文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループはこれまでに展開してきた事業の成長戦略を引き続き実施し、更なる飛躍を遂げるために、以下の課題に取り組んでおります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、製品開発から顧客サービスまで一貫した優秀なシステム・体制を構築・維持しながら、社会に役立つ製品とサービスを世界中へ提供し、顧客からの信頼・支持を得ることを目標としております。そして、コンタクトレンズの製造で培った技術を応用し、創造的かつ独創的な技術で眼科医療分野のみならず、動物医療事業や環境バイオ事業、ライフサイエンス事業においても新しい製品やサービスを提供することを目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2020年における自社のあるべき姿として「Vision2020」という中長期計画を定めており、売上高1,000億円、営業利益率10%を目標としております。また、ROE(自己資本利益率)及び時価総額の向上も目指します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「Vision2020」の達成のために、自社での一貫した開発、製造、販売体制を活かし、事業の拡大に取り組んでおります。国内市場はメルスプランを軸に展開し、海外市場及び新規事業の拡大にも励んでまいります。
(4)経営環境及び会社の対処すべき課題
1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズが国内コンタクトレンズ市場を牽引しており、同市場の規模は拡大傾向にあります。しかし、全世界における競合企業との競争の激化による市場環境の変化も予測されます。
このような経営環境の変化に対応するため、当社グループは以下の施策に取り組むことで事業拡大に努めてまいります。
①新製品の開発と生産能力の向上
市場において需要の伸びている、1日使い捨てコンタクトレンズの商品ラインアップ拡充が課題であるため、早期の製品開発、導入に取り組んでまいります。
また、安定的に製品を供給し続ける生産体制を構築するため、1日使い捨てコンタクトレンズの生産設備の増強を行っておりますが、今後も適切なタイミングでの設備投資を行い、引き続き生産能力の増強を図ります。
②メルスプラン会員数の拡大
メルスプランの商品ラインアップを充実させるとともに、直営販売店、当社グループ会社の販売店、メルスプラン加盟施設のネットワークを強化することで、引き続きメルスプラン会員数の拡大を図ります。また、メルスプランを顧客のライフスタイルやニーズにあった、より魅力的なサービスに改善することにより、新規会員の獲得及び会員満足度の向上に取り組んでまいります。
③海外事業の拡大
当社グループの更なる発展のためには、海外事業を拡大し、海外売上比率を高めることが不可欠であると考えております。そのため、地域別の市場に応じた商品の販売拡大に取り組んでまいります。
特に米国や欧州、中国を中心としたアジアにおいて、個々の戦略に基づき販売活動を推進してまいります。
④新規事業の拡大
動物医療事業、環境バイオ事業、ライフサイエンス事業の3つの事業を中心に、成長性と収益性を判断しながら、長期的な視点で事業を育ててまいります。さらには、禁煙活動を中心とした健康ビジネスの事業化についても推進してまいります。
⑤ガバナンス体制の充実とリスクへの対応
当社が持続的に成長し、長期的に企業価値を向上していくために、引き続きコーポレートガバナンスの向上に取り組んでまいります。また、企業経営に重大な影響を与えると考えられるリスクを想定し、リスクマネジメントすることにより、経営の安定化を図ってまいります。
本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、リスク要因となる可能性がある事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項には以下のようなものがあります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは昨今売上が伸長しているインターネット販売と比較して、メルスプランは定期的な眼科健診の通知及びコンタクトレンズの管理指導といった安全面での優位性があると考えており、メルスプランを普及させることで安全性を維持した独自のシステム構築に努めてまいります。しかしながら、競合他社による販売価格の引き下げやプロモーション活動の強化などにより競争が激化した場合、当社グループを取り巻く経済情勢及び市場の変化が生じた場合、もしくは当社グループの市場予測が十分でなく、顧客のニーズに合致した製品を適時に提供できなかった場合において、シェアを確保することが困難となり当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要製品であるコンタクトレンズは、医薬品医療機器等法において「高度管理医療機器」に該当しており、コンタクトレンズの製造販売業や販売業は許可制、製造業は登録制となっております。このため当社グループでは、医薬品医療機器等法の規定に基づき、第1種医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業(店舗ごと)の許可及び製造業の登録を受けたうえで、製造・販売を行っております。また、海外においても、それぞれの国における規制への対応を行っております。
(注)医療機器製造販売及び医薬部外品製造販売については製品ごとに承認を取得し、高度管理医療機器等販売業については事業所ごとに許可を取得するため、取得年月及び有効期限の記載を省略しております。
当社グループは、欧州、北米、アジアにおいてコンタクトレンズ及びケア用品事業を展開しております。今後、国内コンタクトレンズ及びケア用品市場において少子高齢化の進行などにより新規顧客の獲得が難しくなる中で、当社グループが事業の成長性を確保するために海外市場の開拓は重要であると考えております。かかる見地から、当社グループは海外への事業展開により売上高の増大を図りますが、こうした取組みにもかかわらず、海外市場の変化、海外における競合の状況及び新製品開発の時期などによっては、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要製品であるコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害が発生する可能性があります。当社グループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、製品の開発・製造・販売を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があったことが原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の喪失等、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。
当社グループが事業を優位に展開する上で、知的財産権は重要な役割を果たしていると考えております。当社グループは保有する知的財産権について適切な保護及び管理を行っておりますが、第三者が当社グループの技術などを使用し、市場において当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、対価の支払や損害賠償請求の訴訟など、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。
当社グループでは、製品、販売及び個人情報等の情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万が一の場合に備えて保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。
しかしながら、近時、当社連結子会社が運営するインターネットサイトに対する第三者による不正アクセスとこれによる被害の発生が確認されております。このようなシステムの脆弱性を利用した外部からの攻撃、不正アクセスやコンピュータウイルス感染などによって情報漏洩が発生した場合には、顧客及び取引先からの損害賠償請求の対象となり、また当該事案に対応するための費用を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用に大きく影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、事業買収等により取得した子会社等を含め、国内外に多数のグループ会社を有しておりますが、かかるグループ会社等に対し、適切なグループガバナンスが及ばず、又は、システム・セキュリティを含む様々なリスクに対するモニタリングやコントロールが十分に及ばないなど、リスクマネジメントが適切に機能しない場合には、当社グループの事業運営や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損について
固定資産の評価につきまして、当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当社グループが保有している固定資産及び買収によって発生したのれんにつきまして、事業収益の著しい低下などに伴い回収可能価額が大きく下落し帳簿価額を下回った場合、減損損失の計上の必要があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 顧客の嗜好変化等について
当社グループは多様化する消費者のニーズに対応するため、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、ディスポーザブルコンタクトレンズ、さらには新製品の開発と幅広いラインアップで消費者のニーズと眼の形状、健康に合わせた製品を提供しております。しかし、当社グループのシェアが高いハードコンタクトレンズからの急激な消費者嗜好の変化、及び当社グループが想定していない市場の変化が生じた場合、コンタクトレンズ関連事業の売上が計画通りに伸長しない可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製品売上構成の変化について
コンタクトレンズ市場においてはハードコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズが縮小傾向である一方、ディスポーザブルコンタクトレンズの装用人口の増加が市場全体を牽引しております。当社グループはこのディスポーザブルコンタクトレンズの成長機会の獲得に向け、自社製造の1日使い捨てコンタクトレンズ「Magic」、「1DAYメニコン プレミオ」、サークルレンズ「2WEEKメニコン Rei」などの製品展開を進めており、今後も引き続き重点的に販売促進活動に取り組んでまいります。ディスポーザブルコンタクトレンズは創業以来製造してきたハードコンタクトレンズなどに比して原価率が高いですが、生産数量の増加等により製造原価を低減させていく方針です。しかしながら、製造原価の低減が上手くいかず、当社グループ全体の原価率が上昇した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) インターネット販売の増加について
コンタクトレンズ販売店舗と競合するインターネット上でのコンタクトレンズ販売高が増加している中、当社グループはメルスプラン会員向けの定期宅配サービスや専用Webサイトによるサービスの実施を対抗策として打ち出しております。しかしながら、インターネット販売の動向によっては店舗販売における新規顧客の獲得が困難になる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 金利変動リスク等について
当社グループは設備投資に関する資金及び運転資金を金融機関からの借入等により調達しております。資金調達につきましては固定金利での社債発行又は長期借入を主とすること等により短期的な金利上昇リスクへの対応を図っておりますが、金利上昇は支払利息の増加を招き利益を圧迫する要因となるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は2018年6月7日に第1回及び第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下総称して「本転換社債」といいます)(額面総額80億円)を発行しております。当社株価が今後様々な要因から転換価額を下回る水準で推移する等により、本転換社債の株式への転換が進まなかった場合には、満期(2021年6月7日)において残存する本転換社債につき額面での一括償還が必要となり、当社は他の資金調達手法によることを含めリファイナンス等の対応が必要となる可能性があります。
(12) 為替変動リスクについて
当社グループは海外事業展開を進めており、日本円以外の通貨を用いて販売及び仕入取引を行っております。為替リスク低減を目的とした為替予約の実行など対応策を講じておりますが、前年度と比較して急激な為替レートの変動が起こった場合は外貨建て売上高及び仕入高を日本円に換算する際に増減するため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 将来販売計画変更リスクについて
当社グループは一部のコンタクトレンズを製造する上で特殊技術を第三者より譲り受けており、その対価として一定期間に渡りロイヤリティを支払う旨の契約を締結しております。同契約の中でロイヤリティは特殊技術を用いた製品の販売高に一定率を乗じた金額を支払う内容になっており、当社グループは毎期上記に基づいて算定されたロイヤリティを支払うとともに毎期末同製品の将来販売高に基づいたロイヤリティの金額を算定し未払金として計上しております。
しかしながら、もし何らかの理由により将来の販売計画に変更が生じた場合は、既に計上している未払金の金額を見直す必要が生じるため、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14) 棚卸資産の収益性低下のリスクについて
当社グループ製品には有効期限を設定しており、製品により違いはありますが有効期限日の一定期間前を過ぎた製品は出荷せず廃棄しております。そのため、当社グループを取り巻く市場環境の急変及び販売見込みの相違などの理由で滞留在庫を抱えた場合、もしくは販売価額が大幅に下落した場合は棚卸資産評価損を計上しなければならないため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 研究開発について
近年は研究開発の面においても競合他社との競争が激化しており、研究開発戦略及び特許戦略の重要性が高まりつつあります。こうした状況においてコンタクトレンズ業界は研究開発のスピードが直接的に企業競争力へ影響する構造となっており、当社グループはいち早い製品化が全事業共通の重要な経営課題と認識しております。したがって、今後は個別の開発テーマに注力するだけでなく、研究開発プロセスそのものの抜本的な見直しが不可欠と考えており、開発マネジメントシステムの迅速化、外部技術導入の積極化を図っていく方針であります。しかしながら、コンタクトレンズの開発においては、基礎研究から臨床試験、実用化まで医薬品と同程度に長期の時間を必要とするため、研究開発投資で想定した成果を得られない場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)コンタクトレンズの販売に関する規制などについて
①コンタクトレンズの販売態様
コンタクトレンズの販売について医師による処方箋の発行は法律上必要とされておりませんが、当社グループは、顧客の眼への安全性を重視して医師が発行する処方箋に基づき、顧客の眼の健康状態に適合したコンタクトレンズを販売するものとしております。そのため、当社グループは、コンタクトレンズ販売店近隣に位置する眼科診療所を運営する医師又は医療法人と提携し、顧客が当該眼科診療所において医師の診療を受けた上で発行される処方箋に基づき、コンタクトレンズの販売を行っております。
しかしながら、万一、当該眼科診療所の医師において医療ミスが生じた場合、当社グループの信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、コンタクトレンズ販売店の出店に応じて、提携先の医師又は医療法人に対して眼科診療所の開設を誘致する場合があります。しかしながら、眼科診療所の開設を誘致できない場合又は開設後に何らかの理由により眼科診療所の運営が終了した場合には、当社グループの出店計画や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②医行為の禁止
コンタクトレンズを使用させるために行う検眼、処方箋の発行及び装用の指導などは、厚生省(現 厚生労働省)医務局長通知によれば、医行為と解釈されており、医師法第17条の規定に基づく医師でなければできない行為とされております。そのため、当社グループは、自ら医行為の提供は行わず、専ら医師が発行した処方箋に基づきコンタクトレンズを販売するものとしております。
なお、当社グループでは、従業員を提携先の医師又は医療法人が運営する眼科診療所に出向させており、当該従業員が受付業務等の医行為以外の事務業務を行うことがあります。当社グループは、当該出向に係る契約上において当社グループの従業員が医行為を行わないことを明示しており、また、各従業員に対する研修において医行為を行わないよう周知徹底させております。
しかしながら、今後、法令、諸規則の改正やその解釈の変更により、上記事務業務が医行為に該当する可能性が生じ、当社グループにおいて何らかの対応を講じる必要が生じた場合、事業運営や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③非営利性の確保
医療法の規定により、医行為を提供する医師又は医療法人の経営上の独立性や非営利性の確保が必要となります。
なお、当社グループは、提携先である医師又は医療法人に対し、顧客に対するコンタクトレンズの正しい使用方法の指導、使用に伴う健康異常に関する注意事項の説明及び当社グループの従業員に対して患者に生じる健康異常などに関する対応の指導などの業務を委託しております。また、提携先の医師又は医療法人に対して眼科診療所を開設する場合等に要する資金の貸付、眼科診療所に対する当社グループの従業員の派遣出向、個人で眼科診療所を運営する医師に対して当社グループの会員プランの紹介を患者に対して行うことを委託しております。その上で、当該患者が会員となった場合などに当社グループが当該医師に一定手数料を支払うなどの取引を行っております。
当社グループにおいては、法令及び保健所の指導等に基づき眼科診療所と良好な関係を築いており、現状の眼科診療所との関係について法令上の疑義が及ぶことはないものと認識しております。しかしながら、今後、法令、諸規則改正やその解釈の変更により、当社グループと眼科診療所を運営する医師又は医療法人の関係において何らかの対応を講じる必要が生じた場合、事業運営や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新規事業について
当社グループは、その他事業の動物医療事業、環境バイオ事業及びライフサイエンス事業において、優位性、独自性のある技術、ノウハウを核とした事業モデルを構築し、新しい市場を創造することを目的としております。今後においても、既存製品の事業規模の拡大を図るとともに、新たな製品の開発を進めることによりこれからの新規事業を安定的に拡大発展させ、当社グループの第2の事業基盤とする方針であります。しかしながら、必ずしも当社グループが順調な事業拡大を果たせるとはいえず、一定の研究開発やビジネス試行を行った後に、これらの新規事業の業績を伸ばせずに事業縮小や撤退を決断した場合、当社グループの事業運営や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 急激な物価上昇について
当社グループの主要なサービスであるメルスプランは定額制の会員システムであるため、メルスプランを普及させることで、顧客の固定化及び安定したキャッシュ・フローの創出が可能となります。当社グループは、メルスプランの拡大を重要課題のひとつと位置付け、メルスプラン会員数の更なる増加を図る方針であります。しかしながら、今後急激な物価上昇が進行した場合、メルスプラン会員から受領する月会費は予め一定額と定められていることから速やかな価格転嫁は困難であるため、急激な物価上昇に起因する仕入原価の上昇などを吸収することができず、当社グループの事業運営や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成に際し、経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、合理的と考えられる様々な根拠に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出し計上しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。具体的な内容につきましては、「第一部 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、米中の対立に起因する通商問題の影響や英国のEU離脱問題など、政治・外交的な要因による、景気の不透明感はありますが、雇用環境の改善を背景に、全体としては緩やかな回復基調が続いております。また、国内経済につきましては、相次ぐ自然災害の影響がある中、個人消費及び企業の設備投資は高い水準を維持する等、緩やかな景気回復を続けております。
このような状況の下、コンタクトレンズ市場では、海外において1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズが市場を牽引しております。特に、酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズが伸長しております。さらに、国内市場におきましては瞳を大きくみせることを目的としたサークルレンズや遠近両用のコンタクトレンズの需要が増加しております。
各事業の状況は、以下になります。
[国内コンタクトレンズ事業]
市場において需要が増加している1日使い捨てコンタクトレンズの販売拡大及びメルスプランの会員数増加に取り組みました。
商品施策といたしましては、レンズ内面にふれずに取り出すことのできるパッケージ「SMART TOUCH(スマートタッチ)」を採用した、シリコーンハイドロゲル素材の乱視用1日使い捨てコンタクトレンズ「1DAYメニコン プレミオ トーリック」、同じくシリコーンハイドロゲル素材を使用した、国内初の乱視用と遠近両用の機能を併せ持つ2週間交換型レンズ「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用 トーリック」を発売いたしました。さらにハードコンタクトレンズと定期交換型レンズの長所を兼ね備えた新カテゴリーの3ヵ月定期交換型レンズ「フォーシーズン」をメルスプラン専用商品として発売し、いずれも売上拡大及びメルスプランの会員数増加に寄与しております。メニコン直営店とグループ販売会社においては、"「見る」にこだわる"をスローガンに掲げ、一貫したサービスを提供する販売網として「Miru」ブランドを展開しております。チャネル強化策といたしまして、ブランド強化のため、「はじめてMiruキャンペーン」を実施いたしました。プロモーション施策といたしましては、メニコン独自のテクノロジーである「SMART TOUCH」を中心としたテレビコマーシャル放映等の広告宣伝活動や1DAY入会キャンペーン等の販売促進活動に努めました。
このような体制の下、メルスプランの会員数は2019年1月時点で130万人に到達いたしました。今後も事業の更なる拡大に努めてまいります。
[海外コンタクトレンズ事業]
ディスポーザブルコンタクトレンズの海外向けオリジナルブランド「Miru」の浸透に努めました。
地域別対策として、北米ではディスポーザブルコンタクトレンズ事業を強化するため、近視・遠視用、乱視用、遠近両用レンズのそろった「Miru 1month Menicon」シリーズを本格販売し、販売チャネルとエリアの拡大に取り組みました。
欧州では、シリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクトレンズ「Miru 1day UpSide」を発売いたしました。成長分野であるディスポーザブルコンタクトレンズの市場において、既存商品とともに引き続き、大手小売チェーンのプライベートブランドを中心に、販売を強化しております。従来からの当社の強みである高い酸素透過性を有する素材を使用したハードコンタクトレンズの販売強化及び顧客の瞳に合わせてオーダーメイドするコンタクトレンズの拡販にも取り組んでおります。また、フランス現地法人は研修センターも併設した新事業所へ移転し、ドイツにおいては欧州ロジスティックスセンターを開設し、物流機能を強化いたしました。
アジアでは中国において、引き続きオルソケラトロジー用レンズやコンタクトレンズケア用品の販売が好調に推移しました。また、中国国内初の強膜レンズを発売し、眼科医療の発展にも貢献しております。東南アジアでは、グループ会社から周辺国への輸出を推進しました。ミャンマー連邦共和国においては医師及びオプトメトリスト向けのコンタクトレンズ研修センターを開設し、東南アジア市場の拡大を図ってまいります。
[その他事業]
株式会社メニワンにおける動物医療事業は堅調に伸長いたしました。医療機器に加え、サプリメント事業分野も好調に推移いたしました。また、中国、韓国、台湾、マレーシアへの輸出も拡大しております。環境バイオ事業は、稲わら分解促進剤等の販売が堅調に推移しました。ライフサイエンス事業は妊活をサポートするサプリメント 「プレグナ」シリーズをリニューアルし、「眼をサポートする」というコンセプトで開発されたラクトフェリンを主成分としたサプリメントと合わせて、拡販に取り組んでまいります。
このような取り組みの結果、メルスプランの売上が伸長したこと等に伴い、当期の売上高は前期比5.5%増の80,898百万円となりました。営業利益は売上高に対する売上原価の比率が前年比で上昇しましたが、販売費及び一般管理費の比率が前年比で低下しましたため、前期比26.8%増の5,571百万円となりました。経常利益は、前期比26.6%増の5,645百万円となりました。
特別損益につきましては、1日使い捨てコンタクトレンズ製造工場である各務原工場の建設に対する補助金収入等により144百万円の特別利益を計上し、事業用資産の除却損等により62百万円の特別損失を計上しました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は前期比33.2%増の5,727百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比34.6%増の3,576百万円となりました。
なお、セグメントの業績は次のとおりであります。
コンタクトレンズ関連事業は、売上高は79,416百万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は9,593百万円(前期比16.4%増)となりました。
コンタクトレンズ関連事業の売上高は前期と比較して4,150百万円伸長いたしました。主な要因はメルスプラン会員数の増加、新製品の販売及び中国に向けた輸出の増加によるものです。メルスプラン売上高は前期と比べ2,310百万円増加しており、会員数は1月時点で130万人に到達いたしました。これは「1DAYメニコン プレミオ」及び「Magic」に加え、新製品「フォーシーズン」を中心に会員数が増加したためです。なお「1DAYメニコン プレミオ」につきましては物品販売高も増加しております。また、中国への輸出につきましてはオルソケラトロジーレンズ及びコンタクトレンズケア用品の販売が好調に推移いたしました。
セグメント利益につきましては、広告宣伝費及び販売促進費の効率的な使用に努めましたため、売上高と同様に前期比で伸長しております。
その他事業は、当社の環境バイオ事業における環境に配慮した堆肥化促進剤「resQ45」、ライフサイエンス事業における細胞培養研究に用いるシステム「シェルパ・プロ」等の販売が堅調に推移したことにより、売上高は1,482百万円(前期比4.8%増)となりましたが、経費の増加によりセグメント損失は343百万円(前期セグメント損失は325百万円)となりました。
また、当社グループは中長期計画として「Vision2020」を定めており、2021年3月期に連結売上高を1,000億円、営業利益率10%の達成を掲げております。連結売上高につきましては2019年3月期時点の達成率は80.9%で、今後は国内コンタクトレンズ事業におけるメルスプラン会員数増加を目的とした製品ラインアップ拡充、海外コンタクトレンズ事業における大手量販店を通じた販路拡大に注力して参ります。また営業利益率につきましては前期と比較し1.1ポイント良化して6.9%となっており、売上高の伸長に伴う売上総利益の増加及び販売費及び一般管理費の効率的な使用による向上を見込んでおります。
なお、上記指標達成のための具体的な対策は、「第一部 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)経営環境及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(3) 生産、受注及び販売
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は製造原価によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は仕入実績によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態につきましては、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(資産)
当連結会計年度末において総資産は78,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,568百万円の増加となりました。流動資産は現金及び預金の増加により、4,466百万円増加し42,584百万円となりました。また、固定資産は建設仮勘定が増加したことにより、2,101百万円増加し35,690百万円となりました。これらの要因は当社における転換社債型新株予約権付社債の発行により現金及び預金が7,976百万円増加したこと、及び各務原工場における建屋増床に2,132百万円の設備投資を行ったことによるものです。
(負債及び純資産の部)
負債は主に転換社債型新株予約権付社債を発行したことにより、前連結会計年度末に比べ4,141百万円増加し35,725百万円となりました。また、純資産は主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴い利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ2,427百万円増加し42,549百万円となりました。
この結果、自己資本比率は54.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,801百万円増加し19,286百万円(前連結会計年度比24.5%増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益5,727百万円、減価償却費3,656百万円を計上したことにより、7,023百万円の収入(前連結会計年度は7,857百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が4,639百万円あったことにより、4,951百万円の支出(前連結会計年度は900百万円の収入)となりました。主な内訳は各務原工場の建屋増床及び生産設備増設に2,304百万円、関工場における生産設備増設に468百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に転換社債型新株予約権付社債を発行による収入が7,976百万円、長期借入金の返済による支出が2,422百万円、社債の償還による支出が2,636百万円あったことにより、1,825百万円の収入(前連結会計年度は4,196百万円の支出)となりました。
当社グループの資金需要のうち運転資金は、主に自己資金の充当又は金融機関からの借入や社債発行等の負債により調達することとしております。一方、設備投資やその他の投資資金は金融機関からの借入や社債発行等の負債及び資本による調達を基本としております。当期は、コンタクトレンズ製造工場の増床やコンタクトレンズ生産ラインの増設を目的として、転換社債型新株予約権付社債の発行により8,000百万円を調達いたしました。
当社グループは、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、複数の取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループは、経営成績に重要な影響を与える主な要因について下記事項を認識しております。
・ 少子高齢化の進行
少子高齢化によりコンタクトレンズの新規ユーザーの獲得がより一層困難となることが懸念されます。これに対しまして、当社グループは若年層のユーザーの獲得を強化し人生のライフサイクルにあったコンタクトレンズをメルスプランで提供することで顧客の囲い込みを目指します。
・ 代替品(サービス)の存在
同業他社製品のみならずコンタクトレンズの代替サービスであるレーシック手術による視力回復が台頭してきたため、顧客の流出が懸念されます。これに対しまして、当社グループは高品質なサービスと瞳の安全を同時に提供できるメルスプランの営業を推し進めることで顧客流出の防止を目指します。
・ 為替の変動
昨今の不安定な経済環境の中、海外取引割合の増加を計画している当社グループには、為替の変動により財政状態及び経営成績を悪化させる可能性があります。これに対しまして、当社グループは為替ヘッジを活用するなど可能な限りリスクを抑える対応策をとり安定した企業経営を目指します。
当社グループを取り巻くコンタクトレンズ市場におきましては、少子高齢化の進行により新規顧客の獲得が困難となることが想定されます。この課題に対しまして当社グループは、メルスプランの新規顧客数を増加させることを最重要課題と位置付け、日々営業活動に努めております。また、お客様に長くメルスプランを継続して頂けるように、近視・遠視用に加えて乱視用や遠近両用レンズの研究開発を進め、製品ラインアップの拡充を図ります。この施策を推し進めることでメルスプラン会員の退会の抑止効果が期待でき、安定した収益基盤を構築することができると考えております。
当社グループにおける研究開発活動は、①安全を最優先に考えた信頼性の高い製品の開発と、②創造型開発企業として時代を先取りした独創的な製品の開発を基本方針として、取り組んでおります。
当社グループは主に、コンタクトレンズ材料などの素材等を研究開発する総合研究所、生産技術を研究開発するテクノステーション、そして瞳への安全性と製品の有効性を臨床評価する臨床研究所等において研究開発活動を行っております。これらの各機能が密接かつ有機的に連携しながら、素材開発から安全性の評価、さらには生産技術開発までを自社で一貫して行える研究開発体制が当社グループの特徴となっております。
なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
①コンタクトレンズ関連事業
コンタクトレンズにつきましては、1日使い捨てコンタクトレンズの需要が世界的に拡大していることから、この分野における製品ラインアップの拡充に注力しております。特に、より高い酸素透過性を有する付加価値素材であるシリコーンハイドロゲルタイプの1日使い捨てコンタクトレンズは、今後最も成長が期待される分野であり、2016年12月に発売した「1DAYメニコン プレミオ」のラインアップ拡充のための研究開発を進め、2018年9月に乱視用「1DAYメニコン プレミオ トーリック」を発売いたしました。また、同年10月にシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨て遠近両用コンタクトレンズの日本における薬事承認を取得いたしました。さらに、今後需要拡大が見込まれる「1DAYメニコン プレミオ」製品ラインアップの生産能力拡大のため、各務原工場の拡張及び生産ライン増設に伴う開発業務を行いました。
また、シリコーンハイドロゲルタイプの2週間交換コンタクトレンズに関してもさらに製品ラインアップの拡充を図り、2018年12月に老視及び乱視用「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用 トーリック」を発売し、エンドユーザーのきめ細かいニーズへの対応を図っております。
さらに、新しいカテゴリーの創出を目指して、季節を感じて着替えるコンタクトレンズ「フォーシーズン」を2018年11月に新発売いたしました。
海外向け製品につきましては、シリコーンハイドロゲルタイプの1ヵ月交換コンタクトレンズ「Miru 1month Menicon」の米国販売を2018年10月より開始いたしました。
ケア用品につきましては、機能向上及びユーザーの利便性向上の見地より、継続的に製品開発と改善に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費の金額は、
②その他事業
新規事業関連の研究開発活動として、ライフサイエンス事業においては当社オリジナルの自己集合性ペプチドゲルの医療機器としての応用開発を継続して推進しています。環境バイオ事業では、新たな未利用資源再生ビジネスの可能性についての情報収集や研究開発を継続して実施しています。
当事業に係る研究開発費の金額は、