文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。
①5つの基本的な事業戦略
・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化)
・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)
・競合から協業へ(協業による事業拡大)
・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)
・人材調達・人材育成(採って育てる)
②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略
・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成)
・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション)
③今後の具体的なビジネス展開
「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。
「事業基盤の安定化」
・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分
・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充
「成長要素の強化」
・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大、外部サイバーセキュリティ企業との協業によるトータルサイバーセキュリティサービスの提供
・Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」や各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を備えた商品などの販売促進
・新たな自社商品への開発投資
(4)経営環境
わが国経済全般については、2020年7月に内閣府より「先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくなかで、各種政策の効果もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるが、感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある。また、令和2年7月豪雨等の経済に与える影響や金融資本市場の変動に十分留意する必要がある。」という先行き見通しが出されています。
当社が属する情報サービス産業では、AI、IoT、RPA等新分野の進展により、DXの動きが広がっていましたが、コロナ禍においてデジタル化の重要性がより一層認識されており、引き続き底堅いIT投資が期待されます。こうした動きを裏付けるように、2020年7月の日銀短観においても、ソフトウェア投資額の計画が全産業平均で前年度比4.8%増加するなど、企業におけるソフトウェア投資意欲は減退することなく、今後も増加傾向が続いていくと想定されています。
しかしながら、コロナ禍により大きな影響を受けている顧客も多いため、当社事業への影響を最小化できるよう慎重に臨む必要があります。また、先行き不透明な状態が続くことが想定され、当社の強みである変化対応力を生かす必要があります。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。
①収益力の強化について
付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。
②人材の確保と育成について
当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進むなか、首都圏では新卒・即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が現状厳しくなっております。
このような状況のなか、当社は地方拠点(松山市、仙台市)の活用により、地元志向の優秀な人材を採用・育成し、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターを構築しております。
また、当社は社員満足度向上への取り組みを進めて社員の定着に努めてまいります。併せて、協力会社との紐帯強化により、優秀な外注要員の安定的な調達も図ってまいります。
③価格競争への対応について
顧客のコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争は厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(*1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。そのなかで、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。
一方、地方拠点を活用した「高度ニアショア開発」(*2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。
(*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。
(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です。
④内部管理体制の強化について
継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、引き続き体制強化に取り組んでまいります。
⑤プロジェクトマネジメントの強化について
不採算案件抑制の取組みとして、一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施する「プロジェクトリスク委員会」を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めてまいります。また、プロジェクトマネジメント推進部を設置運営し、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理等全般を統括し、収益性と顧客満足度の向上を図ってまいります。
⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について
ソフトウェア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。
また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(*3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。
(*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクのすべてを網羅するものではありません。
(1)市場環境に関するリスクについて
①必要な技術の確保について
当業界においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウと開発環境を保有し、かつそれらを継続的に進化させていく必要があります。当社グループにおいては、常に新しい技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備等を進めておりますが、当社グループの想定を超える技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②価格競争激化の可能性について
当業界においては、技術者の不足や人件費の高騰に伴い、安価な労働力を大量に得られる等の理由から、“オフショア開発”を行う企業があります。“オフショア開発”とは、システム開発・運用管理などを海外の事業者や海外子会社に委託することです。現在、アジア諸国企業の日本進出も始まっており、今後価格競争が一層激化することが予測されます。当社グループはこうした状況に対し、営業力や技術力の強化、生産性向上等により対応する所存でありますが、予想以上に競争が激化した場合には当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③新型コロナウィルス感染拡大に伴うリスクについて
国内IT投資の中長期的な拡大傾向は変わらないものと考えておりますが、新型コロナウィルス感染拡大による当社業績への影響が生ずる可能性があります。感染収束までにかかる期間にもよって影響の大きさは変わりますが、具体的には、営業活動が進まない、お取引先企業の業績悪化に伴ってIT投資が抑制される、などが想定されます。
(2)当社グループ事業に関するリスクについて
①人材の確保、育成について
当社グループのビジネスソリューション事業及びエンベデッドソリューション事業においては、人材、特に情報処理技術者の能力や資質に大きく依存しております。当業界においては、国内外の競合各社との厳しい競争に直面しており、当社グループは人材こそが他社との差別化戦略のキーであると位置付け、有能なプロ集団としての技術者、業務ノウハウの保有者、管理者等の確保・育成に努めております。しかし、そうした人材の確保・育成が計画通り行えなかった場合、当社グループが受注した案件に対応し得る十分な体制を確保できなくなり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②契約形態の変更について
当社グループのソフトウェア開発事業における顧客との契約形態には、請負契約と派遣契約とがあり、業務の実態に合わせて適切な契約形態を選択しておりますが、派遣契約の場合、顧客の事業場における外注活用が出来ません。当社グループの契約全体に占める派遣契約の割合が増加した場合、技術者の確保に支障が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③不採算プロジェクトについて
当社グループの受託ソフトウェア開発では、業務の性質により受注時に開発規模等を正確に見積もることが困難な場合や受注後の諸条件の変更により、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。
また、当社グループの提供するソフトウェア製品・サービスにおいて、不具合(バグ)の発生やサービス不良等の品質上の問題により手直し等の追加コストの発生や損害賠償が発生する可能性があります。
これらは、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④売上原価について
当社グループの売上原価の大部分は、技術者に係る人件費・外注費で構成されております。当社グループ社員の人件費は固定費であり、当社グループの受注量が急減して稼働率が低下した場合においても、それに応じて技術者に係る人件費が減少するわけではなく、当社グループの収益性が悪化する可能性があります。
また、業界全体で技術者不足が発生した場合、協力会社(外注先)から単価の値上げを求められる可能性があります。
当該値上げ分を顧客への販売単価に転嫁できなかった場合、当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。
(3)その他のリスクについて
①知的財産権の保護に関するリスクについて
近年、当業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社技術保護、他社との差別化及び競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権の取得・保護活動を行っていく所存であります。当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下により、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的財産について第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟及びその他防衛策を講じる為、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
②個人情報・機密情報漏えいに関するリスクについて
当社グループは、業務に関連して顧客や取引先の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。
情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報管理規程をはじめとする諸規程を制定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報につきましては、個人情報保護方針の公表、プライバシーマーク認証の取得等、個人情報漏えいの防止に努めております。
しかしながら、万が一、個人情報・機密情報が外部に漏えいするような事態となった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少又は損害賠償による費用の発生等により、当社グループの事業活動及び業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループは業務の一部について外注委託を活用しており、協力会社(外注先)に対しても一定水準の管理体制を求めております。しかしながら、協力会社(外注先)による情報漏えいが発生した場合、それが協力会社(外注先)に起因するものであっても、当社グループの信用の失墜、損害賠償の請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
③情報システムトラブルについて
当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、クラウドサービスの利用やバックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によりシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④投融資について
当社グループでは、将来的な事業との相乗効果や関係強化を期待して、顧客企業や協力会社(外注先)等に対し、投資や融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、事前に調査・検討を行っておりますが、事前に期待した効果が得られない可能性があります。また、投融資先の業績が悪化した場合、減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
[経営成績等の状況の概要]
(1)経営成績の状況
当連結会計年度(2019年7月1日~2020年6月30日)における経営環境は、米中貿易摩擦や大型台風、消費税増税などの影響から、先行きへの懸念が出始めていたところに、2020年に入り、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大(パンデミック)が発生し、経済への大きな打撃が避けられない状況となりました。
一方、当社が属する情報サービス産業においては、これまで、DX(Digital Transformation : デジタル変革)の実現を加速するAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、RPA(Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットによる業務の自動化・効率化)等、新分野の本格的な展開に伴って国内企業のIT投資の拡大局面が続き、当社グループにとってもビジネス参入機会の増加と事業領域の拡大に繋がっておりました。
また、情報漏洩等のサイバーセキュリティ事故が相次いでいることから、情報システム全体の「セキュリティ対策強化」に対する機運が高まっていることや、我が国全体の課題となっている「働き方改革」には引き続き高い関心が寄せられており、これらに対して有効なソリューションを有する当社グループの追い風になっておりました。
このような環境の下、当社グループでは、中期経営計画として次の「5つの事業戦略」を掲げ、積極的な取り組みを継続しております。
・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化)
・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)
・競合から協業へ(協業による事業拡大)
・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)
・人材調達・人材育成(採って育てる)
2020年6月期は、今中期経営計画の2年目として、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸の事業方針を継続し、2021年6月期までの中期経営目標として掲げているトリプル10(*)の達成に向けて経営施策を進めてまいりましたが、2021年6月期の目標である営業利益率10%については1年前倒しの2020年6月期に達成することができました。
(*)トリプル10
・2017年6月期売上100億円(達成済み)
・2019年6月期営業利益10億円(達成済み)
・2021年6月期営業利益率10%(2020年6月期に達成済み)
こうした取組みの中で、「リノベーション」については、業種を問わない底堅い情報化投資に加え、自動車関連業界の設備投資の増加、更には消費税増税に伴う軽減税率対応への駆け込み需要などが重なり、大幅な伸びを示しました。
「イノベーション」については、独自技術による自社商品であるWebセキュリティソリューション「WebARGUS:ウェブアルゴス」(*1)およびExcel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos:ゾブロス」(*2)の従来から進めている商品力拡充と販売強化の効果により、着実な伸びを示しました。
また、コロナ禍の影響は少なからずありましたが、全般的な利益の改善傾向が継続したため、営業利益率は1.1ポイント上昇し、10.0%となりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高13,495,896千円(前期比9.2%増)、営業利益1,352,372千円(同23.5%増)、経常利益1,357,890千円(同22.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は978,680千円(同32.6%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
なお、以下の事業別売上高、セグメント利益(営業利益)及びセグメント損失(営業損失)は、セグメント間の内部取引相殺前の数値であります。
①ソフトウェア開発事業
ビジネスソリューション事業分野(業務システム開発、運用サポート)は、既存顧客を中心とした受注が引き続き順調に推移しました。業務システム開発ではコロナ禍により一部の一括請負案件の検収が翌期に延びた金融系業務システム開発と、前年度に大型の受注案件があった流通系業務システム開発が伸び悩みましたが、公共系、製造業向けシステム開発を中心に利益率の高い案件へのシフトが進んだことと、ニアショア効果が発揮し出したことから、全体として利益面が改善しました。運用サポートでは既存顧客との取引拡大が進むとともに、新規顧客開拓が功を奏し、大幅な伸びを示してビジネスソリューション事業の伸びをリードしました。
エンベデッドソリューション事業分野(組込みシステム開発、組込みシステム検証)は、次の戦略的な取り組みが功を奏し、力強い伸びを示しました。組込みシステム開発では車載関連、IoT関連への領域拡大を順調に進めることができ、売上・利益共に大幅な伸びを示しました。また、組込みシステム検証では車載関連へのシフトを進めたことにより、売上・利益共に着実にアップしました。
自社商品事業分野は、これまでの商品戦略と販売戦略の成果により、通期では前年を上回りましたが、コロナ禍の影響で3月から5月の商談がほぼストップし、厳しい事態となりました。係る状況において、サイバーセキュリティビジネスについては、WebARGUSが販売以来最大の大規模ユーザーでの稼働を開始しました。また、外部サイバーセキュリティ専門会社 (シンガポールのセキュアエイジ社やフィンランドのSSH Communications Security社)との協業を進めるなど、WebARGUSを核としたトータルセキュリティサービスのラインナップ拡充に努め、商品力を強化しました。業務効率化ビジネスについては、子会社であるDITマーケティングサービス株式会社(2019年7月1日付けで東洋インフォネット株式会社より商号変更)と一体となったxoBlosの販売体制を構築したことにより、コロナ禍の中でも順調な伸びを示すことができました。また、RPAやERP等の各種システムが持つ特定の情報にxoBlosを介して別の視点のデータを加え、データの価値を高めるxoBlosプラスワン構想の推進に努め、商品力を強化しました。
これらの結果、ソフトウェア開発事業の売上高は12,760,112千円(前期比9.3%増)、セグメント利益は1,271,057千円(同22.0%増)となりました。
②システム販売事業
カシオ計算機株式会社製中小企業向け業務・経営支援システム「楽一」を主力とする販売ビジネスにおいて、消費税増税に伴う軽減税率対応やWindows7サポート終了対応などによるシステムの入替え、改修関連の販売が大きく伸びた事により、売上高、及びセグメント利益を伸ばす事が出来ました。
これらの結果、システム販売事業の売上高は756,395千円(前期比10.9%増)、セグメント利益は84,230千円(同58.2%増)となりました。
(2)財政状態の状況
①流動資産
前連結会計年度末に比べ656,569千円増加し、4,590,069千円となりました。これは、主に現金及び預金が558,966千円、仕掛金が91,172千円それぞれ増加したことによるものです。
②固定資産
前連結会計年度末に比べ52,140千円増加し、774,025千円となりました。これは、主にソフトウエアが12,455千円、繰延税金資産が57,218千円がそれぞれ増加し、有形固定資産が11,694千円、投資有価証券が6,729千円それぞれ減少したことによるものです。
③流動負債
前連結会計年度末に比べ33,191千円増加し、1,634,901千円となりました。これは、主に買掛金が24,220千円、未払法人税等が133,985千円及び未払消費税等が62,209千円それぞれ増加し、未払金が105,305千円及び未払費用が56,468千円それぞれ減少したことによるものです。
④固定負債
前連結会計年度末に比べ37,049千円減少し、68,916千円となりました。これは、主に長期未払金が63,089千円減少し、株式給付引当金が37,160千円増加したことによるものです。
⑤純資産
前連結会計年度末に比べ712,568千円増加し、3,660,276千円となりました。これは、主に利益剰余金が702,178千円、その他有価証券評価差額金が10,616千円それぞれ増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ558,756千円増加し、2,393,468千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(1,335,160千円)、棚卸資産の増額による支出(82,511千円)、未払金及び未払費用の増額による支出(111,814千円)、長期未払金の減額による支出(63,089千円)、法人税等の支払額による支出(301,319千円)などにより927,525千円の収入(前連結会計年度は693,823千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出(50,657千円)、無形固定資産の取得による支出(19,525千円)などにより80,734千円の支出(前連結会計年度は70,412千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額による支出(275,811千円)、リース債務の返済による支出(11,996千円)などにより287,930千円の支出(前連結会計年度は415,791千円の支出)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実額
①生産実績
当社グループの事業には生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業 |
12,946,740 |
108.4 |
2,526,303 |
108.8 |
|
システム販売事業 |
714,035 |
100.0 |
63,357 |
71.7 |
|
合計 |
13,660,775 |
107.9 |
2,589,661 |
107.5 |
(注)上記金額は、実際受注額であり、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業(千円) |
12,756,896 |
109.2 |
|
システム販売事業(千円) |
739,000 |
108.9 |
|
合計(千円) |
13,495,896 |
109.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析]
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うに当たり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルスの感染拡大による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(2)経営成績の分析
①売上高、売上原価(売上総利益)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,140,122千円増加し、13,495,896千円となりました。また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ373,489千円増加し、3,323,406千円となりました。
これは主に事業ポートフォリオの見直しにより高利益案件に戦略的にシフトしたこと、運用サポートが新規顧客開拓により伸長したこと及び車載開発の需要等が好調だったことによるものであります。
②販売費及び一般管理費(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ116,269千円増加し、1,971,034千円となりました。これは販売強化のための人件費の増加が主な要因であります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ257,219千円増加し、1,352,372千円となりました。
③営業外損益(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は受取手数料、保険解約返戻金等の計上により9,335千円となり、営業外費用は支払利息、為替差損等の計上により3,817千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は1,357,980千円となりました。
④特別損益(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において、投資有価証券評価損22,729千円の計上により、税金等調整前当期純利益は1,335,160千円となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を併せ356,480千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ240,717千円増加し、978,680千円となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、[経営成績等の状況の概要](2)財政状態の状況に記載のとおりであります。
なお、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の導入による将来の支出に備えるための株式給付引当金を計上しましたが、利益剰余金の増加により純資産の額は増加し、自己資本比率は68.2%まで増加いたしました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、[経営成績等の状況の概要](3)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
なお、当社は営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、運転資金は手元資金でまかなえると考えおります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、取引先との関係強化による投資有価証券の取得、基幹システム強化による無形固定資産の取得による支出がありましたが、手元資金でまかなえるものでした。
当座借越契約は継続しておりますので、急な運転資金増加にも対応できると考えておりますが、大幅な人員の増加、設備投資等が必要になった際には、改めて借入実行等を適宜判断してまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2016年6月期 |
2017年6月期 |
2018年6月期 |
2019年6月期 |
2020年6月期 |
|
自己資本比率(%) |
60.7 |
65.0 |
64.2 |
63.3 |
68.2 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
504.7 |
418.6 |
412.3 |
587.3 |
403.9 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
0.2 |
0.2 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
214.5 |
169.0 |
1,880.2 |
1,793.1 |
1,627.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の発展を通じて企業価値の継続的向上を目指しており、売上高成長率、営業利益率、経常利益率、および1株当たりの当期純利益を重要な経営指標と位置付け、その向上に努めてまいります。
2020年6月期の達成状況は、これら全ての経営指標において計画を上回りました。また、ROE(自己資本利益率)については、20%を大きく超過して達成することが出来ました。
これは、ソフトウェア開発事業が順調に売上と利益を伸ばすことが出来たことによるものですが、同事業分野のうち、ビジネスソリューション事業では、業務システム開発において利益率の高い案件へのシフトが進んだこと、ニアショア効果が出てきたこと、運用サポートが大幅な伸びを示したこと、また、エンベデッドソリューション事業では、車載関連システム開発・検証業務が大きく伸びたこと、IoT関連領域への取引拡大が進んだことが大きな要因です。
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指標(2020年6月期)
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計画 |
実績 |
計画比 |
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売上高
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13,030百万円 |
13,495百万円 |
465百万円増(3.6%増) |
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営業利益 営業利益率 |
1,180百万円 9.06% |
1,352百万円 10.02% |
172百万円増(14.6%増) 0.96%増 |
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経常利益 経常利益率 |
1,177百万円 9.03% |
1,357百万円 10.06% |
180百万円増(15.3%増) 1.03%増 |
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1株当たり当期純利益
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51.81円 |
64.18円 |
12.37円増(23.9%増) |
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ROE(自己資本利益率)
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29.6% |
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(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の環境につきましては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、市場環境の変化や当社事業におけるリスク等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響をあたえることが考えられます。
なお、2021年6月期におきましては、特に新型コロナウィルスの感染拡大による業績への影響があると考えますので、以下に追記いたします。
①新型コロナウィルス感染拡大の影響について
2021年6月期におきましては、新型コロナウィルスの感染拡大によって当社業績が影響を受ける可能性があります。これは感染収束までにかかる期間にもよりますが、コロナ禍によって業績が悪化した顧客においてIT予算が削減されることが予想されます。一方で、3密回避を前提とした様々な生活様式のオンライン化(テレワーク・医療・買い物・教育・娯楽等)が急速に進展しつつありますので、それらを支えるIT化・デジタル化のニーズは今後も高まるものと予想されます。また、当社の強みである幅広い顧客基盤においては、医療・製薬、通信、公共分野などコロナ禍の影響が比較的小さい業種の顧客も多く、また、企業のテレワークなど大きな環境変化が起因して運用サポート領域での需要が高まっていることから、こうした顧客や領域での取引拡大に努めてマイナス影響を補うことで、コロナ禍の影響を最小限に留めるように取り組んでまいります。
(7)経営戦略の現状と見通し
当社の経営戦略につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、中期経営計画で掲げる「5つの事業戦略」に基づいており、「事業基盤」と「成長要素」の2軸で進めております。この2軸については、これまでの「事業基盤の拡充」と「成長要素の整備」からそれぞれ一歩進め、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」として経営の安定と成長に力を入れてまいります。
また、当社の中期経営目標でありますトリプル10の達成に向けた状況につきましては、2017年6月期の売上100億円、ならびに2019年6月期の営業利益10億円は既に達成済でしたが、このたび2021年6月期の目標でありました営業利益率10%につきましても1年前倒しで達成いたしました。これは「事業基盤の安定化」が順調に進んだこと、「成長要素の強化」が予定通り進んだことによるものでありますが、2021年6月期も引き続き、利益率を重視した経営に取り組んで参ります。
なお、新型コロナウィルスの感染収束時期がいまだ見通せないことから、当社業績への影響は不透明ではありますが、プラス要素とマイナス要素が相殺されるという想定のもと、2021年6月期の業績予想を開示させて頂いております。今後の業績への影響は十分注視しながら、修正が必要な場合には速やかに開示してまいります。
該当事項はありません。
当社は、ソフトウェア開発事業セグメントにおいて、自社商品に改良を加えた新商品の研究・開発や、業務提携先等との新商品・新技術の研究・開発に継続して取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費としては、