文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・戦略等
(企業理念)
・世界の食文化の発展に貢献していく、新しい企業の形=Global Food Professional Companyを目指します。
・世界中の優良仕入先との強固な信頼関係を基に、安心・安全は食品原料を安定的に供給し、最終的に生活者の
皆様の健康と食の楽しさに寄与することで、社会に貢献しともに成長・発展し続ける企業を目指します。
(経営方針)
・乳原料・チーズ、食肉加工品を核とした食品原料を安定的かつ責任をもって供給する世界で有数の”フード
プロフェッショナル集団”であること。
・国内外の主要な酪農・乳業・食肉加工メーカーから長期的な取引関係を通じて最重要パートナーとして認知され
ること。
・基盤となる日本市場において乳製品・食肉加工品を主とする食品原料ビジネスを確固たるものとすること。
・成長著しいアジア市場においては、日本で長年培ったノウハウ・経験を活かした食品関連事業を確立し、新しい
ビジネスモデルを構築すること。
・次世代の柱となる食に関する新事業を国内外で構築すること。
以上を踏まえ、当社グループは、「安定した収益基盤の確立と強化」及び「成長分野への進出」を重要テーマと
して取り組みを推進し、中期経営計画「NEXT-LJ2021」の数値目標として2021年11月期には、売上高
1,450億円、経常利益34億円、親会社株主に帰属する当期純利益24億円を目指します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。
<乳原料・チーズ>
国際乳製品相場は、食のグローバル化や西洋化がすすむ中、為替相場や天候要因、さらには各生産国の酪農政策
など様々な要因により、価格や供給量の変動は避けられないものとなっております。近年では価格・供給両面での
変動周期の短期化や変動幅の拡大化にどのように対処していくかは重要な課題となっております。
また、中国をはじめとする新興各国における乳製品需要の急増、さらには主要生乳生産国の多くが先進国という
産業構造から今後飛躍的に供給量を増やすことが見込みにくい環境となっており、わが国における輸入乳製品原料
ビジネスに大きな影響を与えることは自明であり、長期に亘る安定供給をどのように担保・確保していくかが
重要な課題であると考えております。
これらの課題に対しまして、主要生産地の動向並びに日本国内市場の動向を的確に見極め、新規商品の提案や価格
競争力のある商品をタイムリーに販売先に提案すること、さらに仕入先に対しては、当社グループと取引をすれば、
商品が安定的かつ継続的に販売できることを認識いただき、安定的かつ強固な取引関係を構築いたします。
このように当社では、仕入先、販売先双方にとって常に重要なビジネスパートナーとして存在し続けることを
目指してまいります。
<食肉加工品>
当連結会計年度では、一部主要取引先による商流変更に伴い販売数量が減少することとなりましたが、引き続き
ブランド力のある商品の拡販に努め、販売数量を増やしてまいります。わが国における外国産豚肉の認知度向上に
伴い、国内の豚肉販売市場では、国産品と輸入品が競合することとなり、需給は緩んでいるものの、主力となる米国
産豚肉に次いで、品質向上が目覚ましいカナダ産豚肉の拡販やヨーロッパ産の開拓、特に今後輸入解禁が見込まれる
東欧産豚肉の調査・開発に取り組むなど、付加価値の高い加工品の開発輸入をすすめ、競合他社との差別化を
図りつつ安定した収益基盤の確立を行ってまいります。
<アジア事業・その他>
乳原料販売部門では、今後も国際的な乳製品価格の変動が予想される中、有力な仕入先の確保はますます重要と
なります。こうした有力な仕入先との関係をより深め、当社グループの強みである調達力を強化してまいります。
さらに日本市場で培った“提案・開発型”営業をアジアでも展開し、価格訴求の強い現地企業に対して、当社
グループと取引することの優位性を認知いただき、既存取引の拡充を図るなど顧客対応力を強化してまいります。
また、販売チャネルが確立されていない乳製品メーカーの掘り起こし作業にグループ全体として取り組むとともに、
特に経済成長著しいフィリピン・インドネシア・タイ・ベトナムを中心としたアセアン諸国における新規販売先の
開拓に注力してまいります。
チーズ製造販売部門においては、アジア各国のチーズ消費量は毎年順調に伸びており、今後も市場拡大は十分に
期待できる一方で、アジア市場にプロセスチーズを販売する競合他社も近年増加してきております。当社としては
アジア市場でのシェアを拡大させるため、「徹底的なコスト削減」、「低価格帯チーズの開発」、そして「高付加
価値チーズの開発」を重要な課題として取り組んでまいります。当社は長年、日本品質・日本基準のチーズを
開発し、アジア市場に供給してまいりましたが、一方で市場(国)によって「美味しい」とされる味覚や嗜好が
異なるため、各市場にマッチしたチーズの味・風味などを提供していかなければなりません。そのため各市場が
求める品質は当然のことながら価格帯についても対応する必要があり、今までとは異なったレシピで低コストの
チーズを開発したり、多様なニーズにきめ細やかに対応するための機能を持たせたチーズを開発するなど、
当社独自の製品を提供することで競合他社との差別化を図り、さらなる業績の拡大につなげてまいります。
また、輸出実績のないカンボジアやフィリピン等の新しい市場においても新規販売先の開拓を目指してまいります。
当社グループの投資判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものが
あります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上あるいは当社
グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から
記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したもの
であります。
当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める
方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で
行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものでは
ありませんので、この点にご留意下さい。
(1)主要市場の政治・経済動向について
当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国および地域の
政治・経済の動向により、当社グループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。
近年では、ウクライナ問題によるロシアの禁輸措置や中国経済の減速に伴う需要減などが原因となり、当社取扱
商品の価格が大幅に下落することとなりました。このように政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに
変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)気候に関するリスクについて
当社グループの取扱商品である、乳原料、チーズ、食肉加工品は元の原料が動物にその由来を持っております。
つまり、工業製品と異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすいといえます。
そのため世界的な異常気象などの天変地異により生産量が激減した場合には、価格が高騰するとともに、
取扱数量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食の安全性について
当社グループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。万一、当社の過失や悪意のある第三者により
異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味
不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、
それぞれ商品回収をしたり、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(4)競合他社について
当社グループの競合他社としては、乳原料や食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品
メーカーがあげられます。これら大手企業が仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、
当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を
展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が
設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業および業績に
影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が
取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(6)為替相場について
当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引を行っております。海外連結子会社の
財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて
連結財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。
また、当社の行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に
対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における
仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動
リスクを回避しております。ただし、円安が進んだ場合、邦貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増
加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合はその逆となります(売上高の減少)。また、期末に向けて為
替相場が急激に変動した場合において仕入代金決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価
に影響を与える可能性があります。そのため、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績
およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外事業展開に伴うリスク
当社グループではアジアを中心に海外市場において、積極的な事業展開を推進していく予定です。海外事業展開
においては、事業投資に伴う政治的、経済的状況の変化や外国為替相場の変動、さらには大規模地震等の自然災害
発生が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)有利子負債について
|
|
前連結会計年度末 (2017年11月30日) |
当連結会計年度末 (2018年11月30日) |
|
有利子負債残高(千円) |
19,778,678 |
20,948,953 |
|
総資産残高(千円) |
45,905,159 |
48,992,119 |
|
有利子負債依存度(%) |
43.09 |
42.76 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
△5,048,488 |
356,344 |
営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売
部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、
業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合がありま
す。今後、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出には努めてまいりますが、当面
の間は、卸売部門の事業拡大を想定しているため、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス傾向は継続し、
有利子負債依存度が相対的に高い水準で推移していくことが想定されます。
このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場合や、
市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす
可能性があります。なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結
しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、
当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材について
当社グループは、最重要経営資源として、新卒および中途採用を通じて優秀な人材の獲得およびその育成に力を
入れております。しかしながらこれら優秀な人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が
獲得できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)貿易の自由化について
近年、2国間による自由貿易協定(FTA)の締結の拡充に加え、2018年12月に発効した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)や2019年2月に発効したEUとの経済連携協定(日欧EPA)などわが国では貿易自由化の流れが進んでいます。一方、米国がトランプ政権誕生以降、TPPからの離脱や米中貿易摩擦など保護貿易主義の政策を進めていることや、英国がEUからの離脱を決定するなど、貿易自由化の流れにも少なからず影響を及ぼすリスクもでてきております。貿易の自由化は、わが国における高料率な関税制度に対処するため当社が構築してきた
海外ネットワークやノウハウの活用が難しくなる一方で、日本への輸入取引やアジア地域を販売市場とする
当社グループにとっては、関税の引き下げや撤廃などにより、より安価な商品の調達が可能となり、取扱数量の
増加が大いに期待できるところであります。そのため貿易の自由化が後退した場合、当社グループの業績に影響を
及ぼす可能性があります。
(11)サプライソースの確保について
近年、グローバルな規模での経済発展とともに食の西洋化の動きも世界的に広がっており、それに伴い乳製品需要も拡大しております。一方で、乳製品原料のもととなる生乳生産においては輸出余力のある生乳生産地域は世界的にも限られており、今後拡大する需要を考えた場合、気候変動や環境問題等により供給量が大きく増えることは想定しづらい状況にあります。従いまして、今後、世界的な規模で需給がタイトになり、有力なサプライソースの確保ができていない場合には、販売に必要な数量を確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国における保護貿易主義の台頭やそれに端を発する米中貿易問題などグローバルな経済環境が不透明感を増した一方で、日本企業の好調な業績を背景として、国内の株式市場がバブル崩壊後の高値を更新するなど堅調に推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境において、前連結会計年度には国産の脱脂粉乳不足が発生しましたが、独立行政法人農畜産業振興機構(以下、「ALIC」)が追加輸入入札を複数回実施した結果、当連結会計年度は脱脂粉乳の供給不足が解消したことにより、落ち着きを取り戻しました。また、各メーカーの最終商品の需要においては、機能性ヨーグルトなどの販売が伸び悩みましたが、国内生乳生産量の減少傾向の定着による輸入原料へのシフトの流れは継続しました。
その結果、当連結会計年度において、当社主力事業である乳原料・チーズ部門の売上高・販売数量はともに過去最高を更新しました。また、アジア事業においても現地市場の堅調な乳製品需要を背景に販売が順調に推移し、売上高・販売数量ともに同じく過去最高となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ30億86百万円増加し、489億92百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ14億40百万円増加し、345億60百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ16億46百万円増加し、144億31百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高1,154億40百万円(前期比13.9%増)、営業利益30億9百万円(同56.4%増)、経常利益26億12百万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億84百万円(同1.7%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
乳原料・チーズの販売数量は、198,445トン(前期比14.8%増)となり、売上高も852億90百万円(前期比21.8%増)となりました。
(食肉加工品)
食肉加工品の販売数量は21,595トン(前期比18.0%減)となり、売上高も125億76百万円(前期比17.6%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は52,822トン(前期比17.3%増)となり、売上高も145億78百万円(前期比9.2%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は2,668トン(前期比6.3%増)、売上高は21億16百万円(前期比10.3%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は175億74百万円(前期比9.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ
4億89百万円増加し、34億77百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、3億56百万円となりました。これは主にたな卸資産が37億68百万円増加した
ものの、税金等調整前当期純利益が25億72百万円となり、売上債権が13億42百万円減少したことによるもので
す。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、8億63百万円となりました。これは主に定期預金の増加5億33百万円と有形固定資産の取得による支出2億68百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、9億89百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出29億93百万円があったたものの、短期借入金の増加38億92百万円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績および受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b. 販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
|
区分の名称 |
当連結会計年度 (自 2017年12月1日 至 2018年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
乳原料・チーズ(千円) |
85,290,046 |
121.8 |
|
食肉加工品(千円) |
12,576,055 |
82.4 |
|
アジア事業・その他(千円) |
17,574,559 |
109.4 |
|
合計(千円) |
115,440,661 |
113.9 |
(注)1.アジア事業・その他はアジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.およびLACTO OCEANIA
PTY LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ30億86百万円増加し、489億92百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ29億47百万円増加し、464億38百万円と
なりました。この主な要因は、販売増加に伴う商品仕入数量の増加のため商品及び製品が増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1億39百万円増加し、25億53百万円と
なりました。この主な要因は、本社移転に伴い敷金が増加したことで、投資その他の資産が増加したこと等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ30億71百万円増加し、239億79百万円と
なりました。この主な要因は、販売増加に伴う商品仕入数量の増加に伴い運転資金が増加したため、短期借入金が増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ16億31百万円減少し、105億81百万円と
なりました。この主な要因は、社債および長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ16億46百万円増加し、144億31百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
これらの結果、自己資本比率は29.2%となり、1株当たり純資産額は、2,924円69銭となりました。
2)経営成績
(売上高)
各事業別の売上高の対前期比は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および
食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は
以下のとおりとなっております。
単位:トン
|
販売数量 |
2014年11月期 |
2015年11月期 |
2017年11月期 |
2017年11月期 |
2018年11月期 |
|
乳原料・チーズ |
129,810 |
141,540 |
148,091 |
172,885 |
198,445 |
|
食肉加工品 |
25,809 |
25,011 |
28,029 |
26,349 |
21,595 |
|
合計 |
155,619 |
166,551 |
176,120 |
199,234 |
220,040 |
(売上総利益)
売上総利益は、円高傾向により売上原価が下降したこと、販路拡大により販売数量が増加したこと等により、
65億10百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、35億1百万円(前年同期比1.1%増)と増加しました。
この主な要因は、会社規模拡大に伴う人件費の増加、本社移転に伴い地代家賃の増加、また、販売数量の増加による発送配達費の増加などによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、30億9百万円(前年同期比56.4%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円高傾向により売上原価が下降することで増加した売上総利益に対し、当社が実施している
為替リスクヘッジによる輸入為替予約の実行に係る為替差損1億35百万円が営業外費用に計上され、
26億12百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は25億72百万円(前年同期比1.9%増)となり、親会社に帰属する当期純利益は
17億84百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益金額は364円62銭となりました。また、自己資本利益率は、13.2%となり
ました。
3)キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影
響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避
し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しており
ます。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も
低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売
単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いた
しますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実
な成長を図ってまいります。
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加
え、今後需要増が見込まれる高齢者向け食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さら
には経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する
チーズや高級日本食材の販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取り組みで持続的な成長をより堅固な
ものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充
内部管理体制の強化などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向
上させていく所存です。
c. 資本の財源および資金の流動性
資金需要:
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸
売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのた
め、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっておりま
す。
財務政策:
事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入および社債の発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。また、当社は、主要取引金融機関と総額150億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、商品相場や為替相場の変動による影響を直接受けない販売数量を客観的な指標として重視しております。また、株主の皆様からお預かりしている資金の効果的な運用を示すROE等の経営指標を着実に向上させていく所存です。
e. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの
製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメ
ントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループ
の管理会計上の区分にて記載しております。
(乳原料・チーズ)
世界的な乳製品需要は新興国を中心に拡大を続けており、EU、米国、オセアニアを中心に世界の生乳生産量もそれに呼応し増加傾向となりました。一方、日本では、酪農家の離農に加え、自然災害の影響などもあり国内の生乳生産量の減少は歯止めがかからない状況が続きました。
このような状況のもと、乳原料・チーズ事業では、強みであるグローバルな仕入ネットワークを活用することでALICによる入札において国家貿易品目の取扱いで高いシェアを獲得できたことや国内市場においてヨーグルト、アイスクリーム、チョコレートなどの最終製品の販売が比較的安定して推移したことなどにより、乳原料の販売が堅調に推移しました。また、近年注力している飲料業界や飼料業界向けの新規ビジネスの販売も安定して推移しました。さらにチーズについても国内チーズ市場の需要拡大を受けて、多様な仕入ルートから価格競争力のある商品の提供を行ったことなどから販売は堅調に推移しました。
その結果、乳原料・チーズの販売数量は、198,445トン(前期比14.8%増)となり、売上高も852億90百万円(前期比21.8%増)となりました。
(食肉加工品)
当連結会計年度の売上においては、元々想定していた一部主要取引先の仕入方針変更による販売数量の減少に加え、下期以降、国内市場では国産豚の生産量増加により、輸入チルドポークの販売数量が減少しました。また、当社輸入フローズンポークのサプライソースの一部が、世界的に発生したアフリカ豚コレラの影響を受けたため、輸入数量が減少し、売上が減少しました。しかしながら、既存取引先との取り組みを強化し、付加価値の高い商品の販売が増加したことにより利益率が改善し、利益では前期を上回りました。
その結果、食肉加工品の販売数量は21,595トン(前期比18.0%減)となり、売上高も125億76百万円(前期比17.6%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、主要製品である脱脂粉乳や全脂粉乳の国際価格が低位に推移したことにより、価格訴求の強いアジア市場において乳原料需要が拡大し、当社の事業環境にとって追い風となりました。当社では、グローバルな仕入ネットワークを活用した品質、価格面の優位性と日本で培った「提案力・情報力」を基盤としたサービスをアジアでも展開することで、日系・現地企業向けとも取引は順調に拡大しました。その結果、販売数量は52,822トン(前期比17.3%増)となり、売上高も145億78百万円(前期比9.2%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、従来から主要な販売先であったシンガポール、マレーシアに加え中国、香港、ベトナムなどへの販売も拡大し、販売は堅調に推移しました。一方で、アジアの一部市場においては、アジア市場の拡大に伴って、欧州や豪州のサプライヤーが参入し、競合が激しくなりました。当社ではこれら競合との差別化を図るべく、当社のチーズを使用した商品に関する新しいレシピの開発とその提案を行うなど、製品の販売とともに付加価値を加えた営業を展開するなどの取り組みにより販売は堅調に推移しました。
これにより、販売数量は2,668トン(前期比6.3%増)、売上高も21億16百万円(前期比10.3%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は175億74百万円(前期比9.4%増)となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。