第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の状況

 当中間連結会計期間において、当社は国内外における不透明な経済環境の中でも、高い成長力と収益性をもって業績を拡大いたしました。

 

 国内経済はインバウンド需要の回復に加え、個人消費も緩やかな回復基調を維持する一方、原材料価格の高止まりや為替変動など依然として企業を取り巻くリスク要因は多い状況です。

 

 海外に目を向けると、中国本土の個人消費は限定的であるものの、当社の出店都市においては堅調な需要を捉え、再成長戦略が順調に進展しております。加えて、香港・韓国においても、計画や昨年を上回る成長を遂げており、海外戦略は新たなフェーズへと突入しております。

 

 こうした経営環境下において、当社は企業理念である「日本発を世界へ」のもと、2024年3月に公表した中期経営計画(2028年1月期を最終年度)に基づき、①人材・組織の強化、②実店舗の強化、③EC事業の強化、④商品力の強化、⑤海外事業の強化、⑥M&Aの推進という6つの重点施策を軸に事業を展開しております。当中間連結会計期間は、商品政策・販路戦略・収益構造のすべての軸で成果が表れた中間期となりました。

 

(売上高)

 当中間連結会計期間における売上高は、10,293,142千円(前年同期比+13.0%)、既存店前期比は109.5%で、対前年増収となりました。以下5点が増収の要因と分析しております。①国内実店舗でのインバウンド売上の継続伸長、②商品構成(MD)体制を4シーズン(春・夏・秋・冬)から5シーズン(春・夏・盛夏・秋・冬)に見直した事による中間期の気候に合った商品の投入、③新業態開発により新業態にて実店舗7店舗の増加、④好調な香港事業、⑤中国事業においても前期までに不採算店舗を撤退したことで既存店へのリソースの集中化による既存店売上の増加。

 

(国内)

 業態別の前年同期比は、STUDIOUS+3.8%、UNITED TOKYO+20.4%、CITY TOKYO+14.1%、THE TOKYO+12.5%と増収となっております。PUBLIC TOKYOは契約満期にて前期から2店舗減少した事で△2.8%となりましたが、既存店前年同期比は+22.9%となっております。

 全業態ともに好調に推移しておりますが、CITY TOKYOが既存店前期比+27.6%、PUBLIC TOKYOが前述の通り+22.9%、UNITED TOKYO+17.6%と、自社ブランド業態が大きく成長しております。

 販路別では、実店舗売上高7,924,584千円(前年同期比+22.1%)と、当期戦略としての出店強化の成果が出ております。路面店はインバウンド需要を取り込むことができ、前年同期比+74.0%と伸長しました。EC事業においても、前期構造改革による売上高の減少が一巡した当期においては、売上高1,605,130千円(前年同期比+7.7%)と増加に転じております。そのうち、構造改革にて戦略的に注力してきた自社ECにおいては、売上高596,855千円(前年同期比+20.5%)と成果が出ており、収益性と成長性の両立を実現できております。

 

(海外)

 中国事業において、前期までに不採算店舗の退店が完了し、当期スタート段階では一級都市(上海・北京・深圳・広州)の4都市6店舗まで縮小しております。人材や商品のリソースを集中させた結果、既存店売上は回復傾向にあります。この結果を受け、当期よりミドルリスク・ミドルリターン型の展開立地戦略にて、再成長戦略をスタートさせており、その新戦略1号店を3月に北京にオープンし、6月に上海にて新業態CONZの海外1号店を含む2店舗をオープンしております。これらのいずれの店舗も収益化できておりますので、一級都市での更なるドミナント展開で中国事業の再成長を着実に進めてまいります。

 

(売上総利益)

 当中間連結期間の売上総利益は5,559,071千円(前年同期比+15.6%)となり、売上総利益率は54.0%(前年同期比+1.2%)と大幅に改善いたしました。

 この改善は、前期に実施したEC構造改革および販売施策の質的転換により、値引きを抑制した構造が定着した事に加え、粗利率の高い自社ブランド事業UNITED TOKYOの売上高が伸長した事が要因となっております。

 当社は今後も、ブランドポートフォリオの最適化とプライシング戦略の高度化を通じて、持続的な利益成長を実現してまいります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は4,763,183千円(前年同期比+11.1%)となり、販管費率は46.3%(前年同期比△0.8%)となりました。将来の成長を見据えた新規出店に伴う地代家賃および人的リソースの確保による給料手当等が増加した一方で、前中間連結会計期間に比較して減価償却費や運賃等の費用支出が減少いたしました。

 

 これらの取り組みにより、営業利益は795,888千円(前年同期比+52%)と大幅に増加し、収益性と成長性を両立した力強い業績改善を実現しております。

 

 売上・粗利の成長により、営業利益は前年を上回って着地しております。当社は今後も、中長期的な成長ポテンシャルを見据えつつ、資本コストを上回る投資判断を継続し、収益力の強化と株主価値の最大化に取り組んでまいります。

 

(営業外損益、経常利益)

 営業外収益は前中間連結会計期間に比較して26,039千円減少し、13,377千円となりました。主な要因は為替差益の減少によるものです。

 

 営業外費用は前中間連結会計期間に比較して108,711千円増加し、125,944千円となりました。主な要因は為替差損の増加によるものです。当社では、為替リスクへの対応として為替予約を活用しており、グローバルキャッシュマネジメントを推進しております。為替変動の影響を適切にコントロールすることで、収益の安定性を高め、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。

 

 以上の結果、当中間連結会計期間における経常利益は683,321千円(前年同期比+25.2%)となりました。

 

(特別損益、税金等調整前中間純利益、親会社株主に帰属する中間純利益)

 特別利益は新株予約権戻入益が341千円、特別損失は固定資産除却損が1,239千円発生しております。

 

 以上の結果、税金等調整前中間純利益は682,423千円(前年同期比+35.9%)、親会社株主に帰属する中間純利益は463,203千円(前年同期比+80.5%)となりました。

 

 中間純利益の伸長は、当社が進めてきた構造改革と高収益体制の構築が着実に実を結び始めていることを示すものであり、当社の中長期的な成長ポテンシャルと株主還元力の強化を裏付ける結果と考えております。

 

 なお、当社の2025年1月期におけるROEは14.6%となり、通常の算定に基づく理論WACC(11.1%)を上回っております。さらに、国際的な金利水準を織り込み、より保守的な前提で算定した現実WACC(13.6%)との比較においても、依然としてプラスのスプレッドを維持しております。

 

 このように、当社は資本コスト(WACC)を上回る資本収益性(ROE)を持続的に確保しており、株主資本に対して経済的価値を安定的に創出し続けております。これは、東京証券取引所が提唱する「資本コストを意識した経営」への実践的な対応であり、企業価値向上に向けた確かな布石であると認識しております。今後も、資本効率のさらなる改善と株主価値の最大化に向け、継続的な取り組みを推進してまいります。

 

 ② 財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比較して1,346,815千円増加し、12,801,612千円となりました。これは主として、現金及び預金が1,233,613千円減少した一方で、商品が1,263,186千円、有形固定資産が833,427千円増加したことによるものです。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比較して958,077千円増加し、7,304,609千円となりました。これは主として、契約負債が10,795千円、長期借入金が81,233千円減少した一方で、1年内返予定の長期借入金が350,280千円、買掛金が262,710千円、長期リース債務が245,571千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比較して388,737千円増加し、5,497,002千円となりました。これは主として、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益により463,203千円、為替換算調整勘定が139,392千円増加したことによるものです。

 

(補足情報)

Ⅰ.業態別売上高                                 (単位:千円)

 

2026年1月期

中間

連結会計期間

(自2025年2月1日

 至2025年7月31日)

前年同期比

(増減率)

STUDIOUS

4,356,666

3.8%

UNITED TOKYO

2,807,032

20.4%

PUBLIC TOKYO

1,464,135

△2.8%

CITY TOKYO

405,532

14.1%

THE TOKYO

888,981

12.5%

CONZ

248,064

RITAN

89,407

GOOD EDITION

88,099

その他

△54,776

△20.8%

全社合計

10,293,142

13.0%

(注)「その他」は売上高に与える収益認識基準の影響額等となっております。

 

Ⅱ.業態別売上高既存店前年同期比

 

2026年1月期

中間

連結会計期間

(自2025年2月1日

 至2025年7月31日)

STUDIOUS

103.7%

UNITED TOKYO

117.6%

PUBLIC TOKYO

122.9%

CITY TOKYO

127.6%

THE TOKYO

87.9%

CONZ

RITAN

GOOD EDITION

全社合計

109.5%

 

 

Ⅲ.出退店及び店舗数

業態

2025年1月期

連結会計

年度末

2026年1月期

中間

連結会計期間

2026年1月期

中間連結会計

期間末

出店

退店

増減

(改装)

STUDIOUS

36

4

1

3

(1)

39

UNITED TOKYO

18

18

PUBLIC TOKYO

12

1

1

0

12

CITY TOKYO

6

1

△1

5

THE TOKYO

7

1

1

8

CONZ

4

2

2

6

RITAN

3

3

3

GOOD EDITION

2

2

2

全社合計

83

13

3

10

(1)

93

 2026年1月期中間連結会計期間における店舗展開については以下のとおりです。

 

■STUDIOUS業態

 「STUDIOUS TOKYO 表参道店」を出店

 「STUDIOUS MENS 北京三厘屯店」を出店

 「STUDIOUS MENS 丸の内店」を出店

 「STUDIOUS 上海富民路店」を出店

 「STUDIOUS 上海新天地店」を退店

 「STUDIOUS 上海太古里店」を改装

■PUBLIC TOKYO業態

 「PUBLIC TOKYO 香港店」を退店

 「PUBLIC TOKYO 香港 POP UP店」を出店

■CITY TOKYO業態

 「CITY TOKYO ZOZO店」を退店

■THE TOKYO業態

 「THE TOKYO銀座店」を出店

■CONZ業態

 「CONZ 上海富民路店」を出店

 「CONZ 南堀江店」を出店

■RITAN業態

 「RITAN 青山店」を出店

 「RITAN 新宿店」を出店

 「RITAN 自社EC店」を出店

■GOOD EDITION業態

 「GOOD EDITION 原宿店」を出店

 「GOOD EDITION 京都店」を出店

 

 この結果、2026年1月期中間連結会計期間末における店舗数は、STUDIOUS業態が39店舗(内、ECが3店舗)、UNITED TOKYO業態が18店舗(内、ECが2店舗)、PUBLIC TOKYO業態が12店舗(内、ECが2店舗)、CITY TOKYO業態が5店舗(内、ECが1店舗)、THE TOKYO業態が8店舗(内、ECが2店舗)、CONZ業態が6店舗(内、ECが2店舗)、RITAN業態が3店舗(内、ECが1店舗)、GOOD EDITION業態が2店舗、の合計93店舗となりました。

 なお、実店舗は全80店舗となり、国内69店舗、海外11店舗となりました。

 

(注)

1.連結子会社である東百国際貿易(上海)有限公司の中間決算期末は6月末であり、当社の中間決算期末(7月末)とは1ヶ月の差異がありますが、本資料における出退店および店舗数は、2025年7月31日時点の情報を記載しております。

2.非連結子会社であるTOKYO BASE NEW YORK,INC.のSTUDIOUS NEW YORK店は含めておりません。

3.非連結子会社であるTOKYO BASE KOREA CO.,LTD.のSTUDIOUS ソウル店は含めておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末から1,233,613千円減少し、2,435,681千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における営業活動の結果支出した資金は、185,034千円となりました。

 支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額1,291,061千円、収入の主な内訳は、税金等調整前中間純利益の計上682,423千円、減価償却費225,685千円、仕入債権の増加額472,459千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における投資活動の結果支出した資金は、962,159千円となりました。

 支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出504,159千円、差入保証金の差入による支出355,182千円、関係会社株式の取得による支出86,993千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における財務活動の結果支出した資金は、59,171千円となりました。

 支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,030,952千円、配当金の支払額216,753千円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入1,300,000千円であります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 

(7)従業員数

 当中間連結会計期間において、主として新卒採用及び期中採用による増加と退職による自然減との増減により、315人となりました。

 なお、従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数を含んでおりません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。