第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・戦略等

(企業理念)

 ・世界の食文化の発展に貢献していく、新しい企業の形=Global Food Professional Companyを目指します。

 ・世界中の優良仕入先との強固な信頼関係を基に、安心、安全な食品原料を安定的に供給し、最終的に生活者の

皆様の滋養と健康および食の楽しさに寄与することで、社会に貢献しともに成長・発展し続ける企業を目指していきます。

 

(経営方針)

 ・乳原料・チーズ、食肉加工品を核とした食品原料を安定的かつ責任をもって供給する世界で有数の”フード

プロフェッショナル集団”であること。

 ・国内外の主要な酪農、乳業、菓子、飲料等の食品メーカー、さらには食肉加工メーカーなどから長期的な取引関

係を通じて最重要パートナーとして認知されること。

 ・基盤となる日本市場において乳製品・食肉加工品を主とする食品原料ビジネスを確固たるものとすること。

 ・成長著しいアジア市場においては、日本で長年培ったノウハウ・経験を活かした食品関連事業を確立し、新しい

ビジネスモデルを構築すること。

 ・次世代の柱となる現事業とシナジーのある新事業を国内外で構築すること。

 

 以上を踏まえ、当社グループは、「既存顧客とのビジネスの進化」及び「次世代を担う新規ビジネスの構築」を重要テーマとして取り組みを推進し、中期経営計画「NEXT-LJ2022」の数値目標として2022年11月期には、売上高1,410億円、経常利益35億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億円を目指します。

 

 ※数値目標に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などにもとづくものであります。実際の業績は様々な要因によって数値目標と異なる可能性があります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。

 

 <乳原料・チーズ>

 国内市場では、前連結会計年度から当連結会計年度にかけて独立行政法人農畜産業振興機構(以下ALICという)からの脱脂粉乳の供給が増加した一方で、脱脂粉乳の主用途の一つであるヨーグルト需要の伸びが一服したこともあり、脱脂粉乳の国内在庫は高水準で推移していることから、当面はALICによる脱脂粉乳の輸入数量は調整もしくは減少することが予想されます。

 こうした事業環境の中、当社では、新たな取り組みとして、新自由貿易制度となるTPP11や日欧EPAさらには日米貿易協定などの枠組みを活用した商品の開発・供給をすすめることで、取扱商品群の厚みを増すとともに販売先の多様化にも取り組み、より強固な事業基盤を確立してまいります。また、チーズは世界的にみると、足元では生乳の用途がチーズ以外の乳製品に向けられる傾向が強くなってきており、今後はチーズの国際価格の上昇や商品確保にも注意が必要となっています。当社では新規サプライヤーの開拓や既存サプライヤーとのより緊密なコミュニケーションをすすめることで、価格・品質ともに安定供給ができる体制を維持・強化してまいります。

 こうした取り組みにより、さらなる成長を図ることはもちろんのこと最終製品の需要減にも影響を受けにくい強固な事業構造を構築してまいります。

 

 <食肉加工品>

 当社の輸入ポーク事業において最も大きな比率を占めている米国と日本との間で二国間貿易協定が締結、開始されたことから、すでに先行しているTPP11や日欧EPAなどの各加盟国の豚肉製品と同様の条件のもとで競争できる環境になったことは追い風と考えています。一方で、食肉業界全体として人件費や配送費の高騰などによるコスト高要因が継続することや、世界的なASF(アフリカ豚熱)の影響による原料価格の高騰も想定されるなど引き続き厳しい状況が推測されます。

 

 こうした事業環境の中、当社はすでに優良な仕入先を複数確保しており、これまで培ってきた仕入先との強固な関係から、常に変化する調達・販売環境を適時適切に把握し、最適な納期の実現や取引先のニーズにあったサービスの提供を行うことで事業の拡大を図ってまいります。

 

 <アジア事業・その他>

 乳原料販売部門(商社)では、需要拡大が見込まれるアジア市場を重点市場と位置づける海外サプライヤーは年々増加しており、東南アジアに拠点を設けて顧客に直接取引を持ちかけるなど競争は激しくなっています。当社では、当社の機能や付加価値を顧客、サプライヤー双方に明示することで当社との取引の優位性を理解してもらうことが重要と考えています。販売においては、アジア市場における販売ネットワークの拡充は最重要課題であり、当連結会計年度において設立したフィリピン現地法人を好事例として、いまだ当社が拠点を持っていない主要乳製品需要国に積極的に販売を行ってまいります。また仕入においても、アジア市場に販売の足場を持っていない潜在力のある海外サプライヤーの開拓を継続的に進め、さらなるサプライネットワークの強化に努めてまいります。

 チーズ製造販売部門(メーカー)では、当社グループのサプライネットワークを駆使し、より有利な品質・価格での原料調達を行い、価格競争力の強化を図ります。また、生産設備についても必要な投資を積極的に行い、拡大する需要に対応するとともに、省力化・効率化にも努めコスト削減にも注力します。今後競争が激しさを増す中、当社では他社との差別化を図るためにも特徴のある製品の開発が必要であると考えております。開発力強化のため、前連結会計年度より人員を増やし、用途に応じた商品開発ができる体制を整えております。また、顧客の開発部門と当社の開発部門との交流機会を増やし、新規需要の掘り起こしや新製品開発にも引き続き注力してまいります。さらに当社チーズの販売実績のないアジアの新興国についても営業を拡充することでさらなる事業の拡大を図ります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの投資判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものが

あります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上あるいは当社

グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から

記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したもの

であります。

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める

方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で

行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものでは

ありませんので、この点にご留意下さい。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 主要市場の政治・経済動向について

 当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国および地域の政治・経済の動向が、当社グループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。2016年には、ウクライナ問題によるロシアの禁輸措置や中国経済の減速に伴う需要減などが原因となり、当社取扱商品の価格が大幅に下落することとなりました。このように政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 気候変動による影響について

 当社グループの取扱商品である、乳原料、チーズ、食肉加工品はその原料が動物に由来します。これらは、工業製品とは異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすい商品といえます。生産量の増加等で国際的に需給が緩和した場合には、国産品に対する輸入品の価格競争力が増し、取扱数量が増加する傾向がありますが、逆に異常気象などで生産量が減少し、需給が逼迫した場合には、価格が高騰するとともに取扱数量が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 貿易の自由化について

 2018年12月には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)が、2019年2月にはEUとの経済連携協定(日欧EPA)が、さらに2020年1月には日米貿易協定が発効するなど、わが国では貿易自由化の流れが進んでいます。一方、米国がトランプ政権誕生以降、TPPからの離脱や米中貿易摩擦など保護貿易主義の政策を進めていることや、英国がEUからの離脱したことなど、貿易自由化の流れに少なからず影響を及ぼすリスクも顕在化しております。当社グループにとって貿易自由化の進展は、わが国における高い関税障壁に対処するため当社が構築してきた海外ネットワークやノウハウの活用が難しくなる一方で、関税の引き下げや撤廃などにより、競合商品に対して取扱商品の価格競争力が増し、取扱数量が増加することが大いに期待できるところであります。そのため貿易の自由化が後退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制について

 当社グループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)商品の調達に関するリスク

① サプライソースの確保について

 近年、グローバルな規模での経済発展とともに食の欧米化の動きも世界的に広がっており、それに伴い乳製品需要も拡大しております。一方で、乳製品原料のもととなる生乳生産においては輸出余力のある生乳生産地域は世界的にも限られており、気候変動や環境問題等により供給量が大きく増えることは想定しづらい状況にあります。当社は輸出余力がありながらも乳製品の国際市場ではまだ取引量が少ない地域も含めて日々、サプライソースの開拓を進めておりますが、今後、世界的な規模で需給がタイトになり、有力なサプライソースの確保ができていない場合には、販売に必要な数量を確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 商品の調達に関わるカントリーリスクについて

 当社グループは商品を複数の国から調達しております。これらの調達に当たっては、世界的な食糧需給構造変化に伴う、安定的な価格や調達量確保に対するリスクおよび調達先の国における下記のリスクが内在しております。

  ・予期しない法律はまたは規制の変更

  ・政治、経済の変化

 ・テロ、戦争等による社会的混乱

 ・大規模地震等の自然災害

 これらの要因により調達価格が高騰、もしくは調達そのものが困難となった場合は当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)商品の製造および販売に関するリスク

① 食の安全性について

 当社グループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。万一、当社の過失や悪意のある第三者により異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、それぞれ商品回収や損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 生産体制について

 当社グループではアジアにおいて自社ブランドの業務用チーズの製造を行っております。製品の製造にあたっては、フードディフェンス等の安全管理を徹底するなど品質の確保に万全を期しておりますが、大規模な回収や製造物責任賠償につながるような不測の製品事故などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合他社の事業戦略と販売先の系列化について

 当社グループの競合他社としては、乳製品原料や食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品メーカーがあげられます。これら大手企業が当社の仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 海外事業展開に伴うリスク

 当社グループではアジアを中心に海外市場において、積極的な事業展開を推進しています。海外事業展開においては、下記のリスクが内在しております。

・予期しない法律または規制の変更

・政治、経済状況の変化

・テロ、戦争等による社会的混乱

・大規模地震等の自然災害

 これらが顕在化した場合は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経営、財務等に関するリスク

① 為替相場について

 当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引を行っております。また、海外連結

子会社の財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を

通じて連結財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。

 また、当社の行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動リスクを回避しております。ただし、円安が進んだ場合、邦貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合はその逆となります(売上高の減少)。

また、期末に向けて為替相場が急激に変動した場合において仕入代金決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価に影響を与える可能性があります。そのため、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 有利子負債について

 

 

前連結会計年度末

(2018年11月30日)

当連結会計年度末

(2019年11月30日)

有利子負債残高(千円)

20,948,953

17,641,520

総資産残高(千円)

48,967,876

48,134,906

有利子負債依存度(%)

42.78

36.65

営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)

356,344

3,365,480

 営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。

 

 当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他におけ

る卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フロ

ーのため、業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとな

る場合があります。今後、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出には努め

てまいりますが、当面の間は、卸売部門の事業拡大を想定しているため、営業活動によるキャッシュ・フロ

ーのマイナス傾向は継続し、有利子負債依存度が相対的に高い水準で推移していくことが想定されます。

 このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場

合や、市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの業績および財政状態に影

響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケート

ローン契約を締結しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借

入金の返済を求められ、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材について

 当社グループは、最重要経営資源として、新卒および中途採用を通じて優秀な人材の獲得およびその育成に力を入れております。しかしながらこれら人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が獲得できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態および経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、アジア向けを中心に輸出の低迷が続いているものの、国内では個人消費や設備投資、公共投資などの内需は堅調に推移しており、緩やかな景気回復が持続しています。一方、海外では長引く米中貿易問題や英国のEU離脱をめぐる混乱、中東情勢の不安定化など世界経済に悪影響を及ぼしかねない問題が複数顕在化しており、世界の経済動向には引き続き注視が必要です。国内の食品業界においては、夏季シーズン期初の長雨や冷夏の影響により、夏季関連商品の消費が伸び悩んだ他、消費税増税の影響などによる全体的な消費低迷などきびしい環境が続いています。

 こうした状況のもと、当社では主力である乳原料・チーズ部門において、商品によって需要の強弱はあるものの、ここ数年当社が注力してまいりました販路の拡充が功を奏し、安定した業績推移となっています。また、当社グループが、成長エンジンと位置づけているアジア事業が引き続き好調に推移し、事業の柱に成長してまいりました。利益につきましては、乳原料・チーズ部門で利益率の高い商品の販売が進んだことや製造業であるアジア事業・チーズ製造販売部門が好調であったことなどから前期比で増加しています。

 以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 

a. 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度と比べ8億32百万円減少し、481億34百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億65百万円減少し、321億70百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億32百万円増加し、159億64百万円となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は売上高1,167億94百万円前期比1.2%増)、営業利益31億44百万円同4.5%増)、経常利益27億46百万円同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億63百万円同10.0%増)となりました。

 

 各事業別の状況は、次のとおりであります。

(乳原料・チーズ)

 乳原料・チーズの販売数量は、204,105トン(前期比2.9%増)となり、売上高は852億6百万円(前期比0.1%減)となりました。

 

(食肉加工品)

 食肉加工品の販売数量は21,532トン(前期比0.3%減)となり、売上高は122億80百万円(前期比2.4%減)となりました。

 

(アジア事業・その他)

 アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は59,925トン(前期比13.4%増)となり、売上高は160億26百万円(前期比9.9%増)となりました。

 アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は3,737トン(前期比40.1%増)、売上高は26億51百万円(前期比25.2%増)となりました。

 以上の結果、アジア事業・その他の売上高は193億8百万円(前期比9.9%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ

4億69百万円増加し、39億46百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により増加した資金は、33億65百万円となりました。これは主に売上債権が20億21百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益が27億47百万円となり、たな卸資産22億64百万円減少し、仕入債務が15億11百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により増加した資金は、8億48百万円となりました。これは主に定期預金の減少9億74百万円と有形固定資産の取得による支出67百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により減少した資金は、36億94百万円となりました。これは主に短期借入金の減少25億87百万円及び社債の償還による支出6億60百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績および受注実績

 当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b. 販売実績

 当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。

区分の名称

当連結会計年度

(自 2018年12月1日

至 2019年11月30日)

前年同期比(%)

 乳原料・チーズ(千円)

85,206,257

99.9

 食肉加工品(千円)

12,280,074

97.6

 アジア事業・その他(千円)

19,308,047

109.9

合計(千円)

116,794,379

101.2

(注)1.アジア事業・その他はアジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.およびLACTO OCEANIA

PTY LIMITED、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針および見積り

 当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

a. 経営成績等

 1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ8億32百万円減少し、481億34百万円となりました。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ5億62百万円減少し、457億74百万円と

なりました。この主な要因は、「現金及び預金」が4億54百万円減少したこと、販売増加に伴い「商品及び製品」が22億55百万円減少したこと、休日の影響により「受取手形及び売掛金」が19億79百万円増加したことによるものです。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ2億70百万円減少し、23億60百万円と

なりました。この主な要因は、投資有価証券の時価の下落により、投資その他の資産が減少したこと等によるものです。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ32億18百万円増加し、271億98百万円と

なりました。この主な要因は、短期借入金が減少したものの、買掛金及び1年内返済予定の長期借入金が増加したことによるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ55億84百万円減少し、49億72百万円と

なりました。この主な要因は、社債および長期借入金が減少したことによるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ15億32百万円増加し、159億64百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。

 これらの結果、自己資本比率は33.0%となり、1株当たり純資産額は、1,618円31銭となりました。

 

 2)経営成績

(売上高)

 各事業別の売上高の対前期比は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。

 なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および

食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は

以下のとおりとなっております。

                                           単位:トン

 販売数量

2015年11月期

2017年11月期

2017年11月期

2018年11月期

2019年11月期

 乳原料・チーズ

141,540

148,091

172,885

198,445

204,105

 食肉加工品

25,011

28,029

26,349

21,595

21,532

合計

166,551

176,120

199,234

220,040

225,637

(売上総利益)

 売上総利益は、円高傾向により売上原価が下降したこと、販路拡大により販売数量が増加したこと等により、

68億円(前年同期比4.4%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、36億56百万円(前年同期比4.4%増)と増加しました。

この主な要因は、会社規模拡大に伴う人件費の増加、販売数量の増加による発送配達費の増加などによるものです。

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は、31億44百万円(前年同期比4.5%増)となりました。

(経常利益)

 経常利益は、円高傾向により売上原価が下降することで増加した売上総利益に対し、当社が実施している

為替リスクヘッジによる輸入為替予約の実行に係る為替差損1億14百万円が営業外費用に計上され、

27億46百万円(前年同期比5.1%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 税金等調整前当期純利益は27億47百万円(前年同期比6.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は

19億63百万円(前年同期比10.0%増)となりました。

 これらの結果、1株当たり当期純利益金額は200円11銭となりました。また、自己資本利益率は、13.0%となり

ました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b. 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影

響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避

し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しており

ます。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も

低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売

単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いた

しますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実

な成長を図ってまいります。

 当社グループが今後も持続的に成長していくためには、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加

え、今後需要増が見込まれる高齢者向け食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さら

には経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する

チーズや高級日本食材の販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取り組みで持続的な成長をより堅固な

ものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充

内部管理体制の強化などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向

上させていく所存です。

 

c. 資本の財源および資金の流動性

資金需要:

 当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸

売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのた

め、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっておりま

す。

財務政策:

 事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入および社債の発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。また、当社は、主要取引金融機関と総額210億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。

 

d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では、商品相場や為替相場の変動による影響を直接受けない販売数量を客観的な指標として重視しております。また、株主の皆様からお預かりしている資金の効果的な運用を示すROE等の経営指標を着実に向上させていく所存です。

 

e. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの

製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメ

ントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループ

の管理会計上の区分にて記載しております。

 

(乳原料・チーズ)

 国際市場においては、乳製品需要が新興国を中心に引き続き拡大を続けています。また供給サイドでは干ばつが発生しているオセアニアを除き、EU、米国などの主要生乳生産地域では生産量は増加傾向にあります。

一方、日本市場においては、酪農家の離農などにより近年生乳生産量の減少傾向が加速しておりましたが、当連結会計年度においては、質のよい飼料の提供や乳価引き上げの影響もあり、足元では生産量の減少傾向に歯止めがかかる動きもでてきております。

 こうした状況のもと、乳原料事業は需要が一服したヨーグルトや長雨・冷夏の影響を受けたアイスクリームなどの一部最終製品の消費が伸び悩むといった要因があったものの、年間を通じて需要が堅調であったバターや、近年注力している飲料向け調製品、さらには飼料向け原料などを中心に販売は総じて堅調に推移しました。チーズ事業についても、国内チーズ市場の堅調な地合いを受けて既存商品の販売に加え、高付加価値品への取り組みや国産原料の代替品の開発を進めており、徐々にその成果がでてきております。

 その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、204,105トン(前期比2.9%増)、売上高は、仕入単価の下落(原料安・円高、関税低減)の影響から販売単価が下落したことにより852億6百万円(前期比0.1%減)と

なりました。

 

(食肉加工品)

 輸入ポーク事業では、国内の豚肉市場が国産、輸入品ともに供給過多の状況が続き、輸入チルドポークの販売は年間を通じて軟調な推移となりました。一方、食肉各社が主力製品であるハム・ソーセージの販売に注力したこと、さらには当社として販路を拡大したことなどにより輸入フローズンポークの販売は堅調に推移しました。これらにより輸入ポーク事業全体で販売数量は前連結会計年度と比較して微減にとどまりました。

 また、生ハム等の加工品事業では、仕入先や販売先と一体となった取り組みを強化した結果、販売数量は増加しました。

 以上の結果、食肉加工品の販売数量は21,532トン(前期比0.3%減)となり、売上高は円高の影響もあり、

122億80百万円(前期比2.4%減)となりました。

 

(アジア事業・その他)

 アジア事業の乳原料販売部門(商社)では、主要取扱商品である脱脂粉乳の価格が、安価かつ安定相場だった前連結会計年度と異なり、当連結会計年度では上昇基調で推移しました。その背景としては、オセアニア産脱脂粉乳が、近年の気候変動の影響による生乳生産量の減少などから供給量が限定的となったことに加え、アジア諸国、特に中国、タイ、台湾などでは、オセアニア地域との貿易協定により乳製品原料が優遇関税での輸入が可能となり需要が拡大したことがあります。こうした状況の中、当社ではグローバルなサプライネットワークを駆使し、主として欧州産及び北米産を代替品として顧客に紹介することで、オセアニア産の供給不足を補い、商機を獲得し、マーケットシェアを維持・拡大する事ができました。

 その結果、アジア事業乳原料販売部門の販売数量は、59,925トン(前期比13.4%増)、売上高は160億26百万円(前期比9.9%増)となりました。

 アジア事業のチーズ製造販売部門(メーカー)では、アジア主要国での需要拡大が追い風となり、販売数量は順調に拡大しました。アジアにおける食の欧米化は年々浸透し、長年米を主食としてきた国においてもパン、パスタ、ピザ等のチーズを多く使用する食品の消費が伸びて市場が広がっております。一方で、欧州やオセアニアのプロセスチーズメーカーに加えて、アジア各国においてプロセスチーズの製造を始めるメーカーも増えて

おり、競争は激しくなっています。こうした状況の中、当社では、当社グループの調達力を活かした安全かつ低コストの原料調達により価格競争力を高めるとともに、市場や顧客のニーズにあわせた商品開発により、新たな業界・市場での新規取引も拡大しています。

 その結果、アジア事業チーズ製造販売部門の販売数量は、3,737トン(前期比40.1%増)、売上高は26億51百万円(前期比25.2%増)となりました。

 以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、193億8百万円(前期比9.9%増)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。