第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針の基本方針

当社は「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」との企業理念を掲げております。プラント解体業界におけるエンジニアリングカンパニーとして、顧客のニーズを的確かつ先見的に把握し、革新的な提案を行っていくことで環境関連企業として社会に貢献していくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営戦略等

当社の顧客である鉄鋼業界・電力業界等のインフラビジネス各社が相次いでCo2排出量削減目標を公表し、2020年10月には政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」を出すなど、建設業界・プラント業界にも「持続可能な開発目標(SDGs)」を意識した事業展開が求められるようになりました。
 当社は経営理念に「地球環境に貢献します」を掲げ、2022年1月期から2026年1月期を期間とする5ヶ年の「中期経営計画2025」のもと、当社独自のESG経営を進め、「(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に挙げる諸施策を積極的に行うとともに、経営全般にわたる一層の効率化を推進し、事業競争力を高め、経営基盤の強化に努めてまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、営業利益、1株当たり当期純利益金額を重要な経営指標としております。

2026年1月期を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定し、連結業績において売上高100億円以上、営業利益10億円以上、1株当たり当期純利益金額91円以上の早期達成に向け全力を傾注してまいります。

※注:上記1株当たり当期純利益金額は第9回および第10回新株予約権1,360,000株がすべて行使されたものとして計算しております。

 

(4) 経営環境

当社の属する建設業界におきましては、東京オリンピック・パラリンピックに関連する事業の効果などにより建設投資額は2014年から増加が続いており工事数も増加傾向ですが、慢性的な人材不足による労務費の上昇や採用難、資材価格の上昇等の問題が顕在化しており、今後も不安定な経営環境が続くものと思われます。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、企業理念「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」に基づき、2022年1月期から2026年1月期を期間とする5ヶ年の「中期経営計画2025」を策定いたしました。プラント解体のパイオニアとして、次の諸施策を推進することで、社会的サステナビリティへの貢献と利益ある成長の両立に努めてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、社会経済活動に与える影響については2022年にも影響が残ると仮定しておりますが、当社に与える影響は軽微であるとの想定のもと、戦略を立案しております。

 

 

 

ストラテジー1.技術特許戦略

 

 

革新的な解体技術の提供により地球環境に貢献します

 

 

 

 

 

・特許工法

 

競争力のある特許工法による解体方法を提案し、実用化に繋げていきます。

・リンゴ皮むき工法

 

工期・コスト・安全性に優れ、競合優位性の高い工法として確立しています。

 

・ロボット工法

 

溶断ロボット「りんご☆スター」を進化させるとともに、新たなロボットを開発します。

 

・環境関連工法

 

火気を使用しない「無火気工法」により、数々の工事実績を重ねております。

 

 

各種プラント設備においては、有害物質を取り扱うため、土壌汚染が課題となっております。当社では、関係法令の改正にも対応し、工事を施工しております。

・風車解体工法

 

発電用風車の市場は世界的に年間20%程度で成長しております。一方で使用期限や経済的陳腐化により解体需要が予想されます。

 

・3D事業

 

建設時(30年以上前)の紙データを最新鋭の3Dデータに変換することにより、工程が「視える化」された解体工事を提供してまいります。

 

・クレーンレール検査ロボット

 

プラント・工場等に設置され重量物や部品の運搬に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し点検を行うロボットを株式会社イクシスと共同開発しました。

 

 

ストラテジー2.販売戦略

 

 

営業体制を再構築し、元請工事や公共工事の比率を高め、収益体質向上を図ります

 

 

 

 

 

・元請案件、

 公共工事の受注拡大

 

直接受注を増やし、元請工事、公共工事の比率を高めることで、収益率の向上を目指します。(営業活動強化・有資格者増強[資格手当新設])

 

・広告宣伝の強化

 

当社の企業価値(ブランド力)向上させるため、各種メディア等に効果的な広告媒体を充実させ、コーポレートブランディングを図ってまいります。

 

・グループ企業との

 連携強化

 

グループ間の連携を強化し、グループ営業として当社のサービスを提供することで事業シナジーを追求してまいります。

 

・協業先企業との連携強化

 

当社がプラットフォームとなり、各社が互いの強みを活かした提携を進めることで、原発廃止措置関連ビジネスのための仕組みを作ります。

 

・TREホールディングス 

 株式会社との連携強化

 

動脈産業(電力・製鉄・石油化学等)と静脈産業(スクラップ・産業廃棄物等)の接点としての役割を果たします。

 

・新しい拠点の設置

 

ストック型(顧客からの継続的な受注案件、同一構内常駐工事・リンゴ皮むき工法・PCB処理工事等)の受注拡大のため、九州、鹿嶋等の工業地帯への新たな事業拠点の設置を検討してまいります。

 

 

ストラテジー3.施工管理体制の強化

 

 

 

ヒト・モノ・カネ・情報の各方面で管理体制を構築し、安定的で効率のよい施工を可能とします

 

 

 

 

 

・調達室システムの構築

 

機動的な管理を行うため、各現場にて工事の外注等を行っておりましたが、会社規模の拡大に伴い、工事の外注等を一括して行うことで調達コストの最適化を行うシステムを強化してまいります。

・人材育成システムの構築

 

慢性的な人手不足に対応するために以下の施策を実施し、当社の成長の根幹となる人員数の増加および早期戦力化を図ってまいります。[「高度解体技術者 育成プログラム」確立]

 

・協力会社との連携強化

 

実際の解体工事は、外注先である協力会社が行い、当社は主に現場の監督・施工管理を行っております。協力会社は当社の工事の根幹を担う技術者集団であり、連携を強化することで工事品質の向上を図ってまいります。

・M&A等による重要技術の内製化

 

当社の工事の根幹を担う技術を有する企業に対しては、M&A等による当社グループへの参画を呼びかけ、高度な技術を内製化してまいります。

 

 

 

ストラテジー4.デジタルトランスフォーメーション

 

 

DX戦略を推進し、施工管理等に変革を起こし、競争優位を確立します

 

 

 

 

 

・クレーンレール検査ロボット、検査手法の変革

 

プラント・工場設備に設置され重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し検査を行うロボットを株式会社イクシスと共同開発しました。

・設計・施工業務の変革

 

建設時(30年以上前)の紙データを最新鋭の3Dデータに変換することにより、工程が「視える化」された解体工事を提供してまいります。

 

・人とロボットの協働による建設現場の効率化

 

3D計測技術と解体技術をロボットの制御技術と組み合わせ、人とロボットの協働施工を建設現場へ導入することを目指します。

 

 

ストラテジー5.マネジメント戦略

 

 

戦略をもってプラント解体ビジネスの未来を照らします

 

 

 

 

 

・環境

 

当社の環境経営を実現するとともに、環境負荷の高いプラント設備の再編に高度な解体技術を提供することで、お客様の環境経営にも貢献してまいります。

・安心して働ける

 仕組みづくり

 

社員が安心して長く働ける環境のための様々な制度を導入しております。社員の定着率向上を図るとともに、採用活動にも役立ててまいります。

 [所得補償保険、持株会助成、特別な有給、退職金制度]

 

・ガバナンス

 

当社の利益ある成長および持続可能な社会の実現を両立させる体制を実現させるため、様々なガバナンス上の重要テーマを充足させてまいります。

 

 

 

[当連結会計年度に行った新たな試み]

 

 

 ・新株予約権による資金調達

2021年2月に発行した第9回新株予約権の一部行使が行われ549百万円の資金調達となりました。なお、資本金は279百万円増加し696百万円となりました。(2022年1月31日現在)

 ・新務所

関西以西の業務拡大により、西日本事務所が手狭となったため、事務所の拡充を予定しております。(2022年5月移転予定)また、九州事務所を設置いたしました。

 ・M&A

アスベスト工事に高い技術を有する株式会社矢澤の全株式を取得し連結子会社としました。

 

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および、発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

当社は、建設業法に基づき、東京都知事の特定建設業許可を受けております。当社は当該許可の要件の維持ならびに各法令の遵守に努めており、これらの免許の取り消し事由に該当する事実はありませんが、万が一法令違反等により当該許可の取り消し等、不測の事態が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、プラント解体事業は、建設業法のほか、関連法規として、建設リサイクル法、産業廃棄物処理法、労働安全衛生法、土壌汚染対策法、消防法、道路交通法等のさまざまな法的規制を受けております。

当社は、コンプライアンスの重要性を強く認識し、既存法規等の規制はもとより、規制の改廃、新たな法的規制が生じた場合も適切な対応が取れる体制の構築を推進してまいります。しかしながら、これらの法的規制へ抵触する等の問題が発生した場合、またはこれらの法的規制の改正により不測の事態が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

許認可等の名称

所管

許認可等の内容

有効期間

取消事由等

特定建設業許可

東京都知事

東京都知事許可

(特-1)第122946号

土木工事業

とび・土工工事業

建築工事業

鋼構造物工事業

塗装工事業

管工事業

解体工事業

機械器具設置工事業

2024年11月24日

1 許可要件を満たさなくなった場合

〔建設業法第7条、第15条〕

主なもの

経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること 等

2 欠格要件に該当した場合

〔建設業法第8条、第17条〕

主なもの

許可申請書またはその添付資料に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合 等

3 建設業許可の更新手続きを取らなかった場合

〔建設業法第3条第3項〕

 

 

(2) 労働災害について

当社のプラント解体工事の現場は、労働災害の防止や労働者の安全と健康の確保のため、労働安全衛生法等に則り労働安全衛生体制の整備、強化を推進しております。具体的には、社内に安全衛生協議会を設置し日常的な安全教育等の啓発活動を実施するほか、経営幹部や安全衛生専任者による安全パトロールの実施等、事故を未然に防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、万が一重大な労働災害が発生した場合は、当社の労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受け、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経済情勢等の急激な変化によるリスク

プラント解体事業は、各種プラントを有する施主の中長期的な事業計画の実行が、当社への受注と繋がっております。しかしながら、顧客先や当社の、コントロールの及ばない経済情勢等の経営環境の変化により、例えば日本経済の回復が急激に減速、または悪化した場合は、予定した設備投資が行われず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 設備投資動向と主要顧客への依存度について

当社は、製鉄・電力・ガス・石油等の大手企業を施主として安定した受注の確保に努めております。今後、高度成長期に建造されたプラントの老朽化に伴う解体工事が中長期的に増加すると見込まれておりますが、大手企業の設備投資動向によっては必ずしも当社が期待するような安定した受注を確保できる保証はありません。また、当社はJFEグループを始めとして、日本製鉄グループ、株式会社東京エネシス等を主要顧客としており、これら主要顧客に対する売上依存度は大型工事の有無によって年度毎に大きく変動しております。当社は、これら主要顧客との良好な関係を維持する一方、新規顧客の取引開拓を推進し、強固な営業基盤の形成を図ってまいります。しかしながら、主要顧客との関係の悪化や受注競争の激化等の何らかの状況変化によって営業基盤が損なわれた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 工期および工事原価に係るリスクについて

プラント解体事業は、対象設備の閉鎖対応、プラント施設全体の状況や有害物質等の調査、行政対応等を周到に事前準備し、施工計画、設備解体、産業廃棄物処理、完了検査等の工程を計画的にマネジメントしております。しかしながら、通常の建設工事とは異なり、例えば土壌汚染等の問題が判明すること等によって、解体工事の着工後に工期延長や追加工事の発生が起きる可能性があります。追加工事に伴う施工計画の変更や受注金額(工事原価)の見直しは、顧客(施主)および外注先との間で交渉しておりますが、施工計画の変更により例えば当社の強みとする特許工法やノウハウ等が使用できない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 工事進行基準の収益認識について

工事進行基準は、工事の進捗率に応じて収益を計上する方法であり、具体的には、見積総原価に対する発生原価の割合を持って完成工事高を計上しております。当社は、工事案件ごとに継続的に見積総原価や予定工事期間の見直しを実施する等適切な原価管理に取り組んでおります。しかしながら、それらの見直しが必要になった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、見積総原価が請負金額を上回ることとなった場合は、その時点で工事損失引当金を計上しております。

 

(7) 人材の確保と定着について

プラント解体工事の現場は、施工管理や安全管理のための主任技術者等の配置が必須であります。当社は、今後の業容拡大のために優秀な人材の採用および育成を重要な経営課題と認識しております。建設業界は今後、技術労働者の慢性的な不足が懸念されております。当社は、人材の採用および育成のノウハウを取得するため、自らが2013年1月より人材サービスに参入しております。しかしながら、必要な人材を当社の計画どおりに確保できなかった場合、また人材の流出が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産等について

当社は、プラント解体に関する工法特許を有し、さらに専用ロボットも開発する等、実用化しております。今後ともコスト・工期・安全性に優れた新工法の開発ならびに実用化に積極的に取り組む方針であります。当社は大型重機の保有や職人の雇用は直接行わず、特許工法等の知的財産を活用し、プラント解体工事の監督、施工管理に特化しており、また、主要な特許工法の第三者の使用を防ぐために、関連する周辺特許も取得し、他社からの参入障壁を設けております。これらの特許については、当社が長年のプラント解体工事を通じて得られた経験と、その期間に蓄積してきたノウハウやアイデアをもとに生み出されたものであります。しかしながら、第三者による新工法開発や特許権の期限到来後による新規参入や競合会社の追随に、当社が迅速かつ十分な対応ができなかった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害等について

地震、台風等の大規模な自然災害が発生した場合は、当社の自社保有資産の復旧や、工事現場の復旧等、多額の費用が発生する可能性があります。本社ビルは耐震診断を受け、自然災害等のリスク軽減を図っております。また、当社の主要事業であるプラント解体事業は社会インフラの設備も多く、不測の事態に対する安全体制には万全を期すよう、現場ごとにさまざまな対策を講じております。しかしながら、当社の予期し得ない大規模な自然災害等により、工事の進捗遅延等が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 完成工事高の季節変動について

当社グループの完成工事高は、顧客(施主)の設備投資計画に応じた季節性があり、完成工事高が第4四半期(11~1月)に計上される割合が高くなる傾向があります。従いまして、当社グループの完成工事高は四半期毎に大きく変動する傾向があります。

(単位:千円)

前連結会計年度

(自 2020年2月1日 至 2021年1月31日)

当連結会計年度

(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)

第1四半期(2~4月)

824,087

第1四半期(2~4月)

1,255,547

第2四半期(5~7月)

671,376

第2四半期(5~7月)

961,906

第3四半期(8~10月)

880,630

第3四半期(8~10月)

1,264,469

第4四半期(11~1月)

1,038,300

第4四半期(11~1月)

2,254,963

 

 

(11) 小規模組織であることについて

当社は、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 株式の希薄化に関するリスク

当社は、役員および従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合は、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。詳細につきましては「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。

 

(13) 新型コロナウイルスの感染拡大による影響について

当社は、プラントの解体を主な事業としており、事業内容の性質上、人が密集する等、一般的にコロナウイルスの影響を受けると考えられる事柄との関係性は低い事業であります。しかしながら、今後当社社員や現場にて感染者が発生、また、顧客先等の現場において大規模なクラスターが発生する等の理由により、工期に遅れが生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状態等に影響を与える可能性があります。

なお、当社ではこれらのリスクに対応するため、時差通勤等を推奨し、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度における経済の状況は、新型コロナウイルス感染症拡大による企業の経済活動、個人の消費活動の縮小により、企業収益や雇用環境は大幅に悪化しました。度重なる緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用に伴い、経済活動が抑制されるなど、不安定な状況が続いた一方で、その後の感染再拡大により、ワクチン接種が進み、行動制限が徐々に緩和される等、景気回復への期待感は高まりつつあります。

そのような状況のなか、当社グループの属するプラント解体業界においては、社会インフラに対しての解体工事の提供を主としておりますが、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、様々な産業において産業構造の見直しやリストラクチャリングの動向は続いており、余剰設備の解体需要は減退することなく推移しております。しかしながら、労務費の上昇、資材価格の高騰の流れは止まっておらず、楽観を許さない状況が続いております。

当社においては、特定の工事現場において新型コロナウイルス感染症の感染が発見されるケースはあるものの、工事中断や大幅な工期遅延はなく、また、工事に携わる人員の感染対策・感染時の早期封じ込めを最大限に実施したうえで工事を施工しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業活動への影響は一定程度あると認識しており、着工前の工事につきましては、受注・計画から着工に至るまでの段階で、業務に支障が生じ工事着工が後ろ倒しになるケースが発生しております。

このような状況のもと、当連結会計年度の業績につきましては、スクラップ相場の高騰や工事進行基準対象工事の順調な推移、新たにベステラグループに加わった株式会社矢澤との事業シナジーにより、売上高は5,966,882千円(前連結会計年度比62.0%増)となりました。また、利益面におきましても、スクラップ相場の高騰による利益の押し上げや販売費及び一般管理費の抑制に努めた結果、営業利益は607,908千円(同388.3%増)となりました。なお、リバーホールディングス株式会社の持分法適用関連会社化に伴う持分法投資損益を201,312千円計上した一方、リバーホールディングス株式会社が株式会社タケエイと共同株式移転を行い、新たに設立されたTREホールディングス株式会社の子会社となったことに伴い、リバーホールディングス株式会社の企業結合における交換利益を1,275,449千円計上した結果、経常利益は840,423千円(同294.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,467,993千円(同929.7%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

プラント解体事業

プラント解体事業は、大型現場のスクラップ相場の高騰による売上高の拡大や工事進行基準対象工事の施工が順調に推移した結果、完成工事高は5,736,886千円(同68.0%増)となりました。

その他

その他は、主に人材サービス事業で構成されております。人材サービス事業については、当社グループ内において事業の再編中であり、営業商圏の見直しや人的リソースの効率化等を図っておりますが、再編による効果が得られるまで一定の時間を要すると想定しております。これらの結果、兼業事業売上高は229,996千円(同14.3%減)となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ755,109千円増加し、2,122,236千円となりました。その内訳は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は537,849千円(前年同期は108,653千円の使用)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益2,115,873千円の計上、仕入債務の増加256,246千円、売上債権の増加506,478千円および株式交換差益1,275,449千円、持分法による投資損益201,312千円の計上による減少があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は32,785千円(同101,058千円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出37,916千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は250,046千円(同638,160千円の獲得)となりました。これは主に株式の発行による収入549,851千円、長期借入金の返済による支出250,259千円、配当金の支払額132,283千円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a 受注実績

項目

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

前期繰越工事高

2,545,412

143.1

当期受注工事高

4,785,596

△2.6

当期完成工事高

5,736,886

68.0

次期繰越工事高

1,594,122

△37.4

 

(注) 1 受注工事高には有価物売却予想額を含んでおります。

2 前連結会計年度以前に受注したもので、契約の変更による請負金額の増減および有価物の売却価格の変動等による増減があったものについては、その増減額は当期受注工事高に含んでおります。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

プラント解体事業

5,736,886

68.0

その他

229,996

△14.3

合計

5,966,882

62.0

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他の金額は人材サービス等の売上高であり、「連結損益計算書」上は兼業事業売上高で表示しております。

3 最近2連結会計年度における販売実績の主な相手先別の内訳は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三井化学株式会社

206,007

5.6

745,904

12.5

JFEプラントエンジ株式会社

966,754

26.3

689,599

11.6

 

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a 経営成績等
(a) 財政状態

(流動資産)
 当連結会計年度末における流動資産の残高は4,561,517千円となり、前連結会計年度末に比べ1,613,355千円の増加となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等が820,290千円、現金及び預金が755,109千円増加したこと等が要因であります。

(固定資産)
 当連結会計年度末における固定資産の残高は4,458,689千円となり、前連結会計年度末に比べ1,376,088千円の増加となりました。これは主に当社の関係会社であったリバーホールディングス株式会社が株式会社タケエイと共同株式移転を行い、新たに設立されたTREホールディングス株式会社の子会社となったことに伴い株式交換が行われ、投資有価証券が3,697,770千円増加し、関係会社株式が2,527,765千円減少したこと等が要因であります。
 (流動負債)
 当連結会計年度末における流動負債の残高は2,181,632千円となり、前連結会計年度末に比べ1,087,494千円の増加となりました。これは主に工事未払金等が641,294千円、未払金等のその他が217,645千円、未払法人税等が203,795千円増加したこと等が要因であります。
(固定負債)
 当連結会計年度末における固定負債の残高は2,483,888千円となり、前連結会計年度末に比べ142,583千円の増加となりました。これは主に繰延税金負債が278,883千円増加した一方、長期借入金が150,705千円減少したこと等が要因であります。
(純資産)
 当連結会計年度末における純資産の残高は4,354,685千円となり、前連結会計年度末に比べ1,759,366千円の増加となりました。これは主に利益剰余金が1,335,593千円、資本金が278,952千円、資本剰余金が278,952千円増加した一方、その他有価証券評価差額金が150,565千円減少したこと等が要因であります。

 

(b) 経営成績

(売上高)

売上高は、主にプラント解体事業において、大型現場のスクラップ相場の高騰による売上高の拡大、工事進行基準対象工事の順調な施工、化学メーカーを中心として新規顧客の開拓など積極的な営業を行い「中期経営計画2025」で掲げる元請工事の受注拡大に取り組んだこと、新たにベステラグループに加わった株式会社矢澤との事業シナジーなどの要因により、5,966,882千円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は、工事監督員の増員、コロナ禍における従業員の奮闘に報いる特別賞与の支給などにより、4,609,681千円となりました。

販売費及び一般管理費は、工事監督員以外の設計・サポート業務の人員や、本社間接部門の人件費の増加、研究開発費の増加などにより、749,292千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税264,064千円、法人税等調整額384,080千円の計上などにより、1,467,993千円となりました。

 

 

(c) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える主な要因として、当社グループを取り巻く事業環境があります。

当社グループの事業が関係するプラント解体分野については、高度経済成長期に建造された設備が、物理的な老朽化に加え、経済的陳腐化等の理由により解体、更新時期をむかえるものと推測されます。また、グローバルな産業競争力強化のため、企業の再編、海外移転等リストラクチャリングが増加するものと推測されます。

このような状況のもと、当社グループは、効率的な設備への見直しが進む電力業界を筆頭に、旺盛なプラント解体需要の取り込みに注力する一方、今後業界の再編が進むことが予想される静脈産業を中心とした高度循環型社会構築に向け、M&A等の提携強化を検討しております。また、M&A等の戦略的事業投資に加え、新たな工法に関する研究開発、採用活動および安心して働ける仕組みづくり、効率的な業務管理を実現するシステム導入等の成長投資を積極的に行う方針であります。

当社は、プラント解体分野のリーディングカンパニーとして、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目標に掲げ、社会的サステナビリティへの貢献と利益ある成長の両立に努めてまいります。

 

c 資本の財源および資金の流動性

(a) 財務戦略の基本的な考え方

当社グループは、当社の強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、手元流動性の低下や財務柔軟性の低下のリスクに備えるため自己資本の拡充を進め、事業成長のための財務基盤の強化を推進しております。

 

(b) 経営資源の配分に関する考え方

当社グループは、主たる事業であるプラント解体事業について、当社より協力会社に対する支払サイトは約35日であるのに対し、当社客先の入金サイトは約105日となっており、約70日の差があるため、適正な手許現預金の水準については、売上高の約2か月分を安定的な経営に必要な手許現預金水準とし、それを超える分については、M&A投資資金等の事業戦略に配分する方針としております。

なお、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞について、当社グループに及ぼす影響については、限定的であると認識しており、特別な措置を講じる予定はありません。

 

(c) 資金需要の主な内容

当社グループの事業活動における資金需要については、今後の事業戦略として、企業価値の向上に資するM&A投資に活用する予定ですが、こうしたM&A投資を進めるとともに、今後のさらなる事業成長を目的としたシステム投資や最先端技術である3D技術等を活用した「3D解体」の解体技術開発並びに、3D事業価値の追求のためのロボット開発、また、直接受注(元請受注)増加のためのマーケティング費用等に活用する予定であります。

なお、今後の具体的な資金の使途については、以下を予定しております。

 高度循環型社会構築に向けた、以下の重点分野を中心としたM&A投資資金

①脱炭素化に向けた設備の廃止措置に向けた分野

②風力発電設備の解体に関連する分野

③3D事業価値追求のためのデジタル関連分野

④解体施工技術の高度化を目的とした専門工事分野

 

 

(d) 資金調達

 当社グループは、電力、製鉄、石油精製、石油化学などの大規模なプラント設備の解体工事を主たる事業とし、持続可能社会の実現(SDGs)に向けた高度循環型社会構築に向けて当社独自のESG経営を推進しております。当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、当社グループが保有する電子記録債権を資金化するコストおよび金融機関からの短期借入金の調達コストを比較衡量し、内部資金の活用もしくは金融機関からの借入による資金調達を行う方針となっております。

また、2021年1月期において「中期経営計画2025」の達成に向けて、成長資金の確保と財務基盤の強化のため、ハヤテインベストメント株式会社と協力し、企業が機関投資家から直接に資金提供を受ける「真の直接金融」を実施し、2022年1月期においても資金調達を継続して行っております。この資金により、M&A・成長投資を加速し、一層の事業拡大、収益の向上及び財務体質の強化を図ることが可能となり、結果として当社の中長期的な収益向上及び企業価値向上に寄与するものと考えております。

当社グループの資金の流動性については、十分な余剰資金に加え、国内金融機関において合計40億円の当座借越枠を設定しており、当社グループの資金の流動性の補完にも対応が可能となっております。

 

d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(2022年1月期)の目標数値と2022年1月期の実績および2023年1月期の計画

 

2022年1月

計画

2022年1月

実績

2023年1月期

計画

売上高(千円)

5,600,000

5,966,882

6,700,000

営業利益(千円)

450,000

607,908

620,000

営業利益率(%)

8.0

10.2

9.3

1株当たり

当期純利益金額

43.76

174.54

54.40

 

2022年1月期は、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、営業利益、1株当たり当期純利益金額を重要な経営指標として事業活動を行ってまいりました。「中期経営計画2025」の初年度となる2022年1月期の計画は連結業績において売上高5,600,000千円以上、営業利益450,000千円以上、1株当たり当期純利益金額43.76円以上の目標を掲げておりましたが、2022年1月期の実績においては、売上高は5,966,882千円、営業利益607,908千円、1株当たり当期純利益金額174.54円と計画を大幅に上回る結果となりました。

これは主に、プラント解体事業において、化学メーカーを中心として新規顧客の開拓など積極的な営業を行い、「中期経営計画2025」で掲げる元請工事の受注拡大に取り組んだこと、新たにベステラグループに加わった株式会社矢澤との事業シナジーにより収益基盤が拡大したこと、進行基準適用工事の工事進捗が順調に推移したこと、スクラップ相場が高水準で推移し当社の特定の工事において売上高・売上総利益の上昇の後押しとなったことなどの要因により、売上高および営業利益にて大幅な増益となりました。また、リバーホールディングス株式会社の持分法適用関連会社化に伴う持分法投資損益を201,312千円計上したこと、リバーホールディングス株式会社が株式会社タケエイと共同株式移転を行い、新たに設立されたTREホールディングス株式会社の子会社となったことに伴い、リバーホールディングス株式会社の企業結合における交換利益を1,275,449千円計上したことなどにより経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益においても大幅な増益となりました。これらの結果により、営業利益率、1株あたり当期純利益(EPS)についても、大幅な達成となっております。

なお、「中期経営計画2025」の2年目となる2023年1月期において、数値目標については、売上高6,700,000千円以上、営業利益620,000千円以上、1株当たり当期純利益金額54.40円としております。

 

 

 

e 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(工事進行基準による収益認識)

当社グループは、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準を適用して収益認識しております。工事進行基準の適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額および当連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益認識の基礎となる工事原価総額は、工事契約毎の実行予算を使用して見積りを行っておりますが、当該実行予算の策定にあたっては、工事完成までに必要な作業内容および工数の見積りに不確実性を伴うため、将来の経済状況の変動等により見直しが必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響につきましては、現時点では収束時期が見通せない状況にあり、先行き不透明な時期が継続するものと予想されますが、当社グループに与える影響は、現時点では軽微であると判断し、繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損の判断等の会計上の見積りを行っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年12月10日開催の取締役会決議に基づき、株式会社矢澤の株式を取得する株式譲渡契約を同日付で締結し、2021年12月20日付で同社の普通株式の全て(発行済株式数の100.0%)を取得いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における各事業部門の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。なお、研究開発費の総額は13,910千円となっております。

当連結会計年度の研究開発費は、当社のプラント解体事業における脱炭素解体の取り組みとして、風力発電設備の解体工法の実証実験を行った費用であります。