(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の利上げ観測の後退、中国景気の低迷、さらには英国国民投票に
おけるEU離脱決定による金融市場の混乱などにより、ようやく上向きかけた景気回復の動きが鈍ることとなり
ました。
当社グループを取り巻く環境においても、前期に続き下落を続けていた国際乳製品価格も当連結会計年度
後半には反発に転じたものの、実績ベースでは年間を通じて価格は低迷することとなりました。このような経営
環境の中、当社グループは、「既存取引の深掘り」及び「新規取引先の開拓」に取り組んでまいりました。
乳原料・チーズでは、原料価格安や円高の影響により仕入価格が大幅に下がる中、輸入原料への需要が強まり、
当社の強みであるグローバルに展開している原料調達ネットワークから常に価格競争力のある商品を提供する
ことができたことで販売数量は増加し、利益も前期を上回ることができました。一方で販売単価下落の影響は
大きく、売上は前期を下回ることとなりました。
食肉加工品では、前期に発生した豚の疾病(PED)や米国西海岸での港湾労働争議の影響が当連結会計年度に
入りようやく収まり、通常通りの物量の取扱いとなり、販売数量、売上ともに前期を上回りました。しかしながら
国内の豚肉相場は、物量が戻った米国産をはじめとする安価な外国産豚肉の輸入量が増加したことに加え、国産
豚の発育も順調に進むなど豚肉の供給が増加したことで市況は低迷し、競争が激化したことから利益は前期を
下回ることとなりました。
アジア事業・その他では、乳原料販売部門において当社の原料調達ネットワークを活用した価格競争力のある
商品の販売を行ったことから販売数量は増加し、外貨ベースでの利益は増加することとなりました。しかしながら
国際乳製品価格の下落に伴う販売単価の下落や円高の影響は大きく、円換算した売上、利益は前期を下回り
ました。また、チーズ製造販売部門では、シンガポール工場におけるリノベーションによる一時的な生産量の
減少や前期好調であった中国向け販売が需要低迷であったことから当連結会計年度は販売が振るわず、販売数量は
減少し、売上、利益ともに前期を下回ることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は886億79百万円(前期比9.5%減)、営業利益は33億49百万円
(同365.1%増)、経常利益は14億34百万円(同6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億46百万円
(同13.8%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
2014年に暴落した国際乳製品価格は、2016年に入っても引き続き安値で推移しておりましたが、5月より上昇
基調に転じました。背景としては、価格低迷が長期化したことで廃業する酪農家がでてきたことなどにより欧州に
おいて生乳生産量が急激に減少したこと、さらにオセアニアでは多雨の影響も加わり、欧州同様に生乳生産量が
減少するなど、世界的に供給調整が進んだことによるものです。
一方、日本国内においては、2014年以降の深刻な脱脂粉乳やバターの供給不足により、農畜産業振興機構(以下
ALIC)が追加輸入(生乳換算で2014年が18.8万トン、2015年が15.6万トン)を頻繁に行い、2016年においても
17.2万トンの輸入入札が実施されました。そのうち、バター輸入は14.6万トンを占め、今年度は国内の生乳生産量
が比較的好調に推移したこととも重なり、一昨年来のバター不足は解消されることとなりました。しかしながら、
2016年前半に増加傾向を示していた北海道の生乳生産量も、8月の度重なる台風の直撃により乳牛の飼料となる
デントコーンや牧草の育成に大きなダメージを与え、その後の生乳生産量にも影響を及ぼしています。一方で、
好調な国内畜肉市場の影響から牛の交雑種への種付けが進むこととなり、後継乳牛の減少も懸念されています。
このような状況のもと、当社はグローバルに展開している原料調達ネットワークを有効に活用することで、
高品質かつ価格競争力のある原料の供給を行った結果、上述のALICの追加輸入入札において高いシェアを
確保することができました。輸入原料の割合が大きいチーズ市場においても価格競争力のある当社商品の販売は
好調に推移しました。さらには、日本国内においてヨーグルト、アイスクリーム、チョコレートといった乳製品
関連の最終製品の売れ行きが好調であったことから、原料となる粉乳調製品等の販売も順調に推移するとともに、
近年注力している飲料向け調製品や飼料用乳原料の販売も拡充することができました。
この結果、乳原料・チーズの売上高は605億43百万円(前期比12.3%減)、販売数量は148,091トン(同4.6%増)と
なりました。
(食肉加工品)
輸入ポーク事業については、2014年後半に発生した米国西海岸での港湾労働争議や豚の疾病(PED)の影響が
当連結会計年度は解消し、通常通りの物量の取扱いとなりました。しかしながら、前期調達が難しかった米国産の
代替としてカナダ、ヨーロッパといった他の産地の豚肉の供給が当連結会計年度も物量は落ちず、結果として
外国産豚肉が大量に流通することとなりました。さらに国産豚の成育も好調であったことから、国内の豚肉市場は
供給過多が常態化するなど価格が低迷することとなりました。こうした状況のもと当社では物量面では前期を
上回ることができましたが利益面では苦戦を強いられることとなりました。
この結果、食肉加工品の売上高は163億38百万円(前期比5.8%増)、販売数量は28,029トン(同12.1%増)と
なりました。
(アジア事業・その他)
乳原料販売部門においては、アジア市場には価格訴求の強い現地企業や高品質を求める日系企業など様々な
ニーズを持った取引先が存在しており、当社グループが長年培ってきたグローバルな原料調達ネットワークを
効率的に活用することで、多様なニーズに対応した商品の供給を行った結果、販売数量は前期比9.5%増となる
37,472トンとなりました。しかしながら国際乳製品価格の下落による販売単価の下落や円高の進行により円換算
した売上高は前期を下回ることとなりました。
チーズ製造販売部門では、シンガポール工場に加え、当連結会計年度よりタイ工場も稼働を開始いたしました。
同部門では従前より業務用チーズを生産しておりましたが、当連結会計年度よりオーストラリアの乳業メーカーと
協同し、小売用商品の製造・販売も開始しております。小売用商品は、かねてより当社で「美味しいチーズを
アジアの消費者にも食べていただきたい」というコンセプトのもと開発を続けてまいりましたが、オーストラリア
の乳業メーカーがこれに興味を示し、2016年下期よりタイ及びシンガポールのスーパーマーケットで販売が開始
されております。
以上のとおり当連結会計年度は取扱製品の拡充もあったものの、シンガポール工場におけるリノベーションに
よる一時的な生産減や中国向け販売の減少などの影響により、ナチュラルチーズを合わせた販売数量は前期比2.4%
減少し、1,912トンとなりました。さらに円高の影響もあり円換算した売上高は前期を下回ることとなりました。
この結果、アジア事業・その他の売上高は117億97百万円(前期比12.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加し、57億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、35億60百万円となりました。これは主にたな卸資産の減少53億76百万円による
資金の増加と、売上債権の増加17億31百万円および仕入債務が16億33百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は、4百万円となりました。これは主に定期預金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、16億55百万円となりました。これは主に短期借入金の減少12億72百万円と、
長期借入金の返済による支出が39億95百万円あったためであります。
(1)生産実績および受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、
記載を省略しております。
(2)販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの
製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグ
メントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループ
の管理会計上の区分にて記載しております。
|
区分の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
乳原料・チーズ(千円) |
60,543,024 |
87.7 |
|
食肉加工品(千円) |
16,338,940 |
105.8 |
|
アジア事業・その他(千円) |
11,797,082 |
87.4 |
|
合計(千円) |
88,679,047 |
90.5 |
(注)1.アジア事業・その他はアジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.およびLACTO OCEANIA
PTY LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年12月1日 至 平成27年11月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
米久株式会社 |
9,406,044 |
9.5 |
10,235,296 |
11.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「安定した収益基盤の確立と強化」及び「成長分野への進出」を重要テーマとして、取り組みを
推進してまいります。
各事業部門の対処すべき課題は次のとおりです。
<乳原料・チーズ>
供給過多から価格が下落していた国際乳製品価格も足元では需給バランスの調整が進み、主要生乳生産国の
乳価は、酪農家の採算水準まで戻りつつあります。これにより欧州やオセアニア地域では再び生乳生産量が
増加する動きがでるなど、国際乳製品価格は安定に向けて推移することが見込まれております。しかしながら、
為替相場や天候要因による価格変動、さらにはTPPをはじめとする貿易自由化問題の行方などの外的要因の
ため、主要生乳生産国においては自国での価格維持政策が取りにくくなっており、価格変動に備えた調整機能が
低減しています。従いまして、従来以上に価格の変動率が高まっている国際乳製品価格に対して、当社では、
変動幅の大きさや周期の短期化に適切に対処していくことが重要であると考えております。
わが国においても、国内生乳生産量の減少傾向から輸入原料へのニーズは年々高まっており、調達価格は
販売先にとっても重要な要素となっております。そのため当社では、グローバルに展開している原料調達ネット
ワークを有効に活用し、主要産地の動向並びに日本国内の市場動向を的確に見極め、新規商品や価格競争力のある
商品をタイムリーに提案していくこと、さらに品質、価格の両面で安定的に供給できる調達ルートを多数確保する
など、当社グループとしての調達力をより一層強化してまいります。さらに「乳原料は主たる原料ではないが
使用している」メーカーや「海外原料を使用したことがない」地方メーカーなどにも販売を拡充するなど販売力も
強化してまいります。
<食肉加工品>
当連結会計年度は、国内の豚肉市況の低迷を受けて収益が圧迫されましたが、一方で相場低迷に左右されない
ブランド力のある商品の取扱いに着手することができました。今後、こうした取り組みをさらに推し進め、相場
低迷にも影響が少ないブランドポークの取扱いを拡充し、安定した利益を確保してまいります。また、トランプ
米国新大統領が離脱を表明しているTPPについてはその行方に不透明感が増していますが、米国から日本に対し
市場開放の圧力が増すことも想定しながら、制度改定などあらゆる事態に対応できるよう万全の対策を講じ、
当社輸入ポーク事業の拡充を目指してまいります。
<アジア事業・その他>
乳原料販売部門では、当社が構築しているグローバルな原料調達ネットワークを活用し、「アジア市場へ販売
チャネルが確立されていない乳製品メーカー」の掘り起こしを行ってまいります。さらに「アジア市場への新規
進出、若しくは生産拠点の増強を目指す日系の飲料・製菓・製パンなどの各メーカー」へ積極的にアプローチを
行い、これら企業の原料調達の役割を積極的に担ってまいります。
チーズ製造販売部門では、従来高品質チーズを中心に製造販売しておりましたが、アジア市場では低価格品に
対するニーズが強く、今後当社のノウハウを活かした低価格帯チーズの開発・販売を行い、取扱製品の拡充を
行ってまいります。またあわせてアジア市場における当社ブランドの浸透、定着化を図ります。一方、当社が
拠点を置いていない東南アジア諸国への販売は、現地企業と代理店契約を締結し、これらのルートを通じて当社
製品の販売を行っておりますが、こうした代理店経由での販売をより一層強化するとともに、代理店のない国への
販売ルートの開拓、さらには当社独自での販売ルートの確立など販売力の強化を行ってまいります。
当社グループの投資判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあり
ます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上あるいは当社
グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から
記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したもの
であります。
当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める
方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で
行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものでは
ありませんので、この点にご留意下さい。
(1)主要市場の政治・経済動向について
当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国および地域の
政治・経済の動向により、当社グループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。
近年では、EUによるロシアへの禁輸措置や中国経済の減速に伴う需要減などが原因となり、当社取扱商品の
価格が大幅に下落することとなりました。このように政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに変化が
生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)気候に関するリスクについて
当社グループの取扱商品である、乳原料、チーズ、食肉加工品は元の原料が動物にその由来を持っております。
つまり、工業製品と異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすいといえます。
そのため世界的な異常気象などの天変地異により生産量が激減した場合には、価格が高騰するとともに、
取扱数量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食の安全性について
当社グループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。万一、当社の過失や悪意のある第三者により
異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味
不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、
それぞれ商品回収をしたり、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(4)特定取引先への依存リスクについて
当社グループは、大手食肉加工メーカーに対して、食肉加工用の原料を販売しておりますが、平成27年11月期
および平成28年11月期において総売上高に占める同社への売上高は10%内外となっております。同社とは、引き
続き現在の取引関係を維持・発展させてまいりますが、将来において同社の購買戦略に変化が生じた場合には、
当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに同社に販売している食肉加工用原料はすべて米大手食肉加工販売会社から仕入れており、同様に米大手
食肉加工販売会社の販売戦略に変化が生じた場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性が
あります。
(5)競合他社について
当社グループの競合他社としては、乳原料や食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品
メーカーがあげられます。これら大手企業が仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、
当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を
展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が設け
られた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業および業績に影響を与える
可能性があります。
また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が
取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(7)為替相場について
当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引を行っております。海外連結子会社の
財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて連結
財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。
また、当社の行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に
対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における
仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動
リスクを回避しております。ただし、為替予約による効果は営業外損益である為替差益(損)として表れ経常利益
(損失)および親会社株主に帰属する当期純利益(損失)に影響を与えるものであるため、売上総利益(損失)、
営業利益(損失)については、為替変動の影響を受けることとなります。以上のことから、円安が進んだ場合、
邦貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合は
その逆となります(売上高の減少)。また、期末に向けて為替相場が急激に変動した場合において仕入代金
決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価に影響を与える可能性があります。そのため、
大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす
可能性があります。
(8)海外事業展開に伴うリスク
当社グループではアジアを中心に海外市場において、積極的な事業展開を推進していく予定です。海外事業展開
においては、事業投資に伴う政治的、経済的状況の変化や外国為替相場の変動、さらには大規模地震等の自然災害
発生が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)有利子負債について
|
|
前連結会計年度末 (平成27年11月30日) |
当連結会計年度末 (平成28年11月30日) |
|
有利子負債残高(千円) |
18,817,948 |
17,213,077 |
|
総資産残高(千円) |
39,321,813 |
37,561,530 |
|
有利子負債依存度(%) |
47.9 |
45.8 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
2,535,027 |
3,560,354 |
営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売
部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、
業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなります。今後、
収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出には努めてまいりますが、当面の間は、
卸売部門の事業拡大を想定しているため、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス傾向は継続し、有利子
負債依存度が相対的に高い水準で推移していくことが想定されます。
このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場合や、
市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす
可能性があります。なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結
しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、
当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材について
当社グループは、最重要経営資源として、新卒および中途採用を通じて優秀な人材の獲得およびその育成に力を
入れております。しかしながらこれら優秀な人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が
獲得できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)貿易の自由化について
2国間による自由貿易協定(FTA)の締結や平成27年度には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が大筋
合意されるなど世界的に貿易の自由化が進んでおりましたが、平成28年度には英国の国民投票においてEU離脱の
意思決定がなされ、さらに平成29年1月に就任したトランプ米大統領がTPPからの離脱を表明するなど、
国際的に保護主義が広がりつつあり、貿易の自由化への影響が懸念されております。貿易の自由化は、わが国に
おける高料率な関税制度に対処するため当社が構築してきた海外ネットワークやノウハウの活用が難しくなる
一方で、日本への輸入取引やアジア地域を販売市場とする当社グループにとっては、関税の引き下げや撤廃などに
より、より安価な商品の調達が可能となり、取扱数量の増加が大いに期待できるところでありますが、貿易の
自由化が後退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに
開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を
勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる
結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で
採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務
諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,760,283千円減少し、37,561,530千円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,630,892千円減少し、35,132,639千円と
なりました。この主な要因は、乳製品価格下落の影響により商品及び製品が減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ129,390千円減少し、2,428,890千円と
なりました。この主な要因は、減価償却費の進行および投資有価証券の市場価格の下落によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ2,599,614千円減少し、12,499,545千円と
なりました。この主な要因は、買掛金および短期借入金が減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ189,150千円減少し、13,642,920千円と
なりました。この主な要因は、長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,028,481千円増加し、11,419,064千円と
なりました。この主な要因は、為替換算調整勘定が減少したものの、利益剰余金および繰延ヘッジ損益が増加した
ことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は30.4%となり、1株当たり純資産額は2,335円43銭となりました。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の利上げ観測の後退、中国景気の低迷、さらには英国国民投票に
おけるEU離脱決定による金融市場の混乱などにより、ようやく上向きかけた景気回復の動きが鈍ることと
なりました。
当社グループを取り巻く環境においても、前期に続き下落を続けていた国際乳製品価格も当連結会計年度
後半には反発に転じたものの、実績ベースでは年間を通じて価格は低迷することとなりました。このような経営
環境の中、当社グループは、「既存取引の深掘り」および「新規取引先の開拓」に取り組んでまいりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、食肉加工品部門で前期を上回ったものの、乳原料・チーズ部門やアジア事業・
その他において国際乳製品価格の下落および円高の影響により前年を下回り、全体では88,679,047千円(前期比
9.5%減)となりました。乳原料・チーズ部門では、国際乳製品価格の下落に加え、円高の進行などにより仕入
価格が大幅に下がることで、需要が拡大し、販売数量が伸びることとなりましたが、販売単価下落の影響は
大きく、60,543,024千円(前期比12.3%減)となりました。食肉加工品部門は、前期に影響を及ぼした豚の
疾患(PED)や米国西海岸での港湾労働争議の影響が当連結会計年度に入りようやく収まり、通常通りの物量の取扱いとなり、販売数量は前期比で増加し、売上高は16,338,940千円(前期比5.8%増)となりました。また、アジア
事業・その他では乳原料販売部門における国際乳製品価格の下落や円高の影響、さらにチーズ製造販売部門に
おけるリノベーションによる一時的な生産減等の影響により、11,797,082千円(前期比12.6%減)となりました。
当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および食肉
加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は
以下のとおりとなっております。
単位:トン
|
販売数量 |
平成24年11月期 |
平成25年11月期 |
平成26年11月期 |
平成27年11月期 |
平成28年11月期 |
|
乳原料・チーズ |
113,123 |
122,743 |
129,810 |
141,540 |
148,091 |
|
食肉加工品 |
25,546 |
27,540 |
25,809 |
25,011 |
28,029 |
|
合計 |
138,669 |
150,283 |
155,619 |
166,551 |
176,120 |
(売上総利益)
売上総利益は、食肉加工品部門における価格競争の激化による利益率低下の影響があったものの、乳原料・
チーズ部門における販売数量の増加による利益増や円高進行による売上原価の低下により、6,345,773千円(前年
同期比73.9%増)と大幅増となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,996,279千円(前年同期比2.3%増)と微増致しました。これは、
原料調達や販売に伴う発送配達費の増加などによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、3,349,494千円(前年同期比365.1%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円高進行により売上原価が低下することで増加した売上総利益に対し、為替リスクヘッジ効果と
して為替差損1,537,380千円が営業外損益に計上され、1,434,275千円(前年同期比6.8%増)となりました。
(当期純利益)
税金等調整前当期純利益は1,434,777千円(前年同期比6.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、946,443千円(前年同期比13.8%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益金額は193円57銭となりました。また、自己資本利益率は、8.7%となり
ました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の
影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを
回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避して
おります。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売
単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて
販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減
いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、
着実な成長を図ってまいります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が
見込まれる高齢者向け食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進む
アジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対するチーズや高級日本
食材の販売に積極的に取り組んでまいります。
(6)キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要
(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、日本のみならず、経済成長が大いに期待できるアジアを
はじめとする新興国に販売ルートを確立していく必要があります。そのために適切なパートナー選び、グローバル
な視点で活躍できる人材の育成と獲得、さらには教育研修制度の拡充や内部管理体制の強化などを通じて
“組織力”の強化・整備を進めてまいります。こうした取り組みにより、当社グループのすべての取引先からの
信頼を向上させていく方針です。