでおります。

 

4)エンジニア人材育成のための取り組み

当社のエンジニア人材は、技術力の強化を目的とする社内制度の下、その役割機能毎に5つのエンジニアタイプに分類されております。制度では、それぞれのエンジニアタイプに求められるスキルや知識を社員一人ひとりのレベルに応じて段階的に身に付けられるように定めており、スキルアップを目的とした自己学習や資格取得、外部研修の受講についても会社が全面的に支援しております。

 

②社内環境整備に関する取り組み

1)人事制度に関する取り組み

当社では、2014年度の上場を契機に人事諸制度及び就業規則類の大幅な刷新を行い、以降、外部環境の変化や各種のニーズに臨機応変に対応しております。具体的には、経営戦略に応じた育成制度の創設、働き方の変化に応じた就業規則の改定、業務環境の変化に応じた評価制度の見直しなどを行いました。

今後も、経営戦略上のニーズに応えることはもちろん、社員の声に耳を傾けながら外部環境の動向も注視することで、社員の働く環境の最適化に努めてまいります。

 

2)在宅勤務制度の運用

2020年4月より緊急的措置として開始した在宅勤務ですが、2021年4月には社内制度としての整備を行い、以降、見直しを繰り返しながら継続的に運用しております。オンライン上での会議の進め方や労務管理方法にも工夫を施し、ツールやシステムの導入によってコミュニケーションの円滑化を図ると同時に業務環境のデジタル化も推し進めることで、組織の活性化と生産性の向上を促進しております。

 

3)一般事業主行動計画の策定

2022年8月には、育児を行う社員の子育てと仕事の両立支援の促進、女性を含めた全ての人材が継続して就業し活躍できる職場づくりを目指し、「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2022年11月1日~2025年3月31日)」並びに「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2022年4月1日~2027年3月31日)」を策定し、公表しました。

 

4)従業員エンゲージメント及びワーク・モチベーション向上のための取り組み

従業員エンゲージメント及びワーク・モチベーション向上のための取り組みとして、四半期に一回の頻度で利用できる社内会食費補助制度や社内部活動への活動費用支援の他、年に1回の頻度で「P-BEC(The Prize of Best Engagement to Collabos)」という社内表彰制度を運用しております。

本表彰制度では業務内容やプロジェクトの大小にかかわらず、社員の様々な努力や貢献にスポットライトを当てており、互いに感謝・賞賛しあう文化を醸成するとともに社内交流を活性化させる一助となっております。

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(注)2022年度社内表彰開催時の説明資料より抜粋

 

 

(5)指標及び目標

当社では、上記「(4)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)

30.0

20.0

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。詳細は、「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2023年6月1日~2027年3月31日)」に記載のとおりであります。

 

3【事業等のリスク】

以下において、当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを取りまとめております。また、必ずしもリスクと考えられない事項についても、当社の事業活動を説明する上で投資家の判断基準になりうる事項については、積極的な情報開示を行っていく観点から記載しております。

当社は、リスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が独自に判断したものであります。そのため、将来発生しうる可能性があるすべてのリスク及び当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)事業内容に関するリスク

① 特定サービスへの依存について

「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社は、コールセンター向けの各種サービスを提供しておりますが、現在、「@nyplace」に売上高の多くを依存しており、当事業年度においても売上高全体の約67.7%を占めております。当社の業績が、特定サービスに依存することを好ましい状態とは考えておらず、「COLLABOS PHONE」や中期経営計画の新サービスなど、新たに当社の柱となる新規事業の創出に向け、積極的な開発投資を実施しております。

しかしながら、現時点においては主要サービスである「@nyplace」が不測の環境変化等の事態に陥った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また「@nyplace」は、Avaya社製IP電話交換機システムを使用しております。当社は、Avaya社の日本法人である日本アバイア㈱の代理店を通じて、Avaya社製IP電話交換機システム、周辺機器及び備品を調達しております。今後、何らかの理由によりAvaya社が日本市場から事業撤退する等、予期せぬ事象が発生し、製品の調達が困難になった場合、「@nyplace」の継続的なサービス提供に支障が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② サービス提供の安定性について

クラウドサービス利用を検討する基準として、安定したサービス提供の可否が重要な事項の1つとなっております。当社におきましては、事業の信頼性及び安定したサービス提供の実現性の観点から、設備及びネットワークの管理に細心の注意を払っております。サービス提供に関連する設備は、当社の契約するデータセンターに設置し、機器構成による稼働負荷の物理的かつ理論的な軽減を行っております。また、万一トラブルが発生した場合においても、短時間で復旧できるよう復旧テストやリスク管理体制を整えております。

しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、2011年3月に発生した東日本大震災のような想定を超える大規模な地震等により本社及びデータセンター設備が致命的に損壊し、電力供給の停止等の予測不能な事態が起こった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム不具合について

当社は開発、保守及び運用体制の充実を図り、システム不具合の発生を未然に防ぐ体制の構築に努めております。しかしながら、一般的には高度なシステムにおいて、大小はあるものの欠陥発生を完全に解消することは不可能であると言われており、予期せぬシステム不具合が発生する可能性があります。

今後、当社サービス運用上に支障をきたすベンダーや開発言語の開発元等による潜在的かつ致命的な不具合が発覚し、当社が適切に解決できなかった場合、サービス提供に支障が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 設備投資について

当社は、既存サービスの強化及び新規サービスの導入を図るとともに、クライアント数の増加に応じて継続的な設備投資を計画しております。

しかしながら、事業を継続する中で、過年度の実績を大きく上回る急激なアカウント数の増加、当社の予測を超えるインターネット技術等の進展に伴うシステム投資の発生等により、投資時期、内容、設備規模について変更せざるを得ない状況となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 事業拠点及び主要設備の集中について

当社の本社及び当社が契約するデータセンターは、東京都を中心とした首都圏近郊に集中しております。そのため、東日本大震災のような想定外の大規模災害等の発生により首都圏近郊の都市機能の一切が麻痺した場合、当社の事業継続が困難になる可能性があります。

また、インフラ麻痺等によるクライアント対応の遅延等、当社のサービス提供に大きな支障が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新規事業及びサービスの開発について

当社は、今後の更なる事業の成長に向け、従来サービスの強化に加えて、市場ニーズに対応した新たな機能及びサービスの開発・提供により、コールセンター周辺事業領域及びマーケティング事業領域等への事業の拡充を図っております。これらの取り組みにおいて、計画通りに開発が進捗しなかった場合、想定し得ないような技術革新が起きた場合、あるいは当初期待した通りの成果を上げることができなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新規事業領域への参入において、市場環境の変化や競争の熾烈化等により、事業活動が当初期待した通りの成果を上げることができなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 人材育成及び採用について

クラウドサービス市場は、非常に技術革新が早く、競合他社との競争が激しい市場であります。そのため、専門技術に精通し、クライアントのニーズに的確に対応できる提案力や応用力を持った人材、また組織運営等のマネジメントに優れた人材の継続的な確保と育成が重要となり、かかる人材の育成又は採用ができなかった場合、将来にわたり当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、人員の育成、採用のための研修、その他のコストを追加的に負担する必要が生じる可能性があり、これらの追加的コストの発生により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 企業買収及び他社との業務提携等について

当社は、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等により、事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まなかった場合、あるいは当初期待したとおりの効果が得られなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当該他社が事業戦略を変更し、当社が資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業環境に関するリスク

① インターネット環境について

クラウドサービスは、インターネット環境を通じてサービス提供を行うものであり、法人によるインターネット利用の更なる普及が、当社の成長のための必要な条件であります。

今後、インターネット利用の普及に伴い通信速度遅延、通信回線障害等の通信インフラに関する弊害や、悪質なハッカー等の第三者からの侵害等による弊害の広がり、インターネット利用に関する新たな法的規制の導入等、その他予期せざる要因が発生し、法人によるインターネット利用が縮小する状態となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

クラウドサービス市場は、技術革新の早い市場であります。そのため、当社は、クライアントへのアンケートや訪問・提案等の日々の営業活動の中でニーズを集約しながら、中期経営計画の新サービスなど、新たに当社の柱となる新規事業の創出に向け、積極的な開発投資を実施し、競争力のある独自のサービスを構築していく方針であります。

しかしながら、競合他社等により先進的な技術革新があり、当社の対応が遅れた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 市場競争について

クラウドサービス市場において、当社は早期に事業参入をしており、パイオニアとしてのメリットを活かしながら市場ニーズに合致するサービス提供を目指して開発を行い、競合他社との差別化を図っております。

しかしながら、今後の市場が拡大する中で、大手システムエンジニアリング会社や通信事業者等の競争力の高い企業を含む多くの新規参入企業が考えられ、それらの新規参入事業者の登場による技術革新、価格競争等の激化により当社の優位性が薄れた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 顧客のクラウドサービスの利用方針について

当社のクラウドサービスは、コールセンターを所有するクライアントや販売促進活動を行うマーケティング部門を所有するクライアントを対象としており、インターネット網を介して当社が開発、構築したシステムを月額料金制で提供しております。企業が自社でシステムを構築する場合と比較して、大規模な設備投資が不要になるとともに、導入コストの低減及び導入期間の短縮が可能となります。

しかしながら、クライアントがクラウドサービスの利用方針を変更し、当社のサービスの利用から自社でのシステム運営に切り替えた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)株価形成に関するリスク

① 潜在株式について

当社は、取締役、監査役及び従業員に対して、新株予約権を利用したストックオプション制度を採用しております。当事業年度末現在における当該潜在株式の総数は、発行済株式総数4,791,600株に対し、939,600株となっております。権利行使期間においてこれらの新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であるとの考えに基づき、過去において配当を実施しておりませんが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。

今後、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、現時点において配当の実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(4)事業体制に関するリスク

当社は、今後大きく成長するにあたり、事業拡大に伴う人員の拡充、人材育成を行うとともに、経営判断及び業務執行の体制を充実させていく必要があると考えております。また、体制構築にあたってはコーポレート・ガバナンスを十分に機能させるために、内部統制システムの整備、運用及び各業務プロセスの管理体制の構築を同様に推進していく必要があると考えております。

しかしながら、事業の急速な拡大等により、適切な経営・事業体制の整備が遅れ、十分なコーポレート・ガバナンス体制での業務運用が困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法令遵守に関するリスク

① コンプライアンスについて

当社は、クラウドサービス事業者及び個人情報取扱事業者として、インターネットに関連する規制である電気通信事業法及び各種個人情報の取り扱いに関する法規制等の遵守は、当社が社会的な責任を果たすために重要な事項であると考えております。

当社は、上記の対応として、コンプライアンス体制の構築及び維持に努めております。プライバシーマーク制度やISMS適合性評価制度の認証の取得、コンプライアンス研修の実施、機密情報取扱に関する研修等の社内教育の充実、各業務プロセスの管理、改善を行う体制構築と、法令遵守に向けた内部管理体制の構築を推進しております。

しかしながら、今後進むとみられる法改正への対応の遅れ、予期せぬ自然災害、人的ミスの影響等による機密情報の流出、管理体制の不備等による役員及び従業員の法令違反等が発生した場合、当社の社会的な信用の低下、あるいは情報流出防止対策、損害賠償等の多額の費用の発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 知的財産権の侵害について

現在、当社はオープンソースを利用したシステム開発等によりサービス提供を行っております。過去もしくは現時点において、当社に対し第三者からの知的財産権の侵害等による訴訟が発生した事実はありません。しかしながら、今後、当社の認識の範囲外で第三者が新たに取得した知的財産権等の内容によっては、当社に対する損害賠償等の訴訟が発生する可能性も否定はできず、その場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報及び企業情報の保護について

当社では、業務に関連して多数の個人情報及び企業情報を保有しております。当社は情報管理に関する全社的な取り組みとして、個人情報保護方針、情報セキュリティ基本方針の公表及び諸規程を規定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報についてはプライバシーマークの認証を取得しているほか、情報資産の漏洩や改ざん、不正利用等を防ぐため情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、社内の情報資産に関しリスク分析を行い、リスクがある事項に関しては改善策を講じ、情報漏洩の防止に努めております。

しかしながら、情報機器の誤作動や操作ミス等により個人情報や企業情報が漏洩し、損害賠償責任の負担、社会的信用の失墜等が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自然災害等に関するリスク

地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等により、当社の事業拠点及び契約するデータセンターに被害が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の影響については、行動制限や水際対策の緩和など各種政策の効果もあり、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられております。一方で、世界的な金融引締めによる金融資本市場への影響、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安等の為替動向の懸念等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。当社においては、出社によるオフィスワークと在宅によるテレワークを組み合わせた勤務形態をとっており、今後の市場環境を注視しながら事業運営に取り組んでおりますが、流行の再拡大や新ウイルスの蔓延等により、景気後退に伴うIT投資の減速等が発生した場合、新規顧客への営業活動や2023年5月に公表しました「中期経営計画」が計画通り進捗しない可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は残るものの、行動制限や水際対策の緩和など各種政策の効果もあり、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられております。一方で、世界的な金融引締めによる金融資本市場への影響、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安等の為替動向の懸念等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。

当社を取り巻く国内クラウド型コールセンター市場におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を背景に、在宅勤務が浸透したことでデジタルシフトが加速し、数年ごとに大規模なシステム投資が必要なオンプレミス型(※1)から拡張性が高いクラウド型(※2)への移行が顕著化しております。また、官公庁や行政でのDX推進等により、今後はクラウドに抵抗感があった比較的大規模なオンプレミスユーザーにおいてもクラウドの導入が広がっていくものと予想されております。加えて、チャット及びチャットボット、SMS、LINE等のマルチチャネル(※3)対応が求められる他、コールセンターで蓄積された情報を活用してマーケティング活動を行う等、コールセンターの役割が「コストセンター」から、収益を生みだすための「プロフィットセンター」へ本格移行する過渡期に入ったとの見方も強まっております。

 

このような環境のもと、当社は、2020年5月12日に開示した「中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)」に基づき、次世代コールセンターシステムに関する知的システムの開発に取り組み、人材育成や開発強化等を含めた先行的な開発投資を進めてまいりました。3つの成長戦略における実績は、以下のとおりであります。

 

■成長戦略1:現有サービスへの新ITソリューション追加開発

 本戦略は、コールセンターのマルチチャネル化、デジタルシフトをサポートするサービスとして、現有サービスラインナップにSMS/チャット/チャットボット/FAQの4つのITソリューションを新たに開発・リリースするという計画であり、これに対する実績としては、新サービスとして、チャットボット&有人チャットサービスの「Challbo」及びFAQサービスの「CollasQ」をリリースしました。また、SMS送信機能は、「COLLABOS PHONE」の新機能としてリリースしました。

 

■成長戦略2:AI技術を活用した新コールセンターソリューションのリリース

 本戦略は、昨今の自動化の流れに基づき、AI技術をフル活用した新しいコールセンターソリューションを開発・リリースするという計画であり、これに対する実績としては、サービスを具体化していく中で、より市場のニーズを捉えた機能や内容の拡充等に伴い開発内容を変更しており、かつ製造後のテスト工程において、品質強化のためテスト要件を厳格化したことに伴い、リリース時期を2023年夏へと変更しております。

 

■成長戦略3:コールセンターに集まるデータを活用したマーケティング事業領域への参入

 本戦略は、コールセンターで収集・蓄積したビックデータを分析し、マーケティングへ活用するために、CRM機能とマーケティング機能の両方を兼ね備えた新サービスを開発・リリースするという計画であり、これに対する実績としては、2021年12月に統合CRMマーケティングシステム「GROWCE」をリリースしており、これにより、マーケティング事業領域への参入を進めてまいります。

 

 現有サービスにつきましては、引き続きオンプレミス型からクラウド型へのシステム移行及び他社クラウドサービスから当社クラウドサービスへの切り替え提案等に注力するとともに、「@nyplace」、「COLLABOS PHONE」及び「GROWCE」等を中心とした拡販に努めてまいりました。

 新規案件の獲得につきましては、販売パートナーや既存顧客からの紹介、成果報酬型のテレアポ代行活用の他、SEOやリスティング広告の強化、協業企業との共催セミナーの開催等により、販売チャネル拡大を推進するとともに、既存顧客においては、定期的なヒアリング訪問やアンケート調査を基に、顧客ニーズを反映した要望機能開発やシステムバージョンアップ等のリテンション活動により、クロスセルやアップセルでの収益機会の拡大に注力してまいりました。

 また、当社クラウド型コールセンターシステム「COLLABOS PHONE」と他社サービスとのシステム連携も積極的に推進してまいりました。具体的には、株式会社アクリートが提供するSMS配信サービス「SMSコネクト」や、株式会社Zooops Japanが提供する顧客管理・営業支援システム「Zoho CRM」とのシステム連携により、サービス拡張とともに販路拡大の仕組みを構築いたしました。さらに、データベース管理システム「Claris FileMaker」のシステム開発を得意とする株式会社サポータスや、「kintone」のカスタマイズや導入支援を得意とする株式会社サティライズと販売パートナー契約を締結し、「COLLABOS PHONE」の販売体制を強化いたしました。

 一方、新型コロナウイルス関連のスポット公共案件等が、前事業年度に比べ縮小したことによる売上高の減少も発生しております。

 これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて144,744千円減少し、2,229,626千円となりました。

当事業年度末における負債総額は、前事業年度末に比べて169,179千円減少し、326,643千円となりました。

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて24,435千円増加し、1,902,983千円となりました。

 

b. 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高2,349,041千円(前事業年度比0.8%減)、営業利益101,439千円(同46.5%増)、経常利益100,313千円(同31.4%増)、当期純利益67,861千円(同25.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べて304,643千円減少し、1,253,952千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果得られた資金は、165,681千円(前事業年度は297,382千円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益94,193千円、減価償却費204,596千円、法人税等の支払額63,386千円、賞与引当金の減少額44,000千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果支出した資金は、344,909千円(前事業年度は174,158千円の支出)となりました。主な要因は、中期経営計画における@nyplace用設備への投資や新サービス及び現有サービスへのITソリューション開発投資等の有形及び無形固定資産の取得による支出343,270千円に加え、資産除去債務の履行による支出39,600千円、本社移転に伴う差入保証金の回収による収入37,961千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果支出した資金は、125,415千円(前事業年度は104,138千円の支出)となりました。主な要因は、リース債務の返済による支出82,218千円及び自己株式の取得による支出43,197千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社の主たる業務はクラウドサービス事業のため、生産活動を行っておらず、生産設備を保有していないため、記載を省略しております。

 

b. 受注実績

a. 生産実績と同様に、当社の主たる業務であるクラウドサービス事業の事業特性に馴染まないため、記載を省略しております。

 

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績について、当社の報告セグメントは単一セグメントでありますが、サービス別に示すと、下表のとおりであります。

サービスの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

@nyplace

1,590,396

99.5

COLLABOS PHONE

486,210

99.9

COLLABOS CRM

143,097

88.0

COLLABOS CRM Outbound Edition

34,489

82.2

その他

94,847

120.5

合計

2,349,041

99.2

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱カスタマーリレーションテレマーケティング

298,031

12.58

347,236

14.78

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等

1)財政状態

(資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて144,744千円減少し、2,229,626千円となりました。主な要因は、中期経営計画における新サービス及び現有サービスへのITソリューション開発投資等による無形固定資産が増加した一方で、現金及び預金の減少、本社移転に伴う差入保証金の減少によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて169,179千円減少し、326,643千円となりました。主な要因は、賞与引当金の減少、本社移転に伴う資産除去債務の減少、未払法人税等の減少によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて24,435千円増加し、1,902,983千円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加があった一方で、自己株式の取得による減少によるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は2,349,041千円(前事業年度比0.8%減)となりました。製品・サービスごとの状況は、以下のとおりであります。

・「@nyplace」につきましては、オンプレミス型からクラウド型への新規リプレイス案件の獲得、既存顧客における通販関連業務や運輸関連業務の拡大等に伴う契約数の増加があったものの、前事業年度において、交換機拡張や機器の入れ替え等のスポット案件があったことによる一時売上高の減少、新型コロナウイルス関連のスポット公共案件の業務終了等に伴う契約数の減少等により、期間平均利用席数は7,603席(同239席減)、売上高は1,590,396千円(同0.5%減)となりました。

・「COLLABOS PHONE」につきましては、他社サービスとのシステム連携や販売パートナー契約の締結により、新規案件が堅調に増加し、期間平均利用チャネル数は3,724チャネル(同277チャネル増)となりました。一方で、新型コロナウイルス関連のスポット公共案件の業務終了に伴う契約数や通信利用料の減少に伴い、売上高は486,210千円(同0.1%減)となりました。

・「COLLABOS CRM」及び「COLLABOS CRM Outbound Edition」につきましては、新規案件の獲得やBPO事業者等の業務拡大に伴う契約数の増加があった一方で、新型コロナウイルス関連のスポット公共案件の業務終了等により、契約数が減少いたしました。これらの結果、インバウンド用(受信)の「COLLABOS CRM」につきましては、期間平均利用ID数は2,242ID(同333ID減)、売上高は143,097千円(同12.0%減)となり、アウトバウンド(発信)用の「COLLABOS CRM Outbound Edition」につきましては、期間平均利用ID数は572ID(同217ID減)、売上高は34,489千円(同17.8%減)となりました。

・その他、業務効率化等を実現する付加的サービスにつきましては、音声認識システム「AmiVoice Communication Suite provided by コラボス」、AIデータ解析サービス「GOLDEN LIST」、FAQサービスの「CollasQ」等の新規案件の獲得により、売上高は94,847千円(同20.5%増)となりました。

 

(売上原価)

当事業年度の売上原価は、1,463,823千円(同2.2%増)となりました。主な要因としては、前事業年度における交換機拡張や機器の入れ替え等のスポット案件の仕入原価の減少、新型コロナウイルス関連のスポット公共案件の業務終了等に伴う通信利用料の減少等があった一方で、「@nyplace」のバージョンアップに伴う外注費の増加、中期経営計画における新サービス「GROWCE」のソフトウエア償却費等の先行コストが発生したためであります。サービス別の売上原価の内訳としては、「@nyplace」は、955,302千円(同2.7%増)、「COLLABOS PHONE」は、319,179千円(同11.0%減)、「COLLABOS CRM(Outbound Edition含む)」は、60,375千円(同4.3%減)、その他は、128,966千円(同60.7%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、783,778千円(同9.6%減)となりました。主な要因としては、本社移転に伴う旧本社設備の耐用年数の短縮による減価償却費の増加、中期経営計画における開発推進及びサービス提供における運用体制強化に伴う人件費の増加等があった一方で、賞与の減少及び中期経営計画の新サービス開発に関する要件定義費用の減少、本社移転に伴う家賃の減少等があったためであります。

 

以上の結果、損益につきましては、営業利益は101,439千円(同46.5%増)、経常利益は100,313千円(同31.4%増)、当期純利益につきましては、67,861千円(同25.1%増)となりました。

 

b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は、設立以来、コールセンター向けクラウドサービスの提供を中心に事業を展開しており、業界のパイオニアとして多くのナレッジを基に、コールセンターのシステム構築から運用における業務課題解決に向けたサポートまで、企業の生産性向上や業務効率改善に貢献すべくサービスの提供に努めております。

当社が属するクラウドサービス市場につきましては、2021年末のクラウドサービス利用企業の割合は前年末より1.7ポイント増加し、70.4%に及んでおります。(出典:総務省「情報通信白書 2022年版」)

また、クラウド型CRM市場の市場規模につきましては、2022年度の集計見込みは4,797億円となり、前事業年度4,047億円から18.5%増加の見通しとなっております。資産を持たずコストメリットやスピードメリットに優れるクラウド型の市場は着実に拡大しており、2022年度にはこれまで主流であったシステムを自社保有及び自社運用するオンプレミス型の市場を逆転することが見込まれています。この背景としては、新型コロナウイルス感染拡大下において在宅勤務が浸透し、場所に依存せず働ける体制の整備が求められたこと、また、デジタルシフトの進展等により急速に変化する環境に対応する上で、数年ごとに大きな投資が必要ない点や、新しいサービスや機能を容易に加えられる拡張性・スケーラビリティ、などといったクラウドのメリットを求めるユーザーが増えており、クラウドファーストの動きが進んでいることが挙げられます。今後もクラウド型への移行拡大により、同市場は、2023年度も成長率として前事業年度比18.3%増加となる5,673億円となり、2021年度以降としては年平均成長率17.9%と高水準での増加推移が見込まれ、2026年度には9,203億円にまで拡大すると予想されております。(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「マーテック市場の現状と展望2022年度版〈クラウド型CRM市場編〉」)

一方、今後の経済の見通しについては新型コロナウイルス感染症の規制が緩和され政府の経済対策の効果による景気の回復が期待されますがロシアのウクライナ侵攻の長期化による更なる地政学リスクの高まりインフレや各国の金融引締めの影響による世界的経済成長の減速など依然として景気の先行きは不透明な状況が続くことが予想されます

このような状況の中当社が属するコールセンター市場は人材不足が深刻化しており顧客との接点は労働集約的な人による対応から自動化やAI化が加速していくものと考えられますまた今後のコールセンターシステムはコールセンターにおいて収集した情報をAIに分析させ広告配信や効果的な販売に結び付ける等DXによる統合化が進んでいくことが予想されます

当社はこのような将来の自動化・AI化のニーズを先読みすべく次世代のコールセンターシステムに関する知的システムの開発を進めており、前中期経営計画(2021年3月期から2023年3月期)において、3つの成長戦略による新サービス等の開発投資を実施してまいりました。この成長投資により創出した新たなサービスを新たな中期経営計画(2024年3月期から2026年3月期)において、確実に収益へつなげることにより、更なる企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、事業活動の成果を示す売上高及びサービス別月次利用数を重要な経営指標としており、当事業年度における売上高は2,349,041千円(前事業年度比0.8%減)となりました。

サービス別売上高及び月次利用数の内訳は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。引き続き、これらの指標を拡大していくように取り組んでまいります。

 

d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の報告セグメントは、クラウドサービス事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

a.資金需要の主な内容

当社の運転資金需要のうち主なものは、情報通信機器の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 

b.資金調達

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や設備投資等の調達につきましては、自己資金、金融機関からの短期借入及びリースを基本としております。

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、154,365千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,253,952千円であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値について影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じて、可能な限り合理的と考えられる根拠や要因等に基づき実施しております。しかしながら、これらの見積りについては不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社は、財務諸表作成にあたって会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の内、重要なものと新型コロナウイルス感染症及びロシア・ウクライナ情勢の影響に関する会計上の見積りへの影響については、「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

〔用語解説〕

※1.オンプレミス型

企業が利用するシステムや設備等を自社で保有し自社で構築運用する仕組み

※2.クラウド型

企業自身では設備を持たずインターネット等のネットワークを経由してサービスを利用する仕組み

※3.マルチチャネル

電話やメールFAXWebの問い合わせフォームチャットSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等の複数の問い合わせ手段をもつこと

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。