第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

住宅業界におきましては、低金利の住宅ローンや政府の住宅取得支援策等は継続しておりますが、新設着工数は弱含みで推移しております。一方、当社の主要販売エリアである熊本県においては新設着工数が2年連続で増加を続けるなど、熊本地震の復興に向けた動きが活発化しております。

しかしながら、中長期的にみると少子高齢化による世帯数の減少や品質向上による住宅の長寿命化、多様化するライフスタイルを反映した住宅取得意識の変化などにより、新設着工戸数は緩やかな減少傾向が継続することが予想され、企業間の競争は一段と激化すると思われます。

このような事業環境のもと、市場環境の変化や多様化するお客様のニーズにいち早く対応し、より満足いただける戸建住宅事業を推進するために、以下の課題に取り組んでまいります。

(1) 熊本地震における復興支援

当社は総力を挙げて熊本地震における復興支援に貢献してまいります。低価格での平屋の企画・販売をはじめ、二世帯住宅のご提案、立地重視のコンパクトな住まいなど、そのニーズは多岐にわたります。建設用地のご提案を含め、迅速かつ柔軟な対応に努めてまいります。

(2) 少子高齢化による市場縮小への対応

国立社会保障・人口問題研究所の公表する「日本の世帯数の将来推計」によると、少子高齢化により国内の世帯数は2019年をピークに減少に転じると予想されており、人口・世帯数の減少が今後の住宅着工戸数に大きな影響を与えると考えられます。

このように住宅需要の減少が予測される中、当社はさらなる企業成長を図るため、従来の熊本県北部及び福岡県大牟田市を中心とした地域展開に加え、熊本県都市部をはじめとした熊本県全域、福岡県、佐賀県等へ営業地域の拡大に努めてまいります。また、都市部において顧客層の拡大を図るため、都市部向け商品の販売に注力してまいります。

(3) コンプライアンス体制の強化

当社の事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、宅地建物取引業法、個人情報保護法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など様々な法律・法令に関わっております。当社はこれらの法令を遵守し、法的責務を全うするため、社内規程・マニュアルの整備を適宜行うとともに、従業員の研修・勉強会等を通じて意識の向上に努めるなど、コンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。

(4) 人材の確保と育成

上記の課題を克服するために優秀な人材を継続的に確保し、育成することが重要であると認識しております。

今後、研修・育成の充実に取り組み、組織を構成する一人ひとりの業務に対するレベルアップを図るとともに、当社の経営理念及び役職員の行動規範を理解した責任ある人材の育成を行います。

(5) 単一戸建事業からの脱皮

今後は単一戸建事業から脱皮し、様々な暮らしを提案する「生活創造企業」として取り組んでまいります。主に、今後も右肩上がりの成長市場として期待できる「木造非住宅市場」へ参入し、老人ホームの建設や、投資用不動産の建設及び販売などを行うことで事業領域の拡大に注力してまいります。

(6) 消費増税への対応

2019年10月に計画されている10%への消費増税に備え、お客様の多様化するニーズに対応すべく、営業エリア拡大を行うとともに、建設用地の仕入れを強化してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開上のリスク要因となり、かつ投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項は、次のとおりであります。

いずれも当社の判断により積極的に開示するものであり、一部リスク情報に該当しない、または当社が必ずしもリスクとして認識していない事項も含まれております。

なお、将来に関する事項については、当事業年度末現在における当社独自の判断によるものであります。

 

(1) 経営成績の変動リスク

① 営業地域の限定について

当社は熊本県、福岡県及び佐賀県の一部地域において事業展開をしております。そのため当該地域の経済状況、金利動向、地価の動向、住宅需給の動向、雇用情勢等が、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 業績の季節的変動について

当社が行う戸建住宅事業は、年末及び当社事業年度末に引渡しが集中する傾向にあります。

そのため当社では、12月、6月に業績が偏重する可能性があります。

当社の各四半期会計期間別の業績推移は、次のとおりであります。

 

項目

2019年6月期

第1四半期

(2018年

7月~9月)

2019年6月期

第2四半期

(2018年

10月~12月)

2019年6月期

第3四半期

(2019年

1月~3月)

2019年6月期

第4四半期

(2019年

4月~6月)

通期計

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

売上高

1,149,405

17.4

2,036,738

30.9

1,318,757

20.0

2,092,322

31.7

6,597,223

100.0

営業利益

10,560

2.0

269,917

50.7

23,607

4.4

228,321

42.9

532,407

100.0

 

 

③ 外注先の確保について

当社は、住宅の建築工事を外部業者に発注しております。外注先は、その経営状態、技術力、評判及び反社会的勢力該当の有無などを調査して選定しております。今後、営業地域の拡大や受注件数の増加により、外注先を適時に確保できなかった場合、または外注先の倒産等に伴う代替業者との調整による工事遅延等が発生した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原材料・資材価格の高騰について

当社は高額になりがちな注文住宅を、お客様にとって魅力ある価格で提供するため、原材料・資材の仕入先を複数確保し、仕入価格の抑制に努めております。しかしながら、原材料・資材の需要増加、または価格の高騰に伴い、それらの仕入価格が上昇した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 労働災害について

当社は建築工事現場では、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、労働安全衛生法等に則り安全衛生体制の整備、強化を推進しております。具体的には、社内に安全衛生委員会を設置し、日常的な安全教育等の啓蒙活動を実施するほか、建築部工務課による安全パトロールの実施等、事故を未然に防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、何らかの事由により重大な労働災害が発生した場合、当社の労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受けるなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 在庫について

当社は、開発用地の仕入れ、物件の早期販売に取り組んでおります。しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇、不動産関連税制の改廃の影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、完成在庫が滞留し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成20年9月26日)の適用により、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損が計上された場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 開発用地の仕入れについて

当社は、主に熊本県で用地を取得しております。同地域で競業他社との用地取得競争が激化した場合、同地域において優良な用地を計画どおりに取得できなかった場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 顧客の住宅ローン契約について

当社は、顧客が円滑に当社住宅を購入いただけるように、住宅ローンの申し込みに関してサポートを行っております。このサポートの趣旨は、住宅ローン審査のための複雑な申込書類についての作成支援のほか、住宅ローン実行後に、何らかの不正や不備が発生し、資金使途抵触等の住宅ローン契約違反を防止するものであります。

当社では、営業部において顧客担当者とは別の専門担当者が住宅ローン申し込みにかかる金融機関への提出書類についてのチェックを行っております。また、内部監査室において定期的に、金融機関への提出書類に偽造等の不正や不備が発生していないことを監査しております。

また、当社は、殆どの受注案件において、債権保全と顧客利便性向上を目的として、住宅ローン実行資金を代理受領(注)しておりますが、工事請負契約の軽微な変更等により顧客への返金が生じる場合があります。そこで、当社は、当該返金が生じた場合は顧客または当社から金融機関に報告のうえ、金融機関の指示を仰ぎ、一部繰上返済等の手続きを取る旨の確認書を顧客から受領しております。また、当社は、代理受領を利用した全受注案件について、当該返金明細を整備・保管の上、金融機関からの照会に常時対応できるようにしております。

以上のように、当社は、顧客が住宅ローン契約違反とならないように万全の体制を確保しております。また、過去において、当社顧客が金融機関との住宅ローン契約違反になったことはありません。しかしながら、当社の取り組みが奏功せず、万一、何らかの理由で、顧客が住宅ローン契約違反となった場合は、期限の利益喪失等により金融機関が顧客へ全額返済を求めるリスクがあります。その際、顧客は購入した住宅を売却する等の措置が必要となり、当社に対する社会、顧客、金融機関からの信用が著しく低下し、当社の事業活動が停滞する等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(注) 顧客が住宅ローンを借りて住宅新築等を行う場合に、予め顧客の同意を経て、住宅建築会社等が顧客に

    代わって住宅ローン実行資金を受け取ること

 

(2) 営業に関するリスク

① 自然災害について

当社が行う戸建住宅事業は、火災・地震・台風等大規模な自然災害の影響を受けやすい事業といえます。災害の状況によっては、建物の点検や応急措置などの初動活動や被災した建築現場の修復に加え、支援活動等により多額の臨時費用の発生や建築現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。このため万一に備えて各種保険への加入や耐震性能の高い住宅仕様の研究・開発に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、2016年に発生した熊本地震の影響により、建設地の取得や宅地造成が計画通りに進まないこと等、工期の遅延が発生した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

住宅業界は、事業を行うための許認可など新規参入に係る障壁はあるものの、大手ハウスメーカーから個人事業主に至るまで大小さまざまな競合他社が多数存在しており、競合は一段と激化する傾向にあります。当社では、徹底した管理に基づくコスト削減による原資をもとに品質改善を行うとともに、お客様のニーズに沿った商品開発を積極的に行うなど競合対策を講じておりますが、競合他社の動向によっては、事業計画の遂行に問題が生じ、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新商品の展開について

当社は、2016年1月より、1,000万円台からの都市型建売住宅「アイフォート」の販売を開始しました。今後はこの建売事業においても売上拡大を目指してまいりますが、この「アイフォート」の販売が計画通りに進まない場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法務に関するリスク

① 法的規制について

当社が行う戸建住宅事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、宅地建物取引業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など多くの法律、法令や自治体の定める条例等による法規制を受けております。当社では、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来において業者規制の強化や費用負担を招きかねない法令等の大幅改正や、何らかの理由により免許、登録、許可が取り消し等になった場合には、当社の事業活動が大幅に制約されることとなり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

法令等

免許・許可等

有効期限

取消条項

建設業法

特定建設業の許可

熊本県知事許可(特-29)

第4867号

2017年9月10日から

2022年9月9日まで

建設業法第29条

建築士法

一級建築士事務所登録

熊本県知事登録第3743号

2018年5月10日から

2023年5月9日まで

建築士法第26条

宅地建物取引業法

宅地建物取引業者免許

熊本県知事(2)第4841号

2016年10月22日から

2021年10月21日まで

宅地建物取引業法第66条

 

 

② 品質の保証について

当社が行う戸建住宅事業は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により新築住宅の構造上の主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分は10年の瑕疵担保責任を負うことを義務づけられています。

当社は、同法に基づいて2008年10月より、株式会社日本住宅保証検査機構の住宅瑕疵担保責任保険「JIOわが家の保険」に加入しております。当該保険の加入に当たっては、同機構が定める技術的基準に適合していることが要件であり、同社が指定する第三者機関による現場検査を受け、適合証明(性能評価)を受ける必要があります。このため当社は、設計、施工、監理の充実をはかり、品質に万全を期すとともに、引渡後のアフターサービスに関しても誠実な対応を心がけております。しかし、当社の住宅の品質に重大な瑕疵や不備が認められた場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報の保護に関するリスク

当社は、ネットの会員登録も含む住宅見学会来場者リストや住宅購入顧客等の個人情報を保有しております。これらの情報管理については、「個人情報の保護に関する法律」に基づき社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じるとともに、従業員等に対し個人情報保護に係る啓蒙活動を実施し、その漏洩や不正使用の未然防止に努めております。しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により当社が保有する個人情報が漏洩した場合には、当社の信用力の低下や損害賠償の請求等によって業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 訴訟等の可能性について

当社には、現段階において業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟の事実や顧客との大きなトラブルはありません。しかしながら、当社が請け負う住宅、不動産において、瑕疵等の発生、または工事期間中に近隣からクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。当社は、施工に関して品質管理の徹底と近隣への配慮に努めておりますが、訴訟等が発生した場合には、これに対応するために多額の費用が発生するとともに、当社の信用を大きく毀損する恐れもあり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業体制に関するリスク
① 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である瀬口力は、最高経営責任者として経営方針や戦略の決定、事業推進において中心的役割を果たしております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築のため、職務権限の委譲、会議体の整備や人員の採用等により社内組織の強化に努めておりますが、同氏が何らかの理由により当社の経営に携わることが困難になった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社が行う戸建住宅事業には、広範囲の専門的知識や資格を有した人材が不可欠であります。したがって事業拡大を図るうえで、優秀な人材を適切な時期に確保するとともに、その人材の育成に努める必要がありますが、これらが不調に終った場合には当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネットによる集客について

当社は、戸建住宅事業において効率的な集客を行うことを事業戦略としております。具体的には、常設住宅展示場のみに依存せず、独自のWeb戦略として、土地情報ポータルサイト「e土地net」、平屋サイト「くまもと平屋ナビ」、地盤診断サイト「地盤チェックナビ」等の各専門分野におけるカテゴリーサイトを運営しております。また、コーポレートサイトにおきましては、インターネット展示場を設けており、お客様が完成後の住宅イメージを描きやすい環境を提供しております。すなわち、各Webサイト並びにそれらを支えるインターネット通信ネットワークへの依存度が事業遂行上高いものと考えております。

通信障害、コンピュータウィルス感染、電力供給の停止、外部からの不正アクセス等、予測が困難な障害発生によりインターネットが利用できなくなった場合には、当社が運営する各Webサイト運営が一時的に停止し、その間において集客力が大きく低下します。予測可能な原因に対しては、専任の担当者を配置し、万全の社内体制を確保しておりますが、万一これらの障害が発生した場合、常設住宅展示場並びに営業店における営業活動により集客を補完するものの、当該各Webサイトが復旧するまでにおいて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは現在、Webシステム開発・管理・運用の一部を外部業者に委託しております。万一、これらの委託先との間にトラブル等が発生した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響、海外経済の動向と政策に関する不確実性などに留意する必要があったものの、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな景気回復が続いています。

住宅業界におきましては、住宅ローンの低金利は継続しており、持家はやや持ち直してきております。国土交通省発表の2018年7月から2019年6月までの新設着工数(全国の持家)では、294,608戸(前年比5.1%増)となりました。同様に当社の主要販売エリアとなる熊本県については、7,167戸(前年比8.6%減)となりました。

このような環境の中、土地ポータルサイト「e土地net」のアプリ版を開発及びリリースいたしました。また大分エリア進出に伴い「e土地net」大分版をリリースし、Web集客の拡大を図りました。加えて2018年11月に熊本県荒尾市の総合住宅展示場へ出店し、熊本県下において総合住宅展示場への出店は3店舗目となりました。

また、仕入れ価格と外注費の見直し、販売価格の調整を行うことで売上総利益率の改善に成功しました。さらに工程管理の効率化と生産性の向上が進み、2019年6月は単月で過去最高の引き渡し棟数を達成することができました。

多様化が進む昨今、住環境においても構造や性能といったハード面だけではなく、「ライフスタイル」等のソフト面が求められている背景を受け、「自分らしい暮らし方」を提案すべく、2019年6月にはタレントのスザンヌさんと新商品の共同開発を開始しました

この結果、当事業年度におきましては、売上高は6,597,223千円(前年同期比29.2%増)、営業利益532,407千円(前年同期比59.0%増)、経常利益573,754千円(前年同期比54.5%増)、当期純利益391,248千円(前年同期比53.5%増)となりました。

なお、当社は戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当事業年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ602,336千円増加し、3,475,130千円となりました。

流動資産については、前事業年度末に比べ598,054千円増加し、2,997,957千円となりました。

これは主として、販売用不動産の増加571,175千円によるもの等であります。

固定資産については、前事業年度末に比べ4,282千円増加し、477,173千円となりました。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ107,396千円増加し、1,513,882千円となりました。

流動負債については、前事業年度末に比べ138,970千円増加し、1,389,994千円となりました。

これは主として、売上増に伴う法人税、消費税の増加113,445千円、事業用資産取得、人員増に伴う未払金の増加67,916千円、1年内償還予定社債の流動負債区分への変更50,000千円、未成工事受入金の減少90,931千円等によるものであります。

固定負債については、前事業年度末に比べ31,574千円減少し、123,887千円となりました。主として、上述の1年内償還社債50,000千円の流動負債区分への変更の他、完成工事補償引当金の増加14,116千円等によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ494,940千円増加し、1,961,248千円となりました。

これは、新株発行による資本金、資本剰余金の増加173,184千円、当期純利益の計上による利益剰余金の増加391,248千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少69,492千円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して105,357千円増加し、当事業年度末には1,193,181千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は84,012千円(前事業年度は35,968千円の獲得)となりました。これは主に当事業年度において税引前当期純利益が590,811千円、たな卸資産の増加562,942千円、未成工事受入金の減少90,931千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は86,235千円(前事業年度は158,526千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入114,876千円、投資有価証券の償還による収入50,000千円、有形固定資産の取得による支出が92,481千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は103,133千円(前事業年度は44,152千円の使用)となりました。これは新株発行による収入171,984千円、配当金の支払額68,850千円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、注文住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。

イ 生産実績

当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

ロ 受注実績

当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。

 

事業部門別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建築請負事業

4,975,210

79.0

3,207,733

84.3

合計

4,975,210

79.0

3,207,733

84.3

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ 販売実績

当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

事業部門別の名称

当事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

前年同期比(%)

建築請負事業(千円)

5,573,598

120.1

不動産販売事業(千円)

862,181

249.6

その他(千円)

161,443

134.7

合計(千円)

6,597,223

129.2

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

当社の当事業年度の経営成績等は、次のとおりであります。

(売上高)

当事業年度における売上高は、6,597,223千円(前年同期比29.2%増)となりました。その主な要因は、戸建住宅の販売棟数が増加したことに加えて、熊本地震後の建替え需要が落ち着き、戸建住宅一次取得者層の割合が増加したことにより平均販売単価が上昇したことであります。

 

(営業利益)

当事業年度における売上原価は、4,802,554千円(前年同期比26.6%増)、販売費及び一般管理費は1,262,262千円(前年同期比29.1%増)となりました。

売上原価につきましては、施工体制の安定強化のため、新規取引業者の確保を進め、同時に大工工事などの専門工による作業工程を細分化し切り分けることにより、既存工事業者の回転率が向上しました。この他、外国人技能実習生の受入れ等による現場作業効率化など、継続的な原価低減への取組みを行いました。また、販売費及び一般管理費の主な増加要因としましては、新卒27名の採用等による人件費及び採用費の増加、総合展示場への追加出店及びネット広告の拡大による広告宣伝費の増加、東証マザーズ市場への株式上場等に伴う支払手数料の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は532,407千円(前年同期比59.0%増)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、受取手数料及び助成金収入の増加などにより46,351千円(前年同期比25.9%増)となりました。この結果、当事業年度の経常利益は573,754千円(前年同期比54.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度における当期純利益は、391,248千円(前年同期比53.5%増)となりました。

 

ロ 財政状態

財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります

 

ハ 資本の財源及び資金の流動性

当事業年度においては、販売用不動産の仕入増加や常設展示場建設及び事業用土地の取得などにより、資金需要が増加しました。当社は現在、運転資金及び設備資金につきましては主に内部資金により充当しており、当事業年度においては新株式の発行により171,984千円を調達しました。今後は資金の適正保有水準を維持するため、運転資金その他新規事業投資資金については、資金調達コストの低減及び資金調達の機動性の観点から、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も行ってまいります。

 

 

ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当事業年度における「自己資本当期純利益率」は22.8%(前年同期比18.7%)、「売上高経常利益率」は8.7%(前年同期は7.3%)、「棚卸資産回転期間」は103日(前年同期は80日)、「自己資本比率」は56.4%(前年同期は51.0%)となりました。

 

ホ 経営戦略の現状と見通し

次期のわが国の経済は、海外景気の低迷や消費税率10%への引き上げの影響などから一時的に景気が減速することが懸念されます。しかしながら、雇用・所得環境の改善が続くなか個人消費の持ち直しや設備投資など内需の底堅さが維持されることに加え、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた関連需要の盛り上りが見込まれ、緩やかな回復が続くことが期待されます。

このような環境の中、当社は2019年8月に大分県大分市の総合住宅展示場へ出店を行い、本格的な営業活動を開始しました。加えて2019年9月に熊本市南区の総合住宅展示場への出店を行います。熊本市内での総合住宅展示場への出店は初となり、Web発生客の送客場所を含めて集客の安定化を担う予定です。この出店で熊本県内では6拠点の常設モデルハウスを所有することになりました。今後は本店のある熊本県下での経営の盤石化を進め、大分県大分市の総合住宅展示場出店に加え、福岡県への移動式展示場を建築することで、エリア拡大を加速してまいります。

また、当社はWebやSNS活用等での独自のインターネット集客により、低価格で高付加価値のある商品を提供できるビジネスモデルを確立しております。これに加え、2019年7月からは「ロボットが案内する無人のモデルハウス」のサービスの提供を開始しました。今後、通常モデルハウスの出店が難しいモデルハウス空白地への出店を含め、日本全国きめ細かくさまざまなエリアへの出店を行っていく考えです。2020 年6月期は熊本県、福岡県を中心に出店を予定しております。このような生産性の高い集客手法や現地案内サービスなどを組み合わせることで、売上高経常利益率の向上に寄与するとともに、全国への事業拡大を進めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。