第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業とをそれぞれ継続的に進化・成長させることに取り組んでおります。

 

(2) 経営戦略及び対処すべき課題

今後の事業展開において、各事業が更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、様々な課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に以下のとおり迅速に対処してまいります。

① 全社的な課題

イ.優秀な人材が働きやすい環境の整備

継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2020年にフルテレワーク可能な人事制度を構築し、様々なテレワークに関するツールを導入したほか、2021年には従前のオフィスワークとテレワーク両方に最適なオフィスに転換するなど働きやすい環境を整備しました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和され、リアルでのコミュニケーションの重要性が再認識されている状況も鑑み、今後も当社グループはテレワークと出社を自由に選択できる勤務形態を維持し、リアルとデジタルが融合した働き方の多様性に対応していきます。

 

ロ.コーポレートガバナンスの高度化

ガバナンス体制の構築と権限委譲による意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社へ2022年7月に移行いたしましたが、より一層のコーポレートガバナンスの高度化を実現するため、社外取締役の比率向上、取締役会におけるより高度なガバナンス体制の構築を目指しております。2022年10月に指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名・報酬等に関する決定プロセスの透明性・客観性を高め、コーポレートガバナンスの充実を実現いたしました。今後もコーポレートガバナンスにおいては透明性及び客観性を維持向上できるよう対応してまいります。

 

ハ.コンプライアンス体制の維持向上

近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。

 

ニ.ESGの推進

当社グループが本社を構える小田原の地には、江戸時代の思想家、二宮尊徳翁が生んだ「報徳思想」という考え方が根付いています。この教えのもと、私たちは社会の公器としての自覚を持ち、事業活動の進化・成長を図るとともに、環境・社会・経済などに関わる課題の包括的解決に取り組むためESGに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しており、各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランを当社ホームページにて公表しております。具体例といたしましては、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるプロジェクトである「Parallel Plastics」を展開し、プラスチック製品の不良品や余剰在庫から新たなプロダクトをつくるリサイクルサービスを開発しているほか、ネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、『働きがいも経済成長も』『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っています。しかしながら、アクションプランについては不十分な側面もあると認識しているため、引き続き、アクションプランの拡充に取り組んでまいります。

 

② コマースセグメント

イ.特定カテゴリー(スマートフォンアクセサリー)への依存

コマースセグメントの売上構成は、8割以上が日本国内市場であり、そしてそのほとんどがスマートフォンアクセサリーカテゴリーとなっております。スマートフォンの普及率や、今後の国内人口の見通しなどを勘案すると、事業基盤をより安定させるために、グローバル展開の加速と、カテゴリー拡張や新規事業創出が必須の経営課題であると認識しております。これに対処するべく当社グループは「EC運営ナレッジ」「自社で企画・開発・製造を行い卸販売、EC小売の2つの販売チャネルをバランス良く保持しているサプライチェーン」「認知度の高いiFaceブランド」といった強みを活かした、カテゴリー拡張、新規事業創出を積極的に行いつつ、グローバル展開をさらに加速させる取り組みを継続的に実施しております。具体的には、スマートフォンアクセサリーを中心としたモバイルライフ事業をベースの事業として、コスメブランドByUR(バイユア)を中心としたコスメティクス事業、ゲーミングモニターブランドPixioを中心としたゲーミングアクセサリー事業、オタマトーンやスクィーズ等海外で人気のある商材を取り扱うグローバル事業に対して積極的に投資を行いました。その成果として、当事業年度において各事業で売上高の成長が認められましたが、利益貢献の面で課題を残すため、今後採算改善のための取り組みにも注力してまいります。

 

ロ.ブランド力の維持向上

当セグメントが属するスマートフォンアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、主力ブランドでありコアコンピタンスでありコスメティクスをはじめとするカテゴリー拡張の要であるiFaceが今後も顧客から選ばれるブランドであるべく、その価値向上を図るため、一層のブランディング強化を行います。スマートフォンアクセサリーブランドとして10年以上の歴史を積み上げてきた、オンリーワンな強みを最大限活用し、更なる成長を目指します。

 

ハ.商品の市場投入スピードの向上

コスメティクス事業の「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと遅れたことに伴って、売上計画に対して大幅なビハインドになったほか、モバイルライフ事業においても商品開発の遅れが認められるなど、ニーズに合った商品の市場投入スピードについて課題が生じました。これに対し、海外子会社の組織体制の見直しを含む組織改革を実施し、新商品をスピーディかつ継続的に市場投入する体制の構築に着手いたしました。主要なカテゴリーを扱うモバイルライフ事業については、新商品の投入数を主要な経営指標として認識し、自社企画商品をタイムリーに市場投入することで需要を喚起し、当事業年度において一時的に落ち込んだ売上高の回復に努めてまいります。

 

ニ.採算性の改善

ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、不振となったモバイルライフ事業の売上高を、ゲーミングアクセサリー事業、コスメティクス事業、グローバル事業といった新しい注力分野の売上高がカバーする構図が顕著となり、事業ポートフォリオの形成が進みました。しかしながら当該三事業は未だに投資を重ねている領域であり、採算性に課題を認識しております。事業譲受による調達価格の低減と販売地域の拡大、内製化やメーカーとの関係強化によるコスト削減の取り組みなどの施策を今後も継続し、利益の貢献を早期に実現するよう努めてまいります。

 

 

③ プラットフォームセグメント

イ.ネクストエンジン契約拡大のための継続的な取り組み

ネクストエンジンは主として(EC流通額)中規模事業者に対して支持されているサービスであり、5,700社を超える顧客にご利用いただいています。今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客によるEC事業の成長実現を通じて、総契約社数の拡大を目指します。

・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動

・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上

・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減

・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化

・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅をさらに拡大

・新規顧客の増加へ対応しつつ、顧客満足度を維持するための、コールセンターのアウトソース

・不十分な運用習得による解約の抑制

 

ロ.市場環境に左右されない強固な顧客基盤の構築

当事業年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。

(a) コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。

(b) コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。

(c) EC事業者の喫緊の経営課題のシフト上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。

これらの状況を踏まえ、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指すために、従前の中規模以上のEC事業者に対する強みを発揮するだけではなく、小規模事業者を含む全てのコマース事業者に伴走し成長を支援するようなサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、総契約社数の更なる拡大を目指します。

 

ハ.好循環なビジネス構造の実現

また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また中規模事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行うなどシナジーをさらに追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社グループは、グループ共通のDNAである『クリエイティブ魂に火をつける。』のもと、次世代の環境に配慮したプロダクト・サービスを提供し続け、人・社会・自然との共生を通じ、持続可能な社会の発展に寄与していくことをサステナビリティ基本方針としております。サステナビリティへの取り組みをより浸透させていくことは経営における最重要課題の一つであると認識しており、推進及び管理体制の強化に向けて、サステナビリティに関する専門の組織を設置する予定であります。

 

(2) 戦略

当社グループが本社を構える小田原の地には、江戸時代の思想家、二宮尊徳翁が生んだ「報徳思想」という考え方が根付いています。この教えのもと、私たちは社会の公器としての自覚を持ち、事業活動の進化・成長を図るとともに、環境・社会・経済などに関わる課題の包括的解決に取り組むためESGに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しており、各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランを当社ホームページにて公表しております。具体例といたしましては、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるプロジェクトである「Parallel Plastics」を展開し、プラスチック製品の不良品や余剰在庫から新たなプロダクトをつくるリサイクルサービスを開発しているほか、ネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、『働きがいも経済成長も』『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っています。しかしながら、アクションプランについては不十分な側面もあると認識しているため、引き続き、アクションプランの拡充に取り組んでまいります。

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。各職種・階層にあった研修等の拡充を図り、性別・年齢等に関わらず多様な人材の能力を最大限に引き出すとともに、常に向上心を持ち将来の環境変化にも対応しうる人材を育成してまいります。また、障がい者雇用促進及び女性の仕事と育児の両立制度の確立による具体的施策の推進等、多様な人材の採用並びに多様な働き方の整備も同時に行ってまいります。

 

(3) リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関する具体的なリスク管理体制の構築を推進し、今後設置予定のサステナビリティに関する専門の組織においてリスク洗い出し、施策の検討及び評価を行い適切にモニタリングし、必要に応じて重要課題及びその指標や目標を見直すなど適切に対応してまいります。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、年齢、性別等区別することなく、意欲と能力のある優秀な従業員が平等に管理職登用への機会が得られるような人事制度を整備してまいります。従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境や制度設計に努め、意欲と能力のある従業員を育成し、適切な人材を管理職として登用していく方針でありますが、女性、障がい者、中途採用者等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等を現在は定めておりません。その具体的な目標設定については、今後の課題として検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社で想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

(1) 当社グループ全体に係るリスクについて

① ビジネスモデルについて

当社グループにおける事業は、主としてECに関連する事業であるため、EC関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。

今後もEC関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりEC関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② インターネットモールにかかる影響について

当社グループの事業においては、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、ECインフラともいうべき企業の運営方針の影響を受けます。当社グループにおいては、複数のECモールへの出店や、自社ドメインサイトの運営などにより、一つのECモールに依存しない運営体制を構築しておりますが、ECモールが同一企業による複数店舗の出店を禁止するなどした場合や、販売ロイヤリティ率の引き上げに伴いECモールへの出店に関する費用が増加した場合、自社EC店舗の運営に支障が生じるとともに、プラットフォーム事業においてシステムを利用する顧客が減少するなどし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ システムトラブル等について

当社グループの事業は、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワーク及び当社が提供しているシステムに依存しております。このため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、またはサイトへのアクセスの急激な増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムにトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループのコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、それらの手段で対応できないコンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ ネクストエンジンの不具合について

当社が運用しているネクストエンジンは、プラットフォーム事業における主要サービスであるとともに、コマース事業における管理システムとしても利用しております。当社は、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、何らかの理由によりネクストエンジンに不具合が生じた場合、プラットフォーム事業における主要なサービスの提供が困難になると同時に、コマース事業において受注処理等の業務運営が滞るなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 法的規制について

当社グループは「不当景品類及び不当表示防止法」、「製造物責任法」、「特定商取引に関する法律」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「不正競争防止法」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」、「商標法」、「著作権法」等による法的規制を受けております。当社グループでは、管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材の採用・育成について

当社グループは、企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材の維持と拡充が必須であると認識しております。当社グループの競争力向上に当たっては、それぞれの部門において高い専門性を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を適切に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材育成、維持に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画どおりに進まなかった場合や、人材育成・維持が計画どおりに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 訴訟などに関するリスク

当社グループは、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、プラットフォーム事業においては、当社グループの過失によるシステム障害などで顧客の業務が滞り、顧客に機会損失が発生した場合には訴訟を受ける可能性があります。また、コマース事業においては、商品が第三者の知的財産権を侵害していたり、商品を購入した顧客に被害等(蓄電池の発火による火傷、火災など)が発生した場合には、訴訟を受ける可能性及び商品の不良発生等に基づいて、監督官庁から商品の回収命令を受ける可能性があります。当社は、販売する商品等について商品開発部が、メーカーから納品される前のサンプル検査の段階において、素材の確認、裁断や焼却等による検査を行うとともに、通電商品等の機能性商品については外部専門機関等によるチェックを実施するなど、品質の確認には十分な注意を払っておりますが、完全にそのリスクを排除できる保証はなく、発生した訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額、商品回収費用の発生状況によっては当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 減損処理の影響について

当社グループは、2018年4月のHameeコンサルティング株式会社の買収(子会社化)、2019年10月のJEI DESIGN WORKS Inc.の製造事業の譲受(ブランド企画・デザイン企画人材含む)による取得、2023年1月の株式会社キューブの製品製造販売事業の譲受(音楽雑貨オタマトーン)による取得など、事業進展のための様々な投資を行っており、今後も国内及び海外において、企業買収等の投資を継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行しておりますが、業績計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合には、のれんの減損が発生するなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するべく、前述の投資判断に加え、投資後のモニタリングを行い、事業計画との乖離が見られた段階で早期に対策を検討・実行していきます。

⑨ 新型コロナウイルス感染症に関わるリスクについて

新型コロナウイルス感染症が拡大し、当社グループの各拠点に被害が発生した場合、事業活動に支障が生じる可能性があります。新型コロナウイルス感染症が5月8日をもって5類感染症に移行し、一定の落ち着きが見られ、今後収束に向かうことが見込まれますが、当社グループとしては、事業を継続させるべく様々な取り組みを行っております。具体的には、代表取締役社長を本部長とするBCP災害対策本部を設置し、在宅勤務の実施、国内外への出張及び渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、状況に応じた事業継続計画(BCP)を立案、実行しております。

しかしながら、これらによっても新型コロナウイルス感染症による被害を完全に回避できるわけではなく、感染症が爆発的に拡大した場合には、顧客の操業度低下・停止やサプライチェーン寸断、EC含む市況の悪化などにより、当社グループの取引減少などがリスクとして見込まれており、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) コマース事業に係るリスクについて

① スマートフォン機種の流行等が経営成績に与える影響について

当社グループが属するモバイルアクセサリー業界は、スマートフォン機種の流行に影響を受ける傾向があります。モバイルアクセサリーは、特定機種専用の商品と、機種に左右されない商品がありますが、スマートフォンは概ね一年ごとにモデルチェンジされているため、特定機種専用商品のライフサイクルが短いという傾向にあるといえます。機種の流行や顧客の嗜好等により特定機種専用商品への依存度に変化が生じた場合、売上変動や在庫増加が発生するほか、当該変化が当初の需要予測と異なった場合には、棚卸資産の評価の見積りに重要な影響を与えるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定ブランドへの依存について

当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分はスマートフォンケースブランドである「iFace」シリーズの商品となっております。「iFace」以外のブランド力の強化や新ブランドの検討を行っているものの、今後「iFace」ブランドに対するイメージが著しく低下した場合や、「iFace」ブランドと同様のコンセプトの商品が他社から発売され、他社と比して著しく劣るような状況となった場合、当該商品に対する需要が落ち込み、売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

③ キャラクター商品の取り扱いについて

当社グループは、キャラクター商品を幅広く取り扱っております。当社グループの商品へのキャラクターの活用に当たっては、長期安定的な人気を得るものを活用する方針でありますが、当社グループが人気キャラクターの商品化許諾権を版権元から獲得できなかった場合、当社グループの取り扱うキャラクター商品に関する版権元との商品化許諾契約が、何らかの理由により更新拒絶、解除等により終了した場合、採用するキャラクターの人気の程度により、当社グループの業績が変動する可能性があります。

④ 競合について

当社グループのコマース事業においては、モバイルアクセサリー市場の成熟に伴い、競争の激化が予想されます。今後他のモバイルアクセサリーのインターネット通信販売事業者、卸販売事業者のみならず、仕入先自身によるインターネット通信販売の展開、その他新規参入事業者等により、新たな高付加価値サービスの提供がなされた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。

また、2022年4月期より取り扱いを開始しましたコスメティクスやゲーミングアクセサリーブランドにおいても競合が存在しており、影響がございます。

⑤ 需要予測に基づく仕入れについて

当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分は、需要予測に基づいた仕入れを行っております。しかしながら、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなります。また、実際の受注が需要予想を下回った場合には、当社グループに過剰在庫が発生しキャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。

⑥ 物流業務の外部委託について

当社グループの国内コマース事業は、商品の保管、入出庫等に係る業務を株式会社清長へ委託しております。同社とは通信回線にてデータの授受を行っており、何らかのシステム障害にて通信回線が不能となった場合、入出荷業務に影響を及ぼす可能性があります。また地震やその他不可抗力、その他同社の業務の継続が困難になる事象等、何らかの理由により同社からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、または同社との基本契約が変更され、当社グループ業務運営上何らかの影響が生じ、かつ当社グループがこれに適切な対応ができない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において売上に占める物流費の割合について、目立った上昇の傾向は出ておりませんが、今後運送事業者からの値上げ要請が発生した場合には、物流コストの増加が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 商品の品質管理について

当社グループのコマース事業において販売する商品のうち一定割合のモバイルアクセサリーは、当社グループの商品開発部門と仕入先企業が共同で商品開発を行い、仕入先企業にて生産される自社企画商品であります。商品の安全性に関する社会の期待、関心は高まっており、当社グループにおいても、仕入に際しての品質基準の見直しや、品質検査、適法検査等を強化し、安全な商品の供給に努めております。しかしながら、当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合には、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 返品について

当社グループのコマース事業においては、契約書上に定める一定範囲において、雑貨量販店をはじめとする各小売店等より、一定の条件で商品の返品を受け入れており、商品入庫時及び出荷時における検品の徹底により、商品の瑕疵に伴う不良返品の発生を未然に防ぐ対応を行っております。また、期末日以後の返品による影響に備えるため、返品されると見込まれる商品の対価を返金負債として、返金負債の決済時に顧客から商品を回収する権利として認識した資産を返品資産として計上しております。しかしながら、想定を超えて大量に返品が発生した場合には、代替商品の配送費用など追加的な費用が発生することから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 個人情報の保護について

モバイルアクセサリー等のインターネット販売サイトの運営管理におきましては、登録会員の個人情報を大量に保有しているため、2005年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」を遵守しております。また、当社グループの「個人情報保護方針」に沿って、個人情報保護マネジメントシステムを整備しております。さらに、従業員に対する個人情報保護に関する意識の向上を図り、個人情報の漏洩に対し防止策を講じています。

しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による個人情報の漏洩、消失、不正利用が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、さらには損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) プラットフォーム事業に係るリスクについて

① 特定のサービスへの依存について

プラットフォーム事業における当社グループの主力サービスは、EC事業者向けのネットショップ一元管理システム、ネクストエンジンであります。EC業界におけるネットショップ管理システムのニーズが高まっているため、継続した機能強化に努めておりますが、ECモールの寡占化が進んだ場合や、EC業界においてネットショップ管理システムの需要が減退した場合、当社システムが陳腐化した場合、また、価格やサポート体制等の総合的なサービス内容が他社と比して著しく劣るような状況となった場合、他社システムへの乗り換えに伴う解約の増加により売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

② 顧客情報の保護について

当社グループのプラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのサービス運用に当たって、顧客が保有する取引先情報・機密情報を預かります。当社と顧客との間では当サービスの利用規約に基づき適切な管理を行っておりますが、顧客データの取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、信用の失墜を招き、さらには損害賠償による経済的損失が発生するなど、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和される動きに伴って、個人向けサービス業等を中心に非製造業の業況判断の改善が見られた一方で、ウクライナ情勢などを背景に世界的な原材料価格・エネルギー価格の高騰によるインフレや急激な円安等のリスクが顕在化し、依然として先行きの不透明感が拭えない状況が続いております。

このような経営環境のもとで、当連結会計年度における当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりとなりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。変更の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

a.コマースセグメント

(a) モバイルライフ事業

当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和されたことを背景に、ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したこと、高価格化に伴ってiPhone14シリーズの需要が想定より伸び悩み、新型iPhone向け商品が振るわない状況が続いたことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、国内販売については卸販売、小売ともに苦戦が続きました。

このような状況の改善を図るため、当連結会計年度において新型iPhone以外の機種向け商品や、市場トレンドを取り入れた新商品の開発スピードの向上など各種施策に積極的に取り組み、新しいiFaceシリーズであるショルダーストラップ付きケース「Hang and」を2月に市場投入いたしましたが、当連結会計年度においては業績面への貢献には繋がりませんでした。また、人気の火付け役となったFirst Classシリーズや、それを上回る勢いで市場に浸透したReflectionシリーズ等の定番商品に加え、前連結会計年度新規リリースしたフルクリアケースであるLook in Clearシリーズなど、従前のiFaceシリーズについても、市場への再認知を図るため、人気VTuberグループとのコラボレーション企画によるプロモーションを展開するなど、営業面の強化に注力いたしましたが、上記のネガティブ要素を払拭するには至らず大幅な減収となりました。

 

(b) ゲーミングアクセサリー事業

価格と性能面のバランスが評価され、当連結会計年度も順調に販売が拡大いたしました。10月にはゲーミングモニターブランド「Pixio(ピクシオ)」が、Amazon.co.jp 販売事業者アワード 2022において、カテゴリー賞(パソコン・オフィス用品部門)を受賞したほか、シナジー創出を目指して当社グループの投資事業において出資した、株式会社TechnoBlood eSportsが運営するeSportsカフェへの納入や、実機展示などのリアルでの販促活動にも注力いたしました。また、EC販売について前連結会計年度においては本店とAmazon1店舗のみの運営であったものの、2022年5月にPayPayモール、7月には楽天市場、ヤフオク!と出店を加速したこと及び、本店のリニューアルによる訴求力の向上、モニターアーム等周辺アクセサリーの展開などの施策により、前連結会計年度と比較して大幅な増収となりました。

 

(c) コスメティクス事業

「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと大幅に遅れたことに伴って通期計画に対して大幅なビハインドとなっておりましたが、当該商品群のリリースによる商材の拡充と、期初より継続してきた広告宣伝投資の効果もあり、第3四半期連結会計期間より売上高が伸長しはじめ、注目コスメとしてメディア各社が主催する各種のアワードを40冠受賞するなど、認知度は着実に拡大いたしました。また、2023年4月にTV番組でベースメイクシリーズが紹介されたことをきっかけに、4月単月の予算に対し200%の実績を残すなど、着実に実績を積み上げることができました。

販売チャネルについても、当連結会計年度末で卸先7社(取扱店舗数260店舗)、EC5店舗(本店、Amazon、Qoo10、Yahoo!、楽天)まで拡大しており、今後もSNSを中心としたプロモーションによるEC店舗への誘致と卸販売先の開拓を進めることで、更なるトップラインの伸長を実現してまいります。

なお、国内化粧品業界全体は成熟市場であり大手企業を中心にシェアの獲得競争が激しい業界であるものの、財務省貿易統計によると、化粧品国内輸入金額の推移において韓国からの輸入額はここ数年で急速に増加していることが確認でき、韓国コスメ(K-beauty)市場は急速に成長しているものと考えられます。また、現時点では大手企業の参入も少ないことから、当社グループの強みを活かして早期にイニシアチブを獲れる領域であると判断しております。

 

(d) グローバル事業

韓国子会社において、オタマトーン等の仕入商材が好調に推移したものの、一方で自社製品であるモバイルアクセサリーは国内同様に苦戦したため、商品ミックスの変化に起因して売上総利益率が低下し減益となりました。

米国子会社について、上期において販売拡大施策の一環として実施したディスカウント販売や、宣伝広告費の拡大など営業に関わる費用の増加によって利益率の大幅な悪化が見られましたが、下期における販売価格の見直しやコスト管理の徹底などの採算改善施策と、クリスマス商戦での好調な販売を受け、利益面での改善が進みました。

なお、特に好調な販売を維持している音楽雑貨のオタマトーンについて、当社の連結子会社であるHamee Global Inc.は、2023年1月1日付で株式会社キューブと同社の製品製造販売事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結し、同日付で同事業を譲受ております。これにより、売上原価の圧縮と販売に関わるロイヤリティー支払いの削減が期待でき利益率の改善が可能となる見込みです。

 

これらの結果、コマースセグメントの当連結会計年度の売上高は10,655,603千円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は696,068千円(同62.8%減)となりました。

 

b.プラットフォームセグメント

(a) ネクストエンジン事業

当連結会計年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。

ⅰ.EC市場における構造変化

コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。

ⅱ.コロナ禍で進んだ消費行動の反動

コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。

ⅲ.EC事業者の喫緊の経営課題のシフト

上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。

これらを背景として、従前は自然流入で一定数を確保できていた無料契約数が伸び悩む状況が生じており、無料契約から正式契約への転換率自体は大きな変動はないものの、第2四半期連結会計期間の契約純増数は38社となるなど、契約社数の伸びが鈍化しました。この状況を改善するため、第3四半期連結会計期間以降、カスタマーサクセスの思想をしっかりとビジネスの中に取り込み、プラットフォームとしての強みを発揮しながらユーザーの成長を支援する、という基本的な方針は維持しながら可能な限り契約獲得へもリソースを投入することで、第3四半期連結会計期間の契約純増数は53社、第4四半期連結会計期間の契約純増数は121社まで回復することができました。

引き続きECから撤退する事業者も増加傾向にあり、解約率について第1四半期の0.80%から第2四半期は1.04%へ若干悪化する傾向が見られましたが、平均の月次解約率は0.95%と引き続き低位を維持しております。

また、サーバー費用の圧縮等コスト管理の徹底と、ストックビジネスである強みを活かして売上、営業利益とも前連結会計年度比で着実に成長することができました。

 

(b) コンサルティング事業

コンサルタントのリソース確保という経営課題に継続的に取り組んでおり、コンサルタント不足に起因する売上の減少に加え、不足するリソースの外注化による外注費の増加や人件費の増加により、利益面についても減益となりました。サイト構築に関する案件を大手企業から受注するなど引き合いは好調であるものの、引き続きリソースの確保と基盤整備を優先課題としてとらえ、成長軌道に戻すための体制強化に注力してまいります。

 

(c) ロカルコ事業

ふるさと納税が最盛期となる12月の取り扱いが過去最高を記録するなど、当連結会計年度も好調を維持しております。来年度に向けた新規自治体獲得のため、外部パートナーとの連携を進めて営業を強化し、引き続き高い成長性を維持してまいります。

 

これらの結果、プラットフォームセグメントの当連結会計年度の売上高は3,389,421千円(前連結会計年度比9.3%増)、営業利益は1,509,819千円(同23.2%増)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,038,437千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は1,271,159千円(同42.3%減)、経常利益は1,399,637千円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は945,375千円(同45.8%減)となりました。

 

c. 財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ423,741千円増加し、8,581,977千円(前年度比5.2%増)となりました。これは主に、現金及び預金が490,088千円減少した一方、その他が543,924千円、売上高の増加等により受取手形及び売掛金が129,937千円及び商品が215,445千円増加したことなどの結果によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,378,552千円増加し、3,738,509千円(同58.4%増)となりました。これは主に、投資有価証券が517,727千円のれんが354,583千円、使用権資産が232,679千円増加したことなどの結果によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,003,943千円増加し、3,236,260千円(同45.0%増)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が43,853千円及び買掛金が7,531千円減少した一方、短期借入金が800,000千円、その他が129,205千円及び未払法人税等が77,180千円増加したことなどによるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ90,764千円増加し、123,725千円(同275.4%増)となりました。これは主に、退職給付に係る負債が19,000千円減少した一方、その他が109,566千円増加したことなどの結果によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ707,584千円増加し、8,960,501千円(同8.6%増)となりました。これは主に、利益剰余金が636,134千円増加及び為替換算調整勘定が60,236千円増加したことなどの結果によるものであります

 

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ490,089千円減少し、3,535,669千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は695,036千円(前連結会計年度は1,186,178千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,395,911千円、減価償却費627,115千円、のれん償却額164,245千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い666,693千円、その他451,085千円、棚卸資産の増加210,711千円等の支出要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,507,314千円(前連結会計年度は886,457千円の支出)でありました。これは主に、貸付金の回収による収入272,000千円及び投資有価証券の売却による収入32,428千円等の収入要因に対し、投資有価証券の取得による支出544,194千円、事業譲受による支出520,277千円、有形固定資産の取得290,064千円、貸付けによる支出272,000千円、無形固定資産の取得196,468千円等の支出要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は262,789千円(前連結会計年度は298,055千円の収入)でありました。これは主に、短期借入金の増加800,000千円等の収入要因に対し、配当金の支払い357,734千円、リース債務の返済による支出136,521千円及び長期借入金の返済43,853千円等の支出要因があったことによるものであります。

 

 

③  生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

1,371,410

103.7

 

(注) 金額は、当期総製造費用によっております。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

4,566,278

108.2

プラットフォーム事業

合計

4,566,278

107.3

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c.  受注状況

当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。

 

d.  販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

10,655,603

103.3

プラットフォーム事業

3,389,421

109.3

調整額

△6,586

合計

14,038,437

104.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①  財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

b.  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウエア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要があります。

当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で総額1,950,000千円の当座貸越枠を設定しており、必要に応じて機動的な資金調達が可能な体制を整えております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。

なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年6月13日付の会社法第370条による決議(取締役会の決議にかわる書面決議)によって、2022年8月1日を効力発生日として、当社のプラットフォーム事業を会社分割の方法により、今回の会社分割における承継会社として当社が設立した100%子会社であるNE株式会社へ承継すること(以下「本分割」といいます。)を決議しました。なお、本分割の実施は2022年7月28日開催の当社定時株主総会において承認が得られることを条件としておりましたが、同株主総会において承認が得られております。

当社の連結子会社であるHamee Global Inc. は2023年1月1日付で株式会社キューブと同社の製品製造販売事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結し、同日付で同事業を譲受ております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

当社は、従前のコマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを活かした成長戦略だけでは、変化の激しいEC市場において持続可能な成長性を維持することは、今後困難になるものと認識しております。そのため、コマース事業、プラットフォーム事業及びその他の新規事業をそれぞれ継続的に進化・成長させることに取り組んでおり、それに資する研究開発活動を行っております。当社グループを取り巻く経済環境や直近の経営状態を踏まえ、2022年6月13日公表の中期経営計画(2023年4月期~2025年4月期)を見直し、新たな2024年4月期~2026年4月期に係る3か年の中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画に則り、様々な商品、サービスの研究開発に注力してまいります。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は39,495千円であります。