第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本第3四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当第3四半期連結累計期間開始日以降、本第3四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更及び追加があった事項は以下のとおりであり、変更及び追加箇所は下線で示しております。変更及び追加箇所の前後については記載を一部省略しております。

なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスクの概要

1.かんぽ生命保険の保険商品の募集品質に関するリスク

当社、日本郵便及びかんぽ生命保険は、保険契約の募集品質に係る諸問題に関し、2019年12月27日付で監督当局から行政処分を受け、2020年1月31日付で、業務改善計画を監督当局に提出しております。なお、業務改善計画の進捗及び改善状況については、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとに報告することとなっております。

2019年7月以降、郵便局及びかんぽ生命保険の支店からの積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えていたことに加えて、上記行政処分による業務停止命令を受けたことから、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しておりました。有価証券報告書提出日時点においては、当該行政処分による業務停止命令期間は終了しており、2020年10月5日から信頼回復に向けた業務運営を開始し、かんぽ生命保険の支店では、2021年2月10日から、これまでかんぽ生命保険からご訪問等をさせていただいたことのある法人のお客さまや、説明のご要望等をいただいた法人のお客さまへの募集品質を最優先とした保険商品やサービスのご説明・ご提案も行っておりますが、当面はお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることに最優先で取り組むこととしており、郵便局においては引き続き、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えている状況にあります。また、本事案の判明による当社グループの信用の低下により、今後、かんぽ生命保険商品の通常営業を再開したとしても、生命保険業の新契約の獲得が従来の水準に達せず、又は、既存契約の解約数が増加する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、2019年4月以降にお客さまよりいただいた苦情から、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、お客さま本位でない営業が行われ、一部のお客さまにおいてはご意向に沿っていない取引が行われた可能性がある事案を把握し、一部の取引について法令違反を認定しています。これらの事案にかかるお客さまに対しては、引き続き速やかにご意向確認を進め、ご要望に応じて契約無効等必要な対応を実施していくとともに、日本郵便が商品横断的なデータモニタリングを行うなど、今後も改善に向けた取組みを進めてまいりますが、当該事案の中から追加で法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には、当社グループの社会的信用がさらに毀損されることとなり、日本郵便が取り扱う金融商品の販売に悪影響を及ぼす可能性があります。また、今後、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する等の場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、保険募集プロセスの品質改善に向けた対応など業務改善計画に掲げた施策に取組み、お客さま本位の業務運営の徹底にグループ一丸となって取り組んでまいりますが、かかる取組みが期待された効果を発揮せず、想定以上の時間を要し、又は追加的な費用が発生する可能性があります。また、今後の業務改善計画の進捗及び改善状況によっては、かんぽ生命保険の希望する商品の当局認可が得られないほか、さらなる行政処分を受ける可能性や、当社グループの信用が低下する可能性があるなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.金融・資本市場での運用等に係るリスク

当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業(以下「金融事業」と総称します。)の運用・調達から生じる収益により占められています。足元の新型コロナウイルス感染症の拡大時に見られるような歴史的な金融・資本市場の動揺、世界経済の深刻な後退懸念時には、金融2社を中心とした当社グループ各社の保有資産の価値下落のみならず、保有資産が通常価格又は通常レートで売却できない、又は、ヘッジできないことにより、評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分における分配可能額の減少・消失等、金融事業に影響を及ぼすリスクは大きいものと認識しております。

また、金融2社の資産運用の主体は債券運用であり、歴史的な低金利環境の長期化を受けて金融機関の基礎的な収益力低下が継続する中、安定的な収益確保のため、運用の高度化・多様化を推進しています。財務健全性の観点から、リスク管理態勢も高度化し、ストレステスト等も実施して、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な自己資本比率を確保していますが、特に海外金融資産の増加に伴い海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達・ヘッジコスト上昇の影響等を強く受けるようになっております。また、金利が急上昇した場合には、運用サイドの債券等の価値が下落するとともに、調達サイドの貯金等の流出や預替え等が発生する可能性も否定できません。

以上の状況においては、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の変動が、当社保有の金融2社株式の減損損失、これに伴う剰余金の処分における分配可能額の減少・消失等も含め、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2020年12月30日付で公表したとおり、2021年3月期第3四半期の個別決算において、ゆうちょ銀行の株式について、時価が著しく下落したため減損処理を行い、2,953,674百万円の関係会社株式評価損(特別損失)を計上いたしました。四半期決算期末における有価証券の減損処理につきましては、洗替法を採用しているため、2021年3月期通期における特別損失の額は変動する場合があり、また、今後も当社保有の金融2社株式の時価が下落することにより更なる減損処理が必要となった場合には、これに伴う剰余金の減少により更に分配可能額が減少し、あるいは消失する可能性があります。

 

3.システムに係るリスク

現代社会においては、業務運営でのシステムの重要度が高まっている一方、システム構築・運用は複雑化し、また、システムに対するサイバーテロや標的型攻撃、各種サービスの不正利用・不正送金等が発生しております。このように高まりを見せるシステムリスクに対して、当社グループは情報共有によるITガバナンスの強化、サイバー・セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかし、かかるリスクは新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務(テレワーク)拡大、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、今後さらに増大する可能性があり、当社グループのシステムへの攻撃等、また、システム構築・運用に際しての不具合、各種サービスの不正利用・不正送金等により、当社グループの業務が大規模かつ長期間に亘り、停止し又は制約を受けることで、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、システムの故障・障害等が生じた場合には、システム修復等の対応費用だけでなく、サービス・業務の停止、データ毀損、顧客情報の流出、お客さまへの経済的・精神的損害等に係る顧客等からの損害賠償請求の発生や、業務停止等の行政処分、社会的信用の低下など、被害の範囲が想定困難なほど拡大する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 

2.法的規制・法令遵守等に関するリスク

(3) 訴訟その他法的手続に関するリスク

当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。一部ではありますが、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。

かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループにおいても当該判断を踏まえた対応が必要となるなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、労働契約法第20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に基づき、期間雇用社員である原告が正社員と期間雇用社員に労働条件の差異があるのは不合理であるとして提訴した訴訟については、2020年10月15日に最高裁判所が、一部の手当や休暇制度について、正社員と期間雇用社員である原告間に差異があるのは不合理との判決を言い渡しました。当社グループにおける今後の人事労務制度改正の内容については、最高裁判所の判決の内容を踏まえ、労使交渉のうえ決定していくこととしておりますが、その内容等によっては対応に相当の費用を要し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.事業運営に関するリスク

(1) 中期経営計画に関するリスク

当社グループは国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には様々なリスク等が内在しており、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。また、市場金利の低下に伴う保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少していることに加えて、保険募集プロセスの品質事案等の影響で新契約の獲得が計画通り進まない、又は、既存の契約の解約数が増加する可能性があり、かかる場合、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。

加えて、2019年12月27日に日本郵便及びかんぽ生命保険は監督当局から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止(顧客からの自発的な意思表示を受けて行う保険募集及び保険契約の締結を除きます。その他、当局が契約者保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除きます。以下、同じ。)し、4月以降も積極的な商品の提案を控えていること、歴史的な低金利環境の長期化に加え、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の悪化による影響等から、当該計画における目標の達成が困難になっていると認識しております。

なお、郵便局等での営業を自粛していたかんぽ生命保険商品、投資信託、提携金融商品(変額年金保険・引受条件緩和型医療保険・傷害保険)について、2020年10月5日から、信頼回復に向けた業務運営を開始し、かんぽ生命保険の支店では、2021年2月10日から、これまでかんぽ生命保険からご訪問等をさせていただいたことのある法人のお客さまや、説明のご要望等をいただいた法人のお客さまへの募集品質を最優先とした保険商品やサービスのご説明・ご提案も行っておりますが、当面はお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることに最優先で取り組むこととしており、郵便局においては引き続き、積極的なかんぽ生命保険の保険商品等のご提案を控えている状況にあります。

さらに、金融2社等当社グループ各社が保有する有価証券の価値の低下による減損損失、売却損の計上やその他有価証券評価差額金の減少等により当社グループ各社からの配当収入が減少する結果、当社では十分な配当可能額が確保できず、中期経営計画における配当目標を達成できない可能性があります(2020年5月に開示した配当予想において、2021年3月期は、中間配当は行わず期末配当の年1回とし、通期の配当額は未定としておりましたが、2020年11月13日に開示した配当予想において、通期の配当額を1株当たり50円としました。)。

なお、当社は将来的な国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.財務に関するリスク

(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた株式市場の混乱の影響を受けるなど、当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が低下しております。これらの株式の株価等が取得した価額に比べて著しく下落し、回復する可能性があるとは認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。
 当社の所有する金融2社株式の帳簿価額については、「Ⅶ.金融2社株式売却等に関するリスク  (4) 当社による金融2社株式の売却に関するリスク」をご参照ください。

2020年12月30日付で公表したとおり、2021年3月期第3四半期の個別決算において、ゆうちょ銀行の株式について、時価が著しく下落したため減損処理を行い、2,953,674百万円の関係会社株式評価損(特別損失)を計上いたしました。四半期決算期末における有価証券の減損処理につきましては、洗替法を採用しているため、2021年3月期通期における特別損失の額は変動する場合があり、また、今後も当社保有の金融2社株式の時価が下落することにより更なる減損処理が必要となった場合には、これに伴う剰余金の減少により更に分配可能額が減少し、あるいは消失する可能性があります。

また、当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク

(1) 金融窓口業務のサービス品質に関するリスク

かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案の判明、2019年12月の監督当局による行政処分を受け、当社グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの信用は大きく低下している状況にあり、早期の信用回復が最重要課題と認識しております。当社グループは、2020年1月31日付で監督当局に提出した業務改善計画に基づき、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取組み等を実施し、保険募集プロセスの品質改善を通じ、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております。しかし、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する場合には、当社グループに対するステークホルダーからの信用回復に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに取組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が判明する等の場合には、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

かんぽ生命保険及び日本郵便は、多数契約等の全ご契約調査の更なる深掘調査や、これらに関連する保険契約を受理した募集人調査等を継続して行っております。このほか、お客さまの信頼回復に向けたフォローアップ活動として、契約者・被保険者別人の終身保険及び払込完了となった契約を解約し、契約乗換を行った契約をお持ちになっているお客さまへのレター送付や、年に一度ご契約者さまにお送りしている「ご契約内容のお知らせ」によりご契約内容を再確認いただくなどの取組みを継続的に実施しております。これらの調査については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、計画が遅れる可能性があります。

今後、当該調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する等の場合には、当社グループの社会的信用にさらに影響を与える可能性があります。さらに、当該調査等を踏まえて募集人に対する処分を順次実施しておりますが、現在実施している募集人処分(業務停止等)の規模や程度によっては、新契約の獲得の減少又は既存契約の解約数の増加を招く可能性があるほか、追加での調査やお客さまの不利益の解消に向けた保険契約手続き(契約復元等)によって追加的な費用を要する可能性もあります。

契約乗換等に係る事案の発生を契機に、お客さま本位の業務運営の状況についてリスク感度を上げて確認するため、2020年4月から当社グループ各社が連携して複数の商品にまたがるお客さまの苦情を分析いたしました。その結果、日本郵便において、2019年4月以降にお客さまよりいただいた苦情から、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、お客さま本位でない営業が行われ、一部のお客さまにおいてはご意向に沿っていない取引が行われた可能性がある事案を把握し、一部の取引について法令違反を認定しております。これらの事案にかかるお客さまに対しては、引き続き速やかにご意向確認を進め、ご要望に応じて契約無効等必要な対応を実施していくとともに、日本郵便が商品横断的なデータモニタリングを行うなど、今後も改善に向けた取組みを進めてまいりますが、当該事案の中から追加で法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には当社グループに対する社会的信用がさらに毀損されることとなり、日本郵便が取り扱う金融商品の販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

2019年7月以降、郵便局からの一部商品を除く金融商品全般についての積極的な営業を控えていたことに加えて、2019年12月27日に日本郵便及びかんぽ生命保険は監督当局から業務停止命令を受けたことにより、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しておりました。有価証券報告書提出日時点においては、当該業務停止命令期間は終了しており、2020年10月5日から信頼回復に向けた業務運営を開始し、かんぽ生命保険の支店では、2021年2月10日から、これまでかんぽ生命保険からご訪問等をさせていただいたことのある法人のお客さまや、説明のご要望等をいただいた法人のお客さまへの募集品質を最優先とした保険商品やサービスのご説明・ご提案も行っておりますが、当面はお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることに最優先で取り組むこととしており、郵便局においては引き続き、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えている状況にあります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、当社グループの業務運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する場合には、新契約の獲得なども引き続き進まないことにより、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便による積極的な営業を行えないことから、日本郵便の営業社員が報酬の低下等により離職する又はモチベーションを喪失すること、さらに新しい人材の確保に悪影響を及ぼすことにより、日本郵便で取り扱う金融商品の営業活動の円滑な再開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本郵便からお客さまに対する通常のご提案が可能となったとしても、当社グループへの信用の低下等により、日本郵便が取り扱う金融商品の販売が回復しない場合には、日本郵便が受領する金融2社及びその他の提携金融機関からの受託手数料の減少により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、今後の業務改善計画の進捗及び改善状況によっては、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険募集プロセスの品質事案に関連して、保険契約者等から訴訟を提起された場合にも、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 国際物流事業に関するリスク

① トール社の業績に関するリスク

国際物流事業を担うトール社の事業の内、特に豪州国内物流を中心とするエクスプレス事業の業績は、豪州経済の影響を大きく受けております。今後、新型コロナウイルス感染症による経済の影響や資源価格が下落し、豪州経済が低迷した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

トール社の業績は、日本郵便による買収後に悪化し、当社は、2017年3月期の連結決算において、国際物流事業に係るのれん及び商標権の全額3,923億円並びに有形固定資産の一部80億円(合計4,003億円)の減損損失を特別損失として計上しております。

このような状況を受け、トール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための対策や、トール社の高成長地域への集中及び高成長分野への進出等の成長戦略を講じるとともに、赤字が継続しているエクスプレス事業については売却を検討しておりますが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、また赤字事業の売却が成功する保証はなく、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、トール社の保有する物流設備その他の固定資産について更なる減損損失を計上する可能性もあります。

さらに、2020年1月にトール社は標的型サイバー攻撃を受け、一時的に全システムのシャットダウンを実施し、サービスの提供に影響を及ぼしました。さらに、同年5月に別の標的型サイバー攻撃を受けたことにより、再び全システムのシャットダウンを実施するとともに、情報流出が確認されたため、情報流出範囲の特定等、必要な対策を講じています。今後もサイバー攻撃を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社は日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループ又はトール社の事業に負の効果を及ぼして、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 不動産事業に関するリスク

当社グループは、金融窓口事業において、日本郵便が保有する不動産を有効活用して事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおります。当該事業については、国内外の景気又は特定地域の経済状況や人口、市場における需給等の変化により、不動産価格や賃貸料の下落、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、たな卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生等の影響を受ける可能性があります。特に今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言等を受けた深刻な経済活動の停滞により、テナント賃料の減免及び支払猶予が一部発生しており、空室率の上昇、開発中の案件における竣工時期の遅延等が想定され、収束後も、ライフスタイルや働き方の変容により、オフィス需要の変化等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する可能性があります。また、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ.銀行業に関するリスク

(5) オペレーショナル・リスク等

ゆうちょ銀行の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報資産リスク、訴訟等に係るリスク、人事リスク、レピュテーショナル・リスク、法令違反等(横領その他の犯罪行為、テロ資金供与、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない等のミスコンダクトリスクが発生する等)に係るリスク、マネー・ローンダリング等に係るリスク、災害リスク、サイバー攻撃等に関するリスク等のオペレーショナル・リスクが存在します。ゆうちょ銀行では日本郵便等と連携し、各種取組みを通じて事故や不正利用・不正送金の防止に努めておりますが、これらのオペレーショナル・リスクを適切に管理できず、リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 代理店を通じた営業に係るリスク

ゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しております。ゆうちょ銀行の店舗23,881(2020年3月末日現在)のうち23,647が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しております。

従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また新型コロナウイルスの感染拡大により、利用者数が減少等した場合、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2019年7月に、当社グループは、かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わずに不利益が生じた契約乗換等に係る事案の判明を受けて、郵便局の取り扱う金融商品全般(一部商品を除く。)についての積極的な営業を控えております。今後、日本郵便からお客さまに対する通常の提案が可能となったとしても、当社グループへの信用の低下等により、日本郵便が取り扱うゆうちょ銀行の金融商品の販売が回復しない可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行が委託している投資信託の販売等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

契約乗換等に係る事案の発生を契機に、お客さま本位の業務運営の状況についてリスク感度を上げて確認するため、2020年4月から当社グループ各社が連携して複数の商品にまたがるお客さまの苦情を分析いたしました。その結果、日本郵便において、2019年4月以降にお客さまよりいただいた苦情から、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、お客さま本位でない営業が行われた可能性がある事案を把握し、一部の取引については、法令違反に該当すると判断しております。こうした事案に関しては、速やかにお客さまのご意向確認等を進め、契約無効等必要な対応を実施していくとともに、引き続きお客さま本位の営業に向けた取組みを進めてまいりますが、今後も法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には、当社グループの社会的信用に影響を与える可能性があります。

また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) LIBOR等の指標金利に関するリスク

ゆうちょ銀行は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)等の指標金利を参照する金融商品を保有しており、更に当該指標金利は、ゆうちょ銀行内における金融商品の評価等においても利用されております。

2014年7月に、金融安定理事会が、金利指標の改革及び代替金利指標としてリスク・フリー・レートの構築を提言し、また、2017年7月には、LIBORを規制する英国の金融行動監視機構(FCA)長官が、2021年末以降はLIBOR公表継続のためにパネル銀行にレート呈示を強制する権限を行使しない旨表明しており、2021年末以降のLIBORの公表には不確実性があります。

ゆうちょ銀行では、2021年末以降のLIBOR公表停止の可能性が高まっているとの認識の下、代替金利指標への移行に対する対応を進めておりますが、後継指標に関する市場慣行、導入時期等、未だ決定されていない事項が多く、参照金利や評価方法の変更等により、指標金利を参照するゆうちょ銀行の金融資産につき損失が発生し、また、システム開発が必要になること等に伴う費用の増加等の要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅴ.生命保険業に関するリスク

(1) 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク

かんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案の判明、2019年12月の監督当局による行政処分を受け、当社グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの信用は大きく低下している状況にあり、早期の信用回復が最重要課題と認識しております。

当社グループは、2020年1月31日付で監督当局に提出した業務改善計画に基づき、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取組み等を実施し、保険募集プロセスの品質改善を通じ、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております。しかし、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する場合には、当社グループに対するステークホルダーからの信用回復に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに取組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が判明する等の場合には、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

かんぽ生命保険及び日本郵便は、多数契約等の全ご契約調査の更なる深掘調査や、これらに関連する保険契約を受理した募集人調査等を継続して行っております。このほか、お客さまの信頼回復に向けたフォローアップ活動として、契約者・被保険者別人の終身保険及び払込完了となった契約を解約し契約乗換を行った契約をお持ちになっているお客さまへのレター送付や、年に一度ご契約者さまにお送りしている「ご契約内容のお知らせ」によりご契約内容を再確認いただくなどの取組みを継続的に実施しております。これらの調査については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、計画が遅れる可能性があります。

今後、当該調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する等の場合には、当社グループの社会的信用にさらに影響を与える可能性があります。さらに、現在実施している募集人処分(業務停止等)の規模や程度によっては、新契約の獲得の減少又は既存契約の解約数の増加を招く可能性があるほか、追加での調査やお客さまの不利益の解消に向けた保険契約手続き(契約復元等)によって追加的な費用を要する可能性もあります。

契約乗換等に係る事案の発生を契機に、お客さま本位の業務運営の状況についてリスク感度を上げて確認するため、2020年4月から当社グループ各社が連携して複数の商品にまたがるお客さまの苦情を分析いたしました。その結果、日本郵便において、2019年4月以降にお客さまよりいただいた苦情から、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、お客さま本位でない営業が行われ、一部のお客さまにおいてはご意向に沿っていない取引が行われた可能性がある事案を把握し、一部の取引について法令違反を認定しております。これらの事案にかかるお客さまに対しては、引き続き速やかにご意向確認を進め、ご要望に応じて契約無効等必要な対応を実施していくとともに、日本郵便が商品横断的なデータモニタリングを行うなど、今後も改善に向けた取組みを進めてまいりますが、当該事案の中から追加で法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には、かんぽ生命保険を含む当社グループに対する社会的信用がさらに毀損されることとなり、かんぽ生命保険商品の販売等に悪影響を及ぼす可能性があります。

2019年7月以降、郵便局及びかんぽ生命保険の支店からの積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えていたことに加えて、2019年12月27日に日本郵便及びかんぽ生命保険は監督当局から業務停止命令を受けたことにより、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しておりました。有価証券報告書提出日時点においては、当該業務停止命令期間は終了しており、2020年10月5日から信頼回復に向けた業務運営を開始し、かんぽ生命保険の支店では、2021年2月10日から、これまでかんぽ生命保険からご訪問等をさせていただいたことのある法人のお客さまや、説明のご要望等をいただいた法人のお客さまへの募集品質を最優先とした保険商品やサービスのご説明・ご提案も行っておりますが、当面はお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることに最優先で取り組むこととしており、郵便局においては引き続き、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えている状況にあります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、当社グループの業務運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかる経営成績等への影響は、手数料支払の減少による利益の増加が先行するというかんぽ生命保険の利益構造の特性により、短期的には顕在化しにくいものの、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控える期間がより長期にわたり継続する場合には、かんぽ生命保険の経営成績、財政状態及び企業価値を表すEV(エンベディッド・バリュー)等の指標に影響を及ぼし、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、かんぽ生命保険の保険商品の営業社員が報酬の低下等により離職する、又はモチベーションを喪失することにより、かんぽ生命保険の通常の営業活動の再開に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、かんぽ生命保険及び日本郵便からお客さまに対する通常のご提案が可能となったとしても、当社グループの信用の低下等によりかんぽ生命保険の新契約の獲得が回復しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、今後の業務改善計画の進捗及び改善状況によっては、かんぽ生命保険の希望する商品の当局認可が得られないほか、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険募集プロセスの品質事案に関連して、保険契約者等から訴訟を提起された場合にも、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事業戦略・経営計画が奏功しないリスク

かんぽ生命保険は、現中期経営計画において、「保障重視の販売の強化」、「新たな顧客層の開拓」、「新商品開発」等に取り組むこととしておりましたが、現在、契約乗換等に係る事案の判明以降、長期にわたり積極的な募集活動を停止するなど計画策定時における前提が大きく変化しており、当該計画における目標を達成できない可能性があります。

かんぽ生命保険は、保有契約年換算保険料(個人保険)については、市場金利の低下に伴う保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したこと及び契約乗換等に係る事案の判明以降、長期にわたり積極的な募集活動を停止していること、加えて2021年3月期においては保有契約年換算保険料にかかる目標及び営業目標を設定しないことから、中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標達成は困難であると認識しております。

2022年3月期以降に営業目標を設定する場合においては、適正な募集品質に基づく営業力に見合った目標設定へ見直すとともに、新契約と契約継続を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月額保険料を差し引きしたストック目標の導入や、募集品質に係る評価項目の見直しを行う予定でありますが、かかる営業目標・評価基準等の見直しが奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、かんぽ生命保険は、お客さま本位の営業活動の徹底と抜本的な改善策のほか、2020年10月5日からお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることを第一とする信頼回復に向けた業務運営を行うことにより、全社をあげて信用回復に取り組んでおりますが、かかる信用が早期に回復しないことにより、新契約の獲得が計画通り進まない場合や既存の契約の解約数が増加する場合には、当該計画における目標の達成が困難になるほか、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。

さらに、かんぽ生命保険は、法令上可能な限りにおいて、新たな収益機会を得るため新規業務への参入を行うことがありますが、契約乗換等に関する事案の判明により信用が大きく低下している状況では、新規業務への参入が困難となる可能性があります。加えて、かんぽ生命保険は新商品の販売開始にあたって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために計画通りの時期又は内容で新商品を投入できない可能性があります。また、かかる認可を取得し、新商品を販売した場合であっても、商品性が市場ニーズにマッチしない、営業体制が確保できない、予想を超える外部要因等により収益が確保できない等、当該商品が当初想定した成果をもたらさない可能性があります。このような結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅵ.その他事業に関するリスク

(3) 不動産事業(金融窓口事業に係るものを除く。)に関するリスク

当社グループは、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営む日本郵政不動産株式会社を2018年4月2日に設立しております。当該事業については、国内外の景気又は特定地域の経済状況や人口、市場における需給等の変化により、不動産価格の変動や賃貸料の下落、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、たな卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生等の影響を受ける可能性があります。特に今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言等を受けた深刻な経済活動の停滞により、テナント賃料の減免及び支払猶予が一部発生しており、空室率の上昇、開発中の案件における竣工時期の遅延等が想定され、収束後も、ライフスタイルや働き方の変容により、オフィス需要の変化等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する可能性があります。また、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況及び分析・検討

 当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。

資産の部合計は、前連結会計年度末比11,140,614百万円増297,239,064百万円となりました。

主な要因は、現金預け金10,038,004百万円の増、銀行業等における金銭の信託2,115,522百万円増の一方、銀行業及び生命保険業における貸出金635,257百万円の減、銀行業及び生命保険業等における繰延税金資産384,612百万円の減によるものです。

負債の部合計は、前連結会計年度末比7,693,519百万円増281,175,194百万円となりました。

主な要因は、銀行業における貯金6,625,982百万円の増、銀行業等における借用金3,657,177百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金2,187,897百万円の減、銀行業及び生命保険業における債券貸借取引受入担保金1,098,614百万円の減によるものです。

純資産の部合計は、前連結会計年度末比3,447,094百万円増16,063,869百万円となりました。

主な要因は、銀行業等におけるその他有価証券評価差額金2,538,294百万円の増、非支配株主持分561,434百万円の増、銀行業及び生命保険業等における利益剰余金288,917百万円の増によるものです。

 

(2) 経営成績の状況及び分析・検討

当第3四半期連結累計期間のわが国の経済情勢を顧みますと、新型コロナウイルス感染症の影響によって、企業収益が大幅に減少しており、依然として厳しい状況にありますが、個人消費に一部足踏みする動きがあるものの、輸出・生産等も含め総じて持ち直してきていることから、景気の先行きについても持ち直しの動きが期待される状況となっています。ただし、新型コロナウイルス感染症の再拡大によって社会経済活動が下振するリスクにも十分注意する必要がある状況でもあります。

また、世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、厳しい状況が続いているものの、米国やアジアでは持ち直しの動きが見られます。一方、ユーロ圏では新型コロナウイルス感染症の再拡大により、経済活動が抑制されており、景気は弱い動きとなっています。

我が国の金融資本市場では、日本銀行が大規模かつ矢継ぎ早に流動性供給と信用支援を進めた結果、10年国債利回りは0%近傍で推移しました。米国においては、2020年9月15日~16日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標水準を0.00%から0.25%に据え置くことを決定したほか、10年国債利回りについては景気刺激策への期待再燃などにより、2020年12月に0.9%まで上昇しました。

日経平均株価は、2020年4月当初に17,800円台を記録したものの、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大がもたらす景気低迷への警戒が和らいだことや経済対策への期待感により上昇してきました。2020年10月は、米国での追加経済対策への期待を背景に、一時的に23,700円台まで上昇したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらなかったことから、月末には23,000円台を割り込みました。その後、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの有効性が示されたことを受けて、経済活動の停滞に歯止めをかける期待感が高まったことから、2020年11月は株価が大幅に反発し、一時的に26,800円台まで上昇し、月末は26,400円台まで上昇となりました。2020年12月になると、海外で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったことや、米国の経済対策の成立、英国の欧州連合離脱交渉がまとまったことも追い風となり、世界的な株高基調に乗ったことから一時27,600円台を記録し、月末には27,400円台となり1990年以来の高い水準となりました。

このように、当社グループを取り巻く経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直す動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症が再拡大している等、全体としては引き続き先行き不透明かつ厳しい環境が継続しております。

このような事業環境にあって、当第3四半期連結累計期間における連結経常収益は8,700,507百万円(前年同期比354,050百万円減)、連結経常利益は708,807百万円(前年同期比19,927百万円増)、連結経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額、法人税等及び非支配株主に帰属する四半期純利益を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は、390,013百万円(前年同期比31,992百万円減)となりました。

 

当社グループは、昨年度発覚したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題など金融商品販売に係る不祥事や、今年度発覚したゆうちょ銀行が提供する各種サービスの不正利用被害の発生を受け、お客さまからの信頼回復にグループ一丸となって取り組んでいるところであります。

その一方で、当社グループはこの厳しい事業環境において、国内人口の減少やデジタル化の進展の他、ポストコロナにおける社会・経済の大きな変化に対応し成長していくために、新たな成長戦略を推進することが重要と考えており、当社においては、グループ横断的な新規事業等に関する企画立案・調整等を担う「新規ビジネス室」及びグループ横断的なDX施策の推進に関する企画立案・ 調整等を担う「DX推進室」を、社長直属のプロジェクトとして2020年10月1日に立ち上げましたが、加えて成長に向けたビジョンを描いていくことが喫緊の重要課題であると捉えております。

当社グループではまずはお客さまの信頼回復を第一に取り組み、そのうえで新たな成長を図るべく、2021年度からの新しい中期経営計画の検討に取り組んでおり、その基本的な考え方を2020年11月13日に公表いたしました。

 

なお、2020年12月4日に、普通扱いとする郵便物の配達頻度の変更(週6日以上とされている郵便物の配達頻度を週5日以上に変更)、送達日数の変更(原則3日以内とされている郵便物の送達速度を原則4日以内に変更)等を内容とする改正郵便法が公布されました。この改正郵便法の施行日は、公布日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日とされております。日本郵便としては、お客さまに丁寧な周知を行ったうえでサービスの見直しを実施し、週末・深夜労働に依存した労働環境の改善を図って働き方改革を推進するとともに、増加する荷物に対応するため、郵便から荷物分野への経営資源のシフトを進めてまいります。

 

各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

 

① 郵便・物流事業

当第3四半期連結累計期間の郵便・物流事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を主因として、巣ごもり消費増加等に伴うEC需要の拡大が続き、ゆうパック等の荷物が増加したものの、普通郵便、国際郵便、年賀葉書の減少もあり、収益は、減少しました。費用は、コストコントロールの取組等により引き続き減少しました。結果、経常収益は1,555,562百万円(前年同期比48,081百万円減)、経常利益は88,233百万円(前年同期比32,231百万円減)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における郵便・物流事業の営業収益は1,553,305百万円(前年同期比48,363百万円減)、営業利益は86,798百万円(前年同期比32,523百万円減)となりました。

 

(参考)引受郵便物等の状況

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

物数(千通・千個)

対前年同期比(%)

物数(千通・千個)

対前年同期比(%)

総数

14,575,538

△0.7

13,592,984

△6.7

 

 

 

 

 

 

  郵便物

11,205,921

△0.5

10,330,643

△7.8

 

 内国

11,174,888

△0.5

10,313,866

△7.7

 

   普通

10,794,407

△0.6

9,934,274

△8.0

 

     第一種

6,153,376

0.3

5,892,250

△4.2

 

     第二種

4,427,490

△2.6

3,887,755

△12.2

 

     第三種

145,369

△3.0

135,236

△7.0

 

     第四種

11,822

△4.5

12,773

8.0

 

     選挙

56,350

487.1

6,260

△88.9

 

   特殊

380,480

2.5

379,591

△0.2

 

 国際(差立)

31,034

△1.7

16,777

△45.9

 

   通常

19,152

6.1

9,725

△49.2

 

   小包

2,185

△21.3

1,738

△20.4

 

   国際スピード郵便

9,696

△9.8

5,314

△45.2

  荷物

3,369,617

△1.3

3,262,342

△3.2

 

 ゆうパック

731,308

0.6

846,244

15.7

 

 (再掲)ゆうパケット

312,870

18.7

387,561

23.9

 

 ゆうメール

2,638,309

△1.8

2,416,098

△8.4

 

(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。

種類

概要/特徴

第一種郵便物

お客さまがよく利用される「手紙」(封書)のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)、特定封筒(レターパックライト)及び小型特定封筒(スマートレター)も含んでおります。

第二種郵便物

お客さまがよく利用される「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。年賀郵便物の取扱期間(12/15~1/7)以外に差し出された年賀はがきを含んでおります。

第三種郵便物

新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。

第四種郵便物

公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。

 

2.年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12/15~12/28)及び12/29~1/7に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)は除いております。

3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。

4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。

5.国際通常郵便物は、2019年4月以降の集計方法を変更しております。なお、対前年同期比の算定にあたり、過去の通数との整合性を確保するため、過年度分については組替えを行っておりません。

6.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。

7.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。

8.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。

 

② 金融窓口事業

当第3四半期連結累計期間の金融窓口事業におきましては、日本郵便とかんぽ生命保険が引き続き検討を行っておりました保険手数料について、2021年3月期においては維持・集金手数料の単価の見直しを行い、その影響を反映(4月分からの差額を12月に一括で計上)したものの、かんぽ生命保険商品の積極的な提案を控えていることにより、累計では大幅に減少しました。また、物販事業や提携金融事業の減収も続き、結果、経常収益は955,515百万円(前年同期比50,116百万円減)、経常利益は41,883百万円(前年同期比10,232百万円減)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における金融窓口事業の営業収益は954,590百万円(前年同期比50,193百万円減)、営業利益は41,603百万円(前年同期比10,177百万円減)となりました。

 

(参考)郵便局数

支社名

営業中の郵便局(局)

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

直営の郵便局

簡易
郵便局

直営の郵便局

簡易
郵便局

郵便局

分室

郵便局

分室

北海道

1,208

1

268

1,477

1,207

1

264

1,472

東北

1,892

1

603

2,496

1,893

1

594

2,488

関東

2,394

0

171

2,565

2,395

0

162

2,557

東京

1,473

0

5

1,478

1,470

0

6

1,476

南関東

953

0

71

1,024

953

0

71

1,024

信越

974

0

318

1,292

976

0

314

1,290

北陸

668

0

167

835

668

0

162

830

東海

2,050

1

309

2,360

2,047

1

305

2,353

近畿

3,094

6

326

3,426

3,092

6

321

3,419

中国

1,751

2

450

2,203

1,752

2

447

2,201

四国

930

0

211

1,141

930

0

208

1,138

九州

2,501

0

895

3,396

2,498

0

889

3,387

沖縄

175

0

21

196

175

0

21

196

全国計

20,063

11

3,815

23,889

20,056

11

3,764

23,831

 

 

③ 国際物流事業

当第3四半期連結累計期間の国際物流事業におきましては、収益については、引き続きロジスティクス事業アジア部門における新型コロナウイルス感染症予防対策物資の大口取扱継続を主因として増加しました。費用については前年同期より増加しましたが、エクスプレス事業におけるコスト削減等に取組んだことにより費用の増加が収益の増加を下回りました。この結果、営業損益の赤字幅が減少し、経常収益は564,268百万円(前年同期比77,571百万円増)、経常損失は8,339百万円(前年同期は15,605百万円の経常損失)となりました。なお、日本郵便の当第3四半期連結累計期間における国際物流事業の営業収益は564,164百万円(前年同期比77,700百万円増)、営業損失は776百万円(前年同期は5,913百万円の営業損失)となりました。

なお、トール社は当第3四半期連結会計期間の末日現在において引き続き債務超過の状態にありますが、安定的な業務運営のため、日本郵便による債務保証も実施し必要な資金を確保しております。

また、トール社の取締役会は2020年11月5日、赤字が継続している同社のエクスプレス事業の売却を検討する旨を決定し、同日、当社においてもこれを開示しております。

 

 

④ 銀行業

当第3四半期連結累計期間の銀行業におきましては、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下において、有価証券利息が減少し、資金利益が減少したほか、投資信託関連手数料の減少を主因に役務取引等利益が減少したものの、外貨調達コストの低下もありその他業務利益が増加したことにより、業務粗利益が増加しました。経常収益は1,313,684百万円(前年同期比44,789百万円減)、経常利益は313,882百万円(前年同期比24,627百万円増)となりました。

 

(参考)銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況

(a) 損益の概要

当第3四半期累計期間の業務粗利益は、前年同期比253億円増加の1兆414億円となりました。このうち、資金利益は、低金利環境の継続など厳しい経営環境下、有価証券利息が減少し、前年同期比493億円の減少となりました。役務取引等利益は、前年同期比5億円の減少となりました。その他業務利益は、外貨調達コストの低下もあり、前年同期比752億円の増加となりました。

経費は、前年同期比107億円減少の7,584億円となりました。

業務純益は、前年同期比360億円増加の2,829億円となりました。

経常利益は、前年同期比243億円増加の3,135億円となりました。

この結果、四半期純利益は、2,257億円、前年同期比160億円の増益となりました。

 

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

業務粗利益

1,016,133

1,041,456

25,323

 資金利益

752,685

703,291

△49,393

 役務取引等利益

98,315

97,758

△556

 その他業務利益

165,132

240,406

75,273

  うち外国為替売買損益

158,930

226,198

67,267

  うち国債等債券損益

7,025

14,386

7,360

経費(除く臨時処理分)

△769,212

△758,476

10,736

  人件費

△91,688

△89,051

2,637

 物件費

△637,479

△627,766

9,713

 税金

△40,044

△41,658

△1,614

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

246,920

282,980

36,060

一般貸倒引当金繰入額

業務純益

246,920

282,980

36,060

臨時損益

42,298

30,540

△11,758

 うち株式等関係損益

11,114

△13,229

△24,343

 うち金銭の信託運用損益

32,300

43,179

10,878

経常利益

289,218

313,520

24,301

特別損益

△184

△390

△206

 固定資産処分損益

△184

△390

△206

  減損損失

△0

0

税引前四半期純利益

289,034

313,130

24,095

法人税、住民税及び事業税

△79,743

△97,923

△18,179

法人税等調整額

486

10,590

10,103

法人税等合計

△79,256

△87,333

△8,076

四半期純利益

209,777

225,797

16,019

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

(b) 国内・国際別の資金利益等

国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。

当第3四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金利益は3,685億円、役務取引等利益は976億円、その他業務利益は△56億円となりました。

国際業務部門においては、資金利益は3,347億円、役務取引等利益は0億円、その他業務利益は2,460億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,032億円、役務取引等利益は977億円、その他業務利益は2,404億円となりました。

 

イ.国内業務部門

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

449,688

368,521

△81,166

 資金運用収益

509,751

417,713

△92,037

うち国債利息

331,985

282,653

△49,331

資金調達費用

60,062

49,191

△10,870

役務取引等利益

98,023

97,671

△351

役務取引等収益

122,046

119,588

△2,458

役務取引等費用

24,023

21,917

△2,106

その他業務利益

3,205

△5,634

△8,839

その他業務収益

3,843

2,073

△1,769

その他業務費用

638

7,708

7,069

 

(注) 「国内業務部門」は円建取引であります。

 

ロ.国際業務部門

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

302,996

334,769

31,773

資金運用収益

600,283

534,116

△66,167

うち外国証券利息

598,804

533,715

△65,089

資金調達費用

297,287

199,347

△97,940

役務取引等利益

291

87

△204

役務取引等収益

466

347

△118

役務取引等費用

174

260

85

その他業務利益

161,927

246,040

84,113

その他業務収益

162,185

248,569

86,383

その他業務費用

258

2,529

2,270

 

(注) 「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建の対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

 

 

ハ.合計

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

資金利益

752,685

703,291

△49,393

資金運用収益

1,009,790

880,665

△129,125

資金調達費用

257,105

177,373

△79,731

役務取引等利益

98,315

97,758

△556

役務取引等収益

122,513

119,936

△2,576

役務取引等費用

24,197

22,177

△2,020

その他業務利益

165,132

240,406

75,273

その他業務収益

166,029

250,317

84,288

その他業務費用

896

9,911

9,014

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第3四半期累計期間5,316百万円、当第3四半期累計期間4,635百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額等は下表のとおりであります。

 

前第3四半期累計期間
(百万円)

当第3四半期累計期間
(百万円)

国内業務部門・資金運用収益

100,244

71,165

国際業務部門・資金調達費用

100,244

71,165

国内業務部門・その他業務収益

325

国際業務部門・その他業務費用

325

 

 

(c) 役務取引等利益の状況

当第3四半期累計期間の役務取引等利益は、投資信託関連手数料の減少を主因に、前年同期比5億円減少の977億円となりました。

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

役務取引等利益

98,315

97,758

△556

為替・決済関連手数料

60,956

63,589

2,633

ATM関連手数料

13,818

15,298

1,480

投資信託関連手数料

16,938

11,194

△5,744

その他

6,602

7,676

1,074

 

 
(参考) 投資信託の取扱状況(約定ベース)

 

前第3四半期累計期間

(百万円)(A)

当第3四半期累計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

販売金額

562,632

212,042

△350,589

純資産残高

2,592,550

2,501,088

△91,461

 

 

 

(d) 預金残高の状況

当第3四半期会計期間末の貯金残高は、前事業年度末比6兆7,482億円増加の189兆7,530億円となりました。

○ 預金の種類別残高(末残・構成比)

種類

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

183,004,733

100.00

189,753,018

100.00

6,748,285

流動性預金

87,567,568

47.84

99,543,855

52.45

11,976,286

振替貯金

7,712,325

4.21

8,822,479

4.64

1,110,153

通常貯金等

79,346,271

43.35

90,131,448

47.49

10,785,177

貯蓄貯金

508,971

0.27

589,927

0.31

80,955

定期性預金

95,298,907

52.07

90,025,916

47.44

△5,272,991

定期貯金

5,225,651

2.85

4,805,349

2.53

△420,301

定額貯金

90,073,256

49.21

85,220,566

44.91

△4,852,689

その他の預金

138,256

0.07

183,246

0.09

44,989

譲渡性預金

総合計

183,004,733

100.00

189,753,018

100.00

6,748,285

 

(注) 1.「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」といいます。)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社(以下「公社」といいます。)から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

(e) 資産運用の状況(末残・構成比)

当第3四半期会計期間末の運用資産のうち、国債は50.2兆円、その他の証券は70.0兆円となりました。

種類

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預け金等

51,485,414

24.80

61,923,101

28.04

10,437,687

コールローン

1,040,000

0.50

930,000

0.42

△110,000

買現先勘定

9,731,897

4.68

9,672,153

4.38

△59,744

債券貸借取引支払保証金

112,491

0.05

810,220

0.36

697,728

金銭の信託

4,549,736

2.19

5,874,558

2.66

1,324,822

うち国内株式

1,859,682

0.89

2,351,890

1.06

492,207

うち国内債券

1,419,008

0.68

2,061,508

0.93

642,499

有価証券

135,198,460

65.14

136,688,900

61.91

1,490,440

国債

53,636,113

25.84

50,285,685

22.77

△3,350,427

地方債

5,986,349

2.88

5,479,191

2.48

△507,158

短期社債

806,975

0.38

1,734,005

0.78

927,030

社債

9,108,252

4.38

9,097,719

4.12

△10,532

株式

3,255

0.00

3,255

0.00

その他の証券

65,657,514

31.63

70,089,042

31.74

4,431,528

うち外国債券

23,706,870

11.42

22,410,472

10.15

△1,296,397

うち投資信託

41,901,017

20.19

47,611,279

21.56

5,710,262

貸出金

4,961,733

2.39

4,672,711

2.11

△289,022

その他

439,879

0.21

203,089

0.09

△236,789

合計

207,519,613

100.00

220,774,735

100.00

13,255,122

 

(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。

  

 

(f) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)

業種別

前事業年度

当第3四半期会計期間

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

4,942,412

100.00

4,647,139

100.00

△295,272

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

43,524

0.88

73,370

1.57

29,846

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

108,064

2.18

133,967

2.88

25,903

卸売業、小売業

31,155

0.63

34,318

0.73

3,163

金融・保険業

773,676

15.65

752,112

16.18

△21,564

建設業、不動産業

12,983

0.26

31,733

0.68

18,749

各種サービス業、物品賃貸業

48,437

0.98

82,110

1.76

33,672

国、地方公共団体

3,782,410

76.52

3,449,276

74.22

△333,133

その他

142,159

2.87

90,250

1.94

△51,909

国際及び特別国際金融取引勘定分

19,321

100.00

25,571

100.00

6,250

政府等

その他

19,321

100.00

25,571

100.00

6,250

合計

4,961,733

4,672,711

△289,022

 

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末439,734百万円、当第3四半期会計期間末390,032百万円であります。

 

(g) 金融再生法開示債権(末残)

 

前事業年度

(億円、%)

当第3四半期会計期間

(億円、%)

 

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

0

要管理債権

 合計(A)

0

 正常債権

51,116

47,971

 総計(B)

51,116

47,971

 不良債権比率(A)/(B)

0.00

 

 

 

⑤ 生命保険業

当第3四半期連結累計期間の生命保険業におきましては、保有契約の減少及び積極的なかんぽ生命保険商品の募集自粛に伴う新契約の減少による保険料等収入の減少等により、経常収益は5,127,335百万円(前年同期比334,216百万円減)となりました。また、新契約の減少に伴う事業費の減少等により基礎利益(生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標)が増加したことに加え、金融派生商品費用の減少等によりキャピタル損益が改善したこと等から、経常利益は260,892百万円(前年同期比26,915百万円増)となりました。

 

(参考1)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の保険引受の状況

(個人保険及び個人年金保険は、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)

 

(a) 保有契約高明細表

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

件数(千件)

金額(百万円)

件数(千件)

金額(百万円)

個人保険

17,163

49,915,586

16,185

46,840,943

個人年金保険

1,164

1,930,642

1,041

1,651,069

 

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責
任準備金額を合計したものであります。

 

(b) 新契約高明細表

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

件数(千件)

金額(百万円)

件数(千件)

金額(百万円)

個人保険

634

1,859,437

89

281,038

個人年金保険

0

3,527

0

121

 

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。

 

(c) 保有契約年換算保険料明細表

 

 

(単位:百万円)

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

個人保険

3,144,610

2,908,149

個人年金保険

412,062

368,664

合計

3,556,673

3,276,814

 

うち医療保障・
生前給付保障等

393,881

370,891

 

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。

2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。

 

 

(d) 新契約年換算保険料明細表

 

 

(単位:百万円)

区分

前第3四半期累計期間

当第3四半期累計期間

個人保険

143,867

22,340

個人年金保険

314

10

合計

144,182

22,351

 

うち医療保障・
生前給付保障等

22,016

1,045

 

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。

2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。

 

(参考2)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況

(a) 保有契約高

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

件数

(千件)

保険金額・年金額

(百万円)

件数

(千件)

保険金額・年金額

(百万円)

保険

9,908

26,143,225

9,192

24,264,769

年金保険

1,540

524,117

1,449

487,823

 

(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。

 

(b) 保有契約年換算保険料

 

 

(単位:百万円)

区分

前事業年度末

当第3四半期会計期間末

保険

1,174,082

1,087,446

年金保険

511,933

479,192

合計

1,686,015

1,566,639

 

うち医療保障・
生前給付保障等

321,656

308,840

 

(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、(参考1)(c)に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。

 

 

⑥ その他

当第3四半期連結累計期間における上記各報告セグメントの事業のほか、病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善を進めているところですが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた患者数の減少等により、営業収益9,883百万円(前年同期比715百万円減)、営業損失は2,869百万円(前年同期は2,580百万円の営業損失)となりました。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善に取り組みます。

宿泊事業については、営業推進態勢の強化やサービス水準向上による魅力ある宿づくりを継続的に進めるとともに、費用管理による経費削減等の経営改善に取り組んでいるところですが、一部施設の営業終了、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言を受けた一部施設の一時休館、3密回避を図った宿泊者数の上限設定による利用者数の減少等の理由により、営業収益は5,297百万円(前年同期比10,649百万円減)、営業損失は8,189百万円(前年同期は3,746百万円の営業損失)となりました。今後も、ウィズコロナの生活様式に適した安心・安全の施設であることをアピールしつつ、政府・自治体によるGo To トラベル等キャンペーンの再開を見据えたWebセールスの充実等による増収施策、原価管理の徹底等の生産性向上施策を着実に実施することにより、経営改善に取り組みます。

不動産事業については、当社の子会社である日本郵政不動産株式会社において、不動産投資を行うとともに、「ホテル メルパルク」の賃貸・管理事業を行いました。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるテナント賃料の減免及び支払猶予が一部発生しており、開発中の案件における竣工時期の遅延等も想定されますので、今後のマーケットへの影響、動向を引き続き注視し、必要な対策を適時適切に実施しつつ、不動産事業を慎重に進めてまいります。

投資事業については、日本郵政グループの新事業の種を探すため、ネットワーク、ブランド力等を活用して成長が期待できる企業への出資を行い、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。今後も、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響など、投資先の事業環境の変化による投資先の価値や将来の成長性を見極めながら、出資等に取り組みます。

 

 

(3) かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題について

当第3四半期連結累計期間開始日以降、本第3四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題について」につきまして、重要な進捗等があった事項は以下のとおりです。

 

前連結会計年度において発生したかんぽ生命保険及び日本郵便の募集品質に係る諸問題について、業務改善計画に掲げたご契約調査及びお客さまの不利益解消に向けた契約復元等の対応、募集品質の改善に向けた取組みは、概ね計画どおりに進捗しております。

募集人資格に係る処分、募集人及び管理者等に対する人事上の処分、日本郵便及びかんぽ生命保険の本社・支社・エリア本部等の責任者の人事処分については、順次、実施しております。
 かんぽ生命保険商品の販売については、2019年7月以降、2020年1月から3月までの業務停止命令期間を含め、郵便局及びかんぽ生命保険支店におけるかんぽ生命保険商品の積極的な営業活動を控えておりましたが、JP改革実行委員会より、当社、日本郵便及びかんぽ生命保険にて設定した営業再開条件について概ね充足したとの評価を受けるとともに、信頼回復に向けた業務運営の趣旨が、社員へ共有・徹底されていること等が確認できたことから、2020年10月5日以降、ただちにかんぽ生命保険商品の積極的な営業活動をするのではなく、当面はお客さまへのお詫びを第一とした信頼回復に向けた業務運営を行っております。また、かんぽ生命保険支店においては、2021年2月10日以降、支店の法人のお客さまの保険ニーズが高まる3月に向け、これまでかんぽ生命保険からご訪問等をさせていただいたことのある法人のお客さまや、説明のご要望等をいただいた法人のお客さまに対し、募集品質を最優先としながら、これまでの活動に加えて、かんぽ生命保険からの保険商品やサービスのご案内・ご提案も行っております。なお、これまでご訪問等をさせていただいたことのない新規の法人のお客さまへのご訪問・ご案内は引き続き控えさせていただいております。今後も、2020年度は営業目標の設定は行わずに、お客さまからの信頼回復に向けた活動に最優先で取り組んでまいります。
 また、信頼回復に向けた業務運営の開始に当たっては、募集状況の可視化(録音・保管)、郵便局の管理者による事前・事後チェックの強化、かんぽ生命保険コールセンター等によるお客さまへの重層的な意向確認の実施といった改善策を講じることにより、募集管理態勢の強化を図ってまいりました。引き続き、これらの取組みにかかる効果検証や必要な見直しを行うとともに、真にお客さま本位の営業活動を実践するための募集人研修を継続実施することにより、不適正募集を再演しない態勢を確立してまいります。
 さらに、かんぽ生命保険においては、2021年4月にお客さま本位の保障の見直しの制度として、既契約を解約することなく新たな内容の契約に移行できる契約転換制度の導入を予定しております。また、低金利環境の継続による主力商品の魅力低下を踏まえ、お客さまニーズが高く、市場が拡大している保障性商品の商品ラインナップの拡充について継続的に検討を行っており、定期保険・特別養老保険の保険期間延長等に関する見直しに向けた準備を進めていくとともに、日本郵便においても、引き続き、管理者やコンサルタント等に対する研修を実施することにより、募集品質の向上、お客さま本位の意識の徹底等を図ってまいります。

今後とも、業務改善計画に掲げる各種施策については、定期的に外部のモニタリングを受けながら着実に進捗管理を実施し、当社グループの全役職員が一丸となって推進してまいります。

 

 

(4) 対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」につきまして、以下の追加すべき事項が生じております。

 

① 当社グループの「お客さまの信頼回復に向けた約束」について

2019年度に発覚したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題など金融商品販売に係る不祥事等により、当社グループはお客さまからの信頼を大きく失うこととなりました。お客さまから失った信頼を取り戻し、再びお客さまに安心して当社グループの商品・サービスをご利用していただけるようになるためには、同様の事案を発生させないための再発防止策を徹底することはもとより、当社グループが真にお客さま本位の企業グループに生まれ変わることが必要と考えております

その決意を幅広く公表するために、外部専門家で構成されるJP改革実行委員会の助言も受けながら、「お客さまの信頼回復に向けた約束」を策定いたしました。

今後、当社グループで働く一人ひとりの社員がこの約束を実践していくことで、お客さまからの信頼が回復できるよう、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 

お客さまの信頼回復に向けた約束

「目指す姿の約束」

一人ひとりのお客さまに寄り添い、お客さまの満足と安心に最優先で取り組み、信頼していただける会社になることを約束します。

 

「活動の約束」

〇 お客さま本位の事業運営を徹底し、お客さまにご満足いただける丁寧な対応を行います。

〇 お客さまの声をサービス向上に反映するため、お客さまの声に誠実に耳を傾けます。

〇 社員の専門性を高め、お客さまにご納得いただけるよう正確にわかりやすく説明します。

〇 法令・ルールを遵守し、お客さまが安心してご利用いただける高品質のサービスを提供します。

〇 お客さまのニーズを踏まえ、お客さまに喜んでいただける商品・サービスを提供します。

 

② かんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売への対応について

日本郵便において、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、お客さま本位でない営業が行われた可能性のある苦情が複数発生している状況を把握しました。

これは、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を契機に、お客さま本位の業務運営ができているかリスク感度を上げて確認するため、2020年4月よりグループ会社各社が連携して複数の商品にまたがるお客さまの苦情を分析したことにより発覚したものです。当社グループでは本事案の発覚を受けて、以下の取組みを実施しております。
 

(a) 苦情をお申し出のお客さまへの対応

苦情をお申し出されたお客さまのうち、ご連絡の取れているお客さまには改めてご意向確認を行い、再度取引内容の精査を実施し、一部お客さまの取引について法令等違反の認定をいたしました。また、一部お客さまから契約無効等のご要望を頂いており、順次必要な対応を実施しております。

なお、ご連絡が取れていないお客さまについては、ご連絡が取れ次第、順次同様の対応を行ってまいります。
 

(b) 特にお客さま本位でない懸念のある取引への対応

お客さまからお申し出のあった苦情のうち、かんぽ生命保険商品を解約し、その返戻金をもとに分配型投資信託を購入し、その分配金を新たに加入したかんぽ生命保険商品の保険料の支払いに充てていた事例については、お客さま本位とは言えない取引の可能性があるため、苦情の有無にかかわらず、過去5年に遡って、外形上同様の取引が行われたお客さま全員について、ご意向確認を実施しております。

ご意向確認の結果、詳細確認が必要なお客さまについては、ご訪問などにより事実関係等の確認を実施しております。また、詳細確認を行う中で、お客さまから契約無効等のご要望を頂いた場合は、ご意向をよく確認のうえ真摯に対応してまいります。

なお、ご連絡が取れていないお客さまについては、引き続き対応してまいります。
 

(c) (a)、(b)に関連する社員への対応

(a)、(b)に関連する社員については、営業活動を順次停止し、調査を実施しております。調査の結果、法令違反等に該当すると判断された場合には、法令等に従い厳正に対処してまいります。
 

(d) その他のお客さまへの対応

かんぽ生命保険商品と投資信託の同一のお客さまに対する販売において、一定期間内に両方の取引をいただいているお客さまについても、ご意向確認を実施しております。
 

(e) 改善に向けた取組み

お客さま本位でない営業を防止するため、社内ルールの整備(「投資信託の分配金が一定期間定額であり、かんぽ生命保険商品の保険料を賄える等の勧誘話法の禁止」、「不適切な商品間の乗換え防止の観点で、投資信託購入時の原資及び分配金の使用使途について確認」)、金融商品間の横断的な取引についてデータモニタリングによる取引内容の精査等の取組みを実施しました。

 

ゆうちょ銀行のキャッシュレス決済サービスの不正利用等に関する各種対応について

2020年9月に公表した、ゆうちょ銀行の即時振替サービスにおける不正利用、mijica(Visaデビット・プリペイドカード)を使用した不正送金等に係る対応として、即時振替サービスについては、2020年9月初旬から中旬にかけて、一部の決済事業者について、即時振替サービスの提供を停止しました。また、不正利用等による被害のお申し出に対しては、決済事業者と連携して調査を実施のうえ、補償対象となったお客さまについては速やかに補償手続きを行っております。

mijicaについては、2020年9月中旬に送金機能の取扱いを、同年10月初旬にはmijicaの専用Webサイト及び新規申し込みを停止しました。また、mijica会員間の不正送金の被害に遭われたお客さまへの補償手続きは完了しております。

さらに、ゆうちょ銀行代表執行役社長が直接指揮するセキュリティ総点検タスクフォースを設置し、ゆうちょ銀行が提供する即時振替サービス、ゆうちょPay、mijica等のキャッシュレス決済サービスに関してセキュリティの堅牢性やお客さまのご利用状況のモニタリング等態勢の総点検を行い、その結果を踏まえたセキュリティ強化策等を着実に実行しました。

また、今回の事案を受けて行われた、ゆうちょ銀行監査委員会による「即時振替サービス等の不正利用事案に係るガバナンス検証」の結果等を踏まえ、ゆうちょ銀行において、総合的な苦情・相談態勢の強化及びセキュリティ検証態勢の強化に向けた態勢整備を行いました。

即時振替サービスについては、決済事業者における態勢整備(全国銀行協会ガイドライン及び日本資金決済業協会ガイドラインに基づいた顧客保護態勢等)が確認できた事業者から、順次サービスを再開しております。

mijicaについては、新たなブランドデビットカードへ移行し、新ブランドデビットカード発行後は、mijicaのサービスは終了する方針等を2021年1月に公表いたしました。

ゆうちょ銀行は、キャッシュレス決済サービスを経営戦略上の重要施策と考えており、今般の経験と反省を踏まえ、お客さまにより安全・安心にサービスをご利用いただけるよう、一層のセキュリティ強化に取り組むとともに、リスク感度の向上とお客さま本位の業務運営に更に努めてまいります。

当社においては、ゆうちょ銀行のセキュリティ総点検結果、セキュリティ強化策を踏まえつつ、グループのガバナンスの更なる強化に向け、今回の事案及びこれに関連するゆうちょ銀行のガバナンスの現状と課題等について、JP改革実行委員会に検証を依頼し、2021年1月29日に改善に向けた提言をいただきました。

今後は、この提言を踏まえ、グループのガバナンスの更なる強化に努めてまいります。

なお、当社は本件事案に関して、2020年10月1日にゆうちょ銀行のガバナンスの確実な実施について報告の要請を総務省から受けたため、2020年11月9日に報告書を提出いたしました。

 

 

(5) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、著しい変動があった主要な設備の計画は次のとおりであります。

2020年12月31日現在

セグメント
の名称

設備の内容

投資予定額

(百万円)

資金調達方法

着手及び完了予定年月

着手

完了

郵便・物流事業

郵便局施設・設備の改修

 (注3)

18,051

自己資金

2014年4月

2021年度

 金融窓口
事業

郵便局施設・設備の改修

(注3)

4,896

自己資金

2014年4月

2021年度

国際物流

事業

貨物船の建造 (注3)

百万豪ドル

7

借入金

2016年7月

2021年度

銀行業

ゆうちょ総合情報システム(2023年度) (注4)

68,596

自己資金

2020年3月

2024年度

その他

蔵前不動産開発(オフィス、高齢者施設、賃貸住宅、物流施設等) (注5)

25,097

自己資金

2020年9月

2022年度

五反田不動産開発(オフィス、ホテル、ホール他) (注6)

未定

自己資金

2021年度

2023年度

 

(注) 1.上記の金額には消費税及び地方消費税を含んでおりません。

 2.投資予定額については、当第3四半期連結会計期間末に計画されている投資予定額の総額から既支払額を差し引いた金額を記載しております。

 3.郵便局施設・設備の改修及び貨物船の建造については、新型コロナウイルス感染症の影響によるスケジュールの遅延により、完了予定年月を変更しております。

 4.ゆうちょ総合情報システムについては、追加開発に係る投資予定額の確定等により、投資予定額、完了予定年月を変更しております。

 5.蔵前不動産開発については、2020年3月末時点において未定であった投資予定額が確定したため記載しております。

 6.五反田不動産開発については、着工予定が2020年10月から2021年度に変更となったことから、着手年月を変更しております。着手年月は、着工予定年度を記載しております。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間開始日以降、本第3四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営上の重要な契約等」について重要な変更があった事項は以下のとおりであり、変更箇所は下線で示しております。変更箇所の前後については一部記載を省略しております。

なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」の項目番号に対応したものです。

 

(参考1) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料

日本郵便は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険との間で、上記(2)、(3)、(5)、(6)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めております。

ゆうちょ銀行とは、委託手数料支払要領を締結しており、2020年3月期からは基本委託手数料として、平均総預かり資産残高に応じて支払われる「貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等」、送金決済取扱件数に応じて支払われる「送金決済その他役務の提供事務等」の手数料を設定しております。なお、2019年3月期までは、郵便局維持に係る「窓口基本手数料」、平均貯金残高に応じて支払われる「貯金の預払事務等」、送金決済取扱件数に応じて支払われる「送金決済その他役務の提供事務等」、資産運用商品の販売額及び平均投信残高に応じて支払われる「資産運用商品の販売事務等」の手数料を設定しておりました。

これに営業目標達成や事務品質の向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を合わせた手数料となっております。

基本委託手数料は、ゆうちょ銀行での単位業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績等に基づき委託業務コストに見合う額を算出し、その前年度からの増減率を、前年度の基本委託手数料に乗じて算出することとしております。

ただし、2020年3月期の基本委託手数料については、前年度の基本委託手数料が算定方法を変更する前であり、乗じる対象がないため、委託業務コストに見合う額から交付金で賄われる部分を除いて算出することとしております。

かんぽ生命保険とは、代理店手数料規程等を定めており、募集した新契約に応じて支払われる「新契約手数料」、保有契約件数等に応じて支払われる「維持・集金手数料」、総括代理店契約業務に対して支払われる「総括代理店手数料」が設定されています。

「新契約手数料」には、募集品質の確保を前提に一定基準以上の実績を確保した場合にボーナス手数料等のインセンティブの仕組みを設定する場合がありますが、2021年3月期においては、販売実績に対するボーナス手数料の追加は行わず、募集品質の向上等に対するインセンティブの仕組みを実施しております。

また、「維持・集金手数料」には、契約維持管理のための活動促進等を目的にその活動内容に応じたインセンティブ手数料を設定しております。2021年3月期においては、インセンティブ手数料のあり方を再検討し、その一部を廃止するとともに、保有契約の維持にインセンティブ手数料を集約する等の見直しを実施しております。

募集手数料は複数年の分割払いとなっており、最初の1年間の支払金額を高く、残りの期間を均等に低く支払うこととしておりましたが、2021年3月期においては、契約の継続をより重視するため、最初の1年間の支払金額と残りの期間に支払う金額の比率を変更し、最初の1年間の支払金額を減額し、残りの期間の支払金額を増額しております。維持・集金手数料に設定されている単価は、実地調査に基づく所要時間や、これに係る人件費等を基に算出しております。

なお、かんぽ生命保険から日本郵便に支払われる委託手数料に関しては、事業環境の変化を踏まえ、2021年3月期も含め今後の手数料体系について、引き続き検討を行っておりましたが、2021年3月期の手数料について、受託業務を行うために必要なコストをより実態に合わせて反映するため、維持・集金手数料の単価の見直しを行っております。