第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年4月

2021年4月

2022年4月

2023年4月

2024年4月

売上高

(千円)

11,325,198

12,363,688

13,413,481

14,038,437

17,612,068

経常利益

(千円)

1,756,964

2,148,786

2,329,611

1,399,637

2,018,905

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

1,069,422

1,556,327

1,743,821

945,375

1,121,626

包括利益

(千円)

928,774

1,771,529

1,865,306

1,008,048

1,545,430

純資産額

(千円)

4,824,365

6,528,052

8,252,916

8,960,501

10,157,139

総資産額

(千円)

8,096,525

8,338,753

10,518,193

12,320,486

14,512,472

1株当たり純資産額

(円)

296.74

404.97

513.06

556.97

631.69

1株当たり当期純利益
金額

(円)

67.41

98.38

109.72

59.44

70.45

潜在株式調整後1株
当たり当期純利益金額

(円)

66.94

97.62

109.43

59.39

70.42

自己資本比率

(%)

57.9

77.1

77.6

72.0

69.3

自己資本利益率

(%)

24.5

28.0

23.9

11.1

11.9

株価収益率

(倍)

19.52

16.13

10.11

16.49

16.51

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,934,338

1,941,111

1,186,178

695,036

885,867

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,019,906

412,081

886,457

1,507,314

876,800

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

932,631

1,736,346

298,055

262,789

379,928

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

3,453,297

3,354,616

4,025,758

3,535,669

4,021,675

従業員数

(人)

353

387

403

428

463

(外、平均臨時雇用者数)

(32)

(19)

(25)

(27)

(32)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年4月

2021年4月

2022年4月

2023年4月

2024年4月

売上高

(千円)

10,270,071

10,840,693

11,451,711

9,005,609

10,992,707

経常利益

(千円)

1,268,668

1,261,189

1,667,633

34,478

338,387

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

752,009

854,152

1,208,590

8,777

284,085

資本金

(千円)

536,677

594,043

597,803

598,262

598,524

発行済株式総数

(株)

16,135,600

16,255,200

16,268,800

16,280,000

16,286,400

純資産額

(千円)

3,564,046

4,350,357

5,416,948

3,583,887

3,580,848

総資産額

(千円)

6,747,064

5,731,632

7,459,090

5,597,924

6,592,600

1株当たり純資産額

(円)

216.93

267.81

334.69

219.16

218.89

1株当たり配当額

(円)

7.00

10.00

22.50

22.50

22.50

(うち1株当たり
中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益
金額又は1株当たり
当期純損失金額(△)

(円)

47.40

53.99

76.04

0.55

17.84

潜在株式調整後1株
当たり当期純利益金額

(円)

47.07

53.57

75.85

17.84

自己資本比率

(%)

50.8

74.2

71.3

62.3

52.9

自己資本利益率

(%)

23.5

22.2

25.2

0.2

8.1

株価収益率

(倍)

27.76

29.39

14.58

65.18

配当性向

(%)

14.77

18.52

29.59

126.10

従業員数

(人)

207

229

229

144

150

(外、平均臨時雇用者数)

(15)

(15)

(21)

(16)

(20)

株主総利回り

(%)

172.0

208.3

149.4

135.6

162.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(92.9)

(122.9)

(126.0)

(140.2)

(191.2)

最高株価

(円)

1,785

2,655

1,690

1,253

1,355

最低株価

(円)

604

1,241

956

677

813

 

(注) 1.第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

2.第25期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。

3.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。

4.最高・最低株価は東京証券取引所市場第一部におけるものです。なお、2022年4月4日から2023年10月19日までの最高株価及び最低株価は東京証券取引所プライム市場、2023年10月20日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものです。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社は、1998年5月22日に神奈川県小田原市において、モバイル周辺アクセサリーの企画・販売・イーコマース(以下「EC」といいます。)を目的にマクロウィル有限会社として設立いたしました。

その後、2001年12月に、当社EC店舗名として知名度の高かった「ストラップヤ」を当社商号として採用し、モバイル周辺アクセサリーに特化した販売事業を展開してまいりました。2008年5月にはEC事業の受発注・在庫・売上を一元管理するシステム「ネクストエンジン」のサービス提供を開始し、新たな事業の柱としました。その後、2013年5月1日付で、商号を「Hamee(ハミィ)」に変更し、現在に至っております。

当社設立後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。

 

年月

概要

1998年5月

神奈川県小田原市にてモバイル周辺アクセサリーの企画・販売・ECを目的にマクロウィル有限会社を設立

1999年8月

自社サイト「携帯アクセ市場」でのモバイル周辺アクセサリーのECを開始

モバイル周辺アクセサリーの実店舗向けBtoB販売を開始

2000年1月

販売網の拡大を目的としてインターネットショッピングモール「楽天市場」へ出店

2001年3月

グローバル展開を目的としてグローバル対応ECサイト「StrapyaWorld」開始

2001年12月

株式会社ストラップヤ.comへ商号及び組織変更

2003年5月

インターネットショッピングモール「Yahoo!ショッピング」へ出店

2006年5月

商号を株式会社StrapyaNextへと変更、規模の拡大に伴い本社移転(神奈川県小田原市)

2006年6月

自社販売サイト「ストラップヤ本店」でのモバイル周辺アクセサリーのECの販売開始

2007年11月

EC事業者向けクラウド型バックエンドソリューションシステム「ネクストエンジン」の稼働開始

2008年5月

「ネクストエンジン」の外部向けサービス開始

2010年1月

東京都渋谷区にモバイル周辺アクセサリーBtoB販売拠点として東京営業所を設置

2011年5月

大阪府大阪市にモバイル周辺アクセサリーBtoB販売拠点として大阪営業所を設置

2011年6月

グローバル対応ECの「Strapya World」を「AmazonUS」へ出店

2011年10月

韓国市場への本格進出に向けた韓国法人「Strapya Korea Co.,Ltd.(現 Hamee Global Inc.)」(現 連結子会社)設立

2013年5月

Hamee株式会社へ社名変更

グローバル市場への本格進出に向け米国法人「Hamee US,Corp.」(現 連結子会社)設立

2013年8月

規模の拡大に伴い本社移転(神奈川県小田原市)

2013年12月

「ネクストエンジン」のAPIを公開しプラットフォームとして提供開始

2015年4月

東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

2015年7月

海外展開強化の一環として台湾に子会社「Hamee Taiwan,Corp.」設立

自社企画商品開発強化及び海外展開強化の一環として中国に子会社「Hamee Shanghai Trade Co.,Ltd.」設立

2015年9月

海外展開強化の一環としてインドに子会社「Hamee India Pvt.Ltd.」設立

2015年10月

東京営業所を東京都港区へ移転

2015年12月

韓国にて「ネクストエンジンコリア」のβ版をリリース

2016年2月

株式会社ラクスと業務提携

2016年4月

株式会社デジタルスタジオと業務提携

2016年7月

東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更

2016年8月

ランサーズ株式会社と業務提携

2016年9月

EC運営の自動出荷領域の拡大を目指し、株式会社Webの匠(現 シッピーノ株式会社)と資本・業務提携

2016年10月

システム連携も視野に入れ、中国越境ECプラットフォーム「天猫国際」に店舗を正式オープン

2017年6月

ふるさと納税事業を行う小田原市にネクストエンジン提供開始

 

 

年月

概要

2018年4月

株式会社JSコンサルティング(Hameeコンサルティング株式会社)の発行済株式を100%取得し子会社化

2018年8月

韓国連結子会社 Hamee Korea Co.,Ltd.(現 Hamee Global Inc.) がモバイルアクセサリーブランド「PATCHWORKS」を事業譲受により取得

株式会社大塚商会とのERP連携により販売パートナーシップを強化

2018年11月

ネクストエンジンのカスタマーサポート業務の一部について、ビジネス・プロセス・アウトソーシングを行うためコムテック株式会社と業務委託契約を締結

2018年12月

ネクストエンジンのECデータを元に開発した商品レコメンドAI搭載の「レコメンドメール自動配信アプリ」をリリース

2019年1月

IoT事業に参入しプロダクトの第一弾としてスマホを持たない子どものための音声メッセージロボット「Hamic BEAR」をリリース

2019年3月

韓国連結子会社 Hamee Korea Co.,Ltd. において「ネクストエンジンコリア」を正式リリース

2019年4月

 

 

2019年10月

 

2020年4月

スマートデバイスアクセサリーブランド「AndMesh」を事業譲受により取得

台湾連結子会社 Hamee Taiwan,Corp.のEC事業を現地パートナー Armigo Co.,Ltd.に譲渡することを取締役会にて決議

韓国連結子会社 Hamee Korea Co.,Ltd. が「JEI DESIGN WORKS Inc.」の運営する製品製造事業(ブランド企画・デザイン企画人材含む)を譲受により取得

連結子会社Hamee Korea Co.,Ltd. からHamee Global Inc.へ商号変更

連結子会社Hamee Taiwan Corp.を閉鎖

2020年11月

東京営業所を渋谷区へ移転

2021年1月

スマートフォンケースブランド「iFace」の世界累計販売数が2,000万個を突破

2021年2月

韓国連結子会社 Hamee Global Inc.が商品開発、製造機能を高めるため、同社の子会社(当社の孫会社)として中国に「Hamee Shanghai Tech & Trading Co., Ltd.」を設立

親子のあんしん・たのしい・リテラシー向上を実現する小学生向けプレスマホ「Hamic POCKET」を発売開始

2021年5月

ゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結

2021年7月

ネクストエンジンにおいて、Criteo との連携サービスの共同開発に向けたテストマーケティングを開始

2021年9月

ネクストエンジンの総契約社数が5,000社を突破

2021年10月

持分法適用関連会社であるシッピーノ株式会社の株式を売却。持分法適用からシッピーノ株式会社が除外

2022年1月

コスメブランド「ByUR(バイユア)」を立ち上げ、化粧品事業に参入

2022年3月

スマートフォンケースブランド「iFace」の世界累計販売数が2,500万個を突破

2022年4月

 

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行

単一事業年度におけるネクストエンジンの流通総額が初めて1兆円を突破

2022年8月

プラットフォーム事業を会社分割により分社化し、NE株式会社(現連結子会社)へ承継

2022年9月

NE株式会社において、Hameeコンサルティング株式会社を吸収合併

2023年10月

東京証券取引所スタンダード市場へ移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社5社、非連結子会社1社、関連会社1社の合計8社で構成されており、世界的にも成長が続いているEC市場において、市場の変化に対応しつつ進化成長してまいりました。自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Purpose/目的「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げております。

主要なものとしては、スマートフォンケースやイヤホンケース等モバイルアクセサリーの商品企画・開発・製造、それら商品についてインターネット通信販売及び大手雑貨量販店等への卸販売を行う「コマース事業」と、主にEC事業者向けクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」の開発・提供を行う「プラットフォーム事業」を展開しております。それぞれの事業の内容は以下のとおりであります

 

(1) コマース事業

当事業においては、若年層に高い認知度を持つiFaceブランドを中心としたスマートフォンアクセサリーを取り扱う事業が主力事業となります。若年層を含む幅広い顧客に対して、ECでは多店舗展開することでより多くの顧客と接点を持ちつつ、また雑貨量販店、家電量販店、キャリアショップ等のリアルな売り場での接点をも有す、バランスの良い販路を持っているのが一つの特徴であります。あわせて、当社グループで企画開発、製造、販売までのサプライチェーンを構築しているのも大きな優位性となっております。また、これらにEC運営ナレッジを加えた強みを活かしてカテゴリー拡張をしており、ゲーミングモニターブランド「Pixio」や、コスメティクスを「ByUR」ブランドとして展開しています。また、これまではその他セグメントとなっていたHamic事業を新規事業と位置付けコマース事業に含めております。なお、当事業は国内だけでなく、韓国、米国、中国の連結子会社3社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、インターネット通信販売においては自社サイトの運営だけでなく、国内及び海外の有力ECショッピングモール等へ出店しております。

① 国内インターネット通信販売について

インターネット通信販売においては、自社ドメインサイト5店舗、楽天市場で2店舗、Yahoo!ショッピングモール/ PayPayモールで3店舗、Amazon.co.jpで2店舗、ZOZOTOWNで1店舗、その他小規模店舗を含め日本国内で14店舗のEC店舗を運営し、一般消費者に向けてモバイルアクセサリー等を販売しております。店舗運営に当たっては、UX(注1)を重視し、専門チームがUXの向上に努め様々な施策を行っております

② 卸販売について

大手雑貨量販店、大手家電量販店向けに、モバイルアクセサリーの卸販売を行っているほか、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っております。小田原本社のほか、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築支援を行う人員を配置し、顧客満足度向上に努めております。

③ 海外向け販売について

子会社を通じて次のとおり店舗展開をしております。

Hamee Global Inc.(韓国連結子会社、以下「Hamee Global」という。)では、一般消費者向けにインターネット販売を展開しております。また、韓国国外の代理店に対する海外輸出も行っております。

Hamee US,Corp.(米国連結子会社、以下「Hamee US」という。)では、欧米の一般消費者向けインターネット通信販売を展開しております。また、米国においては大手雑貨量販店等への卸売販売も行っております。

Hamee Shanghai Tech & Trading Co., Ltd.(中国連結子会社、以下「Hamee Shanghai Tech & Trading」という。)では、中国一般消費者向けインターネット販売を展開しております

 

④ 商品仕入及び自社企画・製造について

商品仕入については、500社を超える仕入先との取引により、モバイルアクセサリー関連の情報網を確保しており、時代のニーズに合わせた多種多様な商品展開が可能な体制を構築しております。また、社内にて商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを設置し、自社企画商品として、海外を含む外部メーカーと協力しオリジナル商品を制作しております。自社企画商品においては、ディズニーやムーミン等の人気キャラクターの商品化権を取得して、キャラクター商品の制作も積極的に行っております。これらに加え、玩具や実用品等も一部取り扱っており、様々な商品について、多くのEC店舗における販売状況を分析することで、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用することが可能な体制となっております。

また、韓国連結子会社が製造機能を保有しており、自社商品の企画・製造から物流・販売までのフローを統括できる体制を構築しております。

 

(2) プラットフォーム事業

当事業においては、2022年8月にNE株式会社として分社化いたしました。主に自社サイトやECショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に係る日々の業務を可能な限り自動化すると同時に、モール横断型で複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できるクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」を開発・提供しております。このサービスは、「(1)コマース事業」にて記載した当社自身によるEC事業のために開発したシステムを社外に提供したものであり、EC事業者だからこそわかる潜在的なニーズに対応できる素地があり、継続的な改良を行っております。

また、分社化前まではその他セグメントとなっていたふるさと納税支援サービスロカルコ事業及びNE株式会社において、2022年9月にHameeコンサルティング株式会社を吸収合併したことにより、コンサルティング事業をプラットフォーム事業に取り入れております。

① ネクストエンジンについて

ネクストエンジンは、EC事業者に対して、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を提供し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド(SaaS)型システムであります。異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの管理を一元化したり、複数のネットショップの在庫数表示を同期させたりする機能を持つことから、特に複数のネットショップを運営するEC事業者には利点があります。

ネクストエンジンには、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」といいます。)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分けることが可能となっております。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられています。

2024年4月期末時点におけるネクストエンジンの契約社数は6,256社(前連結会計年度末比484社増)で、利用店舗数は50,471店(同4,534店増)、利用店舗の取引総額は1兆1,138億円(同424億円増、いずれも自社調べ)(注2)となっております。

② サービス価格・営業活動について

ネクストエンジンの基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制をとっており、ユーザーの事業規模に応じた料金体系となっております。また、専用サーバープランや、カスタマイズ等については顧客ごとに個別料金を適用しております。ネクストエンジン上の各種アプリにつきましては、アプリごとの定額料金制(一部従量課金制)としております。

営業活動につきましては、EC事業者向けのイベント・セミナー等へ出展・参加し、当サービスを紹介して、興味を持っていただいたEC事業者に詳細を提案するという営業スタイルを主体に、小田原(本社)に加え、東京営業所を営業拠点として、契約見込み先に対する積極的な営業(コンサルテーション)を展開し、契約の獲得に繋げております。加えて、無料体験からの成約率を高めるための組織も編成しており、組織の役割を明確にすることで少人数でも効率的に契約件数を獲得することが可能な体制となっております。また、協力事業者(ユーザー及び代理店として「パートナー制度に関する利用規約」を締結している事業者等)に代理で営業活動を行っていただき、当サービスを紹介していただく「パートナー制度」も設けております。

 

③ サポート体制について

ネクストエンジンのユーザーへのサポート業務は自社にログやノウハウが蓄積できる体制を構築したうえで定型業務をアウトソーシングしております。このコールセンター業務を担っていた人員が解約率抑制に取り組むことで、カスタマーサクセスの追求を行っております。

④ 開発について

ネクストエンジンの開発は全て自社の開発部で行っております。ユーザーと同じ目線で、ユーザーの利便性を重視したシステムにしていくため、当社を始めとした5,700社超のユーザーからのリクエストや、ECショッピングモール側のシステム変更等に迅速に対応できる開発体制を構築しております。

⑤ プラットフォーム化について

2013年12月よりネクストエンジンのAPI(注3)を公開したことにより、ネクストエンジン上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となるなど、いわゆるプラットフォーム化が実現いたしました。これにより、顧客のニーズに合わせたネクストエンジンのカスタマイズが容易となり、小規模EC事業者から、大規模EC事業者まで、広範なユーザーのニーズに対応したサービス提供が可能となっております。

また、既存のアプリとネクストエンジンを連携させることにより、ユーザーの環境に合わせた効率的なシステム運用も可能となります。

加えて、ユーザーが独自に開発したアプリを、ネクストエンジン上で販売することも可能になります。

 

(注) 1.UX(User Experience)とは、ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザー(ここでは当社のECサイトを訪問する一般消費者)が真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念。

2.当第2四半期よりキャンセル処理分を取引総額から除外した値となっており、前連結会計年度の取引総額についても同様の基準で算出しなおしたうえで比較しております。

3.API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェースのこと。ここでいうインターフェースとは、機能の呼び出し手順や記述方法などを定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。

 

[事業系統図]

(コマース事業)

 


 

 

(プラットフォーム事業) 

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業の
内容(注1)

議決権の所有
割合又は
被所有割合
(%)(注2)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

Hamee Global Inc.

(注4)

韓国ソウル市

600,000,000

韓国ウォン

コマース事業

100.0

当社からの商品仕入
当社からの業務委託
当社への商品販売
役員の兼任2名

Hamee US,Corp.(注4)

米国カリフォルニア州

900,000.00

USドル

コマース事業

100.0

〔100.0〕

当社からの貸付
役員の兼任1名

Hamee Shanghai Tech & Trading Co., Ltd.(注4)

中国上海市

6,000,000

コマース事業

100.0

〔100.0〕

当社からの商品仕入

NE株式会社 (注4)

神奈川県小田原市

100,000

千円

プラットフォーム事業

100.0

当社からの業務委託

その他1社

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

ROOT株式会社

神奈川県足柄下郡箱根町

30,000

千円

コマース事業

40.0

当社からの商品仕入

 

(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。

 2.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の〔内書〕は間接所有であります。

 3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 4.Hamee Global Inc.及びNE株式会社は、特定子会社に該当しております。

 5.上記の他に非連結子会社1社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年4月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

コマース事業

242

(14)

プラットフォーム事業

139

(11)

報告セグメント計

381

(25)

全社(共通)

82

(7)

合計

463

(32)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年4月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

150

( 20)

37.8

6.8

5,926

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

コマース事業

119

(14)

全社(共通)

31

(6)

合計

150

(20)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員数であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。