当事業年度におけるわが国経済は、海外経済の不透明さなどで一部に弱さがみられるものの、政府主導による経済財政政策の推進及び日銀の金融緩和により、雇用情勢の改善や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな景気回復傾向が継続いたしました。一方で、株価の下落、為替相場の大幅な変動、新興国経済の減速など、依然として、先行きに対する不透明感を払拭できない状況となっております。
当社が市場とする国内クラウドサービス市場におきましては、平成26年度には7,749億円の市場規模であったと推測されており、これが平成31年度には平成26年度比で2.7倍の2兆679億円程度まで拡大すると予想されております(出典:株式会社MM総研「国内クラウドサービス市場規模 実績・予測(2015年9月)」)。クラウドのコストメリットやセキュリティに対する信頼性の向上等を背景に、ユーザーの新規ビジネス展開における積極的なクラウド活用や、社内の既存システムのクラウド移行が加速する結果、平成31年度までに予測されている年平均成長率は21.7%となっており、クラウドファースト(注1)の流れは一層鮮明となっております。
他方、もう一つの当社の重要な市場である国内携帯電話販売市場においては、平成27年度通期(平成27年4月~平成28年3月)の国内携帯電話端末の出荷台数(注2)は3,658.5万台(前年度比5.6%減)となり、4,375万台を出荷した平成24年度から4年連続で減少しております。(出典:株式会社MM総研「2015年度通期国内携帯電話端末出荷概況(2016年5月)」MVNO SIM(注3)を含めたMVNOサービス市場への国内メーカーの本格参入により伸長がみられるものの、携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォースの影響もあり、事業環境が新たな局面をむかえ、更なる伸びは期待しにくいと予測されております。
このような情勢のなか当社では、売上高は6,768,428千円(前期比5.3%増)、営業利益は257,326千円(同42.2%増)、経常利益は275,728千円(同31.7%増)、当期純利益は165,209千円(同31.0%増)となりました。
なお、当事業年度におけるセグメント別の業績は次のとおりです。
<クラウドソリューション事業>
クラウドソリューション事業におきましては、都市型データセンターを基盤としたクラウドプラットフォームと、特定業種業務向けSaaSとしてサービス提供を行う自治体及び公的機関向けの地域情報クラウドサービス、及び車載向けのモビリティ・サービスを推進してまいりました。
地域情報クラウドでは、地方創生予算を活用した受注が好調に推移し、ストック型の売上も堅調に積み上げたことにより、売上高は597,491千円(前期比62.6%増)となりました。
クラウドプラットフォームでは、ハウジングサービスの減少から、クラウドプラットフォームサービスへの移行に注力し、ストックの積み上げも推進できましたが、売上高は441,986千円(同1.9%減)となりました。
モビリティ・サービスでは、オール・イン・ワン型の法人向けテレマティクスサービス「CiEMS3G」が着実に売上を伸ばしました。M2M/IoT関連の技術やプラットフォームを活用した受託開発案件が伸長した結果、売上高は1,421,359円(同8.3%増)となりました。
以上の結果、クラウドソリューション事業では、売上高2,460,836千円(同15.5%増)、セグメント利益277,555千円(同19.7%増)となりました。
<モバイル事業>
モバイル事業におきましては、上半期は順調に推移し、携帯電話向けアクセサリー等の周辺機器や光ブロードバンド回線の取次拡販により堅調でしたが、2015年12月の総務省からの「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」の策定及び携帯キャリアへの要請による影響により、下半期は伸び悩みました。
以上の結果、モバイル事業では売上高4,307,591千円(前期比0.2%増)、セグメント利益334,039千円(同5.8%増)となりました。
各事業の売上構成は、以下のとおりです。
(単位:千円、%)
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セグメント及び事業の名称 |
平成27年6月期(前期) |
平成28年6月期(当期) |
対前期 増減率 |
||
|
売上高 |
構成比 |
売上高 |
構成比 |
||
|
クラウドソリューション事業 |
|
|
|
|
|
|
地域情報クラウド |
367,530 |
5.7 |
597,491 |
8.8 |
62.6 |
|
クラウドプラットフォーム |
450,462 |
7.0 |
441,986 |
6.5 |
△1.9 |
|
モビリティ・サービス |
1,312,815 |
20.4 |
1,421,359 |
21.0 |
8.3 |
|
クラウドソリューション事業合計 |
2,130,809 |
33.1 |
2,460,836 |
36.4 |
15.5 |
|
モバイル事業 |
4,298,690 |
66.9 |
4,307,591 |
63.6 |
0.2 |
|
合計 |
6,429,500 |
100.0 |
6,768,428 |
100.0 |
5.3 |
[用語解説]
注1 クラウドファースト:企業や公的機関等がシステム投資をする際、クラウドを選択するようになること。
注2 出荷台数:NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルの4キャリア向けに出荷されるフィーチャーフォン及びスマートフォンの数。SIMフリーの端末を含む。
注3 MVNO SIM:MVNOとは、モバイル バーチャル ネットワーク オペレーターの略で、携帯電話の物理的な移動体回線網を自社で保有せずに、通信キャリアから借り受け、自社ブランドで通信サービスを提供する仮想移動体通信事業者を指します。MVNO SIMとは、このMVNO事業者が提供する格安のSIMカード(携帯電話のサービスを受けるためには必ず必要となる、電話番号と結びついた固有の番号を付与されたカード)を指します。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は799,246千円となり、前期と比べ109,767千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、得られた資金は260,614千円(前期は434,774千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益264,263千円、減価償却費126,876千円、売上債権の減少額87,375千円、棚卸資産の減少額60,977千円、仕入債務の減少額119,058千円、法人税等の支払額117,643千円、未払金の減少額35,505千円等によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、減少した資金は242,584千円(前期は24,102千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出167,688千円、有形固定資産の取得による支出62,602千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円、保険積立金の解約による収入20,472千円等によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、減少した資金は127,797千円(前期は264,689千円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出90,156千円、配当金の支払額28,107千円、リース債務の返済による支出10,519千円によるものであります。
当社は生産活動を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
クラウドソリューション事業 |
811,547 |
96.5 |
|
モバイル事業 |
3,106,621 |
99.0 |
|
合計 |
3,918,169 |
98.5 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、概ね受注から納品までの期間が短く、販売実績が受注と概ね同じであるため、受注実績の記載を省略しております。
販売実績をセグメントごと、またサービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント及び事業の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
クラウドソリューション事業 |
|
|
|
地域情報クラウド |
597,491 |
162.6 |
|
クラウドプラットフォーム |
441,986 |
98.1 |
|
モビリティ・サービス |
1,421,359 |
108.3 |
|
クラウドソリューション事業 合計 |
2,460,836 |
115.5 |
|
モバイル事業 |
4,307,591 |
100.2 |
|
合計 |
6,768,428 |
105.3 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
当事業年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社 |
4,378,102 |
68.1 |
4,369,164 |
64.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
情報通信サービス業界の事業環境は、インターネットの更なる普及拡大に伴い転換期を迎えており、所有から利用へのクラウドシフトやオープンソース(注1)の隆盛、コミュニティを育むスマートデバイスの普及等、既存の事業形態を根幹から変えるような技術が急速に発展しております。
このような環境の中、当社では「社会課題をクラウドサービスで解決する企業」を標榜し、事業成長を図りつつ競合他社との差別化に注力するとともに、収益性の向上に取り組み、企業価値を継続的に拡大させる方針であります。
当社はこのような環境下において、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。
① 高品質なクラウドサービスの提供
社会課題の解決に資するクラウドサービスの提供を推進している当社にとっては、安全・安心で高品質なサービスを提供することが重要な課題であると認識しております。そのためには、技術力の向上をベースとして、システム障害やサイバー攻撃への対応、自然災害に備えたファシリティを有するデータセンターの運用等が必要不可欠であります。
当社といたしましては、システムやネットワークの冗長構成(注2)はもとより、更なる耐障害性を持った構成へと計画的に整備を進めており、継続的により高品質なクラウドサービスの実現に向けて取り組んでまいります。
② 積極的な営業展開と商品力強化
これまで当社は、関西及び関東圏を中心とした営業展開を行ってまいりました。クラウドファーストが浸透する中、全国に存在する社会課題の解決に向けて積極的な営業展開を推進する意向であり、更なる営業活動の強化を図ってまいります。更に常に技術革新が起こっているクラウドサービス市場において機能優位性及び販売価格の競争力を維持するため、お客様の声を広く収集しその要望と仕様を反映することで、既存サービスの機能改善・追加及び新規サービスの創出を継続的に実施してまいります。具体的には、オープンデータやスマートデバイス向けアプリ、オープンガバメント(注3)時代に対応するCMSの開発等、地域情報分野やモビリティ・サービス分野における商品力強化に注力しております。また、技術面、サービス面に加え、平成28年5月には株式会社サイネックスとの包括的事業提携契約を締結し、双方の強みを活かした相互補完による業容拡大と業務の効率化を図り、営業能力の質の向上にも努めております。
③ イノベーションの創出
当社の事業領域では、「クラウドファースト」「スマートデバイスの普及」「オープンデータの取り組み」「マイナンバー制度(注4)の開始」「地方創生」「データアナリティクス(注5)の事業化」「IoT・M2M等、ハード・モノ・デバイスがインターネットに繋がる時代の到来」等多様な技術・トレンドが市場に強く影響を与えております。このような環境下、当社においても、創造的にイノベーションを育むことが重要であると認識しております。
例えば、地域情報クラウド分野では、新たな防災分野での情報発信メディアとして期待されるV-Lowマルチメディア放送を活用した自治体防災システムの構築など、本当に必要な住民情報サービスの提供に向けた取り組みを計画する等、様々な社会課題解決への取り組みを創発しております。
また、モビリティ・サービス分野では、テレマティクスサービスだけに留まらず、広義にモビリティに特化したIoTプラットフォームビジネスへの展開を図ることで、レンタカー・カーシェアリング・ライドシェア・公共交通・建設機械などの運行管理、安全運転支援、損害保険料算出支援など、多様な課題解決を目指す事業へと進化を見せています。
④ 内部管理体制の強化
内部統制システムの適正な維持は、当社において重要な課題と認識しております。財務報告をはじめ、業務全般における適正なプロセスの整備と運用を徹底してまいります。
⑤ 人材育成
クラウドサービス市場において、イノベーションを創出し、競争優位で高品質なクラウドサービスを提供するためには技術力・営業力の人的裏付けが不可欠となります。当社においては、計画的に人材の採用・育成を推進し、常に技術力・営業力の向上に努めてまいります。
[用語解説]
注1 オープンソース:ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアの改良、再配布が行えるようにすること。また、そのようなソフトウェア。
注2 冗長構成:情報システムなどの構成法の一種で、設備や装置を複数用意し、一部が故障しても運用を継続できるようにした構成。
注3 オープンガバメント:透明でオープンな政府及び地方自治体を実現するための政策とその背景となる概念のことで、(1)透明性、(2)市民参加、(3)官民の連携の3つを基本原則としている。
注4 マイナンバー制度:複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための社会基盤であり、国民全員に一意の個人番号を割り当てる制度。
注5 データアナリティクス:大量で多様な形態のデータを分析し、価値を引き出す技術。
当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社で想定される範囲で記載したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限定されるものではありません。
1.事業環境に関するリスク
(1)当社の事業を取り巻く環境について
当社のクラウドソリューション事業は、自治体及び公的機関ならびに法人を主たる顧客としております。全般的には人口減少や少子高齢化、さらに一般消費者の購買意欲の減退に起因する国内景気低迷により、顧客の情報システムに対する投資意欲が低下した場合、新規顧客開拓の低迷や受注減少等、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また地域情報クラウドにおいては、自治体及び公的機関特有のリスクを想定しております。すなわち、国や自治体の政策の転換による公共事業に係る予算削減や複数自治体による地域情報システムの共同利用の増加、さらに市町村合併等による自治体数の減少、入札制度の見直し等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
モバイル事業においては、国内の景気低迷等による移動体情報通信端末の買い控えにより販売台数が減少した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)技術革新による影響について
当社は常に最新の技術動向に目を向け、適宜ユーザーニーズを取り入れたサービスを構築していく方針ではありますが、インターネットの技術革新に追随しながら新機能や新サービスを提供し続けるためには、それを可能にする開発体制の強化と維持を欠かすことが出来ず、何らかの要因により当社がそれに耐えうる開発体制の強化と維持が困難になる場合は、技術的優位性を発揮出来なくなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合他社による影響について
当社が展開しているクラウドソリューション事業では、競合企業が存在しております。当社はこれまで自治体及び公的機関、法人顧客等に対する実績を有しており、また車載分野及び移動体情報通信の知識やノウハウ、更にデータセンターファシリティからアプリケーションサービスまでをワンストップで提供可能な事業運営により、社会課題の解決に向けた取り組みを推進してまいりました。
しかしながら、既存事業者との競争や、新たな参入事業者の登場により競争が更に激化した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
またモバイル事業においては、株式会社NTTドコモ以外の通信キャリア代理店や株式会社NTTドコモの他の代理店との競争も生じており、価格競争が激化した場合や、競合他社のサービス提供力の向上により、相対的に当社サービス力の低下が見られた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法令規制について
インターネットに関連する規制として電気通信事業法があり、当社は事業上の特性及び必要性から電気通信事業者の届出をしております。現時点においては、クラウドソリューション事業を継続していくうえで実質的に制約を受けている事項はありませんが、今後、国内においてインターネットに関連する法整備等が進む可能性があります。
また、インターネットは国内のみならず、国境を越えたネットワークであり、海外諸国の法的規制による影響を受ける可能性があることから、将来的に当社の事業分野においても何らかの法的規制を受ける可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、モバイル事業においては、移動体情報通信機器の下取り制度が存在する為、古物営業法に則り古物商許可証を取得して業務を行っております。今後、法令の改定等により当社の業務が影響を受けた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報漏洩に関するリスクについて
当社は、情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報セキュリティポリシーの制定、公表を行うとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。
また当社では、情報資産の漏洩や改ざん、不正利用等を防ぐため、ISO27001情報セキュリティ適合性評価制度の認証を取得し、社内の情報資産に関しリスク分析を行い、リスクがある事項に関しては改善策を講じ、情報漏洩の防止に努めております。
さらに、当社モバイル事業においては、ISO27001情報セキュリティ適合性評価制度の認証取得に加え、株式会社NTTドコモが定める情報資産の管理方法に準拠した教育と業務監査を受け、情報漏洩の防止に努めております。
しかしながら、これらの施策にもかかわらず、情報機器の誤作動や操作ミス、モバイル端末の紛失等による個人情報や企業情報が漏洩した場合、損害賠償責任の負担、当社の社会的信用の失墜、株式会社NTTドコモ及び株式会社ダイヤモンドテレコムとの契約解除等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権の侵害について
過去もしくは現時点においては、当社が第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社の事業分野で当社の認識していない特許等が成立した場合又は競合他社が特許等を取得した場合、その内容によっては競争の激化又は当社への損害賠償やロイヤリティの支払請求、差止請求等が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業に関するリスク
(1)特定の仕入先、取引先への依存について
当社モバイル事業の内容は、株式会社NTTドコモ及び株式会社ダイヤモンドテレコムとの間のドコモショップ業務の許諾等に関する契約に基づく株式会社NTTドコモの二次代理店としての携帯電話端末等の販売等であり、当社のモバイル事業における仕入及び販売の殆どがドコモブランドに依存しております。
当社の主要な事業活動の前提となる株式会社ダイヤモンドテレコムとの代理店契約は1年毎に自動更新されています。契約上は同社及び当社の双方とも3ヶ月前迄の書面による通知により解約することが可能となっているほか、当社が以下のような事項に該当した場合に同社は契約の一部または全部を即時解除・解約できると定めております。
① 本契約・付属契約又は個別契約に違反したとき
② 取引代金支払債務など同社に対する債務の履行を怠ったとき
③ 監督官庁から営業許可の取消・営業の停止等の処分を受けたとき
④ 仮差押・仮処分・公租公課の滞納処分・強制執行・競売等の執行または申し立てを受け、あるいは会社整理・
会社更生・破産等の申し立てをし、もしくは申し立てを受けたとき
⑤ 資本の減少・解散・組織変更の決議をしたとき
⑥ 同社との取引に関する営業の全部または一部を廃止したとき
⑦ 手形もしくは小切手の不渡りを出したとき
⑧ 当社に不信の行為があり、契約を継続しがたい相当の理由があるとき
⑨ 当社の財政状態が悪化し、またはそれが認められる相当の事由があるとき
⑩ その他契約に基づく義務の履行ができないと認められる相当の事由があるとき
当社は、株式会社NTTドコモ及び株式会社ダイヤモンドテレコムとは良好な関係を維持しており、提出日現在において解除事由等は生じておりませんが、上記の各契約が解除、解約により終了した場合や当該契約の内容が大幅に変更された場合は、当社モバイル事業の存続に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
株式会社NTTドコモの二次代理店としてのドコモショップの運営は、一次代理店である株式会社ダイヤモンドテレコムを通じて行い、その対価として株式会社ダイヤモンドテレコムから手数料等を収受しております。そのため、販売金額の64.6%(第69期事業年度(自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日)実績)が株式会社ダイヤモンドテレコムに対するものとなっております。また受取手数料等の金額、支払対象期間、支払対象となるサービス業務の内容等の取引条件は、株式会社NTTドコモや株式会社ダイヤモンドテレコムの事業方針等により変更される可能性があり、今後大幅な取引条件等の変更が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また上記のとおり、当社のモバイル事業における仕入及び販売の殆どがドコモブランドに依存しているため、株式会社NTTドコモがドコモショップ運営に関する方針、料金プラン、広告宣伝方針等の事業上の施策を変更した場合、並びにドコモブランドのイメージの悪化その他の原因により他の通信キャリアに対してドコモブランドの魅力が相対的に低下した場合、通信キャリア間の競争激化、通信キャリア間のシェアの変化等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)自然災害等について
当社の本社及び各事業所(ドコモショップ、データセンター含む)は、大阪府下および東京都にあり、関東地方及び近畿地方における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生し、当社の本社や各事業所、各店舗が損壊した場合、当社の事業継続が困難になる可能性があります。
このため、クラウドソリューション事業においては、事業継続計画を定めた上で、耐震構造のデータセンターをネットワーク拠点としています。しかし、自然災害等に起因して、顧客データの喪失やインフラ麻痺等が生じた場合、また顧客対応の遅延等当社のサービス体制に支障が生じた場合、損害賠償責任の負担、当社の社会的信用の失墜、顧客企業との契約解除等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
またモバイル事業においては、各店舗が大阪府下に集中しており、近畿地方における大規模な地震、火災その他自然災害が発生し、各店舗が損壊した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)システム障害について
当社のサービスは、コンピュータシステム及びネットワークにその多くを依存しており、安全性確保に万全の体制を期し、IT事業賠償保険への加入を行い、万一のための対策を講じております。
①インターネットデータセンター
当社のインターネットデータセンターは、日本データセンター協会(JDCC)(注1)にて定められたファシリティスタンダードを基準とし、第三者機関によるティアレベル(注2)の検査を受けており、建物・電源設備の主要項目を対象としてティアレベル3~4の水準となっております。建物の堅牢性は、ティア4(建物構造で充分な性能を有している。1981年6月改正の建物基準法に準拠、かつ耐震性能は II類相当)と認定されております。またセキュリティに関しては、ティア3(2種類以上の認証方式を採用(カード認証、生体認証))と認定されております。加えて、消火設備の装置、自家発電装置等を利用した電源の二重化、回線の二重化、設備及びネットワークの監視等、24時間365日安定したサービスが提供出来るように対応をいたしております。
また、当社のクラウドサービスを支えるハードウェアは、当社が運営するデータセンターに設置し、複数のサーバによる負荷の分散、定期的なバックアップの実施等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組みを行っております。更に、障害が発生した場合に備え、リアルタイムでのアクセスログチェック機能やソフトウェア障害を即時に通知する仕組みを整備しており、また障害が発生したことを想定した復旧テストも実施しております。
しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、外的破損や人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万一、当社の設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、サービスの停止や顧客データの喪失等が生じる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②インターネット通信ネットワーク
当社のサービスを安定的に提供するためには、インターネットデータセンターと接続されたインターネット通信ネットワークの品質が極めて重要であります。したがって、事故及び上位インターネットサービスプロバイダーのネットワーク障害によるインターネット通信ネットワークの切断や外部からの不正なアクセスによって、インターネット通信ネットワークが不安定な状態に陥る場合、その他当社の予測不能な要因によりインターネット通信ネットワークの品質低下が見られた場合、サービスの停止や顧客データの喪失等が生じる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)業績の変動について
当社事業においては、システム開発やサービス提供等のプロジェクトにおいて、進捗状況や検収時期の集中によって収益が偏ることがあります。またドコモショップにおいても繁忙期に収益が偏る場合が見られます。主には、第3四半期に収益が偏重する傾向があり、このため特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難と言えます。
また、クラウドソリューション事業の一部であるシステム開発やサービス提供等のプロジェクトにおいては、顧客の検収に基づき売上を計上しております。そのため、検収時期の変動により売上計上時期が変動し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。あるいは、プロジェクトの進捗状況により、工数の見積り時に想定されなかった不測の事態等が発生し、工数が増加した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:千円)
|
|
第69期事業年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
|
売上高 |
1,572,272 |
1,744,081 |
2,073,041 |
1,379,033 |
6,768,428 |
|
営業利益又は 営業損失(△) |
44,364 |
59,651 |
184,998 |
△31,688 |
257,326 |
|
経常利益又は 経常損失(△) |
61,871 |
59,972 |
185,408 |
△31,524 |
275,728 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記の第2四半期、第3四半期、第4四半期の数値は、三優監査法人による監査又はレビューを受けておりません。
(5)新規事業への取り組みについて
当社のクラウドソリューション事業は、基盤を提供するクラウドプラットフォームのうえに、SaaS形態で地域情報クラウド及びモビリティ・サービスとしてアプリケーションサービスを提供しております。これらサービスにおいては、蓄積された事業ノウハウを活かし、地域情報クラウドにおけるオープンデータやスマートフォンアプリ、モビリティ・サービスにおけるテレマティクスサービスや新規性の高い受託開発といったモビリティ・クラウドソリューション等、多角的な展開を推進する方針であります。こうした新規事業への取り組みに際しては、新たな人材の確保、システム投資及び広告宣伝等の追加的支出が発生する場合や当社がこれまで想定していない新たなリスクが発生する等、事業展開が想定どおりに進捗せず、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
3.事業体制に関するリスク
(1)特定の人物への依存について
当社代表取締役会長渋谷一正及び代表取締役社長渋谷順は、経営責任者であるとともに当社の大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため当社は両代表取締役に過度に依存しない体制を作るため取締役会における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により両代表取締役が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保について
当社は、今後の事業拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用し、社内教育を行うとともに、特定の人材に過度に依存しない体制の構築や、業務拡大を想定した人材の増強を図る予定ですが、現在在職している人材の、予想を上回る流出や当社の求める人材が確保出来ない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また適切な人材を確保出来たとしても、人材の増強や教育等に伴い、固定費の増加を余儀なくされる可能性があり、その場合にも当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[用語解説]
注1 日本データセンター協会(JDCC):データセンター事業者と主要データセンター関連事業者によって組織された特定非営利活動法人
注2 ティアレベル:米国の民間団体Uptime Instituteの「Uptime Tire」を参考にしたデータセンターのファシリティにおける日本独自の基準
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相手先の名称 |
相手先の |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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株式会社ダイヤモンドテレコム |
日本 |
平成6年10月1日 |
平成6年10月1日から 平成7年3月31日まで 以降1年毎の自動更新 |
ドコモショップ業務の許諾 |
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株式会社NTTドコモ |
日本 |
平成24年7月1日 |
平成24年7月1日から 平成25年3月31日まで 以降1年毎の自動更新 |
ドコモショップ業務委託 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産及び負債の数値、事業年度の収益及び費用の数値に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りについては、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる可能性があります。
当社の財務諸表を作成するにあたり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
①資産
当事業年度末における総資産は3,060,949千円となり、前事業年度末と比べ97,918千円の減少となりました。
流動資産は260,657千円の減少となりました。主たる要因は、現金及び預金が109,767千円、売掛金が69,198千円、商品が61,943千円減少したことによるものであります。
固定資産は162,738千円の増加となりました。主たる要因は、ソフトウェアが92,365千円、ソフトウェア仮勘定が39,805千円、投資有価証券が28,740千円増加したことによるものであります。
②負債
当事業年度末における負債合計は1,248,834千円となり、前事業年度末と比べ235,001千円の減少となりました。
流動負債は145,115千円の減少となりました。主たる要因は、買掛金が119,058千円、未払法人税等が20,926千円、未払金が16,862千円減少したことによるものであります。
固定負債は89,886千円の減少となりました。主たる要因は、長期借入金が90,156千円減少したことによるものであります。
③純資産
当事業年度末における純資産は1,812,115千円となり、前事業年度末と比べ137,083千円の増加となりました。主たる要因は、当期純利益による増加165,209千円、剰余金の配当による減少28,275千円によるものであります。
①売上高、売上総利益及び営業利益
当事業年度における売上高は6,768,428千円(前期比5.3%増)となり、前事業年度と比べ338,928千円の増加となりました。
クラウドソリューション事業においては、地域情報クラウドサービスの導入が堅調に推移したことや、法人向けテレマティクスサービスの提供や、蓄積された技術・ノウハウを活かした、M2M/IoT関連の技術やプラットフォームを活用したシステム開発受託案件が増加したこと等により、売上高は2,460,836千円(前期比15.5%増)となりました。
モバイル事業におきましては、携帯電話端末販売台数は、前年同期比ほぼ横ばいに留まるものの、業務の効率化及び携帯電話向けアクセサリー等の周辺商材の販売や料金プラン・ネットワーク等の各種付加サービス及び光ブロードバンド回線の取次等の獲得強化に取り組んだこと等により、売上高は4,307,591千円(前期比0.2%増)となりました。
売上原価は4,968,899千円(前期比5.4%増)となり、前事業年度と比べ256,338千円の増加となりました。主たる要因は、外注費が171,907千円及び取付工賃が31,058千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は1,799,528千円(前期比4.8%増)となり、前事業年度と比べ82,589千円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、成長企業としての組織強化及び販売促進政策の実行を推進することにより1,542,202千円(前期比0.4%増)となり、前事業年度と比べ6,180千円の増加となりました。
この結果、当事業年度の営業利益は257,326千円(前期比42.2%増)となり、前事業年度と比べ76,408千円の増加となりました。
②営業外損益及び経常利益
営業外収益は、生命保険の解約に伴う保険解約返戻金を17,856千円計上したことにより21,542千円(前期比50.0%減)となりました。
営業外費用は支払利息3,061千円を計上したことにより3,140千円(前期比78.5%減)となりました。
この結果、当事業年度の経常利益は275,728千円(前期比31.7%増)となり、前事業年度と比べ66,317千円の増加となりました。
③特別損失及び税引前当期純利益
特別損失は、クラウドソリューション事業において使用見込のなくなったレンタル機器について減損損失を9,199千円、退職給付制度改定に伴う追加拠出額を退職給付制度改定損として1,889千円計上したことにより、前事業年度と比べ8,891千円の増加となりました。
この結果、当事業年度の税引前当期純利益は264,263千円(前期比17.8%増)となり、前事業年度と比べ39,926千円の増加となりました。
④法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税を97,175千円、法人税等調整額を1,878千円それぞれ計上した結果、当事業年度の当期純利益は165,209千円(前期比31.0%増)となり、前事業年度と比べ39,123千円の増加となりました。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
当社では、クラウドファーストの流れが一層鮮明となることにより、国内クラウドサービス市場が更に伸長すると想定しております。クラウドソリューション事業では、その市場において安定した技術基盤及びクラウドプラットフォームをベースとし、その上位レイヤーに地域情報・モビリティ等特定業種業務向けにクラウドサービスを展開しております。既にサービス提供の実績を有する地域情報クラウドにおいては、今後、政府が提唱する地方創生やマイナンバー制度の導入等により、ますます自治体による住民に対する情報発信の重要性が増してくるものと考えられております。すなわち、広報広聴・防災・防犯・子育て支援・環境・就業支援・観光・商工等の分野におけるオープンガバメントが推進される中、その実現に向けてワンソース・マルチユースに対応したクラウドプラットフォームへの期待が高まっております。当社では、ウェブ・メール・スマートデバイス・その他メディアへの情報発信を実現する地域情報クラウド分野への注力により、ストック型事業を拡大することで、収益機会の向上を図ってまいります。また今後市場の拡大が期待されるテレマティクスサービスを軸としたモビリティ・クラウドソリューションにおいては市場が急速に立ち上がりつつある車両のIoT関連の需要を捕捉し、適切なサービス構築、提供により、将来の収益機会を獲得すべく戦略的に取り組んでまいります。
他方、モバイル事業が属する携帯電話販売業界においては、携帯電話端末販売台数については、厳しい環境になると想定されるものの、店舗の運営効率の向上などにより、収益基盤の維持に努めてまいります。
当社は、「社会課題をクラウドサービスで解決する企業」を目指しており、現状のセグメント利益構成比から、更に成長著しいクラウドソリューション事業への傾注を推進してまいります。そのための経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。