第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、ウクライナ情勢等の外的要因はあるものの緩やかな回復基調にあります。設備投資も増加傾向にあり、個人消費も物価の上昇はありますが、底堅く推移しております。インバウンド消費の回復は経済成長のひとつの柱となりつつあります。しかしながら物流の停滞や建設資材の高騰、慢性的な人材難等、依然として供給面での影響は続いております。

当社が属する建設コンサルタント業界では、資源価格の高騰等、供給面での影響はありますが、一方で激甚化する自然災害に備えるため、国が定めた2025年までの「5ヵ年総額15兆円の国土強靭化計画」が集中的に実施されており、2023年までで、おおよそ9.9兆円の予算が確保されております。残り2年となりましたが、複数年にわたる大規模な事業等を円滑に実施できるよう、国庫政務負担の柔軟な活用が推進されており、全都道府県及び1,724市区町村で強靭化計画の策定が完了しております。(※内閣官房2023年国土強靭化計画概要より)

このような環境下で、当社グループは、新たな中期経営計画「深化・確立~変える・変わるDK~」をスタートさせ、個と組織力の強化と技術力・発想力の強化にて、高収益構造を構築してまいります。

インフラメンテナンス維持管理業務では、従来の目視点検から、当社で開発した3Dレーダ搭載車を活用した高速調査・高速解析を実施し、維持管理・更新コストの縮減に取組むと同時に業績を伸ばしております。

また、内閣府主導で実施される第3期戦略的イノベーション創造プログラム(以下、第3期SIP)のスマートインフラマネジメントシステムの構築に協力機関として参画しております。本プログラムにて研究開発を進め、研究成果の社会実装を目指してまいります。社会問題解決への研究と当社の技術力向上も期待でき、将来的には収益に貢献すると考えており、積極的に取組んでまいります。

一定規模以上の工事ではBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling Management)の義務化が進んでおり、3D管理された設計資料の提供が進み、グループ会社と協力して取組んでおります。

エリア展開では、FC店の展開を進めると共に、昨今の震災に対応するために、石川出張所を開設しました。まずは復旧に寄与できるよう対応をすすめ、復興においても貢献できるよう体制を整えてまいります。

前年度から引き続き、原材料費の高騰等によるコスト増の影響があり、試験価格の調整も視野にいれ、対応を検討しておりますが、少なからず業績に影響がでております。

昨対では減収減益となっておりますが、大型案件としては北海道整備新幹線案件の受注もあり、市場環境に対しての不安要素は少なく、長期化している地政学的リスクにどう対応していくかが重要となっております。

資材の高騰、人材難、技術者不足等の影響もありますが、試験価格の見直し、赤字案件の縮減に取組み、ベトナム支社へのオフショアの強化や自動化等、会社全体として、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを進め、組織基盤の強化から業績の向上につなげていく施策を実施しております。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、3,538百万円(前年同期比4.1%減)、利益につきましては、営業利益は240百万円(前年同期比8.6%減)、経常利益は260百万円(前年同期比4.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は143百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

株価資本コストを意識した経営の実施については現在目標とする指標を検討中でありますが、重要な指標であるROE、PBRは、2023年期末時点で、ROE:4.1%、PBR:1.0倍となっております。株主資本コストが約4.6%であり、エクイティスプレッドとしてもマイナスとなっております。原因といたしましては、前期決算にて連結子会社ののれんを一括償却したことにより、一時的に純利益が低下したことが原因であります。今期期末予想ですとROEは7.6%程度まで回復する予定であり、エクイティスプレッドもプラスに転じる予定であります。

参考値

※2023年株主資本コスト(数値は日経バリューサーチから引用)

 リスクフリーレート:10年国債利回り:1.05

 β値:5年次:0.585

 リスクプレミアム:TOPIX可変率ベース:6.0

 

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

①試験総合サービス事業

当中間連結会計期間の試験総合サービス事業の業績は、土質・地質調査試験においては、土質試験、現場試験において防災・減災、災害の復興関連事業や品質管理業務等が主軸となりますが、低調な業績となりました。昨今、震災や災害が頻発しておりますが、業績の寄与は、今期末から来期以降となる予定であります。

非破壊調査試験においては、昨年度は外注費の高騰等で堅調な業績となりましたが、インフラ調査の需要は多く、橋梁点検やトンネル点検等の定期点検業務が繁忙であり、業績は好調となりました。

環境調査試験においては、法改正による調査・分析案件の増加で市場環境は良く、特にアスベスト建材の調査・分析案件の増加が目覚ましく、業績向上に貢献しました。

以上の結果、セグメント売上高2,944百万円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益521百万円(前年同期比4.8%減)となりました。

 

試験総合サービス事業 セグメント別売上高詳細                       (単位:百万円)

セグメント名

第39期

中間連結会計期間

第40期

中間連結会計期間

前期比額

前期比率

(%)

土質・地質調査試験

1,918

1,765

△152

92.1

非破壊調査試験

非破壊 CO

582

747

597

764

16

102.2

非破壊 鉄

80

64

物理探査

83

101

環境調査試験

環境調査

272

458

216

414

△43

90.4

環境分析

186

198

セグメント合計

3,124

2,944

△179

94.2

 

試験総合サービス事業 セグメント別営業利益詳細                     (単位:百万円)

セグメント名

第39期

中間連結会計期間

第40期

中間連結会計期間

前期比額

前期比率

(%)

土質・地質調査試験

362

323

△39

89.2

非破壊調査試験

非破壊 CO

99

102

89

111

9

109.1

非破壊 鉄

2

△5

物理探査

0

28

環境調査試験

環境調査

54

83

51

86

3

103.9

環境分析

28

35

セグメント合計

548

521

△26

95.2

 

②地盤補強サービス事業

当業務は一般住宅及び中・大型建設物の建設予定地における、地盤調査、地盤補強・改良工事が主な事業の内容となっております。一般住宅等の新規着工件数自体はコロナ禍が終息し、前期比で一般住宅の着工件数は減少傾向でありますが、分譲住宅等の増加が大きく、全体としては増加に転じております。

以上の結果、セグメント売上高244百万円(前期比0.4%増)、セグメント利益13百万円(前期比50.7%増)となりました。

 

③ソフトウェア開発販売事業

当中間連結会計期間の業績は、グループ会社である株式会社アイ・エス・ピー及び株式会社アドバンスドナレッジ研究所のソフトウェア販売解析業務、アカウント利用料、保守料金、ソフトウェアの新規販売が主な収益であります。既存ソフトウェアの販売及び新規ソフトウェアの販売で業績を伸ばし、高収益率を維持しております。

    以上の結果、セグメント売上高340百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益119百万円(前期比42.3%増)と

   なりました。

 

(2)財政状態の分析

当中間連結会計期間末の総資産は、6,929百万円となり、前連結会計年度末と比べ68百万円の増加となりました。

資産の部では、流動資産が4,024百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加453百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少228百万円等であります。

固定資産は2,904百万円となり、前連結会計年度末に比べ140百万円の減少となりました。その主な要因は、無形固定資産の減少50百万円、投資その他の資産合計68百万円の減少等であります。

負債の部では流動負債が1,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円の増加となりました。その主な要因は、買掛金の減少57百万円、未払法人税等の減少20百万円、賞与引当金の増加136百万円等であります。

固定負債は921百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の減少87百万円等であります。

純資産の部では純資産が4,731百万円となり、前連結会計年度末に比べ100百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加58百万円等であります。

この結果、自己資本比率は68.3%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

(百万円)

 

第39期

中間連結会計期間

第40期

中間連結会計期間

差 額

営業活動によるキャッシュ・フロー

         811

                570

              △240

投資活動によるキャッシュ・フロー

        △52

                103

                156

財務活動によるキャッシュ・フロー

              △208

              △223

               △14

現金及び現金同等物に係る換算差額

                  1

                  1

                  0

現金及び現金同等物の増減額

                553

                453

               △99

現金及び現金同等物の中間期末残高

              2,119

              2,411

                291

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、570百万円の収入(前期は811百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前中間純利益260百万円、減価償却費112百万円、法人税等の支払額140百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、103百万円の収入(前期は52百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の償還による収入100百万円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、223百万円の支出(前期は208百万円の支出)となりました。これは、リース債務の返済による支出28百万円、配当金の支払額85百万円等によるものであります。

以上の結果、当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、2,411百万円となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。