第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 今後も、PIXTA事業を軸としながら、さまざまな分野でクリエイティブ・プラットフォームを生み出し、将来的には数千億円規模(※)の取扱高をもつプラットフォーム経済圏の実現を目指します。

(※クリエイティブプラットフォーム経済圏において行われる取引の総額)

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループは、さらなる事業拡大と収益基盤の安定化のために、以下の項目を対処すべき課題と認識し、対応を推進しております。

① クリエイターの増加

 クリエイティブ・プラットフォーム事業の性質上、質の高いデジタル素材を提供するクリエイターの増加・維持が事業の発展に不可欠であります。そのため、各種メディアを通じて、当社グループのクリエイターに着目した広報活動等を積極的に行う他、素材使用事例の公開、セミナーの開催、関連イベントへの参加等を通じたクリエイターへの情報発信等を行っております。

 特に、当社グループにおいて需要の高い素材テーマ等を分析しクリエイターに提供する等、クリエイターの当社グループへの素材提供を促進するための努力を継続しております。

 

② 購入者の増加

 サイトを訪れる新規購入者の増加とともに、新規購入者の継続的な購入者への転化は事業の発展に不可欠であります。

 当社グループでは、主にSEOやSEMを強化することにより、新規購入者のサイトへの流入を促しております。さらに、そのような新規購入者の継続的な購入者への転化にあたっては、購入者の要請に対して網羅性の高い多様なデジタル素材を常に取り揃えておくことが不可欠であります。そのため、当連結会計年度においては、当社グループが企画し、著作権も当社グループが取得する自社保有素材の制作にも注力し、素材数が少ない又はこれまで取り組めていなかった新しい分野やテーマの素材を積極的に制作・開拓することで、提供素材の網羅性及び多様性の向上に貢献するための施策を行っております。

 また、当社グループでは、積極的な広報活動を通じて、「PIXTA」、「fotowa」及び「Snapmart」の認知度及びブランド力を向上させる努力を継続しております。

 

③ デジタル素材マーケットの普及・拡大

 当社グループが取り扱う写真・イラスト・動画等のデジタル素材は、主に、企業やメディア各社、広告制作会社そしてデザイナーによりさまざまな媒体での広告制作物において、ビジュアル効果を高めるために使用されております。その需要は、インターネット環境の発展及び技術開発によるデジタル素材の制作コストの低下を主な背景として、継続的に高まっています。

 その一方で、企業における広告制作物以外での用途(企業パンフレットやホームページ等への掲載、プレゼンテーションや研修等の各種資料での利用等)、さらには個人や個人事業主のブログ・ホームページ等での利用等、さらに幅広い分野・シーンでの活用が考えられますが、現状、このような利用は限定的であると認識しております。当社グループでは、既存のアクティブユーザー層以外のユーザーの利用をより推進するような商品の開発・提供を積極的に行っていくことで、今後、当社グループのサービスを利用し得る顧客層又は利用機会を拡大するための施策を行ってまいります。

 そのような施策を通じて、当社グループでは、安価で高品質、かつさまざまな層の購入者の要請に応える多彩なロイヤリティフリーのデジタル素材を世の中に少しでも多く供給することにより、デジタル素材マーケット全体の普及・拡大に努めてまいります。

 

④ 新規サービス・新規事業の立ち上げ

 当社グループでは現在、写真・イラスト・動画等デジタル形式のストック素材のライセンス販売を主軸に事業を展開しておりますが、素材のジャンル拡大や販売方法の多様化、及び当社グループの強みを活かした新規サービス・新規事業の開拓は、課題の一つであると認識しております。

 2016年2月に多数の優良クリエイターを擁する当社の強みを活かして、クリエイターと、家族の行事等で撮影サービスを求めるユーザーとをマッチングする出張撮影マッチングサービス「fotowa」を開始しました。また、2016年8月に子会社であるスナップマート株式会社を設立し、株式会社オプトインキュベートより、スマホで撮影した写真を投稿・売買できるマーケットプレイスであるSnapmart事業を譲り受けました。さらに、当社は、音素材のマーケットプレイスを運営する株式会社クレオフーガと資本及び業務提携を締結し、2017年10月に「PIXTA」上で音楽素材の販売を開始しました。

 今後も、総合的なクリエイティブ・プラットフォームとして、クリエイター及び購入者それぞれにとってメリットの高い新規サービス・新規事業を検討し展開していきたいと考えております。

 

⑤ 海外への事業進出

 当社グループは海外への事業展開を進めており、特にビジネス環境の向上により広告業界の発展やデジタル素材の需要拡大が見込まれる、東南アジアと東アジアをそのメインターゲットとしております。その一環として、「PIXTA」のサイトの多言語化を進めており、既存の英語版、中国語版(繁体字・簡体字)、タイ語版のサイトに加え、2017年7月に韓国語版のサイトをリリースいたしました。

 また、既存のシンガポールの現地法人PIXTA ASIA PTE.LTD.及び台湾支店(日商匹克斯塔圖庫股份有限公司台湾分公司)に加え、2016年5月には開発拠点としてベトナム・ハノイにPIXTA VIETNAM CO., LTD.を、2016年12月にはタイ市場での素材販売・収集、マーケティング活動拠点としてタイ・バンコクにPIXTA (THAILAND) CO., LTD.を設立いたしました。さらに、2017年3月には、韓国でストックフォト販売事業を手がける Topic Images Inc.の株式を取得し連結子会社化しております。

 

 今後も、特に東南アジア及び東アジアでの各国の文化・市場・ニーズ等にあわせて、効率的かつ効果的な進出方法を検討し、推進していきたいと考えております。

 

⑥ サービスの継続的改善

 当社グループでは、サービスの継続的な改善は不可欠な課題であると認識し、検索機能の向上、デジタル素材の拡充及びサイトの安全性の強化といった施策に引き続き重点的に取り組んでまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

 当社グループは、現状、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後、企業価値の継続的な増大を図るにあたっては、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくことが不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。

2【事業等のリスク】

 以下において、当社及び当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となり得る主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① 広告市場の動向による影響について

 当社グループにおけるサービスの売上のうち、インターネット広告を含む各種広告にかかる素材利用が一定の割合を占めております。広告市場の変化や景気低迷による広告制作予算の削減等外部環境の変動により、当初想定していた収益を確保することができない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合について

 当社グループが運営するクリエイティブ・プラットフォーム事業は、同様のビジネスモデルによる競合企業が国内・海外に複数存在しております。そのため、優秀なクリエイターの確保ができない場合や当社グループ専属クリエイターが流出した場合、または優良素材の確保ができない場合には、取り扱う素材の量・質が低下する可能性があります。また新規参入や既存他社サイトの拡大(特に海外大手競合企業の日本進出)等の影響により購入者の獲得競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容に関わるリスクについて

① インターネット関連ビジネスについて

 当社グループのサービスは、主にインターネットを媒介としておりますが、インターネットやスマートデバイスの更なる普及・利用拡大、関連市場の拡大等を背景として、当社グループが取り扱うデジタル素材の需要及び当社グループサービスの購入者数等は継続的に増加しております。
 しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生等、予期せぬ要因により今後の当社グループサービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 購入者のリピート率低下について

 当社グループの事業は、購入者数の増加とともに、その購入者が安定してサービスを継続的に利用するリピート率を維持することが重要となっております。そのため、魅力的な素材を提供できない、ニーズをとらえられない等の理由により購入者の継続的な利用を確保できず、リピート率が大幅に低下した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外進出について

 当社グループは海外への事業展開を進めており、特にビジネス環境の向上により広告業界の発展やデジタル素材の需要拡大が見込まれる、東南アジアと東アジアをそのメインターゲットとしております。その一環として、「PIXTA」のサイトの多言語化を進めており、既存の英語版、中国語版(繁体字・簡体字)、タイ語版のサイトに加え、2017年7月に韓国語版のサイトをリリースいたしました。

 また、既存のシンガポールの現地法人PIXTA ASIA PTE.LTD.及び台湾支店(日商匹克斯塔圖庫股份有限公司台湾分公司)に加え、2016年5月には開発拠点としてベトナム・ハノイにPIXTA VIETNAM CO., LTD.を、2016年12月にはタイ市場での素材販売・収集、マーケティング活動拠点としてタイ・バンコクにPIXTA (THAILAND) CO., LTD.を設立いたしました。さらに、2017年3月には、韓国でストックフォト販売事業を手がける Topic Images Inc.の株式を取得し連結子会社化しております。

 各国の市場への対応は、法令上、会計上、運営上のリスクにつながる可能性があり、そのようなリスクに対処できないこと等により、海外事業を推進していくことが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ クリエイターへの支払について

 当社グループでは、クリエイターへの販売報酬支払にあたり、クリエイター自身による自主換金制度を採用しております。当該自主換金制度とは、最低支払基準額を超えた時点で、クリエイターが、自身の販売報酬の範囲内で希望する金額を、希望するタイミングに換金申請ができる制度であります。

 このため、何らかの事態をきっかけにして、クリエイターによる自主換金が集中しキャッシュ・フローの調整が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業運営体制について

 当社グループは、現時点においては小規模組織でありますが、今後さらなる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。特に、新規事業を立ち上げ、拡大成長させるための事業開発力、マネジメント能力を有する人材や、システム技術分野のスキルを有する人材の確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。
 しかしながら、当社グループの求める人材が必要な時期に十分確保・育成できなかった場合や想定外の人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システム等に関するリスクについて

① システム障害について

 当社グループは、運営サイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を推進し、トラブルが発生した場合においても、短時間で復旧できるよう努めております。
 しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、バックアップデータが損なわれるような事象が発生した場合、またはその他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

 当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、活発な技術革新が行われており、そのスピードが極めて速いことから、技術革新に応じたシステムの拡充及び事業戦略の修正等も迅速に行う必要があると考えております。そのため、当社グループでは業界の動向を注視しつつ、迅速に既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制の構築に努めております。
 しかしながら、予期しない技術革新等が生じた場合、多額のシステム開発費用の発生や、当該技術革新等に適時な対応ができないことにより、当社グループが提供するサービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

① 一般的なインターネットにおける法的規制について

 当社グループが展開する事業分野においては、「特定商取引に関する法律」「資金決済に関する法律」等をはじめとする法規制が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からの議論等、インターネット利用の普及に伴う法的規制の在り方については引き続き検討が行われている状況にあります。
 このため、今後インターネット関連分野において新たな法律の制定や既存法令の改正による規制強化等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報取扱事業者であること

 当社グループは、購入者及びクリエイターに関する個人情報の取扱事業者であり、これらの個人情報を電磁的方法により記録し、管理しております。このため、当社グループでは社内規程やルールの整備、社内管理体制の強化、社員教育の徹底、情報システムのセキュリティ強化等により、個人情報を保護するための管理機能の向上を図り、「個人情報の保護に関する法律」の遵守、個人情報の漏洩防止に努めております。
 しかしながら、これらの個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権、肖像権等について

 当社においては、デジタル素材に係る著作権等の知的財産権を適切に管理し、その利用許諾をすることが事業の根幹であると認識しております。そこで、当社はクリエイターに対し、デジタル素材のアップロード時に権利に関する確認を行う、また特定の個人を識別することが可能な人物素材に関しては、被写体の署名を得た肖像権使用同意書の提出を必須とするなどの対応を行っております。さらに、その状況を当社の審査において確認するなど、権利が侵害されることのないようにサービスを設計しております。

 また、新規事業・新規サービスの開発にあたっても、弁護士等専門家と協議検討の上、権利侵害が発生しないよう、細心の注意を払ってサービスの設計にあたっております。

 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ デジタル素材の不正使用等について

 当社グループにおいて、利用規約及び関連するサイト内の表示により、デジタル素材の利用可能範囲を明確に購入者に提示しております。禁止行為は、素材の無断使用、風俗や出会い系サイトでの使用、虚偽内容の記載による使用等の項目にわたります。万一不正使用が発生した場合、速やかな通報が可能なように不正使用報告専用フォームをサイト内に設置し、各案件について、迅速に適切な対応にあたるよう努めております。
 しかしながら、不正使用による訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)その他のリスクについて

① 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である古俣大介は、当社の創業者であり、設立以来代表取締役社長として経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、組織を事業本部・事業部体制とし、各事業本部長には古俣以外の役員を任命するなど、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

 当社は設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、将来における安定的かつ継続的な利益還元を行う前提として、事業基盤の整備状況、今後の事業展開、業績や財政状態などを総合的に勘案した上で配当を検討していきたいと考えております。

 今後も当面の間は、事業拡大のための施策への投資を行い、中長期的に安定的な成長モデルを構築するために財務基盤を強固にすることが重要と考え、内部留保の充実を基本方針とさせていただきたいと考えております。

 なお、現時点において配当の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、役職員の業績向上に対する意欲や意識を高めるため、ストック・オプション制度を採用しております。当連結会計年度末日現在、ストック・オプションによる潜在株式総数は172,100株であり、発行済株式総数の7.70%に相当しております。これらのストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、金融資本市場の変動等の影響により先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境としましては、スマートデバイス、スマートフォン(以下、「スマホ」という。)アプリやインターネット広告(動画広告を含む)の普及に伴い、これまで以上にインターネットでのデジタル素材の活用機会が増えております。また、近年、スマホに付属するカメラ機能の高機能化やアプリの加工技術の向上により誰もが手軽に高品質の写真撮影ができるようになり、さらに撮影したスマホ写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」という。)に投稿・共有するスタイルが若年層を中心に定着してきました。また、ライフイベントごとの撮影機会の増加やSNSでの写真共有の増加に伴い、個人の撮影サービス市場は拡大するとともに、顧客ニーズは多様化しております。

 このような状況の下、当社グループは当連結会計年度を「利益拡大への基盤づくりの年」と位置づけ、既存の国内事業を継続的に伸ばしつつ、海外事業と新規事業への投資を継続し、来期以降の成長加速に向けて取り組んでおります。

 国内事業につきましては、デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」定額制のさらなる顧客基盤拡大および強化のため、特に「新規顧客獲得」と「更新率向上」のための施策に注力してまいりました。具体的には、「新規顧客獲得」につきましては、Webマーケティング施策の強化やUI改善で顧客の流入強化を図るとともに、API導入拡大に向けての営業活動を行いました。また、新規で開始した機械学習用の画像データ提供サービスは一定の需要を確認しております。「更新率向上」につきましては、引き続き機能サービス改善による付加価値向上を行っております。

 海外事業につきましては、韓国、台湾及びタイの各販売拠点の成長加速に向けて、特に「ローカルコンテンツの充実」、「検索・翻訳等のサイト改善」及び「Webマーケティングによる集客強化」のための施策に注力してまいりました。具体的には、「ローカルコンテンツの充実」については、アジア諸国において、アジア全般での販売を目的としたパンアジアコンテンツを制作しました。「検索・翻訳等のサイト改善」については、各拠点において現地のニーズに合わせた検索・翻訳精度の向上等のサイト改善活動を継続して実施しました。「Webマーケティングによる集客強化」については各拠点における効果的なWebマーケティングの手法を選択することにより、効率的な広告費支出を行いました。

 新規事業のうち、出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」につきましては、さらなる飛躍に向けて特に「全国展開」と「集客強化」のための施策に注力してまいりました。「全国展開」につきましては、2018年10月4日にサービス提供エリアが、秋田県、山形県、佐賀県、宮崎県を追加し、47都道府県となり全国展開致しました。また、全国展開のための基盤となるフォトグラファーの拡大のための活動を行いました。「集客強化」については、現在の主な集客手段であるWeb広告に加えて、SNSでの発信やイベントの実施など多チャンネルでの集客体制の確立のための活動を行いました。

 また、スマホ写真のマーケットプレイス「Snapmart(スナップマート)」につきましては、PIXTAとは異なるユーザー基盤のサービスを育てることを目標に、顧客ニーズの高い「SNS映え」する写真を気軽に入手できるように、コンテンツの充実やサイト改善等の施策に加え、SNSプロモーションに必要な写真もクチコミも同時に提供する「Snapmartアンバサダープラン」も順調に推移しております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,514,253千円(前年同期比12.7%増)(うち、定額制売上は777,965千円(前年同期比50.2%増)、営業利益は110,460千円(前年同期比532.1%増)、経常利益は106,893千円(前年同期比359.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,902千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失6,030千円)となりました。なお、当社グループはクリエイティブ・プラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,013,316千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は287,574千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が84,493千円となったこと、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したことに伴い仕入債務が15,209千円増加したこと、定額制販売の増加に伴い前受金が56,268千円増加した一方、売上高の増加に伴い売上債権が20,487千円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は86,756千円となりました。これは主に、自社コンテンツの制作等に伴う無形固定資産の取得による支出が78,435千円となったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は58,719千円となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出が60,008千円となったことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の事業は、提供するサービスの性質上、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、クリエイティブ・プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載を省略しております。

 

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

連結売上高

2,514,253

112.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ111,608千円増加し、1,901,965千円となりました。これは主に、現金及び預金が92,593千円、売掛金が16,716千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ95,062千円増加し、1,225,642千円となりました。これは主に、前受金が55,726千円、未払金が30,623千円、未払法人税等が53,511千円増加した一方で、長期借入金が60,008千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16,546千円増加し676,322千円となりました。これは主に、利益剰余金が20,902千円増加した一方で、為替換算調整勘定が5,644千円減少したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、2,514,253千円(前年同期比12.7増)となり、そのうち定額制の売上は777,965千円(前年同期比50.2%増)となりました。主な要因は、国内事業の定額制の売上が堅調に推移したことによるものであります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は997,724千円(前年同期比6.7増)となりました。主な要因は、売上高の増加に伴い素材仕入が増加したこと及びサービス拡大に伴いサーバーコストが増加したこと等によるものであります。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,406,067千円(前年同期比9.9増)となりました。主な要因は、従業員増員に伴う人件費の増加、Web上でのプロモーション活動による広告宣伝費の増加等によるものであります。

 

(営業外損益)

 当連結会計年度の営業外収益は4,354千円(前年同期比37.8%減)となりました。主な内訳は、債務免除益2,998千円、広告料収入718千円であります。

 当連結会計年度の営業外費用は7,921千円(前年同期比553.0増)となりました。主な内訳は、支払利息1,251千円、為替差損6,571千円であります。

 

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は110,460千円(前年同期比532.1%増)、経常利益は106,893千円(前年同期比359.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,902千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失6,030千円)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

 

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社グループを取り巻く事業環境においては、今後もインターネットメディア及び動画広告をはじめとするインターネット広告市場の拡大に伴い、デジタル素材へのニーズがさらに増加していくものと想定されます。

 このような事業環境のもと、当社グループでは引き続き「PIXTA」サイトの改善による顧客獲得及びコンバージョン強化に注力するとともに、顧客の多様なニーズを満たすための定額制プランの拡充、販促活動や、音素材などの新たな素材カテゴリの拡充に積極的に取り組んでまいります。

 加えて、出張撮影マッチングサービス「fotowa」やスマホ写真のマーケットプレイス「Snapmart」などの新規事業のさらなる成長のための施策や、台湾・タイ及び韓国を始めとしたアジア地域における海外事業展開のための施策を実施し、これらに対して必要な投資を行ってまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、当社グループの企業価値を最大限に高めるべく努めてまいります。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、特に既存事業において新規購入者及び継続的な購入者の増加施策やサービスの継続的改善を通じて収益基盤の安定化を図ると共に、さらなる成長のため海外への事業進出や新規事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は、クリエイティブ・プラットフォーム事業における人件費、広告宣伝費があります。

 これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,013,316千円となり、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。

 

(9)経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 当社の経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標としてサイトの訪問者数、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、当事業年度における営業利益は110,460千円(前年同期比532.1%増)となりました。引き続き、これらの改善に向け取り組んでまいります。

 

(10)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループはクリエイティブ・プラットフォーム事業の単一セグメントのため、記載を省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。