(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られたものの、中国経済の減速や原油価格の下落、円高の進行等の景気下押しリスクもあり、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する動物医療業界におきましては、犬猫飼育数の伸び悩みなど懸念すべき状況もありますが、平均寿命の伸長に伴う犬猫の高齢化が進んでおり、疾病が多様化する中で飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請が高まってきております。
当連結会計年度においては、高度医療レベルの向上や業務効率化のため、新技術の導入及び一部の診療機器の更新を行いました。また、診療実績や研究成果を発表するための学術学会での報告やセミナー開催を活発に行い、紹介症例数の増加に努めました。その結果、初診数(新規に受け入れた症例数)は4,355件(前連結会計年度比12.3%増)、総診療数(初診数と再診数の合計)は17,928件(前連結会計年度比11.9%増)となりました。
臨床研究においては、腫瘍領域における動物用医薬品や医療機器等の治験受託のほか、消化器領域や脳神経領域、腫瘍領域において大学との共同研究を行うことで、将来の最先端医療の新規開発や国内への導入における貢献を行いました。
教育部門においては、獣医学生・動物看護学生のインターンシップ受け入れや一次診療獣医師の臨床研修受け入れにより獣医学教育に貢献するとともに、当社独自の卒後臨床研修プログラムや小動物外科レジデントプログラムの実施、各種専門医・認定医の取得支援により、当社の医療レベル向上に積極的に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,093,414千円(前連結会計年度比10.5%増)、営業利益244,041千円(前連結会計年度比52.6%増)、経常利益232,069千円(前連結会計年度比61.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214,817千円(前連結会計年度比38.1%増)となりました。
なお、当連結会計年度より「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動による資金の増加431,832千円、投資活動による資金の減少348,052千円、財務活動による資金の増加33,211千円の結果、前連結会計年度末に比べ116,911千円増加し、750,444千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、431,832千円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益228,084千円、減価償却費211,985千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、348,052千円(前連結会計年度比39.8%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出329,465千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、33,211千円(前連結会計年度比93.0%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入570,000千円、株式の発行による収入124,914千円及び短期借入金の返済による支出210,000千円、長期借入金の返済による支出357,537千円等によるものであります。
(1) 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注状況
動物医療関連事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注状況に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当社グループは、動物医療関連事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の販売実績を売上種類別に示すと、次の通りであります。
|
売上種類の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
二次診療サービス(千円) |
1,606,673 |
110.3 |
|
画像診断サービス(千円) |
471,153 |
109.7 |
|
その他(千円) |
15,586 |
206.8 |
|
合計(千円) |
2,093,414 |
110.5 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループの属する動物医療業界は、動物病院の新規開業の増加により競争環境が激化する一方、動物の高齢化による疾病の多様化を背景に、高度な動物医療に対する需要は高まりつつあります。
このような状況の下、当社グループといたしましては、二次診療施設として顧客のニーズに応えられるよう、以下の具体的な課題に取り組んでまいります。
(1)最先端の動物医療の提供
「高度医療」を実践する施設として、新技術の導入、診療技術の向上、設備の充実を図ることにより、顧客満足度を高めていくほか、診療実績や研究成果の発表機会の拡大による当社及び当社獣医師の知名度の向上と評価の獲得に引き続き注力してまいります。
(2)他地域への二次診療施設の展開
全国の顧客にサービスを提供するためには、二次診療施設を他の地域に新設していくことは不可欠と考えております。名古屋分院をモデルとして、東京、大阪などの全国主要都市に二次診療施設を展開してまいります。
(3)動物医療業界における地位の確立とネットワークの強化
臨床研究では、治験への積極的な参加などを継続し、教育部門では、学会等で発表する症例数の増加、独自のセミナー開催頻度の向上、研修医の評価方法・指導内容の確立を目指すと同時に、大学や獣医師会と協力して、臨床現場における教育活動を行ってまいります。これらにより、当社の動物医療業界における地位の確立の進展及び地域の診療施設とのネットワークの強化を図ってまいります。
(4)人材の育成、確保
当社グループの事業活動は、動物医療業界における豊富な経験を有する経営陣及び動物医療スタッフにより運営されているものの、事業を推進する各部署の責任者及び高い専門性を有する獣医師に依存するところがあります。当社グループが継続的な発展を実現するため、優秀な人材の育成と確保に努めてまいります。
(5)グループ内シナジーの発揮
子会社が運営する画像診断施設において、当社の豊富な診療のノウハウを取り入れながら、多岐に亘る顧客の要望に応えるべく社内体制整備に取り組んでまいります。
また、今後は、本部機能、人材採用活動、院内システム等の経営資源をグループ内で共有することにより、経営の効率化を図っていきたいと考えております。
(6)コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能を強化し、社会的信用を維持・向上させていくことが重要であると認識しております。
コーポレート・ガバナンスに関しては、内部監査室による定期的モニタリングの実施と監査等委員会や監査法人との良好な意思疎通を図ることにより適切に運用しておりますが、経営の適切性や健全性を確保しつつ、全社的に効率化された組織体制の構築に向けて、さらなる内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
なお、当社は平成28年6月23日開催の定時株主総会決議によって、取締役会の監督機能強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図り、経営の健全性と効率性を高めるため、「監査等委員会」を有する監査等委員会設置会社へ移行いたしました。
以下に、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具現化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から、積極的に記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に由来するリスク
①事業環境の変化について
当社グループは、動物医療関連事業を主たる事業領域としていることから、飼育動物の頭数の影響を大きく受けると考えられます。飼育動物の頭数は、人口動態、景気動向等の影響を受けると考えられ、一部の調査におきましては近年伸び悩み傾向が指摘されております。一方で動物の平均寿命は伸びてきており、高齢化による疾病が多様化していること、ペット保険の加入率が増加傾向にあること、動物1頭あたりにかける飼育費(診療費を含む)が増加傾向にあること等から、当社グループが手掛ける「動物の高度医療」に対するニーズはむしろ高まっていると認識しております。しかし上記の事業環境が悪化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社グループが主たる事業領域としている動物医療業界におきましては、動物病院の数は増加傾向にあります。その大部分は地域に密着した病院(以下「一次診療施設」といいます。)であり、当社グループのような一次診療施設から紹介を受ける診療施設(以下「二次診療施設」といいます。)は、人的資源及び多額の資金を必要とすることから比較的参入障壁が高いと思われ、これまでのところ急速に増加しているとは認識しておりません。また、当社グループは多くの専門診療科を有するいわゆる総合診療施設を志向しており、複数の専門診療科の連携によって患者動物に最適な診療サービスを提供することで、他の二次診療施設との差別化を図っております。
現行の画像診断施設におきましても、当社の豊富な診療ノウハウの導入及び積極的な設備投資により、顧客のニーズに沿ったサービスの向上を図ってまいります。
しかしながら、今後当社グループが十分な差別化やサービス向上を図れなかった場合や、新規参入等により競争が激化し、診療数の減少が進んだ場合等には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に由来するリスク
①診療サービスの過誤について
当社グループは、提供する動物医療サービスの品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービスに過誤が生じるリスクがあります。その場合、当社グループは、サービスの過誤が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービスに過誤が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、当社グループのサービスに対するニーズが低下する可能性があります。これらの場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②診療動物間での感染症の流行について
当社グループでは、患者動物の感染症についても、診察時に患者動物の感染の有無の確認を行うことや感染症にかかった患者動物用の入院室を有していること等、厳重に対応しておりますが、患者動物の間で犬ジステンパー感染症、ケンネルコフ、猫のウイルス性上部気道感染症などの感染症が流行したことにより当社グループの社会的評価が低下した場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③施設の展開及び設備投資について
当社グループは日本の各地に積極的に施設(分院等)の展開を推進していく予定です。当社グループがサービスを提供していなかった地域に新たに施設を開設した場合、通常、顧客は徐々に増加してまいりますが、開設する地域によっては損益分岐点を上回るまでには相応の時間を要するため、開設からある程度の期間は赤字を計上する可能性があります。
また、既存施設においても、今後の顧客増加に備えるため、あるいは医療サービスの品質の向上を図るため、継続的な医療機器等の設備投資が必要であると認識しています。施設の新設や設備投資を行ったものの、顧客数、症例数が想定を下回った場合には、稼働率が低下することになり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて
①法的リスク
当社グループの動物医療関連事業につきましては、「獣医師法」、「獣医療法」、その他法令により規制を受けておりますが、今後、それらの法令の改廃または新たな規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点においては、行政処分に該当する事象は発生していないものと認識しております。
イ.獣医師法
獣医師法では、獣医師の任務、免許の取得、免許の取消・業務の停止、義務等について定められており、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.獣医療法
獣医療法は、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とした法律であり、診療施設の構造設備の基準、診療施設の管理、獣医療を提供する体制の整備のための基本方針等について定められており、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.その他法令、及び法令改正対応
前記獣医師法・獣医療法を始め当社グループが運営する事業に関係する法令改正については、管理部企画課を中心に情報収集を行っており、各部署において必要に応じた対応を行っています。
特に農林水産省より平成32年度を目標年度とする「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」(平成22年8月31日付)が公表され、当社グループの主な事業分野である小動物分野における獣医療に関して、「獣医師の養成と医療技術に関する研修体制の体系的な整備」、「動物看護職の地位や身分の確立」、「小動物分野の獣医療に対する監視指導体制の整備及び獣医療に関する相談窓口の明確化」を図ることとされております。この基本方針に基づく法改正等の動向により、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当基本方針に沿うものとして、平成23年9月に動物看護職(一般的呼称として「動物看護師」)が一定以上の水準の技能を有していることを認定(「認定動物看護師」)するための機関として動物看護師統一認定機構が設立され、当社グループの動物看護職についても同機構の認定を取得する取組を推進しております。
②情報管理に関するリスク
顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものと認識しております。当社グループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について様々な対策を推進しておりますが、万一、情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産等に関するリスク
当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取組んでおります。当社グループは、本書提出日現在において、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、またそのような通知を受けておりません。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合または認識していない権利が既に成立している場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性並びに使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社グループが使用する商標権が、第三者より侵害された場合には当社グループのブランドイメージが低下する可能性がある他、解決までに多くの時間と費用を要する可能性があります。それらの場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他のリスク
①人材の育成及び確保について
当社グループにおいて専門性の高い獣医師をはじめとする優秀な人材の育成、定着及び確保は今後の業容拡大のための重要課題であります。新入社員及び中途入社社員に対する研修の実施をはじめ、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の育成、確保に努め、社内研修・カンファレンス、症例報告会、学会発表の指導等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。
しかしながら必要とする人材を採用できない場合、また採用、育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたし、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②社歴が浅いことについて
当社グループは、平成17年9月に設立され、未だ業歴が浅く成長途上にあります。従って過去の財務情報だけでは今後の事業展開及び業績を予測する上で十分な判断を提供しているとは言えない可能性があります。
③特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である平尾秀博は、経営方針及び事業戦略等を決定するとともに、診療現場の運営にも携わっており、当社グループのビジネス全般について重要な役割を果たしております。
当社グループは、経営ノウハウの共有、権限移譲や組織の整備などにより、同氏に過度に依存しない事業体制の構築に努めてまいりますが、今後何らかの理由で同氏が業務を執行することが困難となった場合は、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④自然災害・火災・事故への対応について
地震、風水害等の自然災害により、事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績等が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループは安全を第一とし、労使間において安全衛生委員会を設けて、安全対策の推進、安全教育の実施等を行っておりますが、万一、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤有利子負債依存度について
当社グループは、設備投資費用や運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、有利子負債が2,909,510千円(平成28年3月末現在)、有利子負債依存度が69.9%と高い状況にあります。現状は借り換えも含め順調に調達ができておりますが、今後、金利水準が上昇した場合や計画どおりに資金調達ができなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥配当政策について
当社グループは、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社グループは本書提出日現在、事業の拡大過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先して、創業以来平成28年3月期まで無配当としてまいりました。
現在は内部留保の充実に努めておりますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配分を検討する方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については現時点において未定であります。
⑦潜在株式について
当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権(以下、「ストック・オプション」といいます。)を付与しており、今後も新たなストック・オプションの付与を検討する可能性があります。本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は187,000株であり、提出日現在の発行済株式総数の8.0%に相当いたします。このストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動が生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
⑧税務上の繰越欠損金について
当社は、第11期事業年度末現在において税務上の繰越欠損金(448,813千円)が存在しております。そのため、事業計画の進展から順調に当社業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得からの控除が受けられなくなった場合や繰越欠損金の期限が切れた場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
⑨財務制限条項について
当社が複数の金融機関との間で締結している借入にかかわる契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入についての期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
連結子会社の吸収合併
当社は、平成28年5月12日開催の取締役会において、当社の100%子会社であるJCアライアンス株式会社を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 2財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社グループでは、動物医療に関する企業からの受託開発を行っております。
医薬品、飼料、医療機器の研究開発に関して、当社の豊富な臨床症例を背景に、各種企業で開発された医薬品、医療機器の認可に必要な治験業務を受託することにより、広く社会に貢献しております。また、豊富ながん症例を対象に遺伝子解析を行っており、新規薬剤開発に必要なデータの集積に努めております。なお、受託開発については当連結会計年度における研究開発費はありません。
また、動物医療業界における総合的プラットフォーム企業を目指して、JCアライアンス株式会社において行っておりますシステムの研究開発費として8,951千円を計上しました。
なお、当社グループは動物医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」として表示しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は4,160,746千円となり、前連結会計年度末と比べて238,483千円増加いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、169,266千円増加し、1,052,952千円となりました。これは主に現金及び預金の増加116,991千円、売掛金の増加19,696千円、繰延税金資産の増加19,846千円等によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、69,217千円増加し、3,107,793千円となりました。これは主に土地の増加373,048千円、建設仮勘定の減少179,439千円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,164,752千円となり、前連結会計年度末と比べて101,338千円減少いたしました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ、208,584千円減少し、840,110千円となりました。これは主に短期借入金の減少210,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加36,012千円、賞与引当金の増加31,692千円等によるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ、107,245千円増加し、2,324,641千円となりました。これは主にリース債務の減少23,714千円、長期借入金の増加176,451千円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は995,993千円となり、前連結会計年度末と比べて339,822千円増加いたしました。これは資本金及び資本剰余金の増加125,004円、利益剰余金の増加214,817千円によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、2,093,414千円(前連結会計年度比10.5%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、売上の増加等により、1,341,520千円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
この結果、売上総利益は751,893千円(前連結会計年度比23.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、上場に伴う関連費用増加等により、507,852千円(前連結会計年度比12.8%増)となりました。
この結果、営業利益は244,041千円(前連結会計年度比52.6%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度においては、家賃収入等の営業外収益33,733千円、支払利息等の営業外費用45,705千円を計上しております。
この結果、経常利益は232,069千円(前連結会計年度比61.8%増)となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度においては、資産除去債務等の特別利益710千円、減損損失による特別損失4,695千円を計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益は228,084千円(前連結会計年度比68.7%増)となりました。法人税等を51,523千円、法人税等調整額を△38,256千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は214,817千円(前連結会計年度比38.1%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動による資金の増加431,832千円、投資活動による資金の減少348,052千円、財務活動による資金の増加33,211千円の結果、前連結会計年度末に比べ116,991千円増加し、750,444千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、431,832千円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益228,084千円、減価償却費211,985千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、348,052千円(前連結会計年度比39.8%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出329,465千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、33,211千円(前連結会計年度比93.0%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入570,000千円、株式の発行による収入124,914千円及び短期借入金の返済による支出210,000千円、長期借入金の返済による支出357,537千円等によるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループの使命は、動物にも人間と同じように先進的な治療を受けさせたいという飼い主のニーズに応えていくことであると考えており、その潜在的なニーズは全国に存在するものと認識しております。
今後も、全国的に拠点展開を行うことで、量的な成長を図るとともに、新しい先進的な治療技術の導入、診療技術の向上、最新の設備の導入等にも積極的に取組み、質的な成長を図っていく方針です。そのために必要な人材の確保・育成及び内部管理体制のさらなる強化にも一層努めてまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善な経営戦略の立案、施策の実施に努めておりますが、流動的な市場環境においても継続的に利益を確保するため、顧客満足度及び社会貢献度の高い医療サービスを提供し続けることが重要と認識しております。