第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策や日銀による金融緩和によって引続き円安・株高の流れとなった結果、概ね企業収益の向上や雇用環境の改善がもたらされました。一方で、中国をはじめとする世界経済の減速から国内輸出企業の業績悪化懸念や米国経済の回復基調の弱含み観測などもあり、円高・株安傾向への転換が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、失業率の改善から個人消費の底堅さは見受けられましたが、足許では実質賃金の伸び悩みによって消費者マインドは悪化しております。また業界特有の人手不足も継続しており、消費者ニーズの変化による業態を超えたサービス競争も進んでいることから、引続き厳しい状況となっております。

このような中、当社では100店舗体制の構築を掲げ出店を行った結果、4月に「なつかし処昭和食堂 豊田丸山店」(愛知県豊田市)・「なつかし処昭和食堂 にじの森店」(熊本県菊池郡菊陽町)、5月に「なつかし処昭和食堂 津駅前店」(三重県津市)・「なつかし処昭和食堂 天文館店」(鹿児島県鹿児島市)、6月に「BARON 宮崎一番街店」(宮崎県宮崎市)・「BARON 下通り店」(熊本市中央区)、7月に「なつかし処昭和食堂 白子駅前店」・「ゆずの雫 白子駅前店」(ともに三重県鈴鹿市)・「BARON 新市街店」(熊本市中央区)、8月に「なつかし処昭和食堂 浜松西浅田店」(浜松市中区)・「なつかし処昭和食堂 日永店」(三重県四日市市)、10月に「なつかし処昭和食堂 静岡呉服町店」(静岡市葵区)及び新業態となる「博多炉端魚'S男 柳橋市場店」(名古屋市中村区)・「Baby Face Planet's 蟹江店」(愛知県海部郡蟹江町)、12月に新業態となる「博多天ぷらきら天 イオンモール常滑店」(愛知県常滑市)及び「なつかし処昭和食堂 犬山駅前店」・「ゆずの雫 犬山駅前店」(ともに愛知県犬山市)・「上方御馳走屋うるる 太田川駅前店」(愛知県東海市)、1月に「大須二丁目酒場 太田川駅前店」(愛知県東海市)及び新業態となる「歌志軒 犬山駅前店」(愛知県犬山市)を新規に出店(合計20店舗)いたしました。業態変更につきましては、6月に「299太郎 師勝店」(愛知県北名古屋市)・「ゆずの雫 東郷店」(愛知県愛知郡東郷町)、7月に「BARON 塩釜口店」(名古屋市天白区)をそれぞれ「なつかし処昭和食堂」業態にて、7月には「博多炉BATAめっけもん 大名店」(福岡市中央区)を「BARON」業態にてリニューアルオープンいたしました。退店につきましては、9月に「なつかし処昭和食堂 伊勢明和店」(三重県多気郡明和町)、3月に「BARON 新市街店」(熊本市中央区)を閉店いたしました。その結果、平成28年3月末現在で94店舗(前期末は76店舗)を営業いたしております。

 

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は5,922百万円(前年同期比18.8%増)となり、営業利益は140百万円(同40.7%減)、経常利益は155百万円(同43.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は58百万円(同64.2%減)となり、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。

 

(注) 当社グループは、飲食事業並びにこれに付帯する業務を営んでおりますが、飲食以外の事業の重要性が乏しいため、セグメント情報の記載は省略しております。

なお、当連結会計年度より「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,556百万円となり、前連結会計年度末の1,266百万円に比べ289百万円増加しております。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は345百万円(前年は678百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が115百万円、減価償却費が342百万円あったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は695百万円(前年は598百万円の使用)となりました。これは主に、新規出店、改装等に伴う有形固定資産の取得による支出が657百万円、敷金及び保証金の純増額が35百万円あったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は639百万円(前年は71百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が1,000百万円、株式発行による収入が278百万円、セール・アンド・リースバックによる収入が207百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が734百万円あったこと等によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2)仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

1,557,466

123.1

その他の事業

247,340

100.3

合計

1,804,807

119.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント・業態ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント・業態の名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

なつかし処昭和食堂

3,681,966

113.5

その他の業態

2,148,001

131.6

その他の事業

92,690

85.7

合計

5,922,658

118.8

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.飲食事業の業態は、当連結会計年度末におけるものとなっております。

 

3【対処すべき課題】

当社グループの属する外食産業において、企業間競争はますます激化しております。今後もこの傾向は、継続すると考えられます。こうした中、当社グループは、「幸せな食文化の創造」という社是のもと、ビジネスチャンスを着実に収益に繋げ、企業価値を高めていくために、以下の点に取り組んでまいります。

 

(1)人材の確保及び育成

当社グループにおける最も大切な経営資源は「人」であり、他社が模倣できない当社の風土が生み出す「人間力」は、サービス向上の原動力であり、差別化の源泉として、貴重な経営資源であると考えております。当社グループの飲食事業においては、お客様のニーズに柔軟に対応するため、出店立地の峻別や店舗の個性を最大限に発揮させることで、店舗運営・サービスの提供方法等について各店舗の創意工夫を最大限に活かす仕組みとなっております。その結果が店舗活性化のノウハウや顧客ニーズへの対応力等、ソフト面での経営資源の蓄積につながり、競争力の向上に寄与するものと考えております。そのため、お客様に提供するサービスや店舗運営方法等は、各店舗の人材に影響を受けますので、優秀な人材の確保・育成は重要な課題となります。人材の確保につきましては、従来から力を入れております新卒・中途採用の一層の充実を図り、育成につきましては、人事制度の一層の充実を図ってまいります。

 

(2)既存店舗・業態の収益力の維持、拡大

外食産業におきましては、個人消費の低迷を受けての低価格路線や、企業間競争の激化による既存店売上の減少等により企業収益の低下傾向が長く続いております。当社グループの飲食事業は、平成28年3月31日現在において、14業態94店舗を有しておりますが、そのうち54店舗が主力業態の「なつかし処昭和食堂(ナツカシドコロショウワショクドウ)」であり、安定した収益を生み出す業態となっております。「なつかし処昭和食堂」については、都心部や当社グループが出店を強化している郊外ロードサイドにおいて、まだまだ出店余地が残されていると考えており、引き続き、同業態の既存店売上の底上げと併せ、空白地帯への出店を図ってまいります。

その中で、当社グループは、子会社に鮮魚類の卸売を業とする株式会社魚帆があることによって安価で付加価値の高い商品を提供することが可能であるうえに、社内の販促物制作室によるスピーディーで様々な販促手法を活用することで客数の更なる向上を図り、収益力の維持・拡大を推進してまいります。

 

(3)新業態の開発

外食業界が成熟する中でお客様のニーズも多様化しており、いわゆる総合居酒屋の枠を超えた新しい業態を開発することが、今後の更なる成長においては必要であると考えております。これまで当社グループになかった業態を開発することで、顕在化する経営リスクをヘッジ出来るものと考えております。

加えて、新業態を積極的に展開することは、従業員のチャレンジの場となり、成長機会やモチベーションの向上につながるため、人材育成の観点からも重要であると考えております。

 

(4)新たなエリアへの出店

当社グループの飲食事業は、主に平均客単価2,600円前後の総合居酒屋を、東海地区の郊外を中心に展開しております。現在の展開領域においても競争力と出店余地は十分にあると分析しておりますが、更なる事業拡大に向けて出店エリアの拡大が重要課題であると考えております。今後、関東地区や関西地区への出店の強化を図ってまいります。長期的には、全国へ出店地域を拡大することで、安定的な成長並びに知名度のアップによる優秀な人材の確保を推し進めてまいります。

 

(5)衛生管理の強化、徹底

外食産業においては、食中毒事故や食材の偽装表示の問題等により、食品の安全性や品質管理に対する社会的な要請が強くなっております。当社グループの各店舗・事業所では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底すると共に、定期的に本社人員による店舗監査や子会社への監査を行っております。その結果に基づき各店舗・事業所に指導を行う等の衛生管理体制を整備しております。今後も法改正等に対応しながら、更なる衛生管理体制の強化を図ってまいります。

 

(6)経営管理体制の強化

当社グループは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信用され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのための更なる企業規模拡大の基盤となる経営管理組織を拡充していくため、今後においても意思決定の明確化、組織体制の最適化、内部監査体制の充実及び監査役並びに会計監査人による監査との連携を強化し、加えて全従業員に対しても、継続的な啓蒙、教育活動を行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

① 市場動向について

当社グループの主たる事業が属している外食業界は、景気低迷が続いたことによる消費不況や、調理済食材や惣菜等を持ち帰って食する中食市場の成長等の影響により、外食事業者の既存店売上高が減少傾向にあります。

また、当社グループの店舗は東海地区における割合が高く、当該地区特有の経済環境の変化による市場規模の変動によって業績等に影響を及ぼす可能性があります。

② 競合他社について

居酒屋業界は、他業界と比較すると参入障壁が低いため新規参入が多く、実質賃金の伸び悩み、若年世代の飲酒離れ等、非常に厳しい競合状態が続いています。その中で当社グループの店舗においては、食材仕入れの優位性とブランド開発の点で他社との差別化を図ると共に、販売促進等による客数向上を図る戦略をとっております。しかしながら、今後当社グループと同様のコンセプトを持つ他社運営の店舗が増加することにより競合状態が更に激化した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループといたしましては、永く愛される魅力的な店づくりとともに、サービスの質の向上、メニュー変更、内外装のリニューアル及び業態変更等を実施することにより、既存店売上高の維持並びに拡大を図っておりますが、当社グループが主に出店しているロードサイド等の立地において商流の変化及び周辺の商業施設との競合等が生じることで、その集客力が低下した場合、既存店舗の売上高が減少し当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業展開及び当社サービスに関するリスクについて

① 出店政策について

当社グループの基本的な出店方針は、特定の出店地域ごとに店舗数を拡大していくドミナント方式であり、郊外ロードサイドモデルについては学生街や新興住宅地周辺への出店、都心ビルインモデルについては繁華街、ビジネス街及び駅前等の中心地への出店を基本としております。現在の展開エリアにつきましては、主に愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の東海地区及び九州地区の主要都市を中心として、関東地区・関西地区にも店舗展開しております。

当社グループでは、出店候補地の立地特性、賃貸条件、売上予測、投資採算性等を慎重に検討し、出店地を決定しております。そのため、当該展開エリアにおいて、計画した出店数に見合った出店地を十分に確保できない可能性があり、その場合には、当社グループの業績見通し及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

② 業態開発について

当社グループは、商圏・物件の条件に合わせた複数の個性ある業態を有しております。今後も引き続き新規業態の開発を進める予定でありますが、市場ニーズ及び消費者嗜好の変化等により、お客様に受け入れられる業態を開発できなかった場合には、当社グループの業績見通し及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

③ 出退店時に発生する費用及び損失について

当社グループでは、居抜き物件を活用し初期投資を抑えて開業する低投資出店を出店戦略としていますが、新規出店時や業態変更時に什器備品等の消耗品や販売促進に伴う費用が一時的に発生するため、大量の新規出店・業態変更や期末に近い時点での新規出店は、利益を押し下げる要因となります。また、収益性の向上を図るため、業績の改善が見込めない店舗については閉鎖しております。店舗閉鎖時には、キャッシュ・フロー及び業績への影響を総合的に勘案し、撤退時期の選定や内装設備の売却等により費用及び損失を最小限に抑えられるよう努めておりますが、固定資産除却損、賃貸借契約やリース契約の解約に伴う違約金等が発生する可能性があります。したがって、大量の新規出店、業態変更や退店を行った場合、あるいは出店時における内装工事の遅れや入居する商業施設等の完成時期のずれ込み等が発生し新規出店が期末に近い時点に偏った場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 人材の確保及び育成について

当社グループは継続的な新規事業の開発及び更なる店舗展開を図っていく方針であるため、十分な人材の確保及び育成ができない場合には、新規事業開発の遅れ、サービスの低下による集客力の低下、計画通りの出店が困難となること等により、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社内外にて人材教育を行っておりますが、十分な教育が行き届かず従業員が引き起こした不祥事により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 送迎サービスについて

当社グループにおいて、お客様を送迎する際に車両を利用することから、その責任の所在にかかわらず交通事故に遭遇するリスクがあります。そのため、当社グループでは、交通安全管理に関する担当部署を設置し、安全運転管理者を選任し公益社団法人主催による講習会への参加等の啓蒙活動及び各店舗においてもドライバーへの安全運転に対する指導教育を行い、業務中はもとより業務以外においても安全運転を心掛けております。万一の場合には、事故の被害者に十分な補償ができるよう全車両が任意保険に加入しておりますが、予想を超える大きな事故が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが委託している業者が当社の車両を使い送迎を行った際に遭遇した交通事故においても、その責任の所在にかかわらず、レピュテーションリスクを抱えることになるため、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて

① 食品衛生管理について

当社グループでは、「食品衛生法」を遵守し、管轄保健所を通じ営業許可を取得しております。各店舗・事業所では、食品衛生管理者の設置を管轄保健所に届け出ております。また、日常的なチェック、内部監査による監査や改善指導等を実施しております。本書提出日現在までに、当社グループにおいて、衛生管理面で重大な問題が生じた事実はございません。しかしながら、今後、各店舗・事業所において食中毒の発生の危険性は否定できず、万一、飲食物を起因とする伝染病等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について

平成13年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社グループは食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しており、本書提出日現在、この法令には抵触しておりませんが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律について

深夜0時以降も営業する飲食店につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 労働関連法令について

現在、厚生労働省において短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用基準を拡大する案が検討されております。当社グループでは各店舗において多数の短時間労働者を雇用しており、これらの法改正の動向によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 個人情報の保護について

当社グループは、お客様から頂くアンケートに記載されている情報、採用した従業員の情報等多数の個人情報を保有しており、社内規程に則った厳重な管理体制には万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、法令違反、損害賠償等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 商標等について

当社グループの各店舗等において使用する名称・商標等については、その使用に先立ち、外部の専門家を通じて第三者の商標権等を侵害していないかについて確認し、侵害の恐れのある名称は使用を避け、かつ、可能な限り当社グループにおいて商標登録を取得する等により、これら商標の使用権の確保及び第三者の権利侵害の回避に努めております。しかしながら、当社グループの各店舗の名称・商標又は業態等が第三者のものと類似する等の理由により、第三者から当社グループの商標登録の無効審判、損害賠償、商標使用差止、営業差止等を請求され、仮にこれらの請求が認められた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 卸売市場での仕入れについて

当社グループの子会社である株式会社魚帆は、柳橋中央市場において店舗利用権を代表取締役社長の親族より賃借しているため、鮮魚などの同市場での取り引きができ、合わせて名古屋市中央卸売市場での仕入れも可能となり、食材調達の安定化に繋がっております。しかしながら、何らかの事情により組合員である代表取締役社長の親族が持つ柳橋中央市場における店舗利用権の契約更新が出来ない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 食材の安全性及び安定供給並びに価格高騰について

当社グループにおきましては、多業態を展開しているため特定の食材に依存している事実はなく、引き続き食材の安全かつ安定的な確保に積極的に取り組む方針ではありますが、天候不順による農作物の不作や政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動など需給関係の変動に伴う市況変動や、食材の安全性に関わる不安等による消費者の外食離れが生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、上記の天候不順による需給関係や為替相場等によって急激に価格の変動する可能性がある食材を当社グループでは購入しております。このような事象が発生し、原材料価格が高騰した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

② 金利変動の影響について

当社グループは、出店時等における設備投資資金を主として金融機関からの借入若しくはリースにより調達しており、平成28年3月31日現在における総資産に占める有利子負債の割合は52.3%(有利子負債残高1,791百万円/総資産額3,426百万円)となっております。今後の出店等に伴う資金調達について、引き続き経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正水準の維持に努めながら事業展開を行う予定でございますが、有利子負債への依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 敷金及び保証金について

当社グループは、賃借による出店を基本方針としており、平成28年3月31日現在、全店舗が借家又は借地の賃借物件となっております。物件の賃借においては、賃貸人に対し敷金及び保証金を預け入れる場合があります。敷金及び保証金の残高は平成27年3月31日現在246百万円、平成28年3月31日現在281百万円となっており、総資産に占める割合は、各々8.9%、8.2%となっております。

契約に際しては、物件所有者の信用状況の確認等を行い十分検討しておりますが、今後の賃貸人の経営状況によっては、当該店舗における営業の継続に支障が生じ、契約満了による退店をした際に敷金及び保証金の全部又は一部が返還されない可能性があります。また、当社グループ側の都合によって不採算店舗の契約を中途解約する場合等に、締結している賃貸借契約の内容によっては、敷金及び保証金の全部又は一部が返還されない場合があり、当社グループの財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 特定人物への依存について

当社グループの経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発及び立地開発等、当社グループの業務執行において、重要な役割を創業者であり現代表取締役社長である久田敏貴氏にその大半を依存しております。当社グループでは、組織体制の充実や職務分掌及び職務権限規程に基づく権限の委譲など、同氏に過度に依存しない組織体制への移行を進めており、人材の育成、充実が進むにつれ同氏への依存度は相対的に低下するものと考えておりますが、そうした経営体制への移行の過程において、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績及び事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ システム障害について

当社グループは、店舗の売上管理、食材の受発注、勤怠管理等の店舗システムの運営管理を、専門の外部業者に委託するとともに、バックアップ体制を十分に構築しておりますが、災害や機械の故障、コンピュータウイルスの侵入等不測の事態によってシステム障害が発生した場合には、当社の運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 株式会社トーカンからの仕入依存度について

当社グループは、同社に物流システムをアウトソーシングし、同社が仕入帳合をしている関係から、当社グループの仕入金額に占める同社の仕入金額が高くなっております(平成28年3月期の仕入金額に占める同社からの内部取引除去後の仕入割合は56.0%)。今後、同社に係る仕入帳合及び物流システムのアウトソーシングに何らかの支障が生じた場合には、その他の既存仕入先に移行するまでの間、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 減損損失について

当社グループでは、外的環境の著しい変化等により、店舗収益性が悪化し、事業計画において計画したものと大きく業績が乖離した場合、固定資産及びリース資産について減損損失を計上することとなり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 自然災害について

当社グループは東海地区を中心に店舗を展開しております。東海地区において、昨今の異常気象をはじめ、地震や台風などの天変地異により、特定の店舗に留まらず、ある程度のエリアの店舗に跨ってお客様の来店が困難になった場合、また店舗の破損・道路の寸断などによって仕入等が困難になった場合には売上及び利益が減少することが考えられます。更に被害の程度によっては、修繕費や除却損等の多額の費用が発生する可能性があるため、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① 配当政策について

当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置付けており、経営成績及び財務状態等を勘案し、利益還元政策を決定していくことにしております。当社はこの数年継続的に利益を計上しておりますが、新規出店による事業規模の拡大及び財務基盤の強化を目的として内部留保の充実を優先してきたため、設立以来平成25年3月期まで配当を実施しておりませんでした。平成26年3月期におきましては、配当を実施できる環境になったと判断したため、初めて実施することとなりました。今後につきましては、内部留保を確保しつつ会社業績の動向に応じて株主への利益還元に取り組む方針であります。

② 資金使途及び投資効果について

金融機関より調達した資金の使途は、全額、飲食事業における新規出店及び改装にかかる設備投資に充当する計画でありますが、出店した業態が立地に適応しなかった場合には、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

取引基本契約

相手側の名称

契約内容

契約期間

契約の概要

株式会社トーカン

商取引契約

契約日平成25年10月15日より

期間の定めなし(ただし、30日の予告期間をもって本契約を解約することが出来る)。

食材・飲料等の仕入・配送取引(購買)

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

 

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は3,426百万円(前連結会計年度末2,782百万円)となり644百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が借入等により277百万円、新規開店等により有形固定資産が336百万円、敷金及び保証金が35百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は2,570百万円(前連結会計年度末2,266百万円)となり304百万円増加いたしました。その主な要因は、リース債務が95百万円及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が265百万円増加したものの、未払法人税等80百万円が減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、855百万円(前連結会計年度末515百万円)となり340百万円増加し、自己資本比率は25.0%(前連結会計年度末18.5%)になりました。これは、上場に伴う新株の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ140百万円、利益剰余金が58百万円増加したことによるものであります。

 

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績は、第2「事業の状況」1.「業績等の概要」(1)業績に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりであります。

(売上高)

売上高は、新規出店、リニューアルオープン等の結果937百万円増加し、5,922百万円(前年同期比18.8%増)となりました。

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、1,648百万円(前年同期比29.2%増)で原価率は27.8%、売上総利益は、4,274百万円(同15.2%増)で売上総利益率は72.2%となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、4,134百万円(前年同期比19.1%増)で売上高比69.8%となりました。

(営業利益)

営業利益は、140百万円(前年同期比40.7%減)で売上高対営業利益率は2.4%となりました。

(経常利益)

経常利益は、155百万円(前年同期比43.9%減)で売上高対経常利益率は2.6%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、58百万円(前年同期比64.2%減)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、1,556百万円となり、前連結会計年度末の1,266百万円に比べ289百万円増加しております。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は345百万円(前年同期比332百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を115百万円、非資金項目である減価償却費を342百万円計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は695百万円(前年同期比97百万円増)となりました。これは主に、新規出店等の設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出を657百万円、敷金及び保証金の増減額による増加額を35百万円計上したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は639百万円(前年同期比710百万円増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入を1,000百万円、株式発行による収入を278百万円、セール・アンド・リースバックによる収入を207百万円計上したことに対して、長期借入金の返済による支出を734百万円計上したこと等によるものであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、当社グループの中で多くを占める居酒屋業界において、若年層のアルコール離れや少子高齢化等により市場全体が縮小しているといわれる中、他社との競合状態が激化し、当社グループの出店条件に合致する出店店舗の契約が締結できない等の理由で、新規出店が計画通りに遂行できない事態等が挙げられます。

当社グループにおきましては、出店候補地情報を幅広く収集し、早期の出店検討を図り、その地域のお客様ニーズに合った店舗開発を行う方針であります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

今後における外食業界を取り巻く経営環境は、消費者マインドの悪化や多彩な消費者ニーズの変化への対応、同業者間での価格やサービスの競争等により引き続き厳しい状況で推移していくことが予測されます。

こうした状況のなか、当社グループにおきましては、当連結会計年度と同様に積極的な出店戦略による事業拡大を行ってまいります。また、中期経営計画にある人材の育成・強化を推し進めるため、出店費及び人件費に経営資源を集中し、中長期的な視点による安定経営を目指してまいります。