第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(自 2025年3月1日 至 2025年8月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、米国の通商政策の動向や金融・為替市場の不確実性が懸念され、依然として先行き不透明な状況が想定されます。特に、2025年4月に新たに発表された米国関税政策については、当社グループのビジネスへの直接的な影響はないものの、金融・為替市場の混乱による急激な円高は当社グループのビジネスにも影響をもたらしました。

当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は、引き続き急速な成長軌道にあり、その主な背景には顧客サービス/サポートの高度化、顧客接点の多様化などを目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化の推進があります。また、IoT(注3)やAI(注4)、特に大規模言語モデル(注5)に代表される生成AI(注6)などの最新技術が急激に進化したことによる大量のデータ収集や処理・分析など、企業が競争力強化や業務効率化のために様々な分野でクラウド技術やクラウドサービスの活用が増加していることが挙げられます。さらに、働き方改革やリモートワークの定着がクラウドを通じた業務環境の改善を後押しし、政府や自治体によるDX推進政策も市場拡大を支える要因となっています。これらの背景から、日本国内のクラウド市場は今後も成長が見込まれております。

また、世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注7)」)が、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大しています。追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。

このような状況の中、当社グループは、2025年4月に中期経営方針(FY26-FY28)を公表するとともに、2023年に締結されたAWSとの戦略的協業契約を中心戦略としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化に加えて、生成AIを活用した新たなサービス展開やアライアンスによる海外展開に取り組むなどビジネス拡大に尽力してまいりました。また、Google Cloud事業を展開する連結子会社である株式会社G-genのほか、高度なクラウド運用管理を専門的に運営する株式会社サーバーワークス・スマートオペレーションズを2025年3月に新潟市に設立いたしました。

一方、2025年4月に新たに発表された米国関税政策に伴う金融・為替市場の混乱から生じた急激な円高は、当社グループの売上高、利益額にマイナスの影響となりました(参考:前第4四半期連結会計期間の平均為替レート154.07円/米ドル→当中間連結会計期間の平均為替レート146.2円/米ドル。1円あたりの為替感応度概算(連結):売上高227,999千円/年、営業利益22,849千円/年)。

また、保有する関係会社株式やのれんについて慎重に評価を行い、一部銘柄に減損処理を行い特別損失を計上いたしました。また、不採算の可能性があるクラウドインテグレーション案件について、受注損失の引当を行った結果、原価が一時的に増加し、親会社株主に帰属する中間純利益はマイナスとなりました。これらは将来に向けたリスクを先行して処理したものであり、いずれも一過性の要因であります。むしろ、これにより財務基盤をより強固にし、持続的な成長に向けた布石が整ったものと考えております。当社グループは引き続き、AWSとの戦略的協業を軸に、生成AI・セキュリティ・海外展開といった重点領域での事業拡大を加速させ、クラウド専業インテグレーターとしての強みをさらに発揮しながら、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります。

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は18,736,207千円(前年同期比8.4%増)、営業利益は90,465千円(前年同期比85.0%減)、経常利益は121,133千円(前年同期比79.0%減)、親会社株主に帰属する中間純損失は903,121千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益355,067千円)となりました。

なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。

 

(クラウドインテグレーション)

旧来のオンプレミスシステムから新たなクラウド環境への移行や複数のクラウドサービスを統合するハイブリッドクラウド戦略などを推進する企業が増加していることによってクラウド需要がさらに拡大しており、また、生成AIやIoTなど高度な技術の活用により多様なデータ連携やシステムの最適化が必要となり、専門的な技術支援を求める企業が増え顧客獲得と受注が堅調に推移しました。一方で、大規模かつ複雑なクラウドインテグレーション案件が増加していることから、将来のリスクに備えて一部案件で受注損失の引当を行いました。これは、当社がより大規模で高難度の案件を手掛ける機会が拡大していることの表れでもあり、今後の事業規模拡大に資する前向きな取り組みと捉えております。以上の結果、売上高は1,080,411千円(前年同期比2.1%増)となりました。

 

(リセール)

既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注8)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加しました。加えて、クラウドインテグレーション案件の大型化に伴い、リセールにおけるAWS利用料も大規模なものが増加しており、当社の収益基盤の拡大に寄与しております。また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は16,798,158千円(前年同期比9.0%増)となりました。

 

(MSP(注9))

クラウド需要の高まりに伴い、クラウド環境の運用や管理に関するニーズが拡大しており、企業はクラウド導入後の運用効率化やセキュリティ確保、コスト最適化のため、専門知識を持つ外部パートナーに依頼するケースが増えております。また、生成AIやIoTなどの先進技術の導入によりシステムの複雑性が増し、運用負担が高まっていることなどから受注が堅調に増加しました。特に、MSP事業は当社事業区分の中で最も利益率が高く、収益性をけん引する重要な柱となっております。以上の結果、売上高は843,260千円(前年同期比2.5%増)となりました。

 

(その他)

その他は、特定顧客向けサービスの提供により、売上高は14,378千円(前年同期比585.3%増)となりました。

 

〔用語解説〕

(注1)  デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。

(注2)  オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。

(注3) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。

(注4) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。

(注5) 大規模言語モデル:自然言語処理の分野で使用される深層学習モデルの一種であり、大量のテキストから言語パターンを学習するAIモデルで、テキスト生成や質問応答など多様なタスクに使用されます。

(注6) 生成AI:コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術で、データからパターンを学び新しい情報やアイディアを生成するAIの一分野です。これには、テキスト、画像、音楽などの生成が含まれます。

(注7) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。

(注8) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。

(注9) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は、14,618,238千円となり、前連結会計年度末に比べて604,198千円減少しました。これは主に、現金及び預金が505,070千円減少、売掛金及び契約資産が119,447千円減少、前渡金が48,053千円減少したことによるものであります。また、固定資産は4,666,964千円となり、前連結会計年度末に比べて604,386千円減少しました。これは主に、のれんが797,330千円減少、関係会社株式が129,518千円減少した一方で、投資有価証券が325,587千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は8,684,061千円となり、前連結会計年度末に比べて25,112千円減少しました。これは主に、受注損失引当金が218,588千円増加した一方で、買掛金が208,242千円減少したことによるものであります。また、固定負債は482,389千円となり、前連結会計年度末に比べて158,203千円増加しました。これは主に、繰延税金負債が158,203千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は10,118,752千円となり、前連結会計年度末に比べて1,341,675千円減少しました。これは主に、利益剰余金が903,121千円減少、自己株式の取得により自己株式が499,968千円増加したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は5,536,903千円となり、前連結会計年度末に比べて505,070千円減少しました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は233,059千円(前年同期は548,336千円の収入)となりました。これは主にのれん償却額797,330千円、受注損失引当金の増加額218,588千円、未払金の増加額128,709千円、売上債権及び契約資産の減少額117,801千円等があった一方で、税金等調整前中間純損失715,861千円、法人税等の支払額170,634千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は273,563千円(前年同期は465,977千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出318,620千円、無形固定資産の取得52,416千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は494,181千円(前年同期は353,566千円の収入)となりました。これは主に自己株式取得による支出504,967千円等があったことによるものであります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。