当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、ウクライナ情勢等の外的要因はあるものの、緩やかな回復基調にあります。設備投資も増加傾向にあり、個人消費も物価の上昇はあるものの底堅く推移しております。特にインバウンド消費の回復は経済成長のひとつの柱となりつつあります。しかしながら、物流の停滞や建設資材の高騰、慢性的な人材難等、依然として供給面での影響は続いております。
当社が属する建設コンサルタント業界では、資源価格の高騰等の供給面での影響はありますが、一方で激甚化する自然災害に備えるため、国が定めた2025年までの「5ヵ年総額15兆円の国土強靭化計画」が集中的に実施されており、2024年の事業規模はおおよそ3兆円となっております。当業界におきましても防災・減災、国土強靭化関連の事業が増加しております。また、昨今の道路陥没事故を受けまして、路面下の空洞調査の重要性が増しており、加えて、原因の一つである上下水道管の老朽化も社会問題となりつつあり、空洞調査同様に対策が必要であります。
このような環境下で、当社グループは、新たな中期経営計画「深化・確立~変える・変わるDK~」をスタートさせ、個と組織力の強化、技術力・発想力の強化により、高収益構造を構築してまいります。
インフラメンテナンス維持管理業務では、従来の目視点検から、当社で開発した3Dレーダ搭載車を活用した高速調査・高速解析を実施し、維持管理・更新コストの縮減に取組むと同時に業績を伸ばしております。
また、内閣府主導で実施される第3期戦略的イノベーション創造プログラム(以下、第3期SIP)のスマートインフラマネジメントシステムの構築に協力機関として参画しております。本プログラムにて研究開発を進め、研究成果の社会実装を目指してまいります。社会問題解決への研究と当社の技術力向上も期待でき、将来的には収益に貢献すると考えており、積極的に取組んでまいります。
一定規模以上の工事ではBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling Management)の義務化が進んでおり、3D管理された設計資料の提供が進み、グループ会社と協力して取組んでおります。
エリア展開ではFC店の展開を進めると共に、昨今の災害に対応するために、昨年は石川出張所を開設しました。全国で起こりうる災害等に対して迅速に対応できる体制を整えております。業績につきましては、昨対では増収減益となりました。市場環境に問題はなく、利益率の改善に取り組んでおり、AI、自動化の推進、外注費の削減、効率の良い作業体制で回転率を上げる、適切な試験価格の設定、赤字案件の縮減、ベトナム支社へのオフショア強化等、少しずつではありますが成果が業績に繋がってきております。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、3,566百万円(前年同期比0.8%増)、利益につきましては、営業利益は239百万円(前年同期比0.4%減)、経常利益は244百万円(前年同期比6.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は137百万円(前年同期比4.2%減)となりました。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、当社グループはROIC:6.0%、PBR:1.0倍を目標値と定めております。利益とコストの議論を充実させ、経営計画にもとづく施策を着実に実行し、株価向上に実質的に寄与する経営を目指してまいります。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
①試験総合サービス事業
当期から試験総合サービスの工事業務を工事総合サービス事業(地盤補強サービス事業から改名)に移管しております。
当中間連結会計期間の試験総合サービス事業の業績は、土質・地質調査試験においては、土質試験、現場試験、地質調査を主軸として、防災・減災、災害の復興関連事業や品質管理業務等が主軸となり、好調な業績となりました。昨今、震災や災害の復旧・復興案件が増加しております。
非破壊調査試験においては、インフラ調査の需要は多く、昨今の道路陥没事故等の影響で案件は増えつつありますが、外注費の高騰等で堅調な業績となりました。
環境調査試験においては、法改正による調査・分析案件の増加で市場環境は良く、特にアスベスト建材の調査・分析案件数は確保できておりますが、大型の案件が少なく業績としては堅調であります。
以上の結果、セグメント売上高2,876百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益544百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
②工事総合サービス事業
当期から試験総合サービスの工事業務を当セグメントに移管しております。
当業務は、一般住宅及び中・大型建設物の建設予定地における地盤調査、地盤補強・改良工事から、構造物(コンクリート構造物、鋼構造物)の補強工事、汚染された土壌の浄化工事が主な事業の内容となっております。大型案件が多く、今期につきましては受注数を確保することができませんでした。大型案件は多いものの、工事は外注対応が主になるため、利益率の低い事業であります。
以上の結果、セグメント売上高333百万円(前期比20.2%減)、セグメント利益23百万円(前期比28.8%減)となりました。
③ソフトウェア開発販売事業
当中間連結会計期間の業績は、グループ会社である株式会社アイ・エス・ピー及び株式会社アドバンスドナレッジ研究所のソフトウェア販売、解析業務、アカウント利用料、保守料金、ソフトウェアの新規販売が主な収益であります。アドバンスドナレッジ研究所の業績が好調でセグメント全体をけん引しております。
以上の結果、セグメント売上高341百万円(前期比0.2%増)、セグメント利益114百万円(前期比4.4%減)と
なりました。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は7,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円の増加となりました。その内訳は以下のとおりであります。
資産の部では、流動資産が3,987百万円となり、前連結会計年度末に比べ40百万円の減少となりました。主な内訳は、現金及び預金233百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産280百万円の減少が主な要因であります。
固定資産は3,100百万円となり、前連結会計年度末に比べ99百万円の増加となりました。主な内訳は、土地135百万円の増加が主な要因であります。
負債の部では流動負債が1,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円の減少となりました。主な内訳は、買掛金62百万円の減少、未払法人税等26百万円の減少が主な要因であります。
固定負債は876百万円となり、前連結会計年度末に比べ3百万円の増加となりました。主な内訳は、退職給付に係る負債15百万円の増加が主な要因であります。
純資産の部では純資産が4,935百万円となり、前連結会計年度末に比べ62百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金52百万円の増加、その他有価証券評価差額金13百万円の増加であります。
この結果、自己資本比率は69.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(百万円)
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第40期 中間連結会計期間 |
第41期 中間連結会計期間 |
差 額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
570 |
531 |
△39 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
103 |
△186 |
△290 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△223 |
△109 |
113 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
1 |
△2 |
△4 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
453 |
233 |
△219 |
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現金及び現金同等物の中間期末残高 |
2,411 |
2,324 |
△87 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、531百万円の収入(前期は570百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前中間純利益244百万円、減価償却費113百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、186百万円の支出(前期は103百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出173百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、109百万円の支出(前期は223百万円の支出)となりました。これは、リース債務の返済による支出27百万円、配当金の支払額85百万円等によるものであります。
以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、2,324百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。