本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
〔経営方針〕
(1)会社の経営の基本方針
当社は、2015年10月1日に株式会社肥後銀行(以下、「肥後銀行」という。)と株式会社鹿児島銀行(以下、「鹿児島銀行」という。)の共同株式移転により設立いたしました。両行の地元を中心とした九州での存在感を更に発揮できる盤石な経営基盤を確立することで、広域化した新たな地域密着型ビジネスモデルを創造し、地元との信頼関係を更に強化するとともに経営の効率化を促進し、企業価値を高め、地域総合金融グループとして活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
また、当社グループは、持続可能な成長の実現に向け、以下の3つを柱とする「グループ経営理念」を定め、皆様から真に愛される総合金融グループを目指します。
①お客様の信頼と期待に応え、最適かつ最良の総合金融サービスを提供します。
わたしたちは、これまで培ってきた伝統・人材・想いを結集し、グループ力を最大限に発揮することで、お客様お一人おひとりのニーズに寄り添った、きめ細やかで質の高いサービスをお届けし続けることをお約束します。
②地域とともに成長し、活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献します。
わたしたちは、地域の皆様とともに成長する総合金融グループとして、県の枠を越え、活気と魅力に満ちあふれる、ふるさと九州の実現にむけて、貢献し続けることをお約束します。
③豊かな創造性と自由闊達な組織風土を育み、より良い未来へ向かって挑戦し続けます。
わたしたちは、ふるさと九州を彩る自然のような、豊かな創造性と広がりある自由闊達な人材・風土を育むとともに、希望に満ちた未来を次の世代へつなぐため、一人ひとりが挑戦し続けることをお約束します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、第2次グループ中期経営計画(計画期間:2018年4月1日~2021年3月31日)を以下のとおり策定し、当社グループの企業価値向上・持続的成長に向け取り組んでおります。
(第2次グループ中期経営計画の進捗)
1.名 称:第2次グループ中期経営計画 ~融合ステージ~
2.計画期間:3年(2018年4月~2021年3月)
3.目指す姿:お客様にとって九州トップの総合金融グループ
4.基本方針:お客様にとって最適かつ最良のサービス提供に向けたグループシナジーの最大化
5.基本戦略・戦略の柱
6.指標目標
※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
「融合ステージ」と位置付ける本中計期間の2年目となる2019年度において、当社グループが実施した主な施策は次のとおりです。
《「地域活力共創」グループへの進化》
「地域総合金融機能の高度化」
(「銀・証・信」連携の確立)
当社グループは、高齢化社会の進展を背景に高まる相続・資産承継ニーズに対応するため、九州の地方銀行グループとしては初の取り組みとなる銀行本体での信託業務を2019年4月より開始いたしました。
また、開業2周年を迎えた九州FG証券では、オンライントレード等のサービス拡大や取扱商品の拡充など、多様化するお客様の資産運用ニーズにお応えしております。
これにより、「銀・証・信」が連携し、「ためる」・「ふやす」・「のこす」というお客様のライフサイクル・相続などのご要望に応じたサービスを、ワンストップで提供することが可能となりました。今後も両行及び九州FG証券が適切に連携し、より専門性の高い金融商品・サービスのご提供に努めてまいります。
(サービス・チャネル拡充)
当社グループは、九州の事業者に対する成長資金供給を目的に、2020年1月にクラウドファンディング事業会社「株式会社グローカル・クラウドファンディング」をミュージックセキュリティーズ株式会社、熊本第一信用金庫、九州電力株式会社との共同出資により設立いたしました。地域が有する資源、アイデア等の具現化のため、全国の投資家の「共感する思い」と「資金」を事業者の皆様へ届ける橋渡し役となり、持続可能な地域経済の発展に貢献してまいります。
さらに、両行ではお客様の「想い」を地域に届ける取り組みとして、発行額の一定割合をお客様がご指定する学校や団体等へ寄付・寄贈を行う私募債や医療機関債などの商品ラインナップを拡充しております。肥後銀行では「学び舎応援私募債」や「くまもと復興応援私募債」に加え、「ひぎんSDGs医療機関債」、鹿児島銀行では「かぎんSDGs推進私募債」や「かぎんSDGs推進医療機関債」を取り扱っております。
引き続き、当社グループ一丸となり、地域やお客様の課題解決に向けた取り組みを強化してまいります。
(広域化戦略)
当社グループは、グループ一体でお客様の広域展開を支援しております。
2019年4月に鹿児島銀行が台北駐在員事務所を開設し、既存の両行上海駐在員事務所と連携を強化するとともに、海外展開支援の一環として、海外への進出・販路拡大に関心をお持ちのお客様に対し、海外展開企業の事例等の情報提供を通じた課題解決支援を行うことを目的に、2020年1月に「中堅・中小企業の海外展開支援セミナー」を熊本・鹿児島で開催いたしました。
また、2019年7月に福岡市に当社の福岡ビルが完成し、鹿児島銀行福岡支店、肥後銀行福岡支店(福岡法人営業室)、九州経済研究所、JR九州FGリース等のグループ企業が入居しております。福岡における当社グループの営業・情報拠点として更なる活用を進めてまいります。
「地域産業振興機能の発揮」
(地域の魅力発信)
当社グループは、各自治体・関係団体の皆様と協働し、地域の様々な魅力を発信する取り組みを行っております。
肥後銀行では、熊本県内各地域の魅力発信及び更なる観光客の誘致等を目的として、各自治体、関係団体の皆様と連携した地域振興フェアを開催いたしました。2019年9月には「キタクマ地域振興フェア」、10月には「阿蘇地域振興フェア2019」を開催し、県北地域や阿蘇地域の豊かな「食」「観光」「アクティビティ」を地元の皆様と共にPRいたしました。
鹿児島銀行では、新本店ビルの完成に伴う「本店ビルよかど鹿児島」の開業により、鹿児島にゆかりがある「人・コト・モノ」が融合・発展することにより、街全体に活気と新しい価値が生まれる鹿児島の新たな賑わい拠点を目指し、五感を通して地元の魅力を発信してまいります。併せて、地域活性化や地方創生への興味・関心を持つ人材の育成を目的に、「本店ビルよかど鹿児島」に大型スクリーンを設置し、「地方創生への取り組みに関する連携協定」締結先である県内の大学など8校に在籍する学生、大学院生及び教職員による視点やアイデアを取り入れた動画を放映してまいります。
(観光分野への取り組み)
当社グループは、地域が有する観光資源の活用や新たな観光コンテンツの企画・発信などを通じ、観光振興及び地域活性化へのご支援を行っております。
肥後銀行では「インフラ資源を活用した観光振興に関する協定」を熊本県・九州電力株式会社と締結し、熊本県内のダム施設や発電施設等の施設を活用した観光ルートの企画・設定・プロモーションを行っております。2019年11月には「熊本県・菊池川水系のダム・発電所と紅葉の菊池渓谷を巡るツアー」を実施し、菊池川流域の豊かな自然と、川の恵みを感じられるインフラ施設や名所を観光資源として、新たな観光客を誘客し、熊本県の観光振興及び地域活性化を図りました。
鹿児島銀行では「霧島錦江湾国立公園」における新たなアウトドアコンテンツ展開を通じた地域資源の魅力向上及び交流人口増加による地域経済活性化に繋げることを目的とし、2019年11月に指宿市(霧島錦江湾国立公園内)において上質なアウトドアサービス「グランピング」などの事業を実施いたしました。
今後もこのような取り組みを通じた地元各地域の観光資源を発掘し、交流人口拡大による地域活性化を推進してまいります。
(農林水産分野への取り組み)
当社グループは、農林水産分野における両行それぞれの特徴を活かし、ノウハウを共有することにより、お客様の事業拡大支援を強化しております。
肥後銀行では、「くまもとあか牛」のブランド化・販路拡大に寄与することを目的とし、2019年11月に「くまもとあか牛」のブランド化・販路拡大に関する連携協定を熊本県畜産農業協同組合連合会及び慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と締結いたしました。また、就職・転職先として農業を検討中の方を全国から募集し、個別マッチングを通して熊本県の農業の魅力を発信することで、農業の人手不足解決支援を図ることを目的に、2019年7月に農業関係者向け就職フェア「就農FEST熊本」を熊本県内で初めて開催いたしました。
鹿児島銀行では、未来を担う子どもたちに、「地域の基幹産業である農業に興味を持ってほしい」「自分で育てた安心・安全な野菜を食べる喜びを経験してほしい」という想いから、鹿児島県内の小学生6万人以上を対象として、野菜栽培キット「ベジポッド」を配付いたしました。
また、全国の地方銀行54行と合同で開催される「地方銀行フードセレクション2019」に両行が参加し、全国に向けた販路拡大を希望される食品関連企業と、地域特性あふれる安心安全な食材を必要とする食品関連担当バイヤーとのビジネスマッチングの場を提供し、地域の食品関連産業の販路開拓をサポートいたしました。
今後も両行が連携し、農林水産分野の成長産業化・地域経済の活性化に努めてまいります。
(創業・新事業分野への取り組み)
当社グループは、事業者に対するコンサルティングメニュー充実の一環として、創業・新事業分野への取り組みを強化しております。
肥後銀行では、産学官連携による「熊本テックプラングランプリ」の開催や、ベンチャー支援を通じた地域産業創出を目的として、2020年3月に「肥銀ベンチャー投資事業有限責任組合」を肥銀キャピタル株式会社と共同で設立するなど、グローバルに活躍する熊本発ベンチャー企業の創出、成長支援に繋げ持続可能な地づくりに貢献してまいります。
鹿児島銀行では、スタートアップビジネス創出の機運醸成を目的として、鹿児島市との共催による「Kagoshima Startup Birth Project」や、鹿児島県内の研究者・地元企業が持つシーズ(技術の種)をビジネスに成長させることを目的として、鹿児島県及び株式会社リバネスとの共催による「鹿児島テックプランター」を開催するなど、地域企業の成長や雇用創出などの地域活性化に資する取り組みを行いました。
今後も創業や第二創業、新規事業の開発などを支援することで、地域企業の成長や雇用創出などの地域活性化に資する取り組みを行ってまいります。
(産学官連携による地方創生支援)
当社グループは、地域貢献の観点から設立した「九州FG PPP/PFIプラットフォーム」の活動の一環として継続的にセミナーを開催しております。地域の各自治体とそれぞれの地域の課題共有・課題解決に向けた協議を進めており、今後も協働して進めてまいります。
《グループ人材力の強化》
(人事部門の融合促進)
当社グループは、グループ一体感の醸成と相互理解による組織力強化を目的として、人事異動を伴う交流や合同研修を継続的に実施しております。当年度の人事異動を伴う交流では、若手行員22名を対象に実施し、累計で148名となりました。また、合同研修では、当年度481名を含め累計で2,300名程の交流を実現することができました。
人材育成では、幹部養成や専門領域の育成施策を積極的に展開しています。1年間を通し事業立案の観点から「企画構築力、戦略の実現・実践力」を習得させる「次世代幹部養成トレーニング」(14名)、1ヶ月の米国への語学研修(14名)や国際感覚を育む海外研修(66名)、新しい領域であるFinTechや事業戦略を学ぶセミナー(22名)などを実施いたしました。
採用活動においては、当社主催インターンシップを初開催するなど企画部門の集約・一体運営を加速させています。また、制度面では、グループ従業員の更なる福利厚生の充実を実現すべく、グループ一体型「選択型確定拠出年金」を2020年4月より導入しております。
当社グループは、今後も人事部門の融合を促進し、グループ人材力の強化に取り組んでまいります。
(働き方改革への取り組み)
当社グループは、従業員が活き活きと働ける職場づくりを実現するため、働き方改革に積極的に取り組んでおります。これまで、生産性向上に効果の高い朝型勤務制度や従業員の健康維持に資するインターバル勤務制度、ライフスタイルも尊重する時差勤務制度を実施してまいりました。
また、更なる柔軟な働き方の実現はもとより、災害や緊急事態に備えたBCP(事業継続計画)の観点から、在宅勤務を含めたテレワークの積極的な活用を2020年度より実施しております。
《グループガバナンスの高度化》
(組織の改定)
当社グループの融合を促進し、当社の経営管理機能を強化するとともに、連結収益強化に向けた収益多角化や新たな事業開発を推進するため、2019年10月に当社の組織改正を行っております。
経営企画部広報・IRグループ及び人事・総務室を経営企画部より分離し、「広報・IR部」「人事・総務部」を新設するとともに、当社グループの広報・IR業務、主計業務を担う人員を、当社を主とする三社兼務態勢とし、グループ内の広報・IR部門、主計部門を統合しております。
また、グループ戦略部を「事業戦略部」に改称するとともに、部内室として新規事業開発に特化した「事業開発室」を新設しております。
(委員会の改定)
当社グループの組織横断的な課題への対応を強化するため、2019年10月より当社の委員会体制を見直しております。
「グループ戦略委員会」を再編し、「組織融合・本社ビル建設委員会」、「新事業開発委員会」、「デジタル・イノベーション委員会」の3委員会を新設するとともに、リスクアペタイト・フレームワークの運営を「ALM委員会」から「総合予算委員会」に移管し、両委員会における「攻め」と「守り」の役割を明確化しております。
また、「コンプライアンス委員会」及び「リスク管理委員会」を統合し、「CR委員会」に再編しております。
(事務・システムの共通化)
当社グループは、経営統合による統合効果の最大化に向け、事務・システムの共通化を継続して進めております。
これまで両行がそれぞれ行っていたキャッシュカード発行業務を統合するとともに、タブレットを活用し、相続手続きやお客様から通帳・現金等をお預かりする際の事務及びシステムを統一・共通化しております。タブレットの活用については、保険窓販業務や店頭での帳票電子化などお客様の記入負担軽減、利便性向上に向け更に拡大してまいります。
また、デジタルトランスフォーメーション進展に向けたデジタル技術への対応についても、金融アプリの開発やオープンAPIへの対応、キャッシュレス決済サービスの機能追加など、引き続きお客様への金融サービスの向上に取り組んでまいります。
「持続的な社会の実現に向けて」
当社グループは、グループ経営理念に基づき、持続的な地域の経済発展及び社会づくりに資する取り組みを行っております。
この取り組みを更に強化するため、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」及び「環境・社会・ガバナンス(ESG)」などの視点を取り入れ、グループ全体の持続可能な事業活動を組織的に統括することを目的に、「サステナビリティ統括室」を設置するとともに、「サステナビリティ宣言」を策定し、グループ一体で持続可能な社会づくりに取り組んでおります。
本宣言を踏まえ、2019年7月に本業である投融資を通じた持続的な地域社会発展への貢献を目的に「投融資に関する指針」を策定し、お客様や地域の環境・社会問題解決につながる自律的で責任ある投融資を推進するとともに、気候変動の抑制や生物多様性に資する事業、地域の基幹産業の振興に資する事業等に対する積極的な支援を行っております。
こうしたESG金融に関する当社グループの取り組みが評価され、「第1回環境省ESGファイナンス・アワード・ジャパン(融資部門)」で銀賞を受賞いたしました。
また、両行は2020年1月、大分銀行、宮崎銀行、環境省九州地方環境事務所と「中・南九州の地域循環共生圏に関する連携協定を締結いたしました。本連携協定の下、国立公園等の地域資源活用を通じた地域活性化や、地域へのSDGs普及・啓発への取り組みを共同で展開するなど、地域及び持続的な地方創生への対応力を強化してまいります。
このほか、災害に強い街づくりに貢献するため、肥後銀行では防災井戸を熊本県内に計10ヶ所設置し、災害時の地域開放について必要な事項を定めた協定を関係5市と締結いたしました。また鹿児島銀行ではグループ会社等と協力して、地域のお客様のBCP策定を支援しております。
(環境保全活動・地域貢献活動への取り組み)
当社グループは、豊かな地域社会づくりのため、環境、社会等に関する課題にも積極的に取り組んでおります。ふるさとの豊かな自然の恵みを次世代に継承するため、水源涵養林の育成や水田湛水事業、森林整備の取り組みなど、継続した環境保全活動を行っております。
2019年7月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2020年3月に「グリーン購入に関する指針」を策定しております。本指針に基づく購買活動を推進するとともに、脱マイクロプラスチックに向けた顧客配布用プラスチックバッグの廃止など、グループ全体で環境に配慮した取り組みを行ってまいります。
このほか、地域行事への参加やスポーツ・文化イベントの協賛、社会福祉など、中長期にわたる地域社会活性化への貢献活動を継続して行っております。
〔経営環境及び対処すべき課題〕
当社グループの地元である南九州においては、恒常的に生産年齢人口が首都圏・都市圏へ流出しており、少子高齢化の加速、市場規模の縮小など、構造的な問題を抱えております。
また、金融業界においては、ゆうちょ銀行や他の地域金融機関等との競合に加え、マイナス金利政策の継続に伴う運用利回りの低下や、地政学リスクの増大に伴う市場運用環境の不確実性の高まりなど、金融機関の経営環境はますます厳しさを増すとともに、FinTechをはじめとしたデジタル技術革新への対応も求められております。
更に、世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症に対しては、日本を含む世界各国で緊急事態宣言や国を跨ぐ渡航禁止などの対策がとられたほか、国内においても不要不急の外出や県境を跨ぐ移動の自粛に加え、飲食店などをはじめとした営業自粛も要請されるなど、ヒトとモノのリアルな動きを全世界的に止めており、国内外はもとより、地元経済においても未だ収束の兆しは見えず、その影響の拡大・長期化が懸念されております。
このような不確実性の高い経営環境下においてこそ、グループ経営資源を最大限に活用し、お客様お一人おひとりに寄り添った総合金融サービスを提供していくとともに、地域特性に即した持続可能な地域社会の実現に積極的に貢献していくことが、当社グループとしての役割であり使命であると認識しております。
第2次グループ中期経営計画(融合ステージ)において、『お客様にとって九州トップの総合金融グループ』を目指し、スピード感を持ってグループの融合を進め、持続的成長に繋げてまいります。(第2次グループ中期経営計画の当事業年度における進捗は、(2)中長期的な会社の経営戦略を参照ください。)
〔新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの体制等〕
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う地域経済等への影響を踏まえ、当社グループの取り組み姿勢を明確にするとともに、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議する「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を新設し、地域活力共創グループとして、お客様や地域の皆様と共に、「経済の再生」と「活力あふれる地域社会」の実現に向け、感染症に強い社会づくりにグループを挙げて取り組んでまいります。
(新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの取り組み姿勢)
(新型コロナウイルス感染症に対する取り組みコンセプト)

(新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの体制)

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)持株会社のリスク
持株会社である当社は、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社から受領する配当金及び経営管理料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限等により、当該銀行子会社が当社に支払う配当金が制限される可能性があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合、当社株主に対し配当を支払えなくなる可能性があります。
(2)信用リスク
①不良債権の状況
当社グループでは、個々の与信先の信用状況を継続的にモニタリングするとともに、特定企業グループ・業種への与信集中状況を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を行っております。特に一定水準以上のリスクを有する与信先については事業再建計画の策定支援を行うとともに計画進捗状況についてのモニタリング徹底等により、貸出資産の健全性についても良好な水準を維持しております。
しかしながら、国内外の経済動向変化、あるいは与信先の経営状況変化(業況悪化、企業不祥事発生による信頼失墜、再建計画達成遅延等)、担保資産価値の下落等により、当初予想した不良債権残高及び総与信費用が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②貸倒引当金の状況
当社グループでは、貸倒による損失の発生状況や貸出先の状況、不動産・有価証券等担保の価値などに基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、予想損失額算出の前提条件と比較して、著しい経済状態の悪化や不動産価格の下落などが生じた場合は、貸倒引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③権利行使の困難性
不動産、有価証券等の流動性の欠如または価格の下落により、担保権を設定した不動産などを換金し、または貸出先の保有する資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。この場合、信用コストが増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。
④新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症拡大によるお取引先の資金繰り等への影響に対しましては、地元金融機関として最重要課題として積極的に支援対応していく方針であります。その結果として、現時点での想定以上に与信費用が増加し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。今後追加的に発生しうる与信費用の金額については、与信先の業績動向も不透明であり合理的に見積もることが困難でありますが、重要な業績への影響を認識した場合には適時・適切に公表いたします。
(3)自己資本比率に関するリスク
当社グループは、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められる国内基準(4%)以上に維持する必要があります。また、当社の連結子会社である株式会社肥後銀行、株式会社鹿児島銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持する必要があります。
当社グループの自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または、一部の停止等命令を受けることとなります。
当社グループの自己資本比率に影響を与える要因には以下のものなどが含まれます。
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・不良債権の処分に際して生じうる総与信費用の増加
・債務者の信用力の悪化に際して生じうるリスク・アセット及び総与信費用の増加
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
なお、連結自己資本比率(国内基準)については、高水準を維持しております。
(4)市場リスク
①金利変動リスク
当社グループの資産及び負債は、主要業務である貸出金、有価証券及び預金で形成されており、主たる収益源は資金運用利回りと資金調達利回りとの利鞘による資金利益収入であります。したがって、金利変動等が発生した場合は、利鞘も変動するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、リスクリターン最適化のために金利変動リスクを定量的に把握・評価し、必要に応じ事前ないし事後に適切な対応を行う方針としております。
②為替変動リスク
当社グループは国際部門の運用・調達手段として、外貨コールローンや外貨コールマネー等の外貨建取引による資産及び負債を保有しており、少なからず為替レートの変動の影響を受けます。円が上昇した場合には、外貨建取引の円貨換算額は減少することになり、かかる外貨建の資産と負債の額が各通貨毎に同額で相殺されない場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響する可能性があります。ただし、持高は売持・買持均衡を基本に調整を行っており、収益への影響は限定的なものになると思われます。
③価格変動リスク
当社グループは、国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しており、将来、債券の利回りが上昇する場合や、株価が下落する場合には保有する有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは所定のリスクリミットや損失限度額等の範囲内にリスクをコントロールし、総合損益や時価、リスク量等定量的なモニタリングを日次で実施しております。
④新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う市場変動の高まりにより、上記①~③のリスクが顕在化し業績へ想定外の影響を与える場合があります。当社グループでは想定外の損失を回避し、安定的な運用収益を計上するため、各種限度額やアラームポイント設定による損失拡大の限定、日次モニタリングを通した経営陣との情報共有・協議を行っております。想定外の損失を合理的に見積もることは困難でありますが、重要な業績への影響を認識した場合には適時・適切に公表いたします。
(単位:億円)
(単位:億円)
(5)流動性リスク
当社グループの財務内容の悪化等により、必要な資金確保が困難になり資金繰りに支障をきたす場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場の混乱等により市場において有価証券売買取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、日次、週次、月次にて資金繰り状況を把握・分析し必要に応じて適切な市場調達を実施しております。また不測の事態に備え資金繰り逼迫度に応じて、各々の局面において迅速な対応が行えるよう、対応策や報告連絡体制を定めております。
(6)オペレーショナル・リスク
①事務リスク
当社グループは、事務の堅確性を維持するために、諸規程に基づく正確な事務取扱の徹底、事務処理の集中化、システム化を図っております。
しかしながら、事務上の事故、不正・不祥事、事務処理体制の不備に起因する不適切な事務等が発生した場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
当社グループは、コンピュータシステムの安全性及び正当性を維持するため、システムリスク管理方針やバックアップ体制を整備しており、さらに災害・障害等に備えた危機管理計画を定めて不測の事態に対応できるよう万全を期しております。しかしながら、万が一システム障害等が発生した場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法務リスク
当社グループは、法令等遵守の徹底や法的な確認を厳格に実施することにより法務リスクの軽減に努めておりますが、法令解釈の相違、法的手続の不備、法令等に違反する行為等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④人的リスク
人事処遇や労働時間管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤風評リスク
当社グループに対する報道、記事、噂などにより、地域、お取引先及び投資家等の間で、事実と異なる風説や風評によって評判が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報資産リスク
当社グループは、膨大な顧客情報を保有しているため、情報管理に関する内部管理体制の整備により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、顧客情報や経営情報等の漏洩、紛失、改ざん、不正利用等が発生し、当社グループの信用低下等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)新型コロナウイルス感染症の影響による業務継続リスク
当社グループは、新型コロナウイルス等の感染症の流行により、業務遂行に必要な人員確保が困難となった場合、業務の全部または一部が継続困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、社長を委員長とする「新型コロナウイルス感染症対策委員会」及び「CR委員会」を設置し、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議することとしております。また、新型コロナウイルス感染拡大が当社グループの経営、業務遂行に重大な影響を及ぼすと判断した場合には、社長を委員長とした「対策本部」を設置し迅速かつ適切な対応を図る態勢としております。
当社グループでは、感染症拡大防止にかかる具体的な取り組みとして、同一部署の社員が複数の拠点で勤務するスプリットオペレーションや在宅勤務(テレワーク)、時差出勤等を併用することで、グループ内各社の業務継続体制を維持しております。
(8)災害等に関するリスク
当社グループは、大地震や未曽有の大型台風及び豪雨など、大規模自然災害の発生により、当社グループの店舗、システムセンター等の施設被災、業務遂行に必要な人的資源損失等の状況が発生することで当社グループの業務の全部または一部が継続困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)サイバー攻撃等に関するリスク
当社グループは、当社グループが直面する様々なサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等の脅威に対し当社グループ各社の保有するリスクの規模・特性に応じた適切なサイバーセキュリティ・リスク管理に努めています。具体的にはCISO(最高情報セキュリティ責任者)のもと、関連部署で組織されたCSIRT(コンピューター・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム)を設置し、管理体制の整備や被害拡大防止に取り組んでおります。しかしながら、サイバー攻撃によるサービス停止や情報漏洩、不正送金等が発生した場合、それに伴う損害賠償や行政処分、風評の発生等により当社グループの業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コンプライアンスに係るリスク
当社グループは、各種法令に加え、社会規範を遵守するようコンプライアンスの徹底を経営の最重要事項と位置付け、グループ共通の基本方針・規程等の整備、社長を委員長とするCR委員会での当社グループのコンプライアンス管理状況等に関する協議・報告、具体的な実践計画としてコンプライアンス・プログラムの策定等コンプライアンス態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、法令等を遵守できなかった場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種法令等及びその解釈は将来変更される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)マネー・ローンダリング等防止に関するリスク
当社グループでは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要課題の一つとして位置づけ、グループ共通の基本方針・規程等の整備、取引時確認の徹底、システム等による異常取引の検知、疑わしい取引の届出等を行いマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止に取り組んでおります。しかしながら、不公正・不適切な取引を未然に防止できなかった場合、不測の損失の発生や信用失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制に関するリスク
当社グループは、現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)退職給付債務に関するリスク
当社グループは、従業員の退職に備えて退職給付に係る負債を計上しております。当該負債の計算基礎となる退職給付債務の割引率を変更した場合や、年金資産の時価が下落した場合には、数理計算上の差異の発生や退職給付費用の増加により、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:億円)
(14)固定資産の減損会計に関するリスク
当社グループが所有する固定資産については、使用目的の変更、今後の地価動向等及び対象となる固定資産の収益状況等により、減損処理に伴う損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)繰延税金資産に関するリスク
繰延税金資産は、現時点の会計基準に基づき計上しておりますが、今後会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の計上に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収が出来ないと判断される場合は、繰延税金資産は取り崩しとなり、当社グループの業績や自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:億円)
(16)経営統合に関するリスク
当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの財政状態及び業績に重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の十分な発揮を妨げる要因として以下が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・サービス及び商品開発の遅れ、顧客との関係悪化、対外的信用の低下、営業戦略の不統一を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性。
・当社グループの経営統合に伴うサービス、商品、業務及び情報システム、営業拠点並びに従業員の再配置等により想定外の追加費用が発生する可能性。
(17)地域経済の動向に影響を受けるリスク
当社グループは熊本県、鹿児島県及び宮崎県を主要な営業基盤としていることから、少子高齢化の進展による人口減少等を起因とした地域経済の悪化や経済規模の縮小が発生した場合、業容の拡大が図れないほか、信用リスクが増加するなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)競合に関するリスク
金融業界を取り巻く環境が厳しくなるなか、県境を越えた金融機関の競争は激化しております。
当社グループの主要な営業基盤である熊本県、鹿児島県及び宮崎県では、ゆうちょ銀行、メガバンク及び他の地域金融機関等との競合など、事業環境はますます激しくなっております。
当社グループが、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
〔経営環境〕
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)のわが国経済は、雇用情勢が改善する中、企業収益は高水準で推移し、消費増税後の個人消費も比較的堅調に推移しました。また、住宅投資は弱含んだものの、設備投資は緩やかな増加傾向が続き、公共投資は底堅く推移しました。一方、米中貿易摩擦の影響で海外経済に減速の動きがみられ生産や輸出は弱含みました。総じてみると、緩やかな回復が続いていましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、急速に落ち込みました。
こうした経済環境のもと、日経平均株価は、米中貿易協議の再開への期待やFRBなどの金融緩和政策を受け、24,000円台まで回復しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響から、年度末にかけて一時16,000円台まで大幅に下落しました。円相場は、期初は1ドル110円台で推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、一時1ドル101円台まで上昇するなど、円高ドル安が進みました。
地元経済におきましては、生産活動や消費関連の一部で弱含みましたが、雇用情勢が堅調に推移し、全体として緩やかな回復傾向となりました。観光関連はラグビーワールドカップ等の明るい材料もあったものの、日韓関係悪化の影響や、鹿児島県で2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」放映効果の反動減により、弱い動きがみられました。投資関連では、再開発案件を中心に民間投資が高水準で推移していますが、熊本県においては災害復旧関連投資が徐々に減少しています。年度末にかけては新型コロナウイルス感染症の影響が様々な業種に及んでおり、地元経済は急速に弱まっております。
〔財政状態及び経営成績の状況〕
当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末比6,352億円増加し11兆797億円となり、純資産は前連結会計年度末比325億円減少し6,197億円となりました。
主要勘定の残高につきましては、預金は前連結会計年度末比2,442億円増加し8兆5,590億円、譲渡性預金は前連結会計年度末比454億円減少し2,072億円となりました。
貸出金は前連結会計年度末比3,337億円増加し7兆1,869億円となりました。
有価証券は前連結会計年度末比2,040億円増加し2兆2,169億円となりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、経常収益は、国債等債券売却益の増加及び子会社の取得によるその他業務収益の増加等により、前連結会計年度比18億17百万円増加し1,721億40百万円となりました。
一方、経常費用は、株式等償却の増加によるその他経常費用の増加等により、前連結会計年度比85億2百万円増加し1,451億6百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比66億84百万円減少し270億33百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比39億41百万円減少し182億61百万円となりました。
セグメント情報ごとの業績を示すと次のとおりであります。
a.銀行業
経常収益は前連結会計年度比18億35百万円減少し1,390億42百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比8億12百万円減少し347億75百万円となりました。
b.リース業
経常収益は前連結会計年度比24億23百万円増加し329億34百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比2億46百万円減少し13億49百万円となりました。
c.その他
経常収益は前連結会計年度比76百万円増加し93億60百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比35百万円減少し10億90百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により1,953億6百万円のプラスとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により2,227億41百万円のマイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払等により118億5百万円のマイナスとなりました。
以上により、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、1兆1,697億23百万円となりました。
資金運用収支は、前連結会計年度比35億40百万円減少して868億23百万円、信託報酬は、信託業務の開始に伴い当連結会計年度より新設し41百万円、役務取引等収支は、前連結会計年度比8億56百万円減少して126億72百万円、特定取引収支は、前連結会計年度比3億53百万円減少して4億74百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比73億76百万円増加して117億19百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引でありま
す。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度3百万円)を控除して表
示しております。
3.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息額であります。
4.信託報酬は、信託業務開始に伴い当連結会計年度より新設いたしました。
資金運用勘定は、平均残高が前連結会計年度比3,327億円増加して9兆3,486億38百万円となりました。利息は、前連結会計年度比5億33百万円増加して986億54百万円となりました。利回りは、前連結会計年度比0.03%低下して1.05%となりました。資金調達勘定は、平均残高が前連結会計年度比3,464億92百万円増加して9兆8,986億30百万円となりました。利息は、前連結会計年度比40億74百万円増加して118億30百万円となりました。利回りは、前連結会計年度比0.03%上昇して0.11%となりました。
① 国内業務部門
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社の一部については、
月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除しております。また、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額
の平均残高(前連結会計年度18,702百万円、当連結会計年度16,766百万円)及び利息(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度3百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額(内書き)であります。
② 国際業務部門
(注) 1.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額(内書き)であります。
2.国際業務部門の外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェ
ンジ取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除しております。また、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額
の平均残高(前連結会計年度18,702百万円、当連結会計年度16,766百万円)及び利息(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度3百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額であります。
役務取引等収益は、前連結会計年度比3億76百万円減少して212億84百万円となりました。
役務取引等費用は、前連結会計年度比4億79百万円増加して86億12百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.信託関連業務は、信託業務開始に伴い当連結会計年度より新設いたしました。
① 特定取引収益・費用の内訳
特定取引収益は、前連結会計年度比3億53百万円減少して4億74百万円となりました。
特定取引費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに該当ありません。
(注) 1.「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。
2.内訳科目はそれぞれの収益と費用を相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費
用欄に、上回った純額を計上しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産残高は、前連結会計年度比3億6百万円減少して8億76百万円となりました。
特定取引負債残高は、前連結会計年度比11百万円増加して11百万円となりました。
(注) 「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。ただ
し、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
(6)国内・国際業務部門別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、該当ありません。
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引でありま
す。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(8)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、肥後銀行及び鹿児島銀行の2行であります。
① 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注)共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
② 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を、それぞれ採用しております。
連結(単体)自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社肥後銀行及び株式会社鹿児島銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額 (単位:億円)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
〔経営成績等の状況に関する認識及び分析〕
1.連結経営成績
当社グループの連結経営成績につきましては以下のとおりです。
九州フィナンシャルグループ(連結)の損益の状況
(単位:百万円)
業務粗利益は、資金利益、役務取引等利益は減少いたしましたが、国債等債券損益の改善を主因とするその他業務利益の増加により、前連結会計年度比26億66百万円増加し1,117億31百万円となりました。
業務純益は、業務粗利益は増加しましたが、一般貸倒引当金が戻入から繰入に転じたことや経費が増加したことにより、前連結会計年度比ほぼ横ばいの351億22百万円となりました。
経常利益は、不良債権処理額は減少したものの、株式等関係損益が悪化したこと等により、前連結会計年度比66億84百万円減少し270億33百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比39億41百万円減少し、182億61百万円となりました。
2.子銀行における経営成績
当社グループの中核である株式会社肥後銀行(以下、肥後銀行)及び株式会社鹿児島銀行(以下、鹿児島銀行)の経営成績につきましては以下のとおりです。
子銀行(単体)の損益の状況(2020年3月期)
(単位:百万円)
(肥後銀行)
業務粗利益は、資金利益が外貨調達コストの増加等により減少したことに加え、役務取引等利益も減少しましたが、国債等債券損益の改善を主因とするその他業務利益の増加により、前年度比5億13百万円増加し526億88百万円となりました。
業務純益は、一般貸倒引当金繰入額は増加しましたが、業務粗利益の増加に加え経費が減少したこと等により、前年度比8億87百万円増加し170億64百万円となりました。
経常利益は、不良債権処理額は減少したものの、株式等関係損益が悪化したこと等により、前年度比3億89百万円増加し185億59百万円となりました。
また、当期純利益は、前年度比3億65百万円増加し128億60百万円となりました。
(鹿児島銀行)
業務粗利益は、資金利益が外貨調達コストの増加等により減少したことに加え、役務取引等利益も減少しましたが、国債等債券損益の改善を主因とするその他業務利益の増加により、前年度比12億10百万円増加し528億57百万円となりました。
業務純益は、業務粗利益は増加しましたが、経費及び一般貸倒引当金繰入額も増加したことにより、前年度比6億75百万円減少し177億52百万円となりました。
経常利益は、不良債権処理額は減少したものの、株式等関係損益が悪化したこと等により、前年度比12億2百万円減少し162億16百万円となりました。
また、当期純利益は、前年度比7億88百万円減少し112億36百万円となりました。
〔資本の財源及び資金の流動性〕
①資本の財源
当社グループの資本の財源の主なものは総預金(預金及び譲渡性預金)であります。
総預金は個人預金及び法人預金の増加等により、前連結会計年度末比1,987億円増加し8兆7,663億円となりました。
また、機動的な資金確保及び外貨資金調達のため、インターバンク市場等においてコールマネー、売現先及び債券レポ等を活用しております。
なお、2020年3月末の連結自己資本比率は、10.89%と国内基準の最低所要自己資本比率4%を大きく上回っております。
②資金の流動性
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,953億6百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,227億41百万円及び財務活動によるキャッシュ・フローは△118億5百万円となった結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比392億31百万円減少し、1兆1,697億23百万円となりました。資金の流動性につきましては、足元のキャッシュ・フローの状態は健全であり、潤沢な資金を確保しております。
連結キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
③重要な資本的支出
当社は、福岡における営業・情報拠点機能強化のため、「九州フィナンシャルグループ福岡ビル」を建設し、2019年7月22日に開業しております。建築費用は3,322百万円で、自己資金及び肥後銀行、鹿児島銀行からの借入金にて資金調達いたしました。
また、当社グループの更なる総合力発揮に向け、2019年4月、「九州フィナンシャルグループ本社ビル(仮称)」の建設に着手しました。建築費用は9,741百万円で、自己資金及び肥後銀行、鹿児島銀行からの借入金にて資金調達し、2021年6月竣工予定です。
〔経営方針に照らした経営者による経営成績等の分析〕
当社は、第2次グループ中期経営計画(2018年4月~2021年3月)におきまして、指標目標として以下の項目を定め、計画最終年度である2021年3月期での達成を目指し、取り組んでおります。
計画期間が2年経過した2020年3月期時点の進捗状況については以下のとおりとなりました。
なお、2021年3月期の予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を見込み、連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)が150億円と減益となる見込みであります。減益予想の主な要因につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループのお取引先の業況が悪化し、貸出金等における貸倒や債務者区分の下位遷移等により与信費用を子銀行2行合算で90億円(2020年3月期 11億円)を見込んでいるためであります。ただし、当該予想につきましては、現時点では不確実であり、今後の新型コロナウイルス感染症の状況や経済活動への影響が変化した場合においては、損失額が増減する可能性があります。
第2次グループ中期経営計画の指標目標及び2020年3月期実績
※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
上記目標の進捗状況につきましては、以下のとおりです。
(成長性)
A.貸出金平残
2020年3月期の貸出金平残につきましては、肥後銀行、鹿児島銀行ともに全セクターで貸出金が増加し7兆1,138億円となりました。
B.預金・NCD平残
2020年3月期の預金・NCD平残につきましては、個人預金及び法人預金が増加し8兆7,471億円となりました。
(収益性)
A.当期純利益
2020年3月期の連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)につきましては、株式相場の下落に伴い株式等償却が大幅に増加したこと等により182億円となりました。
B.お客様向けサービス業務利益
2020年3月期のお客様向けサービス業務利益につきましては117億円となりました。
C.株主資本ROE
株主資本ROEにつきましては、連結当期純利益が減少したことにより3.0%となりました。
(効率性)
A.OHR
2020年3月期のOHRにつきましては、経費は増加しましたが、業務粗利益が増加したことにより67.8%となりました。
(健全性)
A.自己資本比率
2020年3月期の自己資本比率につきましては、貸出金増加を主因とするリスク・アセットが増加し10.89%となりましたが、10%台を維持しており、健全性を確保しております。
〔重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定〕
当社が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上
当社グループにおける貸出金等の与信債権は、連結財務諸表上の資産の部において過半の残高を有しており、経営成績等に対する影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号 2020年3月17日)に基づき定めている償却・引当基準に則り、次のとおり見積り計上しております。
正常先債権及び要注意先債権(要管理先債権を除く)に相当する債権については、算定期間を1年間とする過去5算定期間の貸倒実績率の平均値に直近の貸倒実績も加味した予想損失率を算出し、当該予想損失率を債権額に乗じて算定した予想損失額を貸倒引当金として計上しております。
要注意先債権のうち要管理先債権については、算定期間を3年間とする過去5算定期間の貸倒実績率の平均値に基づいた損失率に直近の貸倒実績も加味した予想損失率を算出し、当該予想損失率を債権額に乗じて算定した予想損失額を貸倒引当金として計上しております。
なお、要注意先債権のうち一定額以上の大口の貸出条件緩和債権で、債務者の合理的な事業計画に基づき債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、当該キャッシュ・フローを貸出条件緩和実施前の約定利子率で割り引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。
破綻懸念先債権については、個別債務者ごとの担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した債権額と、合理的に将来キャッシュ・フローを見積もって算出した回収可能額との差額を貸倒引当金として計上しております。
なお、上記以外の破綻懸念先債権については、1算定期間を3年とした過去5算定期間の貸倒実績率の平均値に基づいた損失率に直近の貸倒実績も加味した予想損失率を算出し、当該予想損失率を債権額に乗じて算定した予想損失額を貸倒引当金として計上しております。
破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額を計上しております。
なお、すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署が査定結果を監査しております。
当社は、以上の貸倒引当金の算定に用いた会計上の見積りは合理的であり、回収可能な額が債権として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には、以下のような不確実性が存在し、このため、債務者の状況や経済環境の変化等により債権の評価が変動する場合には、将来連結子会社が貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
貸倒引当金を見積もる上での不確実性
・予想損失率は過去の貸倒実績を基礎に算定しており、将来の債務者個別の状況や景気変動等により、過去の趨勢と乖離する可能性
・キャッシュ・フロー見積法適用先については、現状の債務者の合理的な事業計画に基づきキャッシュ・フローを見積もっているものの、将来債務者の業況が事業計画と大きく乖離する可能性
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、「第5 経理の状況」中、「1 連結財務諸表等」の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。