第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や通貨当局による大規模な金融緩和策に加え、米国の通貨当局においては、金融緩和から利上げへと切り替えるタイミングを伺う状況となっており、金融市場では円安・株高の状況が続きました。こうした金融市場の動向を受け、輸出関連企業を中心に企業収益が改善され、個人消費も改善傾向が見られるなど、国内景気は穏やかな回復基調となりました。その一方で、ギリシャ問題が再燃するユーロ圏や景気減速が懸念される中国などの海外経済の先行きは不透明な部分が残る状況が続いております。

 介護保険制度の状況につきましては、平成27年3月時点の要支援及び要介護認定者の総数は、前年比で3.5%増加し616万人、総受給者数は同4.2%増加し499万人となりました。これらの認定者数及び受給者数の拡大を受けて、福祉用具貸与制度における特殊寝台利用件数も前年比で3.8万件増加し、80万件となるなど福祉用具流通市場の拡大傾向が続きました(出所:厚生労働省HP「介護給付費実態調査月報」)。

 高齢者施設市場におきましては、介護保険制度における施設サービス(特別養護老人ホーム等)及び地域密着型サービス(有料老人ホーム等)を提供する事業所数が平成27年3月時点で3.6万事業所となっており、前年比6.4%増となっております(出所:厚生労働省HP「介護給付費実態調査月報」)。また、国土交通省による「高齢者等居住安定化推進事業」に基づく高齢者住宅(サービス付き高齢者住宅)につきましては、平成27年3月時点で5,493棟(前年比20.6%増)、17.8万戸(同21.3%増)となっております(出所:サービス付き高齢者住宅情報提供システムHP「登録情報の集計結果等」)。

 家具流通市場におきましては、一般ベッドの市場動向は国内人口の減少を受けて年々縮小傾向にあり、ベッド全体の生産実績は平成20年の83万台から平成25年の58万台と5年間で30.3%の減少、平成24年の57万台から比較すると1.8%の増加となっております(出所:全日本ベッド工業会HP「ベッド類生産実績推移」)。

 また、為替の状況に関しましては、国内通貨当局の金融緩和継続と米国の利上げ観測を背景に一貫して円安傾向が続き、期初の1ドル=101円台から期末には1ドル=122円台半ばまで達しました。

 このような経済・業界状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)は、昨期に引き続き在宅用介護ベッド、特に平成26年9月から発売した新商品「MioletⅡ」を中心に拡販を行い、福祉用具流通市場の販売実績は前年同期比で15.6%増加しましたが、高齢者施設市場については著しいディスカウント競争などの影響を受け、同市場の販売実績は前年同期比で21.9%減少しております。なお、当連結会計年度の介護用電動ベッドの総販売台数は4万5千台となります。

 また、為替の円安・ドル高傾向を受けて、当社グループの売上原価が増加し、売上総利益率が低下した一方で、為替リスクヘッジを目的とした為替デリバティブ取引については、平成27年6月期末の実績レートが122円49銭と、当社の想定期末レート118円00銭を超える円安となった影響から当該取引の評価益が増加しております。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,814百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益164百万円(同16.1%減)、経常利益769百万円(同168.8%増)、当期純利益523百万円(同191.1%増)となりました。

 なお、当社グループは介護用電動ベッド事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ543百万円増加し1,195百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は383百万円(前年同期は61百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益806百万円、減価償却費59百万円、仕入債務の増加額54百万円等の増加と、為替差損益429百万円、売上債権の増加額119百万円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は17百万円(前年同期は43百万円の増加)となりました。これは主に、長期貸付金の回収による収入73百万円等の増加と、有形固定資産の取得による支出56百万円等の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は128百万円(前年同期は0百万円の減少)となりました。これは主に、株式発行による収入432百万円等の増加と、短期借入金の純減額183百万円、長期借入金の返済による支出61百万円等の減少によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 最近2連結会計年度の生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

介護用電動ベッド事業(千円)

1,646,588

1,933,474

117.4

合計(千円)

1,646,588

1,933,474

117.4

 (注)1.当社グループは単一セグメントであります。

2.金額は製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 最近2連結会計年度の販売実績を販売先市場別に示すと、次のとおりであります。

販売先市場

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比

(%)

福祉用具流通市場(千円)

3,221,769

3,724,937

115.6

高齢者施設市場(千円)

931,319

727,294

78.1

家具流通市場(千円)

319,340

282,192

88.4

海外市場(千円)

28,393

79,960

281.6

合計(千円)

4,500,823

4,814,384

107.0

 (注)1.当社グループは単一セグメントであるため、販売先市場別に記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱日本ケアサプライ

559,033

12.4

536,729

11.2

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

(1)介護用電動ベッド市場におけるシェア拡大

 国内における高齢者人口は、平成22年の65歳以上人口は2,948万人と総人口の23.0%を構成しておりますが、ピークとみられる平成52年にはそれぞれ3,867万人、36.1%まで上昇すると推定されており(出所:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」)、介護用電動ベッドの需要は年々増加することが見込まれます。

 今後も企業理念である「高品質、高機能、低価格」をテーマにした製品作りに徹し、顧客のニーズに沿った新製品を開発し、販売拠点網の拡大を図ることで、介護用電動ベッド事業におけるシェアの拡大を実現してまいります。

 

(2)新規事業への取り組み

 当社グループは、介護用電動ベッドの製造・販売を主たる業務としており、当該業務による収益がグループ収益の大半を占めております。当社グループは、更なる収益拡大と経営の安定化を目的にこれまで培ってきた介護業界におけるモノづくりの技術やノウハウを活かした新規事業への取り組みをさらに強化してまいります。

 

(3)海外生産体制の確立

 当社は、従前に海外の仕入先で行われていた製品のアッセンブリと品質検査について、当社グループ内で完結させることを目的に、平成24年8月にPLATZ VIETNAM CO.,LTD.を設立しました。これにより、拡大する介護用電動ベッド市場に見合う製造キャパシティの確保が可能となりました。

 海外での生産体制を確立させることで、更なる品質向上と製品の安定供給を図ると同時に、生産効率向上による製造コストの低減を実現してまいります。

 

(4)海外市場展開の強化

 世界的な平均寿命の延伸と出生率の低下により、高齢化は日本国内に留まらず、世界規模での社会問題となっております。特に高齢化が進んでいる中国においては、平成22年の65歳以上人口は約1億1,300万人と総人口の8.3%を構成しておりますが、平成52年にはそれぞれ約3億1,600万人、22.0%まで上昇すると推定されています(出所:United Nations「World Population Prospects:The2012 Revision」)。

 当社グループでは、中国を中心とした東アジア圏市場の開拓に取り組んでおり、中国、韓国のほか、ベトナム、インドネシアにて販売の実績を着実に積み上げております。なお、中国市場における当社製品の拡販と新顧客開拓を図るため、平成27年8月に連結子会社「富若慈(上海)貿易有限公司」を設立しており、同社を起点に更なる業績の向上に努めてまいります。

 今後は各国の介護ニーズにあった商品開発や有力な代理店網の構築等の事業策を展開することで市場の拡大を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)介護保険制度について

 当社グループの主要取引先であるレンタル卸業者、福祉用具貸与事業者及び高齢者施設においては、「介護保険法」をはじめとする各種関連法令によって規制を受ける公的サービスが事業の中心となっております。また、これらの公的サービスは5年毎の介護保険制度の改正、3年毎の介護報酬の改定が行われることとなっており、上記の主要取引先の収益に影響を与える可能性があります。

 したがって、介護保険制度の改正等が行われる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)商品の欠陥について

 当社グループは、自社グループ工場である連結子会社のPLATZ VIETNAM CO.,LTD.及び海外の仕入先において、JIS(日本工業規格)に則して各種商品を製造しておりますが、商品について全く欠陥が発生しないという保証はありません。また、当社は製造物責任賠償に係る保険に加入しておりますが、この保険によって最終的に当社グループが負担する賠償額すべてをカバーできるとは限りません。

 万一、大規模な無償交換(リコール)につながる商品の欠陥が生じ、当社グループが賠償責任を負う場合、多額のコストが発生することとなり、さらに商品に対する評価と会社の信用を大幅に低下させ、当社グループのブランドの毀損につながります。また、商品の欠陥を原因とした事故の発生等により、その過失や補償を巡って第三者との訴訟に発展する可能性もあります。

 その場合は収益が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替変動等について

 当社グループは、部品及び商品の輸出入取引を行っており、それらに係る外貨建金銭債権債務(外貨建予定取引を含む。)について、米ドル、ベトナムドン、ユーロにおける為替相場の変動リスクを有しております。

 そのため当社は、当社グループの業績及び財政状態にもっとも影響を与える米ドルの為替変動によるリスクをヘッジする目的で、米ドルに対して為替予約取引、通貨スワップ取引(クーポンスワップ)、通貨オプション取引(ゼロコストオプション取引)の為替デリバティブ取引を行っております。

 当社は、為替リスク管理規定において、取締役会にて、将来の各期間における想定仕入高に対しての外貨建取引の割合(実需)を想定し、その範囲内で短期(1年以内)、中期(1年超)及び長期(2年超)の為替デリバティブ取引の配分方針を決定する旨を定めております。

 当社グループは部品及び商品を主に海外から調達するとともに生産拠点をベトナムに擁していることから、円安(円高)となった場合、短期的には、円ベースでの売上原価が増加(減少)し、売上総利益率が低下(上昇)する一方、為替差益(差損)の計上により営業外収益(費用)が増加する傾向があります。一方、中長期的に円安傾向となった場合、円ベースでの売上原価が増加し、当社グループの利益が減少する可能性があります。

 また、当社は為替デリバティブ取引におけるヘッジ会計を採用しておりませんので、当該為替デリバティブ取引の各四半期末及び期末時点での残高について期末為替レートを以って時価評価を行い、そのデリバティブ評価損益は営業外損益の為替差損益に計上されます。

 従いまして、期中に為替相場が大きく変動した場合、各四半期の経常利益と当期純利益は著しく変動する可能性があります。

 過去において、為替相場の変動が、為替差益、為替差損等として、当社グループの損益に与えた影響の状況は、以下の通りとなります。特に平成27年6月期においては急激な円安により、期末の為替デリバティブ評価益が403,469千円計上されております。

 

連結経営指標等

(単位:千円)

 

回次

第21期

第22期

第23期

会計期間

自平成24年7月1日

至平成25年6月30日

自平成25年7月1日

至平成26年6月30日

自平成26年7月1日

至平成27年6月30日

売上高

4,495,545

4,500,823

4,814,384

売上総利益

(売上総利益率)

2,106,249

(46.9%)

1,729,006

(38.4%)

1,678,819

(34.9%)

営業利益

657,679

196,307

164,712

営業外収益

為替差益

(うち、デリバティブ評価益)

 

98,363

(74,330)

 

626,727

(403,469)

営業外費用

為替差損

(うち、デリバティブ評価損)

 

62,809

(43,278)

 

 

経常利益

571,253

286,206

769,345

当期純利益

353,990

179,748

523,261

 

(4)特定の仕入先の集中・依存について

 当社グループは、介護用電動ベッドにおける主要部品については当社にて開発・設計を行い、海外の仕入先に製造委託しております。現時点では当該仕入先への依存度は高いものの、継続的で良好な取引関係を維持しております。しかしながら、当社グループと仕入先との良好な取引関係が、何らかの事情によって取引に支障をきたし、主要部品の調達が困難となった場合は、他の仕入先での代替も可能であると考えておりますが、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)生産拠点及び仕入先の海外への集中・依存について

 当社グループの生産拠点及び仕入先は、連結子会社であるPLATZ VIETNAM CO.,LTD.を起点にベトナム及び東アジアに集中しており、東アジア各国の政治・経済情勢の不安定さや周辺国同士との関係悪化等に起因するカントリーリスクが存在しております。当該リスクにより主要部品の調達が困難となった場合やインフレ等に伴い仕入コストの上昇等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合について

 今後予測される高齢者人口の増加に伴い、介護用電動ベッドのみならず、介護市場全体の拡大が推測され、異業種からの新規参入や同業他社の事業拡大のスピードが加速されるものと考えられます。

 当社グループは、こうした競合との競争に対応するため、あらゆる施策を講じてまいりますが、価格競争の激化等が当社グループの想定を超える場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害等によるリスクについて

 地震等の自然災害または大規模火災等により、当社グループの生産拠点や仕入先に重大な損害が発生し、操業中止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報システムについて

 当社グループの事業は、販売管理システムをベースとした日常業務が行われており、このシステム運用については十分な安全性を確保していると考えております。しかしながら、自然災害、システムハード及びネットワークの不具合、コンピューターウイルス等による予測不可能な事態によりシステム障害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)海外の事業展開について

 当社グループでは、中国を中心とした東アジア圏市場の開拓に取り組んでおり、現時点では中国及び韓国にて販売の実績を着実に積み上げております。今後は各国の介護ニーズにあった商品開発や有力な代理店網の構築等の事業施策を展開する計画となっております。

 しかしながら、各国の政治的・経済的要因により、輸出入管理・投資規制・収益の本国送金規制・移転価格税制等に関する予期できない法律・規制の変更等のリスクに直面した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産権の侵害について

 当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、意匠権等その他の知的財産権が他社により侵害されているという事実はありません。また同様に、当社グループの申請済みの知的財産権が他社の知的財産権を侵害しているという事実はありません。

 しかしながら、当社グループの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を主張して法的手段に訴えた場合、あるいは逆に当社グループが法的手段に訴える場合、訴訟に発展する可能性があります。また、その訴訟の結果によって、当社グループの事業が差し止められ、損害賠償等の金銭的な負担を余儀なくされた場合等において、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)主要原材料等の市況変動について

 当社グループの主要製品である介護用電動ベッドの主な原材料である鋼材の価格は、世界規模での需給バランスや各生産地域における経済情勢等により価格が変動しております。

 鋼材の価格が高騰し、販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)新規事業について

 当社グループは、事業基盤の拡大と収益の安定化を図る目的で、現状保有しているノウハウを活かせる周辺事業領域への展開を推進していく予定です。新規事業を開始するにあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)情報管理について

 当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。

 しかしながら、万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「医療介護、健康福祉、ベッド業界に対し、高品質・高機能・低価格をテーマにした製品作りに徹し、お客様に満足と喜びを感じてもらうことを最大の目標に恒久的に社会に貢献するものである。」という企業理念のもと、研究開発活動を行っております。

 当社では、製品の企画・開発・設計のほか、既存製品の改良・改善を行っております。当連結会計年度の研究開発費は、6百万円となっております。

 当社グループは、当社に製品試験設備を設置して、日本工業規格(JIS)と当社安全基準に基づいた各種安全性試験を実施しており、製品の品質の維持・向上に努めております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額等開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、過去の実績を勘案し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積とは異なる場合があります。

 なお、当社の連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて976百万円増加し、3,293百万円となりました。これは主に、現金及び預金、為替予約は増加したものの、その他が減少したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて45百万円増加し、438百万円となりました。これは主に、機械、運搬具及び工具器具備品、投資有価証券が増加したものの、無形固定資産が減少したことによるものです。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,022百万円増加し、3,732百万円となりました。

 

② 負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ87百万円増加し、1,464百万円となりました。これは主に、短期借入金、為替予約が減少したものの、未払法人税等、買掛金が増加したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ11百万円減少し、178百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債、役員退職慰労引当金が増加したものの、長期借入金が減少したことによるものです。

 この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて76百万円増加し、1,642百万円となりました。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて946百万円増加し、2,089百万円となりました。これは主に、利益剰余金が469百万円増加したことに加え、新規上場による公募増資を実施したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ216百万円増加したことによるものであり、この結果、自己資本比率は56.0%となりました。

(3)経営成績の分析

① 売上高及び売上総利益

 売上高は、前連結会計年度に比べて7.0%増加し、4,814百万円となりました。これは主に、平成26年9月から発売した新商品「MioletⅡ」を中心に拡販を行い、福祉用具流通市場の販売実績は前年同期比で15.6%増加しましたが、高齢者施設市場については著しいディスカウント競争などの影響を受け、同市場の販売実績は前年同期比で21.9%減少したことによります。

 売上総利益は、前連結会計年度に比べて2.9%減少の1,678百万円となりました。これは主に、国内通貨当局の大規模な金融緩和策等を背景に円安傾向が続き、輸入仕入コストが上昇したこと等の影響によるものです。この結果、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ3.5ポイント減の34.9%になりました。

 

② 営業利益及び経常利益

 営業利益は、前連結会計年度に比べて16.1%減少し、164百万円となりました。この結果、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ1.0ポイント減の3.4%となりました。

 経常利益は、前連結会計年度に比べて168.8%増加し、769百万円となりました。なお、営業外収益のうち、為替デリバティブ取引における評価益は前連結会計年度は74百万円、当連結会計年度は403百万円を計上しております。この結果、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ9.6ポイント増の16.0%となりました。

③ 当期純利益

 当期純利益は、前連結会計年度に比べて191.1%増加し、523百万円となりました。

 この結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の260.39円から635.46円となりました。自己資本当期純利益率は、前連結会計年度の16.9%から32.4%となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ543百万円増加し1,195百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は383百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益806百万円、減価償却費59百万円、仕入債務の増加額54百万円等の増加と、為替差損益429百万円、売上債権の増加額119百万円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は17百万円となりました。これは主に、長期貸付金の回収による収入73百万円等の増加と、有形固定資産の取得による支出56百万円等の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は128百万円となりました。これは主に、株式発行による収入432百万円等の増加と、短期借入金の純減額183百万円、長期借入金の返済による支出61百万円等の減少によるものであります。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、中期的な事業環境の予測及び達成すべき目標を含む「24期-27期中期経営計画―飛翔V」を策定しており、当該計画における経営戦略の現状と見通しは以下のとおりであります。

① アジア諸国への販売強化と製造拠点の拡充

 当社グループのアジア諸国向けの事業については、中国を中心に展開しております。同国での販売強化につきましては、代理店網による営業拠点の拡大も含め、収益の拡大を目指しております。なお、中国市場における当社製品の拡販と新顧客開拓を図るため、平成27年8月に連結子会社「富若慈(上海)貿易有限公司」を設立しており、事業展開のスピードアップと販路拡大に努めてまいります。

 一方の製造拠点の拡充につきましては、製造原価の低減が最大の課題であり、日本国内での販売商品の水平展開のみならず、部品調達の現地化も手掛けることで同国のニーズに即した商品開発及び製造を積極的に進めてまいります。

 中国以外では、台湾、韓国、ベトナム、インドネシアなどを中心とした東南アジア諸国において事業展開を進めてまいります。

② 営業力の強化

 当社グループにおける収益の大部分は国内販売が占めており、中でも福祉用具流通市場における収益が全体の約7割となっております。今後も同市場での営業力の強化を行い、シェア拡大を図ってまいります。また、高齢者施設市場においても商品ラインナップの拡充や更なるコストダウンを図ることで、シェア及び収益の拡大を図ってまいります。

 

③ 商品コスト訴求力の強化と商品ジャンルの拡大

 当社グループは、「医療介護、健康福祉、ベッド業界に対し、高品質・高機能・低価格をテーマにした製品作りに徹し、お客様に満足と喜びを感じてもらうことを最大の目標に恒久的に社会に貢献するものである。」という企業理念のもと、コスト訴求力のある商品開発を行ってまいりました。

 創業以来培ってきた介護用電動ベッド事業のノウハウを活かし、海外での生産体制の最適化を図ることで更なるコスト訴求力の強化を図りつつ、介護用電動ベッド以外の商品ジャンルの拡充にも努めてまいります。

 

④ 事業領域の拡大

 介護用電動ベッド事業は当社グループのコア事業でありますが、介護業界におけるモノづくりの技術やノウハウを活かし、次代の成長を担う事業領域の拡大に取り組んでまいります。

 現時点では将来性のある事業領域についての調査及び事業案の策定を行っております。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避に、または発生した場合の対応に万全を期すべくリスク管理に努めてまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。

 当社グループの各販売先市場における問題認識及び今後の方針は以下のとおりであります。

 

販売先市場

問題認識

今後の方針

福祉用具流通市場

・介護保険制度の改正に伴う、要介護認定の厳格化及び適正化

・福祉用具の貸与価格の低下が一層進行

・医療、介護機能の再編

レンタル卸業者及び福祉用具貸与事業者のニーズに対応したコスト訴求力の高い新商品の投入

高齢者施設市場

・高齢化の進展に伴う、要介護度が中度以下(※)の介護認定者の重度化

・高齢者施設数の絶対的な不足とそれに応じた厚生労働省及び国土交通省の施設建設計画の継続

・医療、介護機能の再編

・営業力の強化

・価格訴求力のある新商品開発

家具流通市場

・一般家具及び普通ベッド市場の衰退と介護用電動ベッド需要の高位安定

・自宅での利用を前提としたデザイン性へのニーズの高まり

・要介護度の低い利用者向けの低価格帯介護用電動ベッドの強化

・コスト面とデザイン性を両立させた新商品の開発

海外市場

「(5)経営戦略の現状と見通し ① アジア諸国への販売強化と製造拠点の拡充」に記載のとおりであります。

※要介護度が中度以下…要介護度が要介護3以下の要介護認定者