第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業を継続的進化・成長させるとともに、周辺分野でイノベーティブな新規事業を創出することに取り組んでおります。

個性的で質の高いプロダクトを世界中に広め、それを手にしたユーザーの創造的な感性を刺激する、また、EC事業者向けクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」によってECバックオフィス業務の自動化を進め、EC事業者をルーティンワークから解放することで、人間が本来取り組むべき創造的な活動に注力できる環境を提供する、この「クリエイティブ魂に火をつける」というMissionを追い求めることで、EC市場の更なる成長に貢献してまいります。

 

(2) 経営戦略

① コマース事業

コマース事業においては、自社リソースを活用した、独自デザイン及びキャラクターライセンスを活用したユニークな自社企画商品の開発を一層強化することで収益力とブランド力を向上させると同時に、業務DXによる効率化の徹底、多ブランド・多店舗展開、販路におけるポートフォリオの充実(卸販売と小売販売のバランス)及び海外展開強化による収益機会の増大に取り組んでまいります。

② プラットフォーム事業

プラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのメイン機能強化による更なる自動化の追求と顧客の利便性向上、アプリストアのラインナップ充実、BtoB対応、越境EC進出支援等の各施策により、新規顧客の獲得と顧客単価の上昇を図ると同時に、AIとビッグデータとを活用して開発する様々なアプリケーションを、プラットフォーム事業の新たな付加価値と位置付けて、収益機会の増大に取り組んでまいります。

③ その他

2018年12月に策定した中期経営計画「Hamee Infinity Strategy」に基づいて、既存事業で獲得した経営資源(ケイパビリティ)をダイナミックに活用し顧客体験価値追求のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジしており、当該セグメントにおいて開発投資を積極化しております。開発の成果として「ふるさと納税支援サービス」「RUKAMO」「Hamic POCKET」等のサービスをリリースしております。

 

(3) 対処すべき課題

今後の事業展開において、業容を拡大し、経営基盤を安定させるために、以下の課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に迅速に対処してまいります。

① 全社的な課題
a.ブランド力の強化

当社の属するEC市場、モバイルアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、顧客から選ばれる商品、選ばれるサービスを提供することでブランド価値の向上を図るため、次のような施策を継続して実施してまいります。

(a) 商品及びサービスの一層のブランディング強化

コマース事業について、デザインやクオリティを重視し、ブランド力の向上を意識した商品企画に注力することで「iFace」に代表されるオリジナル商品の認知度が高まり、モバイルアクセサリー市場において一定のブランド力を発揮しております。今後「iFace」を始めとする自社ブランドを一層強化し、例えば「iFace」においてはブランドコンセプトである「By Your Side いつだって、あなたのそばに」をより追求していくなど、各ブランド戦略に則り、他社商品との差別化を図ることで、激化する競争に対処してまいります。

また、プラットフォーム事業について、プラットフォーム化のメリットを最大限に活用して様々な外部サービスとの連携を可能とすることで、「ネクストエンジン」の契約数は順調に増加し、市場において一定の評価を得ております。今後においても持続可能な成長性を維持するため、EC事業者の省力化・効率化に資するサービスのみならず、顧客となるEC事業者の成長に資するサービスを開発するなど、一層のブランディング強化に取り組み、確固たる地位を築いてまいります。

(b) UI・UXの重視

ネクストエンジンを始めとしたサービスの開発、WEBサイトの運営、商品の企画を行うにあたり、顧客に対してのUI(注)、UX(User Experience:顧客の体験の総体)を引き続き重視し、常に改善に取り組んでまいります。

b.優秀な人材が働きやすい環境の整備

継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な人材を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2020年にフルテレワーク可能な人事制度を構築し、様々なテレワークに関するツールを導入したほか、2021年にはオフィスワークとテレワーク両方に最適なオフィスに転換するなど働きやすい環境を整備しました。今後も、テレワークが普及していく状況ではあるものの、社内コミュニケーションの活性化も並行して図っていくことで、デジタルだけでなくリアルな場で生みだされる価値も大切にしていきます。

c.グローバル展開の加速

EC市場、モバイルアクセサリー市場ともに国内、国外の区分はなくなりグローバル化が進んでいます。そのような状況に対処するため、海外のECモール等に出店し、現地での販売実績の高い商品を中心に着実に販売量を増やしていくことで、現地における販売店としてのプレゼンスを向上させ、ECのみならず卸販売も視野に入れた販路拡大を図り、自社製品の海外での売り上げを伸ばして行くことを基本方針としております。

引き続き、コマース事業のグローバル展開を更に加速させてまいります。

d.コンプライアンス体制の維持向上

近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。

e.新たな収益の柱を育てる取組みの強化

持続可能な成長性を維持し企業価値を向上させるためには、既存の事業に加え新規事業創造といったビジネス変革に対する取組みも重要であると認識しております。しかし、テレワークの普及等、働き方の大きな変革により、新規事業の展開のスピードには一定の課題が表出しておりました。この課題を解決すべく、全社的にデジタルトランスフォーメーション(DX)などの変革に一丸となって取り組みながら、既存事業で獲得した経営資源を活用し、新たなビジネスの創出にチャレンジしていきます。

f.新たなビジネスモデルへの進化

従前のコマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを活かした成長戦略だけでは、変化の激しいEC市場において持続可能な成長性を維持することは、今後困難になるものと認識しております。

そのため当社グループは、継続的な成長を実現するため、従前の事業モデルからの進化・発展を企図して中期経営ビジョン「Hamee Infinity Strategy」を策定しております。この中期経営ビジョンのもと、既存事業で獲得した経営資源を活用し、顧客体験価値追求のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジしています。その具体的な取組みとして「Hamic POCKET」や「レコメンドメール自動配信アプリ」等のプロダクト及びサービスをリリースいたしましたが、今後も中期経営計画の達成を実現するために、様々な商品、サービスの研究開発に注力してまいります。

g.サステナビリティの推進

当社グループは、事業活動を通じて、サステナビリティな社会の実現に取り組んでおります。具体的には、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるサービスであるエシカルネットショップ「RUKAMO」の提供や、主力商品であるスマートフォンケースのリサイクルを行うプロジェクトである「Hameeエコタマプロジェクト」の発足、その他廃棄率改善やリサイクル可能な包装の使用を検討しております。引き続き、サステナビリティな社会の実現に向けて事業を推進してまいります。

h.新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴い、国内外で公衆衛生上の緊急事態が発生しております。この危機的状況に対応するべく、当社グループでは災害対策本部の設置、在宅勤務制度の導入、感染防止策の周知徹底等を行うことにより従業員をはじめとするステークホルダーの安全を確保し、政府・各自治体の方針・要請に基づいた感染予防・感染拡大防止に努め、事業を継続させていきます。

(注)UI(User Interface)とは、利用者が対象を操作するために接する部分であり、マウスやキーボード、ディスプレーといった機械的な要素、どのように操作するかという手順、画面に表示されるメニューやアイコン、ウインドウといった視覚的要素、警告音や文字の読み上げといった聴覚的要素などを指す。

② コマース事業
a.適正な在庫水準の維持

当社グループは、他社商品との差別化やブランド力の向上を図るため、自社企画商品の開発に注力しております。しかしながら、当該商品群は仕入商品に比べ、発注ロットが大きくなるため、自社企画商品の販売比率が増加するに伴い、在庫が増加する傾向が見られます。また、製造工場は中国及び韓国に多く所在しており、春節時には工場が休業となることから、事前に在庫を積み増す等の対処が必要となるため、時期によって在庫水準が大きく変動いたします。

インターネット通信販売と卸販売という二つの販売チャネルを有することで、在庫リスクを回避しつつ自社企画商品の開発を行うことができるという、当社グループの強みを活かしながら、引き続き市場のニーズを見極めつつ、当社ブランディングを強く意識した商品ラインナップへの絞り込みを行う等の施策により、適正な在庫水準を維持する方針であります。

b.商品市場の投入スピードの向上

コマース事業が属するモバイルアクセサリー業界においては、流行の変化に伴って商品のライフサイクルが短くなる傾向にあるため、「iFace」のような長期間に渡って人気を博している商品の訴求力を維持向上させる取組みと同時に、常に新しい商品を市場に投入し続けていく必要があります。市場に存在しないような自社企画商品をいち早く投入するため、商品開発体制を強化すると同時に、協力工場や仕入先企業と緊密な連携を取り、変化するニーズにスピーディに対応してまいります。

c.更なる業務のIT化

コマース事業においては、売上の増加に伴って業務負担がより大きく増加します。一つ一つの業務の効率化を図るため、当社はネクストエンジンの活用によって業務のIT化を図っておりますが、コマース事業のニーズをネクストエンジンに反映できる環境にあるという、自社開発の強みを活かして今後一層の業務の自動化を進め、業務負担及びコストの削減を実現してまいります。

d.ストック型ビジネスモデルへの挑戦

既存事業で獲得した商品企画、生産・物流、販売チャネル等の経営資源を活用し、プロダクトとデータで顧客体験価値を追求したストック型ビジネスモデルへの転換にチャレンジしております。その一環として、スマホ破損時の「安心」をお届けする「スマホ保険」や「iFaceアプリ」をリリースしております。

③ プラットフォーム事業
a.ネクストエンジンの総契約社数の更なる拡大に向けた体制の整備

当社グループは、ネクストエンジン総契約社数を中期経営計画に掲げている5,500社超を達成することを目標として、以下の取組みを推進してまいりました。

・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動

・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上

・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減

・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化

・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅を更に拡大

・新規顧客の増加へ対応しつつ、顧客満足度を維持するための、コールセンターのアウトソース

・コールセンターのアウトソースにより確保したリソースを既存ユーザー企業の満足度向上と無料ユーザー企業に対してフォローに取り組む組織をそれぞれ新設

これらの取組みの成果により、2021年4月末においては総契約数が4,739社となり、過去最高の実績を残すことができました。引き続き、各種施策によるオンライン、オフラインでの顧客獲得を強化し、目標達成に向けて邁進してまいります。

b.ネクストエンジンの解約の抑制

ネクストエンジンの契約後、運用方法を十分に習得できずに解約していくケースや、運営するEC店舗が成長軌道に乗らず解約するユーザー企業が一定数存在いたします。

前者については、サポート部門の人員増強による導入時のフォロー体制の充実化、ユーザー企業向けのセミナー開催及び初期設定を簡便にするツールの開発等の諸施策を実施しており、後者については、連結子会社Hameeコンサルティング株式会社によるEC事業者向けフロントオフィス支援サービスを活用し、ユーザー企業の成長を支援することで、解約数の抑制に努めてまいります。これらの他にも、一層の解約率減少を目的として、ネクストエンジンのUIを改善し、マニュアルやサポートに頼ることなく誰でも簡単に初期設定が可能となるような仕組みを整備してまいります。

④ その他
a.新規ストック型ビジネスの推進

2019年の「Hamic BEAR」のリリースをする過程で得られた、ハードウェア、アプリ制作、クラウド通信それぞれに関する知見を基に、「Hamic BEAR」に次ぐ、新たな商品として、本格的なスマートフォンを保有する前の小学生向けのスマートフォンである「Hamic POCKET」を2021年2月にリリースいたしました。アクティブユーザーの獲得を進め、収益化を目指し、事業成長に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社で想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

(1) 当社グループ全体に係るリスクについて

① ビジネスモデルについて

当社グループにおける事業は、主としてECに関連する事業であるため、EC関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。

今後モバイルとPCの両面でより安価で快適にインターネットを利用できる環境が整い、EC関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりEC関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② インターネットモールにかかる影響について

当社グループの事業においては、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、ECインフラとも言うべき企業の運営方針の影響を受けます。当社グループにおいては、複数のECモールへの出店や、自社ドメインサイトの運営などにより、一つのECモールに依存しない運営体制を構築しておりますが、ECモールが同一企業による複数店舗の出店を禁止するなどした場合や、販売ロイヤリティ率の引き上げに伴いECモールへの出店に関する費用が増加した場合、自社EC店舗の運営に支障が生じるとともに、プラットフォーム事業においてシステムを利用する顧客が減少するなどし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ システムトラブル等について

当社グループの事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワーク及び当社が提供しているシステムに依存しております。このため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、またはサイトへのアクセスの急激な増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムにトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループのコンピューターシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、それらの手段で対応できないコンピューターウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ ネクストエンジンの不具合について

当社が運用しているネクストエンジンは、プラットフォーム事業における主要サービスであるとともに、コマース事業における管理システムとしても利用しております。当社は、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、何らかの理由によりネクストエンジンに不具合が生じた場合、プラットフォーム事業における主要なサービスの提供が困難になると同時に、コマース事業において受注処理等の業務運営が滞るなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 法的規制について

当社グループは「不当景品類及び不当表示防止法」、「製造物責任法」、「特定商取引に関する法律」、「不正競争防止法」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」、「商標法」、「著作権法」等による法的規制を受けております。当社グループでは、管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材の採用・育成について

当社グループは、企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材の維持と拡充が必須であると認識しております。当社グループの競争力向上にあたっては、それぞれの部門において高い専門性を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を適切に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材育成、維持に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画通りに進まなかった場合や、人材育成・維持が計画通りに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 訴訟などに関するリスク

当社グループは、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、プラットフォーム事業においては、当社グループの過失によるシステム障害などで顧客の業務が滞り、顧客に機会損失が発生した場合には訴訟を受ける可能性があります。また、コマース事業においては、商品が第三者の知的財産権を侵害していたり、商品を購入した顧客に被害等(蓄電池の発火による火傷、火災など)が発生した場合には、訴訟を受ける可能性及び商品の不良発生等に基づいて、監督官庁から商品の回収命令を受ける可能性があります。当社は、販売する商品等について商品開発部が、メーカーから納品される前のサンプル検査の段階において、素材の確認、裁断や焼却等による検査を行うとともに、通電商品等の機能性商品については外部専門機関等によるチェックを実施するなど、品質の確認には十分な注意を払っておりますが、完全にそのリスクを排除できる保証はなく、発生した訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額、商品回収費用の発生状況によっては当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 減損処理の影響について

当社グループは、2018年4月のHameeコンサルティング株式会社の買収(子会社化)、2019年10月の製造事業の譲受による取得など、事業進展のための様々な投資を行っており、今後も国内及び海外において、企業買収等の投資を継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行しておりますが、業績計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合には、のれんの減損が発生するなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するべく、前述の投資判断に加え、投資後のモニタリングを行い、事業計画との乖離が見られた段階で早期に対策を検討・実行していきます。

⑨ 新型コロナウイルス感染症に関わるリスクについて

新型コロナウイルス感染症が拡大し、当社グループの各拠点に被害が発生した場合、事業活動に支障が生じる可能性があります。当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する状況下において、事業を継続させるべく様々な取組みを行っております。具体的には、代表取締役社長を本部長とするBCP災害対策本部を設置し、在宅勤務の実施、国内外への出張及び渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、状況に応じた事業継続計画(BCP)を立案、実行しております。

しかしながら、これらによっても新型コロナウイルス感染症による被害を完全に回避できるわけではなく、感染症が爆発的に拡大した場合には、顧客の操業度低下・停止やサプライチェーン寸断、EC含む市況の悪化などにより、当社グループの取引減少などがリスクとして見込まれており、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「1 連結財務諸表等注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(2) コマース事業に係るリスクについて

① スマートフォン機種の流行等が経営成績に与える影響について

当社グループが属するモバイルアクセサリー業界は、スマートフォン機種の流行に影響を受ける傾向があります。モバイルアクセサリーは、特定機種専用の商品と、機種に左右されない商品がありますが、スマートフォンは概ね一年毎にモデルチェンジされているため、特定機種専用商品のライフサイクルが短いという傾向にあるといえます。このため、充電器やブック型のスマートフォンカバー等、機種に左右されない商品の提供に注力していきますが、機種の流行や顧客の嗜好等により特定機種専用商品への依存度が高くなる場合、売上変動や在庫の増加などにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定ブランドへの依存について

当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分はスマートフォンケースブランドである「iFace」シリーズの商品となっております。「iFace」以外のブランド力の強化や新ブランドの検討を行っているものの、今後「iFace」ブランドに対するイメージが著しく低下した場合や、「iFace」ブランドと同様のコンセプトの商品が他社から発売され、他社と比して著しく劣るような状況となった場合、当該商品に対する需要が落ち込み、売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

③ キャラクター商品の取扱いについて

当社グループは、キャラクター商品を幅広く取扱っております。当社グループの商品へのキャラクターの活用にあたっては、長期安定的な人気を得るものを活用する方針でありますが、当社グループが人気キャラクターの商品化許諾権を版権元から獲得できなかった場合、当社グループの取扱うキャラクター商品に関する版権元との商品化許諾契約が、何らかの理由により更新拒絶、解除等により終了した場合、採用するキャラクターの人気の程度により、当社グループの業績が変動する可能性があります。

④ 競合について

当社グループのコマース事業においては、スマートフォンの急速な普及に伴うモバイルアクセサリー市場の拡大に伴い、更なる競争の激化が予想されます。今後他のモバイルアクセサリーのインターネット通信販売事業者、卸販売事業者のみならず、仕入先自身によるインターネット通信販売の展開、その他新規参入事業者等により、新たな高付加価値サービスの提供がなされた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。

⑤ 需要予測に基づく仕入れについて

当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分は、需要予測に基づいた仕入れを行っております。しかしながら、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなります。また、実際の受注が需要予想を下回った場合には、当社グループに過剰在庫が発生しキャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。

⑥ 物流業務の外部委託について

当社グループの国内コマース事業は、商品の保管、入出庫等に係る業務を株式会社清長へ委託しております。同社とは通信回線にてデータの授受を行っており、何らかのシステム障害にて通信回線が不能となった場合、入出荷業務に影響を及ぼす可能性があります。また地震やその他不可抗力、その他同社の業務の継続が困難になる事象等、何らかの理由により同社からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、または同社との基本契約が変更され、当社グループ業務運営上何らかの影響が生じ、かつ当社グループがこれに適切な対応ができない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において売上に占める物流費の割合について、目立った上昇の傾向は出ておりませんが、今後運送事業者からの値上げ要請が発生した場合には、物流コストの増加が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 商品の品質管理について

当社グループのコマース事業において販売する商品のうち一定割合のモバイルアクセサリーは、当社グループの商品開発部門と仕入先企業が共同で商品開発を行い、仕入先企業にて生産される自社企画商品であります。商品の安全性に関する社会の期待、関心は高まっており、当社グループにおいても、仕入に際しての品質基準の見直しや、品質検査、適法検査等を強化し、安全な商品の供給に努めております。しかしながら、当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合には、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 返品について

当社グループのコマース事業においては、契約書上に定める一定範囲において、雑貨量販店をはじめとする各小売店等より、一定の条件で商品の返品を受け入れており、商品入庫時及び出荷時における検品の徹底により、商品の瑕疵に伴う不良返品の発生を未然に防ぐ対応を行っております。また、期末日後の返品による損失に備えるため、過去の返品実績に基づいて返品調整引当金を計上しております。しかしながら、想定を超えて大量に返品が発生した場合には、代替商品の配送費用、返品調整引当金の積み増しなど追加的な費用が発生することから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 個人情報の保護について

モバイルアクセサリー等のインターネット販売サイトの運営管理におきましては、登録会員の個人情報を大量に保有しているため、2005年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」を遵守しております。また、法律施行前の2004年9月にはプライバシーマークを取得しており、当社グループの「個人情報保護方針」に沿って、個人情報保護マネジメントシステムを整備しております。また、従業員に対する個人情報保護に関する意識の向上を図り、個人情報の漏洩に対し防止策を講じています。

しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による個人情報の漏洩、消失、不正利用が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、更には損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) プラットフォーム事業に係るリスクについて

① 特定のサービスへの依存について

プラットフォーム事業における当社グループの主力サービスは、EC事業者向けのネットショップ一元管理システム、ネクストエンジンであります。EC業界におけるネットショップ管理システムのニーズが高まっているため、継続した機能強化に努めておりますが、EC業界においてネットショップ管理システムの需要が減退した場合や、当社システムが陳腐化した場合、また、価格やサポート体制等の総合的なサービス内容が他社と比して著しく劣るような状況となった場合、他社システムへの乗り換えに伴う解約の増加により売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

② 顧客情報の保護について

当社グループのプラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのサービス運用にあたって、顧客が保有する取引先情報・機密情報を預かります。当社と顧客との間では当サービスの利用規約に基づき適切な管理を行っておりますが、顧客データの取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、信用の失墜を招き、更には損害賠償による経済的損失が発生するなど、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他について

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を過去に付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は172,800株であり、発行済株式総数16,267,200株の1.1%に相当しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済およびわが国経済は、昨年度以降引き続き継続する新型コロナウイルスの感染症拡大により経済活動が大きく制限され、消費需要の低下、生産活動の停滞という未曾有の事態が長期化いたしました。また、緊急事態宣言が再発令されるなど、依然として先行きは不透明な状況にあります。

当社グループとしては、同感染症への対応として、従業員の安全確保および事業を継続させるべく在宅勤務制度導入等、ニューノーマルの働き方に沿った取り組みを早期より実施してきました。在宅勤務制度導入後も滞りなく業務が遂行され、同感染症拡大前と同程度以上の業績を出せることが確認できましたが、一方、新規事業を生み出すスピードにおいては課題があったと認識しています。同感染症の影響は長期化する可能性も考えられることから、この課題に対応するべく大規模なオフィスリノベーションを実施しました。これからのテレワーク時代、オフィスの役割は「職場」ではなく、社員が集まるための「集場」へと変化していくと考えています。当社はそこでしか生まれないリアルなコミュニケーションが、より一体感のある組織づくりに必要な要素であると同時に、新規事業の創出に必要な要素でもあると考えています。今後も継続的な事業成長を実現する上で、在宅勤務とリアルなコミュニケーションを融合させることで、既存業務を推進しつつ、積極的に新規事業に挑戦し、更なる成長を目指していきたいと思います。

さらに、事業展開のスピードを加速させ、企業価値の最大化を目指すべく、これまで代表取締役社長であった樋口敦士が代表取締役会長に、取締役であった水島育大が代表取締役社長に就任する、経営体制の変更を行いました。今後、新しい時代に合わせたCX(Corporate Transformation)を進め、経営者を多数輩出していくことで、Missionである“クリエイティブ魂に火をつける”を追求していきます。

 

セグメントごとの状況は次のとおりであります。

a.コマース事業

(a) 国内事業

卸売においては、1年を振り返ると同感染症の影響を絶えず受け、地合いが弱い年度となりました。当期首における通期業績予想の前提として、2021年4月期夏に同感染症が収束され、その後は回復へ向かうと仮定していましたが、実際は繰り返される緊急事態宣言の発令と解除により実店舗の消費は想定した以上に回復せず、卸売先への出荷は前連結会計年度比13.6%減と、通期業績予想をも下回る結果となりました。一方、小売においては、同感染症の拡大による消費者の購入経路の変化を上手く捉えることができた結果、前連結会計年度比19.9%増と大幅増収となりました。

商品面では、「独特な曲線美や豊富なカラーバリュエーションなど個性を表現することも考慮した特徴的なデザイン」「モバイルアクセサリー専門ブランドとしての高い認知度」「若年層顧客からの強い支持」を強みとしている“iFace”が引き続き堅調に推移しました。ロングヒットを続けている「iFace First Class」に加え、2019年に導入した「iFace Reflection」が順調に成長し、“iFace”における新たな象徴となりました。また、2020年10、11月に発売されました新型iPhone関連商品も堅調に売上を積み上げることができました。これらの取り組みの結果、「2020楽天年間ランキング」のスマートフォン・タブレットジャンル部門で第1位、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2020」スマートフォン・タブレット・周辺機器ジャンル大賞ダブルイヤー賞を受賞、オンラインモール「au PAY マーケット」において、約2万店の店舗からベストショップを決定する「BEST SHOP AWARD 2020」のスマホ・タブレット・モバイル通信カテゴリ賞を受賞する等、スマートフォンケースブランドとして大きな成長を遂げました。さらに、ユーザーとの継続的な接点確保、顧客満足度向上等を目指し、iFace公式アプリをリリースする等、積極的にコマース事業のDXに挑戦しました。

(b) 海外事業

最大の市場である米国においては同感染症の影響により、国内同様に引き続き小売が好調に推移し、前年を大きく上回る結果となりました。一方海外輸出につきましては回復途上であり、現在業績回復に向けて取り組んでいます。また、Hamee Global Inc.を中心に自社生産比率の向上、ソーシング機能強化等、サプライチェーンの改善に取り組み、コマース事業全体の基盤を強化し、収益向上に貢献しました。

これらの結果、コマース事業の売上高は9,726,740千円(前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は2,498,624千円(同13.7%増)となりました。

 

b. プラットフォーム事業

(a) ネクストエンジン

自社開発のクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」については、同感染症拡大による消費行動の変容からEC市場が大きく伸び、ネクストエンジン顧客企業の受注処理件数も増加し、当該トランザクションに紐づく従量課金制としているネクストエンジンの売上も大きく伸長しました。また販路としてECの重要性が高まったこともあり、この流れを最大限取り込むべく「新型コロナウイルス支援策とりまとめ」等、EC事業を始める事業者のサポートを強化し、新規顧客獲得に繋げました。コールセンター業務の外部への移管完了に伴い、社内リソースがよりカスタマーサクセス活動へ注力できる体制を構築しました。また、「BtoB オーダーアプリ」「Facebook ショップとの連携」等、プラットフォーマーとしての付加価値向上を継続的に行いました。さらに、在庫管理・受発注管理等のECバックヤードの効率化機能に加え、「レコメンドメール自動配信アプリ」「manekine(マネキネ)」等による売上の自動化に取り組む等、サービスの拡張に努めました。これらの活動の結果、総契約数は4,739社(前連結会計年度末比742社増)、利用店舗数36,004店(同5,169店増、いずれも自社調べ)となりました。

(b) Hameeコンサルティング株式会社

EC事業者向け販売支援コンサルティングを提供するHameeコンサルティング株式会社について、組織改善が大きな効果を出し、新規顧客獲得が順調に伸びることにより収益が大きく改善しました。

これらの結果、プラットフォーム事業の売上高は2,308,050千円(前連結会計年度比24.4%増)、営業利益は954,876千円(同63.0%増)となりました。

 
c. その他

コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るものであり、「ふるさと納税支援サービス」や小学生向け見守りモバイル端末「Hamic POCKET(はみっくポケット)」、エシカルネットショップ「RUKAMO」等が含まれます。「ふるさと納税支援サービス」は、市場(寄付額)の拡大、パートナーとの連携強化等に取り組んだ結果、前年比16.7%の増収と継続的に成長する事ができました。また、「Hamic POCKET」においては、2021年2月にリリースされました。

当連結会計年度の売上高は329,577千円前連結会計年度比22.9%増)、セグメント損益(営業損益)は「ふるさと納税支援サービス」以外、先行投資フェーズであるため営業損失は273,208千円前連結会計年度は179,200千円の営業損失)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は12,363,688千円(前連結会計年度比9.2%増)、営業利益は2,179,708千円(同24.9%増)、経常利益は2,148,786千円(同22.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,556,327千円(同45.5%増)となりました。

 

 

d. 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ197,985千円増加し、6,456,733千円(前年度比3.2%増)となりました。これは主に、売上高の増加等により受取手形及び売掛金が360,100千円増加したこと及び立替金の増加等によりその他流動資産が48,322千円増加した一方で、短期借入金の返済等により現金及び預金が98,680千円減少したこと等の結果によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ44,242千円増加し、1,882,020千円(同2.4%増)となりました。これは主に、繰延税金資産が128,859千円増加した一方、のれんが174,289千円減少した等の結果によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,399,988千円減少し、1,746,062千円(同44.5%減)となりました。これは主に、未払金が69,074千円増加及び未払法人税等が25,487千円増加したこと及び賞与引当金が48,306千円増加した一方で、短期借入金が1,587,822千円減少しました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の対策として、経営の安定性を図るために一時的に手元流動性を厚くしていましたが、コロナ禍においても同感染症拡大前と同程度以上の業績を出せることが確認できたため、短期借入金を返済したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ61,470千円減少し、64,638千円(同48.7%減)となりました。これは主に、長期借入金が48,036千円減少したこと等の結果によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,703,687千円増加し、6,528,052千円(同35.3%増)となりました。これは主に、利益剰余金が1,445,785千円増加及び為替換算調整勘定が215,202千円増加したこと等の結果によるものであります。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ98,680千円減少し、3,354,616千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,941,111千円(前連結会計年度は1,934,338千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,143,813千円、減価償却費316,546千円、のれん償却額197,554千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い682,509千円等の支出要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は412,081千円(前連結会計年度は1,019,906千円の支出)でありました。これは主に、有形固定資産の取得181,581千円、無形固定資産の取得169,897千円等の支出要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,736,346千円(前連結会計年度は932,631千円の収入)でありました。これは主に、短期借入金の減少1,588,347千円、配当金の支払い110,541千円等の支出要因があったことによるものであります。

 

 

③  生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2020年5月1日
 至 2021年4月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

989,037

367.2

 

(注) 1.金額は、当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2020年5月1日
 至 2021年4月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

3,644,131

89.1

プラットフォーム事業

その他

55,493

314.1

合計

3,699,624

90.0

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.  受注状況

当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。

 

d.  販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2020年5月1日
 至 2021年4月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

9,726,740

105.6

プラットフォーム事業

2,308,050

124.4

その他

329,577

122.9

調整額

△680

9.2

合計

12,363,688

109.2

 

(注)上記の調整額にはセグメント間の内部売上収益が含まれております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①  財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

b.  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウエア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要があります。

当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で総額1,950,000千円の当座貸越枠を設定しており、必要に応じて機動的な資金調達が可能な体制を整えております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。

なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は従前のコマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを活かした成長戦略だけでは、変化の激しいEC市場において持続可能な成長性を維持することは、今後困難になるものと認識しております。そのため当社グループは、全事業においてストック型ビジネスモデルへの進化を企図して、中期経営計画「Hamee Infinity Strategy」を策定いたしました。今後、中期経営計画の達成を実現するために、様々な商品、サービスの研究開発に注力してまいります。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は104,352千円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) その他

2018年12月に策定した中期経営計画「Hamee Infinity Strategy」に基づいて、既存事業で獲得した経営資源をダイナミックに活用し、顧客体験価値追求のためのストック型ビジネスモデルへの転換を図るため、当該セグメントにおいて開発投資を積極化しております。開発の成果として「Hamic POCKET」等のサービスをリリースしております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は104,352千円であります。