(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀主導の経済・金融政策の継続により企業収益の回復や雇用環境の改善が進みましたが、その一方で、アジア新興国の景気減速や円高の再燃等により外部環境の悪化が表面化しており、その先行きについては不透明感が増してきております。一方で、平成28年6月に経済産業省が発表した「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、平成27年度(平成27年4月~平成28年3月)における日本国内のEC市場規模は、前年比7.6%増の13兆7,746億円となるなど、当社グループが属するEC市場については、着実な成長が続いております。
このような経営環境のもと当社グループは、モバイル(スマートフォン及び携帯電話)アクセサリーの販売について、新たなブランドのEC店舗「Ketchup!」を出店するなど、多店舗多ブランド展開を進めたほか、量販店向けの卸販売を中心に利益率の高い自社企画商品の販売拡大に注力いたしました。また、自社開発のECバックオフィスシステム「ネクストエンジン」について、「米Amazon(Amazon.com)用自動連携」「eBay用自動連携」といった、国内EC事業者の「越境EC」を支援するアプリのリリース及び、ECショッピングモールや物流事業者のサービスと、ネクストエンジンを自動連携させる機能の提供開始など、プラットフォーム化のメリットを最大限に活用したサービスを積極的に展開いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,501,381千円(前連結会計年度比14.9%増)、営業利益は450,572千円(同34.0%増)と順調に推移いたしました。なお、円高の進行に伴い、子会社向け債権等の資産に対し、営業外費用で為替差損12,425千円を計上した結果、経常利益は427,063千円(同29.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は257,959千円(同33.8%増)となりました。
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
① コマース事業
ブランド価値の向上を目指して、デザイナー等のクリエイティブ人材の採用を積極的に行い、自社企画商品の開発に注力いたしました。ディズニー映画「モンスターズ・インク」の劇中に登場する、エネルギータンク型モバイルバッテリーや、新たに版権を取得して商品化した「ムーミン」のスマートフォンケース、働く女性をターゲットにした上品な手帳型スマートフォンケースなど、個性的な新商品を継続的にリリースしたことで、当該自社企画商品を中心に、一般消費者向けEC、大手雑貨量販店、大手家電量販店向け卸販売ともにモバイルアクセサリーの販売が順調に拡大いたしました。一方で、海外展開強化に伴う先行投資の影響により、米国子会社の業績について採算的に苦戦いたしましたが、ECバックオフィス業務のインド子会社への移管や、商材の充実化などにより、徐々に改善しております。
この結果、コマース事業の売上高は5,694,822千円(前連結会計年度比13.3%増)、営業利益は268,167千円(同26.0%増)となりました。
② プラットフォーム事業
EC市場は引き続き拡大傾向にあり、EC事業への参入事業者も増加していることから、当社のサービス、ネクストエンジンの需要は益々高まっているものと認識しております。
国内EC事業者の越境ECを支援するアプリのリリース、ECモール、物流サービス、各種の決済システムとの連携強化等、ネクストエンジンをプラットフォーム化したメリットを活用したサービスを積極的に展開したことに加え、導入サポート人員の増員による新規顧客の取り込みや、システムエンジニアの採用による開発体制の強化等、人的資源を充実させ、ネクストエンジンの契約増加を図りました。これにより、総契約数2,228社(OEM除く、前連結会計年度末比412社増)、利用店舗数16,793店(同3,321店増)、利用店舗の取引総額3,150億円(同708億円増)、受注処理件数42百万件(同9百万件増、いずれも自社調べ)となりました。
この結果、プラットフォーム事業の売上高は806,559千円(前連結会計年度比27.5%増)、営業利益は182,405千円(同47.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ334,288千円減少し、1,102,790千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は71,045千円(前連結会計年度は110,908千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益426,109千円、減価償却費70,307千円、前渡金の減少25,416千円等の収入要因に対し、売上債権の増加48,281千円、たな卸資産の増加220,685千円、法人税等の支払い169,653千円等の支出要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は262,745千円(前連結会計年度は69,343千円の支出)でありました。これは主に、有形固定資産の取得18,604千円、無形固定資産の取得166,882千円、子会社設立に伴う関係会社株式の取得41,089千円等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は139,056千円(前連結会計年度は814,984千円の収入)でありました。これは、短期借入金の増加100,000千円の収入要因に対し、長期借入金の返済249,361千円の支出要因があったことによるものであります。
(1)生産実績
当社グループのコマース事業においては、商品企画及び仕入に特化しているため、またプラットフォーム事業における主たる業務は、EC事業者向けサービスの開発、提供、導入後のサポートであり、生産実績を把握することは困難であるため、記載を省略しております。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
|
|
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
コマース事業 |
3,772,440 |
116.2 |
|
プラットフォーム事業 |
- |
- |
|
合計 |
3,772,440 |
116.2 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
コマース事業 |
5,694,822 |
113.3 |
|
プラットフォーム事業 |
806,559 |
127.5 |
|
合計 |
6,501,381 |
114.9 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年5月1日 至 平成27年4月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ロフト |
535,926 |
9.5 |
661,055 |
10.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の事業展開において、業容を拡大し、経営基盤を安定させるために、以下の課題を認識しております。
当社グループは、これらの課題に迅速に対処してまいります。
(1)全社的な課題
① ブランド力の強化
EC市場、モバイルアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、顧客へより良い商品・サービスを提供することでブランド価値の向上を図るため、次のような施策を実施してまいります。
a.商品・サービスのブランディング強化
従来までの品揃え重視の商品展開から、よりデザインやクオリティを重視し、ブランド力の向上を意識した商品企画・サービスの開発を行い、数多くの商品・サービスの中で、多くの顧客から選ばれる商品・サービス創りを行ってまいります。
b.UI・UXの重視
ネクストエンジンを始めとしたサービスの開発、WEBサイトの運営、商品の企画を行うにあたり、顧客に対してのUI(注)、UX(User Experience:顧客の体験の総体)を、引き続き重視してまいります。
② 優秀な人材の確保、育成
継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。
当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していく必要があります。採用競争の激化等、雇用情勢の変化も考慮し、通常の募集広告に加え人材紹介会社の活用など様々なチャネルを利用して優秀な人材の確保に努めてまいります。
また人的基盤を強化するために、研修受講等による採用担当者のスキル向上など採用体制の強化、メンター制度活用による教育・育成・指導の実施、研修制度及び人事評価制度の充実等の各種施策を進める方針であります。
③ グローバル化への対応
EC市場、モバイルアクセサリー市場ともに、国内、国外の区分はなくなりつつあり、グローバル化が進んでいます。そのような状況に対処するため、海外のECモール等に出店し、実際にECサイトを運営しながら現地ECに関連する情報収集、マーケティングを行い、ECの状況を把握した上で、ネクストエンジン等のEC関連サービスを展開してまいります。
当該方針に基づき、平成27年7月から同年9月にかけて、台湾、中国、インドにおいて立て続けに子会社を設立し、コマース事業を開始しております。また、平成27年12月には、韓国において同国内EC事業者向けのネクストエンジンのサービスを開始いたしました。引き続き、より現地のニーズに即した店舗展開、商品企画、サービス開発等を行ってまいります。
④ コンプライアンス体制の強化
近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任等、コンプライアンスを徹底する体制を整えておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の強化を図っていく方針であります。
(注) UI(User Interface)とは、利用者が対象を操作するために接する部分であり、マウスやキーボード、ディスプレーといった機械的な要素、どのように操作するかという手順、画面に表示されるメニューやアイコン、ウインドウといった視覚的要素、警告音や文字の読み上げといった聴覚的要素などを指す。
(2)コマース事業
① 在庫増加傾向への対応
当社グループは、他社商品との差別化やブランド力の向上を図るため、自社企画商品の開発に注力しております。しかしながら、当該商品は仕入商品に比べ、発注ロットが大きくなるため、自社企画商品の販売比率が増加するに伴い、在庫が増加する傾向が見られます。また、製造工場は中国に多く所在しており、春節時には工場が休業となることから、事前に在庫を積み増す等の対処が必要となるため、時期によって在庫水準が大きく変動いたします。
インターネット通信販売と卸販売という二つの販売チャネルを有することで、在庫リスクを極力回避しつつ、自社企画商品の開発を行うことができるという、当社グループの強みを活かしながら、引き続きECとリアル店舗のトレンドをしっかり押さえ、適切な商品ラインナップと発注量のコントロールにより、在庫過多の発生を防ぐ方針であります。
② 商品供給スピードの向上
コマース事業が属するモバイルアクセサリー業界においては、商品のライフサイクルが短いという傾向にあるため、他社よりも早く新機種の情報を得て、関連商品を展開していく必要があります。仕入先企業と緊密な連携を取り、自社企画商品の市場への投入スピードをアップさせ、変化するニーズに対応する方針であります。
③ 業務のシステム化
コマース事業においては、売上1件当たりの単価が低いことから、売上の増加に伴って、業務負担がより大きく増加します。一つ一つの業務の効率化を図るため、ネクストエンジンの活用によって業務のシステム化を図り、増加する業務負担及びコストの削減を目指します。
(3)プラットフォーム事業
① 多様化する顧客ニーズへの対応
ネクストエンジンはクラウド型のサービスであるため、機能強化や仕様変更を行うと全てのユーザーの使い勝手に影響が及ぶことから、ユーザー数が増加するにしたがって、ユーザー企業の個別ニーズに細やかに対応することは難しくなります。
その課題に対処するため、ネクストエンジンのAPIを公開し、プラットフォーム化することにより、様々な機能を備えた「ネクストエンジンアプリ」がオプションとして開発・利用できる環境を実現しました。今後、ネクストエンジンのメイン機能については使いやすさを重視した機能強化に努め、カスタマイズニーズに対しては、API公開によるメリットを最大限活かしたサービス「ネクストエンジンオーダーメイド」の積極的な展開と、自社開発、他社開発を問わず多くのアプリを連携させることで、幅広い顧客ニーズに対応できるクラウドサービスを目指します。
② ネクストエンジンの解約の抑制
ネクストエンジンのユーザー企業の中には、契約後、運用方法を十分に習得できずに解約していく企業があり、解約数は契約数の増加に伴い増加傾向にあります。
サポート部門の人員増強による導入時のフォロー体制の充実化や、初期設定を簡便にするツールの開発等の諸施策が解約数の抑制に効果を発揮しつつありますが、一層解約率を減少させることを目的として、今後ネクストエンジンのUIを改善し、マニュアルやサポートに頼ることなく誰でも簡単に初期設定が可能となるような仕組みを整備してまいります。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社で想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
(1)当社グループ全体に係るリスクについて
① ビジネスモデルについて
当社グループにおける事業は、主としてECに関連する事業であるため、ブロードバンド環境の普及によりEC関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。
今後モバイルとPCの両面でより安価で快適にインターネットを利用できる環境が整い、EC関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりEC関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネットモールにかかる影響について
当社グループの事業においては、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、ECインフラとも言うべき企業の運営方針の影響を受けます。当社グループにおいては、複数のECモールへの出店や、自社ドメインサイトの運営などにより、一つのECモールに依存しない運営体制を構築しておりますが、ECモールが同一企業による複数店舗の出店を禁止するなどした場合や、販売ロイヤリティ率の引き上げに伴いECモールへの出店に関する費用が増加した場合、自社EC店舗の運営に支障が生じるとともに、プラットフォーム事業においてシステムを利用する顧客が減少するなどし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ システムトラブル等について
当社グループの事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワーク及び当社が提供しているシステムに依存しております。このため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、またはサイトへのアクセスの急激な増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムにトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループのコンピューターシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、それらの手段で対応できないコンピューターウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ネクストエンジンの不具合について
当社が運用しているネクストエンジンは、プラットフォーム事業における主要サービスであるとともに、コマース事業における管理システムとしても利用しております。当社は、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、何らかの理由によりネクストエンジンに不具合が生じた場合、プラットフォーム事業における主要なサービスの提供が困難になると同時に、コマース事業において受注処理等の業務運営が滞るなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制について
当社グループは「不当景品類及び不当表示防止法」、「製造物責任法」、「特定商取引に関する法律」、「不正競争防止法」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」、「商標法」、「著作権法」等による法的規制を受けております。当社グループでは、管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 代表取締役社長に対する依存について
当社代表取締役社長である樋口敦士は、当社の創業者であり、経営方針や経営戦略等、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。当社グループは事業拡大に伴い、同氏に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合には、今後の当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 人材の採用・育成について
当社グループは、企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材の維持と拡充が必須であると認識しております。当社グループの競争力向上にあたっては、それぞれの部門について高い専門性を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を適切に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材育成、維持に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画通りに進まなかった場合や、人材育成・維持が計画通りに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 訴訟などに関するリスク
当社グループは、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、プラットフォーム事業においては、当社グループの過失によるシステム障害などで顧客の業務が滞り、顧客に機会損失が発生した場合には訴訟を受ける可能性があります。また、コマース事業においては、商品が第三者の知的財産権を侵害していたり、商品を購入した顧客に被害等(蓄電池の発火による火傷、火災など)が発生した場合には、訴訟を受ける可能性及び、商品の不良発生等に基づいて、監督官庁から商品の回収命令を受ける可能性があります。当社は、販売する商品等について商品部が、メーカーから納品される前のサンプル検査の段階において、素材の確認、裁断や焼却等による検査を行うとともに、通電商品等の機能性商品については外部専門機関等によるチェックを実施するなど、品質の確認には十分な注意を払っておりますが、完全にそのリスクを排除できる保証はなく、発生した訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額、商品回収費用の発生状況によっては当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(2)コマース事業に係るリスクについて
① スマートフォン機種の流行等が経営成績に与える影響について
当社グループが属するモバイルアクセサリー業界は、スマートフォン機種の流行に影響を受ける傾向があります。モバイルアクセサリーは、特定機種専用の商品と、機種に左右されない商品がありますが、スマートフォンは概ね半年毎にモデルチェンジされているため、特定機種専用商品のライフサイクルが短いという傾向にあるといえます。このため、充電器やブック型の携帯カバー等、機種に左右されない商品の提供に注力していきますが、機種の流行や顧客の嗜好等により特定機種専用商品への依存度が高くなる場合、売上変動や在庫の発生などにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② キャラクター商品の取扱いについて
当社グループは、キャラクター商品を幅広く取扱っております。当社グループの商品へのキャラクターの活用にあたっては、長期安定的な人気を得るものを活用する方針でありますが、当社グループが人気キャラクターの商品化許諾権を版権元から獲得できなかった場合、当社グループの取扱うキャラクター商品に関する版権元との商品化許諾契約が、何らかの理由により更新拒絶、解除等により終了した場合、採用するキャラクターの人気の程度により、当社グループの業績が変動する可能性があります。
③ 競合について
当社グループのコマース事業においては、スマートフォンの急速な普及に伴うモバイルアクセサリー市場の拡大に伴い、更なる競争の激化が予想されます。今後他のモバイルアクセサリーのインターネット通信販売事業者、卸販売事業者のみならず、仕入先自身によるインターネット通信販売の展開、その他新規参入事業者等により、新たな高付加価値サービスの提供がなされた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。
④ 需要予測に基づく仕入れについて
当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分は、需要予測に基づいた仕入れを行っております。しかしながら、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなります。また、実際の受注が需要予想を下回った場合には、当社グループに過剰在庫が発生しキャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。
⑤ 物流業務の外部委託について
当社グループのコマース事業は、商品の保管、入出庫等に係る業務を株式会社清長へ委託しております。同社とは通信回線にてデータの授受を行っており、何らかのシステム障害にて通信回線が不能となった場合、入出荷業務に影響を及ぼす可能性があります。また地震やその他不可抗力、その他同社の業務の継続が困難になる事象等、何らかの理由により同社からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、または同社との基本契約が変更され、当社グループ業務運営上何らかの影響が生じ、かつ当社グループがこれに適切な対応ができない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 商品の品質管理について
当社グループのコマース事業において販売する商品のうち一定割合のモバイルアクセサリーは、当社グループの商品開発部門と仕入先企業が共同で商品開発を行い、仕入先企業にて生産される自社企画商品であります。商品の安全性に関する社会の期待、関心は高まっており、当社グループにおいても、仕入に際しての品質基準の見直しや、品質検査、適法検査等を強化し、安全な商品の供給に努めております。しかしながら、当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合には、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 返品について
当社グループのコマース事業においては、契約書上に定める一定範囲において、雑貨量販店をはじめとする各小売店等より、一定の条件で商品の返品を受け入れており、商品入庫時及び出荷時における検品の徹底により、商品の瑕疵に伴う不良返品の発生を未然に防ぐ対応を行っております。また、期末日後の返品による損失に備えるため、過去の返品実績に基づいて返品調整引当金を計上しております。しかしながら、想定を超えて大量に返品が発生した場合には、代替商品の配送費用、返品調整引当金の積み増しなど追加的な費用が発生することから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 個人情報の保護について
モバイルアクセサリー等のインターネット販売サイトの運営管理におきましては、登録会員の個人情報を大量に保有しているため、平成17年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」を遵守しております。また、法律施行前の平成16年9月にはプライバシーマークを取得しており、当社グループの「個人情報保護方針」に沿って、個人情報保護マネジメントシステムを整備しております。また、従業員に対する個人情報保護に関する意識の向上を図り、個人情報の漏洩に対し防止策を講じています。
しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による個人情報の漏洩、消失、不正利用が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、更には損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3)プラットフォーム事業に係るリスクについて
① 特定のサービスへの依存について
プラットフォーム事業における当社グループの主力サービスは、EC事業者向けのネットショップ一括管理システム、ネクストエンジンであります。EC業界におけるネットショップ管理システムのニーズが高まっているため、継続した機能強化に努めておりますが、EC業界においてネットショップ管理システムの需要が減退した場合や、当社システムが陳腐化した場合、また、価格やサポート体制等の総合的なサービス内容が他社と比して著しく劣るような状況となった場合、他社システムへの乗り換えに伴う解約の増加により売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 顧客情報の保護について
当社グループのプラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのサービス運用にあたって、顧客が保有する取引先情報・機密情報を預かります。当社と顧客との間では当サービスの利用規約に基づき適切な管理を行っておりますが、顧客データの取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、信用の失墜を招き、さらには損害賠償による経済的損失が発生するなど、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他について
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は272,800株であり、発行済株式総数7,842,000株の3.5%に相当しております。
該当事項はありません。
当社グループのプラットフォーム事業では、EC業界におけるバックオフィスシステムのデファクト・スタンダードとすべく、ネクストエンジンの機能強化と同時に、プラットフォームとしての魅力を高めるためのアプリケーション開発に関する研究開発を進めております。
現在の研究開発は、当社のプラットフォーム事業部システム開発部及びHamee Koreaのシステム開発部の二部門で行っており、当連結会計年度における研究開発費は42,947千円であります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ68,488千円減少し、2,644,434千円(前年度比2.5%減)となりました。この主な要因は、運転資金充当のための現金及び預金の減少334,288千円、売上拡大に伴う売掛金の増加44,370千円、たな卸資産の増加214,460千円等によるものであります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ182,327千円増加し、364,109千円(同100.3%増)となりました。この主な要因は、商標権の取得95,861千円、子会社の設立に伴う関係会社株式の増加41,084千円、ソフトウエアの増加13,996千円等によるものであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ36,426千円増加し、821,523千円(同4.6%増)となりました。この主な要因は、買掛金の減少23,465千円、未払法人税等の減少13,701千円、未払金の減少5,873千円等がありましたが、借入金の増加40,673千円、未払費用の増加20,905千円等によるものであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ183,827千円減少し、200,906千円(同47.8%減)となりました。この主な要因は、繰り上げ返済等に伴う金融機関からの長期借入金の減少190,034千円によるものであります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ257,177千円増加し、1,993,901千円(同14.8%増)となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益257,959千円の計上によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は6,501,381千円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
コマース事業については、ブランド価値の向上を目指して、デザイナー等のクリエイティブ人材の採用を積極的に行い、自社企画商品の開発に注力いたしました。ディズニー映画「モンスターズ・インク」の劇中に登場する、エネルギータンク型モバイルバッテリーなど、一般消費者向けEC、大手雑貨量販店、大手家電量販店向け卸販売ともにモバイルアクセサリーの販売が順調に拡大いたしました。これによりコマース事業の売上高は5,694,822千円(前連結会計年度比13.3%増)となりました。
また、EC市場規模の拡大に伴い、ネクストエンジンの契約社数が前連結会計年度に比べ412社(OEM除く)増加するなど、当社グループのサービスに対する需要は引き続き堅調に推移し、プラットフォーム事業の売上高は806,559千円(前連結会計年度比27.5%増)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、3,812,283千円(同12.5%増)となりました。これは、コマース事業においては、売上増加に伴う商品売上原価の増加、プラットフォーム事業においては、ネクストエンジンの機能強化に伴うソフトウェア関連費用及び導入サポートに係る労務費等の増加によるものであります。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,237,332千円(同15.6%増)となりました。これは主に業容拡大に伴う人件費の増加や、インターネット通信販売の売上増加に伴う支払手数料の増加等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は450,572千円(同34.0%増)となりました。
④ 営業外収益、営業外費用、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は2,145千円(同80.1%減)となりました。これは主に前連結会計年度に計上していた為替差益9,335千円について、当連結会計年度においては計上がなかったためであります。
当連結会計年度における営業外費用は25,654千円(同46.8%増)となりました。これは主に為替差損12,425千円を計上したためであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は427,063千円(同29.6%増)となりました。
⑤ 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別損失は953千円となりました。これは固定資産の除却に伴う費用であります。
この結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は426,109千円(同29.5%増)となりました。また、当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、168,149千円(同23.6%増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は257,959千円(同33.8%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
平成25年4月期 |
平成26年4月期 |
平成27年4月期 |
平成28年4月期 |
|
自己資本比率(%) |
45.6 |
38.8 |
59.8 |
66.1 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
- |
- |
238.3 |
303.9 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
1.6 |
- |
4.8 |
5.4 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ (倍) |
50.9 |
- |
21.7 |
20.4 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.平成25年4月期及び平成26年4月期については、当社株式は非上場のため、時価ベースの自己資本比率は記載しておりません。
6.平成26年4月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
「4 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループでは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案し、実行するよう努力しておりますが、当社グループの属する事業は、商品、サービスのライフサイクルが早く、開発内容も多様化しております。また提供する商品、サービスについてもEC事業者のニーズ、一般消費者の嗜好や流行の変化を捉え柔軟な事業展開が必要となり競合他社との競争が激化することも予想されます。
そのような事業環境の中で、当社グループは、優秀な人材の確保と育成、サービス、商品力の強化等をもって、提供先数を拡大するとともに、サービスのクオリティも向上させるよう努力してまいります。