(1)業績
当連結会計年度(平成28年7月~平成29年6月)におけるわが国経済は、「持ち直しが続いているものの、引き続き一服感がみられる。先行きについては、引き続き受注等への期待がみられる一方、人手不足やコストの上昇に対する懸念もある」と平成29年3月の内閣府調査報告で象徴された通り、プラス要素とマイナス要素が相交わる中で、米国トランプ政権の政策実行力及び東アジアの政情が不安視される状況も加わり、全般的に先行き不透明な状況にありました。
当社が属する情報サービス産業においては、依然としてIT人材不足という課題を抱えながらもIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、ビッグデータ、ロボット、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、FinTech(Finance Technology:フィンテック)等の新分野に対する期待感も強まり、引き続き市場は堅調に推移しました。
また、情報漏洩やセキュリティ事故が相次いでいることから、情報システム全体のセキュリティ対策には高い関心が寄せられています。併せて、働き方改革、時短経営が大きな話題となる中、課題解決をITシステムに求める動きも活発になっています。
このような環境の下、平成29年6月期は、中期経営計画の2年目として、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」に取り組みました。
具体的な取組みとして、「事業基盤の安定化」活動については、前年度に引き続き、金融機関の情報化投資、自動車関連業界の設備投資の増加等に照準を合わせ、要員のシフト並びに開発体制の強化を実施することで、売上、営業利益共に順調な伸びを示しました。
「成長要素の強化」活動においては、自社商品であるWebセキュリティソリューション「WebARGUS®:ウェブアルゴス」(*1) と Excel®業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos®:ゾブロス」(*2)を中心に販売・開発体制の強化に取り組みました。
ウェブアルゴスに関しては、販売体制の強化により、大手金融機関への導入が決定した他、大型商談も増加傾向にありました。対象市場も日本国内に止まらず、まず東南アジア市場の開拓を目指し商談活動を開始しました。
また、改ざんされても瞬時に復旧するという「システムレジリエンス思想」に基づく製品のファミリー化を進める中で、商談対応として車載向けIoT版の研究開発、監視カメラへの改ざん対応開発、顧客要望に基づく拡張機能の開発等を通して、ウェブアルゴス適用領域の裾野を広げる活動を進めました。
ゾブロスに関しては、商品の認知度が進んだことや、大手企業グループにおける導入の成功事例がトリガーとなって引合いが大幅に増加し、導入会社数も250社を超えました。また、各種商談を通じてゾブロスが他社製品やサービスと連携して新たな価値を生み出す「オープンイノベーション」構築のプラットフォームとして期待を集めはじめており、ゾブロスを核とする新たなビジネスモデルの開拓にも注力しております。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高10,273,464千円(前期比10.0%増)、営業利益653,975千円(同24.6%増)、経常利益641,359千円(同16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は466,279千円(同32.7%増)となりました。
次にセグメント別の業績は以下のとおりであります。
なお、以下の事業別売上高、セグメント利益(営業利益)は、セグメント間の内部取引相殺前の数値であります。
①ソフトウェア開発事業
ビジネスソリューション事業分野においては、業務系ソフトウェアは金融を中心に通信、運輸、医療製薬等の業種全般が伸びると共に、運用サポートも好調に推移し、売上・利益共に対前年同時期より大幅に伸びました。
エンベデッドソリューション事業分野においては、モバイル関連の需要減を車載関連で代替する施策を進めた結果、全体で増収増益となりました。
自社商品事業分野は、主力としているウェブアルゴスとゾブロスが順調な伸びを示しました。
これらの結果、ソフトウェア開発事業の売上高は9,639,231千円(前期比12.2%増)、セグメント利益は659,212千円(同40.5%増)となりました。
②システム販売事業
カシオ計算機株式会社製中小企業向け経営支援基幹システム「楽一」を主力とする販売ビジネスにおいて、第2四半期までは環境変化への対応が遅れ苦戦を強いられましたが、第3四半期以降は各種施策を通じ改善が見られました。
これらの結果、システム販売事業の売上高は638,881千円(前期比15.7%減)、セグメント損失は7,881千円(前年同期はセグメント利益52,544千円)となりました。
(*1)Webセキュリティソリューション「WebARGUS®(ウェブアルゴス)」は、ウェブサイ卜等の改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる、新しい方式のセキュリティソリューションです。改ざんの瞬間検知から瞬間復旧まで0.1秒未満という性能により、悪質な未知のサイバー攻撃の被害から企業のウェブサイト等を守ると同時に、改ざんされたサイトを通じたウイルス感染や改ざんを原因とする情報漏えいなどの被害拡大を防ぎます。
(*2)Excel®業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos®(ゾブロス)」は、Excel®ベースの非効率な業務を自動化します。短期間で大幅に業務を効率化することができるため、各企業の働き方改革・時短経営を支援します。(Excel®は、米国Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。)
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ249,959千円増加し、1,346,391千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(640,532千円)、売上債権の増額による支出(326,063千円)、仕入債務の増額による収入(75,600千円)、未払金及び未払費用の増額による収入(50,910千円)、法人税等の支払額による支出(237,468千円)などにより221,853千円の収入(前連結会計年度は419,604千円の収入)となりました
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入(132,645千円)、保険積立金の積立による支出(7,946千円)、敷金及び保証金の差入による支出(11,438千円)、敷金及び保証金の回収による収入(20,071千円)などにより125,232千円の収入(前連結会計年度は3,200千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出(32,808千円)、配当金の支払額による支出(89,910千円)、株式の発行による収入(31,950千円)などにより97,844千円の支出(前連結会計年度は212,143千円の支出)となりました。
(1)生産実績
当社グループの事業には生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業 |
10,226,073 |
117.7 |
2,041,206 |
140.8 |
|
システム販売事業 |
644,532 |
88.4 |
72,303 |
109.2 |
|
合計 |
10,870,606 |
115.5 |
2,113,510 |
139.4 |
(注)上記金額は、実際受注額であり、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年7月1日 至 平成29年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業(千円) |
9,635,043 |
112.2 |
|
システム販売事業(千円) |
638,421 |
84.4 |
|
合計(千円) |
10,273,464 |
110.0 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年7月1日 至 平成29年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
三菱総研DCS株式会社 |
964,521 |
10.3 |
988,735 |
9.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。
①5つの基本的な事業戦略
・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化)
・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)
・競合から協業へ(協業による事業拡大)
・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)
・人材調達・人材育成(採って育てる)
②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略
・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成)
・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション)
③今後の具体的なビジネス展開
「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。
「事業基盤の安定化」
・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分
・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充
「成長要素の強化」
・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、海外展開も視野、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大
・xoBlosの商品力強化として、顧客ニーズの高い業務のソリューションの準備を進め、予算実績管理ソリューションをシリーズ第一弾として提供
・新たな自社商品への開発投資
(4)経営環境
平成30年6月期のわが国経済全般においては、「前期と同様、国内外共に不安定要素が継続するものの、景気の持ち直しが予想され底堅さを維持できる見込み」といった予想があります。
当社が属する情報サービス産業では、IoT、ビッグデータ、ロボット、AI等新分野の進展により、ITを活用した新サービスが急速に登場しつつあり、IT投資の活発化が期待されています。
このような環境の下、平成30年6月期は、「事業基盤」と「成長要素」の2軸を事業推進の柱としてきた中期経営計画の3年目となり、過去の取組み成果と反省を踏まえた新たなステージでの経営が求められます。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。
①収益力の強化について
付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。
②人材の確保と育成について
当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進むなか、首都圏では新卒・即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が現状厳しくなっております。
このような状況のなか、当社は地方拠点(松山市、仙台市)の活用により、地元志向の優秀な人材を採用・育成し、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターを構築しております。この地方モデルを他地域に展開することを検討してまいります。
また、協力会社との紐帯強化により、優秀な外注要員の安定的な調達も図ってまいります。
③価格競争への対応について
顧客の更なるコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争はより一層厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(*1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。そのなかで、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。
一方、地方拠点を活用した「高度ニアショア開発」(*2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。
(*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。
(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です。
④内部管理体制の強化について
継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、体制強化に取り組んでまいります。
⑤プロジェクトマネジメントの強化について
不採算案件抑制の取組みとして、一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施する「プロジェクトリスク委員会」を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めてまいります。
⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について
ソフトウェア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。
また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(*3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。
(*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクのすべてを網羅するものではありません。
(1)市場環境に関するリスクについて
①必要な技術の確保について
当業界においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウと開発環境を保有し、かつそれらを継続的に進化させていく必要があります。当社グループにおいては、常に新しい技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備等を進めておりますが、当社グループの想定を超える技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②価格競争激化の可能性について
当業界においては、技術者の不足や人件費の高騰に伴い、安価な労働力を大量に得られる等の理由から、“オフショア開発”を行う企業があります。“オフショア開発”とは、システム開発・運用管理などを海外の事業者や海外子会社に委託することです。現在、アジア諸国企業の日本進出も始まっており、今後価格競争が一層激化することが予測されます。当社グループはこうした状況に対し、営業力や技術力の強化、生産性向上等により対応する所存でありますが、予想以上に競争が激化した場合には当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)当社グループ事業に関するリスクについて
①人材の確保、育成について
当社グループのビジネスソリューション事業及びエンベデッドソリューション事業においては、人材、特に情報処理技術者の能力や資質に大きく依存しております。当業界においては、国内外の競合各社との厳しい競争に直面しており、当社グループは人材こそが他社との差別化戦略のキーであると位置付け、有能なプロ集団としての技術者、業務ノウハウの保有者、管理者等の確保・育成に努めております。しかし、そうした人材の確保・育成が計画通り行えなかった場合、当社グループが受注した案件に対応し得る十分な体制を確保できなくなり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②契約形態の変更について
当社グループのソフトウェア開発事業における顧客との契約形態には、請負契約と派遣契約とがあり、業務の実態に合わせて適切な契約形態を選択しておりますが、派遣契約の場合、顧客の事業場における外注活用が出来ません。当社グループの契約全体に占める派遣契約の割合が増加した場合、技術者の確保に支障が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③不採算プロジェクトについて
当社グループの受託ソフトウェア開発では、業務の性質により受注時に開発規模等を正確に見積もることが困難な場合や受注後の諸条件の変更により、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。
また、当社グループの提供するソフトウェア製品・サービスにおいて、不具合(バグ)の発生やサービス不良等の品質上の問題により手直し等の追加コストの発生や損害賠償が発生する可能性があります。
これらは、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④売上原価について
当社グループの売上原価の大部分は、技術者に係る人件費・外注費で構成されております。当社グループ社員の人件費は固定費であり、当社グループの受注量が急減して稼働率が低下した場合においても、それに応じて技術者に係る人件費が減少するわけではなく、当社グループの収益性が悪化する可能性があります。
また、業界全体で技術者不足が発生した場合、協力会社(外注先)から単価の値上げを求められる可能性があります。
当該値上げ分を顧客への販売単価に転嫁できなかった場合、当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。
(3)その他のリスクについて
①法的規制に関するリスクについて
ソフトウェア開発事業において顧客の事業場へ当社社員を派遣する場合、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」により規制される特定労働者派遣事業に該当するため、当社は厚生労働大臣へ特定労働者派遣事業の届出を行っておりましたが、平成27年9月30日に特定労働者派遣事業を廃止して一般労働者派遣事業に一本化する労働者派遣法の改正が成立したことに伴い、下記の通り一般労働者派遣事業の申請を行い、許認可を受けることができたため、当該法改正に対応することができないリスクはなくなりました。
|
許認可内容 |
許可年月日 |
許可番号 |
|
一般労働者派遣事業 |
平成28年12月1日 |
派13-307019 |
②知的財産権の保護に関するリスクについて
近年、当業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社技術保護、他社との差別化及び競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権の取得・保護活動を行っていく所存であります。当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下により、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的財産について第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟及びその他防衛策を講じる為、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③個人情報・機密情報漏えいに関するリスクについて
当社グループは、業務に関連して顧客や取引先の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。
情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報管理規程をはじめとする諸規程を制定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報につきましては、個人情報保護方針の公表、プライバシーマーク認証の取得等、個人情報漏えいの防止に努めております。
しかしながら、万が一、個人情報・機密情報が外部に漏えいするような事態となった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少又は損害賠償による費用の発生等により、当社グループの事業活動及び業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループは業務の一部について外注委託を活用しており、協力会社(外注先)に対しても一定水準の管理体制を求めております。しかしながら、協力会社(外注先)による情報漏えいが発生した場合、それが協力会社(外注先)に起因するものであっても、当社グループの信用の失墜、損害賠償の請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④情報システムトラブルについて
当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、クラウドサービスの利用やバックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によりシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤財務制限条項について
当社グループの借入金に係る契約の一部について、自己資本と利益に関する財務制限条項が付されている契約があります。業績の悪化等により同条項に抵触した場合、借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じ、当社グループのキャッシュ・フロー及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥投融資について
当社グループでは、将来的な事業との相乗効果や関係強化を期待して、顧客企業や協力会社(外注先)等に対し、投資や融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、事前に調査・検討を行っておりますが、事前に期待した効果が得られない可能性があります。また、投融資先の業績が悪化した場合、減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ストックオプションについて
当社はストックオプション制度を採用しており、当社及び当社の子会社の役員(取締役、監査役)及び従業員に対して会社法の規定に基づき新株予約権を付与しておりましたが、行使期間が平成28年11月28日までで終了し、以降の権利行使はありませんので、当社1株当たりの株式価値が希薄化するリスクはなくなりました。
該当事項はありません。
当社は、ソフトウェア開発事業セグメントにおいて、新製品・新技術の研究・開発に取り組んでおります。研究開発体制については、商品開発部門において合計19名が研究・開発に従事しておりますが、当連結会計年度における研究開発費としては、47,374千円を計上しております。
具体的な成果としては、自社商品「WebARGUS」のエンタープライズ版(顧客要望に基づく運用面の機能拡張)の開発進め、2017年9月リリースの見通しを得ることができました。また、「WebARGUS」技術を核として、組込み開発で培った技術を融合し、IoT機器のプロセッサにおいて主流となっているARMアーキテクチャ上での動作確認を実施し、商品化への準備を進めました。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うに当たり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
①流動資産
前連結会計年度末に比べ646,007千円増加し、3,139,455千円となりました。これは、主に現金及び預金が249,959千円、受取手形及び売掛金が304,679千円それぞれ増加し、商品が483千円減少したことによるものです。
②固定資産
前連結会計年度末に比べ158,059千円減少し、574,442千円となりました。これは、主に投資有価証券が11,938千円増加し、有形固定資産が143,780千円、無形固定資産が7,128千円及び敷金及び保証金が11,842千円それぞれ減少したことによるものです。
③流動負債
前連結会計年度末に比べ88,051千円増加し、1,023,545千円となりました。これは、主に買掛金が75,600千円、未払金が34,394千円及び未払費用が16,515千円それぞれ増加し、未払法人税等が30,965千円及び未払消費税等が17,177千円それぞれ減少したことによるものです。
④固定負債
前連結会計年度末に比べ57,571千円減少し、275,529千円となりました。これは、退職給付に係る負債が16,684千円、長期借入金が32,800千円、その他の負債が8,086千円それぞれ減少したことによるものです。
⑤純資産
前連結会計年度末に比べ457,468千円増加し、2,414,823千円となりました。これは、主に資本金が15,975千円、資本剰余金が15,975千円及び利益剰余金が375,826千円それぞれ増加したことによるものです。
(3)経営成績の分析
①売上高、売上原価(売上総利益)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ931,508千円増加し、10,273,464千円となりました。また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ206,619千円増加し、2,376,877千円となりました。
これは主に金融系業務システム開発事業等が堅調に推移したこと、車載開発の需要等が好調だったことによるものであります。
②販売費及び一般管理費(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ77,569千円増加し、1,722,902千円となりました。これは販売強化のための人件費の増加等の諸経費及び研究開発費の増加が主な要因であります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ129,049千円増加し、653,975千円となりました。
③営業外損益(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は保険金、助成金収入等の計上により18,548千円となり、営業外費用は支払手数料等の計上により31,164千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は641,359千円となりました。
④特別損益(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において、固定資産売却益38,102千円を特別利益に、固定資産売却損38,928千円を特別損失に計上したことにより、税金等調整前当期純利益が640,532千円となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を併せ174,253千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ114,944千円増加し、466,279千円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の環境につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、市場環境の変化や当社事業におけるリスク等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響をあたえることが考えられます。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社の経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中期経営計画で掲げる「5つの事業戦略」に基づいており、「事業基盤」と「成長要素」の2軸で進めております。この2軸については、これまでの「事業基盤の拡充」と「成長要素の整備」からそれぞれ一歩進め、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」として経営の安定と成長に力を入れてまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ249,959千円増加し、1,346,391千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(640,532千円)、売上債権の増額による支出(326,063千円)、仕入債務の増額による収入(75,600千円)、未払金及び未払費用の増額による収入(50,910千円)、法人税等の支払額による支出(237,468千円)などにより221,853千円の収入(前連結会計年度は419,604千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入(132,645千円)、保険積立金の積立による支出(7,946千円)、敷金及び保証金の差入による支出(11,438千円)、敷金及び保証金の回収による収入(20,071千円)などにより125,232千円の収入(前連結会計年度は3,200千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出(32,808千円)、配当金の支払額による支出(89,910千円)、株式の発行による収入(31,950千円)などにより97,844千円の支出(前連結会計年度は212,143千円の支出)となりました。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案及びその実施に努めており、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。具体的には「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。