第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「医薬品スタンディングの美と健康と快適な生活にウィングを持つ需要創造型の新しい中間流通業」を目指しております。また、同時に「流通コストのナショナルミニマムを実現する中間流通業」として、小売店と一体となって消費者満足の向上を通じて社会に貢献してゆく事を社会的使命と考えております。

 そのため、考え方を共有する小売店とパートナーシップを組み、医薬品、健康食品、化粧品、医療器、日用品に至るまで、消費者が満足して購入し使って頂けるようなカテゴリー提案を積極的に行いますと共に、店頭での販売力を強化する為の「インストアマーチャンダイジング」を展開してまいります。その結果として、「非価格競争力」を持った、お客様から信頼される商流力を確立し、お客様にとって欠くことのできないオンリーワンの卸売業者となることを目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

 社会全体の大きな流れとして、日本の人口減少および少子高齢化の進行、消費者のライフスタイルの多様化や健康に対する考え方が変化してきております。また、健康志向が一段と進み、未病、予防の為の健康食品への関心がますます強くなってきております。

 ヘルスケア業界をとりまく環境は、ドラッグストアや医薬品卸業者の生き残りをかけた再編淘汰も更に加速すると予想されます。

 当社グループはこうした激動の潮流と国内業界の将来を見据えて強固な営業基盤の確立を図るため、インフラとしてのコンプライアンス体制を堅持しつつ、広域化・業態化を進め、カテゴリーを拡大し、健康維持摂取品や基礎化粧品であるメディカルスキンケアを含む広範な商品調達力を備えてまいります。また、マーチャンダイジング商品の開発にも注力し、ユニークなビジネスモデルを持つオンリーワン卸の確立を目指してまいります。

 

(3)対処すべき課題等

 今後のわが国経済は、緩やかな回復基調が続くと予想されますが、米国の政策動向など海外経済の不確実性の高まりや不安定な金融市場の変動が景気を下押しするリスクもはらんでおり、依然として先行き不透明な状況にあります。

 ヘルスケア業界をとりまく環境は、大手ドラッグストアのM&Aや資本・業務提携での再編は加速度を増し、出店意欲も旺盛で広域化・大型化し、センターフィー等のコスト増加や納入価交渉も厳しい局面を向かえており、売上総利益率の低下が予想されます。また、物流コストの上昇、人手不足による採用難で人員確保が深刻な問題となってきています。

 これからの日本は少子高齢化などにより大きな変革期を迎えます。当社は6月に創業360周年を迎え、新たな時代に合わせた姿へ生まれ変わるべく、多様化する消費者ニーズを先取りし、人々の「美と健康と快適な生活」の実現に貢献してゆく卸として、健康産業の中核を支える流通業を目指してまいります。

 経営的にはこれまでの経営努力や事業戦略を着実に進め「戦略的な先行投資を続けながら、営業利益率を1%以上確保できるような収益体質を作り上げること」を基本戦略としてまいります。安定的な成長を目指す一方、更なる飛躍に向けて新たな戦略を講じ、一層の企業体質・サービス機能の強化および経営の効率化に向けて、次の項目を徹底的に推進して新しい売上と利益の確保に取り組んでまいります。

 第一にMD(マーチャンダイジング商品)の構成比アップ

 第二にPB商品等の商品開発提案力の強化

 第三に新規カテゴリー開発

 第四に異業態との取引開拓

 第五にコスト構造改革と徹底的なロスの排除のための更なる経費削減

 今後も販売実績の向上と一層のローコスト経営を目指し、ヘルスケア流通業として名実共にナンバーワン卸を目指し、業績の向上に取り組んでゆく所存でございます。

 

2 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。なお、これらは、当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅するものではないことにご留意下さい。

 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制に係るリスク

 当社グループは、各種の医薬品及びその関連商品を取り扱っておりますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律及び関連法規等の規制により、営業拠点の開設及び医薬品等の販売に際しては、各事業所が所轄の都道府県知事等により必要な許認可、登録等を受けることになっております。監督官庁の許認可等の状況により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特有の商慣習に係るリスク

 当社グループが所属している医薬品卸売業界においては、医薬品の販売数に応じて、医薬品メーカーから医薬品卸売業者に対して販売報奨金等が支払われます。この販売報奨金等は、医薬品メーカーと医薬品卸売業者の間で取り決められた販売数量や納入件数等を達成することによって支払われますが、今後、医薬品メーカーの営業戦略の変更により、販売報奨金制度が変更された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要な得意先である、大手量販ストアーやドラッグチェーンが卸各社から徴収するものとして、物流負担金、いわゆるセンターフィーがあります。小売市場の競争の激化により、料率等が変更された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)システム障害発生に係るリスク

 当社グループの事業運営は、コンピュータシステムに多くを依拠しており、自然災害や事故の発生、コンピュータウィルスの侵入等によりシステム機能が停止した場合、システムの復旧に時間を要し、販売・物流に大きな支障を及ぼす可能性があります。

 

(4)取引先の財務状況悪化に係るリスク

 当社グループは、ドラッグストア・薬局を中心とする取引先に多額の売掛債権を有しており、リスクの最小化のために与信管理の徹底を図っておりますが、取引先の財務状況の悪化により売掛債権の回収が滞った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)情報の漏洩に係るリスク

 当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、外部への漏洩を防止するため管理体制を整備し、運用の徹底を図っておりますが、不測の事態により、これらの情報が漏洩した場合には、顧客の信用を失い、損害賠償請求や取引停止等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)訴訟に係るリスク

 当社グループは、事業活動を行うにあたって、法令違反や他者の権利侵害を行わないよう、最大限の注意を払っておりますが、万が一、当社の事業活動の遂行に対して、損害賠償を求める訴訟が提起され、敗訴した場合、賠償額によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)災害等発生に係るリスク

 当社グループの医薬品等卸売事業において、物流機能が重要な役割を果たしておりますので、地震や台風等の自然災害に備えて危機管理体制やシステムのバックアップ体制を構築しておりますが、想定を超える大規模災害が発生した場合には、物流活動に重大な支障をきたし、販売機会の喪失のおそれがあり、また、復旧費用等の費用も増加するおそれがあるため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度末における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

 財政状態、経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、金融緩和をはじめ政府の各種経済政策を背景に、企業収益や雇用・所得環境に改善がみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

 当社グループの属するヘルスケア業界におきましては、消費者マインドの改善を背景とした個人消費の持ち直しの動きが見られるなど、市場環境は堅調に推移いたしました。

 このような状況のもと、当社グループは、消費者の多種多様なニーズを発掘し、「医薬品スタンディングの美と健康と快適な生活にウィングを持つ需要創造型の新しい中間流通業」の実現を目指しております。また、小売店と一体となって認知機能の低下予防に成果を上げている「シナプソロジー」、ロコモティブシンドローム(運動器障害)予防のための「ノルディックポール」などの提案により、消費者満足の向上を通じて社会に貢献してゆく事を社会的使命と考えております。

 そのため、考え方を共有する小売店とパートナーシップを組み、医薬品、健康食品、化粧品、衛生医療用品、更には日用雑貨品に至るまで消費者が満足して購入し使って頂けるカテゴリー提案を積極的に行うとともに、店頭での販売力を強化する為の「インストアマーチャンダイジング」の展開など中長期的な企業価値向上や持続的な成長を目指し、市場シェアを拡大するべく事業を積極的に展開いたしました。

 具体的には「新しい売上げを作る!新しいお客様を作る!」べく、新しいカテゴリーへの取組を強化するとともに広範な商品調達力の拡充と非価格競争のできる商流力アップに努めて参りました。

 また、健全経営に向けて専売品の売上構成を高めるとともに、利益構造の改革を図り適正利益の確保に努めて参りました。

 さらに、物流部門の業務改革による経費抑制効果やシステム部門の業務の高度化・効率化に取り組んで参りました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a 財政状態

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ、11,877百万円増加し、96,628百万円となりました。また、負債は、8,989百万円増加の79,962百万円となり、純資産は、2,887百万円増加し、16,666百万円となりました。

 

b 経営成績

 当連結会計年度の売上高は239,531百万円(対前年同期比7.7%増)、経常利益は3,295百万円(対前年同期比49.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,313百万円(対前年同期比204.5%増)と増収増益となりました。

 

 キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末よりも2,465百万円増加し4,940百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因はつぎのとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、5,593百万円(前年同期は636百万円の使用)となりました。これは主として、仕入債務の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、1,473百万円(前年同期は207百万円の使用)となりました。これは主として、投資有価証券の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、1,654百万円(前年同期は11百万円の使用)となりました。これは主として、借入の返済によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

医薬品

100,805

+7.5

健康食品

36,160

+14.8

衛生医療・介護・オーラル用品

16,109

+2.1

ベビー用品

10,414

+6.3

日用品・軽衣料

15,895

+14.5

菓子・食品

7,058

+2.8

化粧品

23,731

+5.6

その他分類

5,747

△8.7

合計

215,923

+7.8

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 提出会社の子会社の株式会社大木の仕入高が連結仕入高の大半を占める為、当該金額によっております。

 

b 販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

医薬品

103,874

+7.3

健康食品

43,232

+14.7

衛生医療・介護・オーラル用品

18,153

+2.7

ベビー用品

11,460

+6.4

日用品・軽衣料

18,647

+15.9

菓子・食品

7,482

+2.5

化粧品

27,479

+4.8

その他分類

6,845

△8.1

合計

237,176

+7.8

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 提出会社の子会社の株式会社大木の売上高が連結売上高の大半を占める為、当該金額によっております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5 経理の状況 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績等

財政状態

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ、受取手形及び売掛金が5,382百万円増加した事等により、結果として11,877百万円増加の96,628百万円となりました。また、負債は、仕入債務が9,815百万円増加した事等により、結果として8,989百万円増加の79,962百万円となり、純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益が2,313百万円であった事等により2,887百万円増加し、16,666百万円となりました。

 

経営成績

 売上高は、主要な子会社である株式会社大木において、医薬品が前年同期比7.3%増であった事等により、前年同期比7.7%増の239,531百万円となりました。

 売上原価は、弊社専売品の売上構成を高め、粗利を下支えした事等により、前年同期比7.5%増の215,284百万円となりました。

 この結果、売上総利益は、前年同期比10.3%増の24,247百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、センターフィーが引き続き増加傾向が続いた事等により、前年同期比5.8%増の21,903百万円となりました。

 この結果、営業利益は、前年同期比80.5%増の2,344百万円となりました。

 営業外収益は、情報手数料が前年同期比4.8%増であった事等により、前年同期比3.0%増の1,060百万円となりました。

 営業外費用は、支払利息が前年同期比△14.5%減であった事等により、前年同期比△9.4%減の108百万円となりました。

 この結果、経常利益は、前年同期比49.2%増の3,295百万円となりました。

 特別利益は、当連結会計年度は発生しませんでした(前連結会計年度は155百万円の計上)。

 特別損失は、前連結会計年度に計上した、たな卸資産評価損981百万円が当連結会計年度は計上がなかった事等により、前年同期比958百万円減の66百万円となりました。

 この結果、税金等調整前当期純利益は、前年同期比141.3%増の3,229百万円となりました。

 法人税等(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)は、前年同期比56.4%増の914百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は1百万円(前年同期は△5百万円の純損失)となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比204.5%増の2,313百万円となりました。

 

 

キャッシュ・フロー

 当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

16.3

17.2

時価ベースの自己資本比率(%)

13.7

22.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

133.2

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

* いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

* キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

* 平成29年3月期につきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは算定しておりません。

 

 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの今後の経営成績に重要な影響を与えると考えられる要因は、以下のとおりです。

 

販売報奨金等及びセンターフィー

 第2 事業の状況  2 事業等のリスク (2)特有の商慣習に係るリスク に記載のとおりであります。

 

貸倒引当金

 第2 事業の状況  2 事業等のリスク (4)取引先の財務状況悪化に係るリスク に記載のとおりであります。

 

たな卸資産

 当社グループは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準委員会 平成18年7月5日 企業会計基準第9号)を適用しており、将来需要及び市場状況により評価損の追加計上が必要となる可能性があります。

 

c 資本の財源及び資金の流動性

資金需要

 当社グループの資金需要は主として運転資金需要であります。このうち主なものは商社として機能するための商品の仕入、製造子会社では製品を製造するための材料仕入、製造費、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。

 

財務政策

 当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は借入金で調達を行っております。

 

d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、安定的な収益を獲得する事が、全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「営業利益率」及び「経常利益率」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「営業利益率」は1.0%(対前年同期比0.4ポイント改善)、「経常利益率」は1.4%(対前年同期比0.4ポイント改善)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。