文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を企業理念とし、広く産業とくらしを支え、社会に貢献できる人、そして、自分を必要としてくれる社会に対して感謝の気持ちを持つことができる人、そういう幸せな人を育て、真に人間が働く喜びを味わえる企業経営を行うことを、経営の基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、安定的な成長を目指すため収益性を意識した経営が重要との観点から「売上高経常利益率」を重視しており、また資本効率を高め企業価値の向上を図る観点から「ROE(自己資本当期純利益率)」を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
わが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向がみられたものの、長期化する米国の通商政策による貿易摩擦の深刻化、英国のEU離脱問題、消費税増税や相次ぐ自然災害による消費マインドの低下に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的な経済下振れ懸念が高まった状況のなかにあります。
中長期的には、当社グループの主要顧客が関連する自動車産業において、自動車メーカーだけでなく、家電メーカー、IT企業を巻き込んだ次世代自動車の開発競争が一層激化することが見込まれます。また5G(次世代通信規格)の本格普及やデータセンターへの投資増加を背景とした、当社グループが関連する半導体等の市場拡大が見込まれます。
日本国内においては少子高齢化・人口減少による市場縮小や人材確保の競争激化等により厳しい経営環境になることが見込まれます。
このような環境のもと、新型コロナウイルス感染症拡大の終息について目処が立たないなか、従業員の安全を確保し、また、お客様、お取引先様等への影響を最小限にとどめるよう対策を取るとともに、2018年度(2019年3月期)からの3ヵ年を対象期間とした中期経営計画に基づき1.成長力・収益力の強化、2.顧客ニーズの変化への柔軟な対応、3.海外展開、4.新製品開発・新技術開発を対処すべき課題とし、以下の諸施策に取り組んでまいります。
1.成長力・収益力の強化
わが国経済は緩やかな回復基調が続いたものの新型コロナウイルス感染症の拡大等により経済下振れ懸念が高まった状況のなかにあります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、高難度な加工を必要とする製品の取り込み等、受注・売上の拡大に取り組むとともに、生産効率改善活動の実施や不採算製品の見直しによる収益力の強化を目指してまいりました。
今後につきましては厳しい環境となることが予想されるため、多岐にわたる業種に得意先を持つ当社グループの強みを生かし、受注・売上の確保に注力してまいります。また改善活動、技術開発による生産効率向上やITを活用した業務効率向上によるコスト低減を推し進め、収益力の強化を目指してまいります。
人事面におきましては人材の育成・確保や働きがいのある職場環境作りを目指し、人事制度の再構築をはじめとする各種施策を引き続き実施してまいります。
2.顧客ニーズの変化への柔軟な対応
自動車産業の転換に際し、将来動向をいち早く把握し、営業部門と生産部門の円滑な情報共有、効果的な設備投資や人員配置、積極的な試作品の投入等を行い、市場動向に即したソリューションビジネスの実現を通じて顧客の主要サプライヤーとしての地位を確立するよう引き続き活動してまいります。
3.海外展開
アジア地域における当社グループ製品の市場は当面は厳しい環境となることが予想されますが、中長期的には拡大を続ける見込みであり、当社グループの持続的な成長のため、アジア地域を中心に海外向けの売上高増加に向けて引き続き取り組んでまいります。当連結会計年度は海外事業に関する意思決定や施策実行のスピード向上を目指し、海外事業全体を一元管理するための組織改定を実施しました。今後も人材の育成による販売・生産能力の向上、経営管理の充実による経営安定化等により引き続き海外事業の成長を目指してまいります。
4.新製品開発・新技術開発
新製品開発による既存顧客でのシェアアップや顧客の新しい取り組みへの協力、更に新市場の開拓を進めてまいります。そのため、大学や外部研究機関、取引先開発部門との共同開発を積極的に進め、顧客ニーズに合致した製品の開発を推進してまいります。
また、製造業の使命である、品質向上・納期短縮・原価低減を更に進めるため、新たな生産方法の構築、加工技術の革新・改良、自社製設備の開発等に取り組んでまいります。
5.新型コロナウイルス感染症に関するリスク及び当社グループの対応
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、従業員の安全を確保し、お客様、お取引先様等への影響を最小限にとどめるための対応方針を作成し、海外出張等の原則禁止、在宅勤務や時差出勤の推進、公共交通機関による通勤の抑制、職場での業務スペース分散、全従業員へのマスク配付等の対応を実施しております。また、訪問以外の手段による受注活動の推進や、主要原材料の十分量確保等により、事業への影響の低減を図っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、今後、事態が長期化した場合や、更なる感染拡大が生じた場合、世界的な景気の悪化や物流の停滞等により売上の減少や原材料確保の困難等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2021年3月期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や終息時期についての統一的な見解は発表されておらず、現時点においてこれらの影響を合理的に見積ることは困難であるため、未定としております。
当社グループの事業において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあると考えており、グループの運営にあたり注意を払っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場動向の変化に関するリスク
当社グループの販売品目の多くは生産財であり、設備投資需要等に大きく影響を受けます。
当社グループ及び当社グループの顧客が事業を展開する国・地域の景気が減速・後退する場合は、設備投資需要の低下等をもたらし、その結果、当社グループが提供する製品又はサービスに対する需要が減少するなど、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の調達に関するリスク
当社グループの主力製品である超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
・原料相場が大きく高騰した場合のリスク
・為替が大きく変動した場合のリスク
・戦争、暴動、テロ、伝染病、自然災害による社会的混乱
タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
またタングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の精錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生した場合、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前述のリスクへの対応策として一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、既存調達先との定期的な情報交換、中国以外を含めた複数の調達先を確保するよう取り組みを行っております。
(3) 国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の1つとしております。海外での事業展開に関しては、為替リスクに加え、政情不安や金融不安、紛争の発生、感染症の蔓延等による経済活動の停滞及び停止、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、技能者の不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等に関するリスクがあります。
当社グループでは、アジアを中心に海外での生産・販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めておりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 協力会社に関するリスク
当社グループは製品の製造において協力会社にその加工の全てもしくは一部を委託しており、総製造費用に対する外注費の割合は約2割を占めております。現時点では優良な協力会社が多数あるものの、事業環境の悪化による外注費の値上がり、景気低迷による協力会社の経営破綻、協力会社の後継者不足による事業の廃止などのリスクがあります。これらのリスクに当社グループが対処できない場合には、外注費の増加、外注していた工程の内製化による設備投資の増加や製造原価の高騰により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスクに対応するため、今までどおり協力会社との良好な関係を維持しつつ、特に重要度の高い協力会社とは、お互い協働して安定的かつ継続的な生産体制を構築しております。
(5) 災害に関するリスク
当社グループでは、地震、台風等の自然災害や感染症の蔓延、大規模事故等による操業停止をせざるを得ない様な事態の発生に備え、自然災害を想定した防災訓練、社員の安否確認訓練を定期的に行うとともに、防災設備の設置、火災保険への加入、必要物資の備蓄、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を講じております。災害の発生に対しては、緊急連絡体制を通じて、国内外の拠点や関係会社と連携するしくみを構築しており、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、BCP(事業継続計画)が実行できる体制を整えております。
しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断等による操業の停止、といった不測の事態が発生した場合、顧客への製品供給に支障をきたすこと等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 環境問題に関するリスク
当社グループでは、製品の製造・検査等において、化学物質や毒劇物の使用や保管管理を行っており、事業活動を行っていく中で地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。生産活動の中では有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、環境被害の発生防止に努めておりますが、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化したり、化学物質が社外へ流出する事故等が万が一発生した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出、生産活動の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の育成及び確保に関するリスク
当社グループは人を中心とした経営を実践しており、中長期的な成長は優秀な人材を確保・育成し、適材適所に配置することに大きく依拠しております。こうした優秀な人材の確保・育成が計画通り進まず、また人材配置がその適正を欠いた場合、中長期的な視点から当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 財務リスク
①たな卸資産の価値下落
当社グループが保有しているたな卸資産については、主として、個別法に基づく原価法により評価しております。従って、原料相場の高騰や稼働率の低下により製品原価が売価を上回る可能性があり、この場合、収益性の低下による評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②投資有価証券の時価下落
当社グループが保有する投資有価証券は全て政策保有株式であり、種々の目的のために保有しておりますが、保有する意義や合理性が認められなくなった場合には取引先企業との十分な対話を経た上で縮減する方針としております。当連結会計年度末の連結貸借対照表において、232百万円を計上しておりますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回ることとなった場合、評価損の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後課税所得の見積り等に大きな変更が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④固定資産の価値下落
当社グループでは、生産能力や生産性の向上等のため製造設備などの設備投資を継続的に行っており、その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、有形固定資産を10,207百万円計上しております。当該有形固定資産については固定資産の減損に係る会計基準等に従い、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行い、当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識する必要が生じます。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤生産拠点の集約
当社グループでは、生産体制・生産品種の最適化による成長力・収益力の強化を目的として、生産拠点の集約や自動化・省力化の促進等を複合的に実施しております。この過程において、固定資産除売却損や減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 紛争及び訴訟等に関するリスク
当社グループは、法務及び知的財産担当部署等において、契約や特許等に関する紛争・訴訟等に関する予防措置を講じておりますが、国内及び海外での事業活動に関連して、法的な紛争・訴訟の対象となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、訴訟費用や損害賠償費用等の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業遂行に関連して多くの顧客情報や機密情報を有しております。これらの情報については、外部流出や破壊、改ざん等が発生しないよう厳格な管理体制を構築し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策、情報の取扱い等に関する規程類の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、予期せぬ事態により、情報流出や破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症に関するリスクについては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 5.新型コロナウイルス感染症に関するリスク及び当社グループの対応」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向がみられたものの、長期化する米国の通商政策による貿易摩擦の深刻化、英国のEU離脱問題、消費税増税や相次ぐ自然災害による消費マインドの低下に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的な経済下振れ懸念が高まった状況のなかにあります。
超硬工具業界におきましては、上記のような経済の状況において、業界全体の出荷額は3,470億円(対前年度比438億円減・11.2%減)と2018年度を下回りました。また、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額においても、382億円(対前年度比28億円減・6.9%減)と2018年度を下回りました。
こうした状況のなか、当社グループは「挑戦」を年度方針に掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。また、2018年度(2019年3月期)から、3ヵ年を対象期間とした中期経営計画を策定しており、初年度の2018年度(2019年3月期)は、海外展開の主力である海外子会社の事業の拡大を目指し、海外事業管理部を新設し、人材の育成等による販売・生産能力の向上及び経営管理の充実による経営安定化等を中心に推し進めてまいりました。中期経営計画の2年目となる2019年度(2020年3月期)も、更なる企業価値の向上に向けて、①成長力・収益力の強化、②顧客ニーズの変化への柔軟な対応、③海外展開、④新製品開発、新技術開発の諸施策に取り組んでまいりました。
超硬製工具類では、主に海外向けの熱間圧延ロールや超高圧発生用工具の販売が堅調に推移したものの、混錬工具や冷間フォーミングロールの販売が低調となり、売上高は5,012百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
超硬製金型類では、自動車部品生産用金型や光学素子成形用金型、電池関連金型の販売が引き続き好調を維持し、売上高は4,514百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。
その他の超硬製品では、自動車部品生産用の超硬金型素材の販売が堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦や半導体関連の市況の悪化等により、半導体及びスマートフォン部品生産用の超硬金型素材の販売が低調となった事で、売上高は3,854百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。
超硬以外の製品では、引抜鋼管の販売不振が続いたことに加え、海外向け半導体用樹脂等の鋼製生産工具及びKF2製の混錬工具、ダイヤモンド研削砥石の販売が低調となりました。その結果、売上高は4,044百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は17,426百万円(前連結会計年度比5.1%減)となりました。利益につきましては、売上高の減少等により、営業利益は875百万円(前連結会計年度比31.2%減)、経常利益は1,008百万円(前連結会計年度比25.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円(前連結会計年度比34.3%減)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、24,815百万円(前連結会計年度末25,752百万円)となり、937百万円減少いたしました。流動資産は13,619百万円(前連結会計年度末14,103百万円)となり、483百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が444百万円減少、電子記録債権が256百万円減少、仕掛品が245百万円減少、現金及び預金が582百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は11,195百万円(前連結会計年度末11,649百万円)となり、453百万円減少いたしました。これは主に、建物及び構築物(純額)が195百万円減少、機械装置及び運搬具(純額)が176百万円減少、投資有価証券が91百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、5,845百万円(前連結会計年度末7,003百万円)となり、1,157百万円減少いたしました。流動負債は4,115百万円(前連結会計年度末5,229百万円)となり、1,113百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が589百万円減少、未払金が387百万円減少、流動負債のその他に含まれる設備支払手形が201百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,730百万円(前連結会計年度末1,774百万円)となり、44百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、18,969百万円(前連結会計年度末18,749百万円)となり、220百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が625百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が479百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ534百万円増加し、5,854百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益945百万円、減価償却費1,122百万円の計上などにより2,548百万円の収入(前年同期は925百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,418百万円などにより1,508百万円の支出(前年同期は1,228百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは1,039百万円の収入(前年同期は302百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額480百万円などにより515百万円の支出(前年同期は892百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は17,426百万円、営業利益は875百万円、経常利益は1,008百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は、超硬製品につきましては、自動車部品生産用金型、光学素子成形用金型、超高圧発生用工具等の販売が堅調に推移いたしましたが、米中貿易摩擦や半導体市況の悪化等により超硬金型素材等の販売が低調となり、超硬製品の売上高は13,381百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。超硬以外の製品につきましては、引抜鋼管の販売不振に加え鋼製品等の販売も低調となり、超硬以外の製品の売上高は4,044百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。その結果、連結売上高は17,426百万円(前連結会計年度比5.1%減、目標比6.8%減)となりました。また、当社グループは中長期的な成長に向けて海外売上の拡大を目標としており、引き続き経済成長が見込まれるアジア地域を中心に積極的な販売活動を行ってまいりましたが、上記の米中貿易摩擦や半導体市況の悪化等が影響し、当連結会計年度の海外売上高は2,671百万円(前連結会計年度比11.0%減)、アジア地域への売上高は2,367百万円(前連結会計年度比9.8%減)となり、海外売上高及びアジア地域への売上高ともに減少いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、冨士ダイスグループ全体で費用削減等に努めてまいりましたが、売上高の減少が大きく影響し、営業利益は875百万円(前連結会計年度比31.2%減、目標比28.8%減)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対前連結会計年度、対目標ともに下回り、為替差損の影響が減少したものの1,008百万円(前連結会計年度比25.2%減、目標比27.4%減)となりました。これに伴い当社グループが重視する経営指標の一つであります売上高経常利益率は5.8%となり、当連結会計年度の目標であった7.4%を1.6ポイント下回りました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、保有する有価証券の評価額の下落に伴う投資有価証券評価損を計上したこと等により、625百万円(前連結会計年度比34.3%減、目標比36.9%減)となりました。その結果、対前連結会計年度、対目標ともに下回る結果となりました。これに伴い、当社グループが重視する経営指標の一つでありますROE(自己資本当期純利益率)は3.3%となり、当連結会計年度の目標であった5.2%を1.9ポイント下回りました。
当連結会計年度におきましては、生産効率向上・製造原価低減の各種施策や不採算製品の見直し等を進め、収益力の強化に努めてまいりましたが、売上高が大きく減少したことにより、当社グループの重視する経営指標である売上高経常利益率、ROEともに目標を下回りました。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、今後につきましては厳しい環境となることが予想されるため、多岐にわたる業種に得意先を持つ当社グループの強みを生かし、受注・売上の確保に努めるとともに、引き続き改善活動、技術開発による生産効率向上やITを活用した業務効率向上による収益力の強化に努めてまいります。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。
なお、足元に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手許流動性と必要に応じた資金調達枠の確保に努めております。なお、コミットメントライン契約の状況は以下のとおりであります。
コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(c)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローはそれまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(8百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は当社のみが行っており、当社の開発センターにおいて、開発案件遂行のスピード化と最適な人員配置による効率性を持った研究開発を行っております。
当社グループにおける研究開発の基本方針は、顧客のニーズに応える工具・金型素材の研究開発と加工技術の研究開発からなる製品化であり、現行の事業品目のみならず新規事業分野への展開を目指した研究開発を行ってまいります。
その基本方針のもと、素材の研究開発に関しては、粉末冶金技術を基軸とした超硬合金素材、セラミックス素材及び機能性複合材料に関する研究開発を行っております。一方、加工技術に関する研究開発は、主に超硬合金素材の加工精度向上、加工効率改善及び新規設備を用いた新たな加工方法の構築を目的とした研究開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発活動は、現行の事業品目につきましては、素材の研究開発によりモーター部品用金型向け超硬合金及び鍛造用金型向け超硬合金の展開、加工技術の研究開発においては、高精度レンズアレイ金型及び自動車向け二次電池用高精度金型の展開により、一定の成果をあげることができました。
新規事業分野につきましては、次世代自動車、航空・宇宙、医療・化粧品、環境・エネルギーなどの成長分野で使用される工具・金型等の研究開発を継続し、環境・エネルギー分野への展開を目指した酸素発生触媒の試作品製作、新工法となる超硬合金に対する積層造形技術の蓄積及び医療向け高精度金型試作等の進展により、一定の成果をあげることができました。
なお、当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は
当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。