第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策および日銀の金融緩和策を背景に、企業収益および雇用・所得環境の改善もあり、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。

 当社の属する衣料品販売業界におきましては、実店舗販売は台風の相次ぐ襲来など気候には恵まれませんでしたが、インターネットを通じた販売は引き続き伸長いたしました。

 このような状況のもとで、当社は、前事業年度より引き続き、商品力強化、優良な仕入先の確保、戦略的な店舗展開、人材の確保と育成等に取り組んでまいりました。

 また、9月よりSTUDIOUS業態の派生業態「STUDIOUS CITY」を業態として独立させ、「スーパーファブリックブランド『CITY』業態とし、MD、コンセプト等刷新してまいりました。

 STUDIOUS業態におきましては、初の海外店舗となる「STUDIOUS 香港店」と、大阪・なんばパークス内に、「STUDIOUS MENS なんば店」及び「STUDIOUS WOMENS なんば店」、名古屋パルコ内に「STUDIOUS PLUS 名古屋店」及び「STUDIOUS WOMENS 名古屋店」、福岡パルコ内に「STUDIOUS WOMENS 福岡店」を出店しました。EC店舗では、DtoC(注)戦略の一環として、高原価率かつEC専売のオリジナル商品を取り扱う「SOCIAL WEAR」をZOZOTOWNに出店しました。加えて、取引先であるアパレルブランドのEC店舗を運営開始し、当事業年度に4店舗を出店しました。また、神南店舗の1階に所在した「STUDIOUS WOMENS神南店」を閉店し、主に20代向けの品揃えを擁した店舗「STUDIOUS 神南店」を1階に開店しました。なお、神南店舗の2階は既存の「STUDIOUS TOKYO 神南店」として営業を継続しております。一方で、ルミネマン渋谷の閉館に伴い、「STUDIOUS 渋谷店」を閉店し、業績不振に伴い、「STUDIOUS TOKYO 梅田店」を閉店しました。また、香港出店に伴い、マーケティングが終了したため「STUDIOUS GLOBAL ONLINE STORE」を休止しました。

 UNITED TOKYO業態におきましては、初の海外店舗となる「UNITED TOKYO 香港店」と、「UNITED TOKYO 横浜店」、「UNITED TOKYO 丸の内店」、「UNITED TOKYO 二子玉川店」がオープンいたしました。

 この結果、当事業年度末における店舗数は、STUDIOUS業態が32店舗(うち、EC店舗が8店舗)、UNITED TOKYO業態が14店舗(うち、EC店舗が2店舗)、CITY業態が4店舗(うち、EC店舗が1店舗)となりました。

 以上により、当事業年度の業績は、売上高12,781,850千円(前年同期比36.6%増)、営業利益1,574,575千円(同22.0%増)、経常利益1,577,296千円(同24.6%増)、当期純利益1,126,278千円(同31.5%増)となりました。

(注)DtoC(Direct to Consumer)とは、生産した商品をEC等により直接、消費者へ届けるビジネスモデルのことをいいます。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,485,342千円増加し、当事業年度末には4,035,533千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は660,000千円(前年同期比51.8%減)となりました。

 収入の主な内訳は、税引前当期純利益1,577,406千円、減価償却費117,745千円、仕入債務の増加額105,236千円、未払費用の増加額105,875千円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額186,245千円、たな卸資産の増加額507,803千円、及び法人税等の支払額539,323千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は443,803千円(同29.8%増)となりました。

 これは、主に有形固定資産の取得による支出213,295千円、差入保証金の差入による支出58,711千円、関係会社株式の取得による支出99,605千円、及び関係会社貸付けによる支出54,162千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は1,269,145千円(同125.9%増)となりました。

 これは、主に長期借入による収入1,250,000千円、及び新株発行による収入272,238千円があった一方、長期借入金の返済による支出259,743千円があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)仕入実績

 当社は、衣料品販売事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年3月1日

  至 平成30年2月28日)

仕入高

前年同期比(%)

衣料品販売事業(千円)

6,726,680

145.0

合計(千円)

6,726,680

145.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当社は、衣料品販売事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年3月1日

  至 平成30年2月28日)

販売高

前年同期比(%)

 

衣料品販売事業

うち、実店舗販売(千円)

7,750,273

126.7

うち、インターネット販売(千円)

5,031,577

155.3

合計(千円)

12,781,850

136.6

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

     2.参考として販売経路ごとの内訳を記載しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「日本発ファッションスタイルを世界へ」を企業スローガンとして掲げ、企業理念「日本発ブランドを世界に発信するファッションカンパニーを創造するとともに、事業拡大を通じて、顧客、従業員、取引先、株主の幸せと夢を実現する」の達成に向けて行動しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社では目標とする経営指標を営業利益額と定め、持続的な成長と収益性の確保に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社で現在主たる店舗として展開している「STUDIOUS」業態に加え、グローバルコンテンポラリー業態として「UNITED TOKYO」業態を立ち上げ、収益化したように、今期開始するハイエンド・カジュアル新業態「PUBLIC TOKYO」をはじめとした、新たな業態開発を行い、より広いターゲット顧客層に対し、日本品質のクリエーションを提供することにより、より多くの人々に日本発ファッションスタイルを発信してまいります。また、平成29年に出店を行った「STUDIOUS 香港店」、「UNITED TOKYO 香港店」を皮切りに、海外市場の需要も取り込んでまいりたいと考えております。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社は下記の9点を今後の事業展開における、対処すべき特に重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。

 

①商品力の強化

 当社は、ファッション感度の高い顧客ニーズへの対応を図るため、引き続き日本国内の有望ブランドの開拓・獲得を推進するとともに、当社独自のピッカー制度(店舗主導の商品選定制度)によって、商品選択の精度向上とプロパー消化率(注)の向上を図ってまいります。

 なお、当社独自のオリジナル商品につきましても、引き続き日本発のスタイルに拘り、全アイテムを日本製にすることにより、高品質で付加価値の高い商品の開発及び他社との差別化を図ってまいります。

 (注)プロパー消化率とは、各シーズンの全商品のうち、定価で売れた商品の比率のことをいいます。

 

②優良な仕入先の確保

 当社のオリジナル商品は、全て日本国内の仕入先より調達しておりますが、当社の業容拡大により、既存の仕入先では当社の注文を受けきれなくなることが考えられるため、質・量・価格ともに当社の事業規模拡大に対応できる仕入先を開拓することが課題であります。このため当社では、事業本部長及び商品部門の従業員が、産地に出向いての調査など、新たな仕入先の確保に、積極的に取り組んでおります。

 

戦略的な店舗展開

 当社は、出店候補地について商圏規模、立地条件並びに賃料形態といった要素から店舗採算を総合的に勘案して決定しておりますが、中でも立地条件によって店舗収益が左右されることから、これを出店戦略上の最重要要素として認識しております。今後も集客力を有する大都市圏を中心に出店を進めていく方針でありますが、引き続き国内主要都市の優良デベロッパーとの関係強化及び物件・テナント情報の収集を継続し、有望な出店場所の確保に注力してまいります。

 

④大型店舗の運営力強化

 既存店の中でも比較的小規模な店舗においては、スペースの制約から商品ラインナップが限定され、来店客の多様なニーズに必ずしも応えきれておりません。このため、当社では店舗の大型化を推進し、幅広く商品展開することで、販売の機会ロスを減少させたいと考えております。しかしながら、大型店舗にはより多くの設備投資、在庫の保持が必要であり、運営の成否によっては多額の損失が発生する可能性もあります。

 大型店の運営力強化のために、取扱ブランド・アイテム数の拡充、在庫投入のタイミング・数量の適正化、店舗オペレーション手法の工夫、管理体制の整備等の施策を、引き続き推進してまいります。

 

人材の確保と育成

 衣料品販売事業においては、高単価のブランド商品を販売する場合、商品知識及び顧客ニーズを的確に捉えた提案能力が必要であります。スタッフの育成には、一定の教育期間を要するため、今後の店舗展開を踏まえて人材採用・育成を推進し、サービスの向上に努めてまいります。

 人事政策につきましては、実力主義・結果主義に基づいた、公正な人事評価制度の構築、インセンティブ制度の拡充により、従業員のモチベーション向上を図るとともに、研修制度の拡大を行う方針であります。

 また、新卒採用につきましても、数・質ともに、引き続き強化を進めてまいります。人材獲得競争が激化するなか、採用説明会に加えて、インターンシップ制度等施策を通じ、当社の魅力を十分に伝え、優秀な人材の確保に努めてまいります。また、海外顧客への対応と、海外赴任人員育成のため、留学生を中心としたマルチリンガル人材の採用にも、注力してまいります。

 

⑥既存業態の規模拡大

 創業来手がけているSTUDIOUS業態と、平成27年3月にスタートしたUNITED TOKYO業態、平成29年9月にSTUDIOUS業態より独立したCITY業態は、これまでも当社の成長の大きな源泉として、高い成長を維持しております。平成30年2月期以降も業容を拡大させるべく、引き続き、確度の高い商品投入計画の策定、出店地の吟味、取扱商品の綿密な企画、原価やプロパー消化率のコントロール、優秀な人材資源の投入を行ってまいります。

⑦インターネット販売の強化

 当社のインターネット経由の売上の、平成30年2月期における割合は全体の約39.4%と、同業他社と比べて高い水準にあります。オリジナル商品が全て日本製であるため、インターネットによる予約販売では迅速に商品を供給できることなどがインターネット販売比率の高さの一因であります。当社は引き続き、システムの見直しや人員配置の適正化、プレス活動の強化などに、尽力してまいります。また、当社は第10期より、取引先ブランドのZOZOTOWNショップ運営の受託を始めました。今後も当社が得意とするインターネット販売から最大限の収益を得るため、新たな手法も講じてまいります。

 

新業態の開発

 当社は、事業規模をさらに拡大するために、新たな業態を開発し、既存の業態では取り込めていない市場を確保していくことが重要であると考えております。特に、当社がこれまで取り組んでいない「カジュアル市場」は、多くの競合他社がひしめき合う、競争の激しい市場でありますが、その市場規模の大きさは大変魅力的なものであります。当社がこれまで培ってきた、「日本発ファッション・スタイル」をハイエンド・カジュアル業態にも適応させるべく、今秋より開始するための調査・準備を、慎重かつ積極的に進めてまいります。

 

⑨M&Aの検討と実施

 当社は、永続的に高い成長を実現するために、企業買収の検討を行っております。アパレル業界は消費低迷や消費者の審美眼の厳格化から、老舗ブランドや百貨店などを中心に、底の見えない不況に陥っています。一方で、販路のEC化の進展への対応や、既存の販売常識に囚われない店舗オペレーションによって、高収益をあげる企業も少なからず存在し、当社もそのうちの1つであると認識しております。当社の企業理念である、「アパレル業界の社会的地位向上」の実現のため、業界全体の活性化を図ることが重要であると考えております。1990年代から2000年代にかけて隆盛を極めた、「裏原系」とよばれるブランド群などの中には、EC店舗の売上拡大について、特に注力したい会社があると考えております。また、老舗企業の中には、本業の不振から、好調なブランドを手がける子会社を手放す場合があると考えております。このような企業に対し、当社の強みを発揮しその価値を高めることができるケースが少なからず存在すると、当社は考えております。このため、当社は積極的にM&Aの案件を発掘し、収益性を慎重に検討した上で、実施してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)マクロ経済の状況について

 経済環境の変化は、顧客の購買力を変化させ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外各国の景気動向や為替相場の変動等は、海外在住の顧客の購買力を変化させ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)消費者嗜好の変化について

 当社は、流行の影響を受けやすい、衣料品・服飾品を中心に商品展開を行っております。特に、当社は、日本国内の最先端TOKYOブランドに特化し、取扱う商品は全てが日本国内ブランド商品または日本国内で生産されたオリジナル商品としており、こうした品揃えを支持するファッション感度の比較的高い顧客層を主体としております。

 当社としては、今後も商品力の強化や新業態の展開等により、顧客の嗜好に応えると共に顧客層の拡大を図ってまいりますが、新規参入の企業による競合の影響等により、当社が顧客の嗜好に対応しきれない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)商品の品質について

 当社で取り扱う商品について、検品や商品管理の不備により、不適切な商品を販売してしまった場合、当社のブランドイメージが毀損する範囲は当社のみに留まらず、仕入先ブランドや入居する商業施設等多方面にわたります。これにより、お客様はじめ取引先への賠償や違約金の支払いが生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社のオリジナル商品は日本発のスタイルに拘り、全アイテムを日本製にすることで、他社に比べた品質の優位性を訴求しております。しかし、万一生産委託先において、生産国の虚偽表示があった場合、当社のブランドイメージを毀損し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)新規業態等について

 当社は、ターゲット顧客層の拡大を目的に、新業態の立ち上げや海外展開等の取り組みを進めてまいりますが、当初想定していた成果を上げることができない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害・事故等について

 当社の事業拠点の周辺において地震・火災等の自然災害やテロ・騒擾行為等の人災が発生した場合、営業活動上支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社の全店舗は大都市圏の駅前に立地しており、顧客の大部分は鉄道等公共交通機関を利用して来店します。このため、公共交通機関において、事故やストライキ、テロ等が発生し、来店客数が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 インターネット販売においては、回線障害等ブロードバンド環境や携帯端末を使ったインターネット接続環境が悪化もしくは中断された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)天候等について

 冷夏や暖冬、長梅雨、台風、大雪等、天候変化により、季節的商品の売れ行きが影響を受けた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)取引先について

 当社が売掛債権を有する取引先や、テナントとして出店している商業施設については、大手デベロッパーや大手クレジットカード会社等、信用力の高い企業がほとんどですが、万が一倒産その他の事由により売掛債権・保証金等が回収できなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入先につきましては、ブランドの事業方針や戦略等の見直し、経営状況や財務内容の悪化等により当社への商品供給の遅延、納入数量の減少または不能等が発生した場合には、営業活動上支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定の企業が運営する商業施設への出店集中等について

 当社はターミナル駅への出店戦略として、同一地域内でトップクラスの集客力を持つ商業施設に出店する方針としております。これに伴い、特定の企業が運営する商業施設への出店が集中しております。現時点においてこれに該当する店舗の集客力は高い状況ですが、今後、出店先を取り巻く環境の変化等により、集客力が変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、店舗物件で当社の出店条件に合致した物件がない等により、計画通りに出店できない場合には、計画通りの売上高が計上できない可能性があります。また、商業施設の集客力低下等の既存店舗立地環境の変化等により、収益性が低下して退店が必要となった場合には、計画通りの売上高が計上できないことに加えて、減損損失を計上する可能性があります。更に、今後の出店先の経営方針の変更により、当社が営業活動の方針変更を余儀なくされ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)特定の企業が運営するオンラインモールでの売上依存度について

 当社のインターネット販売売上の大部分が、特定の企業が運営するオンラインモールに出店した店舗の売上であります。現時点において、該当するオンラインモールの集客力は高い状況ですが、今後、出店先を取り巻く環境の変化等により、集客力が変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後の出店先の経営方針の変更により、当社が営業活動の方針変更を余儀なくされ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)人材について

 当社で手がける店舗では、独自のピッカー制度(店舗主導の商品選定制度)を導入しており、店舗スタッフの業務は単なる販売オペレーションに留まるものではありません。また、当社では付加価値の高い商品を取扱いに努めており、その為に必要な、商品知識及び顧客ニーズを的確に捉えた提案能力は、一朝一夕に体得できるものではありません。また、商品企画担当者、バイヤー等、専門的業務に従事する従業員も多く、加えて、従業員のメディア露出による販売促進活動も行っております。このように、当社にとっては人材は重要な経営資源であります。このため、人材市場の需給が引き締まった場合や、当社にとって重要な人材が外部に流出した場合に、業容拡大の計画や営業活動に支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)代表取締役CEO谷正人への依存の高さについて

 当社の創業者であり、代表取締役CEOである谷正人は、当社の事業展開の方向性の決定や、毎シーズンの商品構成の決定等、当社の意思決定過程において重要な役割を果たしています。このため、当社は組織的な意思決定システムの構築や、マネジメントを担い得る人材の育成により、谷個人への依存度を引き下げる努力を行っておりますが、谷が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)システムについて

 当社は事業運営において、POSシステム、インターネット販売システム、会計システム等各種システムを使用しております。これらが万一機能不全に陥った場合、事業活動に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)知的財産権について

 当社では国内外で商標権など知的財産権を所有しており、法令の定めに則って権利の保全に努めていますが、第三者による当社の権利の侵害により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発の阻害を招いた場合には、当社の経営成績もしくは財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社では第三者の知的財産権を侵害しないよう監視・管理を行っておりますが、万一第三者から損害賠償及び使用差し止め請求等が為され金銭の支払いが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)各種法令について

 当社事業を取り巻く、特定商取引に関する法律等諸法令や、消費税・法人税等各種租税について、今後変更があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社では法令遵守を徹底しておりますが、万一各種法令に違反する事象が起きた場合、当社のブランドイメージの毀損や損害賠償など多額の費用負担等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)情報管理について

 当社は営業活動上、個人情報を保有しております。個人情報漏洩防止の対策は万全を期しておりますが、万が一情報漏洩が起こった場合は、賠償責任の発生や信用失墜により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)小規模組織であることについて

 当社は、役員7名及び従業員数が160名(平成30年2月末現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社は今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)内部管理体制の強化について

 当社は、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。

 

(19)配当政策について

 当社は、各事業年度の業績、財務体質の強化、中長期事業戦略などを総合的に勘案し、株主価値を最大化させることを念頭に、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案の上、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。

 創業以来、当社の事業は拡大を続けており、引き続き、内部留保の充実を図りながら、事業拡大のための投資に資金を投じてまいりますことが、株主価値を最大化するものと考えております。このため、創業以来平成30年2月期まで無配としており、今後の配当等株主還元の実施につきましても、業容拡大のスピード及び財務体質等勘案の上、適切に決めてまいりたいと考えております。なお、内部留保につきましては、財務体質の強化、及び事業拡大資金として、有効に活用してまいります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。

 これら見積りや判断には不確実性が存在する為、見積った数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。

 なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 当事業年度における資産合計は前事業年度末に比べて2,464,768千円増加し7,578,359千円となりました。これは、主として現預金が1,485,342千円、売掛金が186,245千円、及び商品が508,149千円増加したことによるものです。

② 負債

 当事業年度における負債合計は前事業年度末に比べて1,059,712千円増加し3,491,654千円となりました。これは、主として買掛金が105,236千円、1年内返済予定の長期借入金が350,020千円、未払費用が105,875千円、長期借入金が640,237千円増加したことによるものです。

③ 純資産

 純資産は前事業年度末に比べて1,405,056千円増加し4,086,705千円となりました。これは、主として当期純利益1,126,278千円を計上したことによるものです。

 

(3)経営成績の分析

 経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社は、衣料品販売事業をコアに事業展開しております。従いまして、個人消費の動向や、各商圏の競合動向等は利益を左右する重要な要因となります。

 そのような動向を注視しつつ、当社は代表取締役CEOが社員全員出席の会議にて、直接売上目標や行動指針、経営戦略等のヴィジョンを発表し、総合的な事業目標を周知しております。これを受けて、各店舗・部門においては各々の独自性を活かし、個別に創意工夫をしながら営業活動を行っております。また、経済産業省「平成28年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、インターネット小売業界の市場規模は15.1兆円で、そのうち、「衣類・服装雑貨等」の市場規模は1.5兆円となっており、今後も高い成長が続くと見込んでおります。当社は、アパレル業界におけるEC化の先駆者であり、この恩恵を最大化すべく、引き続き、たゆまぬ努力を続けてまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営陣は、現在の事業環境並びに入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めております。また、当社が最も重要な経営資源と考える人材については、出店計画に応じて綿密に人員計画を策定することで採用活動を適時に行うほか、教育研修制度を充実させることで必要な人材の確保に努める方針です。