第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、企業収益の改善、設備投資の持ち直し、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調が続いております。一方で、アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、原油安や中国経済をはじめとした海外景気の下振れなど、景気を下押しするリスクも懸念されております。

 当社は、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の販売を主たる事業として展開しておりすが、当社を取り巻く環境としましては、スマートデバイス、スマートフォンアプリやインターネット広告(動画広告を含む)の普及に伴い、これまで以上にインターネットでのデジタル素材の活用機会が増えております。

 このような事業環境のもと、当事業年度におきましては、既存のクリエイティブ・プラットフォーム事業における購入者及びクリエイターの拡大を引き続き進めてまいりました。購入者の拡大につきましては、主にSEO、SEM等によるWebプロモーションを展開した他、定額制販売の営業活動及びサイト内における訴求を積極的に行いました。クリエイターの拡大につきましては、セミナーの開催やブログやメールマガジン等を利用した情報提供等を行ってまいりました。また、平成27年9月14日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場を果たし、さらなる事業基盤の強化に努めるとともに、事業の拡大をより強力に推進しております。

 以上の結果、当事業年度の売上高は1,388,235千円(前事業年度比29.9%増)、営業利益は138,338千円(前事業年度比41.3%増)、経常利益は120,399千円(前事業年度比22.3%増)、当期純利益は111,659千円(前事業年度比23.3%増)となりました。なお、当社はクリエイティブ・プラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前事業年度末より424,510千円増加し、706,161千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により獲得した資金は149,994千円(前事業年度は133,450千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益が120,399千円となったこと、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したことに伴い仕入債務が27,294千円増加したこと、定額制販売の増加に伴い前受金が59,437千円増加した一方、売上高の増加に伴い売上債権が77,410千円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動により使用した資金は26,445千円(前事業年度は1,080千円)となりました。これは、本社フロア増床等に伴う有形固定資産の取得による支出が7,358千円、自社利用のソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出が3,964千円、敷金及び保証金の差入による支出が15,122千円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動により獲得した資金は300,992千円(前事業年度は7,276千円)となりました。これは、株式の発行による収入が309,672千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が16,410千円があった一方で、長期借入金の返済による支出が7,732千円、株式公開費用の支出が17,357千円となったことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性質上、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注実績

 受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、クリエイティブ・プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載を省略しております。

サービスの名称

前事業年度

(自 平成26年1月1日

  至 平成26年12月31日)

当事業年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

前年同期比(%)

単品販売

1,034,772

132.3

1,234,937

119.3

定額制販売

33,985

153,297

451.1

  合計

1,068,758

136.6

1,388,235

129.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.定額制販売は平成26年4月より開始したため、前事業年度の定額制販売の前年同期比は記載しておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社は、さらなる事業拡大と収益基盤の安定化のために、以下の項目を対処すべき課題と認識し、対応を推進しております。

(1)クリエイターの増加

 クリエイティブ・プラットフォーム事業の性質上、質の高いデジタル素材を提供するクリエイターの増加・維持が事業の発展に不可欠であります。そのため、各種メディアを通じて、当社のクリエイターに着目した広報活動等を積極的に行う他、素材使用事例の公開、セミナーの開催、関連イベントへの参加等を通じたクリエイターへの情報発信等を行っております。

 特に、当社において需要の高い素材テーマ等を分析しクリエイターに提供する等、クリエイターの当社への素材提供を促進するための努力を継続しております。

 

(2)購入者の増加

 サイトを訪れる新規購入者の増加とともに、新規購入者の継続的な購入者への転化は事業の発展に不可欠であります。

 当社では、主にSEOやSEMを強化することにより、新規購入者のサイトへの流入を促しております。さらに、そのような新規購入者の継続的な購入者への転化にあたっては、購入者の要請に対して網羅性の高い多様なデジタル素材を常に取り揃えておくことが不可欠であります。そのため、翌事業年度においては、当社が企画し、著作権も当社が取得する自社保有素材の制作にも注力し、素材数が少ない又はこれまで取り組めていなかった新しい分野やテーマの素材を積極的に制作・開拓することで、提供素材の網羅性及び多様性の向上に貢献するための施策を行ってまいります。

 また、当社では、積極的な広報活動を通じて、購入者の多くが「デジタル素材ならPIXTA」と認識するように、ブランド力を向上させる努力を継続しております。

 

(3)デジタル素材マーケットの普及・拡大

 当社が取り扱う写真・イラスト・動画等のデジタル素材は、主に、企業やメディア各社、広告制作会社そしてデザイナーによりさまざまな媒体での広告制作物において、ビジュアル効果を高めるために使用されております。その需要は、インターネット環境の発展及び技術開発によるデジタル素材の制作コストの低下を主な背景として、継続的に高まっています。

 その一方で、企業における広告制作物以外での用途(企業パンフレットやウェブサイト等への掲載、プレゼンテーションや研修等の各種資料での利用等)、さらには個人や個人事業主のブログ・ウェブサイト等での利用等、さらに幅広い分野・シーンでの活用が考えられますが、現状、このような利用は限定的であると認識しております。当社では、既存のアクティブユーザー層以外のユーザーの利用をより推進するような商品の開発・提供を積極的に行っていくことで、今後、当社サービスを利用し得る顧客層又は利用機会を拡大するための施策を行っていきます。

 そのような施策を通じて、当社では、安価で高品質、かつさまざまな層の購入者の要請に応える多彩なロイヤリティフリーのデジタル素材を世の中に少しでも多く供給することにより、デジタル素材マーケット全体の普及・拡大に努めてまいります。

 

(4)新規サービス・新規事業の立ち上げ

 当社では現在、写真・イラスト・動画等デジタル形式のストック素材のライセンス販売を主軸に事業を展開しておりますが、素材のジャンル拡大や販売方法の多様化、及び当社の強みを活かした新規サービス・新規事業の開拓は、課題の一つであると認識しております。

 当事業年度においては、平成27年4月に単品購入販売サイトPIXTA及び定額制サイトImasiaを統合し、PIXTAサイトにおいて単品購入も定額制も利用できるようになりました。さらに、同年12月には、万一の素材の権利侵害に備えて一定の条件で購入者の損害を当社が補償する「安心補償サービス」を開始し、購入者がより安心感をもってサイトを利用できるようにいたしました。

 さらに、翌事業年度には多数の優良クリエイターを擁する当社の強みを活かして、クリエイターと、家族の行事等個別の機会ごとに撮影サービスを求めるユーザーとをマッチングする撮影マーケットプレイスのサービス開始を予定しています。

 今後も、総合的なクリエイティブ・プラットフォームとして、クリエイター及び購入者それぞれにとってメリットの高い新規サービス・新規事業を検討し展開していきたいと考えております。

 

(5)海外への事業進出

 当社は海外への事業展開を企図しており、その一環としてサイトの多言語化を進めており、現在は、英語版に加えて中国語版(繁体字・簡体字)のサイトが公開されています。諸外国のクリエイター及び購入者が容易にPIXTAのサービスを享受できるように、今後は特に高成長が見込まれるアジア各国の言語を優先的にサイトの多言語化を計画しており、直近ではタイ語版サイトのリリースを予定しています。

 また、当社では、特にビジネス環境の向上により広告業界の発展やデジタル素材の需要拡大が見込まれる、東南アジアと東アジアでの事業展開を進めております。シンガポールに現地法人PIXTA ASIA PTE.LTD.及び台湾支店(日商匹克斯塔圖庫股份有限公司台湾分公司)が既に設立されていますが、開発拠点としてベトナムに現地法人の設立を予定しています。

 今後も、特に東南アジア及び東アジアでの各国の文化・市場・ニーズ等にあわせて、効率的かつ効果的な進出方法を検討し、推進していきたいと考えております。

 

(6)サービスの継続的改善

 当社では、サービスの継続的な改善は不可欠な課題であると認識し、検索機能の向上、デジタル素材の拡充及びサイトの安全性の強化といった施策に引き続き重点的に取り組んでまいります。

 

(7)内部管理体制の強化

 当社は、現状、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後、企業価値の継続的な増大を図るにあたっては、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくことが不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因となり得る主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① 広告市場の動向による影響について

 当社サービスの売上のうち、インターネット広告を含む各種広告にかかる素材利用が一定の割合を占めております。広告市場の変化や景気低迷による広告制作予算の削減等外部環境の変動により、当初想定していた収益を確保することができない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

 当社が運営するクリエイティブ・プラットフォーム事業は、同様のビジネスモデルによる競合企業が国内・海外に複数存在しております。そのため、優秀なクリエイターの確保ができない場合や当社専属クリエイターが流出した場合、または優良素材の確保ができない場合には、取り扱う素材の量・質が低下する可能性があります。また新規参入や既存他社サイトの拡大(特に海外大手競合企業の日本進出)等の影響により購入者の獲得競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容に関わるリスクについて

① インターネット関連ビジネスについて

 当社のサービスは、主にインターネットを媒介としておりますが、インターネットやスマートデバイスの更なる普及・利用拡大、関連市場の拡大等を背景として、当社が取り扱うデジタル素材の需要及び当社サービスの購入者数等は継続的に増加しております。
 しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生等、予期せぬ要因により今後の当社サービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 購入者のリピート率低下について

 当社の事業は、購入者数の増加とともに、その購入者が安定してサービスを継続的に利用するリピート率を維持することが重要となっております。そのため、魅力的な素材を提供できない、ニーズをとらえられない等の理由により購入者の継続的な利用を確保できず、リピート率が大幅に低下した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外進出について

 当社では、海外へのサービス展開に積極的に取り組んでおります。具体的には、サイトの多言語化に取り組み、既存の英語版、中国語版サイトに加えて、タイ語サイトの開設を企図しています。さらに、既存のシンガポールの現地法人PIXTA ASIA PTE.LTD.及び台湾支店(日商匹克斯塔圖庫股份有限公司台湾分公司)に加えて、開発拠点としてベトナムの現地法人の設立を企図しています。
 各国の市場への対応は、法令上、会計上、運営上のリスクにつながる可能性があり、そのようなリスクに対処できないこと等により、海外事業を推進していくことが困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ クリエイターへの支払について

 当社では、クリエイターへの販売報酬支払にあたり、当社独自の獲得クレジット単位による自主換金制度を採用しております。当該自主換金制度とは、最低支払基準額を超えた時点で、クリエイターが、自身の販売報酬の範囲内で希望する金額を、希望するタイミングに換金申請ができる制度であります。
 このため、何らかの事態をきっかけにして、クリエイターによる自主換金が集中しキャッシュ・フローの調整が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業運営体制について

 当社は、現時点においては小規模組織でありますが、今後さらなる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。特に、新規事業を立ち上げ、拡大成長させるための事業開発力、マネジメント能力を有する人材や、システム技術分野のスキルを有する人材の確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。
 しかしながら、当社の求める人材が必要な時期に十分確保・育成できなかった場合や想定外の人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システム等に関するリスクについて

① システム障害について

 当社は、運営サイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を推進し、トラブルが発生した場合においても、短時間で復旧できるよう努めております。
 しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、バックアップデータが損なわれるような事象が発生した場合、またはその他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

 当社が事業展開しているインターネット関連市場では、活発な技術革新が行われており、そのスピードが極めて速いことから、技術革新に応じたシステムの拡充及び事業戦略の修正等も迅速に行う必要があると考えております。そのため、当社では業界の動向を注視しつつ、迅速に既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制の構築に努めております。
 しかしながら、予期しない技術革新等が生じた場合、多額のシステム開発費用の発生や、当該技術革新等に適時な対応ができないことにより、当社が提供するサービスの競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

① 一般的なインターネットにおける法的規制について

 当社が展開する事業分野においては、「特定商取引に関する法律」「資金決済に関する法律」等をはじめとする法規制が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からの議論等、インターネット利用の普及に伴う法的規制の在り方については引き続き検討が行われている状況にあります。
 このため、今後インターネット関連分野において新たな法律の制定や既存法令の改正による規制強化等がなされた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報取扱事業者であること

 当社は、購入者に関する個人情報の取扱事業者であり、これらの個人情報を電磁的方法により記録し、管理しております。このため、当社では社内規程やルールの整備、社内管理体制の強化、社員教育の徹底、情報システムのセキュリティ強化等により、個人情報を保護するための管理機能の向上を図り、「個人情報の保護に関する法律」の遵守、個人情報の漏洩防止に努めております。
 しかしながら、これらの個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権、肖像権等について

 当社においては、デジタル素材に係る著作権等の知的財産権を適切に管理し、その利用許諾をすることが事業の根幹であると認識しております。そこで、当社はクリエイターに対し、デジタル素材のアップロード時に権利に関する確認を行う、また特定の個人を識別することが可能な人物素材に関しては、被写体の署名を得た肖像権使用同意書の提出を必須とするなどの対応を行っております。さらに、その状況を当社の審査において確認するなど、権利が侵害されることのないようにサービスを設計しております。
 また、新規事業・新規サービスの開発にあたっても、弁護士等専門家と協議検討の上、権利侵害が発生しないよう、細心の注意を払ってサービスの設計にあたっております。
 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ デジタル素材の不正使用等について

 当社において、利用規約及び関連するサイト内の表示により、デジタル素材の利用可能範囲を明確に購入者に提示しております。禁止行為は、素材の無断使用、風俗や出会い系サイトでの使用、虚偽内容の記載による使用等の項目にわたります。万一不正使用が発生した場合、速やかな通報が可能なように不正使用報告専用フォームをサイト内に設置し、各案件について、迅速に適切な対応にあたるよう努めております。
 しかしながら、不正使用による訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)その他のリスクについて

① 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である古俣大介は、当社の創業者であり、設立以来代表取締役社長として経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、組織を事業本部・事業部体制とし、各事業本部長には古俣以外の役員を任命するなど、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

 当社は設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、将来における安定的かつ継続的な利益還元を行う前提として、事業基盤の整備状況、今後の事業展開、業績や財政状態などを総合的に勘案した上で配当を検討していきたいと考えております。
 今後も当面の間は、事業拡大のための施策への投資を行い、中長期的に安定的な成長モデルを構築するために財務基盤を強固にすることが重要と考え、内部留保の充実を基本方針とさせていただきたいと考えております。なお、現時点において配当の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

③ ベンチャーキャピタル等の持株比率について

 当事業年度末日現在における当社の発行済株式総数は2,230,040株であり、そのうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が保有する株式数は592,900株、保有比率は26.59%(議決権比率ベース)であります。
 一般的にベンチャーキャピタル等の保有目的は、当該株式の新規株式公開以降において当該株式を売却し、キャピタルゲインを得ることにあります。よって、当社の株式公開後、既に当初の株主であるベンチャーキャピタル等が保有する当社株式の一部が売却されていますが、今後も、ベンチャーキャピタル等の保有株式の売却によって当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、役職員の業績向上に対する意欲や意識を高めるため、ストック・オプション制度を採用しております。当事業年度末日現在、ストック・オプションによる潜在株式総数は62,400株であり、発行済株式総数の2.80%に相当しております。これらのストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ530,400千円増加し(前事業年度末比115.2%増)、
990,642千円となりました。

流動資産は、前事業年度末に比べ507,345千円増加し(前事業年度末比117.9%増)、937,486千円となりまし
た。これは主として、第三者割当増資等に伴い現金及び預金が412,469千円増加したことや、売上高増加に伴い売
掛金が77,278千円増加したことによるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ23,054千円増加し(前事業年度末比76.6%増)、53,156千円となりました。
これは主として、本社フロア増床等に伴い有形固定資産が7,358千円、敷金及び保証金が15,122千円増加したこと
によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて92,658千円増加し(前事業年度末比27.3%増)、432,323
千円となりました。これは主として、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したこ
とに伴い買掛金が27,294千円増加したこと、また定額制取引の増加に伴い前受金が59,437千円増加したことによ
るものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて437,741千円増加し(前事業年度末比363.0%増)、
558,318千円となりました。これは、新株発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ
163,041千円増加したこと、また当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が111,659千円増加したことによるもの
であります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、1,388,235千円(前事業年度比29.9%増)となり、そのうち定額制の売上は153,297千円(前事業年度は33,985千円)となりました。

 これは、SEO、SEM等による積極的なWebプロモーションの展開により、クリエイター及び購入者が拡大したこと及び定額制サービスにおいて、平成27年4月に単品販売のサイトと定額制のサイトを統合したことにより、Web経由での新規購入者が増加したこと等によるものであります。

 

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は607,655千円(前事業年度比24.6%増)となりました。主な内訳は、素材仕入496,539千円、賃借料73,297千円であります。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、従業員増員に伴う人件費の増加、Web上でのプロモーション活動による広告宣伝費の増加等により、642,241千円(前事業年度比32.9%増)となりました。

 

(営業外損益)

 当事業年度の営業外収益は1,479千円(前事業年度比45.1%増)となりました。主な内訳は、広告料収入990千円、受取補償金213千円であります。

 当事業年度の営業外費用は19,418千円(前事業年度は455千円)となりました。主な内訳は、株式公開費用17,357千円、為替差損1,955千円であります。

 

 以上の結果、当事業年度の営業利益は138,338千円(前事業年度比41.3%増)、経常利益は120,399千円(前事業年度比増22.3%)、当期純利益は111,659千円(前事業年度比23.3%増)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社は、中長期的な経営戦略として、「PIXTA」のクリエイター獲得及び顧客獲得に一段と注力していくとともに、海外、特にアジア地域における展開を一段と進めて参ります。具体的には、市場分析の結果に基づき重点投資国・地域を特定し、日本での事業経験を生かしながら現地の市場・商慣行に則した方法により、スピーディーに市場開拓を進めていくことを予定しております。

 また、価値を生む人とそれを活かす人を結びつけるという経営方針のもと、「PIXTA」の運営を通じて構築されたクリエイターネットワーク及びオンラインマーケットプレイスの運営ノウハウを最大活用した新たなサービスの展開を加速していきます

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めてまいります。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりですが、特に既存事業において新規購入者及び継続的な購入者の増加施策やサービスの継続的改善を通じて収益基盤の安定化を図ると共に、さらなる成長のため海外への事業進出や新規事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。