第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある以下の事項が発生したため、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、以下に記載の「M&Aについて」を追加いたしました。

 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

・M&Aについて

当社は、既存の事業基盤を拡大するため、あるいは新たな事業への進出等のため、事業戦略の一環としてM&A戦略を推進してまいります。M&Aを行う場合は、その対象企業の経営内容や財務内容等について厳密にデューデリジェンスを行うことにより、買収によるリスクを極力回避することが必要と認識しております。買収後において予期せぬ偶発債務等の発生や、事業環境の変化等により、当社が想定したシナジーや事業拡大の成果が得られず、減損損失が発生するなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期累計期間(自 2020年3月1日 至 2020年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、依然として厳しい状況にあります。感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果もあり、個人消費等に持ち直しの動きがみられますが、先行き不透明な状態が続くと想定されます。

 当社を取り巻く国内ITサービス市場においては、IoT(注1)、AI(注2)などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が一層その存在感を強めていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、時間と場所を有効に活用できる柔軟な労働環境の急速な整備が求められており、アフター/ウィズコロナ時代の新しい働き方としてリモートワーク・テレワーク環境の導入など新たなクラウド需要が発生し急速に普及が進んでおります。柔軟性と変化対応のスピードが要求される新しいビジネス領域は、パブリッククラウドに支えられた新たなデジタル技術を前提として拡大しており、中長期的には当該市場は堅調な成長が見込まれると予想される一方、クラウド導入には「文化」「組織」「人材/スキル」の変革や強化が重要となる中で多くの企業が課題を抱えており、短期的にはIT投資の抑制や導入プロジェクトの中止・遅延も見られ、2020年の国内パブリッククラウドサービス市場は成長が鈍化している状況です。世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注3)」)は依然高い成長率を維持しながら順調に市場を拡大しています。

 なお、当社では、従来よりテレワークをはじめとした柔軟な働き方に対応した労働環境や制度の整備を積極的に推進しております。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社内外への感染防止と全従業員の安全確保を最優先とすべくテレワーク体制を一層強化し、警戒レベルに合わせて、原則出社禁止や在宅勤務を推奨しつつ各オフィスキャパシティの半分を目安とした分散出社などを実施、また、テレワークに伴う毎月2万円の在宅勤務手当を社員に支給するなどの取り組みを継続して行っております。営業活動においては、当初予定していた展示会等への参加は中止・自粛を余儀なくされておりますが、ビデオ会議システムを活用した社内外とのコミュニケーション、SNSを活用したオンラインセミナー・イベントの実施、動画配信等によるオンラインマーケティングを積極的に推進し、アフター/ウィズコロナ時代における新たな働き方へ順応しています。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大による需要の先行きにつきましては依然として不透明であり、「テレワーク導入」や「デジタルトランスフォーメーション強化」などでクラウドサービスを活用する企業が増加する一方、多くの企業でIT投資の抑制やプロジェクトの中止・遅延も見られ、当社の事業においては、クラウドインテグレーション部門に影響が出ている状況でしたが、経済活動の回復に合わせて、2020年8月以降は取引社数、プロジェクト数や単価が上昇しており徐々に改善傾向にあります。なお、今後の推移を引き続き注視していく必要がありますが、当社の収益構造の90%超がストック型収益であることから、現時点において当社の業績および会計上の見積り等に与える影響は限定的であると考えています。

 このような状況の中、当社は、AWS専業のクラウドソリューション・プロバイダーとして、クラウド移行に際するコンサルティング・クラウド基盤構築等のクラウドインテグレーション、AWSリセールサービス、運用代行ビジネスのシェア拡大に尽力してまいりました。

 以上の結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高は5,686,950千円(前期比20.0%増)、労務費及び人件費の増加に加え、行使価額修正条項付第5回新株予約権の発行及び行使関連費用の計上等により営業利益は262,723千円(同15.9%減)、経常利益は266,350千円(同15.5%減)となりました。投資有価証券の売却により特別利益246,221千円を計上した結果、四半期純利益は367,962千円(同46.9%増)となりました。

 なお、当社の事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。


(クラウドインテグレーション)
 クラウドインテグレーションは、プロジェクト数(前期比1.9%増)及び取引社数(前期比14.1%増)は増加しましたが、新型コロナウイルス感染症による営業活動の停滞、企業のIT投資の抑制などが影響し前期に受注したような大規模案件が発生せずプロジェクト単価が減少(前期比39.0%減)、売上額は鈍化して推移しました。以上の結果、売上高は281,897千円(前期比37.8%減)となりました。なお、経済活動の回復にあわせて、取引社数、プロジェクト数や単価が上昇しており徐々に改善傾向にあります。


(リセール)
 リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注4)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も堅調に増加したものの、継続する円高により円換算での売上高には影響が出ております。但し、顧客にとっては円高はプラスでありクラウド利用は着実に増加し、売上高も増加しております。なお、円高の影響で売上高の減少と同様に仕入高も減少するため利益への影響は軽微であります。また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は4,684,035千円(同27.4%増)となりました。


(MSP(注5))
 MSPは、既存顧客からの継続的な受注により順調に増加しました。また、SRE(注6)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増え、当社でも体制を整えております。以上の結果、売上高は707,221千円(同24.7%増)となりました。


(その他)
 その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は13,795千円(同68.9%減)となりました。

 

〔用語解説〕

(注1) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。

(注2) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。

(注3) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services,Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。

(注4) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。

(注5) MSP:「Managed Services Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。

(注6) SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた 取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第四半期会計期間末における流動資産は8,741,324千円となり、前事業年度末に比べて5,736,703千円増加しました。これは主に、新株予約権の行使等により現金及び預金が5,728,261千円増加した一方で、流動資産その他に含まれる前渡金が116,968千円減少したことによるものであります。また、固定資産は2,141,181千円となり、前事業年度末に比べて673,650千円増加しました。これは主に、保有株式の評価額の上昇に伴い、投資有価証券が647,652千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第四半期会計期間末における負債は1,844,244千円となり、前事業年度末に比べて407,199千円増加しました。これは主に、保有株式の評価額の上昇に伴い繰延税金負債が200,155千円増加したことに加えて、買掛金が150,821千円増加、未払法人税等が56,289千円増加した一方で、流動負債その他に含まれる前受金が46,519千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産は9,038,261千円となり、前事業年度末に比べて6,003,154千円増加しました。これは主に、利益剰余金が367,962千円増加、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ2,591,325千円増加したことに加え、保有株式の評価額の上昇に伴いその他有価証券評価差額金が453,519千円増加したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

  当第四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。