当事業年度におけるわが国経済は、円高などにより投資に対する姿勢が慎重化し踊り場局面から脱せない状況にあります。また、新興国経済の減速、中国経済の停滞、イギリスのEU離脱の影響等の世界経済の悪化懸念により、その先行きも不透明な状況にあります。このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、平成28年9月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約3,849万(前年同期比3.0%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約9,408万(前年同期比19.0%増)となるなど、インターネットを利用する環境は引き続き継続的な拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表資料)。一方、平成28年12月期の雑誌の販売状況は前年同期比で約5.9%減少となりました。書店からの返品率は41.4%となり(前年同期比0.4ポイント減)、返品率も改善こそしているものの、未だ大きな改善の兆しはみえない状況となっております(出所:出版月報平成29年1月号)。また、電子雑誌市場についてはNTTドコモの定額制雑誌読み放題サービス「dマガジン」の急拡大が寄与し191億円(前年比52.8%増)となりました(出所:出版月報平成29年1月号)。
このような環境のなか、当社は、当事業年度においても、前事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、WEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために、出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社が購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開及び法人顧客開拓についても、引き続き注力して参りました。
また、当社の経営戦略として提示している出版社への雑誌販売以外の収益機会を提供する「第三の矢」については、雑誌記事連動型のECサイトの運営についてノウハウを獲得すべく、雑誌「OCEANS」公式オンラインストアの運営を受託し、試験運用を開始しております。
この結果、当事業年度において当社を定期購読の専属窓口とする雑誌数は752誌、総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は2,475,018名(第3四半期累計期間から82,242名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、当事業年度末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は540,321名(第3四半期累計期間から19,957名増加)となりました。
また、スマートフォン、タブレット端末の普及に合わせ、今後、紙媒体に並ぶ媒体となることが期待されるデジタル雑誌の取り次ぎサービスの拡大についても、「第二の矢」の展開の手段として引き続き注力して参りました。
この結果、当社が取り扱うデジタル雑誌数は当事業年度末時点で3,343誌となっております。
上記の施策の結果、当事業年度における取扱高(当社から出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社が出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は7,650,542千円(前期比9.8%増)、売上高は2,568,488千円(前期比8.0%増)となりました。利益面につきましては、営業利益406,189千円(前期比29.5%増)、経常利益407,889千円(前期比29.7%増)、当期純利益275,019千円(前期比26.7%増)となりました。
注:当社は単一セグメントであるため、セグメント別の業績については記載しておりません。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末より236,479千円増加し、1,803,044千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得た資金は、482,150千円(前期は445,363千円の収入)となりました。
これは、税引前当期純利益407,079千円、減価償却費171,356千円、未払金の増加額120,298千円等による資金の増加と、未収入金の増加額112,140千円、法人税等の支払額133,901千円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、249,580千円(前期は185,748千円の支出)となりました。
これは、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出164,311千円、関係会社株式の取得による支出46,000千円等による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得た資金は、3,910千円(前期は191,272千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入による資金の増加によるものであります。
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
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雑誌販売支援事業 |
479,534 |
+13.7 |
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合計 |
479,534 |
+13.7 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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雑誌販売支援事業 |
2,568,488 |
+8.0 |
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合計 |
2,568,488 |
+8.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前事業年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
当事業年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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業務報酬(千円) |
割合(%) |
業務報酬(千円) |
割合(%) |
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株式会社大阪屋 |
707,231 |
29.7 |
963,395 |
37.5 |
当社は雑誌の定期購読サービスの提供を中心に事業を行っております。今後につきましては、既存事業に加え、雑誌の購買状況という、個人の趣味に直結するデータ及び出版社から預かっている雑誌の記事データを活用したEC事業(マガコマース)、メディア事業、広告配信事業等の展開により、新たな収益源を確保することが重要であると認識しております。
当社は、上記内容を踏まえ、以下の点に取り組んで参ります。
(1) 雑誌販売支援事業の収益拡大
当社が取り組む雑誌販売支援事業は、月額課金サービスの充実、定期購読の自動更新サービスの導入等、購読者の利便性を向上させるとともに、出版社への効果的なマーケティング手法の提供、購読者獲得から購読者への配送までを一括でサポートする「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」サービスの提供により、購読者、出版社双方が雑誌の定期購読に取り組みやすくすることで、定期購読市場の拡大を図って参りました。
特に、スペシャルパートナーと共同で定期購読読者獲得の最適な手法を探る「スペシャルパートナー戦略」を柱に、月額課金サービスの充実、WEBサイトリニューアル、デジタル雑誌の提供(タダ読み、紙媒体とのバンドル提供等)による定期購読の付加価値向上のための施策を促進することで、雑誌販売事業の収益性の向上を図って参る所存であります。
雑誌市場が7,300億円(公益社団法人全国出版協会調べ)と言われているのに対し、定期購読比率は10%程度であり(一般社団法人日本ABC協会資料より当社推定)、いまだ拡大余地が大きい市場であると考えております。そのための当面の課題といたしましては、上記の取り組みを促進することによって雑誌市場の中での定期購読市場の拡大を図ることで、市場の拡大、収益性の向上を図って参る所存であります。
(2) サービスの拡充
当社は、購読者に当社サービスを継続利用して頂くためには、取扱雑誌数の充実のほかに、利便性、信頼性の向上が必要であると考えております。そのため、決済手段の多様化、配送速度の向上、配送情報の提供等、顧客の利便性、信頼性を向上させるための施策の導入を図って参ります。また、デジタル雑誌については、購入してから読書を行うまでの一連の操作性の向上や紙媒体では物理的な保管の制限がある蔵書の楽しみを体感できるサ―ビスの提供、具体的には、当社サイトによるサービス提供やデジタル雑誌を閲覧、保管するためのソフトウエアまたはアプリの提供等について、今後も継続的にサービス開発及び改良を行っていく予定です。
また、現在、試験的に一部の出版社と取り組みを開始している雑誌の記事等と連動した商品を当社が運営する「Fujisan.co.jp」上で販売するEC事業(マガコマース)についても、今後、試験販売によって明らかになった課題等について改良を行い、サービスリリースを行う予定です。
当社は、更なる事業拡大を企図して、将来的に、雑誌定期購読者のデータベース及び当社が出版社から預かっている雑誌記事を活用した広告配信事業、メディア事業への展開も順次検討を進めて参る予定であります。
(3) 自社及び運営サイトの認知度向上
当社は新聞、テレビ等のマスメディア向けの広告を実施しておらず、当社が持つWEBマーケティング技術等の有効活用により、利用者の獲得を図って参りました。しかしながら、当社事業の更なる拡大のためには、雑誌の定期購読サービス自体の利便性の認知度向上、当社自体のブランドの確立及び認知度の向上が必要であると考えております。
したがって、費用対効果を検討の上、メディアを活用した広告宣伝及びプロモーション活動を強化して参ります。
(4) システムの安定性の確保
当社の事業は、インターネット上でサービス提供を行っている関係上、安定した事業運営を行うために、アクセス数、外部攻撃を想定したサーバー設備の強化、負荷分散等が重要となります。
したがって、今後も継続的に設備投資を行いシステムの安定性確保に取り組んで参ります。
(5) 情報管理体制の強化
個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図って参ります。
なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、情報管理の徹底を図っております。
(6) 社内体制の整備について
当社が継続的に企業価値を拡大していくためには、より専門性の高いサービスを構築できる専門的知識を有した優秀な人材の採用と教育及び組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。
このため、労働条件の改善等による魅力ある職場作りの推進を中長期的視点で進めていくことで優秀な人材を確保するとともに、人材育成のために教育・研修制度を充実させること等によって、バランスの取れた組織体制の整備・強化を図る方針であります。
また、事業の拡大に応じた管理業務を支障なく遂行できるよう、内部統制の仕組みを改善し、管理体制の強化を図って参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① インターネット及びEコマース普及の可能性について
当社は、雑誌定期購読サービスをワンストップで提供するWEBサイト「Fujisan.co.jp」を事業基盤としており、当社の収益はインターネットと強い関連性を有しております。そのため、インターネットの更なる普及が成長のための基本的条件であると考えられます。また、インターネットの普及に伴い、日本市場におけるEコマースも着実に成長しております。平成27年の消費者向け国内Eコマース市場は13.8兆円(前年比7.6%増)(注)と報告されておりますが、当社の事業成長にはEコマースの普及・浸透が不可欠であります。
しかしながら、わが国におけるインターネット及びEコマースの歴史はまだ浅く、インターネット及びEコマースの普及に関して将来の予想予測には不透明な部分があります。今後インターネット利用者数の順調な増加が見られない場合や、Eコマース自体が消費者に受け入れられず、普及が順調に進まない場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 経済産業省「平成27年度我が国経済社会における基盤整備」(電子商取引に関する市場調査)
② インターネット利用者の多様な行動パターンへの対応に関するリスク
インターネット業界においては、スマートフォン、タブレット端末等の新たなデバイスの登場により、消費者がより身近にインターネット等を利用できるようになり、当社が運営する「Fujisan.co.jp」の利用者も増加しております。しかしながら、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や動画、オンラインゲーム等、様々なWEBサービスも増加しており、インターネット利用者の行動パターンが多様化してきております。したがって、当社がこのようなインターネット利用者の行動パターンの変化に適切に対応できない場合、当社WEBサイトへの訪問件数や利用時間が低下する可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 出版業界の経営環境について
足元における出版業界の経営環境については、書店の減少、書籍購買者の減少等により、販売機会、販売数共に減少し厳しい経営状況が続いております。そのような経営環境の下で、さらに販売先である書店は経営効率改善のため業界再編に動いており、書店の大型化が進んでおります。また、書店は従来の多種類販売型、ショーウインドウ型の販売戦略から、売れ筋書籍を重視する販売に戦略を変えてきており、中小出版社にとってはますます販売機会が減少し、それに伴い販売数も減少するという悪循環に陥っております。
このような経営環境の下で、今後において、出版社の廃業が増加し、それに伴って当社の取扱雑誌数が減少していった場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合について
当社は、雑誌の定期購読サービス提供事業者におけるポジションを確固たるものとするため、ユーザーにとって魅力的なサイトの設計・運営やキャンペーンの実施、新規チャネルの活用、新たなデバイスへの対応などの施策を講じております。しかしながら、価格競争力・サービスレベル・資本力・マーケティング力・知名度という点で、当社よりも優位な企業等が、雑誌の定期購読サービスに新規参入した場合や、競合他社による競争の激化による顧客の流出やコストの増加等が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 特定事業への依存に関するリスク
当社の事業は、インターネットを活用した雑誌の定期購読サービスに集中しております。したがって、当社事業は、インターネットやEコマースの普及、出版業界の状況、出版業界固有の再販価格維持制度の状況といった外的要因に影響を受ける可能性があります。今後において、インターネット業界、Eコマース業界、出版業界において、新たな法的規制の導入や法的規制の改正、その他予期せぬ要因によって、これらの業界の発展が阻害される可能性があり、その動向によっては当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の業務委託先に対する依存に関するリスク
当社は、雑誌販売支援事業の丸請サービスにおける雑誌の配送及び商品保管等の各種オペレーションを、株式会社ニューブックのみに委託しております。業務を委託するに当たり、当社では様々な事態を考慮して、株式会社大阪屋経由で販売委託を受けている雑誌については株式会社大阪屋経由での配送を行うなど、配送ルートの分散化を進めてはおりますが、予期せぬ事態により、株式会社ニューブックとの間の取引継続が困難になる場合には、代替先の確保、業務の引継ぎ等に時間を要しサービス提供の停止またはサービス提供において大幅な遅れが生じる可能性があります。そのような事象が生じた場合等には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社登録ユーザー数の減少に関するリスク
当社の定期購読サービスを利用する総登録ユーザー数は平成28年12月末で2,475,018人となっております。
当社のビジネスモデルにおける収益源は出版社への取次サービスに係る手数料ですが、その源泉は「Fujisan.co.jp」を利用する購読者からの購読代金であります。したがって、登録ユーザー数の増減は、当社の経営成績に大きな影響を及ぼすことから、当社では新規登録ユーザーの獲得活動に注力するほか、顧客満足度の向上を通じた定期購読サービスの継続率向上に努めております。しかしながら、登録ユーザー数の拡大に関する施策が計画どおりに進捗しなかった場合、あるいは顧客満足度の低下に伴い退会者数が増加した場合等には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 検索エンジンへの集客依存について
インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを使って、必要な情報を入手しております。当社事業での新規顧客獲得に係る集客においても、Google等の検索エンジン及びその検索エンジンの表示結果に依存しております。
今後、検索エンジン運営事業者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、その他予期せぬ要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない場合には、当社が運営するサイトへの集客効果は短期的あるいは長期的に減退し、それによって登録ユーザーの減少に繋がる可能性があります。それらの事態が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業について
当社は新規事業として雑誌記事と連動したEC事業(マガコマース)の展開を検討しております。また、将来的な展望として当社顧客基盤をベースとしたメディア事業や当社が出版社から預かっている雑誌記事を用いた広告配信事業への進出も検討して参る予定であります。当該事業について、新規事業の性質上、計画通りに事業展開が見込めない事態の発生や、出版社等のコンテンツホルダーとの関係悪化、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの適確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者に対する訴求力の低下等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法的規制について
当社事業に関して、事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はないものと考えておりますが、当社事業に関連する主な法的規制及び当社の対応状況は以下のとおりであります。
イ)電気通信事業法
電気通信事業者として通信の秘密の保護等の義務が課せられております。当社は同法に基づき、電気通信事業者として届出を行っております。
ロ)不当景品類及び不当表示防止法
過度に高額な景品等の不当な景品類の禁止、優良誤認、有利誤認等不当な表示の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、キャンペーン等の企画について、経営管理グループが法令に適合しているかを確認するとともに、必要に応じて顧問弁護士に確認を取りながら事業を推進しております。
ハ)特定商取引法
通信販売を行う事業者として、広告における一定事項の表示、誇大広告の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、当社が運営する「Fujisan.co.jp」上に必要事項を開示しております。
ニ)個人情報の保護に関する法律
個人情報取扱事業者として、個人情報取得の際に利用目的の特定及び目的以外での個人情報の利用禁止、個人データの適正な管理、保有する個人データについて本人からの開示・訂正等・利用停止等の要求への対応等の義務が課せられております。当社の同法への対応状況は、「(3)情報セキュリティに関するリスク ②個人情報の管理について」に記載のとおりであります。
当社では、企業価値の維持向上のためには、全社的な法令遵守体制の強化、推進が必要不可欠であると認識しており、法令遵守に関する社内ルールを定めた「コンプライアンス憲章」を制定し、当該社内規程の遵守を徹底しておりますが、万が一、予期せぬ事態によって法令違反が発生した場合や、上記を含めた各種法的規制の改正や新たな法的規制の導入が行われた場合等には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティに関するリスク
① 情報システムの支障または情報セキュリティの不備に関するリスク
当社は、運営する各種サービスにおいて、住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。当社は、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性は皆無とは言えず、これを理由に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督当局からの処分を受ける可能性があり、そのような場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が提供するサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されておりますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワークまたはコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウエア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障が生じる可能性や、当社の不正な利用、重要なデータの消去または不正取得等が発生する可能性があります。これらの事由によるサービスの停止や機能低下が生じた場合、収益機会の喪失、当社のシステム自体への信頼性低下または損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける場合があります。さらに、当社の不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社の損害となります。このような事象が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報の管理について
当社は、平成15年5月の「個人情報の保護に関する法律」施行を踏まえ、「個人情報保護規程」の制定等により個人情報の取り扱い管理の向上を図っており、平成22年1月29日には、プライバシーマークを取得しております。現在まで顧客情報の流出等による問題は発生しておりませんが、今後、顧客情報の流出により問題が発生した場合、当社への損害賠償請求や信用の失墜等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業運営体制に係わるリスクについて
① 小規模組織であることについて
平成28年12月31日現在における当社組織の状況は、取締役6名(うち非常勤取締役2名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員数55名(臨時雇用者を除く)となっており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退任または退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保及び育成
当社において優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であると認識しております。新入社員及び中途入社社員に対するOJT研修の実施等、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業の発展に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたす等、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定人物への依存について
当社代表取締役社長である西野伸一郎は、当社の創業者として、事業の立案や実行等会社運営において、重要な役割を果たしております。当社といたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他
① 資金使途について
株式上場に伴う公募増資による調達資金は、株式上場による知名度向上を利用して定期購読市場拡大のために全額を広告宣伝費に充当する予定であります。しかしながら、インターネット関連業界、その他事業環境の変化に対応するために、調達資金が計画通り使用されない可能性があります。また、計画通りに使用された場合でも、想定通りの効果を得られず、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 配当政策について
当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は当事業年度末現在において成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先して、創業以来無配当として参りました。当面は、内部留保の充実に努める方針でありますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。なお、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社役員及び当社従業員並びに当社子会社従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、当事業年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、207,850株あり、発行済株式総数1,636,870株の12.7%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
④ 大株主であるカルチュア・コンビニエンス・クラブグループとの関係について
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の100%子会社であるカルチュア・エンタテインメント株式会社(以下、「同社」という。)は当社議決権の26.1%を所有する大株主であり、その他の関係会社に該当しております。
当社は同社の持分法適用関連会社であり、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を構成するグループ(以下、「CCCグループ」という。)においてインターネット上で雑誌の定期購読パッケージの販売を推進する会社と位置付けられております。CCCグループと当社との関係の詳細は以下のとおりであります。
イ)当社役員のCCCグループの役職員との兼任
当社はCCCグループより、2名(取締役 高橋誉則、監査役 遠山孝之)を役員として招聘しており、当社代表取締役社長である西野伸一郎はカルチュア・エンタテインメント株式会社の子会社である株式会社ネコ・パブリッシングの取締役を兼務しております。高橋誉則、遠山孝之両氏の招聘については、雑誌販売支援事業に関して、事業運営に係る助言を受けるという目的によるものであり、西野伸一郎による株式会社ネコ・パブリッシングの取締役兼務については、当社の経営者として出版社のニーズや経営課題等を的確に把握するという事業運営上のメリットを享受することを目的としたものであります。
ロ)CCCグループとの取引関係
当事業年度におけるCCCグループとの主な取引関係は以下のとおりであります。
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取引内容 |
取引先 |
金額 |
取引条件等の決定方法 |
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雑誌配送請負 |
株式会社CCCメディアハウス |
1,906千円 |
一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。 |
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TBNデータ提供料 |
株式会社TSUTAYA |
1,200千円 |
一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。 |
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広告出稿料 |
1,015千円 |
||
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雑誌配送請負 |
株式会社ネコ・パブリッシング |
16,597千円 |
一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。 |
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販売促進協力 |
874千円 |
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雑誌配送請負 |
株式会社CLASSIX MEDIA |
340千円 |
一般取引条件を勘案し、両者協議の上決定しております。 |
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雑誌配送請負 |
株式会社復刊ドットコム |
157千円 |
一般取引条件を勘案し、両者協議の上決定しております。 |
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雑誌配送請負 |
株式会社アイビーレコード |
232千円 |
一般取引条件を勘案し、両者協議の上決定しております。 |
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雑誌配送請負 |
株式会社CCCカーライフラボ |
172千円 |
一般取引条件を勘案し、両者協議の上決定しております。 |
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雑誌配送請負 |
株式会社美術出版社 |
1,800千円 |
一般取引条件を勘案し、両者協議の上決定しております。 |
上記以外に株式会社CCCメディアハウス、株式会社ネコ・パブリッシング、株式会社CLASSIX MEDIA、株式会社復刊ドットコム、株式会社アイビーレコード、株式会社CCCカーライフラボ及び株式会社美術出版社との間で雑誌の定期購読の取次に関する取引が存在しますが、同取引の金額の開示は両社の定期購読事業における取引高の開示に繋がり、この情報は各社の営業機密にあたる関係上、開示を控えさせて頂きます。
なお、各社との雑誌の定期購読の取次に係る取引につきましては、各社がCCCグループに参画する以前から行っているものであり、当社の業務報酬売上額に占める各社との取引金額の合計は約1.4%と僅少であります。取引条件につきましては一般取引条件を勘案し、各社協議の上決定しております。
また、当社の経営上の重要な意思決定において、CCCグループの事前承認事項や事前報告事項は存在せず、同社からの独立性の確保という点で、同社との関係によって当社の自由な事業活動を阻害される状況にないと考えております。
⑤ 株式の流動性について
当事業年度末現在において、トランス・コスモス株式会社(以下、同社という。)は当社の発行済株式総数の13.3%(218,500株)を保有しておりますが、同社による当社への投資は当初、インキュベーション投資として実施されたものであります。そのため、当社上場後、同社の株式が市場で売却されるリスクがあり、同社が市場で一斉売却した場合、当社の株価に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表における報告数値のうち一部の数値については、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる見積りを基にその算出を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における総資産は3,400,008千円(前事業年度末比438,918千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が2,987,430千円(同354,909千円増)、固定資産が412,578千円(同84,009千円増)であり、主な変動要因は、前事業年度末に比べ現金及び預金が236,479千円、未収入金が112,140千円増加したこと及び関係会社株式が46,000千円増加したこと、敷金保証金が18,570千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は2,394,950千円(前事業年度末比159,989千円増)となりました。主な変動要因は、前事業年度末に比べ未払金が120,586千円、預り金が26,988千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,005,058千円(前事業年度末比278,929千円増)となりました。主な変動要因は、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が275,019千円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ1,955千円増加したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度においては、登録ユーザー数の増加、定期購読継続率の上昇により、取次サービスに係る販売が順調に推移しました。この結果、当事業年度の売上高は2,568,488千円(前期比8.0%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度において、売上原価は仕入高等の増加により1,182,379千円(前期比8.9%増)となりました。
この結果、当事業年度の売上総利益は1,386,108千円(前期比7.3%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度において、販売費及び一般管理費は取扱高の増加による決済手数料の増加や、採用の伴う採用求人費の増加、オフィスの増床による賃借料の増加などにより979,919千円(前期比0.2%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業利益は406,189千円(前期比29.5%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度において、受取精算金の発生等により、営業外収益は1,758千円となりました。
この結果、当事業年度における経常利益は407,889千円(前期比29.7%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において、法人税、住民税及び事業税を137,690千円、法人税等調整額△5,630千円を計上した結果、当事業年度における当期純利益は275,019千円(前期比26.7%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題意識と今後の対応について
当社は「雑誌のFujisan」のブランド構築を実現し、定期購読市場の拡大、定期購読市場内でのシェアの拡大を実現するため、取扱雑誌数の増加、出版社に対する定期購読サービス推進のためのサポートの促進、購読者獲得ノウハウの確立、定期購読ユーザーの継続率向上を図って参ります。
そのためには、市場環境に即応できる組織体制の構築、システム安定性の確保、情報管理体制の強化等により、組織としての体力を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために当社の経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。