当社は、平成27年10月1日に単独株式移転によりコスモ石油㈱の完全親会社として設立されましたが、コスモ石油
㈱の連結財務諸表を引き継いで作成しておりますので、当連結会計年度は平成27年4月1日から平成28年3月31日と
なります。また、連結の範囲に実質的な変更はないため、前期と比較を行っている項目についてはコスモ石油㈱の平
成27年3月期(第109期)の連結業績と比較しております。
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、中国をはじめとする新興国経済の景気減速の影響などもあり、輸出が弱含み、前半には個人消費および民間設備投資の回復に遅れが見られましたが、大胆な金融政策とインバウンド需要の増
加などにより、雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな景気回復基調が続きました。
原油価格は、期初に1バレル53ドル台であったドバイ原油が、米国の原油生産の減少などにより、一時66ドル台ま
で上昇しましたが、イラン原油の本格的な市場復帰や中国経済情勢の不振に対する市場の供給過剰懸念などにより大
幅に下落し、期末は34ドル台で終えました。
為替相場は、期初1ドル119円台で始まり、夏頃には1ドル122円前後で安定しました。12月には米国の利上げが実
施されましたが、その後の追加利上げの速度が緩やかになるとの見方などから円高・ドル安傾向となり、期末は112
円台で終えました。
石油製品の国内需要は、ガソリン・軽油は製品市況の下落により需要が下支えされたことから前期並みで推移しま
したが、灯油・A重油・C重油の需要が暖冬や燃料転換などにより大幅に減少したため、全体としては前期を下回り
ました。
以上の結果、当期の連結経営成績は、売上高は原油価格の下落に伴い、前期比で約26%減少の2兆2,443億円となりました。
また、原油価格の下落により石油開発事業の販売利益が大きく減少したことや、主に石油事業における在庫評価損
の発生により、営業損失は297億円(前期は営業損失384億円)、経常損失は361億円(前期は経常損失496億円)、親会社株主に帰属する当期純損失は502億円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失777億円)となりました。
なお、セグメント情報につきましては、以下のとおりであります。
[石油事業]
石油事業につきましては、原油価格の下落及び製品販売数量が減少したことにより、売上高は減少しました。さ
らに、原油価格の下落によるたな卸資産の在庫評価の影響が売上原価を大幅に押し上げました。その結果、売上高
は2兆2,207億円(前期比△7,763億円)、セグメント損失は628億円(前期はセグメント損失935億円)となりました。
[石油化学事業]
石油化学事業につきましては、製品販売数量は増加しましたが、原油価格の下落等により、売上高は481億円(前
期比△70億円)、セグメント利益は41億円(前期はセグメント損失76億円)となりました。
[石油開発事業]
石油開発事業につきましては、原油販売価格の下落及び修繕費等のコストが減少したことにより、売上高は558
億円(前期比△265億円)、セグメント利益は186億円(前期比△289億円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、894億円となり、前連結会計年度末の残高808億円に比べ86億円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金の増加は184億円であり、前連結会計年度に比べ1,450億円キャッシュ・フローが減少いたしました。これは、主に売上債権及びたな卸資産の減少額が前期と比べ減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金の減少は328億円であり、前連結会計年度に比べ27億円キャッシュ・フローが減少いたしました。これは、主に固定資産の取得に伴う支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金の増加は325億円であり、前連結会計年度に比べ2,114億円キャッシュ・フローが増加いたしました。これは、主に借入金の増加等によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
揮発油・ナフサ |
309,364 |
63.9 |
|
|
灯油・軽油 |
412,159 |
61.6 |
|
石油事業 |
重油 |
157,870 |
59.7 |
|
|
その他 |
70,828 |
71.6 |
|
|
小計 |
950,222 |
62.7 |
|
石油化学事業 |
|
23,768 |
98.9 |
|
石油開発事業 |
|
15,999 |
59.3 |
|
合計 |
989,990 |
63.1 |
|
(注)1 自家燃料は除いております。
2 委託処理分を含み、受託処理分は除いております。
3 上記の金額にセグメント間の生産高は含まれておりません。
4 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
5 参考として、コスモ石油㈱の第109期の連結会計年度における数値との比較を前年同期比として記載しております。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
その他 |
10,380 |
166.0 |
4.829 |
129.3 |
(注)1 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
2 参考として、コスモ石油㈱の第109期の連結会計年度における数値との比較を前年同期比として記載しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
揮発油・ナフサ |
1,163,813 |
80.5 |
|
|
灯油・軽油 |
626,958 |
70.0 |
|
石油事業 |
重油 |
210,735 |
63.2 |
|
|
その他 |
175,569 |
65.1 |
|
|
小計 |
2,177,077 |
74.0 |
|
石油化学事業 |
|
20,222 |
97.0 |
|
石油開発事業 |
|
22,661 |
49.1 |
|
その他 |
|
24,345 |
97.6 |
|
合計 |
2,244,306 |
73.9 |
|
(注)1 揮発油の金額には、揮発油税及び地方揮発油税が含まれております。
2 上記の金額にセグメント間の販売高は含まれておりません。
3 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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|
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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JXホールディングス㈱ |
302,640 |
13.5 |
※販売実績には、JXホールディングス㈱と同一の企業集団に属する企業に対する販売実績を含めております。
4 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
5 参考として、コスモ石油㈱の第109期の連結会計年度における数値との比較を前年同期比として記載しております。
今後の見通しにつきましては、日本経済は、堅調なインバウンド需要などに支えられた緩やかな景気回復の継続が期待されるものの、中国をはじめとする新興国等の景気拡大テンポの下振れが懸念されるなど、不透明な状況が続くと考えられます。石油業界につきましては、自動車の燃費改善、社会における省エネルギー指向の高まり及び少子高齢化などにより、燃料油の国内需要減少のトレンドは続くものと予想されますが、成長を続けるアジア諸国を中心に石油製品の需要増加が見込まれます。
このような経営環境を踏まえて、引き続き第5次連結中期経営計画を着実に実行し、投資の選択と集中、更なる合理化・効率化などにより収益力を強化するとともに、有利子負債の削減を図り財務体質の改善に努めてまいります。
[4つの基本方針と6つの施策]
Ⅰ.石油精製販売事業における競争力の強化
施策:①製油所の安全操業・安定供給に関する取り組み強化
②供給部門を中心とした徹底的な合理化
③リテールビジネスの強化
Ⅱ.前中期経営計画で実施した戦略投資の確実な回収
施策:④石油化学事業
⑤石油開発事業
⑥再生可能エネルギー事業
Ⅲ.International Petroleum Investment Company(IPIC)、Hyundai Oilbank Co., Ltd.(HDO)との
アライアンス強化
Ⅳ.CSR経営の推進
石油事業につきましては、生産面では「安全・環境・品質・健康」を基本として安全操業・安定供給を継続することに加え、連結子会社コスモ石油㈱千葉製油所における京葉精製共同事業合同会社による製油所競争力の強化、平成28年度の認定工場取得により見込まれる精製コストの大幅な改善、コスモ石油㈱四日市製油所における昭和四日市石油㈱との事業提携による精製設備の最適化を図ってまいります。
販売面では、「顧客の創造」、「お客様との関係性強化」、「車両販売への積極的な取り組み」の3つを軸に燃料油のみならずカーライフ全般の需要を獲得することを目的とした「コスモビークルビジョン」を掲げております。この方針の下、異業種提携、インターネットを通じたサービスの拡充及びビークルショップの全国展開などの施策を推進し、カーライフ価値提供業への業態変革を実現してまいります。
石油化学事業につきましては、平成28年3月に実施した丸善石油化学㈱の連結子会社化により、コスモ石油㈱千葉製油所と丸善石油化学㈱千葉工場の一体運営が可能となり、これによるシナジーを更なる競争力強化につなげてまいります。また、アジア地域での需要の拡大が見込まれるミックスキシレン・パラキシレン事業において、Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.(HCP)を中心に据え、燃料油・ガス留分を高付加価値の石油化学製品に転換することにより収益の拡大を目指すとともに、継続して省エネルギー・合理化を推進してまいります。これらの取り組みにより、当社グループは、国内のミックスキシレン事業とHCPにおけるパラキシレン事業を一つのサプライチェーンと捉え、石油化学事業を資源開発、石油精製、石油販売に続く第4の柱へと成長させることを目指しております。
石油開発事業につきましては、平成29年度上期から本格的な生産を見込むヘイル鉱区の開発を着実に実行してまいります。また、Compañía Española de Petróleos, S.A.U.(CEPSA)との間では、IPICを株主とするアブダビファミリー企業として共同で新鉱区獲得や事業拡大を推進するなど、戦略的包括パートナーシップをさらに深め、次期中期経営計画につながる新たな事業機会の獲得について検討を進めてまいります。
再生可能エネルギー事業につきましては、石油業界の中でもトップクラスの総発電容量(18.4万kW)を誇る風力発電事業において、既存の発電設備の高稼働を継続します。また、度会サイト、酒田港湾サイトの建設を着実に実行することに加え、更なる新規風力発電設備の建設を検討してまいります。メガソーラー事業では、現在建設中の大三島太陽光発電所(愛媛県今治市)について、平成28年度の営業運転開始に向けて工事を着実に進めてまいります。
CSR経営の推進につきましては、CSR活動方針に基づく取り組みを推し進めるとともに、社員一人ひとりが誠実に業務を遂行し、社会からの期待に応えることで、継続して社会に貢献し、当社グループの企業価値を高めてまいります。
当社グループといたしましては、持株会社化による新体制の下、各事業会社のスピード感ある経営判断を基盤に、アグレッシブな事業活動と柔軟かつ迅速なアライアンス戦略(協業・共同・統合)を展開し、事業ごとの競争力を強化していくとともに、経営資源の最適配分を推進し、「グローバルな垂直型一貫総合エネルギー企業」を目指してまいります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月21日)現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績は今後の様々な要因によって、計画と異なる場合があります。
当社グループの経営成績及び財政状況等は、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)需要動向の影響
当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向の影響を強く受けます。従いまして経済状況や天候の変化等を受け、需要が変動することにより、当社グループの販売規模に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原油価格および原油調達に関するリスク
原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向につきましては大消費国であるアメリカ、また経済成長の著しいアジア地域(特に中国)の影響が大きく、生産動向につきましては中東産油国の増減産に加えてシェールオイルの増減産の影響が大きいと認識しております。特に産油国周辺地域においては、戦争勃発など政情の不安定化やテロなど不測の事態により原油価格や原油調達が悪影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止などにより経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しております。そのため、原油価格が下落した場合は、市況に比べて高いコスト負担をすることになるなど、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)外国為替レートの変動
国内石油事業においては、海外より原油及び石油製品等を輸入しており、その代金は通常米ドル建てで決済されるため、外国為替相場の変動により差損益が生じます。為替レート変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなるなど、為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、外国為替相場の変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響を及ぼす可能性があります。
(4)石油製品などの市況の変動
上述の通り、当社グループの主要な石油製品のコストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)金利の変動
金利の変動により、今後借入金利が上昇した場合には金融コストが増加するなど、金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
(6)資産価値の変動
経済状況などの影響から、土地や有価証券など、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがあるなど、資産価値の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合のリスク
当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。当社グループは引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営ができない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
(8)災害や事故による影響
当社グループの製油所では多量の可燃物を扱っていることから、特に人為的な操業事故や労働災害を未然に防止するため、様々な安全対策の徹底を図っております。しかしながら、設備の老朽化や地震などの自然災害等、何らかの要因により事故が発生いたしますと、操業を停止せざるを得なくなる可能性があります。例えば、平成23年3月11日の東日本大震災の影響により、コスモ石油㈱千葉製油所において操業を一定期間停止したことによる損失、または復旧にかかる費用などを計上しました。また、製油所以外でも、油槽所やSS、タンカーやローリー等による不慮の事故により、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
(9)石油産業に適用される法規制の影響
石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために費用を負担しております。環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制、税金などが課される可能性を認識しております。今後、新しい法律や現行法の改正などにより、当社グループの費用負担が増加するリスクがあります。当社グループではCSR経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに社員一人ひとりのモラル向上に努めております。しかし、ヒューマンエラーなどによる法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、製油所において経済産業省旧原子力安全・保安院等より高圧ガス保安法に基づく行政処分を受けた例では、保全費用が追加的に発生し、経営成績に影響いたしました。
(10)情報の管理
情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウィルス対策や個人情報保護対応などを実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざんなどのリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)昭和42年12月6日、アブダビ首長国政府と大協石油㈱(現 コスモ石油㈱)・丸善石油㈱及び日本鉱業㈱(現 JX石油開発㈱)は利権協定及び事業協定を締結しました。連結子会社アブダビ石油㈱は、昭和43年2月1日、上記利権及び事業権を譲り受け、利権地域であるアブダビ海域(ムバラス油田)において石油の探鉱・採掘・貯蔵・輸送及び販売を行っております。
(2)昭和54年4月28日、アブダビ首長国政府とアブダビ石油㈱はムバラス油田の西方海域の新利権鉱区における石油資源開発に関して、原協定(昭和42年12月6日締結)を補足する協定を締結しました。アブダビ石油㈱は、同利権地域における石油の探鉱・採掘・貯蔵・輸送及び販売を行っております。
(3)平成9年7月15日、カタール国政府とコスモ石油㈱・日商岩井㈱(現 双日㈱)及び合同石油開発㈱は、カタール国沖合東南第1鉱区アル・カルカラ構造及びA構造における石油の探鉱・開発の生産物分与契約(以下「DPSA」)を締結しました。連結子会社カタール石油開発㈱は平成9年11月14日、DPSAに基づく全ての権利義務を上記3社から譲り受け、当該区域において、開発・生産・貯蔵・輸送及び販売を行っております。
(4)平成11年10月12日、コスモ石油㈱と日石三菱㈱(現 JXエネルギー㈱)との間で、原油調達・精製・物流及び潤滑油の各分野に関して、業務提携に関する基本協定を締結しました。
(5)平成19年9月18日、コスモ石油㈱とInternational Petroleum Investment Companyとの間で、日本/アジア/環太平洋における、エネルギー分野を中心とした包括的かつ戦略的な業務提携を行うことを目的に、コスモ石油㈱への投資に関する第三者割当契約を締結しました。
(6)平成23年2月3日、アブダビ首長国最高石油評議会とアブダビ石油㈱は現在操業している3油田の利権の更新と
新鉱区の追加取得について、新たな利権協定を締結しました。本協定は、前協定(昭和42年12月6日締結及び
昭和54年4月28日締結)が期限満了となった平成24年12月6日より発効しました。
当社グループの研究開発活動は、連結子会社コスモ石油㈱、コスモ石油ルブリカンツ㈱、コスモエンジニアリング㈱及びコスモALA㈱で実施しております。コスモ石油㈱は、石油製品・石油精製プロセス触媒の研究や、環境に対応したバイオ技術の研究等を行っております。コスモ石油ルブリカンツ㈱では、環境対応技術確立の為の研究に取り組むとともに、消費者のニーズに応える潤滑油関係の商品開発等を行っております。コスモエンジニアリング㈱では、環境対応技術、温暖化対策技術及び次世代エネルギーなど、時代のニーズに応える研究活動を行っております。また、コスモALA㈱において、5-アミノレブリン酸(ALA)の医薬品向け原体及び製剤の製造・販売を目指し、研究開発活動を行っております。この結果、当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は3,104百万円であります。
以下に主要な研究概要をセグメント別に記載いたします。
(1)石油事業
コスモ石油㈱は、石油製品・石油精製プロセス触媒の研究や、環境に対応したバイオ技術の研究等を行っております。
石油精製技術分野では、製油所の高効率稼動の実現、精製コストの削減への対応として触媒技術を活かした精製プロセスの最適化、調達原油の多様化、ならびに石油製品の需給構造変化への対応を目的とした重質油削減、石油留分の高付加価値化などに関する研究開発に取り組んでおります。本分野では、新たに製油所の生産技術支援を担う部署を設置し、製油所の安定操業、競争力強化を技術的に支援しております。また、東燃ゼネラル石油㈱千葉工場との協業に向けた検討にも取り組んでおり、生産効率の向上、常圧蒸留装置を含めた精製設備の最適化を目指しております。加えて、一般財団法人石油エネルギー技術センター(JPEC)の技術開発事業にも参画し、超重質油から有用な石油製品への効率的な転換を目指し、コーカーを中心とした重質油分解装置群の高度活用による残油分解プロセス技術の開発を進めております。また、石油コークスの高付加価値化を目的として、熱伝導性フィラーなどの新商品開発もあわせて実施しております。
バイオ技術分野では、植物生長促進効果、育毛効果等を有する5-アミノレブリン酸(ALA)を配合した各種肥料の販売、及び育毛剤等の商品開発をコスモALA㈱にて行っております。研究部門では、このALAの安定生産、製造コスト削減に向けた製造技術開発を行うとともに、これら商品開発を支援しておりましたが、コスモALA㈱の研究所発足に伴い、コスモALA㈱へALA研究を移管しました。また、バイオエタノールの製造技術研究においては、遺伝子組み換え技術を用いずに効率的にエタノールを生産できる当社開発の発酵菌により木質等のセルロース系バイオマスを原料としたエタノール製造プロセスに適用することを目指して、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発事業に参画し、実用化に向けた検討に取り組んでおります。
また、Hyundai Oilbank Co., Ltd. (HDO)との「石油事業包括協力覚書」(平成20年4月16日締結)に基づいた協力範囲をより発展・具体化させることを目的に、平成23年10月13日に締結した技術/研究分野における覚書に基づき、技術委員会を継続して交互に開催し、研究開発活動の強化に努めております。
コスモ石油ルブリカンツ㈱は現在、環境対応・安全対応を最重要テーマとし、省エネ・省燃費・省資源対応潤滑油、難燃性潤滑油、生分解性潤滑油のオンリーワン商品開発に取り組んでおります。また、従来技術の更なる発展による商品開発・調査研究も並行して実施しております。
今後ますます厳しくなる排ガス規制・省燃費規制に対応したディーゼルエンジン油の開発や、省エネルギー・省資源技術確立のための更なる研究開発に取り組むとともに、車両用潤滑油・工業用潤滑油・グリースの商品開発はもとより、熱対策として放熱性に優れた「コスモサーマルグリース」、低トルク・省電力の「HDD動圧軸受油」など高付加価値商品の開発及び産学連携による新規商品開発にも取り組んでまいります。
なお、石油事業における研究開発費の金額は、2,728百万円であります。
(2)その他
コスモエンジニアリング㈱は再生可能エネルギー、温暖化対策技術及び環境対応技術など幅広く、時代のニーズに的確に応えられるよう、以下の主要4点について研究活動を進めております。
① 再生可能エネルギー関連では、参入を果たした風力発電事業において、設計施工技術強化を進めております。また、従来培ってきた保守技術を、当該分野に応用する検討を行っております。
② 温暖化対策関連では、CO2の分離・回収技術が重要になりますが、特に分離精製技術について重点的にプロセス調査と技術導入の検討を進めております。
③ 原油処理が減少している中、石油精製連産品の中には需要が伸びているものがあるため、石油に由来しない新製法の技術調査を進めております。
④ 次世代エネルギーとして注目されている水素について、多様な原料での製造技術や周辺技術調査を進めております。
コスモALA㈱は、ALAの医薬品向け原体及び製剤の製造・販売を目指し、研究開発活動を行っております。
平成27年度は、引き続き医薬品の品質管理で定められるGMP基準(Good Manufacturing Practice)に則ったALAの製造開発に基づき、医薬品として使用可能な原体(医薬品の有効成分となる原料医薬品)と、製剤の開発を実施しております。ALAを有効成分とする医薬品としては、既に悪性神経膠腫(脳腫瘍)術中診断薬の承認を日本国内で受けておりますが、ミトコンドリア病やがん化学療法による貧血についても治験を進めております。また他の症例についても、製薬会社と協力して開発を進めております。
なお、その他における研究開発費の金額は、375百万円であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績
業績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
経営成績の分析
①売上高
売上高は、前連結会計年度に比べ、7,915億円(26.1%)減少の2兆2,443億円となりました。これは、原油価格の下落及び製品販売数量の減少が主な要因です。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度に比べ、7,903億円(26.8%)減少し、2兆1,546億円となりました。これは、原油価格の下落が主な要因です。売上高に対する売上原価の比率は、1.0ポイント減少して、96.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、99億円(7.7%)減少し、1,194億円となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、1.0ポイント増加して、5.3%となりました。
③営業損失
上記の結果を受け、営業損失は、前連結会計年度に比べ87億円損失が減少し、297億円となりました。これは、原油価格の下落により石油開発事業の販売利益が減少した一方で、たな卸資産の在庫評価により売上原価を押し上げた影響が前連結会計年度より減少したためです。
④営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ、48億円改善し、64億円の損失となりました。これは、持分法による投資利益が前連結会計年度に比べ、30億円増加したことが主な要因です。
⑤税金等調整前当期純損失
特別損益は、丸善石油化学の連結子会社化に伴う「負ののれん発生益」163億円等を特別利益として計上する一方、特別損失として丸善石油化学の連結子会社化に伴う「段階取得に係る差損」102億円や、「事業構造改善費用」として製油所閉鎖に伴い発生する費用及び3製油所体制への移行に伴う需給対応のための一部装置の稼動停止期間中の固定費等69億円、「減損損失」62億円を計上したこと等により77億円の損失となり、前連結会計年度に比べ、127億円の損失増となりました。
結果として、税金等調整前当期純損失は、前連結会計年度に比べ8億円損失が減少し、438億円となりました。
⑥法人税等
法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度に比べ、212億円(61.4%)減少の133億円となりました。また、法人税等調整額は、前連結会計年度に比べ、80億円減少し、△127億円となりました。その結果、当連結会計年度の税金費用負担額は、前連結会計年度に比べ、292億円(98.0%)減少し、6億円となりました。
⑦非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として、石油開発会社及び石油化学会社等の非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度に比べ、25億円(76.0%)増加し、58億円となりました。
⑧親会社株主に帰属する当期純損失
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ275億円損失が減少し、502億円となりました。1株当たりの当期純損失金額は、594.85円となりました。
(2)流動性および資金の源泉
①財政状態
当連結会計年度末の連結財政状態と致しましては、総資産は1兆4,096億円となり、前連結会計年度末比190億円減少しております。これは、主に原油価格下落により、売上債権、たな卸資産並びに仕入債務が減少したこと等によるものです。純資産は2,027億円となり、前連結会計年度末比48億円減少し、自己資本比率は7.7%となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、営業活動は売上債権及びたな卸資産の減少等の資金増加要因により184億円のプラスとなりました。投資活動は、固定資産等の取得に伴う支出等により328億円のマイナスとなりました。財務活動は、借入金の増加等により、325億円のプラスとなりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比86億円増加の894億円となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
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平成28年3月期 |
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自己資本比率 |
7.7% |
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時価ベースの自己資本比率 |
7.1% |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
41.1年 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ |
1.4倍 |
(注)1 各指標は、以下の計算式によっております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
4 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。