第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し、事業成長を図りつつ競合他社との差別化に注力するとともに、収益性の向上に取り組み、企業価値を継続的に拡大させる方針であります。また中長期的には2028年の創業100年までの方針として「Moonshot Vision 2028」と定め、既存クラウドサービスの拡充を図りつつ、リアルなまちをデジタルとコミュニティのチカラで未来の社会システム(スマートシティ)の創造を目指して推進してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2025年8月に発表した中期経営計画(ローリング版)において、目標とするKPI(経営指標)として以下の数値を掲げております。当該KPIを採用した理由は、持続的な企業価値の向上に繋がる収益性の観点に加え、クラウドサービスをさらに充実させていく上でMRR(月次経常収益)を重要な指標として考えているためです。これらをKPIと認識し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

(単位:百万円)

KPI(連結):営業利益

2028年6月期(予想)

モビリティ・サービスセグメント

200

スマートベニューセグメント

1,294

全社費用

△351

連結全社

1,144

 

 

 

(単位:百万円)

KPI(連結):MRR

2028年6月期(予想)

モビリティ・サービスセグメント

75

 

(注)1.上記KPIについては、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

2.MRR(月次経常収益)は、月次で固定的に得るクラウドサービス利用料収入を指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

新しい公の概念を踏まえ民間企業がより社会システムを担う時代を見据え、当社におきましてはまちづくりを担う主体者として、ツール提供に留まるSaaS事業者からさらに変化を進めることになりました。

このような方針を前提に2025年6月30日付けで自治体向けのクラウドサービスを提供するデジタルガバメント事業の一部を譲渡しましたが、これもツール提供だけでは付加価値が低く単価や受注率の低下が見られたことによる対応であり、短期的には事業成績に影響はありますが、中長期的に目指すべき方向へ舵を切っていくというポジティブな戦略であると考えております。そしてスマートベニューセグメントにおいては、神戸を舞台としたスマートシティモデルの社会実装を推進しており、民間企業がまちづくりの主体者として機能していくモデルを実践しております。さらに今後はこのモデルを地方創生の戦略と位置づけ、全国への展開を模索してまいります。

スタジアム・アリーナ改革の流れの中で、ベニューを軸としたスポーツやエンターテイメントによる共感と賑わい創出を前提とし、交流人口増、まちの回遊性を高める施策などデータを利活用することで効率的に推進を図り、まち全体をマーケティングしていくという視点で、都市の社会的、経済的な価値向上を目指してまいります。

他方もう一つのセグメントとなるモビリティ・サービスセグメントにおきましては、引き続き自動車や建設機械などのモビリティをコネクティッドすることでデータを取得し、あらゆる社会課題に向き合ってまいります。具体的には運輸、建設などの業界における2024年問題に端を発する人材不足に対応し、建設機械やレンタカーなどの無人化、省人化ソリューションの全国展開を推進しております。また交通事故防止、法人車両台数の最適化、アルコールチェック点検の効率化など、社用車管理における課題に対するテレマティクスサービスも引き続き堅調に提供してまいります。

また、当社グループの成長に必要不可欠な人材においては、人的資本への投資という意味も含め、賃金増や働く環境の整備に注力するとともに、引き続き業務プロセスにおけるDX化の推進を進め、多様な働き方への対応を目指してまいります。

当社グループにおいては、業績の拡大及び収益の向上と、社会課題の解決の両立を図るとともに、スマートベニューセグメントでの貸館、協賛などの安定収益と、モビリティ・サービスセグメントでは売上高の57%を占める月次経常収益(MRR)で足元を固め、引き続き経営基盤を強固にしてまいります。さらに、大きな可能性としてスマートシティモデルの全国展開や、全国で隆盛を極めるスタジアム・アリーナ建設計画における運営支援など、よりこの領域でのポジションニングを確固たるものとしていくことで、中長期的な視座でのさらなる成長に向けて邁進してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

情報通信サービス業界の事業環境は、大きな環境変化が短期間で次々とやってきております。所有から利用へのクラウドシフトはもちろんのこと、IoTやSNSメディアなどの進化は目覚ましく、生成AI(注1)においては、すべての社会通念を揺るがすようなインパクトと驚きを持って受け入れられており、社会に大きな変革をもたらす可能性を秘めていると考えられています。

一方、世界経済は不安定な地政学情勢の長期化、世界的な物価上昇、それに伴う金融引き締めの動き、急激な為替変動、米国における関税政策の動向などの想定を超えた経営環境の変化は、経済活動や国民生活に大きな影響が及んでおり、今後も多方面にわたって先行きが不透明な状況になることが懸念されます。

当社グループはこのような環境下において、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。

 

① 高品質なクラウドサービスの提供

社会課題の解決に資するクラウドサービスの提供を推進している当社グループにとっては、安全・安心で高品質なサービスを提供することが重要な課題であると認識しております。

そのためには、技術力の向上をベースとして、システム障害やサイバー攻撃への対応、急激なトラフィック増への対処や、特に自然災害発生時の大量のアクセス集中においても安定的なサービスをご提供するなど、あらゆる面で安心・安全なサービス運営が必要不可欠であります。

当社グループといたしましては、安定的に稼働が見込まれるクラウド環境の利用により、信頼性・可用性・保守性を踏まえた高品質なクラウドサービスの実現に向けて取り組んでまいります。

 

② 積極的な営業展開とアライアンス戦

スマートべニュー(注2)においては、アリーナの民設民営という新たな市場を切り開き価値を創造できる営業が求められており、体制強化を図ってまいります。

またスマートシティモデルの他地域への水平展開や、モビリティ・サービスなどの事業において、市場やサービス提供領域の拡大への対応に向け、固有の強みやアセットを有する他社とのアライアンス戦略にも取り組んでまいります。

 

③ イノベーションの創出

当社グループ事業は、大きな時代の転換点において20世紀までの社会システムをデジタルのチカラで改革していくことを根幹に据えております。常に社会実装を意識して実質的な課題を念頭に置き、CASE(注3)時代の新たなモビリティ・サービスの創造、GLION ARENA KOBEを軸としたデータの利活用を踏まえたまちづくりを推進するスマートべニューなど、フィジカルとデジタルが融合する21世紀以降の社会インフラになりえる事業を推進してまいります。

このように、当社グループにおいて引き続き創造的にイノベーションを育むことが重要であると認識しております。

 

④ 内部管理体制の強化

内部統制システムの適正な維持は、当社グループにおいて重要な課題と認識しております。財務報告をはじめ、業務全般における適正なプロセスの整備と運用を徹底してまいります。

 

 

⑤ 人的資本への投資及び働く環境の整備

人的投資の重要性が叫ばれ、賃金増なども踏まえつつ働く環境の整備は急務であると認識しております。
競合が多数存在する当社事業領域において、イノベーションを創出し、競争優位で高品質なクラウドサービスを提供するためには技術力・営業力及び組織で働く上での魅力などの裏付けが不可欠となります。

エンゲージメントサーベイの導入など、引き続き人材採用・育成・人事評価体系の整備運用及びその他の人材育成計画を策定し、知識の習得などの技術的研修と働く上での納得感を踏まえた社員幸福度の追求を実施するとともに、遠隔地採用などを含めた多様な働き方への対応に向けた環境整備にも注力し、長く創造的な業務ができる環境を整えてまいります。

また管理職層の充実も急務であり、組織維持運営におけるマネジメントエラーなども散見される中、外部採用や多様な働き方での当社事業への参画など、より高いスキルを有し人間的魅力に富む管理職層の登用を目指してまいります。

 

⑥ 安定的な収益基盤の確立

2019年より事業ポートフォリオの入れ替えを進めており、2024年7月には祖業の流れをくむカーソリューション事業におけるリース車両向け物販事業を、2025年6月にはデジタルガバメント事業の一部を譲渡いたしました。スマートベニューにおけるアリーナは開業いたしましたが、6期連続で営業赤字という状況になっており、今後3ヵ年の中期経営計画を達成させることを含め、着実にポートフォリオの入れ替えを終え、安定的な収益基盤を早期に確立することが必要だと考えております。

 

[用語解説]

注1.

生成AI

:

データのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的とするAI。

注2.

スマートベニュー

:

周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機能を組み合わせたサステナブル な交流施設であり、スタジアム・アリーナを核としたまちづくりを定義する言葉。

注3.

CASE

:

 

Connected(つながる車)・Automatic(自動運転)・Sharing(カーシェアリング)・Electric(電気自動車)の頭文字を取った造語で、100年以上続いた内燃機関における既存自動車の概念を覆す新たな時代を表現する言葉。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「社会の公器として永続する事業主体になる。そして変わりゆく時代を創造する主体者となる。」という目的を持ち、社会課題解決型の事業を通じた活動及び企業活動におけるコーポレート・ガバナンスの整備と運営、さらに地球環境問題への取組等、公の器として永続すること=サステナビリティの実践自体を企業目的に掲げております。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループにおいては、サステナビリティ関連のリスクを管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となります。当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略(人的資本について)

①人材育成方針

当社グループでは、持続的な成長を確保するため、性別・国籍・年齢・新卒・中途採用を問わず、様々な能力や経験を有する人材を採用しております。

人材の育成につきましては、従業員の成長を中長期に支援するため各種研修の受講や資格取得の支援制度を設けております。

また、多様な人材が活躍できるように、社内でのキャリアチェンジを可能とする社内公募制度を設けております。

 

②社内環境整備方針

当社グループでは、「働きやすい環境づくりを推進することで、ワーク・ライフ・バランスを実現し、結果、生産性向上に繋がる」と考え、2013年から子育て支援を積極的かつ継続的に取り組んでおります。

そして2017年からは、「生産性の向上」「付加価値の向上」「社員の安全と健康の確保」を目的に、「SMART WORK」と称したプロジェクトで多様な働き方への対応、子育て支援の強化、介護や不妊治療との両立支援等、職場環境の改善に向けて様々な取り組みを実施しております。

さらにこれからは“全員”がお互いを尊重し合い、寄り添い、個々の能力が発揮できる環境を整備することで、信頼を前提としたコミュニティを育み、会社・個人の成長と事業の変革を促します。その上で「未来に残るバリュー」を生み出し続けることを目指して、DE&I(Diversity,Equity & Inclusion)(注1)を推進してまいります。

また、女性活躍推進企業を認定する「えるぼし」の3つ星取得を2022年9月12日付で、子育てサポート企業として5回目の「くるみん」認定を2025年3月24日付で取得しております。

 

 

(3)指標及び目標

当社グループでは、比較的小規模な組織体制であるため、重要性や経営環境も加味した上で、年齢、国籍、性別等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等は定めておりません。ただし、当社グループが掲げる目的を実現し、事業成長を加速するためには、様々な局面において多様な意見を反映することが重要であるという認識のもと、女性や中途採用者の管理職への登用を推進しており、その数は増加傾向にあります。なお、当社グループでは、上記「(2)戦略(人的資本について)」において記載した、人的資本への取り組みについては、当社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。

当連結会計年度においての管理職に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率については、「第1 企業の状況 5 従業員の状況」に記載のとおりであり、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。また、指標に関する具体的な目標値については、今後更なる現状の要因分析を定め、戦略の実現に向けた目標値を取りまとめてまいります。

 

[用語解説]

注1.

DE&I

:

「多様性を受け入れ、個々の能力が発揮できる環境を整備したり、働きかけをしていくこと」の意味をもつD&Iに、「公正性(エクイティ)」という考えをプラスした概念のこと。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経営の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。

当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する所存であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本報告書提出日現在において当社グループで想定される範囲で記載したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限定されるものではありません。

 

1.事業環境に関するリスク

(1)当社グループの事業を取り巻く環境について

当社グループのクラウドソリューション事業は、法人及び一般消費者を主たる顧客としております。全般的には人口減少や少子高齢化、さらに一般消費者の購買意欲の減退に起因する国内の景気低迷により、顧客の設備投資に対する投資意欲等が低下した場合、新規顧客開拓の低迷や受注減少等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。またスマートベニューにおいては、一般消費者の購買意欲の低下や第三者の不祥事によるエンターテイメント事業に対する信頼度の低下、自然災害に起因した貸館事業の停止等が生じた場合には、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)技術革新による影響について

当社グループは常に最新の技術動向に目を向け、適宜ユーザーニーズを取り入れたサービスを構築していく方針ではありますが、インターネットの技術革新に追随しながら新機能や新サービスを提供し続けるためには、それを可能にする開発体制の強化と維持を欠かすことができず、何らかの要因により当社グループがそれに耐えうる開発体制の強化と維持が困難になる場合は、技術的優位性を発揮できなくなり、当該事象を補うために労務費の上昇が発生した場合には、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合他社による影響について

当社グループが展開しているクラウドソリューション事業では、競合企業が存在しております。当社グループはこれまで自治体及び公的機関、法人顧客等に対する実績を有しており、また車載分野及びデジタルガバメント分野の知識やノウハウ、さらにクラウド技術を基盤として長年蓄積してきたインターネットやソフトウエアに関する技術ノウハウの活用により、社会課題の解決に向けた取り組みを推進してまいりました。

しかしながら、既存事業者との競争や、新たな参入事業者の登場により競争が激化した場合、受注件数の減少等が生じることとなり、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法令規制について

インターネットに関連する規制として電気通信事業法があり、当社グループは事業上の特性及び必要性から電気通信事業者の届出をしております。現時点においては、クラウドソリューション事業を継続していく上で実質的に制約を受けている事項はありませんが、今後、国内においてインターネットに関連する法整備等が進む可能性があります。

また、インターネットは国内のみならず、国境を越えたネットワークであり、海外諸国の法的規制による影響を受ける可能性があることから、将来的に当社グループの事業分野においても何らかの法的規制を受ける可能性があり、その場合、法規制等への対応に要する費用や負担の増加等により、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)情報漏洩に関するリスクについて

当社グループは、情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報セキュリティポリシーの制定、公表を行うと共に、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。

また当社グループでは、情報資産の漏洩や改ざん、不正利用等を防ぐため、ISO27001情報セキュリティ適合性評価制度の認証を取得し、社内の情報資産に関しリスク分析を行い、リスクがある事項に関しては改善策を講じ、情報漏洩の防止に努めております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、情報機器の誤作動や操作ミス、モバイル端末の紛失等による個人情報や企業情報が漏洩した場合、損害賠償責任の負担、当社グループの社会的信用の失墜、主要顧客との契約解除等により、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権の侵害について

過去もしくは現時点においては、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない特許等が成立した場合又は競合他社が特許等を取得した場合、その内容によっては競争の激化又は当社への損害賠償やロイヤリティの支払請求、差止請求等の発生により当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.事業に関するリスク

(1)自然災害等について

当社グループの本社及び各事業所は、大阪府及び東京都、兵庫県、北海道にあり、北海道地方、関東地方及び近畿地方における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生し、当社グループの本社や各事業所、各店舗が損壊した場合、当社グループの事業継続が困難になる可能性があります。

このため、クラウドソリューション事業においては、事業継続計画を定めた上で、制震・耐震・免震構造を採用した堅牢なファシリティを有する外部のクラウド基盤を採用しております。しかし、自然災害等に起因して、顧客データの喪失やインフラ麻痺等が生じた場合、また顧客対応の遅延等当社グループのサービス体制に支障が生じた場合、損害賠償責任の負担、当社グループの社会的信用の失墜、顧客企業との契約解除等により、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

またスマートベニューにおいては、建物を管理していることで自然災害発生による修繕費用の増加や一時的な事業の休止により、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)システム障害について

当社グループのサービスは、コンピュータシステム及びネットワークにその多くを依存しており、安全性確保に万全の体制を期し、IT事業賠償保険への加入を行い、万一のための対策を講じております。

クラウドソリューション事業を運営するために必要なクラウド環境につきましては、専門的なインフラ事業者の環境を賃貸し、建物の堅牢性、電源や回線の二重化など、万全を期した環境に設置をしております。

しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、外的破損や人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万一、当社グループの設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、サービスの停止や顧客データの喪失等が生じる可能性があり、設備の修復のための費用の増加等により、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)業績の変動について

当社グループの事業においては、スマートべニューやシステム開発、サービス提供等のプロジェクト、興行の有無、Bリーグシーズン開催の有無、感染症の流行などにおいて、集客状況によって収益が偏ることがあります。このため特定の四半期業績のみをもって当社グループの通期業績見通しを判断することは困難と言えます。

一方で、クラウドソリューション事業の一部であるシステム開発やサービス提供等の一部のプロジェクトにおいて、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識することから、売上が年間を通して平準的に計上されることも想定されますが、プロジェクトの進捗状況により、開発原価の見積り時に想定されなかった不測の事態等が発生し、開発原価が増加した場合、当社グループの売上高及び利益の減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(単位:千円)

 

当連結会計年度

(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

805,408

1,001,567

1,103,783

1,451,110

4,361,869

営業損失(△)

△105,706

△47,085

△100,992

△186,892

△440,677

経常損失(△)

△107,852

△49,666

△164,851

△411,106

△733,476

 

(注)上記の数値は、三優監査法人による監査又はレビューを受けておりません。

 

(4)新規事業への取り組みについて

当社グループのクラウドソリューション事業は、基盤を提供するクラウドプラットフォーム上に、SaaS形態でモビリティ・サービスとして、蓄積された事業ノウハウを活かしたアプリケーションサービスを提供しております。モビリティ・サービスにおいては、IoTサービスや新規性の高い受託開発といったモビリティ・クラウドソリューション等、多角的な展開を推進する方針であります。

また、新たなセグメントであるスマートべニュー領域につきましては、デジタルとフィジカルを融合させた国内でも例のない事業であり、テクノロジーの活用やデータ連携基盤をベースとしたスマートシティ関連も包含しており、既存事業よりもリスクが高いことを認識しております。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間がかかる事が予想されているほか、予測とは異なる事象が発生し、計画どおりに進まない場合、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

こうした新規事業への取り組みに際しては、新たな人材の確保、システム投資及び広告宣伝等の追加的支出が発生する場合や当社グループがこれまで想定していない新たなリスクが発生する等、事業展開が想定どおりに進捗しない場合、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)企業買収及び業務提携について

当社グループは、企業価値向上のため既存事業の拡大や新規事業への参入を図ることが考えられ、その一環として企業買収や戦略的業務提携を行う可能性があります。

既存事業の拡大や新規事業への参入に当たっては、十分な検討を行う方針でありますが、市場環境や顧客ニーズの変化により当初計画を達成できず、投資及び費用負担に見合う収益が得られない場合、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、企業買収や戦略的業務提携の実施に際しては、対象企業の事業内容や契約関係、財務内容など、詳細に検討を行いますが、当初期待した成果を得られない場合には、のれんや固定資産の減損など、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事業戦略の見直しについて

当社グループは、今後益々広範化・複雑化するデジタル領域における社会システムに適切に対応するため、収益性の高い事業には経営資源を投入すると共に、事業の見直し、再編、新規事業への参入に積極的に取り組んでおります。モビリティ・サービスの開発体制の強化を進め、成長分野への展開や新サービス開発等、中長期の柱となる事業の創出を加速させることで、多様化するニーズに即応できるサービスの強化及び新規サービスの開発を推進しております。このような取り組みにおいて当社グループが期待している効果が十分に得られない場合、減損損失の計上等により、当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)訴訟等の可能性

当社グループは、クラウドソリューション事業において、様々な顧客や取引先に対してサービスを提供しております。当社グループでは、法令や契約等を遵守するため、社内体制の強化に努めておりますが、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生した場合、訴訟が発生する可能性があります。訴訟の内容や結果によっては、企業イメージが低下する可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.事業体制に関するリスク

(1)特定の人物への依存について

当社の代表執行役社長 渋谷順は、最高経営責任者であると共に当社の大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため当社グループは、豊富な経験や知識を有する人材を経営メンバーとして招聘することで経営体制の強化を図ると共に、各事業部門のリーダーに権限委譲を適宜行っていくことで、同氏に過度に依存しない体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの売上減少や利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材の確保について

当社グループは、今後の事業拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用し、社内教育を行うと共に、特定の人材に過度に依存しない体制の構築や、業務拡大を想定した人材の増強を図る予定ですが、現在在職している人材の、予想を上回る流出や当社グループの求める人材が確保できない場合、当社グループの業績及び事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。

また適切な人材を確保できたとしても、人材の増強や教育等に伴い、固定費の増加を余儀なくされる可能性があり、その場合にも当社グループの利益減少等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善傾向により、緩やかな回復基調となったものの、原材料及びエネルギー価格の高騰、米国による大幅な関税引き上げ発表による警戒感の高まりが顕在化しており、経済の先行きに係る不確実性は依然として高い状況が続いております。

このような経営環境の下、当社グループでは「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」をミッションとして事業を展開してまいりました。

当連結会計年度においては、スマートベニューセグメントにて神戸市に建設を進めてきた大規模多目的アリーナ(GLION ARENA KOBE)を4月に開業いたしました。メディア等での注目度は非常に高く貸館事業の引き合いを2027年まで多数いただいているものの、開業初期においては竣工から開業まで1か月という短期間であったことによるオペレーションコストの増大や、一部貸館事業のキャンセルに伴う売上高の減少などが重なり、想定を下回る結果となりました。しかしこれらは開業時における一過性の事象として2026年6月期においては豊富な貸館予約や企業協賛を前提として改善が図れている状況となっております。

また、デジタルガバメントセグメントにつきましては、行政デジタル化の流れはあるものの当社が手掛ける公募調達でのクラウド型CMSについては市区町村への導入も網羅的にほぼ完了し、大きな成長が見込まれる領域ではなくなったこと、今後更に事業を拡大させるためには経営資源の不足が想定されることから、他社との事業統合を進めることが真に両社の資源を融合させ、行政デジタル化市場における成果を享受できると判断したことから、2025年6月30日付で当社が運営するデジタルガバメント事業の一部を譲渡し、特別利益を計上することになりました。

その結果、当連結会計年度におきましては、売上高は4,361,869千円(前期比14.3%増)、営業損失は440,677千円(前期は308,424千円の損失)、経常損失は733,476千円(前期は312,532千円の損失)となりました。

また、上記の事業譲渡により事業譲渡益2,154,771千円を特別利益に計上しました。他方、ソフトウエア等の活用状況を精査した結果、固定資産の収益性の低下による減損損失68,384千円を特別損失に計上しました。また、連結子会社である株式会社ストークスの事業計画を見直した結果、個別財務諸表において関係会社株式評価損260,824千円を計上したことから、連結財務諸表において株式取得時に発生したのれんについて、「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」の規定に基づきのれんの一括償却を実施しました。その結果のれん償却額93,394千円を特別損失として計上しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は916,103千円(前期は348,911千円の損失)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。

 

<デジタルガバメントセグメント>

デジタルガバメントセグメントにおきましては、オープンガバメントにおける透明性、参加、連携の社会実装を推進するための自治体向けCLOUD SUITEとして“ガブクラ”を提供しております。

昨今、オンライン手続など行政デジタル化の流れが活性化し、ガバメントクラウドやデジタルマーケットプレイスなどの構想へとクラウドシフトが一段と鮮明になっております。“ガブクラ”はそうした中での「新しい公」へと続く行政デジタル化の実現に向けて、自治体の情報発信を推進するCLOUD SUITEです。具体的にはWebサイトの作成運用を実装するCMSである“SMART L-Gov”、住民と自治体をオンラインで繋ぎ「参加・連携」を促す“GaaS”などによって構成されており、当該“ガブクラ”を通じて持続的なまちづくりを推進しております。

当連結会計年度においてデジタルガバメントセグメントでは、新規案件の獲得及び既存顧客の深耕に注力し、継続的な原価低減活動などに取り組みました。自治体及び公的機関を納入先とする入札案件においては、政府の行政デジタル化に関する取り組みが進められる中、一部競争環境激化による受注率の低下が見られ、販売は前年同期を下回る結果となりました。また、クラウド環境の移設に伴う二重経費の計上、グラングリーン大阪での新しいヘルスケア事業への先行投資が嵩んだ結果、減収減益となりました。他方、行政デジタル化の大きな流れの中では、アライアンス先であるウイングアーク1st株式会社と共同で、行政DXを加速させる自治体向けの公共施設予約システム“ラクリザ”を開発し、2024年4月よりサービスを開始いたしました。

以上の結果、セグメント売上高は1,743,093千円(前期比1.9%増)、セグメント利益は169,991千円(前期比30.6%減)となりました。

 

<モビリティ・サービスセグメント>

モビリティ・サービスセグメントは、100年に一度という自動車産業の大変革期において、コネクティッドカーサービスである“CiEMSシリーズ”やクルマのデータ利活用を推進するプラットフォーム、ソフトウエア、さらにカーシェアリングや無人化サービスなどクルマのサービス化を支援するプラットフォーム“Kuruma Base”の提供へと、多様なモビリティIoTを事業とするモビリティ・サービスを推進してまいりました。

当連結会計年度においては、2024年7月31日付でカーソリューション事業におけるリース車両向け物販事業を譲渡したことによる赤字事業の解消及び収益性向上に向けた原価低減や業務効率化などを実行した結果、収益性は大幅に改善されたものの減収減益となりました。

以上の結果、セグメント売上高は1,103,019千円(前期比24.6%減)、セグメント利益は176,849千円(前期比8.7%減)となりました。

 

<スマートベニューセグメント>

スマートベニューセグメントでは、2025年4月に開業したGLION ARENA KOBEを軸として、政府が成長産業として位置付けるスタジアム・アリーナ改革やスマートベニューという概念に則り、新たな市場の創造を目指しております。さらに収益的にも今後当社グループの成長を支える存在になるよう推進しております。

当連結会計年度においては、中長期的な収益の獲得を見据えた環境整備を推進し、期初から大口協賛を獲得し大幅な増収となりましたが、最終的には開業時のオペレーションコスト増大、開業費用増加、一部貸館事業におけるキャンセルの発生などが影響し、減益となりました。

以上の結果、セグメント売上高は1,515,756千円(前期比136.4%増)、セグメント損失は320,679千円(前期は271,419千円の損失)となりました。

 

各事業の売上構成は、以下のとおりです。

(単位:千円、%)

セグメントの名称

2024年6月

2025年6月期(当期)

対前期

増減率

売上高

構成比

売上高

構成比

デジタルガバメント

1,711,288

44.9

1,743,093

40.0

1.9

モビリティ・サービス

1,462,227

38.3

1,103,019

25.3

△24.6

スマートベニュー

641,203

16.8

1,515,756

34.7

136.4

合計

3,814,719

100.0

4,361,869

100.0

14.3

 

 

 

②財政状態の状況

a.資産

当連結会計年度末の総資産は、24,903,435千円となり、前連結会計年度末と比べ20,865,952千円の増加となりました。

流動資産は5,410,720千円となり、前連結会計年度末と比べ2,952,177千円の増加となりました。その主たる要因は、現金及び預金が2,399,908千円増加したことによるものであります。

固定資産は19,490,918千円となり、前連結会計年度末と比べ17,915,673千円の増加となりました。その主たる要因は、リース資産が16,158,039千円、建物及び構築物が2,234,471千円増加したことによるものであります。

繰延資産は1,796千円となり、前連結会計年度末と比べ1,899千円の減少となりました。その主たる要因は、株式交付費が1,780千円減少したことによるものであります。

 

b.負債

当連結会計年度末における負債合計は、21,904,680千円となり、前連結会計年度末と比べ20,026,043千円の増加となりました。

流動負債は2,829,956千円となり、前連結会計年度末と比べ1,500,339千円の増加となりました。その主たる要因は、未払法人税等が503,168千円、契約負債が689,800千円増加したことによるものであります。

固定負債は19,074,723千円となり、前連結会計年度末と比べ18,525,703千円の増加となりました。その主たる要因は、長期借入金が1,414,245千円、リース債務が16,232,237千円増加したことによるものであります。

 

c.純資産

当連結会計年度末における純資産は2,998,755千円となり、前連結会計年度末と比べ839,908千円の増加となりました。

その主たる要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により916,103千円増加したものの、配当金の支払いにより62,353千円減少したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ2,399,908千円増加し、4,126,767千円となりました。

当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりであります。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動の結果、増加した資金は463,925千円(前期は、26,563千円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,243,815千円、契約負債の増加額750,563千円等の資金の増加と、事業譲渡益2,154,771千円の調整項目によるものであります。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動の結果、増加した資金は890,494千円(前期は、354,568千円の資金の増加)となりました。これは主に、事業譲渡による収入2,285,127千円等の資金の増加と、有形固定資産の取得による支出1,125,981千円等の資金の減少によるものであります。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動の結果、増加した資金は1,045,488千円(前期は、106,420千円の資金の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,783,360千円等の資金の増加と、短期借入金の純増減額360,740千円、長期借入金の返済による支出256,016千円、リース債務の返済による支出103,602千円等の資金の減少によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。

 

b.仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

デジタルガバメント

1,200

△75.7

モビリティ・サービス

188,882

△47.3

スマートベニュー

72,382

273.0

合計

262,465

△31.4

 

(注)当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、モビリティ・サービスセグメントにおきまして、2024年7月31日付でカーソリューション事業におけるリース物販事業を譲渡したことによる減少、及びスマートベニューセグメントにおきまして、2025年4月にGLION ARENA KOBE開業による増加によるものであります。

 

c.受注実績

当社グループは、受注から納品までの期間が短く、販売実績が受注と概ね同じであるため、受注実績の記載を省略しております。

 

d.販売実績

販売実績をセグメントごと、またサービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

デジタルガバメント

1,743,093

1.9

モビリティ・サービス

1,103,019

△24.6

スマートベニュー

1,515,756

136.4

合計

4,361,869

14.3

 

(注)当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、モビリティ・サービスセグメントにおきまして、2024年7月31日付でカーソリューション事業におけるリース物販事業を譲渡したことによる減少、及びスマートベニューセグメントにおきまして、2025年4月にGLION ARENA KOBE開業による増加によるものであります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。

 

b.経営成績の分析

(売上高、売上総利益及び営業利益)

当連結会計年度における売上高は4,361,869千円(前期比14.3%増)となりました。

デジタルガバメントセグメントにおきましては、オープンガバメントにおける透明性、参加、連携の社会実装を推進するための自治体向けCLOUD SUITEとして“ガブクラ”を提供しております。

昨今、オンライン手続など行政デジタル化の流れが活性化し、ガバメントクラウドやデジタルマーケットプレイスなどの構想へとクラウドシフトが一段と鮮明になっております。“ガブクラ”はそうした中での「新しい公」へと続く行政デジタル化の実現に向けて、自治体の情報発信を推進するCLOUD SUITEです。具体的にはWebサイトの作成運用を実装するCMSである“SMART L-Gov”、住民と自治体をオンラインで繋ぎ「参加・連携」を促す“GaaS”などによって構成されており、当該“ガブクラ”を通じて持続的なまちづくりを推進しております。

当連結会計年度においてデジタルガバメントセグメントでは、新規案件の獲得及び既存顧客の深耕に注力し、継続的な原価低減活動などに取り組みました。自治体及び公的機関を納入先とする入札案件においては、政府の行政デジタル化に関する取り組みが進められる中、一部競争環境激化による受注率の低下が見られ、販売は前年同期を下回る結果となりました。また、クラウド環境の移設に伴う二重経費の計上、グラングリーン大阪での新しいヘルスケア事業への先行投資が嵩んだ結果、減収減益となりました。他方、行政デジタル化の大きな流れの中では、アライアンス先であるウイングアーク1st株式会社と共同で、行政DXを加速させる自治体向けの公共施設予約システム“ラクリザ”を開発し、2024年4月よりサービスを開始いたしました。

以上の結果、セグメント売上高は1,743,093千円(前期比1.9%増)、セグメント利益は169,991千円(前期比30.6%減)となりました。

モビリティ・サービスセグメントは、100年に一度という自動車産業の大変革期において、コネクティッドカーサービスである“CiEMSシリーズ”やクルマのデータ利活用を推進するプラットフォーム、ソフトウエア、さらにカーシェアリングや無人化サービスなどクルマのサービス化を支援するプラットフォーム“Kuruma Base”の提供へと、多様なモビリティIoTを事業とするモビリティ・サービスを推進してまいりました。

当連結会計年度においては、2024年7月31日付でカーソリューション事業におけるリース車両向け物販事業を譲渡したことによる赤字事業の解消及び収益性向上に向けた原価低減や業務効率化などを実行した結果、収益性は大幅に改善されたものの減収減益となりました。

以上の結果、セグメント売上高は1,103,019千円(前期比24.6%減)、セグメント利益は176,849千円(前期比8.7%減)となりました。

スマートベニューセグメントでは、2025年4月に開業したGLION ARENA KOBEを軸として、政府が成長産業として位置付けるスタジアム・アリーナ改革やスマートベニューという概念に則り、新たな市場の創造を目指しております。さらに収益的にも今後当社グループの成長を支える存在になるよう推進しております。

当連結会計年度においては、中長期的な収益の獲得を見据えた環境整備を推進し、期初から大口協賛を獲得し大幅な増収となりましたが、最終的には開業時のオペレーションコスト増大、開業費用増加、一部貸館事業におけるキャンセルの発生などが影響し、減益となりました。

以上の結果、セグメント売上高は1,515,756千円(前期比136.4%増)、セグメント損失は320,679千円(前期は271,419千円の損失)となりました。

売上原価は2,917,279千円(前期比9.8%増)となりました。主たる要因は、GLION ARENA KOBEの開業時のオペレーションコスト増大、開業費用増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は1,444,589千円(前期比24.8%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、営業活動の拡大や、企業の成長に合わせた組織強化に伴う人件費等の増加、デジタルガバメント事業譲渡に係る費用等により、1,885,266千円(前期比28.6%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の営業損失は440,677千円(前期は308,424千円の損失)となりました。

(営業外損益及び経常損失)

営業外収益は、補助金収入を17,430千円、賃貸料収入28,691千円を計上したこと等により59,867千円(前期278.4%増)となりました。

営業外費用は、支払利息を302,326千円、賃貸収入原価25,809千円を計上したこと等により352,667千円(前期比1,669.6%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の経常損失は733,476千円(前期は312,532千円の損失)となりました。

(特別損益及び税金等調整前当期純利益)

特別利益は、事業譲渡益を計上したことにより2,154,771千円(前期は計上なし)となりました。

特別損失は、個別決算において株式会社ストークス株式の評価損を計上したことにより、連結決算において同社に係るのれんの一括償却を実施した結果、のれん償却額93,394千円、ソフトウエア等の活用状況を精査した結果、固定資産の収益性の低下による減損損失68,384千円を計上したこと等により、177,479千円(前年同期は47,946千円)となりました。

この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,243,815千円(前期は360,479千円の損失)となりました。

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計(法人税等調整額を含む)を391,553千円、非支配株主に帰属する当期純損失63,841千円を計上しました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は916,103千円(前期は348,911千円の損失)となりました。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

d.経営者の問題認識と今後の方針

当社グループは、「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜しており、クラウドソリューション事業のさらなる拡大及び月額固定収入の増額等収益基盤の拡充に取り組んでまいります。そのための経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

② 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2026年6月期から2028年6月期までの「中期経営計画(ローリング版)」において2028年6月期の連結営業利益目標を1,144百万円として掲げております。2026年6月期におきましては、連結営業利益目標を910百万円としております。

 

③ キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローに関する分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループにおける資金需要の主なものは、子会社への出資金、仕入代金、外注費等の製造原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び増資による資金調達と金融機関からの借入による資金調達となります。

また、手元流動性資金(現金及び預金残高)は、一定額を保持する方針であり、資金の流動性は十分に確保できていると考えております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産及び負債の数値、収益及び費用の数値に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りについては、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

(1)合弁会社設立に関する契約

契約会社名

契約締結先

内容

合弁会社

契約締結日

株式会社スマート
バリュー(当社)

株式会社NTTドコモ

合弁会社株主間契約等

株式会社One Bright KOBE

2021年9月16日

 

 

(2)建物賃貸借に関する契約

連結子会社である株式会社One Bright KOBEは、2025年2月19日開催の取締役会において、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社とGLION ARENA KOBEに関する建物の定期建物賃貸借契約締結を決議し、同年2月27日に締結しております。

 

(3)資本業務提携に関する契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約期間

契約締結日

株式会社スマート
バリュー(当社)

ウイングアーク1st株式会社

(業務提携)

以下に掲げる事項を主なテーマとして業務提携を行う。

a. 行政手続きデジタル化の事業開発

b. GLION ARENA KOBEを軸としたスマートシティ及びモビリティ領域の新規サービス開発

c. 新規ビジネスの開発及び既存事業の強化

(資本提携)

当社が2023年3月に実施した第三者割当増資においてウイングアーク1st株式会社が普通株式415,000株を引受。

2023年2月14日から
2026年2月13日まで

2023年2月14日

 

 

(4)株式譲渡契約

当社は、2025年4月10日開催の取締役会において、当社が運営するデジタルガバメント事業の一部を会社分割(新設分割)により新設会社に承継させた上で、新設会社の株式をウイングアーク1st株式会社に譲渡することを決議し、同日付で同社との間で株式譲渡契約を締結し、2025年6月30日付で株式譲渡を実施いたしました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(5)事業譲渡契約

当社は、2025年6月20日開催の取締役会において、当社が運営するモビリティ・サービスセグメントのカーソリューション事業におけるリース車両向け物販事業を株式会社コシダテックへ譲渡することを決議し、同日付で同社との間で事業譲渡契約を締結し、2025年7月31日付で事業譲渡を実施いたしました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

(6)財務制限条項が付された重要な借入金契約

連結子会社である株式会社One Bright KOBEが締結した金銭消費貸借契約については、財務制限条項が付されております。

契約締結日

2024年3月29日

当連結会計年度末の債務残高

1,950,002千円

弁済期限

2035年3月30日

相手方の属性

地方銀行

担保の有無

財務制限条項の内容

2026年6月期以降の事業年度末日における報告書等の損益計算書における経常損益(減価償却前)を2期連続して損失としない。なお、経常損益(減価償却前)とは、損益計算書に記載される経常損益に販売費・一般管理費及び製造原価における減価償却費を加算したものをいう。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。