第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「求めている読者に求めている雑誌を提供する」ことを企業理念として、書店数の減少に伴い出版社が購読者を獲得する機会が減少している環境下において、「Fujisan.co.jp」を通じて購読者と出版社を繋ぐ「雑誌出版業界における流通プラットフォーマー」としての位置付けを確立することを基本方針として事業活動を行っております。

当社グループの事業により、出版社への著作発表機会と収益を提供し、日本の出版文化を発展させるとともに、購読者に求めている雑誌を提供し、読書文化を発展させることを目指すという社会的意義の高い事業を拡大することにより、企業価値を増大して参ります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの目標とする経営指標は、取扱高、売上高及び営業利益の成長率です。また、これらを支える指標として、取扱高の伸び率、当社グループサービスの総登録会員数を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、雑誌購読において、「定期購読」という新たな形態を普及させるため、定期購読期間に応じた割引や定期購読者限定の特典の提供、紙媒体の定期購読者に対するデジタル版雑誌のバンドル提供等の各種特典を提供するなど、購読者増加のための施策を講じて参ります。また、定期購読者を増加させることで、出版社に対して安定収益の獲得機会を提供するとともに、定期購読にかかる受付、決済、配送にかかる業務を受託し、出版社の定期購読業務負担を軽減することで、出版社が定期購読業務を取り組みやすくする施策(スペシャルパートナー戦略)を講じて参ります。

上記施策により定期購読という新たな雑誌購読スタイルを普及させ、雑誌の定期購読サービスを提供する事業者においてナンバーワンとなることを目指して取り組んでいく予定です。また、このような戦略を通じて、出版社に継続的に定期購読者を提供することによって、出版業界全般を盛り上げていけるよう努めて参ります。

更に、当社グループが保有する定期購読者の購読情報を基盤とした広告収益、雑誌と連動したECプラットフォーム「マガコマース」の提供、あるいは雑誌の記事コンテンツ単位での販売支援、出版社のWEBメディアへの展開支援等により、出版社に対し、従来の雑誌販売収益以外の新たな収益源の提供を行うことで、出版社の収益基盤強化に尽力できるよう努めて参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは雑誌の定期購読サービスの提供を中心に事業を行っております。今後につきましては、既存事業を引き続き収益基盤としつつ、デジタル雑誌の取次事業、デジタル雑誌の記事を用いた出版社WEBメディアの構築支援というデジタルメディア領域において、既存事業と並ぶ収益源の構築に取り組んで参ります。その上で、最終的には、雑誌の購買状況という、個人の趣味に直結するデータ及び出版社メディアに来訪される来訪者情報等を活用したEC事業(マガコマース)、メディア事業、広告配信事業等の展開により、雑誌出版領域におけるビッグデータ事業者になれるよう、事業を推進して参ります。
 当社グループは、上記内容を踏まえ、以下の点に取り組んで参ります。 
 
①雑誌販売支援事業の収益力の維持
 当社グループが取り組む雑誌販売支援事業は、月額課金サービスの充実、定期購読の自動更新サービスの導入等、購読者の利便性を向上させるとともに、出版社への効果的なマーケティング手法の提供、購読者獲得から購読者への配送までを一括でサポートする「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」サービスの提供により、購読者、出版社双方が雑誌の定期購読に取り組みやすくすることで、定期購読市場の拡大を図って参りました。
 特に、スペシャルパートナーと共同で定期購読読者獲得の最適な手法を探る「スペシャルパートナー戦略」を柱に、月額課金サービスの充実、WEBサイトリニューアル、デジタル雑誌の提供(タダ読み、紙媒体とのバンドル提供等)による定期購読の付加価値向上のための施策を促進することで、雑誌販売事業の定期購読者の囲い込み、収益性の維持・向上を引き続き図って参る所存であります。
  また、2020年度においては、東京オリンピックの影響により、配送倉庫において労務費が急上昇している結果、倉庫管理費が上昇傾向にあり、当社配送収益を圧迫していくことが想定されることから、出版社から預かっている商品在庫の保管場所について一部、労務費が低い地域に移転させることを検討する等、倉庫管理費の上昇の抑制に努めて参ります。

 

②サービスの拡充
 当社グループは、購読者に当社グループのサービスを継続利用して頂くためには、取扱雑誌数の充実のほかに、利便性、信頼性の向上が必要であると考えております。そのため、定期購読者からの需要が高かった配送情報の提供等、顧客の利便性、信頼性を向上させるための施策の導入を図って参ります。また、デジタル雑誌については、従来のPDFデータをベースにした購読環境の提供では、我が国のスマートフォンベースでの購読スタイルにおいては、購読時に記事を拡大しながら読み進めていく必要があることから購読者数が伸び悩んでおり、現状の配信形態での事業展開には限界が見えつつあると考えております。そこで、今後は、現在の購読スタイルでもユーザーを確保できている「読み放題」サービスへの取次強化を進めて参ります。
 また、スマートフォンベースでの購読に適した形での配信形態としてのデジタル雑誌記事のWEB化、電子雑誌のWEBメディア化に向けた取り組みも検討して参ります。
 当社グループは、更なる事業拡大を企図して、将来的に、雑誌定期購読者のデータベース及び当社グループが出版社から預かっている雑誌記事を活用したEC事業、広告配信事業、メディア事業への展開も順次検討を進めて参る予定であります。
 
③自社グループ及び運営サイトの認知度向上
 当社グループは新聞、テレビ等のマスメディア向けの広告を実施しておらず、当社グループが持つWEBマーケティング技術等の有効活用により、利用者の獲得を図って参りました。しかしながら、当社グループの事業の更なる拡大のためには、雑誌の定期購読サービス自体の利便性の認知度向上、当社グループ自体のブランドの確立及び認知度の向上が必要であると考えております。
 したがって、費用対効果を検討の上、メディアを活用した広告宣伝及びプロモーション活動を引き続き強化して参ります。
 
④システムの安定性の確保
 当社グループの事業は、インターネット上でサービス提供を行っている関係上、安定した事業運営を行うために、アクセス数、外部攻撃を想定したサーバー設備の強化、負荷分散等が重要となります。
 したがって、今後も継続的に設備投資を行いシステムの安定性確保に取り組んで参ります。
 
⑤情報管理体制の強化
 個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図って参ります。
 なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、情報管理の徹底を図っております。
 
⑥社内体制の整備について
 当社グループが継続的に企業価値を拡大していくためには、より専門性の高いサービスを構築できる専門的知識を有した優秀な人材の採用と教育及び組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。
 このため、労働条件の改善等による魅力ある職場作りの推進を中長期的視点で進めていくことで優秀な人材を確保するとともに、人材育成のために教育・研修制度を充実させること等によって、バランスの取れた組織体制の整備・強化を図る方針であります。
 また、事業の拡大に応じた管理業務を支障なく遂行できるよう、内部統制の仕組みを改善し、管理体制の強化を図って参ります。
 
⑦グループ連携強化とグループアセットの最適化
 当社は4社の連結子会社を保有する事業持株会社であります。環境変化の激しいインターネット市場において、各社が自律的な意思決定を行うことでスピード感のある事業経営の実現を目指すとともに、経営理念、カルチャーを共有することでグループとしての一体化、経営資源の効率的な活用を目指して参ります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① インターネット及びEコマース普及の可能性について

当社グループは、雑誌定期購読サービスをワンストップで提供するWEBサイト「Fujisan.co.jp」を事業基盤としており、当社の収益はインターネットと強い関連性を有しております。そのため、インターネットの更なる普及が成長のための基本的条件であると考えられます。また、インターネットの普及に伴い、日本市場におけるEコマースも着実に成長しております。2017年の消費者向け国内Eコマース市場は16.5兆円(前年比9.1%増)(注)と報告されておりますが、当社グループの事業成長にはEコマースの普及・浸透が不可欠であります。

しかしながら、わが国におけるインターネット及びEコマースの歴史はまだ浅く、インターネット及びEコマースの普及に関して将来の予想予測には不透明な部分があります。今後インターネット利用者数の順調な増加が見られない場合や、Eコマース自体が消費者に受け入れられず、普及が順調に進まない場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(注) 経済産業省「2017年度我が国経済社会における基盤整備」(電子商取引に関する市場調査)

また、近年、Eコマース市場の拡大に対し、物流網の整備が追い付かず、結果として、物流網の整備、維持のための配送費の値上げ、ヤマトDM便のような従来利用してきたサービスが突然、利用できなくなる等の事象が発生しております。また、提携する倉庫会社等で東京オリンピック等の影響により人件費が急騰しており、結果として委託費が上昇傾向にあるという事象も発生しております。今後、更にEコマース業界が拡大していくことにより、物流網、人材の需給がひっ迫し、配送環境が更に悪化した場合、物流網の整備のための配送費の値上げ及び配送スピードの悪化による消費者離れが発生し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② インターネット利用者の多様な行動パターンへの対応に関するリスク

インターネット業界においては、スマートフォン、タブレット端末等の新たなデバイスの登場により、消費者がより身近にインターネット等を利用できるようになり、当社が運営する「Fujisan.co.jp」の利用者も増加しております。しかしながら、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や動画、オンラインゲーム等、様々なWEBサービスも増加しており、インターネット利用者の行動パターンが多様化してきております。したがって、当社グループがこのようなインターネット利用者の行動パターンの変化に適切に対応できない場合、当社WEBサイトへの訪問件数や利用時間が低下する可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 出版業界の経営環境について

足元における出版業界の経営環境については、書店の減少、書籍購買者の減少等により、販売機会、販売数共に減少し厳しい経営状況が続いております。そのような経営環境の下で、さらに販売先である書店は経営効率改善のため業界再編に動いており、書店の大型化が進んでおります。また、書店は従来の多種類販売型、ショーウインドウ型の販売戦略から、売れ筋書籍を重視する販売に戦略を変えてきており、中小出版社にとってはますます販売機会が減少し、それに伴い販売数も減少するという悪循環に陥っております。

このような経営環境の下で、今後において、出版社の廃業が増加し、それに伴って当社グループの取扱雑誌数が減少していった場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について

当社グループは、雑誌の定期購読サービス提供事業者におけるポジションを確固たるものとするため、ユーザーにとって魅力的なサイトの設計・運営やキャンペーンの実施、新規チャネルの活用、新たなデバイスへの対応などの施策を講じております。しかしながら、価格競争力・サービスレベル・資本力・マーケティング力・知名度という点で、当社グループよりも優位な企業等が、雑誌の定期購読サービスに新規参入した場合や、競合他社による競争の激化による顧客の流出やコストの増加等が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① 特定事業への依存に関するリスク

当社グループの事業は、雑誌を基盤としたインターネットを活用したサービスに集中しております。したがって、当社グループの事業は、インターネットやEコマースの普及、出版業界の状況、出版業界固有の再販価格維持制度の状況といった外的要因に影響を受ける可能性があります。今後において、インターネット業界、Eコマース業界、出版業界において、新たな法的規制の導入や法的規制の改正、その他予期せぬ要因によって、これらの業界の発展が阻害される可能性があり、その動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の業務委託先に対する依存に関するリスク

当社グループは、雑誌販売支援事業の丸請サービスにおける雑誌の配送及び商品保管等の各種オペレーションの大半を、株式会社ニューブックに委託しております。業務を委託するに当たり、当社グループでは様々な事態を考慮して、株式会社大阪屋経由で販売委託を受けている雑誌については株式会社大阪屋経由での配送を行うなど、配送ルートの分散化を進めてはおりますが、予期せぬ事態により、株式会社ニューブックとの間の取引継続が困難になる場合には、代替先の確保、業務の引継ぎ等に時間を要しサービス提供の停止またはサービス提供において大幅な遅れが生じる可能性があります。そのような事象が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 当社登録ユーザー数の減少に関するリスク

当社の定期購読サービスを利用する総登録ユーザー数は2019年12月末で3,232,038名となっております。

当社のビジネスモデルにおける収益源は出版社への取次サービスに係る手数料ですが、その源泉は「Fujisan.co.jp」を利用する購読者からの購読代金であります。したがって、登録ユーザー数の増減は、当社の経営成績に大きな影響を及ぼすことから、当社では新規登録ユーザーの獲得活動に注力するほか、顧客満足度の向上を通じた定期購読サービスの継続率向上に努めております。しかしながら、登録ユーザー数の拡大に関する施策が計画どおりに進捗しなかった場合、あるいは顧客満足度の低下に伴い退会者数が増加した場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 検索エンジンへの集客依存について

インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを使って、必要な情報を入手しております。当社事業での新規顧客獲得に係る集客においても、Google等の検索エンジン及びその検索エンジンの表示結果に依存しております。

今後、検索エンジン運営事業者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、その他予期せぬ要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない場合には、当社が運営するサイトへの集客効果は短期的あるいは長期的に減退し、それによって登録ユーザーの減少に繋がる可能性があります。それらの事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新規事業について

当社グループは新規事業として雑誌記事と連動したEC事業(マガコマース)の展開を開始しております。また、将来的な展望として当社顧客基盤をベースとしたメディア事業や当社が出版社から預かっている雑誌コンテンツを用いたWEBメディア事業、広告配信事業等への進出も検討して参る予定であります。また、当該領域に参入するために自社グループでの独自展開のみならず、出資、アライアンス、M&A等を行う可能性があります。

当該事業について、新規事業、投資等の性質上、計画通りに事業展開が見込めない事態の発生や、出版社等のコンテンツホルダーとの関係悪化、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの適確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者に対する訴求力の低下等により、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 法的規制について

当社グループの事業に関して、事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はないものと考えておりますが、当社グループの事業に関連する主な法的規制及び当社の対応状況は以下のとおりであります。

 

イ)電気通信事業法

電気通信事業者として通信の秘密の保護等の義務が課せられております。当社は同法に基づき、電気通信事業者として届出を行っております。

 

ロ)不当景品類及び不当表示防止法

過度に高額な景品等の不当な景品類の禁止、優良誤認、有利誤認等不当な表示の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、キャンペーン等の企画について、経営管理グループが法令に適合しているかを確認するとともに、必要に応じて顧問弁護士に確認を取りながら事業を推進しております。

 

ハ)特定商取引法

通信販売を行う事業者として、広告における一定事項の表示、誇大広告の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、当社が運営する「Fujisan.co.jp」上に必要事項を開示しております。

 

ニ)個人情報の保護に関する法律

個人情報取扱事業者として、個人情報取得の際に利用目的の特定及び目的以外での個人情報の利用禁止、個人データの適正な管理、保有する個人データについて本人からの開示・訂正等・利用停止等の要求への対応等の義務が課せられております。当社の同法への対応状況は、「(3)情報セキュリティに関するリスク ②個人情報の管理について」に記載のとおりであります。

 

当社グループでは、企業価値の維持向上のためには、全社的な法令遵守体制の強化、推進が必要不可欠であると認識しており、法令遵守に関する社内ルールを定めた「コンプライアンス憲章」を制定し、当該社内規程の遵守を徹底しておりますが、万が一、予期せぬ事態によって法令違反が発生した場合や、上記を含めた各種法的規制の改正や新たな法的規制の導入が行われた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 情報セキュリティに関するリスク

① 情報システムの支障または情報セキュリティの不備に関するリスク

当社グループは、運営する各種サービスにおいて、住所、氏名、電話番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性は皆無とは言えず、これを理由に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督当局からの処分を受ける可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループが提供するサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されておりますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワークまたはコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウエア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障が生じる可能性や、当社グループの不正な利用、重要なデータの消去または不正取得等が発生する可能性があります。これらの事由によるサービスの停止や機能低下が生じた場合、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下または損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける場合があります。さらに、当社グループが保持する情報の不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の管理について

当社は、2003年5月の「個人情報の保護に関する法律」施行を踏まえ、「個人情報保護規程」の制定等により個人情報の取り扱い管理の向上を図っており、2010年1月29日には、プライバシーマークを取得しております。現在まで顧客情報の流出等による問題は発生しておりませんが、今後、顧客情報の流出により問題が発生した場合、当社への損害賠償請求や信用の失墜等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業運営体制に係わるリスクについて

① 小規模組織であることについて

2019年12月31日現在における当社組織の状況は、取締役5名(うち非常勤取締役1名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)であり、当社グループ全体の従業員数86名(臨時雇用者を除く)となっており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退任または退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成

当社グループにおいて優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であると認識しております。新入社員及び中途入社社員に対するOJT研修の実施等、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業の発展に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたす等、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定人物への依存について

当社代表取締役社長である西野伸一郎は、当社の創業者として、事業の立案や実行等会社運営において、重要な役割を果たしております。当社といたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他

① 配当政策について

当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は当事業年度末現在において成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先して、創業以来無配当として参りました。当面は、内部留保の充実に努める方針でありますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。なお、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社役員及び当社従業員並びに当社子会社従業員に対するインセンティブ及を目的として、新株予約権を付与しております。

これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

また、2019年8月には行使義務条項付有償新株予約権の発行も行っております。

なお、当事業年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、486,720株あり、発行済株式総数3,315,620株の14.7%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 大株主であるカルチュア・コンビニエンス・クラブグループとの関係について

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の100%子会社であるカルチュア・エンタテインメント株式会社(以下、「同社」という。)は当社議決権の31.2%を所有する大株主であり、その他の関係会社に該当しております。

当社は同社の持分法適用関連会社であり、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を構成するグループ(以下、「CCCグループ」という。)においてインターネット上で雑誌の定期購読パッケージの販売を推進する会社と位置付けられております。CCCグループと当社との関係の詳細は以下のとおりであります。

 

イ)当社役員のCCCグループの役職員との兼任

当社はCCCグループより、2名(取締役 森田稔、監査役 遠山孝之)を役員として招聘しております。森田稔、遠山孝之両氏の招聘については、雑誌販売支援事業に関して、事業運営に係る助言を受けるという目的によるものであります。

 

ロ)CCCグループとの取引関係

当連結会計年度におけるCCCグループとの主な取引関係は以下のとおりであります。

取引内容

取引先

金額

取引条件等の決定方法

雑誌配送請負

株式会社CCCメディアハウス

4,830千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

TBNデータ提供料

株式会社TSUTAYA

800千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

広告出稿料

583千円

雑誌配送請負

株式会社ネコ・パブリッシング

20,874千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社トップパートナーズ

339千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社復刊ドットコム

213千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社アイビーレコード

17千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社SHIRO

739千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社美術出版社

1,788千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社主婦の友社

438千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

雑誌配送請負

株式会社徳間書店

2,237千円

一般取引条件を勘案し、両社協議の上決定しております。

 

 

上記以外に株式会社CCCメディアハウス、株式会社ネコ・パブリッシング、株式会社トップパートナーズ、株式会社復刊ドットコム、株式会社アイビーレコード、株式会社SHIRO、株式会社美術出版社、株式会社主婦の友社、株式会社徳間書店との間で雑誌の定期購読の取次に関する取引が存在しますが、同取引の金額の開示は両社の定期購読事業における取引高の開示に繋がり、この情報は各社の営業機密にあたる関係上、開示を控えさせて頂きます。

なお、各社との雑誌の定期購読の取次に係る取引につきましては、各社がCCCグループに参画する以前から行っているものであり、当社の業務報酬売上額に占める各社との取引金額の合計は約2.8%と僅少であります。取引条件につきましては一般取引条件を勘案し、各社協議の上決定しております。

また、当社の経営上の重要な意思決定において、CCCグループの事前承認事項や事前報告事項は存在せず、同社からの独立性の確保という点で、同社との関係によって当社の自由な事業活動を阻害される状況にないと考えております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは単一セグメントのため、セグメント別の業績については記載しておりません。

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

a 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き景気の緩やかな回復が謳われているものの、景気の回復が賃金に反映せず、結果として個人消費については、未だ踊り場局面から脱せない状況にあります。また、新興国経済の減速、欧州における英国のEUからの離脱、米中間の貿易戦争の懸念等、不安定な国際情勢の影響等による世界経済の悪化懸念により、その先行きも依然、不透明な状況にあります。このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、2019年9月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約4,073万(前年同期比2.1%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約1億4,449万(前年同期比13.1%増)となるなど、インターネットを利用する環境は引き続き継続的な拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表資料)。一方、2019年1月~12月の雑誌の販売状況は前年同期比で約4.9%減少の5,637億円となり、落ち込みのペースは鈍化したものの減少状況が継続している状況となっております。書店からの返品率は42.9%となり(前年同期比0.8ポイント減)、返品率については、高止まりはしているものの、書店への送品数の絞り込みによる改善の兆しもみえつつある状況となっております(出所:出版月報2020年1月号)。
 このような環境の中、当社グループは、雑誌の定期購読者の囲い込み、新規読者の獲得のため、第16期事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、WEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために、出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社グループが購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開及び法人顧客開拓についても、引き続き注力して参りました。
 この結果、雑誌出版市場が大きく前年比で縮小する中、当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,232,038名(前連結会計年度末から240,899名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は608,020名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びております。しかし、スマートフォンによる余暇時間の独占に伴い、特に当社グループが新規ユーザーを獲得するための最大チャネルであるWEBマーケティングに親和性が高い20代、30代の雑誌購読者の減少の影響を受け、新規ユーザー獲得コストは増加傾向となっております。
 また、デジタル雑誌関連の事業(「第2の矢」事業)については、前第2四半期連結会計期間より、新たに株式会社電通と合弁で設立した株式会社magaportの事業開始に伴い、従来の「Fujisan.co.jp」上でのデジタル雑誌販売のみならず、他電子書店向けのデジタル雑誌取次分野及び派生するサービス領域事業に注力しております。当連結会計年度においては、主に雑誌読み放題サービスにおいて着実に成長を続けており、当社グループの第2の柱に育ちつつあります。
 また、当第4四半期連結会計期間より、専門性の高い雑誌記事をWEBテキスト化して配信する記事配信サービスについても商用サービスを開始しております。 
 コスト面においては、主に配送請負について、さまざまな施策に取り組んだ結果、期初に想定していたコストと比較して、発生するコストを抑えることができました。なお、当第4四半期連結会計期間において、保有するPR代行を行う子会社株式について、取得時に想定していた事業計画に比べ、事業の立ち上がりが遅れていることから減損損失26,424千円を計上いたしましたが、当社グループとしては当該子会社のPR代行業務は雑誌出版社に対する有用な記事及び広告収益提供プラットフォームとして価値を有すると考えておりますので、引き続き当該事業については推進して参る所存であります。
 上記の施策の結果、当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は当社グループ設立来初となる100億円を超える10,555,965千円となりました。売上高は4,432,250千円(前年同期比27.8%増)となりました。利益面につきましては、営業利益327,653千円(同29.6%増)、経常利益333,069千円(同31.3%増)、当期純利益174,484千円(同5.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益172,529千円(同5.0%減)となりました。

 

b 財政状態の状況 
(資産)
 当連結会計年度末の総資産は4,366,479千円(前連結会計年度末比645,741千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が3,862,023千円(同652,412千円増)、固定資産が504,455千円(同6,670千円減)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が541,944千円増加したこと、未収入金が50,492千円増加したこと、売掛金が50,232千円増加したこと等によるものであります。

 
(負債)
 当連結会計年度末における負債合計は3,037,935千円(前連結会計年度末比448,011千円増)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ未払金が183,089千円増加したこと、短期借入金が150,000千円増加したこと、未払法人税等が68,238千円増加したこと等によるものであります。

 
(純資産)
 当連結会計年度末における純資産合計は1,328,543千円(前連結会計年度末比197,730千円増)となりました。主な変動要因は、当期純利益等の計上に伴い利益剰余金が118,972千円増加したこと、自己株式の処分に伴い自己株式が65,807千円減少したこと等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、541,944千円増加し、2,276,992千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は、633,755千円(前年同期230,588千円の収入)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益288,998千円、減価償却費201,304千円、未払金の増加額188,808千円等による資金の増加と、法人税等の支払額54,165千円等による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、260,736千円(前年同期は267,750千円の支出)となりました。

これは、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出207,768千円、新規連結子会社の取得による支出49,900千円等による資金の減少によるものであります。資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果得た資金は、168,926千円(前年同期は18,400千円の収入)となりました。

これは、短期借入金の増加による収入150,000千円、ストックオプションの行使に伴う自己株式の処分による収入 
12,250千円等によるものであります。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性

  当社グループが事業を展開している雑誌定期購読市場は成長率が鈍化傾向にあるものの、WEB雑誌市場、WEB
 コンテンツ市場は急速な成長を続けております。

  このような環境の中、既存事業の成長を継続させるとともに、アライアンス、M&Aや戦略投資を効果的に活用す
 ることで非連続的な成長の実現を目指しております。売上の成長や事業規模の拡大により市場シェアを高めていくこ
 とが中長期的な企業価値向上に資すると考えております。

 

  当社グループではこれらの資金需要については、原則的には当社グループの既存主力事業である雑誌定期購読支援
 事業において生み出されている営業キャッシュ・フローで賄っております。2019年12月期における当社グループの営
 業キャッシュフローは633,755千円となり、2019年12月期における投資活動によるキャッシュ・フロー260,736千円を
 賄えております。

  なお、当社グループでは今後の電子雑誌市場、電子雑誌取次事業の業容拡大、それに伴う運転資金の需要の拡大を
 見据え、子会社である株式会社magaportにおいて、市中銀行から150百万円の借入をおこないました(うち、100百万
 円は親会社からの借入の借換)。

 

 ④ 生産、受注及び販売の状況

a 生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

雑誌販売支援事業

1,474,146

55.2

合計

1,474,146

55.2

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

      2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c 受注実績

当社グループは受注活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

d 販売実績

当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

雑誌販売支援事業

4,432,250

27.8

合計

4,432,250

27.8

 

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
        2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

業務報酬(千円)

割合(%)

業務報酬(千円)

割合(%)

楽天ブックスネットワーク株式会社

1,122,685

32.4

1,122,870

25.3

 

(注)株式会社大阪屋栗田は、2019年11月1日をもって楽天ブックスネットワーク株式会社に会社名称を変更しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
  す。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表における報告数値のうち一部の数値については、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる見積りを基にその算出を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績の分析

(取扱高)

当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は当社グループ設立来初となる100億円を超える10,555,965千円(前年同期比15.4%増)となりました。

取扱高の主な伸びは子会社である株式会社magaportが手掛ける雑誌読み放題向けの取次及び配送請負業務に関連する受注によるものです。

 

(総登録会員数)

当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,232,038名(前連結会計年度末から240,899名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は608,020名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びを続けております。

 

(営業利益率)

当社グループでは、安定成長型のサブスクリプションビジネスである雑誌の定期購読を主軸に事業を展開しております。当社では売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。当連結会計年度における営業利益率は7.4%(前年同期は7.3%)となりました。

 

  (売上高)

 当連結会計年度においては、子会社である株式会社magaportの雑誌読み放題関連の売上の増加及び雑誌配送請負サービスにおける請負単価の値上げ、受注増の影響により、売上高は4,432,250千円(前年同期比27.9%増)となりました。

 

  (売上総利益)

当連結会計年度においては、売上総利益は1,638,528千円(前年同期比9.4%増)となりました。一方、売上総利益率は37.0%(前年同期は43.1%)と悪化しております。この原因は雑誌定期購読サービスに比べて利益率が低い配送請負サービス、デジタル雑誌読み放題サービスが中心となり、売上高が拡大したためであります。

 

  (営業利益)

   当連結会計年度においては、営業利益は327,653千円(前年同期比29.6%増)となりました。

主にマーケティング費用のコストセーブに取り組んだ結果、売上総利益率の悪化に対し、営業利益率は昨年度並みとなり、結果、営業利益は成長しております。

 

(経常利益)

当連結会計年度において、補助金収入の発生等により、営業外収益は6,295千円(前年同期848千円)となりました。また、支払利息が発生したこと等により、営業外費用が879千円となりました。

この結果、当連結会計年度における経常利益は333,069千円(前年同期比31.3%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税119,651千円、減損損失26,424千円を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は172,529千円(前年同期比5.0%減)となりました。

 

 ③ 財政状態の分析

財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の対応について

当社グループは、既存事業の雑誌の定期購読サービスについては、「雑誌のFujisan」のブランド構築を実現し、定期購読市場の拡大、定期購読市場内でのシェアの拡大を実現するため、出版社に対する定期購読サービス推進のためのサポートの促進、購読者獲得ノウハウの確立、定期購読ユーザーの継続率向上を図って参ります。

新規事業である雑誌のWEB化、当社グループの会員データを用いたEC等のサービスにおいては、記事抽出の技術開発、出版社に対してWEB記事を活用する基盤であるCMSの提供等を進めて参ります。

上記施策の実行のためには、市場環境に即応できる組織体制の構築、技術力の強化、システム安定性の確保、情報管理体制の強化等により、組織としての体力を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために当社の経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。