第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(以下、「当中間期」)におけるわが国経済は、物価上昇による消費マインドの弱さがみられるものの、所得環境の改善を背景に個人消費は底堅く推移するなど、国内景気は緩やかな回復基調を維持しました。一方で、米国の関税政策の影響により、世界的な景気動向の下振れリスクの可能性があることや、ロシア・ウクライナ戦争および中東紛争の長期化、さらには中国経済の減速など先行き不透明な状況が続いています。

国内の食品業界においては、今年に入っても、エネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、人件費、物流費をはじめとした各種コストの上昇による最終製品の値上げが実施されたため、一部に消費減退の動きがみられるなど厳しい事業環境となっています。しかしながら、乳製品を原料とする食料品においては、プロテインやアイスクリームなど市場が拡大している製品もあり、乳製品原料需要は概ね堅調に推移しました。

このような状況下、当社グループでは、国内事業において脂肪系乳原料や高たんぱく原料の販売が順調だったことや、豚肉および加工食品の販売が順調に推移したこと、さらにはアジア事業も好調に推移したことから売上高、販売数量ともに期初計画を上回る結果となりました。また、利益面においても乳原料・チーズ部門およびアジアのチーズ製造販売部門の利益率の改善や、前期に発生した一部商品の品質不良に関わる受取補償金を当中間期に営業外収益として計上したことにより、連結経常利益は期初計画を大幅に上回る結果となりました。

以上の結果、当中間期の売上高は952億93百万円(前年同期比12.7%増)となりました。また、営業利益は35億71百万円(前年同期比46.8%増)、経常利益は38億32百万円(前年同期比69.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は27億97百万円(前年同期比69.1%増)となりました。

 

部門別状況につきましては以下のとおりです。

 

(乳原料・チーズ部門)

乳原料販売においては、食品値上げの影響が一部にみられたものの、市場が拡大傾向にあるプロテインなど高機能食品に使用される高たんぱく原料や、アイスクリームなどに使用される脂肪系乳原料の需要は好調で、販売数量は期初計画を上回りました。高たんぱく原料や脂肪系乳原料は国産の供給が不足しているため、原料需要の高まりはそのまま輸入原料需要に結びついております。

チーズ販売においても、最終製品の値上げの影響により販売は苦戦を強いられたものの、競争力のある商品の仕入れにより既存顧客を中心に当社のシェアが高まり、販売数量は期初計画を上回りました。

また、乳製品原料の国際相場が全般的に高値で推移したことなどにより販売単価も想定より上振れたため、乳原料販売、チーズ販売ともに売上高も期初計画を上回りました。

以上の結果、当中間期の乳原料・チーズ部門の販売数量は86,799トン(前年同期比4.7%減)、売上高は626億86百万円(前年同期比6.4%増)となりました。

 

(食肉食材部門)

食肉食材部門においては、豚肉、加工食品ともに販売は順調に推移し、販売数量は前期実績および期初計画を上回りました。主要取扱商品である米国産豚肉は、第1四半期に現地相場高と円安の影響により需要が他の産地に移る動きもみられましたが、第2四半期には持ち直しました。また、加工食品では、既存顧客への鶏肉加工品の販売などが順調に推移しました。

なお、当部門では4月よりドイツの香辛料メーカーの日本における販売代理店として、香辛料および香辛料抽出物、岩塩等の輸入・販売を開始しました。今後、既存事業とのシナジーを活かしながら拡販を目指してまいります。

以上の結果、当中間期の食肉食材部門の販売数量は16,180トン(前年同期比2.1%増)、売上高は115億60百万円(前年同期比9.7%増)となりました。

 

(機能性食品原料部門)

機能性食品原料部門においては、引き続きプロテインの主要原料である乳たんぱくの販売が好調に推移しました。同部門では、事業拡大の一貫として、原料販売にとどまらないサプライチェーン全体に当社が関与する総合的なサポート体制を構築しております。こうした取り組みが多くの販売先に支持され、既存顧客との取引拡大や新規顧客数の増加に寄与したことなどから販売数量、売上高ともに期初計画を上回りました。

近年の「健康増進」への意識の高まりから、機能性を高めた商品開発に対するニーズはスポーツニュートリションにとどまらず、一般食品にまで広がることが期待されるため、今後は乳たんぱく以外の機能性原料の販売をさらに増やしていく所存です。

以上の結果、当中間期の機能性食品原料部門の販売数量は3,044トン(前年同期比140.1%増)、売上高は37億79百万円(前年同期比134.9%増)となりました。

 

(アジア事業・その他)

乳原料販売部門(商社)は好調に推移しました。既存の現地顧客との取引が順調だったことに加え、特に近年、営業を強化しているタイやインドネシアにおいて新規取引が増加しました。また、日本向け粉乳調製品原料の販売も底堅く推移したことから、当部門の販売数量、売上高はともに前期実績および期初計画を上回りました。

以上の結果、当中間期の販売数量は20,678トン(前年同期比11.7%増)、売上高は124億18百万円(前年同期比27.6%増)となりました。

 

チーズ製造販売部門(メーカー)においては、引き続き日系外食企業向けやマレーシアの加工食品メーカー向け、さらには、シンガポールやタイのベーカリー向けの製品販売が好調に推移しました。東南アジアにおいては、チーズの加工業者は増加しつつありますが、その多くが低価格製品の製造に特化しており、当社のプロセスチーズは品質の高さと安定した供給体制で優位性を発揮しています。なお、原料高をカバーするため価格改定を順次行っていることから販売数量、売上高とも期初計画を若干下回りましたが、いずれも前期実績は上回ることができました。

以上の結果、当中間期の販売数量は2,826トン(前年同期比11.4%増)、売上高は31億42百万円(前年同期比17.3%増)となりました。

 

以上により、当中間期のアジア事業・その他の売上高は172億66百万円(前年同期比28.1%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

①資産、負債および純資産の状況
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ114億66百万円増加し、929億1百万円となりました。
 
(流動資産)
当中間連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ110億73百万円増加し、869億円となりました。これは受取手形及び売掛金が44億94百万円、商品及び製品が43億91百万円、現金及び預金が12億82百万円それぞれ増加したことによるものです。
 
(固定資産)
当中間連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ3億92百万円増加し、60億1百万円となりました。これは、無形固定資産が4億7百万円、有形固定資産が52百万円増加した一方、投資その他の資産が67百万円減少したことによるものです。
 
(流動負債)
当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ79億33百万円増加し、523億88百万円となりました。これは、運転資本の増加により短期借入金が80億82百万円、1年内返済予定の長期借入金が5億48百万円増加した一方、買掛金が4億45百万円減少したことによるものです。
 
(固定負債)
当中間連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ16億87百万円増加し、110億86百万円となりました。これは、長期借入金が16億56百万円増加したことによるものです。
 
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ18億45百万円増加し、294億26百万円となりました。これは、利益剰余金が23億9百万円、その他有価証券評価差額金が1億34百万円増加した一方、繰延ヘッジ損益が2億円、為替換算調整勘定が4億34百万円減少したことによるものです。
 
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて12億56百万円増加し、97億76百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は、78億46百万円となりました。これは税金等調整前中間純利益を38億32百万円計上した一方、売上債権が47億59百万円増加、棚卸資産が45億15百万円増加したこと、法人税等の支払額10億25百万円が発生したことによるものです。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、5億46百万円となりました。これは無形固定資産の取得による支出4億22百万円によるものです。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、97億18百万円となりました。これは長期借入金の返済による支出25億96百万円があった一方で、短期借入金が81億20百万円増加したこと及び長期借入れによる収入48億円によるものです。
 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当する事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。