第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当社グループは、「Tech Tomorrow ~テクノロジーを活用して、わたしたちがつくった新しいサービスで、昨日よりも便利な生活を創る~」をミッションとして掲げ、このミッションの下、アプリビジネス事業、ビジネスプロデュース事業、フィンテック事業の3つの報告セグメントとして、開発力とビジネス創出力という当社グループの強みを活かした様々なサービスを展開しています。アプリビジネス事業では、小売・金融・モビリティ業界を中心とした顧客企業に対して、スマートフォンアプリの企画・開発・運用支援やアプリマーケティングツール「FANSHIP」やアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX」をSaaS型で提供しています。ビジネスプロデュース事業では、顧客企業のパートナーとして事業戦略・DX戦略の立案からサービス開発・グロースハックまでを一気通貫して支援し、顧客企業の新規事業開発やマーケティングに関する課題をワンストップで解決しています。また、フィンテック事業では、主に地方自治体や金融機関に対して、地域で発行・利用可能な通貨や商品券を電子化して流通させるデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」を提供しています。

当社グループでは、今後の更なる成長とミッションの実現に向け、2027年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を2024年5月に策定しました。本中期経営計画においては「当社グループの強みである開発力とビジネス創出力を活かした顧客企業のTech & Innovation Partnerへの成長」というテーマを掲げ、5つの成長戦略を掲げています。これらの成長戦略の実行を通じて、当社グループの開発力やビジネス創出力の活用と顧客企業とのパートナーシップの強化による顧客提供価値の向上を図り、事業領域を拡張していくことを目指しています。

当中間連結会計期間(2025年4月1日から2025年9月30日まで)においては、アプリビジネス事業では、スマートフォンアプリの開発体制の強化及びアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX」への投資を継続したほか、前年に実施した複数の資本業務提携に基づく各種施策を推進し、「アプリビジネス事業の継続成長」と「アプリ以外のDX領域への展開」に取り組みました。ビジネスプロデュース事業では、今後の事業拡大を見据えた組織体制の強化を継続しました。

 以上の結果、売上高3,187,726千円(前年同期比3.9%増)、調整後営業損失83,619千円(前年同期は調整後営業利益88,170千円)、営業損失127,043千円(前年同期は営業利益68,634千円)、経常損失113,929千円(前年同期は経常利益64,737千円)、親会社株主に帰属する中間純利益658,609千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益34,265千円)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりです。

 以下のセグメント別売上高及び利益又は損失には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいます。

 

(アプリビジネス事業)

 アプリビジネス事業では、既存顧客を中心にスマートフォンアプリの開発案件等を堅調に受注しており、また、資本業務提携に基づき、スマートフォンアプリ開発を軸としたデジタルサービスの開発提案活動の強化やEX-DX(注)領域における新たなサービスの開発等の取り組みを進めました。費用面では、スマートフォンアプリの開発体制の強化に伴い原価が増加したことに加え、EX-DX領域におけるソフトウエア償却費等が増加しました。この結果、当セグメントの売上高は2,392,658千円(前年同期比18.8%増)となり、セグメント利益は388,773千円(前年同期比1.8%増)となりました。

 

(ビジネスプロデュース事業)

 ビジネスプロデュース事業では、今後の事業拡大を見据えた組織体制の強化を継続しており、新規顧客の獲得が進捗しましたが、前年同期は例年下期に発生している大型案件が上期に発生した影響から、前年同期比では売上高が減少しました。この結果、当セグメントの売上高は704,531千円(前年同期比19.1%減)となり、セグメント損失は6,730千円(前年同期はセグメント利益74,058千円)となりました。

 

(フィンテック事業)

 フィンテック事業では、デジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」の既存導入先を中心に取引が拡大しました。費用面では、ソフトウエア償却費や組織体制の拡充に伴い人件費が増加しました。この結果、当セグメントの売上高は91,847千円(前年同期比50.6%減)となり、セグメント損失は27,656千円(前年同期はセグメント損失22,952千円)となりました。

 なお、2025年7月1日付で、同事業を構成する当社の連結子会社であった株式会社フィノバレーの全株式を譲渡し、連結の範囲から除外したため、売上高及びセグメント損失は、2025年4月1日から2025年6月30日までの実績となります。

 

(注)EX-DX(Employee Experience Digital Transformation)とは、従業員が会社で働く中で経験する様々なことに関する課題を、スマートフォンアプリなどのデジタル技術を使って解決し、従業員の満足度を高める取り組みをいいます。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて734,360千円減少の5,226,529千円となりました。これは主に、現金及び預金が126,161千円減少、売掛金が439,538千円減少、繰延税金資産が143,328千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末の負債の合計は、前連結会計年度末と比べて1,214,007千円減少の2,174,301千円となりました。これは主に、買掛金が148,344千円減少、賞与引当金が166,256千円減少、預り金が672,745千円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末の純資産の合計は、前連結会計年度末と比べて479,646千円増加の3,052,227千円となりました。これは主に、資本剰余金が116,847千円減少した一方、利益剰余金が658,609千円増加したことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,612,766千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の営業活動により得られた資金は、303,873千円(前年同期は257,234千円の資金減)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益793,677千円、関係会社株式売却益919,919千円、売上債権及び契約資産の減少額387,735千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の投資活動により使用した資金は、78,123千円(前年同期は212,711千円の資金減)となりました。これは主に、当社のプロダクトの開発等に伴う無形固定資産の取得による支出274,778千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入195,402千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の財務活動により使用した資金は、351,911千円(前年同期は65,148千円の資金増)となりました。これは、長期借入金の返済による支出155,000千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出196,911千円によるものです。

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)主要な設備

 当中間連結会計期間において、当社の連結子会社であった株式会社フィノバレーの全株式を譲渡したため、同社に関する設備は、当社グループの主要な設備に該当しなくなりました。

 

3【重要な契約等】

当社は、2025年4月25日付の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社フィノバレーの全株式を、TIS株式会社(以下、「TIS」という。)に譲渡することについて決議し、具体的な協議を進める旨の基本合意書をTISとの間で締結しました。また、2025年6月30日付で株式譲渡契約を締結し、2025年7月1日付で全株式を譲渡しました。

 詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。