文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「情報を世界中の人に最適に届ける」を企業理念に掲げ、インターネット上に存在する膨大な量の情報の中から、ユーザーの興味・関心にあわせてパーソナライズ化された情報を配信する情報キュレーションサービスその他メディアの運営と、これらのメディアを通じたメディア事業を展開しております。今後も、既存サービスの逐次改善と新規サービスの開発によりユーザーの利便性を向上させることを通じて、企業価値並びに株主価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、アクティブユーザー数と総滞在時間の拡大による全社売上高の拡大を経営上の重要な指標と位置づけ、企業価値のさらなる増大を目指してまいります。また、営業上の指標として、各サービスにおけるMAU(注)、1ユーザーあたりの収益性等を重視しております。
メディア事業の成長に向けて、当社はメディア価値と広告商品価値の向上に取り組んでおります。各メディアにおけるメディア価値の指標として主にMAUなどのアクティブユーザー数と総滞在時間を重視し、メディア価値・広告商品価値の共通指標として1ユーザーあたりの収益性を重視しております。
(注)MAU(Monthly Active User)とは、月間あたりのアクティブユーザー数をいいます。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業以来、情報キュレーションサービス「グノシー」、「ニュースパス」及び「LUCRA(ルクラ)」を始めとしたメディアサービスの開発・運営を行ってまいりました。情報の収集・整理を、人の手ではなく、アルゴリズムを含む人工知能のテクノロジーで代替することで、収益性と中立性の高いメディアづくりを行っております。2012年11月の当社設立以降、広告宣伝活動を積極的に行い、ユーザー獲得を推進し、蓄積されたユーザーデータを基に、日々ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの改善を行っております。2013年11月からは広告配信を開始して収益化に踏み切り、継続的な広告宣伝活動への資金投下が可能な事業環境を構築してまいりました。当社グループは現在、「グノシー」、「ニュースパス」及び「LUCRA(ルクラ)」、総合ゲーム攻略情報メディア「Game8」の運営に加え、動画コンテンツの制作・配信やクーポン情報の配信など配信する情報領域を拡張し、更なるユーザーの獲得、広告収益の増加と新たな収益基盤の構築に取り組んでおります。
我が国におけるインターネット利用環境及びスマートフォン保有者の割合は引き続き拡大を続けている一方で、インターネット広告市場において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一部顧客の広告自粛及び広告予算縮小が発生した影響を受け、当社グループにおいてもメディア事業の収益性の低下が見られました。この影響は短期的には回復しないものと見込んでおります。また、当社では、中長期での持続的な成長に向け、メディア価値・広告商品価値向上の取り組みとして、2020年4月にGunosy広告ガイドラインを刷新し、広告審査を厳格化したことから、広告出稿量の一時的な減少が発生しております。反面、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、巣ごもり消費や在宅勤務など、新たなライフスタイルの浸透が進んでいることを背景に、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれるデータとデジタル技術の活用ニーズは急速に高まっており、当社グループが保有しているデータ分析及びアルゴリズム開発の技術及び知見を新たな収益に繋げる機会も急速に高まっていると考えております。
これらの環境を踏まえて、当社グループは、引き続き、これまで培ってきたアルゴリズム開発の技術や、収益性の高いメディア運営のノウハウを活かし、社会的な課題を解決できる独自のサービスの創出に取り組んでまいります。既存事業であるメディア事業においてはメディア価値・広告商品価値の向上による収益性の改善に取り組み、安定的なキャッシュの創出及び将来的な再成長に向けた基盤構築に注力してまいります。新規事業においては特にDX分野における社内での新規事業の創出を推進すると同時に、社外投資による成長機会の取込みを積極的に行ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
インターネット市場は、技術進歩が非常に速く、また市場が拡大する中でサービスも多様化が求められます。その中でも、当社は、情報キュレーションサービスの可能性に早くから注目し、普及の一端を担ってまいりましたが、インターネットメディア市場は、依然として発展途上であり、そのマーケティング手法やサービス形態が日々進化している段階であります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の広がり方や終息時期を予測することは困難でありますが、インターネット広告市場において発生している景況の悪化は短期的には回復しないものと見込んでおります。一方で、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のニーズは急速に高まっており、インターネット市場における新たな収益機会が幅広く生み出されております。
当社は、上記の環境を踏まえ、以下の事項を主要な課題として認識し、事業展開を図る方針であります。
① メディア事業における収益性の改善
当社グループの主要事業であるメディア事業においては、広告市場の景況悪化に伴う収益性の低下が最大の課題であると認識をしており、当社は、収益性の改善に向けて、当社メディアの価値向上及び広告商品の価値向上に向けた各種の取り組みを推進してまいります。具体的には、記事配信などのアルゴリズム刷新等を通じたメディアの健全化、新規コンテンツの拡充などによるユーザー・顧客体験の向上、広告アルゴリズムの改善による広告効果の向上を実現することで、メディア価値・広告商品価値の向上に注力してまいります。
② 新たな収益の柱を創出するための成長機会への積極的投資
情報キュレーションサービス以外のサービスにおける収益の柱を創出するため、当社の強みであるIT分野における技術力と知見を活かし、DX領域を中心とした新規領域への事業進出の推進、自社技術の外部提供及び成長分野への社外投資に積極的に取り組んでまいります。
③ 広告商品の拡充、顧客基盤の強化
インターネット広告市場は今後も更なる発展が見込まれ、広告商品の多様化が進んでおります。このような中、他社との競合優位性の確立のためには広告商品の拡充と顧客基盤の強化が不可欠であります。また、ユーザー保護及び広告掲載面の品質向上のため、適正な広告掲載基準を継続的に整備する必要があります。
このような認識の下、当社グループでは、広告掲載基準の継続的な見直しとともに、既存事業における新たな広告商品の開発・販売拡充及び新規事業における顧客基盤の強化を推進することにより、競合優位性の向上を図ってまいります。
④ 開発体制の構築
インターネット業界における技術革新のスピードは非常に速く、当社グループの属する情報キュレーションサービス及びインターネットメディア業界においても、新たなサービスや競合他社が続々と現れております。このような中、他社とのサービスの差別化、競合優位性の確立のためには迅速な開発体制の構築が不可欠であります。
このような認識の下、当社グループでは、最先端の技術動向の把握と技術力の向上のための勉強会等を開催し、また、定期的に社外のエンジニアも参加する勉強会を開催し、引き続き優秀なエンジニアの採用を図ってまいります。
⑤ 営業力の強化
当社グループの営業部門は、蓄積されたノウハウを活かした提案及び企画により、営業活動を推進しておりますが、事業規模拡大や新規サービスの拡充に伴い、受注の獲得機会が増加することが予想されることから、営業力の強化、営業人員の早期育成に注力する方針であります。具体的には、教育研修制度の充実、営業ツールやマニュアル等の整備、外部ノウハウの活用、また、既存営業人員の育成と同時に、即戦力となる営業人員の採用を行い、営業力の強化を図ってまいります。
⑥ 内部統制及びコンプライアンス体制を重視した組織体制の強化
当社グループは、既存事業の継続的な成長と新規事業の展開及び新規サービスの拡充にあたっては、顧客及びユーザーからの信頼を得ることが不可欠であると考えております。このような認識の下、従業員に対する継続的な研修活動によって、全社でコンプライアンスに対する共通の認識を持つとともに、新規事業に潜在する各種リスク群を踏まえた、専門性や豊富な経験を有する優秀な人材の採用・育成に取り組むことで、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化に努めてまいります。
⑦ コーポレート・ガバナンスの強化
当社が提供する情報キュレーションサービスは、ユーザーからの信頼性と利便性を広く認知して頂くことが事業上の重要な基盤であり、したがいまして、運営母体である当社の信頼性の維持向上は当社グループの最も重要な経営課題の一つであります。
このような認識の下、当社取締役会において、取締役会の運用状況及び実効性を定期的に分析・評価するとともに、独立性が高く多様な専門性を有する取締役による、職務執行に対する監督及び助言機能の一層の充実を図るなど、引き続き、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関わるリスクについて
① インターネット関連市場の動向について
当社グループは、インターネット関連事業を主たる事業対象としているため、インターネット活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のために不可欠であります。総務省発表の「2019年 通信利用動向調査」によれば、2019年のインターネット普及率は89.8%と、引き続きインターネット利用シーンは高い水準を維持しております。
しかしながら、インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネット広告市場について
インターネット広告市場は拡大傾向にあり、インターネット広告はテレビを超える規模の広告媒体へと成長しており、今後も当該市場は拡大していくものと想定されます。
しかしながら、広告市場は企業の景気動向に敏感であるため、今後急激な景気の変化等によって広告の需要及びインターネット広告の需要に影響が及ぶ可能性があります。また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競争状態が継続していくと考えられることから、今後これらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
今後、高い資本力や知名度を有する企業等の参入による、競争の激化とユーザーの流出やユーザー獲得コストの増加等により、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。そのような場合には、当社グループが今後競争優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かにつきましては不確実であり、競合他社や競合サービスの状況により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に関わるリスクについて
① 特定事業への依存
当社グループは、メディア事業を主な事業としており、当該事業に経営資源を集中させております。収益源の分散を図るため、今後の新たな柱となる事業の育成を継続しておりますが、事業環境の変化や一部メディアにおける業務提携先の戦略転換等により、メディア事業が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 広告掲載について
当社グループが運営するサービスに掲載される広告は、広告代理店等が内容を精査するとともに、当社グループ独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令違反や公序良俗に反する広告の排除に努めております。しかしながら、人為的な過失等の要因により当社グループが掲載した広告に瑕疵があった場合、ユーザーからのクレーム等が発生し当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、システムトラブル等を理由として広告掲載が行われなかった場合には、広告掲載申込者からのクレームや損害賠償請求がなされ当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 取引先に対する規制等で当社グループの経営活動に重要な影響を及ぼす事項
当社グループの顧客は、食品・化粧品・健康食品・生活用品・通信・旅行・家電など多岐にわたっております。これらの事業者は、食品衛生法、薬事法、酒税法、化粧品等の適正広告ガイドライン等、事業者の属する業界の制定された規制等の下に、当社グループの提供するサービスを利用していますが、取引先事業者において法令違反に該当するような事態が発生した場合や、新たな法令等の制定、既存法令等の解釈変更があった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 広告宣伝活動により想定通りユーザー数が増加しない可能性について
当社グループの事業にとってユーザー数の増加は非常に重要な要素であり、テレビCM、インターネットでのプロモーション等を用いた広告宣伝活動を実施しユーザー数の増加を図っております。広告宣伝活動につきましては、ユーザー獲得効率を勘案の上、都度、最適な施策を実施しておりますが、必ずしも当社グループの想定通りに推移するとは限らず、当該施策が当社グループの想定通りに推移しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ ユーザーの継続率について
当社グループの事業にとって獲得したユーザーの継続率は非常に重要な要素であり、ユーザーの利便性向上や情報キュレーションサービスとして取り扱う情報やサービスの充実等の施策を通じて、継続率の維持、向上を図っております。事業計画の策定においては、獲得ユーザーの継続率を過去実績等に基づき推定しておりますが、何らかの施策の見誤りやトラブル等で継続ユーザーが減少し、想定どおりの継続率とならない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ Apple Inc. 及び Google Inc.の動向について
当社グループの事業は、スマートフォン向けアプリケーションを提供しており、Apple Inc.及びGoogle Inc.の両社にアプリケーションを提供することが現段階の当社グループの事業の重要な前提条件であります。利用規約の変更などを含む、これらプラットフォーム事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ システムトラブルについて
当社グループは、当社グループの運営するサービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム強化やセキュリティ強化を実施し、トラブルが発生した場合であっても早期に復旧できるような体制を整えております。
しかしながら、大規模な自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等の発生や、想定を上回るアクセスの集中等により開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 技術革新について
当社グループが事業展開しているインターネット関連市場は、技術革新の速度が速く、常に新たなサービスが生まれております。当社グループは優秀な人材獲得や最新の技術に関する勉強会等の開催により常に最新の技術の把握に努め、迅速に既存のサービスに展開できる開発体制を整備しております。
しかしながら、予期しない技術革新等により迅速な対応ができない場合、当社グループのサービスの競争力が相対的に低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新規事業立ち上げに伴うリスクについて
当社グループは事業規模の拡大と収益源の多様化を図るため、新規事業の立ち上げに取り組んでいく方針であります。しかしながら、新規事業においては、採算性に不透明な点が多く結果的に当初予想した収益が得られない可能性があります。また、新たな人材の採用、システムの購入や開発、営業体制の強化など追加的な投資が必要とされ、安定した収益を生み出すまでにある程度の時間を要する可能性があること等が予想されます。新規事業に取り組んだ結果、利益率の低下等、短期的には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、新規事業への投資は、収益とのバランスがとれる範囲にて実施してまいります。
(3)法的規制について
① インターネットにおける法的規制について
現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネット関連分野においては、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」等が存在するほか、個人情報の取り扱いにつきましては「個人情報の保護に関する法律」等、知的財産権の取扱いにつきましては「著作権法」等が存在しております。
以上のように、近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきておりますが、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社グループの事業に制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報の保護について
当社グループは、当社グループの提供するサービスを通じて、利用者本人を識別することができる個人情報を一部保有しております。
当社グループは、信頼性の高い外部サーバーで当該個人情報を保護するとともに、個人情報保護に関するフローを整備し、個人情報の保護に努めておりますが、個人情報が当社グループの関係者等の故意または過失により外部に流出した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループの運営するサービスの信頼性等が毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っておりますが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社グループの事業分野で第三者による著作権等が成立する可能性があります。かかる場合においては、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求等又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 不当景品類及び不当表示防止法について
当社グループが運営するサービスに掲載される広告は、広告代理店等が内容を精査するとともに、当社グループ独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令違反や公序良俗に反する広告の排除に努めております。また、広告に付随するキャンペーンにつきましても、適法性を確認しながら実施しております。しかしながら、人為的な過失等の要因により当社グループが掲載した広告又は当社グループが実施したキャンペーンに瑕疵があった場合、ユーザーからの訴訟提起や、行政庁による課徴金納付命令等の処分がなされ、当社グループの運営する広告及びキャンペーンの信用が毀損し、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)その他について
① 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する対応として、事業継続の基本対応方針をまとめた事業継続計画書(BCP)を策定し、感染拡大防止と安全配慮義務に則った従業員の安全確保を最優先としたうえで、計画に則った対応を行っております。現在では、ほぼすべての部門において業務のテレワーク化を実施し、あわせてアンケートや外部ツールを使用した生産性及びメンタル面のモニタリングの取り組みを行うなど、安定的な事業継続に努めております。また、インターネット広告市場における広告予算縮小の影響は短期的には回復しないものとした前提に基づき、事業計画を策定しております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が想定を超えて長期化することで、さらなる企業活動の自粛による売上高の縮小や営業活動の縮小、生産性の低下などによって、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権につき行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は674,400株であり、発行済株式総数23,877,774株の2.8%に相当しております。
③ 配当政策に関するリスク
当社は、各事業年度の業績、財務体質の強化、中長期事業戦略などを総合的に勘案し、株主価値を最大化させることを念頭に、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案の上、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。
当該方針に基づき、創業以来、配当は実施しておらず、将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く経営環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等につきましては未定であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境につきましては、国内におけるスマートフォンの保有者の割合が2019年に67.6%と前年比2.9ポイント増加するなど、スマートフォンは引き続き普及拡大しており(総務省調べ)、また、2019年の広告費は6兆9,381億円と8年連続で成長を続けております。とりわけインターネット広告費につきましては前年比119.7%の2兆1,048億円と、広告費全体の成長を牽引する成長となりました(株式会社電通調べ)。
このような状況の下、当社グループは、既存ユーザーの利用率向上と新規ユーザーの獲得を目指し、「グノシー」「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」「オトクル」4アプリ共通での無料クーポンの配布などを行い、当連結会計年度も順調にダウンロード(以下、「DL」という。)数とアクティブユーザー数を拡大しました。直近におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、ユーザーの巣ごもりを支援するための各種コンテンツ及び苦境に立たされた方々を応援するための「コロナアクション」タブの開設など、新たなコンテンツや施策の展開を行いました。
広告主の獲得におきましては、広告主の新たなニーズに応えるべく、機械学習を活用した入札機能「UOP(User Optimized Pricing)」、アプリ広告主様向けの動画アドネットワーク「Vingo Ads」などの新たな広告配信機能、広告商品の開発にも注力いたしました。また、リサーチ・動画マーケティング領域での新たな収益獲得を強化するため、株式会社Grillを設立し、順調に収益を獲得しました。
一方で、これまで以上に利用者の皆様に安心してご利用いただけるサービスを目指して、2020年4月にGunosy広告ガイドラインの刷新を行ったことによる広告単価の低下及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一部顧客の広告自粛及び広告予算縮小の影響を受けて、特に第4四半期連結会計期間は厳しい事業環境となりました。
収益面に関しては、これらの事業環境変化の影響を受けた結果、Gunosy Adsに係る売上高を7,639百万円計上いたしました。また、アドネットワーク事業においては事業環境変化の影響が最も大きく、当連結会計年度ではアドネットワークに係る売上高を4,668百万円計上いたしました。一方、連結子会社である株式会社ゲームエイトの業績が引き続き順調に伸長し、連結業績に大きく寄与いたしました。その他、連結子会社でありました株式会社LayerXの株式の一部を譲渡したことにより、関係会社株式売却益90百万円を計上いたしました。
費用面に関しては、引き続きユーザー獲得のためにテレビCM等のプロモーション施策を積極的に展開し、広告宣伝費2,517百万円を計上したほか、アクティブユーザー数が増加した影響により、サーバー費用が増加いたしました。また、連結子会社である株式会社digwell(旧:株式会社Kumar)の株式取得時に想定していた超過収益力を見込めなくなったことに伴い、のれんの未償却残高及び関連する無形固定資産を減損したことにより、減損損失127百万円を計上いたしました。その他、当社が保有する投資有価証券について、実質価額が著しく下落したことにより、投資有価証券評価損88百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高13,987百万円(前年同期比6.9%減)、経常利益838百万円(前年同期比63.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益386百万円(前年同期比80.8%減)となりました。
なお、「グノシー」及び「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」合計の国内累計DL数は当連結会計年度末において5,786万DLとなり、前連結会計年度末比で1,187万DLの増加となりました。
当社グループには、メディア事業以外の重要なセグメントが無いため、セグメント情報に関連付けた記載を行っ
ておりません。
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,220百万円減少し、12,762百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の減少(前連結会計年度末比2,081百万円の減少)、流動資産のその他の増加(前連結会計年度末比148百万円の増加)、有形固定資産の増加(前連結会計年度末比207百万円の増加)、のれんの減少(前連結会計年度末比132百万円の減少)、投資有価証券の増加(前連結会計年度末比470百万円の増加)であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて1,156百万円減少し、1,840百万円となりました。
主な要因は、買掛金の減少(前連結会計年度末比427百万円の減少)、未払金の減少(前連結会計年度末比454百万円の減少)、未払法人税等の減少(前連結会計年度末比220百万円の減少)、前受金の減少(前連結会計年度末比41百万円の減少)であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて63百万円減少し、10,921百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比377百万円の増加)、自己株式の増加(前連結会計年度末比483百万円の増加)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて2,081百万円減少し、9,075百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、631百万円(前連結会計年度は2,067百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益715百万円の計上、仕入債務の減少582百万円、未払金の減少440百万円、法人税等の支払額591百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、986百万円(前連結会計年度は130百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出275百万円、投資有価証券の取得による支出557百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、459百万円(前連結会計年度末は192百万円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出502百万円、株式の発行による収入26百万円、非支配株主からの払込みによる収入17百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「メディア事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
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当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
前年同期比(%) |
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13,987百万円 |
93.1 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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CROOZ Media Partners株式会社 |
- |
- |
1,472 |
10.5 |
2.前連結会計年度のCROOZ Media Partners株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当連結会計年度における業績は、売上高13,987百万円(前年同期比6.9%減)、売上原価7,976百万円(前年同期比1.2%増)、販売費及び一般管理費は5,151百万円(前年同期比6.6%増)となり、この結果、営業利益は859百万円(前年同期比62.7%減)、経常利益は838百万円(前年同期比63.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前年同期比80.8%減)となりました。また、ROEは3.6%(前年同期比17.0ポイント減)となりました。
(売上高)
売上高は13,987百万円(前年同期比6.9%減)となりました。これは主に、2020年4月にGunosy広告ガイドラインの刷新を行ったことによる広告単価の低下及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一部顧客の広告自粛及び広告予算縮小の影響を受けて、Gunosy Adsに係る売上高7,639百万円、アドネットワークに係る売上高を4,668百万円を計上したことによるものであります。
(営業利益)
営業利益は859百万円(前年同期比62.7%減)となりました。これは主に、事業拡大に伴い積極的に採用したエンジニア人材に係る人件費の増加及びサーバー費用の増加等により売上原価が7,976百万円(前年同期比1.2%増)となり、また、事業拡大に伴い積極的に採用した人材に係る人件費の増加、広告宣伝費の増加により販売費及び一般管理費は5,151百万円(前年同期比6.6%増)となった一方で売上高が減少したことによるものであります。
(経常利益)
経常利益は838百万円(前年同期比63.4%減)となりました。これは主に、営業利益の減少によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前年同期比80.8%減)となりました。これは主に、営業利益の減少と、減損損失の計上等による特別損失215百万円の計上によるものであります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などに伴う経営環境の不確実性の高まりに備えるため、取引銀行と新たにコミットメントライン契約を締結し、より機動的な資金需要への対応を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制、事業運営体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社は、2019年8月15日開催の当社取締役会において、連結子会社である株式会社LayerX(以下、「対象会社」)
の株式の一部を、対象会社の現代表取締役社長である福島良典氏(以下、「福島氏」)に譲渡すること(以下、「本
株式譲渡」)を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当連結会計年度において福島氏より譲渡代金の払い込みがあり、本株式譲渡に係る全ての手続きが完了いたしました。
本株式譲渡に伴い、当連結会計年度より、対象会社を連結の範囲から除外しております。なお、連結の範囲から除外するまでの期間損益は連結財務諸表に含めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は