(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、北朝鮮問題という地政学的リスクを抱えながらも、米国をはじめとする
世界経済が好調に推移したことや日本企業の順調な業績などを背景に日経平均株価が26年ぶりにバブル崩壊後の
高値を更新するなど堅調に推移することとなりました。
当社グループを取り巻く事業環境においても、国内の生乳生産量の減少傾向が続く中、乳製品関連商品の堅調な
販売を背景に乳業メーカーをはじめ食品メーカー各社による輸入乳製品原料の需要が旺盛となり、当社取扱商品の
販売数量は増加することとなりました。また、これに加え、為替相場が前期末から当連結会計年度のはじめに
かけて円安基調に転じたこと、さらにその後も円安基調が定着したことで、当社が実施している為替リスクヘッジ
取引に係る為替差益が計上されております。
こうした状況の中で、当社グループは中期経営方針のもと、「既存取引の深掘り」及び「新規取引先の開拓」を
重点課題として取り組み、その結果、中期経営計画「NEXT-LJ2019」の目標数値を初年度となる当連結
会計年度に達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,013億34百万円(前期比14.3%増)、営業利益は19億23百万円
(同42.6%減)、経常利益は25億22百万円(同75.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億55百万円
(同85.5%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
2016年前半まで軟調に推移していた国際乳製品価格は世界的な需給調整が終了したことにより、2016年後半から
価格は上昇に転じ、2017年は年間を通じて堅調に推移することとなりました。
また、為替相場もトランプ米国大統領就任以降、円安基調が定着しており、当社の仕入価格並びに販売価格も
前期比で上昇しております。一方、日本国内では、生乳生産量の減少傾向が続く中、ヨーグルト、
アイスクリーム、チョコレートなど乳製品を使用した最終製品の販売が堅調に推移し、さらにチーズ市場も
拡大するなど輸入乳製品原料への需要は旺盛となりました。中でも国内では生乳生産量の減少により脱脂粉乳が
不足することとなり、政府は国家貿易品目である脱脂粉乳の輸入枠を拡大する決定を行い、独立行政法人農畜産業
振興機構による追加輸入入札が実施されるなど、輸入乳製品原料の販売を主力とする当社の事業環境にとっては
追い風となりました。
こうした事業環境のもと、当社の強みであるグローバルな仕入ネットワークを活用した調達力を生かし、
既存取引先のニーズにマッチした品質、価格、納期の商品を供給することで「既存取引の深掘り」をすすめ、
販売数量を増加させることができました。
さらに、近年では飲料業界や飼料業界といった新たな業界へも積極的に営業を展開し、また、最終ユーザー
としてコンビニエンスストア業界にも取引を広げるなど「新規取引先の開拓」にも注力し、販売数量のさらなる
増加を行っております。
この結果、乳原料・チーズの販売数量は、172,885トン(前期比16.7%増)となり、売上高も主として販売数量の
増加により700億19百万円(前期比15.6%増)となりました。
(食肉加工品)
わが国における外国産豚肉の輸入数量は、国内における認知度の高まりによる需要拡大を受け、近年増加傾向に
あります。一方、国産豚は2017年6月以降に発生した豚の疾病の影響から、出荷頭数が当初見通しを下回った
ことから市場価格は高値圏で推移し、その結果、価格の安定している外国産豚肉の販売が堅調に推移することと
なりました。
こうした状況のもと、輸入ポーク事業については、期初時点で大手販売先が仕入方針を変更することによる
同社向け販売数量の減少はすでに想定しておりましたが、結果としてその影響は最小限にとどまることと
なりました。一方、従来から取り組んでいた仕入、販売ルートの多様化の一環として開始したカナダ産チルド
ポークの販売も当連結会計年度は堅調に推移いたしました。しかしながらこうした仕入、販売ルートの多様化の
取り組みも主要販売先向けの販売減を補うまでには至りませんでした。
この結果、食肉加工品の販売数量は26,349トン(前期比6.0%減)となり、売上高も152億53百万円(前期比
6.6%減)となりました。
(アジア事業・その他)
乳原料販売部門においては、世界的な自然食志向を背景としたバター需要の高まりによって、バター価格が
高騰することとなり、欧米やオセアニアなどの主要な生乳生産地の乳業メーカー各社がバターの生産を優先的に
行った結果、全脂粉乳やチーズなどその他の乳製品原料の供給が絞られることとなりました。こうした状況の
もと、当社グループは、グローバルに展開している仕入ネットワークを生かした調達力を武器にアジアに進出して
いる日系企業や現地企業向けの販売を優位にすすめることができました。その結果、販売数量は45,014トン
(前期比20.1%増)となり、売上高も133億48百万円(前期比42.3%増)となりました。
チーズ製造販売部門においては、従来はBtoBを中心とする高価格帯商品の販売が主力でありましたが、前期
後半から開始した小売向け商品や、風味は損なわずにチーズ含有量を減らした低価格帯商品の開発など
商品ラインナップの拡充を図り、顧客ニーズに柔軟に対応することができました。また、タイ工場では、従来から
行っていた代理店経由の加工食品メーカー向けの販売に加え、ベーカリー、外食産業向けなどの直接販売も
伸長しております。さらに、販売量はまだ少ないものの、大手ピザチェーン向けや大手外食チェーン向けの
商売が始まるなど、同工場における取引も順調に拡大しております。これにより販売数量は2,509トン
(前期比31.2%増)、売上高は19億19百万円(前期比19.9%増)となりました。
この結果、アジア事業・その他の売上高は160億61百万円(前期比36.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ
27億80百万円減少し、29億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は、50億48百万円となりました。これは、仕入債務が45億11百万円増加した
ものの、主にたな卸資産の増加83億28百万円および売上債権の増加28億98百万円による資金の減少に
よるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、1億37百万円となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出
49百万円および有形固定資産の取得による支出63百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、23億84百万円となりました。これは主に長期借入金の返済36億64百万円および社債の償還7億40百万円があったたものの、短期借入れ45億79百万円、長期借入れ18億円および社債発行6億円
があったことによるものです。
(1)生産実績および受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、
記載を省略しております。
(2)販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの
製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグ
メントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループ
の管理会計上の区分にて記載しております。
|
区分の名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年12月1日 至 平成29年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
乳原料・チーズ(千円) |
70,019,756 |
115.6 |
|
食肉加工品(千円) |
15,253,270 |
93.3 |
|
アジア事業・その他(千円) |
16,061,775 |
136.1 |
|
合計(千円) |
101,334,802 |
114.2 |
(注)1.アジア事業・その他はアジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.およびLACTO OCEANIA
PTY LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年12月1日 至 平成29年11月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
米久株式会社 |
10,235,296 |
11.5 |
8,822,663 |
8.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・戦略等
(企業理念)
・世界の食文化の発展に貢献していく、新しい企業の形=Global Food Professional Companyを目指します。
・世界中の優良仕入先との強固な信頼関係を基に、安心・安全は食品原料を安定的に供給し、最終的に生活者の
皆様の健康と食の楽しさに寄与することで、社会に貢献しともに成長・発展し続ける企業を目指します。
(経営方針)
・乳原料・チーズ、食肉加工品を核とした食品原料を安定的かつ責任をもって供給する世界で有数の”フード
プロフェッショナル集団”であること。
・国内外の主要な酪農・乳業・食肉加工メーカーから長期的な取引関係を通じて最重要パートナーとして認知され
ること。
・基盤となる日本市場において乳製品・食肉加工品を主とする食品原料ビジネスを確固たるものとすること。
・成長著しいアジア市場においては、日本で長年培ったノウハウ・経験を活かした食品関連事業を確立し、新しい
ビジネスモデルを構築すること。
・次世代の柱となる食に関する新事業を国内外で構築すること。
以上を踏まえ、当社グループは、「安定した収益基盤の確立と強化」及び「成長分野への進出」を重要テーマと
して取り組みを推進し、中期経営計画「NEXT-LJ2020」の数値目標として平成32年11月期には、売上高
1,250億円、経常利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益21億円を目指します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。
<乳原料・チーズ>
国際乳製品相場は、食のグローバル化や西洋化がすすむ中、為替相場や天候要因、さらには各生産国の酪農政策
など様々な要因により、価格や供給量の変動は避けられないものとなっております。近年では価格・供給両面での
変動周期の短期化や変動幅の拡大化にどのように対処していくかは重要な課題となっております。
また、中国をはじめとする新興各国における乳製品需要の急増、さらには主要生乳生産国の多くが先進国という
産業構造から今後飛躍的に供給量を増やすことが見込みにくい環境となっており、わが国における輸入乳製品原料
ビジネスに大きな影響を与えることは自明であり、長期に亘る安定供給をどのように担保・確保していくかが
重要な課題であると考えております。
これらの課題に対しまして、主要生産地の動向並びに日本国内市場の動向を的確に見極め、新規商品の提案や価格
競争力のある商品をタイムリーに販売先に提案すること、さらに仕入先に対しては、当社グループと取引をすれば、
商品が安定的かつ継続的に販売できることを認識いただき、安定的かつ強固な取引関係を構築いたします。
このように当社では、仕入先、販売先双方にとって常に重要なビジネスパートナーとして存在し続けることを
目指してまいります。
<食肉加工品>
当連結会計年度では、一部主要取引先による商流変更に伴い販売数量が減少することとなりましたが、引き続き
ブランド力のある商品の拡販に努め、販売数量を増やしてまいります。わが国における外国産豚肉の認知度向上に
伴い、国内の豚肉販売市場では、国産品と輸入品が競合することとなり、需給は緩んでいるものの、主力となる米国
産豚肉に次いで、品質向上が目覚ましいカナダ産豚肉の拡販やヨーロッパ産の開拓、特に今後輸入解禁が見込まれる
東欧産豚肉の調査・開発に取り組むなど、付加価値の高い加工品の開発輸入をすすめ、競合他社との差別化を
図りつつ安定した収益基盤の確立を行ってまいります。
<アジア事業・その他>
乳原料販売部門では、今後も国際的な乳製品価格の変動が予想される中、有力な仕入先の確保はますます重要と
なります。こうした有力な仕入先との関係をより深め、当社グループの強みである調達力を強化してまいります。
さらに日本市場で培った“提案・開発型”営業をアジアでも展開し、価格訴求の強い現地企業に対して、当社
グループと取引することの優位性を認知いただき、既存取引の拡充を図るなど顧客対応力を強化してまいります。
また、販売チャネルが確立されていない乳製品メーカーの掘り起こし作業にグループ全体として取り組むとともに、
特に経済成長著しいフィリピン・インドネシア・タイ・ベトナムを中心としたアセアン諸国における新規販売先の
開拓に注力してまいります。
チーズ製造販売部門においては、アジア各国のチーズ消費量は毎年順調に伸びており、今後も市場拡大は十分に
期待できる一方で、アジア市場にプロセスチーズを販売する競合他社も近年増加してきております。当社としては
アジア市場でのシェアを拡大させるため、「徹底的なコスト削減」、「低価格帯チーズの開発」、そして「高付加
価値チーズの開発」を重要な課題として取り組んでまいります。当社は長年、日本品質・日本基準のチーズを
開発し、アジア市場に供給してまいりましたが、一方で市場(国)によって「美味しい」とされる味覚や嗜好が
異なるため、各市場にマッチしたチーズの味・風味などを提供していかなければなりません。そのため各市場が
求める品質は当然のことながら価格帯についても対応する必要があり、今までとは異なったレシピで低コストの
チーズを開発したり、多様なニーズにきめ細やかに対応するための機能を持たせたチーズを開発するなど、
当社独自の製品を提供することで競合他社との差別化を図り、さらなる業績の拡大につなげてまいります。
また、輸出実績のないカンボジアやフィリピン等の新しい市場においても新規販売先の開拓を目指してまいります。
当社グループの投資判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものが
あります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上あるいは当社
グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から
記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したもの
であります。
当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める
方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で
行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものでは
ありませんので、この点にご留意下さい。
(1)主要市場の政治・経済動向について
当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国および地域の
政治・経済の動向により、当社グループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。
近年では、ウクライナ問題によるロシアの禁輸措置や中国経済の減速に伴う需要減などが原因となり、当社取扱
商品の価格が大幅に下落することとなりました。このように政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに
変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)気候に関するリスクについて
当社グループの取扱商品である、乳原料、チーズ、食肉加工品は元の原料が動物にその由来を持っております。
つまり、工業製品と異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすいといえます。
そのため世界的な異常気象などの天変地異により生産量が激減した場合には、価格が高騰するとともに、
取扱数量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食の安全性について
当社グループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。万一、当社の過失や悪意のある第三者により
異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味
不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、
それぞれ商品回収をしたり、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(4)特定取引先への依存リスクについて
当社グループは、大手食肉加工メーカーに対して、食肉加工用の原料を販売しておりますが、平成28年11月期
および平成29年11月期において総売上高に占める同社への売上高は10%内外となっております。同社において
平成29年11月期に購買方針の変更が行われ、当社取扱数量が減少することとなりましたが、当社との取引関係は
今後も継続いただく方針となっております。しかしながら、将来において同社の購買戦略に更なる変化が生じた
場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに同社に販売している食肉加工用原料はすべて米大手食肉加工販売会社から仕入れており、同様に米大手
食肉加工販売会社の販売戦略に変化が生じた場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性が
あります。
(5)競合他社について
当社グループの競合他社としては、乳原料や食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品
メーカーがあげられます。これら大手企業が仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、
当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を
展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が
設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業および業績に
影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が
取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(7)為替相場について
当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引を行っております。海外連結子会社の
財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて
連結財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。
また、当社の行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に
対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における
仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動
リスクを回避しております。ただし、為替予約による効果は営業外損益である為替差益(損)として表れ経常利益
(損失)および親会社株主に帰属する当期純利益(損失)に影響を与えるものであるため、売上総利益(損失)、
営業利益(損失)については、為替変動の影響を受けることとなります。以上のことから、円安が進んだ場合、
邦貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合は
その逆となります(売上高の減少)。また、期末に向けて為替相場が急激に変動した場合において仕入代金
決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価に影響を与える可能性があります。そのため、
大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす
可能性があります。
(8)海外事業展開に伴うリスク
当社グループではアジアを中心に海外市場において、積極的な事業展開を推進していく予定です。海外事業展開
においては、事業投資に伴う政治的、経済的状況の変化や外国為替相場の変動、さらには大規模地震等の自然災害
発生が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)有利子負債について
|
|
前連結会計年度末 (平成28年11月30日) |
当連結会計年度末 (平成29年11月30日) |
|
有利子負債残高(千円) |
17,213,077 |
19,778,678 |
|
総資産残高(千円) |
37,561,530 |
45,905,159 |
|
有利子負債依存度(%) |
45.8 |
43.09 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
3,560,354 |
△5,048,488 |
営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売
部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、
業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなります。今後、
収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出には努めてまいりますが、当面の間は、
卸売部門の事業拡大を想定しているため、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス傾向は継続し、有利子
負債依存度が相対的に高い水準で推移していくことが想定されます。
このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場合や、
市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす
可能性があります。なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結
しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、
当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材について
当社グループは、最重要経営資源として、新卒および中途採用を通じて優秀な人材の獲得およびその育成に力を
入れております。しかしながらこれら優秀な人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が
獲得できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)貿易の自由化について
2国間による自由貿易協定(FTA)の締結や平成27年度には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、さらに
は平成29年度にはEUとの経済連携協定(EPA)の合意がなされるなど世界的な貿易自由化の流れが進む一方で
平成28年度には英国の国民投票においてEU離脱の意思決定がなされ、さらに平成29年1月に就任したトランプ
米大統領がTPPからの離脱を表明するなど、国際的に保護主義が広がりつつあり、貿易の自由化への影響が
懸念されております。貿易の自由化は、わが国における高料率な関税制度に対処するため当社が構築してきた
海外ネットワークやノウハウの活用が難しくなる一方で、日本への輸入取引やアジア地域を販売市場とする
当社グループにとっては、関税の引き下げや撤廃などにより、より安価な商品の調達が可能となり、取扱数量の
増加が大いに期待できるところであります。そのため貿易の自由化が後退した場合、当社グループの業績に影響を
及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに
開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を
勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる
結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で
採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務
諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ8,343,629千円増加し、45,905,159千円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ8,358,725千円増加し、43,491,365千円と
なりました。この主な要因は、販売増加に伴う商品仕入数量の増加や乳製品価格の上昇等の影響により商品及び
製品が増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ15,095千円減少し、2,413,794千円と
なりました。この主な要因は、投資有価証券が市場価格の上昇により増加したものの、固定資産の減価償却が
進行したため、固定資産合計が減少したこと等によるものとなります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ8,408,348千円増加し、20,907,893千円と
なりました。この主な要因は、販売増加に伴う商品仕入数量の増加や乳製品価格の上昇等の影響により買掛金が
増加したこと、また前記要因の結果、運転資金が増加したため、短期借入金が増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ1,430,794千円減少し、12,212,125千円と
なりました。この主な要因は、社債および長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,366,076千円増加し、12,785,141千円と
なりました。この主な要因は、繰延ヘッジ損益が減少したものの、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
これらの結果、自己資本比率は27.8%となり、1株当たり純資産額は、2,605円95銭となりました。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、北朝鮮問題という地政学的リスクを抱えながらも、米国をはじめとする
世界経済が好調に推移したことや日本企業の順調な業績などを背景に日経平均株価が26年ぶりにバブル崩壊後の
高値を更新するなど堅調に推移することとなりました。
当社グループを取り巻く事業環境においても、国内の生乳生産量の減少傾向が続く中、乳製品関連商品の堅調な
販売を背景に乳業メーカーをはじめ食品メーカー各社による輸入乳製品原料の需要が旺盛となり、当社取扱商品の
販売数量は増加することとなりました。また、これに加え、為替相場が前期末から当連結会計年度のはじめに
かけて円安基調に転じたこと、さらにその後も円安基調が定着したことで、当社が実施している為替リスクヘッジ
取引に係る為替差益が計上されております。
こうした状況の中で、当社グループは中期経営方針のもと、「既存取引の深掘り」及び「新規取引先の開拓」を
重点課題として取り組み、その結果、中期経営計画「NEXT-LJ2019」の目標数値を初年度となる当連結
会計年度に達成することができました。
(売上高)
「1業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および
食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は
以下のとおりとなっております。
単位:トン
|
販売数量 |
平成25年11月期 |
平成26年11月期 |
平成27年11月期 |
平成28年11月期 |
平成29年11月期 |
|
乳原料・チーズ |
122,743 |
129,810 |
141,540 |
148,091 |
172,885 |
|
食肉加工品 |
27,540 |
25,809 |
25,011 |
28,029 |
26,349 |
|
合計 |
150,283 |
155,619 |
166,551 |
176,120 |
199,234 |
(売上総利益)
売上総利益は、国際乳製品価格の堅調な地合いや円安傾向の定着の影響により仕入単価は上昇し、売上原価が
上昇することとなり、5,386,836千円(前年同期比15.1%減)と減少することとなりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,463,099千円(前年同期比15.6%増)と増加いたしました。
この主な要因は、会社規模拡大に伴う人件費の増加、また、販売数量の増加による発送配達費の増加や貸倒引当金
繰入額の増加などによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、1,923,737千円(前年同期比42.6%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円安傾向の定着により売上原価が上昇することで減少した売上総利益に対し、当社が実施している
為替リスクヘッジによる輸入為替予約の実行に係る為替差益1,158,541千円が営業外収益に計上され、
2,522,502千円(前年同期比75.9%増)となりました。
(当期純利益)
税金等調整前当期純利益は2,523,356千円(前年同期比75.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,755,197千円(前年同期比85.5%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益金額は358円96銭となりました。また、自己資本利益率は、14.5%となり
ました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の
影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを
回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避して
おります。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ
販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を
通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が
増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を
確保し、着実な成長を図ってまいります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が
見込まれる高齢者向け食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進む
アジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対するチーズや高級日本
食材の販売に積極的に取り組んでまいります。
(6)キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要
(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、日本のみならず、経済成長が大いに期待できるアジアを
はじめとする新興国に販売ルートを確立していく必要があります。そのために適切なパートナー選び、グローバル
な視点で活躍できる人材の育成と獲得、さらには教育研修制度の拡充や内部管理体制の強化などを通じて
“組織力”の強化・整備を進めてまいります。こうした取り組みにより、当社グループのすべての取引先からの
信頼を向上させていく方針です。