第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

住宅業界におきましては、新設着工数は弱含みで推移しております。国土交通省発表の2019年7月から2020年6月までの新設着工数(全国の持家)では、269,043戸(前年比8.7%減)となりました。同様に当社の主要販売エリアとなる九州地方については、30,282戸(前年比11.8%減)となりました。

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響、中長期的な観点からの少子高齢化による世帯数の減少や品質向上による住宅の長寿命化、多様化するライフスタイルを反映した住宅取得意識の変化などにより、新設着工戸数は緩やかな減少傾向が継続することが予想され、企業間の競争は一段と激化すると思われます。

このような事業環境のもと、当社は2020年8月13日に2021年6月期から2023年6月期までの3年間の中期経営計画「NEXT STAGE 2023」を発表しました。基本方針及び数値目標は以下の通りです。

基本方針

・戸建事業に集中し、戸建プラットフォーマーを目指してまいります。

・全国展開へ加速化し、急成長・急拡大を図ります。

・住宅版SPAモデルを確立させ戸建売上総利益率を35%まで引き上げます。

・サブスクリプションモデルによる全国の工務店・ビルダー支援事業の収益化を進めます。

中期経営計画数値目標

目標とする経営指標

2020年6月期

2023年6月期

売 上 高

60億円

150億円(2.5倍)

営 業 利 益

1.4億円

12億円(8倍)

営業利益率

2.4%

8%

R О E

7.3%

25%

戸建て粗利率

28%

35%

店 舗 数

12店舗

25店舗

WEB集客数

毎年50%増加へ

YouTubeチャンネル登録数

500人

10万人

サブスクリプション工務店支援事業

経産省の新連携支援事業に採択

営業利益1億円

 

 

上記の目標達成の実現に向けて、以下の課題に取り組んでまいります

(1) 新型コロナウイルス感染症に対する取組

 新型コロナウイルス感染症に対しては、当社内の対応方針を定め従業員の健康と安全の確保を最優先とします。また、お客様への対応についても、リモート商談の推進・モデルハウスの事前予約制などの感染予防策を講じ、感染防止に努めてまいります。

 また新型コロナウイルス感染拡大に伴う人々のライフスタイルの変化に対して、デジタルシフトを急速に進め、迅速かつ適切にニーズに対応してまいります。

(2) デジタルマーケティングの強化

いわゆるアフターコロナにおけるライフスタイルの変化に対応すべく、デジタル分野への投資を積極的に進めてまいります。デジタル集客の多様化を進めるべく、特にyoutubeチャンネルの育成・投資を推進し、一戸建て・新築・平屋・注文住宅等のカテゴリーでのトップチャンネルを目指してまいります。

(3) 収益の安定化・多様化への取組

当社は戸建住宅事業を行っておりますが、今後は同事業で培ったCG技術・VR技術を活かし全国の工務店向けサブスクリプション型支援サービスを行ってまいります。これにより収益の安定化・多様化を目指します。

(4) 大工職人や協力施工業者の減少への対応

大工職人や協力施工業者の数は年々減少しており、今後不足することが予想されます。そこで当社では施工能力の向上を図るため各業種の自社内製化を進めてまいります。

(5) 少子高齢化による市場縮小への対応

国立社会保障・人口問題研究所の公表する「日本の世帯数の将来推計」によると、少子高齢化により国内の世帯数は2019年をピークに減少に転じると予想されており、人口・世帯数の減少が今後の住宅着工戸数に大きな影響を与えると考えられます。

このように住宅需要の減少が予測されるなか、当社はさらなる企業成長を図るため、九州エリアから全国エリアへ営業地域の拡大に努めてまいります。また、顧客層の拡大を図るため、ショッピングモール向けブランド「sketch」を今後展開してまいります。

(6) 人材の確保と育成

上記の課題を克服するために優秀な人材を継続的に確保し、育成することが重要であると認識しております。

今後、研修・育成の充実に取り組み、組織を構成する一人ひとりの業務に対するレベルアップを図るとともに、当社の経営理念及び役職員の行動規範を理解した責任ある人材の育成を行います。

(7) コンプライアンス体制の強化

当社の事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、宅地建物取引業法、個人情報保護法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など様々な法律・法令に関わっております。当社はこれらの法令を遵守し、法的責務を全うするため、社内規程・マニュアルの整備を適宜行うとともに、従業員の研修・勉強会等を通じて意識の向上に努めるなど、コンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開上のリスク要因となり、かつ投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項は、次のとおりであります。

いずれも当社の判断により積極的に開示するものであり、一部リスク情報に該当しない、または当社が必ずしもリスクとして認識していない事項も含まれております。

なお、将来に関する事項については、当事業年度末現在における当社独自の判断によるものであります。

 

(1) 経営成績の変動リスク

① 営業地域の限定について

当社は熊本県、福岡県、佐賀県及び大分県の一部地域において事業展開をしております。そのため当該地域の経済状況、金利動向、地価の動向、住宅需給の動向、雇用情勢等が、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 業績の季節的変動について

当社が行う戸建住宅事業は、年末及び当社事業年度末に引渡しが集中する傾向にあります。

そのため当社では、12月、6月に業績が偏重する可能性があります。

当社の各四半期会計期間別の業績推移は、次のとおりであります。

 

項目

2020年6月

第1四半期

(2019年

7月~9月)

2020年6月

第2四半期

(2019年

10月~12月)

2020年6月

第3四半期

(2020年

1月~3月)

2020年6月

第4四半期

(2020年

4月~6月)

通期計

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

売上高

1,703,829

28.3

2,140,441

35.4

961,747

15.9

1,230,214

20.4

6,036,233

100.0

営業利益

39,404

27.3

250,273

173.1

△68,672

△47.5

△76,461

△52.9

144,545

100.0

 

 

③ 外注先の確保について

当社は、住宅の建築工事を外部業者に発注しております。外注先は、その経営状態、技術力、評判及び反社会的勢力該当の有無などを調査して選定しております。今後、営業地域の拡大や受注件数の増加により、外注先を適時に確保できなかった場合、または外注先の倒産等に伴う代替業者との調整による工事遅延等が発生した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原材料・資材価格の高騰について

当社は高額になりがちな注文住宅を、お客様にとって魅力ある価格で提供するため、原材料・資材の仕入先を複数確保し、仕入価格の抑制に努めております。しかしながら、原材料・資材の需要増加、または価格の高騰に伴い、それらの仕入価格が上昇した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 労働災害について

当社は建築工事現場では、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、労働安全衛生法等に則り安全衛生体制の整備、強化を推進しております。具体的には、社内に安全衛生委員会を設置し、日常的な安全教育等の啓発活動を実施するほか、建築部工事管理課による安全パトロールの実施等、事故を未然に防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、何らかの事由により重大な労働災害が発生した場合、当社の労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受けるなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 在庫について

当社は、開発用地の仕入れ、物件の早期販売に取り組んでおります。しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇、不動産関連税制の改廃の影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、完成在庫が滞留し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成20年9月26日)の適用により、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損が計上された場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 開発用地の仕入れについて

当社は、主に熊本県で用地を取得しております。同地域で競業他社との用地取得競争が激化した場合、同地域において優良な用地を計画どおりに取得できなかった場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 営業に関するリスク

① 自然災害、感染症等について

当社が行う戸建住宅事業は、火災・地震・台風等大規模な自然災害の影響を受けやすい事業といえます。災害の状況によっては、建物の点検や応急措置などの初動活動や被災した建築現場の修復に加え、支援活動等により多額の臨時費用の発生や建築現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。このため万一に備えて各種保険への加入や耐震性能の高い住宅仕様の研究・開発に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症等の感染症、伝染病の流行等による不測の事態が発生した場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

住宅業界は、事業を行うための許認可など新規参入に係る障壁はあるものの、大手ハウスメーカーから個人事業主に至るまで大小さまざまな競合他社が多数存在しており、競合は一段と激化する傾向にあります。当社では、徹底した管理に基づくコスト削減による原資をもとに品質改善を行うとともに、お客様のニーズに沿った商品開発を積極的に行うなど競合対策を講じておりますが、競合他社の動向によっては、事業計画の遂行に問題が生じ、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新商品の展開について

当社は、2020年6月より、990万円から1,490万円(本体価格)のショッピングモール向けブランド「sketch(スケッチ)」の販売を開始しました。今後3年間で全国のショッピングモールへ3店舗から5店舗出店を目指してまいりますが、計画通りに進まない場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法務に関するリスク

① 法的規制について

当社が行う戸建住宅事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、宅地建物取引業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など多くの法律、法令や自治体の定める条例等による法規制を受けております。当社では、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来において業者規制の強化や費用負担を招きかねない法令等の大幅改正や、何らかの理由により免許、登録、許可が取り消し等になった場合には、当社の事業活動が大幅に制約されることとなり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

法令等

免許・許可等

有効期限

取消条項

建設業法

特定建設業の許可

熊本県知事許可(特-29)

第4867号

2017年9月10日から

2022年9月9日まで

建設業法第29条

建築士法

一級建築士事務所登録

熊本県知事登録第3743号

2018年5月10日から

2023年5月9日まで

建築士法第26条

宅地建物取引業法

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(1)第9787号

2020年9月16日から

2025年9月15日まで

宅地建物取引業法第66条

 

 

② 品質の保証について

当社が行う戸建住宅事業は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により新築住宅の構造上の主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分は10年の瑕疵担保責任を負うことを義務づけられています。

当社は、同法に基づいて2008年10月より、株式会社日本住宅保証検査機構の住宅瑕疵担保責任保険「JIOわが家の保険」に加入しております。当該保険の加入に当たっては、同機構が定める技術的基準に適合していることが要件であり、同社が指定する第三者機関による現場検査を受け、適合証明(性能評価)を受ける必要があります。このため当社は、設計、施工、監理の充実をはかり、品質に万全を期すとともに、引渡後のアフターサービスに関しても誠実な対応を心がけております。しかし、当社の住宅の品質に重大な瑕疵や不備が認められた場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報の保護に関するリスク

当社は、ネットの会員登録も含む住宅見学会来場者リストや住宅購入顧客等の個人情報を保有しております。これらの情報管理については、「個人情報の保護に関する法律」に基づき社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じるとともに、従業員等に対し個人情報保護に係る啓発活動を実施し、その漏洩や不正使用の未然防止に努めております。しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により当社が保有する個人情報が漏洩した場合には、当社の信用力の低下や損害賠償の請求等によって業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 訴訟等の可能性について

当社には、現段階において業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟の事実や顧客との大きなトラブルはありません。しかしながら、当社が請け負う住宅、不動産において、瑕疵等の発生、または工事期間中に近隣からクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。当社は、施工に関して品質管理の徹底と近隣への配慮に努めておりますが、訴訟等が発生した場合には、これに対応するために多額の費用が発生するとともに、当社の信用を大きく毀損する恐れもあり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業体制に関するリスク
① 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である瀬口力は、最高経営責任者として経営方針や戦略の決定、事業推進において中心的役割を果たしております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築のため、職務権限の委譲、会議体の整備や人員の採用等により社内組織の強化に努めておりますが、同氏が何らかの理由により当社の経営に携わることが困難になった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社が行う戸建住宅事業には、広範囲の専門的知識や資格を有した人材が不可欠であります。したがって事業拡大を図るうえで、優秀な人材を適切な時期に確保するとともに、その人材の育成に努める必要がありますが、これらが不調に終った場合には当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネットによる集客について

当社は、戸建住宅事業において効率的な集客を行うことを事業戦略としております。具体的には、常設住宅展示場のみに依存せず、独自のWEB戦略として、土地情報ポータルサイト「e土地net」、平屋サイト「くまもと平屋ナビ」、地盤診断サイト「地盤チェックナビ」等の各専門分野におけるカテゴリーサイトを運営しております。また、コーポレートサイトにおきましては、インターネット展示場を設けており、お客様が完成後の住宅イメージを描きやすい環境を提供しております。すなわち、各WEBサイト並びにそれらを支えるインターネット通信ネットワークへの依存度が事業遂行上高いものと考えております。

通信障害、コンピュータウィルス感染、電力供給の停止、外部からの不正アクセス等、予測が困難な障害発生によりインターネットが利用できなくなった場合には、当社が運営する各WEBサイト運営が一時的に停止し、その間において集客力が大きく低下します。予測可能な原因に対しては、専任の担当者を配置し、万全の社内体制を確保しておりますが、万一これらの障害が発生した場合、常設住宅展示場並びに営業店における営業活動により集客を補完するものの、当該各WEBサイトが復旧するまでにおいて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは現在、WEBシステム開発・管理・運用の一部を外部業者に委託しております。万一、これらの委託先との間にトラブル等が発生した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ のれんの減損処理について

当社は、2020年5月11日開催の取締役会における決議に基づき、2020年7月1日付でタクエーホーム株式会社の全株式の取得を完了し、子会社といたしました。それに伴い、2021年6月期より企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上することとなりました。当該のれんについては、将来の収益力を適正に反映しているものと判断していますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、会計基準に基づいたのれんの減損処理を行う必要が生じ、当社グループ事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調が継続しました。しかしながら、2020年1月下旬以降に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済活動が抑制されることで景気が急速に悪化し、極めて先行きが厳しい状況となりました。

住宅業界におきましても、消費増税後の冷え込みから緩やかな回復傾向となっておりましたが、2020年4月の政府による緊急事態宣言を発令後、先行き不透明な状況となりました。これにより、新設住宅建設着工数は弱含みで推移しております。国土交通省発表の2019年7月から2020年6月までの新設着工数(全国の持家)では、269,043戸(前年比8.7%減)となりました。同様に当社の主要販売エリアとなる九州地方については、30,282戸(前年比11.8%減)となりました。

当社はこのような環境の中、販売エリアの拡大を進め、大分県大分市と熊本市南区の総合展示場2か所に新規出店を行いました。また独自のWEBマーケティングを強化し、施工事例から理想の住まいを検索できる「e注文住宅net」、平屋に最適な土地とプランを検索できる「e平屋net」、お客様と建築家をマッチングできる「e建築士net」をあらたに構築し、戸建プラットフォーマーを目指すべく、積極的なIT投資と多方面からの集客獲得をおこないました。また九州最大級の来館者を有する大型ショッピングモールである「イオンモール福岡」の1階に実物大のモデルハウスを新規開設し、福岡県への本格的な出店を果たしました。同時に「VISION 2030」のロードマップに基づき、ライフスタイルの提案強化として、株式会社アダストリアが展開する「niko and ...(ニコアンド)」とコラボレーションした戸建て新商品「ink(インク)」を開発し、販売を開始しました。加えて、サブスクリプションの収益モデルとして企画した「AIを活用した全国の工務店支援サービス」が、経済産業省中小企業庁より新連携支援事業に採択され、2021年6月期以降の新しい収益となるべく、本格的な開発に着手しました。このように受注拡大を進めておりましたが、2020年4月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響から外出自粛が強まり、着工の遅延や金融機関との住宅ローン融資手続きの斡旋や不動産登記業務などの事業活動自体が大きく制限され、お引渡しの延期が発生することとなりました。

 

この結果、当事業年度におきましては、売上高は6,036,233千円(前年同期比8.5%減)、営業利益144,545千円(前年同期比72.9%減)、経常利益195,806千円(前年同期比65.9%減)、当期純利益137,171千円(前年同期比64.9%減)となりました。

なお、当社は戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当事業年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ331,514千円減少し、3,143,616千円となりました。

流動資産については、前事業年度末に比べ545,935千円減少し、2,452,022千円となりました。

これは主として、現金及び預金の減少459,959円、未成工事支出金の減少103,330千円によるもの等であります。

固定資産については、前事業年度末に比べ214,421千円増加し、691,594千円となりました。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ165,273千円減少し、1,348,608千円となりました。

流動負債については、前事業年度末に比べ412,068千円減少し、977,926千円となりました。

これは主として、工事未払金の減少119,291千円、未払法人税等の減少158,066千円、未払消費税等の減少46,001千円、未成工事受入金の減少78,303千円等によるものであります。

固定負債については、前事業年度末に比べ246,794千円増加し、370,682千円となりました。主として、社債の増加100,000千円、長期借入金の増加80,000千円の他、資産除去債務の増加14,892千円、完成工事補償引当金の増加14,485千円等によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ166,240千円減少し、1,795,008千円となりました。

これは、新株発行による資本金及び資本準備金の増加5,743千円、当期純利益の計上による利益剰余金の増加137,171千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少92,261千円、自己株式の取得216,893千円の計上によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して449,959千円減少し、当事業年度末には743,222千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は53,234千円(前事業年度は84,012千円の使用)となりました。これは主に当事業年度において税引前当期純利益が195,215千円、たな卸資産の減少350,271千円、仕入債務の減少119,291千円、未成工事受入金の減少78,302千円、法人税等の支払額260,498千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は386,978千円(前事業年度は86,235千円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出325,270千円、関係会社貸付けによる支出25,000千円、敷金及び保証金の差入による支出が20,028千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は116,214千円(前事業年度は103,133千円の獲得)となりました。これは短期借入れによる収入609,000千円、短期借入金の返済による支出550,000千円、自己株式の取得による支出217,892千円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、注文住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。

イ 生産実績

当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

ロ 受注実績

当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。

 

事業部門別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建築請負事業

4,330,632

87.0

2,493,274

77.7

合計

4,330,632

87.0

2,493,274

77.7

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ 販売実績

当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

事業部門別の名称

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2020年6月30日)

前年同期比(%)

建築請負事業(千円)

5,045,091

90.5

不動産販売事業(千円)

844,044

97.9

その他(千円)

147,097

91.1

合計(千円)

6,036,233

91.5

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

当社の当事業年度の経営成績等は、次のとおりであります。

(売上高)

当事業年度においては、戸建住宅の販売棟数が減少したことにより、売上高は、6,036,233千円(前年同期比8.5%減)となりました。期初においては消費増税後の受注環境悪化の影響を受け、当社においても受注がやや落ち込みましたが、その後、営業組織を少人数単位のユニットとすることで、受注までの追客管理を徹底し、営業活動量が向上した結果、下半期より受注棟数は改善してきております。また、戸建住宅の平均販売単価は20,000千円程度であり前年と同水準であります。

 

(営業利益)

当事業年度における売上原価は、4,470,264千円(前年同期比6.9%減)、販売費及び一般管理費は1,421,424千円(前年同期比12.6%増)となりました。

売上原価につきましては、新規取引業者の確保を進め、原価低減活動に継続的に取り組んだものの、将来投資のため従業員採用の増加に伴い人件費が増加しました。また、販売費及び一般管理費の主な増加要因としましては、新卒採用数の増加等による人件費及び採用費の増加、サクラマチオフィスの開設及び総合展示場への追加出店等に伴う減価償却費の増加、ネット広告の拡大による広告宣伝費の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は144,545千円(前年同期比72.9%減)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、受取手数料の増加などにより53,739千円(前年同期比15.9%増)となりました。この結果、当事業年度の経常利益は195,806千円(前年同期比65.9%減)となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度における当期純利益は、137,171千円(前年同期比64.9%減)となりました。

 

ロ 財政状態

財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります

 

ハ 資本の財源及び資金の流動性

当社における資金需要の主なものは、販売用不動産の取得及び一般管理費などの運転資金、並びに常設展示場や賃貸用不動産建設などの設備投資資金、その他新規事業投資資金があります。

当社は現在、これらの資金需要につきましては主に内部資金により充当しておりますが、資金の適正保有水準を維持するため、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も一部行っております。当事業年度におきましては、借入金の返済5.5億円及び社債の償還0.5億円をした一方で、6.9億円の借入金及び1億円の社債発行による調達を行いました

また、当社は必要資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と10億円のコミットメントラインを締結しております。

 

ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当事業年度における「自己資本当期純利益率」は7.3%(前年同期は22.8%)、「売上高経常利益率」は3.2%(前年同期は8.7%)、「棚卸資産回転期間」は125日(前年同期は103日)、「自己資本比率」は57.1%(前年同期は56.4%)となりました。

 

ホ 経営戦略の現状と見通し

次期のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞により、景気減速が見込まれます。収束への目途は依然立っておらず、今後の見通しは極めて不透明な状況にあります。

このような環境の中、当社は2020年7月1日に、神奈川県横浜市に本店を置くタクエーホーム株式会社を完全子会社化しました。事業領域の拡大と事業基盤の強化、業績拡大を目指すほか、当社グループとして同社協力業者会の協力を得ながら施工体制を強化しつつ、スケールメリットを活かしたグループ全体の原価コスト削減を目指してまいります。   

また、当社は独自のWEBマーケティング戦略により、インターネット集客を拡大していくとともに、住宅業界でのプラットフォーマーを目指してまいります。まずは、土地ナビサイト「e土地net神奈川版」を立ち上げ、今後は関東圏においても、インターネット集客を強化するほか、お客様の家づくりに役立つプラットフォームを新たに構築してまいります。加えて、移動式展示場を九州圏内に5拠点新設するほか、「無印良品の家」の3商品(木の家・窓の家・陽の家)全てが見学できる総合展示場を熊本市北区に独自に開設します。

加えて、「VISION2030」のロードマップに基づき、住宅版SPAを推進し、原価削減と売上総利益率の改善に努めるほか、withコロナ時代を見据え、リモートでの営業活動やリモートでの工事現場管理活動などに積極的に取り組み、事業活動におけるコスト削減と生産性向上に努めてまいります。その他、経済産業省中小企業庁より新連携支援事業に採択された「全国の工務店支援サービス」は、サブスクリプションの収益モデルとして2021年4月頃の販売開始を目指しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。