本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
〔経営方針〕
(1)会社の経営の基本方針
当社は、2015年10月1日に株式会社肥後銀行(以下、「肥後銀行」という。)と株式会社鹿児島銀行(以下、「鹿児島銀行」という。)の共同株式移転により設立いたしました。両行の地元を中心とした九州での存在感を更に発揮できる盤石な経営基盤を確立することで、広域化した新たな地域密着型ビジネスモデルを創造し、地元との信頼関係を更に強化するとともに経営の効率化を促進し、企業価値を高め、地域総合金融グループとして活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
また、当社グループは、持続可能な成長の実現に向け、以下の3つを柱とする「グループ経営理念」を定め、皆様から真に愛される総合金融グループを目指します。
①お客様の信頼と期待に応え、最適かつ最良の総合金融サービスを提供します。
わたしたちは、これまで培ってきた伝統・人材・想いを結集し、グループ力を最大限に発揮することで、お客様お一人おひとりのニーズに寄り添った、きめ細やかで質の高いサービスをお届けし続けることをお約束します。
②地域とともに成長し、活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献します。
わたしたちは、地域の皆様とともに成長する総合金融グループとして、県の枠を越え、活気と魅力に満ちあふれる、ふるさと九州の実現にむけて、貢献し続けることをお約束します。
③豊かな創造性と自由闊達な組織風土を育み、より良い未来へ向かって挑戦し続けます。
わたしたちは、ふるさと九州を彩る自然のような、豊かな創造性と広がりある自由闊達な人材・風土を育むとともに、希望に満ちた未来を次の世代へつなぐため、一人ひとりが挑戦し続けることをお約束します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、第2次グループ中期経営計画(計画期間:2018年4月1日~2021年3月31日)を以下のとおり策定し、当社グループの企業価値向上・持続的成長に向け取り組みました。
(第2次グループ中期経営計画の概要)
1.名 称:第2次グループ中期経営計画 ~融合ステージ~
2.計画期間:3年(2018年4月~2021年3月)
3.目指す姿:お客様にとって九州トップの総合金融グループ
4.基本方針:お客様にとって最適かつ最良のサービス提供に向けたグループシナジーの最大化
5.基本戦略・戦略の柱
6.指標目標
※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
「融合ステージ」と位置付ける本中計期間の最終年度となる2020年度において、当社グループが実施した主な施策は次のとおりです。
《「地域活力共創」グループへの進化》
「地域総合金融機能の高度化」
(「銀・証・信」連携の確立)
当社グループは、高齢化社会の進展を背景に高まる相続・資産承継ニーズに対応するため、九州の地方銀行グループとしては初の取り組みとなる銀行本体での信託業務を2019年4月より開始し、2020年7月からは両行で「後見支援預金」の取り扱いを開始いたしました。2020年10月には当社グループの九州FG証券株式会社(以下、「九州FG証券」という。)において、株式上場を目指す取引先を支援する「IPO(新規株式公開)支援業務」を開始しております。開業3周年を迎えた九州FG証券とともに、「銀・証・信」が連携し「ためる」・「ふやす」・「のこす」というお客様のライフサイクル・相続などのご要望に応じたサービスをワンストップで提供しております。今後も両行及び九州FG証券の適切な連携により、専門性の高い金融商品・サービスのご提供に努めてまいります。
(サービス・チャネル拡充)
当社グループは、九州の事業者に対する成長資金供給を目的に、2020年5月よりクラウドファンディング事業会社「株式会社グローカル・クラウドファンディング」の事業を開始いたしました。当年度において新型コロナウイルス感染症の影響を受けている熊本県内の飲食店を応援する「さしより応援プロジェクト」や、「令和2年7月豪雨災害」により被害を受けた熊本県人吉球磨の観光産業を応援する「球磨焼酎を飲んで人吉温泉を応援するプロジェクト」など様々なプロジェクトを実施しております。今後も地域が有する資源、アイデア等の具現化のため、全国の投資家の「共感する思い」と「資金」を事業者の皆様へ届ける橋渡し役となり、持続可能な地域経済の発展に貢献してまいります。
また、両行ではお客様の「想い」を地域に届ける取り組みとして、発行額の一定割合をお客様がご指定する学校や団体等へ寄付・寄贈を行う私募債や医療機関債など豊富な商品ラインナップを取り揃えております。肥後銀行では「学び舎応援私募債」「くまもと復興応援私募債」「ひぎんSDGs私募債」「ひぎんSDGs医療機関債」、鹿児島銀行では「かぎんSDGs推進私募債」「かぎんSDGs推進医療機関債」を取り扱っております。
さらに、2021年2月より紙通帳の代わりにお客様のスマートフォンで預金口座の残高や入出金明細をリアルタイムに照会できる「ひぎん通帳アプリ」「かぎん通帳アプリ」の取り扱いを両行同時に開始いたしました。
今後も当社グループ一丸となり、地域やお客様の課題解決に向けた取り組みを強化してまいります。
「地域産業振興機能の発揮」
(地域の活性化支援)
当社グループは、各自治体・関係団体の皆様と協働し、地域の様々な魅力を発信する取り組みを行っております。
肥後銀行では、2020年9月より公益財団法人地方経済総合研究所と連携し、球磨焼酎のブランディングおよび海外への販路拡大支援事業を実施しております。
鹿児島銀行では、2020年5月に新本店ビルが完成し、Payどんを始めとした各種電子マネーや各種クレジットカード等を決済手段とする、完全キャッシュレス商業施設「よかど鹿児島(賑わい施設)」を開業いたしました。鹿児島にゆかりのある「人・コト・モノ」が融合・発展することにより、街全体に活気と新しい価値が生まれる鹿児島の新たな賑わい拠点を目指し、五感を通して地元の魅力を発信しております。また、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の活用促進に関する活動が評価され、2021年1月に「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」を受賞いたしました。
両行では、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部より、地方創生に資する金融機関等の「特徴的な取り組み事例」として認定を受け、地方創生担当大臣から表彰されました。肥後銀行は2021年3月に熊本県阿蘇郡高森町の漫画を起点とした地域活性化・国内外からの移住定住促進支援の取り組みに対する支援策や観光誘客策について、鹿児島銀行は2020年5月に外国人技能実習事業を通じた人材に関する課題解決支援について認定されたものです。
今後も関係機関等と連携しながら、地方創生実現に向け積極的に貢献してまいります。
(観光分野への取り組み)
当社グループは、地域が有する観光資源の活用や新たな観光コンテンツの企画・発信などを通じ、観光振興及び地域活性化へのご支援を行っております。
環境省の「令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業」を活用し、両行において観光プログラムの造成や情報発信等について取り組んでおります。
肥後銀行では2020年9月から2021年2月に株式会社くまもとDMCと連携し、阿蘇くじゅう国立公園における自然体験プログラムの造成やプロモーション動画の作成、モデルツアー事業を実施いたしました。
鹿児島銀行では、2020年7月から10月にかけて霧島錦江湾国立公園の霧島エリアにおいて、高千穂峰と霧島神宮、韓国岳とえびの高原を一体で周遊可能なアクティビティ・プログラムを開発し、プロモーションを展開すると共にモデルツアー事業を実施いたしました。
今後もこのような取り組みを通じた地元各地域の観光資源を発掘し、交流人口拡大による地域活性化を推進してまいります。
(農林水産分野への取り組み)
当社グループは、農林水産分野における両行それぞれの特徴を活かし、ノウハウを共有することにより、お客様の事業拡大支援を強化しております。
肥後銀行では、2021年2月に熊本県物産振興協会と連携し、熊本県内の農水産物の生産者の皆様と県外のスーパーおよびECサイト等の食品関連バイヤーをマッチングさせた「くまもと物産オンライン商談会」を開催いたしました。
鹿児島銀行では、2020年6月より農水産物の生産者の皆様の支援と食品廃棄問題(フードロス)の解決への取り組みを通じて、地域の将来を担う子どもたちの支援や鹿児島県産品活用による食育を目的に子ども食堂への食材の寄贈を継続的に行っております。
今後も両行が連携し、農林水産分野の成長産業化・地域経済の活性化に努めてまいります。
(創業・新事業分野への取り組み)
当社グループは、事業者に対するコンサルティングメニュー充実の一環として、創業・新事業分野への取り組みを強化しております。
肥後銀行では、2020年7月に次世代ベンチャーコンテスト「熊本テックプラングランプリ」を開催し、アグリ・バイオなどの自然共生型産業創出に向けて、次世代技術と情熱をもって熊本から世界を変えようとする起業家を育成する創業支援を行っております。
鹿児島銀行では、鹿児島県内の大学など8校と「地方創生への取り組みに関する連携協定」を締結し、2020年10月から2021年2月にかけて次世代の人材育成および地域への新産業創出を目的とした「かぎん未来創造アイデアソンプログラム」を実施しております。
また両行では、肥銀オフィスビジネス株式会社および株式会社みらいワークスと連携し、地域企業と都市部副業人材をつなぐマッチングサービスを開始し、副業人材を活用した経営課題の解決に取り組んでおります。
今後も創業や第二創業、新規事業の開発などを支援することで、地域企業の成長や雇用創出などの地域活性化に資する取り組みを行ってまいります。
(産学官連携による地方創生支援)
当社グループは、地域貢献の観点から設立した「九州FG PPP/PFIプラットフォーム」の活動の一環として継続的にセミナーを開催しております。地域の各自治体とそれぞれの地域の課題共有・課題解決に向けた協議を進めており、今後も協働して進めてまいります。
(新型コロナウイルス感染症への対応)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている地域やお客様に対し、グループ一体となって継続的な支援を行っております。
金融面では、両行で相談窓口を設置しお客様のご融資やご返済に関するご相談等に迅速かつきめ細やかな対応を行う体制を整備し、「新型コロナウイルス感染症対応特別融資」等により売上減少などの影響を受けている事業者の皆様への支援を行っております。また、お客様への経営支援をさらに強化し、専門性の発揮によるお客様、地域の持続可能性向上に貢献することを目的とし、肥後銀行では「企業支援室」、鹿児島銀行では「新型コロナ事業支援チーム」を新設しました。さらに、新型コロナウイルス感染症により経営が悪化した事業者様に対し、毀損した財務基盤の充実を図っていただくことを目的とし、2021年1月に両行で「資本性劣後ローン」の取り扱いを開始いたしました。当年度の新型コロナウイルス感染症関連の融資実行先数は両行で11,901先、融資実行金額は2,855億円であります。
非金融面では、肥後銀行で「副業でみんながつながる熊本産マスクプロジェクト」へ参画し、収入減等の影響を受けている皆様の手作りしたマスクを買い取り、熊本県内の事業者・団体や個人の皆様に無料で配布いたしました。鹿児島銀行ではキャッシュレスアプリ「Payどん」を活用した地域振興券や商品券の電子発行サービスを開始し、地域経済活性化や新型コロナウイルス感染症拡大防止に寄与する取り組みを行っております。
2020年8月には、新型コロナウイルス感染症の対応に従事される医療関係者の皆様の取り組みを支援するため、第5期定時株主総会において、事前に議決権行使いただいた株主様お一人につき100円、総額459,800円を鹿児島県医師会および熊本県医師会へ寄付いたしました。
さらに、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた地元経済の復興および地方創生事業への支援の一環として、2020年9月に両行で熊本県および鹿児島県に総額2億円の企業版ふるさと納税による寄付を行いました。
今後も持続可能な地域社会の実現に向け、積極的な取り組みを行ってまいります。
(令和2年7月豪雨災害への対応)
当社グループは、「令和2年7月豪雨災害」により被害を受けた皆様に寄り添った支援を行っております。
皆様からのご相談に適切かつ迅速に対応するため特別窓口を設置し、事業者の皆様に対し熊本県信用保証協会との連携による「緊急時短期資金」等の活用を通し事業者の皆様に対するご支援を行っております。また肥後銀行の移動店舗車「HarmoniCar(ハモニカー)」に加え、鹿児島銀行の「移動ATMカー」を被災地に派遣しました。さらに、「なりわい再建支援補助金」に関する説明会を実施するなど、あらゆる課題解決を通じお客様の復旧・復興のサポートを継続してまいります。
《グループ人材力の強化》
(人事部門の融合促進)
当社グループは、グループ一体感の醸成と相互理解による組織力強化を目的として、人事異動を伴う交流や合同研修を継続的に実施しております。人事異動を伴う交流は、当年度までの累計で150名となりました。また、合同研修では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、集合型研修からオンライン形式に移行して開催し、当年度130名を含め累計で2,400名程の交流を実現することができました。
人材育成では、幹部養成や専門領域の育成施策を積極的に展開しております。幹部養成では、若手層を中心に、事業構想に特化した1年間のプログラムのもと、グループの中核人材に必要とされる実践力・創造力などのスキルを習得させる「次世代リーダー養成トレーニング」(受講者15名)を実施、あわせて、新しい領域のデジタル人材を育成すべく、デジタル人材育成セミナー(受講者20名)、オープンイノベーションセミナー(95名)を実施いたしました。
採用活動においては、WEB採用説明会・動画配信などの積極的なオンライン採用活動により、グループ採用機能の強化を図りました。
(働き方改革への取り組み)
当社グループは、従業員が活き活きと働ける職場づくりを実現するため、働き方改革に積極的に取り組んでおります。これまで、生産性向上に効果の高い朝型勤務制度や従業員の健康維持に資するインターバル勤務制度、ライフスタイルも尊重する時差勤務制度を実施してまいりました。
また、更なる柔軟な働き方の実現はもとより、災害や緊急事態に備えたBCP(事業継続計画)の観点から、在宅勤務を含めたテレワークの積極的な活用及びスプリット勤務を実施しております。
《グループガバナンスの高度化》
(組織の改定)
当社グループは、社会・環境のデジタル化に向けた新たな顧客体験・サービスの提供、デジタル化推進による働き方改革・生産性向上を目的として、2020年1月に業務・IT統括部を「デジタルイノベーション部」へ組織改正しております。デジタルイノベーション部は、グループ横断的なデジタルイノベーションの企画・立案・推進や新たな事業領域拡充に向けたデジタル化企画・立案などに取り組み、グループ一体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。
(委員会の改定)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う地域経済等への影響を踏まえ、当社グループの取り組み姿勢を明確にするとともに、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議する「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を2020年5月に新設いたしました。地域活力共創グループとして、お客様や地域の皆様と共に、「経済の再生」と「活力あふれる地域社会」の実現に向け、感染症に強い社会づくりにグループを挙げて取り組んでおります。
2021年4月には、「SDGs・ESGの先駆的取組み」に関わる重要課題を協議、議論する「サステナビリティ推進委員会」を新設しております。それに伴い「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を「サステナビリティ推進委員会」に統合し、感染症や自然災害等を地域社会の重要課題として認識し、お客様、地域社会への取り組み等について協議してまいります。
(事務・システムの共通化)
当社グループは、経営統合による統合効果の最大化に向けた取組みを継続して進めております。その中で、基幹系システムにつきましては、統合のコストと効果、マンパワーや開発期間など多面的な検証を行った結果、統合しても大きなコスト削減効果が無く、2年間程度の開発凍結期間が必要であることなど、デメリットが大きいことから、当面統合を行わないことといたしました。
変革とスピードが求められる現状において、勘定系統合にかかるコストを第3次中期経営計画の3年間においてDX投資に重点的に振り向け、デジタルによるお客様への新たな体験やサービスの提供と、グループ内業務プロセス改革による生産性向上を図ってまいりたいと考えております。
具体的には、お客さまの資産形成のお手伝いや利便性の向上に向けて、日本初となる米国ムーブン社の機能を取り入れたグループ共通の金融アプリの開発に取り組んでおります。今後とも地域のDX支援や金融・非金融分野のデジタルサービス提供に向けた地域のデジタルプラットフォーム構築に取り組んでまいります。
デジタル化の取組みの成果として、本年2月にはお客様の利便性の向上に資する通帳アプリを両行にてリリースしております。
「持続的な社会の実現に向けて」
当社グループは、グループ経営理念に基づき、持続的な地域の経済発展及び社会づくりに資する取り組みを行っております。
この取り組みを更に強化するため、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」及び「環境・社会・ガバナンス(ESG)」などの視点を取り入れ、グループ全体の持続可能な事業活動を組織的に統括することを目的に、「サステナビリティ統括室」を設置するとともに、「サステナビリティ宣言」を策定し、グループ一体で持続可能な社会づくりに取り組んでおります。
本宣言を踏まえ、2019年7月に本業である投融資を通じた持続的な地域社会発展への貢献を目的に「投融資に関する指針」を策定し、お客様や地域の環境・社会問題解決につながる自律的で責任ある投融資を推進するとともに、気候変動の抑制や生物多様性に資する事業、地域の基幹産業の振興に資する事業等に対する積極的な支援を行っております。
こうしたESG金融に関する当社グループの取り組みが評価され、「第1回環境省ESGファイナンス・アワード・ジャパン(融資部門)」で銀賞を受賞いたしました。
また、2020年9月に、国内地方銀行で2例目となる責任銀行原則(PRB)に署名し、SDGsやパリ協定等の社会的目標に沿った事業戦略を定め、持続可能な地域社会の実現のために役割と責任を果たしていく決意であります。
地域とのかかわりにおいても、両行は2020年1月、大分銀行、宮崎銀行、環境省九州地方環境事務所と中・南九州の地域循環共生圏に関する連携協定を締結いたしました。本連携協定の下、国立公園等の地域資源活用を通じた地域活性化や、地域へのSDGs普及・啓発への取り組みを共同で展開するなど、地域及び持続的な地方創生への対応力を強化してまいります。
このほか、災害に強い街づくりに貢献するため、肥後銀行では防災井戸を熊本県内に計10ヶ所設置し、災害時の地域開放について必要な事項を定めた協定を関係5市と締結いたしました。また鹿児島銀行ではグループ会社等と協力して、地域のお客様のBCP策定を支援しております。
(環境保全活動・地域貢献活動への取り組み)
当社グループは、豊かな地域社会づくりのため、環境、社会等に関する課題にも積極的に取り組んでおります。ふるさとの豊かな自然の恵みを次世代に継承するため、水源涵養林の育成や水田湛水事業、森林整備の取り組みなど、継続した環境保全活動を行っております。
2019年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2020年3月に「グリーン購入に関する指針」を策定しております。本指針に基づく購買活動を推進するとともに、脱マイクロプラスチックに向けた顧客配布用プラスチックバッグの廃止など、グループ全体で環境に配慮した取り組みを行ってまいります。
また、2020年12月には、気候変動等の新たな環境課題へのグループ方針の統一および対応強化を図るため、当社グループの「環境方針」を制定しました。脱炭素社会の実現を目指し、地域の環境保全の取り組みなどを通して、持続可能な地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
このほか、地域行事への参加やスポーツ・文化イベントの協賛、社会福祉など、中長期にわたる地域社会活性化への貢献活動を継続して行っております。
〔経営環境及び対処すべき課題〕
当社グループの地元である中・南九州においては、恒常的に生産年齢人口が首都圏・都市圏へ流出しており、少子高齢化の加速、市場規模の縮小など、構造的な問題を抱えております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響による企業の収益悪化や個人消費の落ち込み、インバウンド需要の低迷など、地元経済は、引き続き、先行き不透明な状況が続くことが懸念されております。
更に、金融業界においては、低金利環境の長期化、地政学リスクの増大に伴う市場運用環境の不確実性の高まり、他の金融機関等との競合などに加え、デジタル技術革新による社会環境やお客様の行動の変化への対応も求められております。
《第2次グループ中期経営計画における結果と課題》
2018年度からスタートした第2次グループ中期経営計画では、長期ビジョンに掲げる「お客さまにとって九州トップの総合金融グループ」を目指し、グループシナジーの最大化に取り組んでまいりました。結果、預金・貸出金についてはともに順調に推移し、概ね計画通りの成果を上げることができましたが、一方でその他の指標目標については、新型コロナウイルス感染症や自然災害の頻発など、当初計画策定時の想定を超える大きな環境変化もあり、未達となりました。当社グループは、「収益性・効率性」の更なる向上に取り組むとともに、企業価値を更に向上させていくために、持続可能なビジネスモデルへの転換が必要であると認識しております。
《第3次グループ中期経営計画の概要》
当社グループは、持続可能な地域社会の実現に向け、「要」としてその一翼を担うことを使命と考え、自らの存在意義を次のように再定義いたしました。
「私たちは、お客様や地域の皆様とともに、お客様の資産や事業、地域の産業や自然・文化を育て、守り、引き継ぐことで、地域の未来を創造していく為に存在しています。」
この存在意義に基づいて、当社グループは、お客様、地域、当社グループの持続可能性を高めていくため、第3次グループ中期経営計画(計画期間:2021年4月1日~2024年3月31日)を以下の通り策定いたしました。
1.名 称:第3次グループ中期経営計画「改革」
2.計画期間:3年(2021年4月~2024年3月)
3.ビジョン:お客様・地域・社員とともに、より良い未来を創造する『地域価値共創グループ』への進化
4.基本方針:地域価値共創グループの実現に向けた改革
5.基本戦略・戦略の柱
6.グループKPI
※1 お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
※2 役務利益比率 = 役務等利益 ÷ コア業務粗利益 ( 業務粗利益 - 国債等債券損益 )
当社グループは2015年10月の設立以来、「協働」ステージ、「融合」ステージと歩んできましたが、次の10年間をビジョンの実現に向け、「共創」ステージと位置付けました。第3次グループ中期経営計画では、新型コロナウイルス感染症や自然災害等不確実性の高い環境下において、お客様、地域、当社グループの持続可能性を高めていくため、「お客様、地域、社員とともに、より良い未来を創造する『地域価値共創グループ』への進化」を新たなビジョンとして掲げました。本計画の3年間は、ビジョン実現に向けた『共創』ステージにおけるファーストステップとして、変えるべきを変えていく「改革」にグループ一丸となって取り組んでまいります。
〔新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの体制等〕
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う地域経済等への影響を踏まえ、当社グループの取り組み姿勢を明確にしております。また、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議する「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を、2021年4月に新設した「サステナビリティ推進委員会」に統合し、感染症や自然災害等を地域社会の重要課題として認識し、お客様、地域社会への取り組み等について協議しております。
(新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの取り組み姿勢)
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)持株会社のリスク
持株会社である当社は、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社から受領する配当金及び経営管理料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限等により、当該銀行子会社が当社に支払う配当金が制限される可能性があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合、当社株主に対し配当を支払えなくなる可能性があります。
(2)信用リスク
①不良債権の状況
当社グループでは、個々の与信先の信用状況を継続的にモニタリングするとともに、特定企業グループ・業種への与信集中状況を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を行っております。特に一定水準以上のリスクを有する与信先については事業再建計画の策定支援を行うとともに計画進捗状況についてのモニタリング徹底等により、貸出資産の健全性についても良好な水準を維持しております。
しかしながら、国内外の経済動向変化、あるいは与信先の経営状況変化(業況悪化、企業不祥事発生による信頼失墜、再建計画達成遅延等)、担保資産価値の下落等により、当初予想した不良債権残高及び総与信費用が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②貸倒引当金の状況
当社グループでは、貸倒による損失の発生状況や貸出先の状況、不動産・有価証券等担保の価値などに基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、予想損失額算出の前提条件と比較して、著しい経済状態の悪化や不動産価格の下落などが生じた場合は、貸倒引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③権利行使の困難性
不動産、有価証券等の流動性の欠如または価格の下落により、担保権を設定した不動産などを換金し、または貸出先の保有する資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。この場合、信用コストが増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。
④新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症拡大によるお取引先の資金繰り等への影響に対しましては、地元金融機関として最重要課題として積極的に支援対応していく方針であります。その結果として、現時点での想定以上に与信費用が増加し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。今後追加的に発生しうる与信費用の金額については、与信先の業績動向も不透明であり合理的に見積もることが困難でありますが、重要な業績への影響を認識した場合には適時・適切に公表いたします。
(3)自己資本比率に関するリスク
当社グループは、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められる国内基準(4%)以上に維持する必要があります。また、当社の連結子会社である株式会社肥後銀行、株式会社鹿児島銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持する必要があります。
当社グループの自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または、一部の停止等命令を受けることとなります。
当社グループの自己資本比率に影響を与える要因には以下のものなどが含まれます。
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・不良債権の処分に際して生じうる総与信費用の増加
・債務者の信用力の悪化に際して生じうるリスク・アセット及び総与信費用の増加
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
なお、連結自己資本比率(国内基準)については、高水準を維持しております。
(4)市場リスク
①金利変動リスク
当社グループの資産及び負債は、主要業務である貸出金、有価証券及び預金で形成されており、主たる収益源は資金運用利回りと資金調達利回りとの利鞘による資金利益収入であります。したがって、金利変動等が発生した場合は、利鞘も変動するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、リスクリターン最適化のために金利変動リスクを定量的に把握・評価し、必要に応じ事前ないし事後に適切な対応を行う方針としております。
②為替変動リスク
当社グループは国際部門の運用・調達手段として、外貨コールローンや外貨コールマネー等の外貨建取引による資産及び負債を保有しており、少なからず為替レートの変動の影響を受けます。円が上昇した場合には、外貨建取引の円貨換算額は減少することになり、かかる外貨建の資産と負債の額が各通貨毎に同額で相殺されない場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響する可能性があります。ただし、持高は売持・買持均衡を基本に調整を行っており、収益への影響は限定的なものになると思われます。
③価格変動リスク
当社グループは、国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しており、将来、債券の利回りが上昇する場合や、株価が下落する場合には保有する有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは所定のリスクリミットや損失限度額等の範囲内にリスクをコントロールし、総合損益や時価、リスク量等定量的なモニタリングを日次で実施しております。
④新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う市場変動の高まりにより、上記①~③のリスクが顕在化し業績へ想定外の影響を与える場合があります。当社グループでは想定外の損失を回避し、安定的な運用収益を計上するため、各種限度額やアラームポイント設定による損失拡大の限定、日次モニタリングを通した経営陣との情報共有・協議を行っております。想定外の損失を合理的に見積もることは困難でありますが、重要な業績への影響を認識した場合には適時・適切に公表いたします。
(単位:億円)
(単位:億円)
(5)流動性リスク
当社グループの財務内容の悪化等により、必要な資金確保が困難になり資金繰りに支障をきたす場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場の混乱等により市場において有価証券売買取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、日次、週次、月次にて資金繰り状況を把握・分析し必要に応じて適切な市場調達を実施しております。また不測の事態に備え資金繰り逼迫度に応じて、各々の局面において迅速な対応が行えるよう、対応策や報告連絡体制を定めております。
(6)オペレーショナル・リスク
①事務リスク
当社グループは、事務の堅確性を維持するために、諸規程に基づく正確な事務取扱の徹底、事務処理の集中化、システム化を図っております。
しかしながら、事務上の事故、不正・不祥事、事務処理体制の不備に起因する不適切な事務等が発生した場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
当社グループは、コンピュータシステムの安全性及び正当性を維持するため、システムリスク管理方針やバックアップ体制を整備しており、さらに災害・障害等に備えた危機管理計画を定めて不測の事態に対応できるよう万全を期しております。しかしながら、万が一システム障害等が発生した場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法務リスク
当社グループは、法令等遵守の徹底や法的な確認を厳格に実施することにより法務リスクの軽減に努めておりますが、法令解釈の相違、法的手続の不備、法令等に違反する行為等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④人的リスク
人事処遇や労働時間管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤風評リスク
当社グループに対する報道、記事、噂などにより、地域、お取引先及び投資家等の間で、事実と異なる風説や風評によって評判が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報資産リスク
当社グループは、膨大な顧客情報を保有しているため、情報管理に関する内部管理体制の整備により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、顧客情報や経営情報等の漏洩、紛失、改ざん、不正利用等が発生し、当社グループの信用低下等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)新型コロナウイルス感染症の影響による業務継続リスク
当社グループは、新型コロナウイルス等の感染症の流行により、業務遂行に必要な人員確保が困難となった場合、業務の全部または一部が継続困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、社長を委員長とする「新型コロナウイルス感染症対策委員会」及び「CR委員会」を設置し、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議することとしております。また、新型コロナウイルス感染拡大が当社グループの経営、業務遂行に重大な影響を及ぼすと判断した場合には、社長を委員長とした「対策本部」を設置し迅速かつ適切な対応を図る態勢としております。
当社グループでは、感染症拡大防止にかかる具体的な取り組みとして、同一部署の社員が複数の拠点で勤務するスプリットオペレーションや在宅勤務(テレワーク)、時差出勤等を併用することで、グループ内各社の業務継続体制を維持しております。
(8)災害等に関するリスク
当社グループは、大地震や未曽有の大型台風及び豪雨など、大規模自然災害の発生により、当社グループの店舗、システムセンター等の施設被災、業務遂行に必要な人的資源損失等の状況が発生することで当社グループの業務の全部または一部が継続困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)サイバー攻撃等に関するリスク
当社グループは、当社グループが直面する様々なサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等の脅威に対し当社グループ各社の保有するリスクの規模・特性に応じた適切なサイバーセキュリティ・リスク管理に努めています。具体的にはCISO(最高情報セキュリティ責任者)のもと、関連部署で組織されたCSIRT(コンピューター・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム)を設置し、管理体制の整備や被害拡大防止に取り組んでおります。しかしながら、サイバー攻撃によるサービス停止や情報漏洩、不正送金等が発生した場合、それに伴う損害賠償や行政処分、風評の発生等により当社グループの業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コンプライアンスに係るリスク
当社グループは、各種法令に加え、社会規範を遵守するようコンプライアンスの徹底を経営の最重要事項と位置付け、グループ共通の基本方針・規程等の整備、社長を委員長とするCR委員会での当社グループのコンプライアンス管理状況等に関する協議・報告、具体的な実践計画としてコンプライアンス・プログラムの策定等コンプライアンス態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、法令等を遵守できなかった場合、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種法令等及びその解釈は将来変更される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業務や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)マネー・ローンダリング等防止に関するリスク
当社グループでは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要課題の一つとして位置づけ、グループ共通の基本方針・規程等の整備、取引時確認の徹底、システム等による異常取引の検知、疑わしい取引の届出等を行いマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止に取り組んでおります。しかしながら、不公正・不適切な取引を未然に防止できなかった場合、不測の損失の発生や信用失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制に関するリスク
当社グループは、現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)退職給付債務に関するリスク
当社グループは、従業員の退職に備えて退職給付に係る負債を計上しております。当該負債の計算基礎となる退職給付債務の割引率を変更した場合や、年金資産の時価が下落した場合には、数理計算上の差異の発生や退職給付費用の増加により、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:億円)
(14)固定資産の減損会計に関するリスク
当社グループが所有する固定資産については、使用目的の変更、今後の地価動向等及び対象となる固定資産の収益状況等により、減損処理に伴う損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)繰延税金資産に関するリスク
繰延税金資産は、現時点の会計基準に基づき計上しておりますが、今後会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の計上に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収が出来ないと判断される場合は、繰延税金資産は取り崩しとなり、当社グループの業績や自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:億円)
(16)経営統合に関するリスク
当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの財政状態及び業績に重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の十分な発揮を妨げる要因として以下が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・サービス及び商品開発の遅れ、顧客との関係悪化、対外的信用の低下、営業戦略の不統一を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性。
・当社グループの経営統合に伴うサービス、商品、業務及び情報システム、営業拠点並びに従業員の再配置等により想定外の追加費用が発生する可能性。
(17)地域経済の動向に影響を受けるリスク
当社グループは熊本県、鹿児島県及び宮崎県を主要な営業基盤としていることから、少子高齢化の進展による人口減少等を起因とした地域経済の悪化や経済規模の縮小が発生した場合、業容の拡大が図れないほか、信用リスクが増加するなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)競合に関するリスク
金融業界を取り巻く環境が厳しくなるなか、県境を越えた金融機関の競争は激化しております。
当社グループの主要な営業基盤である熊本県、鹿児島県及び宮崎県では、ゆうちょ銀行、メガバンク及び他の地域金融機関等との競合など、事業環境はますます激しくなっております。
当社グループが、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
〔経営環境〕
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大した影響を受け、経済活動が停滞し、極めて厳しい状況となりました。4月から5月にかけては全国的に緊急事態宣言が発出され、4~6月期のGDPは年率換算で前期比29.3%マイナスとなるなど、大きく落ち込みました。その後は観光や飲食・サービス向けの需要喚起策が奏功し、年末にかけて持ち直しの動きがみられました。年末に入ると感染者が増加し、全国的に第3波に見舞われ、緊急事態宣言が再発出されました。足元は、厳しい状況にある中、持ち直しの動きがみられますが、一部に弱さも残ります。
こうした経済環境のもと、新型コロナウイルス感染症の影響で低迷していた日経平均株価は、各国の経済対策や金融緩和策、ワクチン接種開始が好感されたことによる世界的な株高の流れを受け、2021年2月に30年半ぶりに30,000円台に乗せました。円相場は、期初は1ドル105~109円付近で推移していましたが、世界的な感染再拡大への懸念から2020年末にかけて102円台まで上昇、その後、アメリカの長期金利上昇を受けて円安方向の動きとなりました。
地元経済におきましては、全国と同様、年度前半は新型コロナウイルス感染症の影響で、観光関連や消費関連が大きく落ち込むなど、全体として厳しい状況が続きました。年度後半は、生産活動、政府の景気刺激策「GoToキャンペーン」効果もあり、消費関連、観光関連が持ち直しました。年明け以降、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴うGoToトラベル一時停止などの影響で観光関連が再度落ち込むなど厳しい分野もありますが、全体として持ち直しの動きがみられます。
〔財政状態及び経営成績の状況〕
当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は現金預け金及び貸出金の増加等により、前連結会計年度末比1兆1,242億円増加し12兆2,040億円となり、純資産は前連結会計年度末比633億円増加し6,831億円となりました。
主要勘定の残高につきましては、預金は個人預金の増加等により、前連結会計年度末比9,502億円増加し9兆5,093億円、譲渡性預金は法人預金の減少等により、前連結会計年度末比599億円減少し1,473億円となりました。
貸出金は公共向けの増加等により、前連結会計年度末比3,934億円増加し7兆5,803億円となりました。
有価証券は外国証券の減少等により、前連結会計年度末比214億円減少し2兆1,955億円となりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、経常収益は、子会社の増加によるその他業務収益の増加や株式等売却益の増加によるその他経常収益の増加等により、前連結会計年度比87億56百万円増加し1,808億96百万円となりました。
一方、経常費用は、子会社の増加によるその他業務費用の増加や貸倒引当金繰入額の増加によるその他経常費用の増加等により、前連結会計年度比141億6百万円増加し1,592億13百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比53億50百万円減少し216億82百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比32億48百万円減少し150億12百万円となりました。
セグメント情報ごとの業績を示すと次のとおりであります。
a.銀行業
経常収益は前連結会計年度比47億10百万円増加し1,437億52百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比121億6百万円減少し226億68百万円となりました。
b.リース業
経常収益は前連結会計年度比47億48百万円増加し376億83百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比13百万円増加し13億63百万円となりました。
c.その他
経常収益は前連結会計年度比6億18百万円増加し99億79百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比5億78百万円増加し16億69百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により7,947億63百万円のプラスとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により35億90百万円のマイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により53億22百万円のマイナスとなりました。
以上により、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、1兆9,555億89百万円となりました。
資金運用収支は、前連結会計年度比8億64百万円増加して876億88百万円、信託報酬は、前連結会計年度比10百万円増加して52百万円、役務取引等収支は、前連結会計年度比2億15百万円増加して128億87百万円、特定取引収支は、前連結会計年度比33百万円減少して4億40百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比13億77百万円減少して103億42百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引でありま
す。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度3百万円、当連結会計年度2百万円)を控除して表
示しております。
3.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息額であります。
資金運用勘定は、平均残高が前連結会計年度比4,528億11百万円増加して9兆8,014億49百万円となりました。利息は、前連結会計年度比18億21百万円減少して968億32百万円となりました。利回りは、前連結会計年度比0.06%低下して0.98%となりました。資金調達勘定は、平均残高が前連結会計年度比1兆129億85百万円増加して10兆9,116億15百万円となりました。利息は、前連結会計年度比26億86百万円減少して91億44百万円となりました。利回りは、前連結会計年度比0.03%低下して0.08%となりました。
① 国内業務部門
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社の一部については、
月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除しております。また、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額
の平均残高(前連結会計年度16,766百万円、当連結会計年度16,745百万円)及び利息(前連結会計年度3百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額(内書き)であります。
② 国際業務部門
(注) 1.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額(内書き)であります。
2.国際業務部門の外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェ
ンジ取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除しております。また、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額
の平均残高(前連結会計年度16,766百万円、当連結会計年度16,745百万円)及び利息(前連結会計年度3百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息額であります。
役務取引等収益は、前連結会計年度比3億86百万円増加して216億71百万円となりました。
役務取引等費用は、前連結会計年度比1億71百万円増加して87億83百万円となりました。
(注) 「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
① 特定取引収益・費用の内訳
特定取引収益は、前連結会計年度比33百万円減少して4億40百万円となりました。
特定取引費用は、前連結会計年度比0百万円増加して0百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。
2.内訳科目はそれぞれの収益と費用を相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費
用欄に、上回った純額を計上しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産残高は、前連結会計年度比8億57百万円減少して19百万円となりました。
特定取引負債残高は、前連結会計年度比4百万円増加して16百万円となりました。
(注) 「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引であります。ただ
し、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
(6)国内・国際業務部門別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、該当ありません。
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は連結子会社の外貨建取引でありま
す。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(8)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、肥後銀行及び鹿児島銀行の2行であります。
① 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
② 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を、それぞれ採用しております。
連結(単体)自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社肥後銀行及び株式会社鹿児島銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額 (単位:億円)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
〔経営成績等の状況に関する認識及び分析〕
1.連結経営成績
当社グループの連結経営成績につきましては以下のとおりです。
九州フィナンシャルグループ(連結)の損益の状況
(単位:百万円)
業務粗利益は、資金利益が増加したものの国債等債券損益の減少等により、前連結会計年度比3億20百万円減少し1,114億11百万円となりました。
業務純益は、経費及び一般貸倒引当金繰入額の増加等により、前連結会計年度比76億10百万円減少し275億12百万円となりました。
経常利益は、株式等関係損益が増加したものの業務粗利益の減少や与信費用の増加等により、前連結会計年度比53億50百万円減少し216億82百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比32億48百万円減少し150億12百万円となりました。
2.子銀行における経営成績
当社グループの中核である株式会社肥後銀行(以下、肥後銀行)及び株式会社鹿児島銀行(以下、鹿児島銀行)の経営成績につきましては以下のとおりです。
子銀行(単体)の損益の状況(2021年3月期)
(単位:百万円)
(肥後銀行)
業務粗利益は、資金利益が増加したものの、役務取引等利益及び国債等債券損益の減少を主因とするその他業務利益の減少等により、前年度比4億70百万円減少し522億18百万円となりました。
業務純益は、業務粗利益の減少に加え、経費及び一般貸倒引当金繰入額の増加等により、前年度比29億83百万円減少し140億81百万円となりました。
経常利益は、不良債権処理額の増加等により、前年度比63億5百万円減少し122億53百万円となりました。
また、当期純利益は、前年度比41億83百万円減少し86億77百万円となりました。
(鹿児島銀行)
業務粗利益は、役務取引等利益及び国債等債券損益の減少を主因とするその他業務利益が減少したものの、資金利益の増加等により、前年度比44百万円増加し529億2百万円となりました。
業務純益は、業務粗利益は増加したものの、経費及び一般貸倒引当金繰入額の増加等により、前年度比53億51百万円減少し124億1百万円となりました。
経常利益は、株式等関係損益は増加したものの、不良債権処理額の増加等により、前年度比58億1百万円減少し104億14百万円となりました。
また、当期純利益は、前年度比37億69百万円減少し74億66百万円となりました。
〔資本の財源及び資金の流動性〕
①資本の財源
当社グループの資本の財源の主なものは総預金(預金及び譲渡性預金)であります。
総預金は個人預金の増加等により、前連結会計年度末比8,903億円増加し9兆6,566億円となりました。
また、機動的な資金確保及び外貨資金調達のため、インターバンク市場等においてコールマネー、売現先及び債券レポ等を活用しております。
なお、2021年3月末の連結自己資本比率は、11.08%と国内基準の最低所要自己資本比率4%を大きく上回っております。
②資金の流動性
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは+7,947億63百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△35億90百万円及び財務活動によるキャッシュ・フローは△53億22百万円となった結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比7,858億65百万円増加し、1兆9,555億89百万円となりました。資金の流動性につきましては、足元のキャッシュ・フローの状態は健全であり、潤沢な資金を確保しております。
連結キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
③重要な資本的支出
当社グループの更なる総合力発揮に向け、2019年4月、「九州フィナンシャルグループ本社ビル(仮称)」の建設に着手しました。建築費用は9,756百万円で、自己資金及び肥後銀行、鹿児島銀行からの借入金にて資金調達し、2021年9月竣工予定です。
〔経営方針に照らした経営者による経営成績等の分析〕
当社は、第2次グループ中期経営計画(2018年4月~2021年3月)におきまして、指標目標として以下の項目を定め、取り組みました。
第2次グループ中期経営計画の指標目標及び最終年度実績
※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
各項目につきましては、以下のとおりです。
(成長性)
A.貸出金平残
2021年3月期の貸出金平残につきましては、肥後銀行、鹿児島銀行ともに全セクターで貸出金が増加し7兆5,398億円となりました。
B.預金・NCD平残
2021年3月期の預金・NCD平残につきましては、個人預金及び法人預金が増加し9兆3,724億円となりました。
(収益性)
A.当期純利益
2021年3月期の連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)につきましては、経費及び与信費用の増加等により、150億円となりました。
B.お客様向けサービス業務利益
2021年3月期のお客様向けサービス業務利益につきましては、92億円となりました。
C.株主資本ROE
株主資本ROEにつきましては、連結当期純利益が減少したことにより、2.4%となりました。
(効率性)
A.OHR
2021年3月期のOHRにつきましては、業務粗利益が減少し、経費も増加したことにより、69.7%となりました。
(健全性)
A.自己資本比率
2021年3月期の自己資本比率につきましては、貸出金増加を主因とするリスク・アセットが増加したものの、自己資本額も増加したことから、11.08%となりました。10%以上を維持しており健全性を確保しております。
〔重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定〕
当社が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「貸倒引当金の計上」であり、「第5 経理の状況」中、「1 連結財務諸表等」の「(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。