第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。

 

①5つの基本的な事業戦略

  ・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化)

  ・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)

  ・競合から協業へ(協業による事業拡大)

  ・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)

  ・人材調達・人材育成(採って育てる)

 

②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略

  ・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成)

  ・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション)

 

③今後の具体的なビジネス展開

 「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。

  「事業基盤の安定化」

   ・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分

   ・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充

  「成長要素の強化」

   ・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大、外部サイバーセキュリティ企業との協業によるトータルサイバーセキュリティサービスの提供

   ・Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」、並びに「xoBlos」を核とした予算実績管理ソリューションや各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を備えた商品などの販売促進

   ・新たな自社商品への開発投資

 

(4)経営環境

 わが国経済全般においては、2019年7月に内閣府から「先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響に一層注意するとともに、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」という先行き予想が出されています。

  当社が属する情報サービス産業では、AI、IoT、RPA、Fintech等新分野の進展により、DX(Digital Transformation : デジタル変革)の動きが急速に広がっており、引き続きIT投資の活発化が期待されています。こうした動きを裏付けるように、2019年7月の日銀短観においても、ソフトウェア投資額の計画が全産業平均で前年度比12.4%増加するなど、企業におけるソフトウェア投資意欲は引き続き旺盛と見られます。

 

(5)会社の対処すべき課題

 当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。

 

収益力の強化について

 付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。

 

人材の確保と育成について

 当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進むなか、首都圏では新卒・即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が現状厳しくなっております

 このような状況のなか、当社は地方拠点(松山市、仙台市)の活用により、地元志向の優秀な人材を採用・育成し、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターを構築しております。

 また、当社は社員満足度向上への取り組みを進めて社員の定着に努めてまいります。併せて、協力会社との紐帯強化により、優秀な外注要員の安定的な調達も図ってまいります。

 

価格競争への対応について

顧客のコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争は厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(*1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。そのなかで、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。

一方、地方拠点を活用した「高度ニアショア開発」(*2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。

 

(*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。

(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です

 

内部管理体制の強化について

 継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、引き続き体制強化に取り組んでまいります。

 

プロジェクトマネジメントの強化について

 不採算案件抑制の取組みとして、一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施する「プロジェクトリスク委員会」を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めてまいります。

 

⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について

 ソフトウェア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。

 また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(*3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。

 

(*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクのすべてを網羅するものではありません。


(1)市場環境に関するリスクについて
①必要な技術の確保について
 当業界においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウと開発環境を保有し、かつそれらを継続的に進化させていく必要があります。当社グループにおいては、常に新しい技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備等を進めておりますが、当社グループの想定を超える技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②価格競争激化の可能性について
 当業界においては、技術者の不足や人件費の高騰に伴い、安価な労働力を大量に得られる等の理由から、“オフショア開発”を行う企業があります。“オフショア開発”とは、システム開発・運用管理などを海外の事業者や海外子会社に委託することです。現在、アジア諸国企業の日本進出も始まっており、今後価格競争が一層激化することが予測されます。当社グループはこうした状況に対し、営業力や技術力の強化、生産性向上等により対応する所存でありますが、予想以上に競争が激化した場合には当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)当社グループ事業に関するリスクについて
①人材の確保、育成について
 当社グループのビジネスソリューション事業及びエンベデッドソリューション事業においては、人材、特に情報処理技術者の能力や資質に大きく依存しております。当業界においては、国内外の競合各社との厳しい競争に直面しており、当社グループは人材こそが他社との差別化戦略のキーであると位置付け、有能なプロ集団としての技術者、業務ノウハウの保有者、管理者等の確保・育成に努めております。しかし、そうした人材の確保・育成が計画通り行えなかった場合、当社グループが受注した案件に対応し得る十分な体制を確保できなくなり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。

②契約形態の変更について
 当社グループのソフトウェア開発事業における顧客との契約形態には、請負契約と派遣契約とがあり、業務の実態に合わせて適切な契約形態を選択しておりますが、派遣契約の場合、顧客の事業場における外注活用が出来ません。当社グループの契約全体に占める派遣契約の割合が増加した場合、技術者の確保に支障が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③不採算プロジェクトについて
 当社グループの受託ソフトウェア開発では、業務の性質により受注時に開発規模等を正確に見積もることが困難な場合や受注後の諸条件の変更により、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。
また、当社グループの提供するソフトウェア製品・サービスにおいて、不具合(バグ)の発生やサービス不良等の品質上の問題により手直し等の追加コストの発生や損害賠償が発生する可能性があります。
これらは、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④売上原価について
 当社グループの売上原価の大部分は、技術者に係る人件費・外注費で構成されております。当社グループ社員の人件費は固定費であり、当社グループの受注量が急減して稼働率が低下した場合においても、それに応じて技術者に係る人件費が減少するわけではなく、当社グループの収益性が悪化する可能性があります。
また、業界全体で技術者不足が発生した場合、協力会社(外注先)から単価の値上げを求められる可能性があります。
 当該値上げ分を顧客への販売単価に転嫁できなかった場合、当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。

(3)その他のリスクについて
知的財産権の保護に関するリスクについて
 近年、当業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社技術保護、他社との差別化及び競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権の取得・保護活動を行っていく所存であります。当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下により、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的財産について第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟及びその他防衛策を講じる為、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②個人情報・機密情報漏えいに関するリスクについて
 当社グループは、業務に関連して顧客や取引先の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。
 情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報管理規程をはじめとする諸規程を制定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報につきましては、個人情報保護方針の公表、プライバシーマーク認証の取得等、個人情報漏えいの防止に努めております。
 しかしながら、万が一、個人情報・機密情報が外部に漏えいするような事態となった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少又は損害賠償による費用の発生等により、当社グループの事業活動及び業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループは業務の一部について外注委託を活用しており、協力会社(外注先)に対しても一定水準の管理体制を求めております。しかしながら、協力会社(外注先)による情報漏えいが発生した場合、それが協力会社(外注先)に起因するものであっても、当社グループの信用の失墜、損害賠償の請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③情報システムトラブルについて
 当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、クラウドサービスの利用やバックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によりシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④投融資について
 当社グループでは、将来的な事業との相乗効果や関係強化を期待して、顧客企業や協力会社(外注先)等に対し、投資や融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、事前に調査・検討を行っておりますが、事前に期待した効果が得られない可能性があります。また、投融資先の業績が悪化した場合、減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

[経営成績等の状況の概要]

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度(2018年7月1日~2019年6月30日)における我が国経済は、相次ぐ自然災害や米中貿易摩擦の激化などの影響もあり、一部に弱さが見られましたが、好調な米国景気と設備投資を中心とした内需に支えられ、全体としては緩やかな回復基調が続きました。

 当社が属する情報サービス産業においては、DX(Digital Transformation : デジタル変革)の実現を加速するAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、RPA(Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットによる業務の自動化・効率化)、FinTech(Financial Technology:金融サービスと情報技術を結びつけた革新的な動き)等、新分野の本格的な展開に伴って国内企業のIT投資の拡大局面が続いており、当社グループにとってもビジネス参入機会の増加と事業領域の拡大に繋がっております。

 また、情報漏洩等のサイバーセキュリティ事故が相次いでいることから、情報システム全体の「セキュリティ対策強化」に対する機運が高まっていることや、我が国全体の課題となっている「働き方改革」には引き続き高い関心が寄せられており、これらに対して有効なソリューションを有する当社グループの追い風になっております。

 

 このような環境の下、当社グループでは、中期経営計画として次の「5つの事業戦略」を掲げ、積極的な取り組みを継続しております。

  ・リノベーション(既存事業の改革による経営の安定化)

  ・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)

  ・競合から協業へ(協業による事業拡大)

  ・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)

  ・人材調達・人材育成(採って育てる)

 

 2019年6月期は、中期経営計画の初年度として、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸の事業方針を継続し、2021年6月期までの中期経営目標として掲げているトリプル10(*)の達成に向けて、新たなステージで経営を進めてまいりました。その結果、2019年6月期についても、営業利益10億円という目標を計画通りに達成することができました。

(*)トリプル10

  ・2017年6月期売上100億円(達成済み)

  ・2019年6月期営業利益10億円(達成済み)

  ・2021年6月期営業利益率10%

 

 こうした取り組みの中で、「リノベーション」については、主に金融機関の情報化投資の継続と自動車関連業界の設備投資の増加に伴い、堅調な伸びを示しました。
 「イノベーション」については、独自技術による自社商品であるWebセキュリティソリューション「WebARGUS:ウェブアルゴス」及び
Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos:ゾブロス」の従来から進めている商品力拡充と販売強化の効果により、順調な伸びを示しました。

 また、前年度は好調部門が牽引し、不調部門の落ち込みをカバーしていましたが、当連結会計年度は全般的に利益の改善が図られ、営業利益率が1.8ポイント上昇し、8.9%となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高12,355,774千円(前期比11.5%増)、営業利益1,095,152千円(同39.0%増)、経常利益1,106,433千円(同39.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は737,962千円(同38.8%増)となりました。

 

セグメント別の業績は以下のとおりであります。

 なお、以下の事業別売上高、セグメント利益(営業利益)及びセグメント損失(営業損失)は、セグメント間の内部取引相殺前の数値であります。

 

①ソフトウェア開発事業

 ビジネスソリューション事業分野は、金融系業務システム開発、運用サポート事業が堅調な伸びを示すとともに、流通系、公共系システム開発が伸長するなど、既存顧客を中心とした受注が引き続き順調に推移しました。

 エンベデッドソリューション事業分野は、引き続き車載機器関連が順調な伸びを示しており、中でもコネクテッドカー関連の受注の増加があり、好調な結果となりました。

 自社商品事業分野は、これまでの商品戦略と販売戦略の成果により、順調な伸びとなりました。WebARGUSについては、大規模ユーザーへの段階的導入が進むとともに外部サイバーセキュリティ専門会社との協業を進めた結果、販売機会が広がりました。また、xoBlosについては、RPAやERP等の各種システムが持つ特定の情報にxoBlosを介して別の視点のデータを加え、データの価値を高めるxoBlosプラスワン構想を推進し、引合いが大幅に増えました。

 

 これらの結果、ソフトウェア開発事業の売上高は11,677,447千円(前期比11.6%増)、セグメント利益は1,041,831千円(同30.4%増)となりました。

 

②システム販売事業

カシオ計算機株式会社製中小企業向け業務・経営支援システム「楽一」を主力とする販売ビジネスにおいて、改元に伴う対応や消費税増税に伴う軽減税率対応などによるシステムの入替え、改修関連の販売が伸びたことにより、売上高、及びセグメント利益を伸ばすことができました。

 

これらの結果、システム販売事業の売上高は681,925千円(前期比9.1%増)、セグメント利益は53,255千円(前年同期はセグメント損失10,650千円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

①流動資産

前連結会計年度末に比べ536,173千円増加し、3,933,499千円となりました。これは、主に現金及び預金が213,380千円、売掛金が330,121千円それぞれ増加したことによるものです。

 

②固定資産

前連結会計年度末に比べ36,000千円増加し、721,885千円となりました。これは、主に有形固定資産が17,235千円、投資有価証券が19,922千円、敷金及び保証金が13,818千円それぞれ増加し、無形固定資産が7,873千円、繰延税金資産が12,962千円それぞれ減少したことによるものです。

 

③流動負債

前連結会計年度末に比べ297,119千円増加し、1,601,710千円となりました。これは、主に買掛金が64,678千円、未払金が158,516千円及び未払消費税等が30,163千円、その他が21,696千円それぞれ増加したことによるものです。

 

④固定負債

前連結会計年度末に比べ50,743千円減少し、105,966千円となりました。これは、主に長期未払金が67,522千円減少し、その他が16,375千円増加したことによるものです。

 

⑤純資産

前連結会計年度末に比べ325,797千円増加し、2,947,708千円となりました。これは、主に利益剰余金が538,265千円増加し、自己株式の取得により209,780千円減少したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ207,302千円増加し、1,834,712千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(1,038,162千円)、売上債権の増額による支出(330,121千円)、未払金及び未払費用の増額による収入(123,406千円)、長期未払金の減額による支出(67,522千円)、法人税等の支払額による支出(270,595千円)などにより693,823千円の収入(前連結会計年度は747,312千円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出(41,669千円)、敷金及び保証金の差入による支出(22,842千円)などにより70,412千円の支出(前連結会計年度は94,208千円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額による支出(198,013千円)、自己株式の取得による支出(209,780千円)などにより415,791千円の支出(前連結会計年度は373,846千円の支出)となりました。

(4)生産、受注及び販売の実額

 ①生産実績

 当社グループの事業には生産に該当する事項がないため、記載を省略しております

 

  ②受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発事業

11,941,128

114.0

2,321,225

112.9

システム販売事業

714,222

119.0

88,322

167.7

合計

12,655,351

114.3

2,409,547

114.3

 (注)上記金額は、実際受注額であり、消費税等は含まれておりません。

 

  ③販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発事業(千円)

11,677,207

111.7

システム販売事業(千円)

678,567

109.5

合計(千円)

12,355,774

111.5

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析]

 

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うに当たり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)経営成績の分析

①売上高、売上原価(売上総利益)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,278,850千円増加し、12,355,774千円となりました。また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ354,852千円増加し、2,949,917千円となりました。

これは主に金融系業務システム開発事業が堅調に推移したこと、流通系・公共系システム開発が伸長したこと及び車載開発の需要等が好調だったことによるものであります。

 

②販売費及び一般管理費(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ47,479千円増加し、1,854,764千円となりました。これは販売強化のための人件費の増加が主な要因であります。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ307,372千円増加し、1,095,152千円となりました。

 

③営業外損益(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は受取保険金、助成金収入等の計上により17,382千円となり、営業外費用は支払手数料、事務所移転費用等の計上により6,102千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は1,106,433千円となりました。

 

④特別損益(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度において、投資有価証券評価損68,270千円の計上により、税金等調整前当期純利益は1,038,162千円となりました。

 

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を併せ300,200千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ206,260千円増加し、737,962千円となりました。

 

(3)財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、[経営成績等の状況の概要](2)財政状態の状況に記載のとおりであります。

なお、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の導入による自己株式の増加により、自己資本比率は減少しましたが、利益剰余金の増加により純資産の額は増加いたしました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、[経営成績等の状況の概要](3)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

なお、当社は営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、運転資金は手元資金でまかなえると考えおります。

また、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、取引先との関係強化による投資有価証券の取得、売上等の増加に伴う人員増員による増床等により敷金及び保証金の差入による支出がありましたが、手元資金でまかなえるものでした。

当座借越契約は継続しておりますので、急な運転資金増加にも対応できると考えておりますが、大幅な人員の増加、設備投資等が必要になった際には、改めて借入実行等を適宜判断してまいります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

2019年6月期

自己資本比率(%)

53.5

60.7

65.0

64.2

63.3

時価ベースの

自己資本比率(%)

611.6

504.7

418.6

412.3

587.3

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.9

0.2

0.2

0.0

0.0

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

45.2

214.5

169.0

1,880.2

1,793.1

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 

(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の発展を通じて企業価値の継続的向上を目指しており、売上高成長率、営業利益率、経常利益率、および1株当たりの当期純利益を重要な経営指標と位置付け、その向上に努めてまいります。

2019年6月期の達成状況は、これら全ての経営指標において計画を上回りました。また、ROE(自己資本利益率)については、20%以上を維持することが出来ました。

 

これは、ソフトウェア開発事業が順調に売上と利益を伸ばすことが出来たことによるものですが、同事業分野のうち、ビジネスソリューション事業では、金融系業務システム開発や運用サポート事業において主要顧客との取引が順調に拡大したことなどから全体として堅調な伸びを示したこと、また、エンベデッドソリューション事業では、車載関連システム開発・検証業務が大きく伸び、全体として力強い伸びを示したことが大きな要因です。

 

指標(2019年6月期)

 

計画

実績

計画比

売上高

 

11,904百万円

12,355百万円

451百万円増(3.7%増)

営業利益

営業利益率

1,000百万円

8.4%

1,095百万円

8.8%

95百万円増(9.5%増)

0.4%増

経常利益

経常利益率

997百万円

8.3%

1,106百万円

8.9%

109百万円増(10.9%増)

0.6%増

1株当たり当期純利益

 

43.37円

48.07円

4.7円増(10.8%増)

ROE(自己資本利益率)

 

 

26.5%

-

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の環境につきましては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、市場環境の変化や当社事業におけるリスク等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響をあたえることが考えられます。

 

(7)経営戦略の現状と見通し

当社の経営戦略につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、中期経営計画で掲げる「5つの事業戦略」に基づいており、「事業基盤」と「成長要素」の2軸で進めております。この2軸については、これまでの「事業基盤の拡充」と「成長要素の整備」からそれぞれ一歩進め、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」として経営の安定と成長に力を入れてまいります。

また、当社の中期経営目標でありますトリプル10の達成に向けた状況につきましては、2017年6月期の売上100億円は既に達成済であり、2019年6月期の営業利益10億円もこのたび達成いたしました。これは2018年6月期の営業利益の実績(787百万円)比で26.9%増の高い目標ではありましたが、「事業基盤の安定化」が順調に進んだこと、「成長要素の強化」が予定通り進んだことから計画を上回って達成することができました。次の目標である2021年6月期の営業利益率10%につきましては、更なる「成長要素の強化」が必須条件であり、引き続き、グループ一丸となって目標達成に向けて取り組んで参ります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は、ソフトウェア開発事業セグメントにおいて、自社商品に改良を加えた新商品の研究・開発や、業務提携先等との新商品・新技術の研究・開発に継続して取り組んでおります。

 なお、当連結会計年度における研究開発費としては、3,383千円を計上しております。