第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・戦略等

(企業理念)

・世界の食文化の発展に貢献していく、新しい企業の形=Global Food Professional Companyを目指します。

・世界中の優良仕入先との強固な信頼関係を基に、安心、安全な食品原料を安定的に供給し、最終的に生活者の皆様の滋養と健康および食の楽しさに寄与することで、社会に貢献しともに成長・発展し続ける企業を目指していきます。

 

(基本方針)

「Global Food Professional Company」としての地位を確立し、事業を通じて生活者の皆様に健康と食の楽しさを提供いたします。

・「既存ビジネスの深掘り」および「新規ビジネスの開拓」による「顧客基盤」の更なる拡充

・ 成長著しい「アジア」での事業拡大

・「次世代ビジネス」の構築

 

新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の収束はいまだ見通せず、世界の経済活動に様々な影響を及ぼしておりますが、環境の変化を注視しつつ、アフターコロナを見据えた新たな成長に向けて、新たにローリングした中期経営計画「NEXT-LJ2023」を策定いたしました。

 

(数値目標)

2023年11月期の数値目標につきましては、コロナ禍の影響による事業環境・前提条件の見直しを踏まえ、中期経営計画「NEXT-LJ2022」の最終年度の売上・利益の目標を1年後ろ倒しといたしました。

単位:百万円

2020年11月期

(実績)

2021年11月期

(予想)

2023年11月期

(目標)

売上高

110,837

115,000

141,000

経常利益

2,780

2,600

3,500

親会社株主に帰属する当期純利益

2,062

1,850

2,500

 

※数値目標に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などにもとづくものであります。実際の業績は様々な要因によって数値目標と異なる可能性があります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。

 

<乳原料・チーズ>

日本市場では感染症拡大による外食・レジャー業界向けを中心とした業務用乳製品需要の減少に加え、国産の乳製品原料在庫の高止まりにより、2021年度における独立行政法人農畜産業振興機構による脱脂粉乳やバターの輸入数量は調整、減少する見込みです。当社では、輸入乳製品原料に加え、国産の乳製品原料についても積極的に販売を行ってまいります。また、新貿易制度であるTPPや日欧EPAを活用し、国内には流通していない新たな乳製品原料の取り扱いを進め、将来に向けて新たな安定的な商材に育ててまいります。
 一方、わが国では、政府が国産の農林水産物や食品の輸出拡大を目指し、2030年までに輸出額を5兆円とする目標を設定しておりますが、その重要品目27品の中に牛乳乳製品も盛り込まれております。当社でも、グローバルに構築している当社の仕入・販売ネットワークを活用した輸出ビジネスの構築も進めてまいります。

 

<食肉加工品>

感染症拡大の影響による生産力の減少など仕入サイドにおける供給不足や、いまだ収まらない世界的なASF(アフリカ豚熱)の影響、そして輸入大国である中国の動向による原料価格の乱高下、さらには生産、消費に至るまで、引き続き先行きが不透明な事業環境が続くことが想定されます。しかしながら、当社では優良なサプライヤーを複数確保しており、これまで築いてきた強固な関係から、常に変化する事業環境を把握し、最適な仕入れのタイミングを計ることで、販売先に対し、最適なサービスを提供し、引き続き事業の拡大を図ってまいります。
 また、輸入ポーク事業以外の商売(牛肉、加工品)等についても、商品アイテムの多角化を進めるなど食肉加工品事業における取扱商品の多様化に取り組んでまいります。 

 

<アジア事業・その他>

アジア事業の乳原料販売部門においては、日本向け乳製品原料販売が、日本国内の需要低迷により当面軟調に推移することを予想しており、アジア市場向けの販売をより一層強化してまいります。新規顧客開拓の実現性を高めるために、今後は主要各国での展示会への参加や顧客とのネットワークを持つ営業経験豊富な現地スタッフの雇用を積極的に行ってまいります。また、アジア市場においては、価格競争力のあるサプライヤー確保が重要であり、開拓余地のある東欧及び南米のサプライヤー開拓にも力を入れてまいります。さらに収益力向上のため、特殊な規格の生産に対応可能なサプライヤーと提携し、他社との差別化が図れる製品を開発・販売してまいります。

チーズ製造販売部門では、近年競合が増え競争が激化していますが、差別化の図れる商品開発に引き続き取り組むことで、事業拡大を目指します。そのため開発部門の増強や新しい設備の導入等、新製品開発の為の投資は積極的に行ってまいります。商品開発に際しては、アジア各国でのニーズをタイムリーに調査し、顧客が必要としている味・風味・成分等の品質規格を把握し、そこから得られた情報を可能な限り開発に反映させてまいります。またコスト削減も他社との競争力を高める上で非常に重要な取り組みとなりますが、当社の強みである多様なサプライソースからの調達力を最大限に活かすとともに、新規サプライヤーの開拓などにより原料チーズの見直しなども検討してまいります。販売面では、新たな販路として、今後高い経済成長が見込めるカンボジアなどの新興国への展開も積極的に行ってまいります。

新規事業である機能性食品の原料販売については、すでに経験のある人材を中途採用により複数名確保しており、今後、販売先やサプライヤーとの関係づくりをより一層強化し、双方にとって魅力ある提案を行い事業を拡大してまいります。さらに、当社の海外拠点をはじめとするグローバルネットワークを活用し、各種機能性素材の日本からの輸出についても積極的に取り組んでまいります。

 

持続的成長のための経営基盤の強化

当社が取り扱う乳製品原料や食肉加工品は、畜産業の安定的な生産を前提に成り立っております。一方、畜産業は自然環境の影響を受けやすく、地球環境問題は当社の事業継続にとっても無視できない課題であると認識しています。特に調達面のリスクとして、家畜飼育エリアでの疾病の流行、干ばつや異常気象などの気候変動による生乳生産量減少の可能性があげられるため、当社では、主要な生乳生産地域である欧州、オセアニア、北米等、グローバルにおけるサプライソースの多様化を進めています。当社は今後も、地球環境問題がビジネス環境に与える影響を注視しながら、原料の安定調達に努めるとともに、事業活動全般においてESGへの取り組みを加速します。なお、取り組み内容、進捗等につきましてはホームページ等で積極的に情報を公開してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

 

当社では、代表取締役社長、取締役、執行役員、営業本部長、コーポレートスタッフ部門長、経理部長、経営企画部長、内部監査室長および人事総務部長により構成されるリスク管理委員会を設置し、当社グループのリスク評価、リスク対策の方針決定および審議結果を取締役会へ報告もしくは諮問しております。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 主要市場の政治・経済動向・気候変動による影響について

当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国および地域の政治・経済の動向が、当社グループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの取扱商品である、乳原料、チーズ、食肉加工品はその原料が動物に由来します。これらは、工業製品とは異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすい商品といえます。生産量の増加等で国際的に需給が緩和した場合には、国産品に対する輸入品の価格競争力が増し、取扱数量が増加する傾向がありますが、逆に異常気象などで生産量が減少し、需給が逼迫した場合には、価格が高騰するとともに取扱数量が減少する可能性があります。2018年から2019年にかけて発生した豪州での干ばつの影響で乳製品の供給減もありました。

このように政治・経済動向・気候変動により取扱商品の需給バランスに変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は輸出余力がありながらも乳製品の国際市場ではまだ取引量が少ない地域も含めて日々、サプライソースの開拓を進めることで当該リスクの軽減を図っています。

 

② 貿易の自由化について

2018年12月には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)が、2019年2月にはEUとの経済連携協定(日欧EPA)が、さらに2020年1月には日米貿易協定が発効するなど、わが国では貿易自由化の流れが進んでいます。一方、米国がTPPからの離脱や米中貿易摩擦など保護貿易主義の政策を進めていることや、英国がEUから離脱するなど、貿易自由化の流れに少なからず影響を及ぼすリスクも顕在化しております。当社グループにとって貿易自由化の進展は、わが国における高い関税障壁に対処するため当社が構築してきた海外ネットワークやノウハウの活用が難しくなる一方で、関税の引き下げや撤廃などにより、競合商品に対して多様なサプライヤーを扱う当社の取扱商品の価格競争力が増し、取扱数量が増加することが大いに期待できるところであります。そのため貿易の自由化が後退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制について

当社グループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

上記のようなリスクに対応するため、当社は会社組織として品質アセスメント室を設けており、品質に関する法規制の対応及び情報収集を行い、新たな法的規制に対しても適切かつ迅速に対応できる体制を整えております。

 

④ 感染症拡大によるリスク

当社グループでは、時差出勤、在宅勤務の推進、WEB会議システムの積極的活用など感染リスク低減に向けた施策を実施しております。主な販売先である乳業・食品メーカーは生活を支える社会的基盤として事業活動を継続しており、当社グループは乳原料・チーズやその他の食材を市場に安定供給すべく、すべての事業部門の営業活動、輸入販売業務、チーズ製造販売業務において取引及び生産を継続する努力を続けております。

感染症の影響については、将来的な広がり方や収束時期などを正確に予測することは困難でありますが、感染状況が更に悪化し、各国政府の要請等により事業活動及び行動の制限が強化された場合、外食やレジャーを控える傾向が強まり、業務用の乳原料・チーズ、食肉等の需要が減少する可能性があります。サプライソースである世界各国の生乳生産、乳原料・チーズの生産、チルド・フローズンポークの生産、食肉加工品の生産及び出荷や海上輸送、積荷の引き渡し等、サプライチェーンにも影響が出る可能性があります。

 

(2) 商品の製造および販売・調達に関するリスク

① 食の安全性について

当社グループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。当社グループではアジアにおいて自社ブランドの業務用チーズの製造を行っております。万一、当社の過失や悪意のある第三者により異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、それぞれ商品回収や損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはアジアでの製品の製造にあたっては、フードディフェンス等の安全管理を徹底するなど品質の確保に最大限努めています。

 

② 競合他社の事業戦略と販売先の系列化について

当社グループの競合他社としては、乳製品原料や食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品メーカーがあげられます。これら大手企業が当社の仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営、財務等に関するリスク

① 為替相場について

当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引を行っております。また、海外連結子会社の財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて連結財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。

また、当社の行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動リスクを回避しております。ただし、円安が進んだ場合、邦貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合はその逆となります(売上高の減少)。また、期末に向けて為替相場が急激に変動した場合において仕入代金決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価に影響を与える可能性があります。そのため、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 有利子負債について

 

 

前連結会計年度末

(2019年11月30日)

当連結会計年度末

(2020年11月30日)

有利子負債残高(百万円)

17,641,520

14,314,086

総資産残高(千円)

48,134,906

43,369,769

有利子負債依存度(%)

36.65

33.00

営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)

3,365,480

4,534,014

 

営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。

 

当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合があります。引き続き、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出には努めてまいります。

このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場合や、市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材について

当社グループは、最重要経営資源として、新卒および中途採用を通じて優秀な人材の獲得およびその育成に力を入れております。しかしながらこれら人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が獲得できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動を行う上で多種多様の情報を取り扱っております。このような状況下、予期できないシステム障害や不正アクセス等により、情報の漏洩・改ざん・消失等が発生し、社会的信用の失墜や事業活動の広範囲に制約を受けることで、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、情報資産を保護し、情報セキュリティに関する法令等を遵守するため情報セキュリティポリシーを定め、営業会計部を中心にセキュリティ研修などの情報セキュリティ対策を実施しております。社員のSNS使用に関しては、ソーシャルメディアガイドラインを明文化し、周知徹底しています。また、在宅勤務などのテレワークの増加に伴い、これに対応した情報取り扱い方法の規則化及びセキュアなネットワーク環境の整備を行っております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、年初は雇用・所得環境の改善から緩やかな回復基調にあったものの、感染症の世界的な流行により企業活動や個人消費が低迷し、経済活動が急速に悪化しました。世界中で感染症の流行拡大が続いており、収束の見通しも立っていないことから、国内経済のみならず世界経済の停滞は長引くことが懸念されます。

国内の食品業界においても、外出自粛やインバウンド消費の減少などの影響により、外食・レジャー産業向けの業務用食品の需要は大幅に減少しました。その一方で、「巣ごもり消費」と称される家庭内で消費される食品(内食)の需要が拡大しました。中でもヨーグルトに代表される乳製品は、健康意識の高まりなどにより需要は一年を通じて堅調に推移しました。

このような状況のもと、当社国内販売においては乳原料・チーズ部門及び食肉加工品部門ともに、内食需要向けの原料販売が拡大したものの、外食など業務用食品向けの販売が伸び悩んだことから、全体の販売は数量・金額ともに伸び悩みました。一方、アジア事業においては、外食向けなど一部で需要減の影響があったものの、食品メーカーや飲料メーカー向けの販売が好調に推移し、乳原料販売部門、チーズ製造販売部門ともに引き続きグループの業績に貢献しました。

以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ63億92百万円減少し、257億77百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は売上高1,108億37百万円(前期比5.1%減)、営業利益29億58百万円(同5.9%減)、経常利益27億80百万円(同1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億62百万円(同5.1%増)となりました。

 

各事業別の状況は、次のとおりであります。

(乳原料・チーズ)

乳原料・チーズの販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)となり、売上高は783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。

 

(食肉加工品)

食肉加工品の販売数量は21,925トン(前期比1.8%増)となり、売上高は118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。

 

(アジア事業・その他)

アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は60,159トン(前期比0.4%増)となり、売上高は170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。

アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。

以上の結果、アジア事業・その他の売上高は206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ5億61百万円増加し、45億8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は、45億34百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を27億80百万円計上したこと及び前連結会計年度末が休日であった影響もあり、売上債権が38億60百万円減少、仕入債務が28億18百万円減少、たな卸資産が15億30百万円減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は、1億36百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億54百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により減少した資金は、37億64百万円となりました。これは長期借入れによる収入52億円があったものの、長期借入金の返済76億13百万円、短期借入金の返済6億円、社債の償還による支出4億50百万円がそれぞれあったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績および受注実績

当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。

区分の名称

当連結会計年度

(自 2019年12月1日

至 2020年11月30日)

前年同期比(%)

乳原料・チーズ(千円)

78,330,597

91.9

食肉加工品(千円)

11,895,452

96.9

アジア事業・その他(千円)

20,611,485

106.8

合計(千円)

110,837,536

94.9

 

(注) 1.アジア事業・その他は、機能性食品原料販売、アジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.及びLACTO OCEANIA PTY. LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、会計上の見積りに対する感染症の影響に関して、収束時期などを想定することは困難であるものの、外出自粛等による経済停滞の影響が2021年11月期の一定期間にわたり継続すると仮定して当連結会計年度(2020年11月期)の会計上の見積りを行っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等

1) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ51億51百万円減少し、406億23百万円となりました。この主な要因は、休日の影響により「受取手形及び売掛金」が40億2百万円減少したこと、販売減少に伴い「商品及び製品」が16億9百万円減少したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ3億86百万円増加し、27億46百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が1億22百万円増加したこと、投資その他の資産が2億73百万円増加したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ72億59百万円減少し、199億39百万円となりました。この主な要因は、買掛金、短期借入金が減少したことによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ8億66百万円増加し、58億38百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が増加したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。この主な要因は、「利益剰余金」が18億46百万円増加したことによるものです。

これらの結果、自己資本比率は40.4%となり、1株当たり純資産額は、1,774円58銭となりました。

 

 

2) 経営成績

(売上高)

各事業別の売上高の対前期比は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。

なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は以下のとおりとなっております。

     単位:トン

 販売数量

2016年11月

2017年11月

2018年11月

2019年11月

2020年11月

 乳原料・チーズ

148,091

172,885

198,445

204,105

191,575

 食肉加工品

28,029

26,349

21,595

21,532

21,925

合計

176,120

199,234

220,040

225,637

213,500

 

(売上総利益)

売上総利益は、商品相場の下落や感染症の影響によりプロダクトミックスが悪化したことに伴い、66億26百万円(前年同期比2.6%減)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、36億67百万円(前年同期比0.3%増)と増加しました。

この主な要因は、感染症により出張費や接待費が減少した一方で、人員増による人件費の増加、物流コスト増加による発送配達費の増加などによるものです。

(営業利益)

上記の結果、営業利益は、29億58百万円(前年同期比5.9%減)となりました。

(経常利益)

経常利益は、営業利益の減少はあったものの、借入金の減少に伴う支払利息の減少等により、27億80百万円(前年同期比1.2%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は27億80百万円(前年同期比1.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20億62百万円(前年同期比5.1%増)となりました。

これらの結果、1株当たり当期純利益金額は209円47銭となりました。また、自己資本利益率は、12.3%となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しております。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実な成長を図ってまいります。

 

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が見込まれる高齢者向けに健康を訴求した食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する乳原料やプロセスチーズの販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取り組みで持続的な成長をより堅固なものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向上させていく所存です。

 

c.資本の財源および資金の流動性

資金需要:

当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっております。

また、アジア事業・チーズ製造販売部門拡大(製造ラインの拡充、新工場設置などの設備増強)を中長期的に想定しております。

 

財務政策:

事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入および社債の発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。また、当社は、主要取引金融機関と総額210億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、商品相場や為替相場の変動による影響を直接受けない販売数量を客観的な指標として重視しております。また、株主の皆様からお預かりしている資金の効果的な運用を示すROE等の経営指標を着実に向上させていく所存です。

 

e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。

 

(乳原料・チーズ)

今年度は、主要な生乳生産地域であるオセアニア、EU、米国において、いずれも気候条件が良く、生乳生産量は概ね好調に推移しました。一方消費面においては、世界的な感染症拡大により、各地域において外食需要が低迷するなど、年間を通じて乳製品原料の需給は軟調に推移することとなりました。

日本では、感染症拡大により一定期間小中学校で休校措置がとられたことで、学校給食向けの牛乳需要が一時消失する事態となりました。乳業メーカー各社は、この対応策として、保存可能な脱脂粉乳やバターの生産を増やしたため、国産の乳製品原料在庫は急増し、高い水準のまま推移しました。加えて、感染症拡大による移動制限や外出自粛により、国内消費の大きな割合を占める外食・レジャー産業向けの業務用乳製品需要が激減したことなどもあり、輸入乳製品原料の国内販売は年間を通じて苦戦を強いられることとなりました。

このような事業環境ではありましたが、当社はグローバルに展開しているサプライネットワークを駆使して安定供給を継続するとともに、価格面でも競争力のある商品の販売を行ったことで、全体の輸入数量が減少する中で高いシェアを維持することができました。また、外食業界向けの販売割合が比較的多いチーズにおいても、「巣ごもり消費」で好調な小売り向け販売の強化などにより、外食向け販売の減少を一部補うことができました。

その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)、売上高は、販売数量の減少に加えて、仕入単価の下落(原料安・円高、関税低減)の影響から販売単価が下落したこともあり、783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。

 

(食肉加工品)

当社の輸入ポーク事業のうち、チルドポークの販売は、主要取引先における輸入取引方針の変更を受けたことで前年と比較して、売上高、販売数量ともに減少することとなりました。一方、フローズンポークの販売においては、「巣ごもり消費」増加により家庭用向けハム・ソーセージの需要が拡大し、原料肉の需要が急増しました。この需要増に対しては、近年取り組んでまいりました販売先の拡充策などが功を奏し、売上高、販売数量ともに増加しました。その結果、輸入ポーク事業全体としては、感染症拡大の中でも売上高、販売数量はともに前年比で微減にとどまりました。なお、利益については、高利益率商品の販売増などにより前年比で増加しております。

また輸入ポーク事業以外に関しましては、生ハム等の加工品販売が、外食業界の需要減から厳しい環境となりましたが、牛肉やその他の食肉加工品など取扱商品の拡充が着実に進捗しています。その結果、食肉加工品部門の販売数量は、21,925トン(前期比1.8%増)、売上高は円高の影響もあり、118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。

 

(アジア事業・その他)

アジア事業の乳原料販売部門においては、日本向けの原料販売が感染症の影響で伸び悩みましたが、アジア地域向けの販売は大半が小売り向け製品を販売している食品メーカー向けということもあり、感染症拡大下でも大きな影響を受けることなく堅調に推移しました。また、新規顧客の開拓においても、リモートによる営業活動の積極展開により、中国、フィリピン、マレーシア、台湾、タイ等で取引が開始し、販売を拡大することができました。

その結果、アジア事業乳原料販売部門の販売数量は、60,159トン(前期比0.4%増)、売上高は、170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。

また、アジア事業のチーズ製造販売部門においては、感染症拡大で外食業界向け販売が一時苦戦したものの、食品メーカー向けの販売が伸張し、売上高、販売数量ともに過去最高の結果となりました。特に食品メーカー向けの販売では、現地のロックダウン期間中においても、冷凍食品や保存食品向けのプロセスチーズの販売が大きく伸張しました。

その結果、アジア事業チーズ製造販売部門の販売数量は、4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は、28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。

 

その他事業として今年度から開始した機能性食品原料販売においては、感染症拡大の影響で国内市況が低迷したことやインバウンド需要の減少などもあり、厳しい事業環境となりました。その中で、健康を志向する消費者のニーズにより乳たんぱく原料の販売が想定を上回る進捗となりました。

以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。