(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、前半は消費税引上げの影響で個人消費の落ち込みが見られたものの、政府の経済対策や日銀の金融緩和の効果もあり、特に輸出型企業などでは所得も拡大し、また、雇用環境の改善などにより個人所得や消費も緩やかな回復基調となりました。
一方、海外経済においては、米国では着実な景気回復基調が続いており、欧州経済もやや持ち直していますが、中国及びその他新興国の経済は不透明感が継続しています。
こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーでは、輸送機器メーカー、情報機器メーカー、医療機器メーカーなどは全般的には新製品の開発も含め堅調でしたが、電器メーカーなどは全般的には縮小傾向が続きました。外資系メーカーでは医薬品メーカーが堅調でした。
こうした状況を踏まえ、当社グループでは既存主要顧客との取引の維持・拡大に取り組むとともに、今後の成長戦略上重要となる医薬・医療品・ヘルスケアメーカー、生活用品メーカーや玩具メーカー、外資系メーカーなど新たな顧客との取引拡大に注力するとともに、パッケージなどの分野での取引を拡大してまいりました。
また、コスト面では、国内では制作人員の適材適所による稼働効率を上げる事で生産性の向上に努めました。海外工場では昨年に引続き医薬・医療品・生活用品メーカーとの取引拡大に備え設備投資を行いました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1,490,852千円(11.3%)増加し、14,717,300千円となりました。
利益面につきましても、売上増加等の影響により、営業利益は前連結会計年度比155,341千円(32.3%)増加し636,591千円、経常利益は前連結会計年度比241,755千円(51.5%)増加し710,777千円、当期純利益は前連結会計年度比191,501千円(101.8%)増加し379,622千円といずれも増益となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
1)日本
日本国内では、輸送機器メーカー、情報機器メーカー、医療機器メーカーなどは全般的には新製品の開発も含め堅調でしたが、電器メーカーなどは全般的には縮小傾向が続きました。
このような情勢の中、当社では輸送機器メーカーや情報機器メーカーとの取引が拡大しました。コスト面では特定の案件でコストが受注時の予想を大きく上回った案件がありました。
この結果、外部顧客への売上高は4,364,747千円(前連結会計年度比0.7%増)、セグメント利益は428,739千円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
2)中国地域
中国では人件費の高騰や外交問題などの地域リスクもあり、多くの日系メーカーが昨年に引続き中国から生産拠点の移管を進めました。また、中国経済の悪化もあり、中国国内向けの生産も減少しております。
このような情勢の中、華東地域では昨年に引続き医薬・医療品メーカー向けの取引拡大に向け、設備投資を行い、華南地域では既存顧客の減産傾向の中、ヘルスケアメーカーなど新規顧客開拓に注力しました。
この結果、外部顧客への売上高は3,763,596千円(前連結会計年度比11.1%増)、セグメント利益は48,199千円(前連結会計年度比35.8%減)となりました。
3)東南アジア地域
東南アジアでは、中国からの生産移管などが進み、フィリピンやベトナムでは生産量が増加しておりますが、一部の国では経済の停滞も見られています。
この結果、外部顧客への売上高は5,111,216千円(前連結会計年度比28.9%増)、セグメント利益は225,968千円(前連結会計年度比94.6%増)となりました。
4)欧米地域
アメリカでは、個人消費などは回復傾向にあるものの、リーマンショック後の販売単価の低下から未だ脱しておらず、ヨーロッパでも未だ回復とは言い難い状況です。
このような情勢の中、アメリカでは事務所兼工場のリース料(平成27年12月契約終了)が負担となっております。ヨーロッパでは、主要顧客でもある輸送機器メーカーとの取引の拡大や人員体制の整備を行いました。
この結果、外部顧客への売上高は1,477,738千円(前連結会計年度比4.1%減)、セグメント損失は60,559千円(前連結会計年度はセグメント損失125,748千円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ143,672千円増加し、当連結会計年度末には2,563,171千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、459,585千円の収入(前連結会計年度は717,680千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払額96,669千円による支出があったものの、税金等調整前当期純利益703,328千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、748,546千円の支出(前連結会計年度は239,435千円の支出)となりました。これは主として、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出656,160千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、103,936千円の収入(前連結会計年度は384,155千円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,240,799千円、及びその他支出(主としてリース債務の返済による支出)179,683千円がありましたが、長期借入れによる収入1,399,148千円、及び短期借入金の純増147,665千円によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
||
|
生産高 |
前年同期比(%) |
生産高 |
前年同期比(%) |
|
|
日本 (千円) |
4,725,751 |
106.2 |
4,984,914 |
105.5 |
|
中国地域 (千円) |
2,402,743 |
99.0 |
2,643,382 |
110.0 |
|
東南アジア地域 (千円) |
3,120,676 |
164.7 |
4,322,943 |
138.5 |
|
欧米地域 (千円) |
1,860,280 |
111.9 |
1,743,112 |
93.7 |
|
合計(千円) |
12,109,451 |
116.1 |
13,694,352 |
113.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループの取引は、企画・編集・制作の各段階で、仕様変更・内容変更が発生する場合が多く、その結果、受注金額の最終決定から売上計上(販売)までの期間が短いため、受注実績の記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
||
|
販売高 |
前年同期比(%) |
販売高 |
前年同期比(%) |
|
|
日本 (千円) |
4,332,583 |
104.1 |
4,364,747 |
100.7 |
|
中国地域 (千円) |
3,386,578 |
100.5 |
3,763,596 |
111.1 |
|
東南アジア地域 (千円) |
3,966,479 |
145.4 |
5,111,216 |
128.9 |
|
欧米地域 (千円) |
1,540,808 |
105.8 |
1,477,738 |
95.9 |
|
合計(千円) |
13,226,448 |
112.9 |
14,717,300 |
111.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
エプソングループ |
- |
- |
1,838,548 |
12.5 |
3.前連結会計年度のエプソングループについては、売上高に占める割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループをとりまく環境はリーマンショック以前は、デジタル製品の市場拡大や、日系メーカーのグローバル展開による販売対象国の増加など、製品ラインナップが増え、結果として当社グループの取り扱うマニュアルや印刷物、梱包材などの販売量が増えておりました。
しかしながらリーマンショック以後は、世界景気の減退、円高やグローバルな競争環境の激化による顧客からのコストダウン要求、更にスマートフォン登場後はデジタル製品のスマートフォンへの集約化によるデジタル製品のラインナップの減少やペーパーレス化の進行によるページ数の減少などにより、特に一般消費者向けの電機メーカー向けの販売量が大きく減少しました。
このような環境の中、当社グループは、多品種小ロット対応を得意としたグローバルネットワーク体制を持つ企業グループとして、顧客からの日本基準の高い品質管理・コストダウン要請に応えるべく、工程改善などにより高い品質管理体制・価格競争力を培ってきました。
これからは、こうした過去31年の実績に基づいた信用と信頼を以って、以下に掲げる当社グループの対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。
①グローバル展開のトラックレコードを活かした顧客の拡大
当社グループは、デジタル家電・複合機・輸送機器など日系メーカーが生産拠点を海外にシフトするに際し、共にグローバル拠点を展開してきた実績があります。この海外進出によって、日系メーカーと長年に亘る取引を行い、更なる信用を獲得してきたと考えています。
これまではデジタル製品を中心とした日系メーカーとの取引を主としておりましたが、今後はこのような取引実績を背景に、海外メーカー及び既に取引を開始した医薬・医療品メーカーや生活用品メーカーなど新たな業種の顧客との取引の拡大を更に進め、事業成長が可能な事業のポートフォリオを、他社に先立って確立していくことを目指します。
②顧客に対するグローバルサポート体制の強化
当社グループは、マニュアルのデータ作成や翻訳を日本国内で行い、印刷工程を顧客の海外拠点の近くで行うグローバルサポート体制を構築しておりますが、業界環境が変化するに伴い、現在ではマニュアル制作の受注だけでなく、梱包材などの納入に係る取引が拡大しております。
今後は上記のように、顧客のニーズに沿ったサポートを徹底していくことを目的として、サプライチェーンの川上から川下へ進出し、サポート体制を更に強化してまいります。また、グローバル化の進行に伴って増加する可能性が高い翻訳サービスにもより一層注力してまいります。
③多品種小ロットの対応
当社グループは、経済性が低く大手印刷業者では取り扱わない多品種小ロットの印刷発注を効率的にオペレーションする体制を築いており、少量の製品を取り扱う顧客やJIT(ジャスト・イン・タイム)で生産体制を確立している顧客にとって貴重な戦力として着実に進展してきました。
今後も多品種小ロットの発注に対応する体制を構築することによって、大手印刷業者がオペレーションできない取引を獲得し、サプライチェーンの一角として顧客に必要とされるよう事業を展開していきます。
④専門的な技術の確立と人材の育成
当社グループの強みは多品種小ロットの印刷受注に対応できるグローバルでのサポート体制と考えておりますが、それを支える技術の確立と人材の育成は経営の最重要課題の一つと考えております。
現在、専門的な技術の確立のために、多言語翻訳の標準的な規格を策定するGALA標準規格イニシアチブ(※)や翻訳業界の技術開発をリードしている翻訳自動化ユーザー協会(Translation Automation User Society)に加入したり、人材育成のために、現場力強化のための海外研修や日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取組みを実施したりすることで、当社グループの体制を更に強化できるよう努力しております。
※ GALA(Globalization and Localization Association)標準規格イニシアチブ:多言語翻訳の標準規格を策定し、普及を促進するための公的な試み
⑤国内での新規ビジネスと組織再編
国内においては、既存のマニュアル制作の市場規模が縮小しており、今後もこのような傾向が継続すると予想されることから、次世代マニュアル(組込みマニュアル、タブレット端末、IoT(※1)での情報提供サービス等)、国際規格対応サポート(CEマーキング(※2)等)、教育コンテンツ等のビジネス化や、マニュアル制作システムの開発(制作統合支援ツール、DITA(※3)化等)、マーケティング・サポートビジネス、コンサルビジネスなどへの事業領域の拡大に取り組んでまいります。
また当連結会計年度には、組織再編として制作の一元管理化、効率的な顧客拡大のための東京への人材集中、重複していた翻訳体制の解消により、更なる効率化を図ってまいりました。今後は制作業務全てを精査し、付加価値業務と量産業務の切り分けを行うことで、全体最適化を進めて更なる原価低減を進めてまいります。
※1 IoT(Internet of Things):コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと
※2 CEマーキング:商品が全てのEU加盟国の基準を満たすものに付けられるマークで、EEA(欧州経済領域)やトルコ、スイスで販売する際には取得が必要となる
※3 DITA(Darwin Information Typing Architecture):技術情報を制作・発行・配布するためのXMLに基づいたアーキテクチャ
⑥株主との対話・株主還元
当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値の向上を目指しており、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。この対話を通じて、経営方針や経営戦略についてもより分かりやすい説明を目指し、株主の皆様と当社グループとの建設的な関係を築いていきたいと考えております。
こうした方針を前提に、株主還元の内容や趣旨説明についても経営の最重要課題の一つとして認識をしており、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつ、充実した株主還元を行うことが重要であると考えております。詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
本報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、当社グループとして、必ずしも事業遂行上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示をしております。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社グループを含めたBtoB(企業間の商取引)をメインビジネスとした会社の業績は、景気の影響を受け易い傾向にあります。当社グループは、サービス内容の多様化や、取引顧客の多様化、サービス提供地域の拡大を図り、景気の影響を受けにくい事業構造の形成に努力しておりますが、顧客が、景気悪化に伴い事業の縮小・製造拠点の撤廃・統廃合などのリストラクチャリングを行うことや、製品開発の縮小や先送り・遅れなどで、当社グループが提供するサービスの利用が縮小され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)主要顧客である日系メーカーのグローバルな製造拠点の移転リスク
当社グループの売上高は、国内のみならず海外においてもそのほとんどを日系メーカーが占めており、当社グループの海外現地法人の主要顧客となっています。そのため、主要顧客たる日系メーカーがグローバルな生産活動の再編に伴い、製造拠点を移転した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)ペーパーレス化の影響
近年、コンシューマー向けデジタル製品を中心に取扱説明書といったマニュアルのペーパーレス化が進み、また、デジタル製品そのものの市場の縮小を受け同製品向け販売が大きく減少しました。当社グループはグローバルネットワークの活用等により、ペーパーレス化の影響を相対的に受けにくい医薬・医療品・生活用品メーカーや輸送機器メーカーとの取引拡大や梱包関連のビジネス拡大に努めていますが、現在は複合機やプリンターなどオフィス向け製品のメーカーとの取引も多く、更にオフィスでのペーパーレス化が進み複合機などの市場が将来縮小していく場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)仕入価格変動リスク
当社グループは、海外では主に紙製品(取扱説明書、化粧箱、ラベル等)を取り扱っており、その原材料である紙の価格の変動により、仕入価格が影響を受けます。この仕入価格が上昇した場合、直ぐに製品へ価格転嫁できない場合もあり、その場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)為替変動リスク
当社グループの平成27年6月期の全売上高のうち、70.3%が海外での売上高になり、為替レートの変動による影響を受けます。円高もしくは円安などが更に進行した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)有利子負債残高に関するリスク
当社グループの平成27年6月期末の有利子負債残高(借入金、リース債務の合計額)は5,668百万円と総資産の47.1%を占めています。原則、変動金利で借入を行っており、市場金利が上昇した場合には、金融費用が増加する等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)カントリーリスク
当社グループの平成27年6月期の全売上高のうち、34.7%が東南アジアで、25.6%が中国であり、これらの国での法改正や人件費高騰、外交問題などの要因により、顧客の撤退や生産縮小などの影響が出ると、当社グループにも影響が出ます。当社グループでは、多くの国に進出し、その影響を分散する事でリスクを縮小する事業構造を築いておりますが、カントリーリスクが顕在化した場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)製品の品質にかかるリスク
当社グループは、デジタル製品や家電、輸送機器等の取扱説明書の制作・編集・印刷や、梱包材などの供給を行っております。当社にて社長直轄のグループ全体を統括する品質管理室を設置し、加えて、各拠点にも品質担当者を配置することで、継続的に品質の向上・改善を図り、顧客のニーズに応じ適時適切な対応を図る体制を構築しております。しかしながら、企画・編集・制作時のミスや印刷時のミスプリント、乱丁等が発生した場合には、損害金額の規模や頻度、事後対応、更には当社グループの信用が失墜することによって、業績に影響を与える可能性があります。
(9)主要顧客の生産動向によるリスク
当社グループの平成27年6月期の売上高のうち、最大顧客でも全体の10%程度であり、特定の顧客による影響はある程度、分散されております。しかしながら、主要顧客の生産動向が変化した場合には、特定の地域セグメントの損益が悪化するなどして、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)競合によるリスク
国内では、主に電機メーカーなどのリストラクチャリングにより、既にマニュアル制作業界は縮小しているといわれております。今後、更に国内メーカーのリストラクチャリングが進むと、現存の同業会社の中でも更に競争が進むため、その様な状況が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外でも同様に、日系メーカーのリストラクチャリングが進んでおります。また、ローカルの同業会社も台頭し、競争は厳しくなっております。ただし、新興国の発展などに伴い、より高品質のサービスが求められるケースも増えてきており、今後も顧客からの業務発注を受け、かつ、発注量を増加させるためにも、海外での高品質、安定供給、安定価格での優位性に向けた対応を図っていますが、今後、優位性を維持継続できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)情報漏洩によるリスク
当社グループでは、顧客の未公表の新製品及びリニューアル品に関する開発情報に接しております。また、業務上で顧客に関する個人情報を扱う機会は限定的ではあるものの存在します。当社グループでは、リスクマネジメントの中でも情報セキュリティに関して、最重要項目の一つとして捉え、情報セキュリティ分科委員会を設置し、グループの諸規程の制定、役員・従業員・パート社員への研修の実施、管理体制の体系化、システム・運用の強化を実施しています。しかしながら、その情報が漏洩した場合、顧客から当社グループへの損害賠償請求や信用の低下、取引停止など、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12)法規制に関するリスク
現在、当社グループは、許可・認可など経営を行う上で直接的に規制を受ける事業は営んでおりませんが、今後、取扱説明書及び修理マニュアルなどの制作物の表現内容などに新たに影響を及ぼす法令、各種規制が撤廃もしくは緩和された場合には、取扱説明書の記載義務が減り、結果ページ数などが減少し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(13)優秀な人材の確保
当社グループが継続的な成長を続けるためには、優秀な人材を確保し、教育・育成していくことが重要課題の一つであると認識しております。そのため、当社グループは、採用活動の全社的強化及び能力開発体制の構築等、優秀な人材の獲得・育成に努めております。しかしながら、当社グループが求める人材を計画通り確保し育成できなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(14)自然災害、人災等について
当社グループは、国内、海外に多くの拠点があります。BCM分科委員会を設置し、緊急時での事業の継続のためのバックアップ体制を構築していますが、今後、局地的な水害や地震等の自然災害や火災、暴動、テロ等の人災が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループでは、多様化する顧客ニーズを的確に把握し、そのニーズに沿った新しいメディア(媒体)やシステム、印刷技術の提供をするために、分野・工程ごとにそれぞれ部門を設置し、研究開発活動を行っております。
マニュアル作成の分野・工程では、メディアの仕様や端末の普及により様々に変化する取扱情報の提供方法に対応するため、マニュアルや教育コンテンツの開発部門を設置しております。また、製品コスト低下に伴うマニュアル制作費のコストダウンにも対応するため、顧客へ販売するためのマニュアル作成ツール開発や作業効率化ツールの開発部門を設置しております。
マニュアル印刷の分野・工程では、開発、設計を国内で、生産を海外で行う顧客に対し、国内と海外の両方でサポートできる体制を構築するために、包装設計グループを設置しております。これにより、海外現地で原材料を入手し生産した場合と同じ仕様でのサンプルを国内で作成したり、海外生産の設備的メリット・デメリットを顧客に提案したりと、日系メーカーの要望に応える体制を取ることが可能となっております。
最近2連結会計年度における研究開発活動に要した費用は、下表のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
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当社(日本)における研究開発費 |
62,023千円 |
31,652千円 |
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計 |
62,023千円 |
31,652千円 |
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、当社の連結財務諸表作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積り及び判断については、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては次のものがあると考えております。
① 退職給付債務及び退職給付費用
当社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の見積りに際して、簡便法を採用しております。基礎となる退職給付債務は、退職金規程に基づいて見積もられた、年度末における自己都合要支給額であります。従って、原則である数理計算に基づいた退職給付債務及び退職給付費用とは、差異が生じる可能性があります。
② 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため回収不能見込額を見積り、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財政状態が著しく悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
③ 繰延税金資産
連結財務諸表と税務上の一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、税務計画を考慮し見積っておりますが、予測不可能な前提条件の変更等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は14,717,300千円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。国内売上高は4,364,747千円(前連結会計年度比0.7%増)、中国地域売上高は3,763,596千円(前連結会計年度比11.1%増)、東南アジア地域売上高は5,111,216千円(前連結会計年度比28.9%増)、欧米地域売上高は1,477,738千円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
主に国内では、輸送機器メーカーや情報機器メーカーとの取引が拡大し、海外では、昨年に引き続き中国からの生産移管先として、フィリピンやベトナムの売上が拡大しており、また外資系医薬品メーカーなどの取引が拡大すると共に、生活用品メーカーとの取引も始まっております。一方で、一般消費者向けのデジタル製品分野での取引は一部では堅調な顧客もあったものの、全般的には低調でした。また、パッケージなどの分野での取引が拡大しました。
(売上総利益)
売上総利益は3,745,189千円(前連結会計年度比7.5%増)となりました。売上総利益率が前連結会計年度比で低下しておりますが、これは主として、商社法人の売上拡大が大きかったことと、特定の案件でコストが受注時の予想を大きく上回った案件があった影響によるものであります。
また、国内の制作部門では昨年に引き続き、業務の効率化が進んでおり、海外の工場法人においても機械化などによる業務の効率化が進みました。
(営業利益)
営業利益は636,591千円(前連結会計年度比32.3%増)となりました。販売費及び一般管理費については、商社法人の売上拡大に対して、販売費及び一般管理費の増加を抑える事が出来た結果、対売上高比率が減少しました。
(経常利益)
経常利益は710,777千円(前連結会計年度比51.5%増)となりました。これは、営業利益の増加に加え、主に為替差益155,765千円を計上したことによるものです。
(当期純利益)
当期純利益は379,622千円(前連結会計年度比101.8%増)となりました。1株当たり当期純利益は、当連結会計年度は130.58円(前連結会計年度比95.4%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「4 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「3 対処すべき課題」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より1,867,607千円増加し、12,023,677千円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。これは主として、現金及び預金の増加212,364千円、受取手形及び売掛金の増加558,897千円、商品及び製品の増加350,320千円、設備投資に伴う有形固定資産の増加628,923千円によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より817,564千円増加し、8,048,705千円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の増加321,481千円、短期借入金の増加193,968千円、長期借入金の増加218,081千円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より1,050,042千円増加し、3,974,971千円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。これは主として、利益剰余金の増加128,466千円、為替換算調整勘定の増加573,631千円によるものであります。
② キャッシュ・フロー
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 財政政策
当社の事業では、国内ではそのほとんどが役務提供型の業務であるため、多額の設備投資が必要となる事業ではありません。一方、海外では工場型拠点と商社型拠点があり、商社型拠点は多額の設備投資は発生しませんが、工場型の拠点では新規投資や現状設備維持の投資が必要になります。
運転資金につきましては、当社グループの製品は受注から納品・検収・支払までのサイトが比較的短く、多額に先行で費用が発生することはありません。現在は、主要取引銀行6行による20億円のコミットメント契約を結んでおります。また、既存設備維持の投資に関しては営業活動によるキャッシュ・フローより行うこととしていますが、新たな追加の投資が必要な場合は、リース契約もしくは長期借入金でまかなっております。
また、現在の長期借入金残高は、過去に投資した事業によるものがその大半を占めております。