第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本第3四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当第3四半期連結累計期間開始日以降、本第3四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更及び追加があった事項は以下のとおりであり、変更箇所は下線で示しております。変更箇所の前後については記載を一部省略しております。

なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク

 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク

(1) 不正・不祥事に関するリスク

当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置づけ、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。

2018年度には従業員による郵便料金の収納に係る不適正事案や郵便物等の放棄・隠匿事案が発覚しており、このような事案を含め、不祥事等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、監督官庁からの行政上の処分等を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損するおそれもあります。かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、2019年度には保険商品販売に係る不適正募集により、当社、日本郵便及びかんぽ生命保険は、監督当局から業務停止命令等を受けており、2020年1月31日付で、業務改善計画を監督当局に提出しております。今後は、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとの進捗及び改善状況を報告することとなりますが、業務停止命令の遵守状況並びに業務改善計画の内容、進捗及び改善状況について、監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合には、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険契約者等から訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今回の行政処分に対し、日本郵便は複数の地方公共団体から入札参加停止等の通知を受けており、今後も同様の通知等を受けた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制及びその変更に関するリスク

(3) 個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク

(4) 訴訟その他法的手続に関するリスク

(2)~(4)は(本文略)

 

 3.事業運営に関するリスク

(1) 中期経営計画に関するリスク

当社グループは国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。

しかしながら、これらの施策については、本「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しており、また、将来においても、当社グループによる上記施策の実施を阻害するリスクが高まったり新たなリスクが生じたりする可能性もあります。当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。

また、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少していることに加えて、保険募集プロセスの品質事案等の影響で新契約の獲得が計画どおり進まない、または既存の契約の解約数が増加する可能性があり(保険募集プロセスの品質事案に関するリスクについては、下記「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク」をご参照ください。)、当該計画における目標を達成できない可能性があるほか、かかる場合、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。

加えて、2019年12月27日に日本郵便は総務大臣及び金融庁から、かんぽ生命保険は金融庁から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止(顧客からの自発的な意思表示を受けて行う保険募集及び保険契約の締結を除きます。その他、当局が契約者保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除きます。)することから、当該計画における目標の達成は、さらに困難であると認識しております。

さらに、金融2社が保有する有価証券の評価損の資本直入・減損損失や売却損の計上等により十分な配当可能額が確保できず、当該計画における配当目標を達成できない可能性もあります(有価証券の評価損に関しては、下記「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (3) 資産運用に関するリスク」をご参照ください。)。

なお、当社は将来的な国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 固定費負担に関するリスク

(3) 郵便局等に係る設備の老朽化に関するリスク

(4) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク

(5) 情報通信システムに関するリスク

(6) 人材の確保に関するリスク

(7) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収に伴うリスク

(8) 業務範囲の拡大等に伴うリスク

(2)~(8)は(本文略) 

 

4.財務に関するリスク

(2) 保有株式の減損損失に関するリスク

当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が著しく低下し、取得原価の水準にまで回復する可能性が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社及び当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより、当社の分配可能額に影響を及ぼし、会社法の規定により、当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。
 なお、当社の所有する金融2社株式の帳簿価額については、「Ⅷ.金融2社株式売却等に関するリスク  (6)金融2社株式の売却損失の発生に関するリスク」をご参照ください。

 

Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク

(1) 金融窓口業務のサービス品質に係るリスク

下記「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク」に記載のとおり、かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案が判明したことによって、当社グループに対するお客さま、その他のステークホルダーからの信用は大きく毀損されている状況にあります。当社グループにおいては、かかる事案に対処するため、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取組み等を実施することにより、保険募集プロセスの品質改善を通じて、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております。しかしながら、かかる信用が早期に回復しない場合、日本郵便によるかんぽ生命保険の保険商品の新契約の獲得や保有契約数の大幅な減少、提携金融機関からの受託業務の中止又は縮小により、日本郵便の金融窓口業務(提携金融サービスの受託を含む)が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(当該事案についての生命保険業に関するリスクについては、下記「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク」をご参照ください。)。

当社グループは、ご契約調査の結果判明したお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る個別事案について、お客さまのご意向確認等を行っていくとともに、日本郵便による金融商品の募集プロセスの品質改善に向けて更なる取組みを実施していくものの、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する可能性があり、その場合、上記の取組みによる効果を発揮させるための追加的な費用がかかる可能性があります。さらに、取組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が発生した場合には、当社グループの社会的信用及び業務運営に影響を及ぼす可能性があります。

上記事案の事実関係及び原因等の究明に関しては、2019年12月に当社、かんぽ生命保険及び日本郵便による調査、外部専門家のみで構成される特別調査委員会による調査の結果が公表されておりますが、更なる事実関係及び原因等の究明のため、かんぽ生命保険及び日本郵便によるご契約調査や、特別調査委員会による調査(特定事案調査及び全契約調査の検証・分析、これらに必要な範囲での特定事案等を受理した募集人に対する個別的調査、不適正募集問題に係る経営陣の認識等を含めた事実経緯などの調査)等が継続して行われており、これらの調査が遅れる等によって、事実関係及び原因等の徹底究明に想定より時間を要する可能性があります。また、今後、調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例、更には法令違反又は社内ルール違反の事例が追加で判明する等の場合には、日本郵便の社会的信用が更に毀損されることにより、業務運営に影響を及ぼす可能性があるほか、追加での調査やお客さまの不利益解消に向けた保険契約に関するお手続き(契約復元等)等が必要となる可能性があります。それらの結果、日本郵便が受領する窓口業務手数料等が更に減少し又は対策のための追加的な費用を要すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、2019年7月以降、郵便局からの一部商品を除く金融商品全般についての積極的な営業を控えていたことに加えて、2019年12月27日に日本郵便は総務大臣及び金融庁から、かんぽ生命保険は金融庁から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止することとなります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、日本郵便が、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険(以下「金融2社」といいます。)並びにその他の提携金融機関から受領する受託手数料が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する場合には、新契約の獲得なども引き続き進まないことにより、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便による積極的な営業を行えないことから、日本郵便の営業社員が報酬の低下等により離職する又はモチベーションを喪失すること、さらに新しい人材の確保に悪影響を及ぼすことにより、日本郵便で取り扱う金融商品の営業活動の円滑な再開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本郵便からお客さまに対する通常の提案が可能となったとしても、当社グループへの信頼の喪失等により、日本郵便が取り扱う金融商品の販売が回復しない場合には、日本郵便が受領する金融2社及びその他の提携金融機関からの受託手数料の減少により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

加えて、当社グループは、保険業法、銀行法、日本郵政株式会社法、日本郵便株式会社法及び郵政民営化法に基づき、金融庁及び総務省の監督に服しており、日本郵便は、2019年12月27日、総務大臣より日本郵便株式会社法第15条第2項に基づく業務停止命令及び業務改善命令、金融庁より保険業法第307条第1項及び第306条に基づく業務停止命令及び業務改善命令を受けました。当該処分を受けて、日本郵便は、2020年1月31日付で、業務改善計画を総務大臣及び金融庁に提出しております。今後は、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとの進捗及び改善状況を報告することとなりますが、業務停止命令の遵守状況並びに業務改善計画の内容、進捗及び改善状況について、監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合には、さらなる行政処分を受ける可能性があります。また、日本郵便が金融2社及びその他の提携金融機関から受託する金融商品の販売に関し、当社グループが契約者等から訴訟を提起された場合や、日本郵便とその他提携金融機関との間の業務受託が解消され、または更新がなされない等の理由により、日本郵便がかかる金融機関からの業務受託を継続できない場合等には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

※ 乗換:契約乗換の判定期間内(契約日の前3か月から後6か月)に既にご加入の契約を解約等し、新しい契約にご加入いただく形で保障内容を変更すること。

 

(2) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク

(3) 郵便物等の減少に関するリスク

(4) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク

(5) 国際物流事業に関するリスク

(6) 不動産事業に関するリスク

(2)~(6)は(本文略)
 

 

Ⅲ.銀行業に関するリスク

(1) 市場リスク

 ① 金利リスク

ゆうちょ銀行が保有する日本国債(2019年3月末日現在、58.3兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の27%)や外国証券(2019年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は62.4兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の29%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、さらに、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、市場金利の変動は、ゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、定額貯金(2019年3月末日現在、93.8兆円・総貯金額の51%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、2018年3月31日付で金融庁の「主要行等向けの総合的な監督指針(以下「監督指針」)」が改正されたことを受けて、ゆうちょ銀行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、当局による監督指針において定められた重要性テストの過程で用いられる手法に基づき、金利変動による資産・負債の経済価値の減少額(以下「ΔEVE」)を計測しております。2019年3月末日現在、ゆうちょ銀行のΔEVEの最大値は重要性テストにおける評価基準である自己資本の額の20%を超えております。ΔEVEで計測した金利リスクに対し、自己資本の余裕を十分に確保しているものと認識しておりますが、金融庁から深度ある対話を行う必要が認められる銀行と判断される場合には、対話を通じて共有された課題認識に基づき、原因への対応も含めて必要な改善対応を求められる可能性があります。

なお、重要性テストの適用については、監督指針において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(重要性テストに該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされております。

 

(6) 代理店を通じた営業に係るリスク

ゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しています。ゆうちょ銀行の店舗23,944店舗(2019年3月31日現在)のうち23,710店舗が代理店(郵便局)となっており、ゆうちょ銀行の貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。

従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

2019年7月に、当社グループは、かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わずに不利益が生じた可能性がある契約乗換等に係る事案が判明したことによって、2019年7月以降、郵便局からの一部商品を除く金融商品全般についての積極的な営業を控えております。また、当該事案を受け、2019年12月27日に、当社、日本郵便及びかんぽ生命保険は、保険業法等に基づく行政処分を受けております。今後、日本郵便からお客さまに対する通常の提案が可能となったとしても、当社グループへの信頼の喪失等により、日本郵便が取り扱うゆうちょ銀行の金融商品の販売が回復しない可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行が委託している投資信託の販売等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ.生命保険業に関するリスク

(1) 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク

当社グループは、かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案が判明したことによって、当社グループに対するお客さま、その他のステークホルダーからの信用は大きく毀損されている状況にあります。当社グループにおいては、かかる事案に対処するため、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取組み等を実施することにより、保険募集プロセスの品質改善を通じて、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております(当該事案に係るご契約調査及び改善に向けた取組みに関しては、下記「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 対処すべき課題」をご参照ください。)。

当社グループは、ご契約調査の結果判明したお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る個別事案について、お客さまのご意向確認等を行っていくとともに、保険募集プロセスの品質改善に向けて更なる取組みを実施していくものの、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する可能性があり、その場合、上記の取組みによる効果を発揮させるための追加的な費用がかかる可能性があります。さらに、取組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が発生した場合には、当社グループの社会的信用及び業務運営に影響を及ぼす可能性があります。

上記事案の事実関係及び原因等の究明に関しては、2019年12月に当社、かんぽ生命保険及び日本郵便による調査の結果及び外部専門家のみで構成される特別調査委員会による調査の結果が公表されておりますが、更なる事実関係及び原因等の究明のため、かんぽ生命保険及び日本郵便によるご契約調査や、特別調査委員会による調査(特定事案調査及び全契約調査の検証・分析、これらに必要な範囲での特定事案等を受理した募集人に対する個別的調査、不適正募集問題に係る経営陣の認識等を含めた事実経緯などの調査)等が継続して行われており、これらの調査が遅れる等によって、事実関係及び原因等の徹底究明に想定より時間を要する可能性があります。また、今後、調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例、更には法令違反又は社内ルール違反の事例が追加で判明する等の場合には、かんぽ生命保険及び日本郵便の社会的信用が更に毀損されることにより、業務運営に影響を及ぼす可能性があるほか、更に追加での調査やお客さまの不利益解消に向けた保険契約に関するお手続き(契約復元等)等が必要となる可能性があります。それらの結果、新契約の獲得が減少し、若しくは既存の契約の解約数が増加する、又は対策のための追加的な費用を要すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

かんぽ生命保険及び日本郵便は、2019年7月以降、郵便局及びかんぽ生命保険の支店からの積極的な商品のご提案を控えていたことに加えて、2019年12月27日に日本郵便は総務大臣及び金融庁から、かんぽ生命保険は金融庁から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止することとなります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する場合には、新契約の獲得も引き続き進まないことにより、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態並びに企業価値を表すEV(エンベディッド・バリュー)や財務健全性を表すESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)といった指標に影響を及ぼす可能性があります。また、かんぽ生命保険及び日本郵便による積極的な営業を行えないことによって、かんぽ生命保険の保険商品の営業社員が報酬の低下等により離職する、又はモチベーションを喪失することにより、かんぽ生命保険の保険商品の営業活動の再開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、かんぽ生命保険及び日本郵便からお客さまに対する通常の提案が可能となったとしても、当社グループへの信頼の喪失等により、かんぽ生命保険の保険商品の販売が回復しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに企業価値を表すEV(エンベディッド・バリュー)や財務健全性を表すESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)といった指標に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、かんぽ生命保険は、保険業法及び郵政民営化法に基づき、金融庁及び総務省の監督に服しており、かんぽ生命保険は2019年12月27日、金融庁より保険業法第132条第1項に基づく業務停止命令及び業務改善命令を受けました。当該処分を受けて、かんぽ生命保険は、2020年1月31日付で、業務改善計画を金融庁に提出しております。今後は、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとの進捗及び改善状況を報告することとなりますが、業務停止命令の遵守状況並びに業務改善計画の内容、進捗及び改善状況について、監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合には、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険契約者等から訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(保険募集プロセスの品質事案が金融窓口業務に与える影響については上記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 金融窓口業務のサービス品質に係るリスク」をご参照ください。)。

 

(2) ユニバーサルサービスの提供に関するリスク

(3) 資産運用に関するリスク

(4) 市場流動性・資金繰りに関するリスク

(5) 商品の集中に関するリスク

(6) 日本の人口動態に関するリスク

(7) 保険料設定に関するリスク

(8) 責任準備金の積立に関するリスク

(9) 契約者配当準備金に関するリスク

(10) 保険金の支払いに関するリスク

(11) オペレーショナルリスク

(12) 生命保険契約者保護機構への負担金及び国内の他の生命保険会社の破綻に係るリスク

(13) 格付けの低下に関するリスク

(2)~(13)は(本文略)

 

Ⅷ.金融2社株式売却等に関するリスク

(6) 金融2社株式の売却損失の発生に関するリスク

金融2社株式の売却収入が、売却に係る当社保有金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、売却される株式の帳簿価額と売却収入の差額について、当社の損益計算書に売却損失として計上する必要があり、その結果、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2019年3月31日現在、当社が保有するゆうちょ銀行株式の帳簿価額は5,780,141百万円、かんぽ生命保険株式の帳簿価額は890,039百万円です。

一方、連結財務諸表においては、金融2社株式の売却収入が、売却による当社の持分の減少額を下回った場合には、売却による当社の持分の減少額と売却収入の差額を、連結貸借対照表の資本剰余金から減少させる必要があり、その結果、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。また、金融2社が持分法適用関連会社となり、金融2社株式の売却収入が、売却による当社の持分の減少額を下回った場合には、売却による当社の持分の減少額と売却収入の差額について、連結損益計算書に売却損失として計上する必要があります。さらに、金融2社が子会社及び持分法適用関連会社ではなくなり、金融2社株式の売却収入が、売却に係る当社が保有する金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、売却される株式の帳簿価額と売却収入の差額について、連結損益計算書に売却損失として計上する必要があります。以上の結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2015年11月の金融2社株式の売出しにおいては、ゆうちょ銀行株式の売却に伴い、当社の損益計算書における関係会社株式売却損126,236百万円及び当社の連結貸借対照表における資本剰余金351,922百万円の減少が発生し、かんぽ生命保険株式の売却に伴い、当社の損益計算書における関係会社株式売却益32,796百万円及び当社の連結貸借対照表における資本剰余金17,754百万円の減少が発生しております。

また、2019年4月のかんぽ生命保険株式の売却に伴い、当社の損益計算書において関係会社株式売却益が129,365百万円発生しております。さらに、当社の連結貸借対照表において資本剰余金50,199百万円の減少が発生しております

 

Ⅸ.金融2社との関係について

(1) 当社と金融2社との関係について

 ③ 金融2社との人的関係

ゆうちょ銀行の役員1名(池田憲人)がグループ経営体制の強化のため、ゆうちょ銀行の役員1名(田中進)及びかんぽ生命保険の役員名(千田哲也、堀家吉人、加藤進康)が、国が資本金の2分の1以上を出資している法人である当社として国会において各子会社に関する専門的な質問への答弁対応の必要があると考えているため、当社の役員(非常勤)を兼任しております(当社の役員の状況については下記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」をご参照ください。)。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況及び分析・検討

 当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。

資産の部合計は、前連結会計年度末比5,100,323百万円増291,271,032百万円となりました。

主な要因は、銀行業等における債券貸借取引支払保証金3,202,323百万円の増、銀行業における買現先勘定1,991,225百万円の増、現金預け金1,491,003百万円の増の一方、銀行業及び生命保険業等における有価証券2,010,906百万円の減によるものです。

負債の部合計は、前連結会計年度末比4,233,520百万円増275,615,575百万円となりました。

主な要因は、銀行業における貯金2,751,514百万円の増、銀行業における売現先勘定3,919,200百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金1,976,329百万円の減によるものです。

純資産の部合計は、前連結会計年度末比866,802百万円増15,655,457百万円となりました。

主な要因は、非支配株主持分615,730百万円の増、銀行業及び生命保険業等におけるその他有価証券評価差額金209,886百万円の増によるものです。

 

(2) 経営成績の状況及び分析・検討

当第3四半期連結累計期間のわが国の経済情勢を顧みますと、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業において弱さが見られるようになりましたが、個人消費の持ち直しや雇用情勢の改善などを背景に、緩やかな回復が続きました。

また、世界経済は、米国で景気回復が続いており、全体としては緩やかな回復が続いておりますが、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱、金融資本市場の変動等によるリスクの影響等により、回復のテンポは鈍化しています。

金融資本市場では、国内の10年国債利回りは、量的・質的金融緩和政策の下、4月から11月まではマイナス圏で推移しましたが、12月には、一時、0.01%台まで上昇しました。

日経平均株価は、9月の回復後も、米国と中国の対立が緩和に向かうことへの期待や中国の景況感指数の改善等によって世界の景気減速に対する警戒心が和らいだことにより、4か月連続で上昇し、12月半ばには1年2か月ぶりの水準をつけ、12月末の終値は23,600円台となりました

このような事業環境にあって、当第3四半期連結累計期間における連結経常収益は9,054,558百万円(前年同期比528,344百万円減)、連結経常利益は688,879百万円(前年同期比50,040百万円増)、連結経常利益に、特別損益や契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は、422,006百万円(前年同期比29,816百万円増)となりました。

各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

 

① 郵便・物流事業

当第3四半期連結累計期間の郵便・物流事業におきましては、ゆうパケットの数量増と単価の見直しの影響による荷物分野の収益拡大が続いたほか、コストコントロールの取組み等による費用の減少が続き、経常収益は1,603,644百万円(前年同期比10,930百万円増)、経常利益は120,464百万円(前年同期比30,996百万円増)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における郵便・物流事業の営業収益は1,601,669百万円(前年同期比12,434百万円増)、営業利益は119,321百万円(前年同期比32,385百万円増)となりました。

 

 

(参考)引受郵便物等の状況

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

物数(千通・千個)

対前年同期比(%)

物数(千通・千個)

対前年同期比(%)

総数

14,672,331

△1.0

14,575,538

△0.7

 

 

 

 

 

 

  郵便物

11,258,063

△2.1

11,205,921

△0.5

 

 内国

11,226,481

△2.1

11,174,888

△0.5

 

   普通

10,855,360

△2.3

10,794,407

△0.6

 

     第一種

6,136,076

△1.2

6,153,376

0.3

 

     第二種

4,547,485

△2.8

4,427,490

△2.6

 

     第三種

149,818

△3.5

145,369

△3.0

 

     第四種

12,383

△3.7

11,822

△4.5

 

     選挙

9,598

△79.6

56,350

487.1

 

   特殊

371,121

2.6

380,480

2.5

 

 国際(差立)

31,582

△13.0

31,034

△1.7

 

   通常

18,058

△20.3

19,152

6.1

 

   小包

2,776

△8.3

2,185

△21.3

 

   国際スピード郵便

10,747

1.0

9,696

△9.8

  荷物

3,414,269

2.9

3,369,617

△1.3

 

 ゆうパック

727,001

10.8

731,308

0.6

 

 ゆうメール

2,687,267

0.9

2,638,309

△1.8

 

(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。

種類

概要/特徴

第一種郵便物

お客さまがよく利用される「手紙」(封書)のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)、特定封筒(レターパックライト)及び小型特定封筒(スマートレター)も含んでおります。

第二種郵便物

お客さまがよく利用される「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。年賀郵便物の取扱期間(12/15~1/7)以外に差し出された年賀はがきを含んでおります。

第三種郵便物

新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。

第四種郵便物

公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。

 

2.年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12/15~12/28)及び12/29~1/7に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)は除いております。

3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。

4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。

5.国際通常郵便物は、2019年度4月以降の集計方法を変更しております。なお、過去の通数との整合性を確保するため、過年度分については組替えを行っておりません。

6.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。

7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている3kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。

 

② 金融窓口事業

当第3四半期連結累計期間の金融窓口事業におきましては、2019年7月中旬以降、かんぽ生命保険の商品の積極的な営業活動を控えたことや物販事業の一部事業を絞り込んだことの影響により減収となったものの、人件費をはじめ費用が大きく減少したため経常収益は1,005,632百万円(前年同期比34,199百万円減)、経常利益は52,115百万円(前年同期比3,799百万円増)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における金融窓口事業の営業収益は1,004,784百万円(前年同期比34,188百万円減)、営業利益は51,780百万円(前年同期比3,992百万円増)となりました。

 

(参考)郵便局数

支社名

営業中の郵便局(局)

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

直営の郵便局

簡易
郵便局

直営の郵便局

簡易
郵便局

郵便局

分室

郵便局

分室

北海道

1,207

1

270

1,478

1,207

1

267

1,475

東北

1,891

1

614

2,506

1,891

1

606

2,498

関東

2,395

0

175

2,570

2,396

0

173

2,569

東京

1,471

0

5

1,476

1,472

0

5

1,477

南関東

952

0

76

1,028

952

0

74

1,026

信越

977

0

322

1,299

976

0

318

1,294

北陸

668

0

173

841

668

0

168

836

東海

2,049

2

314

2,365

2,051

1

310

2,362

近畿

3,094

6

331

3,431

3,093

6

329

3,428

中国

1,751

2

458

2,211

1,750

2

449

2,201

四国

930

0

215

1,145

930

0

211

1,141

九州

2,502

0

905

3,407

2,501

0

892

3,393

沖縄

175

0

21

196

175

0

21

196

全国計

20,062

12

3,879

23,953

20,062

11

3,823

23,896

 

 

③ 国際物流事業

当第3四半期連結累計期間の国際物流事業におきましては、収益については、豪州経済減速や米中貿易摩擦などの外部環境の悪化により、主にフォワーディング事業の取扱量が減少し、減収となりました。費用については、人件費増により、豪ドルベースでは増加となったものの、為替影響により円ベースでは減少しました。この結果、経常収益は486,696百万円(前年同期比48,488百万円減)、経常損失は15,605百万円(前年同期は2,759百万円の経常利益)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における国際物流事業の営業収益は486,464百万円(前年同期比48,293百万円減)、営業損失は5,913百万円(前年同期は6,551百万円の営業利益)となりました。

 

 

④ 銀行業

当第3四半期連結累計期間の銀行業におきましては、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下において、役務取引等利益、その他業務利益は増加したものの、資金利益が国債利息の減少を主因に減少しました。経常収益は1,358,473百万円(前年同期比26,228百万円減)、経常利益は289,255百万円(前年同期比7,422百万円増)となりました。

 

(参考)銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況

(a) 損益の概要

金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、当第3四半期累計期間の業務粗利益は、前年同期比39億円減少の1兆161億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前年同期比432億円の減少となりました。役務取引等利益は、前年同期比171億円の増加となりました。その他業務利益は、前年同期比221億円の増加となりました。

経費は、前年同期比131億円減少の7,692億円となりました。

業務純益は、前年同期比91億円増加の2,469億円となりました。

経常利益は、前年同期比73億円増加の2,892億円となりました。

この結果、四半期純利益は、2,097億円、前年同期比66億円の増益となりました。

 

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

業務粗利益

1,020,047

1,016,133

△3,914

 資金利益

795,901

752,685

△43,216

 役務取引等利益

81,209

98,315

17,105

 その他業務利益

142,935

165,132

22,197

  うち外国為替売買損益

160,528

158,930

△1,597

  うち国債等債券損益

△16,165

7,025

23,191

経費(除く臨時処理分)

△782,316

△769,212

13,103

  人件費

△94,227

△91,688

2,538

 物件費

△634,103

△637,479

△3,376

 税金

△53,985

△40,044

13,941

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

237,730

246,920

9,189

一般貸倒引当金繰入額

業務純益

237,730

246,920

9,189

臨時損益

44,135

42,298

△1,836

 うち株式等関係損益

△978

11,114

12,092

 うち金銭の信託運用損益

29,415

32,300

2,885

経常利益

281,865

289,218

7,352

特別損益

△916

△184

732

 固定資産処分損益

△823

△184

639

  減損損失

 △93

△0

93

税引前四半期純利益

280,948

289,034

8,085

法人税、住民税及び事業税

△76,782

△79,743

△2,961

法人税等調整額

△1,002

486

1,489

法人税等合計

△77,784

△79,256

△1,472

四半期純利益

203,164

209,777

6,613

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

 

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

(b) 国内・国際別の資金利益等

国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。

当第3四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金利益は4,496億円、役務取引等利益は980億円、その他業務利益は32億円となりました。

国際業務部門においては、資金利益は3,029億円、役務取引等利益は2億円、その他業務利益は1,619億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,526億円、役務取引等利益は983億円、その他業務利益は1,651億円となりました。

 

イ.国内業務部門

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

508,253

449,688

△58,564

 資金運用収益

599,472

509,751

△89,721

うち国債利息

401,088

331,985

△69,103

資金調達費用

91,219

60,062

△31,157

役務取引等利益

80,587

98,023

17,435

役務取引等収益

105,217

122,046

16,828

役務取引等費用

24,630

24,023

△607

その他業務利益

1,128

3,205

2,076

その他業務収益

3,727

3,843

116

その他業務費用

2,598

638

△1,960

 

(注) 「国内業務部門」は円建取引であります。

 

ロ.国際業務部門

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

287,648

302,996

15,347

資金運用収益

544,818

600,283

55,464

うち外国証券利息

543,746

598,804

55,058

資金調達費用

257,170

297,287

40,117

役務取引等利益

622

291

△330

役務取引等収益

698

466

△232

役務取引等費用

76

174

98

その他業務利益

141,806

161,927

20,120

その他業務収益

163,504

162,185

△1,318

その他業務費用

21,697

258

△21,439

 

(注) 「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建の対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

 

 

ハ.合計

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

795,901

752,685

△43,216

資金運用収益

1,050,782

1,009,790

△40,991

資金調達費用

254,880

257,105

2,225

役務取引等利益

81,209

98,315

17,105

役務取引等収益

105,916

122,513

16,596

役務取引等費用

24,706

24,197

△508

その他業務利益

142,935

165,132

22,197

その他業務収益

166,081

166,029

△52

その他業務費用

23,146

896

△22,250

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第3四半期累計期間5,348百万円、当第3四半期累計期間   5,316百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額等は下表のとおりであります。

 

前第3四半期累計期間
(百万円)

当第3四半期累計期間
(百万円)

国内業務部門・資金運用収益

93,509

100,244

国際業務部門・資金調達費用

93,509

100,244

国内業務部門・その他業務費用

1,149

国際業務部門・その他業務収益

1,149

 

 

(c) 役務取引等利益の状況

当第3四半期累計期間の役務取引等利益は、為替・決済関連手数料の増加を主因に、前年同期比171億円増加の983億円となりました。

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

役務取引等利益

81,209

98,315

17,105

為替・決済関連手数料

46,788

60,956

14,167

ATM関連手数料

10,737

13,818

3,080

投資信託関連手数料

16,862

16,938

76

その他

6,821

6,602

△219

 

 
(参考) 投資信託の取扱状況(約定ベース)

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

販売金額

699,924

562,632

△137,291

純資産残高

2,067,684

2,592,550

524,865

 

 

 

(d) 預金残高の状況

当第3四半期会計期間末の貯金残高は、安定的に推移し、前事業年度末比2兆9,141億円増加の183兆9,132億円となりました。

○ 預金の種類別残高(末残・構成比)

種類

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

180,999,134

100.00

183,913,297

100.00

2,914,162

流動性預金

79,959,377

44.17

87,092,896

47.35

7,133,519

振替貯金

16,143,580

8.91

7,668,840

4.16

△8,474,740

通常貯金等

63,410,139

35.03

78,932,549

42.91

15,522,409

貯蓄貯金

405,656

0.22

491,506

0.26

85,849

定期性預金

100,927,190

55.76

96,661,963

52.55

△4,265,226

定期貯金

7,096,334

3.92

5,725,667

3.11

△1,370,667

定額貯金

93,830,855

51.84

90,936,296

49.44

△2,894,559

その他の預金

112,566

0.06

158,437

0.08

45,870

譲渡性預金

総合計

180,999,134

100.00

183,913,297

100.00

2,914,162

 

(注) 1.「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」といいます。)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社(以下「公社」といいます。)から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

(e) 資産運用の状況(末残・構成比)

当第3四半期会計期間末の運用資産のうち、国債は53.2兆円、その他の証券は67.5兆円となりました。

種類

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預け金等

50,674,248

24.60

51,795,297

24.38

1,121,048

コールローン

400,000

0.19

500,000

0.23

100,000

買現先勘定

8,368,139

4.06

10,359,364

4.87

1,991,225

債券貸借取引支払保証金

3,478,873

1.63

3,478,873

金銭の信託

3,990,780

1.93

4,500,073

2.11

509,293

うち国内株式

2,141,784

1.03

2,306,131

1.08

164,346

うち国内債券

1,195,685

0.58

1,133,986

0.53

△61,698

有価証券

137,135,264

66.57

136,866,167

64.42

△269,097

国債

58,356,567

28.33

53,237,693

25.06

△5,118,874

地方債

6,383,964

3.09

6,096,031

2.86

△287,933

短期社債

220,998

0.10

796,969

0.37

575,971

社債

9,574,857

4.64

9,165,217

4.31

△409,639

株式

99,286

0.04

3,805

0.00

△95,480

その他の証券

62,499,590

30.34

67,566,449

31.80

5,066,859

うち外国債券

22,035,528

10.69

23,780,324

11.19

1,744,795

うち投資信託

40,433,941

19.63

43,741,530

20.59

3,307,589

貸出金

5,297,424

2.57

4,738,560

2.23

△558,864

その他

109,366

0.05

201,665

0.09

92,299

合計

205,975,224

100.00

212,440,003

100.00

6,464,778

 

(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。

  

 

(f) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)

業種別

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

5,292,424

100.00

4,724,238

100.00

△568,185

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

15,519

0.29

33,925

0.71

18,406

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

115,517

2.18

107,557

2.27

△7,960

卸売業、小売業

37,289

0.70

37,529

0.79

239

金融・保険業

930,873

17.58

810,405

17.15

△120,467

建設業、不動産業

2,000

0.03

12,980

0.27

10,980

各種サービス業、物品賃貸業

37,695

0.71

44,028

0.93

6,333

国、地方公共団体

3,997,677

75.53

3,549,242

75.12

△448,435

その他

155,851

2.94

128,569

2.72

△27,281

国際及び特別国際金融取引勘定分

5,000

100.00

14,321

100.00

9,321

政府等

金融機関

その他

5,000

100.00

14,321

100.00

9,321

合計

5,297,424

4,738,560

△558,864

 

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末640,676百万円、当第3四半期会計期間末499,757百万円であります。

 

(g) 金融再生法開示債権(末残)

 

前事業年度

(億円)

当第3四半期会計期間

(億円)

 

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

要管理債権

 合計(A)

 正常債権

53,816

48,306

 総計(B)

53,816

48,306

 不良債権比率(A)/(B)

 

 

 

⑤ 生命保険業

当第3四半期連結累計期間の生命保険業におきましては、保有契約の減少及び2019年7月中旬以降の積極的なかんぽ生命保険の商品の営業活動の停止等に伴う新契約の減少による保険料等収入の減少等により、経常収益は5,461,552百万円(前年同期比451,757百万円減)となりました。これに対して、業務委託手数料が減少したこと等による事業費の減少等により、経常利益は233,976百万円(前年同期比19,906百万円増)となりました。

 

(参考1)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の保険引受の状況

(個人保険及び個人年金保険は、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)

 

(a) 保有契約高明細表

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

件数(千件)

金額(百万円)

件数(千件)

金額(百万円)

個人保険

18,095

53,001,882

17,547

51,124,586

個人年金保険

1,268

2,329,471

1,195

2,028,518

 

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責
任準備金額を合計したものであります。

 

(b) 新契約高明細表

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

件数(千件)

金額(百万円)

件数(千件)

金額(百万円)

個人保険

1,324

4,294,776

634

1,859,437

個人年金保険

0

1,689

0

3,527

 

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。

 

(c) 保有契約年換算保険料明細表

 

 

(単位:百万円)

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

個人保険

3,363,941

3,233,556

個人年金保険

452,478

424,148

合計

3,816,419

3,657,705

 

うち医療保障・
生前給付保障等

410,929

403,358

 

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。

2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。

 

 

(d) 新契約年換算保険料明細表

 

 

(単位:百万円)

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

個人保険

273,705

143,867

個人年金保険

147

314

合計

273,852

144,182

 

うち医療保障・
生前給付保障等

48,706

22,016

 

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。

2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。

 

(参考2)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況

(a) 保有契約高

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

件数

(千件)

保険金額・年金額

(百万円)

件数

(千件)

保険金額・年金額

(百万円)

保険

11,048

29,143,116

10,191

26,868,276

年金保険

1,708

590,874

1,568

535,259

 

(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。

 

(b) 保有契約年換算保険料

 

 

(単位:百万円)

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

保険

1,313,229

1,207,898

年金保険

572,367

521,540

合計

1,885,597

1,729,439

 

うち医療保障・
生前給付保障等

342,190

326,535

 

(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、(参考1)(c)に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。

 

⑥ その他

当第3四半期連結累計期間のその他のうち、病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減、また、経営改善が見込めない逓信病院(3カ所)を譲渡する等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善を進めているところであり、営業収益は10,599百万円(前年同期比2,085百万円減)、営業損失は2,580百万円(前年同期は3,915百万円の営業損失)となりました。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善に取り組みます。

また、宿泊事業については、営業推進態勢の強化やサービス水準向上による魅力ある宿づくりを継続的に進めるとともに、費用管理による経費削減等の経営改善に取り組んでいるところですが、2018年10月に「ホテル メルパルク」の賃貸借、管理業務を当社の子会社である日本郵政不動産株式会社へ移管したことや、一部施設の営業終了等の影響もあり、営業収益は15,947百万円(前年同期比2,714百万円減)、営業損失は3,746百万円(前年同期は2,706百万円の営業損失)となりました。今後も、増加傾向にあるインバウンド需要への対応や外部のWebサイトの活用強化等による増収施策、食材等原価管理の徹底、業務フローの効率化等の生産性向上施策を着実に実施することにより、経営改善に取り組みます。

※2019年4月 富山逓信病院、名古屋逓信病院、福岡逓信病院

 

 

(3) 対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間開始日以降、本第3四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」につきまして、以下の追加すべき事項が生じております。

 

先般、お客さまが保障を見直される際の取扱い等に関する社内調査をかんぽ生命保険にて実施した結果、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じた可能性のある契約乗換等に係る事案が判明しました。これを受け、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じた可能性が特定可能な類型(以下「特定事案」といいます。)の調査及び特定事案に該当するものを除く全てのご契約についての調査(以下「全ご契約調査」といいます。)を実施しているところです。

 

本書提出日現在における特定事案調査、全ご契約調査(以下「ご契約調査」といいます。)及び再発防止に向けた取組み状況等は、以下のとおりです。

 

「ご契約調査の状況」

① 特定事案調査

特定事案につきましては、契約類型(下記A~F類型)ごとに、過去のご契約データから合致するものを抽出し、お客さまのご契約加入時の状況及び契約復元等のご意向確認を行っております。

 

類型

調査対象事案

A

契約乗換に際し、乗換前のご契約は解約されたが、乗換後のご契約が引受謝絶となった事案

B

契約乗換後、告知義務違反により乗換後のご契約が解除となり、保険金が支払謝絶等となった事案

C

特約切替や保険金額の減額により、より合理的なご提案が可能であった事案

D

契約乗換前後で予定利率が低下しており、保障の内容・保障期間の変動がない等の事案

E

契約乗換の判定期間後(乗換後のご契約の契約日の後7か月から後9か月)の解約により、保障の重複が生じた事案

F

契約乗換の判定期間外(乗換後のご契約の契約日の前4か月から前6か月)の解約により、保障の空白が生じた事案

 

 

その結果、契約復元等をご希望されたお客さまに対しては、丁寧にその内容をお聞きし、契約状況等を確認のうえ、ご要望に沿った形で再提案するなど、お客さまのご意向・ご都合に合わせて、手続きを進めております。また、現時点で契約復元等の手続きをご希望されないお客さまに対しても、今後、改めてご要望があった場合には、その経緯等を確認したうえで契約復元等に対応させていただくなど、お客さまの声を常に傾聴しながら、不利益解消に努めてまいります。

 

なお、お客さまへのご契約時の状況の確認等を行った結果、法令違反や社内ルール違反の可能性のある事案が判明しております。これらの事案については、募集人からの聴き取り等を行い、募集態様に問題がなかったかどうかの調査を特別調査委員会に適宜ご説明し、ご意見をいただきながら進めております(募集人調査)。その結果、募集人調査の対象事案の一部において、法令又は社内ルールに違反する事実が認められました。これらの事案に関わった募集人等に対しては不適正募集の程度等に応じ処分を行うとともに、引き続き厳正かつ公正・公平な募集人調査を継続してまいります。

 

② 全ご契約調査

特定事案調査の対象を除く全てのご契約に対して、ご加入のご契約がご意向に沿うものであるか等の確認のため、返信用はがきを同封した書面をお送りしております。その結果、お客さまからご返信いただいたはがき又はコールセンターへのお電話等によりご意見・ご要望をいただいており、これらについては、当社グループを挙げて順次、内容の確認とお客さま対応を進めてまいります。

 

また、全ご契約調査のさらなる深掘調査として、業務改善計画に記載のとおり、かんぽ生命保険支店社員による訪問等を優先順位の高いものから順次開始し、お客さまのご不満やご意見等の確認、当時の募集状況の調査を行い、不利益が発生しているお客さまについては、その解消を図ってまいります。

 

全ご契約調査等におけるご回答・ご意見等の中には、お客さまのご意向に沿ったものではない可能性が想定される事案が存在することを把握しており(下表「多数契約調査」のとおり。)、対象のお客さまにはかんぽ生命保険支店社員が訪問し、ご契約内容の確認を進めてまいります。

 

  多数契約調査

区分

調査対象(定義)

多数契約

過去5年間※1で新規契約を10件以上加入し、その3割以上が消滅※2したもの

 

  ※1 2014年4月から2019年3月までの間を指します。下表「多数契約以外の調査」において同じです。

        ※2 解約、失効、減額又は保険料払済契約への変更を指します。下表「多数契約以外の調査」において同じです。

 

さらに、多数契約以外の調査(下表「多数契約以外の調査」のとおり。)として、お支払いいただく保険料が高額であったり、被保険者や保険種類を変更するなどして新規契約に加入したことがあるなどのお客さまについて、かんぽ生命保険支店社員等の訪問、お客さまの契約状況が分かるお手紙の発送やお電話などにより、ご契約内容の確認を進めてまいります。 

 

            多数契約以外の調査

区分

調査対象(定義)

多額契約

2019年12月時点で65歳以上の契約者が月額保険料10万円以上の払込を行っており、かつ短期消滅契約が1件以上発生(2014年4月~2019年12月)しているもの

被保険者を替えた

乗換契約

過去5年間で契約者が同一で被保険者を変更した新規契約を締結し、その変更後契約が短期消滅しているもの

保険種類を替えた

乗換契約

過去5年間で年金から保険への乗換があったもの、又は保険⇔年金の乗換の繰り返しがあったもの

保険期間等短縮変更制度を利用した乗換契約

過去5年間で既契約の保険期間等を短縮変更し、新規契約の申込をしているもののうち、新規契約が引受謝絶等に該当するもの

 

 

上記調査対象以外についても、訪問活動を順次実施することを通じ、お客さまのご契約内容の確認が必要な事案は、誠実に不利益解消を図ってまいります。さらに、継続的なご契約内容の確認活動や年に1度ご契約者さまにお送りしている「ご契約内容のお知らせ」を改善し、お客さまにご契約内容をご確認いただき、お客さまの気づきを促す機会を提供してまいります。

 

「特別調査委員会による調査」

契約乗換に係る事案の判明を受け、当社は日本郵便、かんぽ生命保険とともに、本事案の徹底解明と原因究明を中立・公正な外部専門家に委ねるため、3社と利害関係を有しない弁護士から構成される特別調査委員会を設置いたしました。本委員会からは、2019年9月30日付で「調査の現状及び今後の方針の概要について」、2019年12月18日付で「調査報告書」を受領しております。

本委員会による調査は、2020年3月末を目途に完了する予定でありますので、引き続き本調査に協力するとともに、本事案に係る改善策の提言について真摯に受け止め対応してまいります。

 

「当局による行政処分」

2019年12月27日、当社は、総務大臣より日本郵政株式会社法第13条第2項に基づく業務改善命令、金融庁より保険業法第271条の29第1項に基づく業務改善命令を、日本郵便は、総務大臣より日本郵便株式会社法第15条第2項に基づく業務停止命令及び業務改善命令、金融庁より保険業法第307条第1項及び第306条に基づく業務停止命令及び業務改善命令を、かんぽ生命保険は、金融庁より保険業法第132条第1項に基づく業務停止命令及び業務改善命令を受けました。2019年7月以降、郵便局及びかんぽ生命保険の支店からの積極的なかんぽ生命保険商品のご提案を控えてまいりましたが、当該業務停止命令により、2020年1月1日から同年3月31日までの間、かんぽ生命保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しております。また、当該業務改善命令を受けて、2020年1月31日付で、当社及び日本郵便は業務改善計画を総務大臣及び金融庁に、かんぽ生命保険は業務改善計画を金融庁に提出しております。今後は、当該業務改善計画の実行を経営の最重要課題として位置づけ、適切な業務運営を確保し、保険契約者の保護を図るための施策を実行していくとともに、お客さまの信頼回復に全力で取り組んでまいります。

 

改善策の実施にあたっては、当社の社長直下にタスクフォースを設置し、第三者によるモニタリングを受けつつ、着実な実行と改善のスピードアップを図ってまいります。また、今回の業務改善計画にとどまることなく、当社グループの信頼を回復し、お客さま本位の業務運営を実現するために必要な取組みを、外部の専門家の方のアドバイスをいただくとともに、公正・中立な立場から厳しく評価していただくことで、徹底して参ります。

 

「業務改善計画の要旨」

〇 かんぽ生命保険の主な対策

      ① 不適正な募集行為を行ったと認められる募集人に対する適切な対応

a. 事実認定・事故判定の厳格化等

(a) 自認に頼らない事実認定・事故判定の実施

募集人が不適正募集の事実を否定した場合であっても、外形的にお客さまに不利益と認められる契約形態、お客さまからの回答内容や信憑性の高い状況証拠に基づき、不適正募集に関する事実認定を行い、適切な処分を実施しております。

(b) 調査協力(自己申告)制度の取組み強化

調査の実施に当たって、自らの違反行為の申告や調査への十分な協力を行った場合には、募集人に対する処分について、本来よりも軽減又は免除を行うといった迅速な原因究明等に資する取組みを実施しております。

b. 処分基準の厳格化等

(a) 募集人処分における「業務停止」及び「注意」の追加

募集人処分については、従前は「業務廃止」と「厳重注意」の二段階としておりましたが、一定期間募集を停止させる処分等を追加し、不適正募集の態様・程度に応じた処分を実施します。

(b) 管理者に対する処分

不適正募集を発生させた募集人の管理者については、部下社員の過怠の程度に応じた厳格な処分を日本郵便に対して要請します。

 

② 適正な営業推進態勢の確立

a. 適正な営業目標の設定

(a) 営業の実力に見合った営業目標の設定と配算方法の見直し

営業目標の設定においては、生命保険マーケット等の見通しを踏まえ、現場の営業力に不適切な募集が含まれていないかを確認することのほか、当年度と次年度の各種施策の変化要素に渉外社員数の増減の影響を加えたうえで算出するとともに、適正な募集品質に基づく営業力で達成できるものになっているか等、営業部門・経営企画部門のほか、募集管理部門との間で協議して決定することとします。

また、営業目標の日本郵便の各支社及び各郵便局への配算に当たっては、営業目標の水準の適正化と合わせて、適切に実施できているか日本郵便の取組みの確認を行います。

(b) 販売額(フロー)を重視した営業目標から、保有契約(ストック)を重視した営業目標への見直し

これまでの新契約月額保険料実績に偏重した目標管理等を改め、新契約と契約継続の両方を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月額保険料を差し引きしたストック目標を導入します。

(c) 人事評価の見直し

募集品質に係る評価項目のウエイトの見直しを実施します。

 

b. 契約乗換への対策

(a) 契約乗換の販売実績不計上・手当不支給

契約乗換については販売実績の計上を行わないとしたことに加え、現行の手当(通常の契約の二分の一支給)を、不支給とするよう見直しを行います。

(b) 契約乗換潜脱の防止

契約乗換の判定期間を拡大するとともに、判定期間に近接する契約についてはシステムでアラート表示を行い、確認することについて、必要な対応を行います。

c. 高齢者募集への対策

(a) お客さまのご家族登録の必須化

満70歳以上のお客さまについては、ご家族の方でも契約内容の確認ができるよう、必ずご家族登録をご利用いただくこととしております。

(b) お申込時のご家族等へのご説明の必須化

満70歳以上のお客さまについては、原則、募集人からの勧奨を停止しておりますが、お客さまのご意向によりお申込みをいただく場合には、必ずご家族等の同席またはご家族等への事前のご説明を実施することとしたほか、満80歳以上のお客さまからのお申込みの受付時に被保険者さまから事前同意をいただく取扱いを満70歳以上のお客さまに拡大します。

d. お客さまの保障ニーズに応えるための商品開発

多様な保険商品の開発ができていない中、低金利環境下で、商品魅力が低下している養老保険・年金保険等の貯蓄性の高い商品が主力となっていたことを踏まえ、青壮年層を含めたお客さまの保障ニーズに応えるための商品の開発を目指します。

 

③ コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成

a. 適切な募集方針の策定・浸透

(a) お客さま本位の理念に基づいた行動規範の策定

生命保険本来の役割・使命を踏まえた高い倫理観に基づき保障を提供するというプリンシプルベースの基本的な行動の実践を徹底するため、お客さま本位の理念を行動規範(募集(勧誘)方針など)に反映させたうえで、お客さま本位のあるべき姿の明示やお客さまの立場に立って最適なサービスを自律的に考える環境の整備を行います。

(b) 「かんぽ商品のスタンダードモデル」の策定

お客さまの将来への不安や現状等を踏まえた真のニーズをヒアリングシート等により的確に把握したうえで商品提案を行う等といったかんぽ商品のスタンダードな販売モデルを策定し、徹底します。

b. 募集人等に対する研修

「かんぽ商品のスタンダードモデル」に基づく郵便局向けマニュアル等を作成し、お客さま本位の理念に基づいた行動規範(募集(勧誘)方針など)及び「かんぽ商品のスタンダードモデル」を郵便局等の営業現場まで浸透させるための研修を実施します。

c. 社員の声の把握の充実

かんぽ生命保険商品の募集をはじめとした金融商品営業専用の社外通報窓口を新設します。

また、かんぽ生命保険社員から同社社長への直接提案制度の導入のほか、グループ各社社員の日頃の業務における問題の相談等を受ける窓口の新設など、社員の声の把握に努めます。

 

④ 適正な募集管理態勢の確立

a. お申込みから契約締結までの重層的なチェックの実施

外形上、募集品質に懸念のある申込みについては、既に導入している「募集事前チェック機能」の対象を拡大するとともに、郵便局管理者及びかんぽ生命保険の専用コールセンターによるお客さまへのご意向確認に加え、引受審査時のかんぽ生命保険のサービスセンターによる重層的なご意向確認を行っております。

また、解約請求の際には、郵便局の渉外社員による説明・確認に加え、かんぽ生命保険の専用コールセンターからお客さまに意向確認や不利益事項のご説明の有無の確認を行います。

さらに今後は、解約手続きを原則郵便局の窓口のみで実施することの検討のほか、解約等請求時のサービスレベル低下の回避策として、ダイレクトチャネルでの解約等受付についても検討します。

b. 適正な募集管理に向けた態勢の強化

(a) 体制の強化

かんぽ生命保険本社の募集管理部門、コンプライアンス部門及び苦情対応部門等の体制を強化します。

(b) かんぽ生命保険の本社・支店等の機能の見直し

調査業務の指揮命令機能を集約する組織等を設置することで調査機能の強化を図るほか、営業推進に注力した代理店支援から、募集品質の確保を前提とした代理店支援・指導へ見直し、募集態様調査及び適正募集指導に係る体制を強化します。

(c) お客さま情報の高度化

かんぽ生命保険の支店及び郵便局において、お客さまからお申込みをいただいた際に、お客さまの過去の契約の加入・消滅履歴のほか、当該契約の募集人情報をシステム上、簡易に把握できる仕組みを設け、募集品質管理に活用できる態勢を整備します。

c. 条件付解約等制度・契約転換制度の導入

保障の見直しをお客さま本位で実現できる制度として、条件付解約等制度の導入を実施しました。

また、既契約の解約を伴わない契約転換制度を導入してまいります。

d. 募集状況の録音・録画・保管

募集時において、渉外社員の携帯端末機で募集状況を録音・保管することにより、募集状況の可視化を図り、お客さまから苦情があった場合に、お客さまのご意向に沿ったご提案ができていたかを確認できる仕組みを構築します。

e. 苦情等からの潜在的問題の把握

募集態様に問題が疑われる苦情を高いリスク感度を持って検知し、各担当部署の役割分担を明確にしたうえで、入口から出口まで責任を持って、フォローを行う態勢を構築します。

 

⑤ 上記を着実に実行し、定着を図るためのガバナンスの抜本的な強化

a. 募集状況等の実態把握の強化及びPDCAサイクルの徹底

(a) 社内外のリスク情報の把握・分析

お客さまからの苦情、社員の声、経営データ等様々な情報をシステム等を活用しながらリスク感度を上げて、把握・分析します。

(b) 問題を検知した事象に対する同種同構造の事案の網羅的な横展開調査

問題を検知した事象に対して個別的に対応するのみならず、同種同構造の事案を検知し調査を横展開することで、当該問題の深度を把握する態勢を構築します。

(c) PDCAサイクルの徹底

改善策の検討に当たっては、真因分析を行ったうえで、改善策の優先順位を含め、経営陣での深度ある議論を行い、募集品質向上に向けた改善策の効果検証・見直しのサイクルについてスピード感をもって徹底する態勢を整備します。

b. 内部統制の強化

(a) 取締役会等のガバナンス機能強化

イ. 取締役会における「審議」の新設等

経営課題を前広に議論するため、従来の「決議」、「報告」に加え、決議案の作成段階から社外取締役の知見を活用する「審議」を新設するほか、決議事項の対象範囲を見直します。

また、取締役会の臨時開催のほか、取締役懇談会を積極的に活用して、意見交換を充実させます。

ロ. 監査委員会の機能強化

ⅰ 内部監査計画の決定・変更及び内部監査部門の重要人事(担当執行役・部長)については、監査委員会の事前同意を必要とすることと改めます。

ⅱ 募集態様の実態やお客さまに生じている不利益事項に踏み込んだ報告を受けたうえで、検証のための調査を指示し、調査結果をもとに監査委員会として、担当執行役に対して必要な助言等を行います。

(b) 内部監査

内部監査の人材・体制を強化するほか、リスクアセスメントの強化などにより実効的な監査を実施します。

 

〇 日本郵便の主な対策

① 営業推進管理の仕組みの見直し

a. 営業目標の設定方針

(a) 販売額(フロー)を重視した営業目標から、保有契約(ストック)を重視した目標に改めます。

具体的には、新契約と消滅契約の差分による保険料の純増額、及び過去3年間の新規契約のうち当年度に発生した消滅の割合である3年間消滅率による評価とします。

また、純新規の契約者数及び青壮年の契約者数についても指標化し、青壮年層に重点を置いた営業活動に移行します。さらに、募集品質にかかる指標も設定します。

(b) 人事評価上の個人別目標額の在り方を検討するまでの間、人事評価上の個人別目標額、営業推進上の個人営業目安ともに設定しないこととします。

b. 組織業績評価

2020年度の組織業績評価では「募集品質」を独立した項目として新設し、不祥事故及び無効・合意解除案件といった項目も対象化します。

c. 営業手当

(a) 渉外社員の営業手当の支給水準(基本給と手当の割合)を見直します。

(b) 乗換契約(転換類似)について、現在、営業手当を1/2に減額して支給していますが、不支給に見直します。

※ 現在の契約を解約等してから新規契約を申し込む、又は、新規契約を申し込んでから現在の契約を解約等する保険契約で、契約者が同一のものを指します。

 

② 募集管理態勢の確立

a. 不適正募集等の抑制の仕組み・対応

(a) 多数契約及び意向把握不十分な契約

イ. 外形上、品質に懸念のある申込みについて、郵便局管理者によるお客さまのご意向確認に加え、かんぽ生命保険の専用コールセンターによる重層的なご意向確認(契約者が満70歳以上の場合は、ご家族等に対しても確認します。)を開始しました。

ロ. 解約請求の際には、郵便局の渉外社員による説明及び確認に加え、かんぽ生命保険の専用コールセンターによるお客さまのご意向確認及び不利益事項のご説明の有無の確認を開始しました。

ハ. お客さまのご希望による乗換の場合、新規契約の締結後に既契約を解約する条件付解約等制度を開始しました。

ニ. 募集時に、渉外社員の携帯端末機で募集状況を録音・保管することにより、募集状況の可視化を図り、お客さまから苦情があった場合に、お客さまのご意向に沿ったご提案ができていたかを確認できる仕組みを構築します。

ホ. 満70歳以上の契約者からの契約申込みにおいて契約者と被保険者が別人の場合は、事前に有効な同意をいただけることを確認する取扱いを必須化します。

ヘ. 既契約の解約を伴わない転換制度を導入します。

(b) 高齢者募集等への対策

満70歳以上の契約者からの契約申込みの際は、募集人に加えかんぽ生命保険の専用コールセンターがご家族等に対して契約申込みに同意いただけることを確認する取扱いを開始しました。

また、配布教材「正しく知ろう認知症」を活用した研修を実施します。

(c) 上記(a)及び(b)の取組みについて、2020年3月に研修を実施し周知徹底します。

b. 懲戒処分運用

(a) 特定事案調査等の結果に基づく処分

特定事案調査の結果に基づき、非違の認められた社員及び管理者に対しては、厳格な処分を実施します。

かんぽ生命保険と連携し、不適正募集を発生させた募集人や募集態様に課題がある募集人に対する研修カリキュラム等を策定し、募集再開に向けた研修を実施します。

こうした施策を特定事案調査対応だけでなく、今後も継続します。

(b) 管理者に対する処分

全ての金融関係管理者を「保険募集品質改善責任者」に指定し、その役割を明確化したうえで、過怠があった場合に厳格な処分を実施します。

c. 苦情等管理態勢

かんぽコールセンターが受け付けたお客さまの声を含め、全ての苦情等のデータ提供を受け、不適正募集につながる行為等に関する苦情について問題の背景及び原因を分析し、苦情事例と再発防止に向けた取組み等を経営会議及び取締役会に報告します。

 

③ ガバナンスの強化

a. 取締役会等の機能発揮

(a) 代表取締役社長を本部長とする金融ビジネス緊急対策本部を設置し、原則週次で、募集品質に関する重要事項、取組みの進捗等を協議しています。

(b) 取締役会については、かんぽ生命商品の不適正な保険募集等の問題に関しては臨時でも開催し、機動的に重点的に議論しています。

(c) 監査役会でもかんぽ生命商品の不適正な保険募集等の問題に関して報告し、必要に応じて助言が行われ、監査役間でも議論しています。

(d) コンプライアンス委員会等の協議のうち、お客さまの不利益につながるおそれがある募集実態等、重要な募集品質問題については、取締役会、経営会議又は監査役会に付議し、深度のある議論をしていきます。

b. コンプライアンス委員会等

(a) 募集品質向上に向けた取組み等や課題を報告・議論する会議体である「適正募集の推進検討会議」を1月に新設することで、関係各部が連携して募集管理を議論し、経営判断に資する実効的プロセスを整備しました。

(b) 「適正募集の推進検討会議」における議論のうち重要案件についてはコンプライアンス委員会で議論し、その結果を経営会議及び取締役会に報告します。

c. 三つの防衛線管理

(a) 第1線について

イ. 2019年9月以降、契約内容及び募集行為の適切性・妥当性の検証プロセスを強化しており、今後も取組みの徹底を図ります。

ⅰ 保険募集管理態勢の強化を図るため、金融渉外業務を担当する管理者に加え、窓口業務を担当する管理者についても、募集品質改善責任者として指定します。

ⅱ かんぽ生命保険契約の過去の消滅状況等、お客さま情報を高度化して一元管理できる仕組みを構築し、郵便局及びかんぽ生命保険の支店において募集品質管理に活用します。

ⅲ 乗換潜脱の防止強化に向けて、乗換判定期間を拡大するとともに、乗換判定期間に近接する契約についてはシステムでアラートを表示し、けん制を図ります。

ロ.営業活動記録簿について、社員が記載を必須とする項目を追加し、記載ルールを明確化するとともに、管理者の確認項目を明確化し、募集品質面に留意した管理機能を強化します。

(b) 第2線について

イ.募集品質改善のための施策浸透、郵便局の指導・チェック体制強化に向けて、支社における保険募集管理態勢を強化します。具体的には、募集品質指導専門役及び支社金融業務部の人員・体制を拡充します。

ロ.営業目標の水準や社員別目標について、所管部署による実態確認や検証の中に、募集品質の観点を反映させます。

ハ.地方監査室社員による全郵便局における保険募集品質の管理体制の検証を継続実施します。

ニ.募集品質上の課題については、かんぽ生命保険から提供を受ける募集品質データの分析精度を高め、要因分析に基づく対応策等を関係の会議体に付議し、施策の実施可否、効果検証等を行います。

 

(c) 第3線について

イ.監査部においては、要員又はリスク分析担当の配置等、監査の体制を充実します。

ロ.郵便局の真の実態がわかるよう事前アンケートの実施等でヒアリングの充実を図るとともに、かんぽ生命保険商品の募集に特化したテーマ監査に必要な情報収集強化を継続します。

 

④ 利用者本位の組織風土の醸成

a. お客さま本位の徹底に向けたマネジメント・育成

(a) お客さま本位の観点に立った募集の基本方針(意向把握・意向確認・適合性確認等の募集プロセスを強化したスタンダードな販売モデルを含みます。)を明確化した上、全社員への意識浸透に向けて研修を継続実施します。

(b) お客さまの将来のライフプランに寄り添い、その目的に合った幅広い商品及びサービスを提供できるよう、総合的なコンサルティングサービスに必要な知識・スキルを付与する研修を実施します。

(c) 営業推進管理主体のマネジメントから脱却するために、コーチングを取り入れた管理・指導手法へ転換するための管理者研修を実施します。

(d) 社員が研修に関する意見や問題ある研修の報告を直接伝えられる仕組みにより、不適切な研修等の是正に取り組みます。

イ. 新設予定の社外通報窓口、社内ポータルサイトを活用するなど、社員が本社に直接意見等を伝えられる仕組みを導入します。

ロ. また、有志が自主的に行う勉強会である、いわゆる「自主研究会」のあり方を改め、社員が要望する研修内容を会社が企画し、社員自らの意思による参加型の研修機会を提供する仕組みを導入します。

(e) 総合的コンサルティングを指導できる指導者として、コンサルティング・アドバイザー(仮称)を設置し、郵便局社員への指導方法を見直します。

また、営業力養成センターを「コンサル育成センター(仮称)」に改称し、本社直轄とします。

(f) 郵便局の金融渉外部を「金融コンサルティング部(仮称)」に改称の上、新たに支社に「金融コンサルティング統括本部(仮称)」を設置し、お客さま本位のマネジメント体制に見直します。

b. インセンティブ施策

(a) お客さま本位の営業活動を踏まえた営業選奨とするため、評価項目及び評価基準を見直します(2019年度の実績に基づく2020年度のかんぽ生命保険商品の営業選奨は実施しません)。

(b) インセンティブも、社員のモチベーション向上を図りつつお客さま本位の営業活動に資する施策となるよう検討します。

c. 人事評価と処遇

窓口・渉外社員や管理者の人事評価においても、募集品質にかかる評価項目及び評価基準を新設し、不適正募集の抑止及び募集品質向上に向けた取組みを促進します。

d. 真の情報共有

(a) 不適正募集又はその疑いのある事案の発生等に関する問題点及び原因の把握・認識に向けて、フロントラインから本社に伝えやすい仕組みを構築するため、現在の内部通報窓口に加え、当社に金融営業専用の社外通報窓口を新設し、社員に対して活用等を周知徹底します。

(b) 募集品質の実態把握については、さらにかんぽ生命保険と緊密な情報共有の上、関係各部がフロントラインの実態を十分把握し、募集品質に関する問題点を経営層に伝えます。

 

〇 当社の主な対策

① ガバナンス機能の発揮

a. 連絡会の新設・充実

グループ会社間の連携を強化するため、内部監査、コンプライアンス、オペレーショナルリスク、お客さま満足推進といった各種の経営課題に関するグループの連絡会等を新設・充実してまいります。

b. 「グループ運営会議」の強化

グループ会社の経営陣による、グループ運営のための認識を共有する場として活用してきた「グループ運営会議」において、今般の諸問題のような、事業子会社の重要事項に関する内容の報告や、グループ経営陣による議論の場として活用するなど、その機能を強化します。

 

② グループコンプライアンス機能の強化

a. 内部通報窓口の情報共有

事業子会社の内部通報窓口の利用状況(件数、通報内容、調査結果等)を集約し、各社間の情報共有を図っていきます。

b. 金融営業専用の社外通報窓口の新設

不適正な乗換契約その他の不適正募集又はその疑い等の発生等に際して、伏在していた乗換契約その他の保険募集に係る問題点及び原因等が把握・確認できていなかったことを踏まえ、かんぽ生命保険商品の募集をはじめとした金融営業専用の社外通報窓口を新設します。

c. 「日本郵政グループ社員 何でも相談室(仮称)」の新設

当社グループ社員の日頃の業務における問題の相談等を受ける窓口「日本郵政グループ社員 何でも相談室(仮称)」を新設します。

d. 営業・業務に関する機能の強化

営業・業務面での改善策の実施についてのフォローアップを行うほか、営業・業務面における事業子会社の状況について情報収集し、大きな論点となる可能性のある事項について、適宜、取締役会、経営会議等への報告を行うとともに、事業子会社への問題提起や事業子会社間の調整を行うこととします。

 

③ 監査部門の機能の強化

a. 事業子会社へのオンサイトモニタリングの実施

当社の監査部門による事業子会社のフロントライン等へのオンサイトモニタリングを実施し、必要に応じて直接監査を実施します。

b. グループ内部監査連絡会議等の充実

グループ内部監査連絡会議等での協議上、お客さま本位・募集品質向上策に関し、重要と認識した課題については、今後の改善取組み内容の進捗管理を行うなど、フォローアップの充実に取り組んでまいります。

 

④ 経営理念を浸透させるための態勢整備及び各種施策を着実に実行させるためのガバナンスの抜本的な強化

a. トップメッセージの発出

グループ3社長のトップメッセージとして、全社員に対して「お客さま本位の業務運営」の重要性についてメッセージを発出します。

b. 改善策の進捗管理及びお客さま本位の業務運営の実現に向けた取組み

社長直下にタスクフォースを立ち上げ、グループ全体としての改善の計画を取りまとめ、第三者によるモニタリングを受けつつ着実に実行していきます。

さらに、外部の専門家の評価及びアドバイスを受けながら、信頼回復及びお客さま本位の業務運営を実現するために必要な取組みを推進してまいります。

c. 経営理念の浸透のための取組み

当社グループにおける適切な理念浸透方法を検討の上、お客さま本位の業務運営を社員一人ひとりに浸透させる取組みを実施します。

 

 

(4) 主要な設備

① 当第3四半期連結累計期間に著しい変動のあった設備は次のとおりであります。

 (a) 主要な在外子会社の状況

 当社の子会社であるToll Holdings Limited(以下「トール社」といいます。)及び同社傘下の子会社が第1四半期連結会計期間より「リース」(IFRS第16号 2016年1月13日)を適用しました。適用後の状況は下記のとおりとなっております。

2019年12月31日現在

会社名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

(面積千㎡)

その他

合計

トール社

及び

同社傘下の

子会社

LOYANG,

SINGAPORE

国際物流事業

ロジスティクス施設

27,081

337

8,273

35,692

MELBOURNE,

AUSTRALIA

国際物流事業

船舶及び港湾施設

5,883

12,373

4,185

22,443

MELBOURNE,

AUSTRALIA

国際物流事業

物流施設

132

5,463

8,138

13,735

 

(注) 1.トール社及び同社傘下の子会社の所有する設備のうち、主要なものを記載しております。
2.上記には、当社の連結会社以外の者から賃借している土地・建物等が含まれております。

 

② 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。

2019年12月31日現在

セグメント
の名称

設備の内容

投資予定額

(百万円)

資金調達方法

着手及び完了予定年月

着手

完了

金融窓口事業

大阪駅前不動産開発(店舗、オフィス、劇場他)

87,980

自己資金

2020年7月

2023年度

 

(注) 1.上記の金額には消費税及び地方消費税を含んでおりません。

   2.大阪駅前不動産開発の投資予定額については、共同事業者負担分を含みます。また、着手年月は、着工予定年月を記載しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。