文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を企業理念とし、広く産業とくらしを支え、社会に貢献できる人、そして、自分を必要としてくれる社会に対して感謝の気持ちを持つことができる人、そういう幸せな人を育て、真に人間が働く喜びを味わえる企業経営を行うことを、経営の基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、安定的な成長を目指すため収益性を意識した経営が重要との観点から「売上高経常利益率」を重視しており、また資本効率を高め企業価値の向上を図る観点から「ROE(自己資本当期純利益率)」を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
① 新中期経営計画
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率上昇に伴い新規感染者数が減少し、一部で持ち直しの動きがみられました。しかし、昨年末からの変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢の深刻化により、原材料価格やエネルギー価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
中長期的には、当社グループの主要顧客が関連する自動車産業においてCASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)への流れが加速することが予測されており、特に電動化については、世界的な環境保全への関心の高まりから対応が急ピッチで進んでおり、当社グループとしてもその変化への対応が強く求められます。
また5G(次世代通信規格)やIoT、AIの普及、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展等により当社グループが関連する半導体の市場は世界的に拡大が続くものと考えられます。
日本を取り巻く環境としては少子高齢化・人口減少による市場縮小や人材確保の競争激化、SDGsに代表される持続可能な社会形成への意識の高まり、コロナ禍を契機とした事業構造・生活様式の変化、デジタル化の一層の推進など様々な変化が予測されております。
このような環境のもと2021年度(2022年3月期)からの3ヵ年を対象期間とした中期経営計画で掲げた筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築を目指し、1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化を主要な経営課題と捉え、優先的に課題解決に取り組んでまいります。また当社は、株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において市場コンセプトと当社ビジョンが合致するものであると判断し、プライム市場を選択いたしました。現状では上場維持基準に適合していないことから、上場維持基準への対応も優先的に取り組むべき課題と捉えております。
1.生産性向上・業務効率化
生産性向上としましては生産部門において多品種少量生産における標準時間の設定や工程の見える化等を通じた生産管理の強化、現場改善等を組み合わせた生産性の向上と、それを効果的、継続的に行うための仕組みづくり、一部作業の自動化・省人化といった諸施策の効果の積み上げなど、徹底的な生産効率の改善を行ってまいります。また、基幹システムやグループウェアの刷新といったITインフラの整備、自立型人財の育成といった、生産性向上の支えとなる部分の強化も同時に実施し、筋肉質な企業体質への転換を図ります。現状は一部のモデル工場にて生産効率改善活動を実施し、一定の成果をあげることができております。業務効率化としましてはITインフラ整備としてのグループウェアの刷新やITを活用した営業手法の導入を進めました。
今後につきましては生産効率改善活動の全社展開として熊本新冶金棟建替えによる生産性向上の推進、更なるITインフラ整備として基幹システムの刷新等を進めてまいります。
2.次世代自動車への対応・拡販
次世代自動車の普及に伴う市場ニーズの変化に対応するため、マーケティングを専門とする組織の立ち上げにより情報収集力や分析力を強化するとともに、その結果を販売・生産・研究開発部門で共有し、三位一体で新材料、新製品の開発、生産、拡販等を行ってまいります。モーターコア、電池関連製品の拡販を目指し、新材料の積極的な投入や生産能力増強のための生産体制の構築を進めております。
今後につきましては市場ニーズの変化に対応するため、情報収集力・分析力の強化を図り、また多様化・高度化する顧客の要望に引き続き迅速に対応することで顧客の信頼を勝ち取ってまいります。
3.新成長エンジンの創出
市場ニーズを先取りした高付加価値製品の創出のため、新技術の開発や既存製品の新たな需要喚起に関するプロジェクト等の立ち上げ、コア技術の抽出等を行うとともに、外部機関との協働やM&A、業務提携の検討を積極的に推進してまいります。マーケティング部門との緊密な連携による顧客視点での研究開発活動、取引先開発部門等との共同開発、新事業分野探索のためのプロジェクトチームの立ち上げを進めております。
今後につきましてはターゲット顧客への積極的な試作品投入や新事業分野等についてM&A、業務提携の検討等を積極的に進めてまいります。
4.海外事業の強化
ローカル人財の育成やオンラインを活用した販売活動の推進、中国における販売拠点の拡大、海外製造拠点の生産性等の向上による競争力強化等に注力し、アジア地域を中心とした海外市場の成長を取り込むことによって、海外売上高の拡大を目指してまいります。中国の販売拠点による半導体、電池関連製品等の拡販、タイ製造拠点における加工技術向上による高付加価値製品への取り組みにより海外売上高の拡大は一定の成果をあげることができました。
今後につきましてはオンラインを活用したローカル人財の育成及び販売活動の強化、中国の販売拠点の拡充等を進めてまいります。
5.プライム市場の上場維持基準への適合
当社は、株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において、プライム市場を選択しております。しかしながら、「流通株式時価総額」「1日平均売買代金」の2点については基準を充たしておらず、2027年3月期までに上場維持基準を充たすために各種取組を進めてまいります。基準への適合のためには企業価値の向上が不可欠であると捉えており、上記1.~4.の課題解決に取り組んでいくことにより企業価値の向上に努めてまいります。またIR活動の強化による知名度の向上や投資家に対する信頼性・期待感の醸成を図ることに加え、株主還元の充実や流通株式数の増加にも取り組んでまいります。
② 新型コロナウイルス感染症に関するリスク及び当社グループの対応
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、従業員の安全を確保し、お客様、お取引先様等への影響を最小限にとどめるための対応方針を作成し、海外出張等の原則禁止、在宅勤務や時差出勤の推進、公共交通機関による通勤の抑制、職場での業務スペース分散、Webを利用した取引先との面談等の対応を実施しております。また、訪問以外の手段による受注活動の推進や、主要原材料の一定量の確保等により、事業への影響の低減を図っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、今後、更なる感染拡大が生じた場合、世界的な景気の悪化や物流の停滞等により売上の減少や原材料確保の困難等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあると考えており、グループの運営にあたり注意を払っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場動向の変化に関するリスク
当社グループの販売品目の多くは生産財であり、設備投資需要等に大きく影響を受けます。
当社グループ及び当社グループの顧客が事業を展開する国・地域の景気が減速・後退する場合は、設備投資需要の低下等をもたらし、その結果、当社グループが提供する製品又はサービスの受注・売上が減少するなど、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の調達に関するリスク
当社グループの主力製品である超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
・原料相場が大きく高騰した場合のリスク
・為替が大きく変動した場合のリスク
・戦争、暴動、テロ、伝染病、自然災害による社会的混乱
タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
またタングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の製錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生し、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前述のリスクへの対応策として一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、既存調達先との定期的な情報交換、中国以外を含めた複数の調達先を確保するよう取り組みを行っております。
(3) 国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の1つとしております。海外での事業展開に関しては、為替リスクに加え、政情不安や金融不安、紛争の発生、感染症の蔓延等による経済活動の停滞及び停止、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、技能者の不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等に関するリスクがあります。
当社グループでは、アジアを中心に海外での生産・販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバルな事業展開を進めておりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 協力会社に関するリスク
当社グループは製品の製造において協力会社にその加工の全てもしくは一部を委託しており、総製造費用に対する外注費の割合は約2割を占めております。現時点では優良な協力会社が多数あるものの、事業環境の悪化による外注費の値上がり、景気低迷による協力会社の経営破綻、協力会社の後継者不足による事業の廃止などのリスクがあります。これらのリスクに当社グループが対処できない場合には、外注費の増加、外注していた工程の内製化による設備投資の増加や製造原価の高騰により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスクに対応するため、今までどおり協力会社との良好な関係を維持しつつ、特に重要度の高い協力会社とは、協働して安定的かつ継続的な生産体制を構築しております。
(5) 災害に関するリスク
当社グループでは、地震、台風等の自然災害や感染症の蔓延、大規模事故等による操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、自然災害を想定した防災訓練、社員の安否確認訓練を定期的に行うとともに、防災設備の設置、火災保険への加入、必要物資の備蓄、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を講じております。災害の発生に対しては、緊急連絡体制を通じて、国内外の拠点や関係会社と連携するしくみを構築しており、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、BCP(事業継続計画)が実行できる体制を整えております。
しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断等による操業の停止、といった不測の事態が発生した場合、顧客への製品供給に支障をきたすこと等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 環境問題に関するリスク
当社グループでは、製品の製造・検査等において、化学物質や毒劇物の使用及び保管管理を行っており、事業活動を行っていく中で地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。生産活動の中では有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、環境被害の発生防止に努めておりますが、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化したり、化学物質が社外へ流出する事故等が万が一発生した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出、生産活動の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の育成及び確保に関するリスク
当社グループは人を中心とした経営を実践しており、中長期的な成長は優秀な人材を確保・育成し、適材適所に配置することに大きく依拠しております。当社グループでは事業運営上必要な人材を採用し、その雇用の継続に努めていますが、
・適切な時期に優秀な人材を計画通り採用することができない
・人材育成がうまくいかず、人材配置の適正を欠いてしまう
・優秀な人材が社外に流出してしまう
等により、中長期的な視点から当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 財務リスク
①棚卸資産の価値下落
当社グループが保有している棚卸資産については、主として、個別法に基づく原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しております。従って、原料相場の高騰や稼働率の低下により製品原価が売価を上回る可能性があり、この場合、収益性の低下による評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②投資有価証券の時価下落
当社グループが保有する投資有価証券は全て政策保有株式であり、種々の目的のために保有しておりますが、保有する意義や合理性が認められなくなった場合には取引先企業との十分な対話を経た上で縮減する方針としております。当連結会計年度末の連結貸借対照表において、276百万円を計上しておりますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回ることとなった場合、評価損の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後課税所得の見積り等に大きな変更が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④固定資産の価値下落
当社グループでは、生産能力や生産性の向上等のため製造設備などの設備投資を継続的に行っており、その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、有形固定資産を8,995百万円計上しております。当該有形固定資産については固定資産の減損に係る会計基準等に従い、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行い、当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識しております。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤生産拠点の集約
当社グループでは、生産体制・生産品種の最適化による成長力・収益力の強化を目的として、生産拠点の集約や自動化・省力化の促進等を複合的に実施しております。この過程において、固定資産除売却損や減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 紛争及び訴訟等に関するリスク
当社グループは、法務及び知的財産担当部署等において、契約や特許等に関する紛争・訴訟等に関する予防措置を講じておりますが、国内及び海外での事業活動に関連して、法的な紛争・訴訟の対象となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、訴訟費用や損害賠償費用等の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業遂行に関連して多くの顧客情報や機密情報を有しております。これらの情報については、外部流出や破壊、改ざん等が発生しないよう厳格な管理体制を構築し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策、情報の取扱い等に関する規程類の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、予期せぬ事態により、情報流出や破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症に関するリスクについては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ② 新型コロナウイルス感染症に関するリスク及び当社グループの対応」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率上昇に伴い新規感染者数が減少し、一部で持ち直しの動きがみられました。しかし、昨年末からの変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢の深刻化により、原材料価格やエネルギー価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
上記のような経済の状況において、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額は、355億円(対前年度比43億円増・13.8%増)と2020年度を上回りました。
こうした状況のなか、当社グループは「革新」を年度方針に掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。また、2021年度(2022年3月期)から、3ヵ年を対象期間とした中期経営計画を策定しており、筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築を目指して、1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化の諸施策に取り組んでまいりました。
超硬製工具類では、冷間フォーミングロール、押出金型、棒鋼・線材用ダイスの販売が堅調に推移しました。また、熱間圧延ロールの販売が低調となったものの、工作機械向け異型ダイス、刃物工具の販売が増加し、売上高は4,344百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。
超硬製金型類では、半導体関連需要の拡大が続いたことにより、関連する金型の販売が好調に推移しました。また、自動車部品用金型の販売が堅調に推移し、特に車載電池用金型が大きく増加しました。光学素子成型用金型の販売も増加したことにより、売上高は3,984百万円(前連結会計年度比17.0%増)となりました。
その他の超硬製品では、半導体関連需要の拡大が続いたことにより、関連する金型素材の販売が好調に推移しました。また、自動車の電動化に伴いモーターコア金型素材の販売や海外向け電池用金型素材の販売も増加した結果、売上高は4,256百万円(前連結会計年度比22.7%増)となりました。
超硬以外の製品では、引抜鋼管の販売や放電加工用銅タングステン電極、鋼製自動車部品用金型、KF2製混錬工具の販売が堅調に推移した結果、売上高は4,288百万円(前連結会計年度比24.4%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は16,874百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。利益につきましては、営業利益は1,113百万円(前連結会計年度比1,054.7%増)、経常利益は1,202百万円(前連結会計年度比300.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は790百万円(前連結会計年度比68.7%増)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、25,380百万円(前連結会計年度末23,733百万円)となり、1,646百万円増加いたしました。流動資産は15,331百万円(前連結会計年度末13,200百万円)となり、2,131百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,220百万円増加、電子記録債権が308百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は10,048百万円(前連結会計年度末10,533百万円)となり、484百万円減少いたしました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)が327百万円減少、建物及び構築物(純額)が152百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、6,076百万円(前連結会計年度末4,893百万円)となり、1,183百万円増加いたしました。流動負債は4,383百万円(前連結会計年度末3,176百万円)となり、1,207百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が519百万円増加、未払金が244百万円増加、未払法人税等が207百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は1,692百万円(前連結会計年度末1,717百万円)となり、24百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、19,303百万円(前連結会計年度末18,840百万円)となり、463百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が790百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が435百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,140百万円増加し、7,518百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益1,166百万円、減価償却費953百万円の計上などにより2,009百万円の収入(前年同期は1,483百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出318百万円などにより468百万円の支出(前年同期は283百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは1,541百万円の収入(前年同期は1,200百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額435百万円などにより456百万円の支出(前年同期は636百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は16,874百万円、営業利益は1,113百万円、経常利益は1,202百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は790百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は、超硬製工具類では、熱間圧延ロールの販売が低調となったものの、冷間フォーミングロール、押出金型、棒鋼・線材用ダイスの販売が堅調に推移しました。超硬製金型類では、半導体関連需要の拡大が続いたことにより、関連する金型の販売が好調に推移しました。また、自動車部品用金型の販売が堅調に推移し、特に車載電池用金型が大きく増加し、想定していた販売計画を上回りました。その他の超硬製品は半導体関連需要の拡大による超硬金型素材の販売増加や自動車の電動化に伴いモーターコア金型素材の販売や海外向け電池用金型素材の販売が大幅に増加しました。
超硬以外の製品につきましても引抜鋼管の販売や、放電加工用銅タングステン電極、鋼製自動車部品用金型、KF2製混錬工具の販売が堅調に推移した結果、連結売上高は16,874百万円(前連結会計年度比18.4%増、目標比7.9%増)となりました。
また、当社グループは中長期的な成長に向けて海外売上の拡大を目標としており、引き続き経済成長が見込まれるアジア地域を中心に積極的な販売活動を行っており、海外売上高は3,229百万円(前連結会計年度比23.8%増)、アジア地域への売上高は2,881百万円(前連結会計年度比30.9%増)となり、海外売上高及びアジア地域への売上高ともに大幅に増加いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、売上高の増加の影響に加え、当社グループ全体で費用削減等に努めた結果、営業利益は1,113百万円(前連結会計年度比1,054.7%増、目標比98.9%増)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対前連結会計年度、対目標ともに上回り、1,202百万円(前連結会計年度比300.2%増、目標比97.2%増)となりました。これに伴い当社グループが重視する経営指標の一つであります売上高経常利益率は7.1%となり、当連結会計年度の目標であった3.9%を3.2ポイント上回りました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、790百万円(前連結会計年度比68.7%増、目標比108.1%増)となりました。その結果、対前連結会計年度、対目標ともに上回る結果となりました。これに伴い、当社グループが重視する経営指標の一つでありますROE(自己資本当期純利益率)は4.1%となり、当連結会計年度の目標であった2.0%を2.1ポイント上回りました。
当連結会計年度におきましては、売上高の増加及び生産効率向上・製造原価低減の各種施策や不採算製品の見直し等を進めた結果、当社グループの重視する経営指標である売上高経常利益率、ROEともに目標を上回りました。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築を目指して、生産性向上・業務効率化、次世代自動車への対応・拡販、新成長エンジンの創出、海外事業の強化の諸施策になお一層努めてまいります。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手許流動性と必要に応じた資金調達枠の確保に努めております。
当社におけるコミットメントライン契約の状況につきましては、以下のとおりであります。
コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)仕掛品(完成粉末を除く)の評価
仕掛品(完成粉末を除く)の評価に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(b)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより行っております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(c)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(d)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(0百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、連結財務諸表を作成している当社のみが行っており、当社開発センターがその担当部署となっております。
当社グループにおける研究開発の基本方針は、顧客のニーズに応える工具・金型素材の研究開発と加工技術の研究開発からなる製品化であり、現行の事業品目のみならず新規事業分野への展開を目指した研究開発を行っております。
基本方針のもと、素材の研究開発に関しては、粉末冶金技術を基軸とした超硬合金素材、セラミックス素材及び機能性複合材料に関する研究開発を行っております。一方、加工技術に関する研究開発は、主に超硬合金素材の加工精度向上、加工効率改善及び新規設備を用いた新たな加工方法の構築を目的とした研究開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発活動は、超硬合金材料素材の研究開発においては、中期経営計画に示した重要施策の一つである「次世代自動車への対応・拡販」に関連して、EV車に搭載される駆動モーターの部品(コア)成型金型用超硬合金材料の開発、同じく「新成長エンジンの創出」に関連し、高熱膨張硬質材料の開発及び積層造形に関する研究開発等を行っており、また加工技術の研究開発においては、医療分析デバイス用成型金型等の高精度品に対し当社微細加工技術を適用し、製作を行い、一定の成果をあげることができました。
・駆動モーターの部品(コア)成型金型用超硬合金材料
モーター部品の材料である電磁鋼板の成型加工に際しては、金型材料に硬さと破壊靭性、耐摩耗性が求められています。これらを高次元でバランスさせた材料について、性能評価も含めた材料開発を進めております。
・高熱膨張硬質材料
従来のガラスレンズ成型金型用材料の約2倍の熱膨張係数を有し、監視用カメラ等に用いられているカルコゲナイトレンズの成型に適応した金型材料であります。
・医療分析デバイス用成型金型の加工技術
マイクロ流路チップの成型金型には、流路形状における幅及び深さは数百マイクロメートルで、その精度は数マイクロメートルとなります。当社微細加工技術の活用、改良により、金型の作製が可能となりました。
今後につきましては、粉末冶金技術を駆使した新材料、又は超精密加工技術の研究開発を進め、それにより得られる開発製品を通じて、次世代自動車、医療・化粧品、環境・エネルギー等の成長分野への参入により、当社グループの事業領域拡大を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は
当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。