文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社が掲げる経営理念には、お客さまによりそい、一人ひとりの人生を守り続けていくために、全社員一丸となって歩んでいくという、当社の決意が込められております。この経営理念を実現するため、当社が目指していく具体的な姿を経営方針として制定しております。
いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。
かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。
① お客さま一人ひとりの人生によりそい、分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。
② お客さまにより良いサービスを提供するため、お客さまと接する社員が力を発揮する態勢を整備します。
③ 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。
④ コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。
⑤ 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。
⑥ すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。
当連結会計年度における日本経済は、輸出や生産が伸び悩む一方で、設備投資の拡大や個人消費の下支え等から、緩やかな回復基調が続きました。米国経済は内需主導により堅調な回復が続きましたが、欧州では製造業生産の減速等から経済成長率が鈍化、中国では緩やかな経済成長率の低下傾向が続きました。
このような経済動向を受けて、当連結会計年度の運用環境は以下のとおりとなりました。
国内長期金利(10年国債利回り)は、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで、7月中旬までは0.02%~0.07%のレンジで推移しました。7月末の日本銀行の金融政策決定会合で長期金利の変動幅を倍程度に拡大することが決定されると、10月には0.1%台半ばまで上昇しましたが、その後は、世界経済の減速懸念等から低下傾向で推移し、年度末は△0.10%となりました。また、日経平均株価は9月中旬まで概ね22,000円台で推移した後、10月には円安の進行や米国株高等を受けて、一時24,000円台まで上昇しました。しかし、その後、世界経済の減速懸念等を受け米国株が下落したこと等により、12月末には一時19,000円付近まで下落しました。年明け後は、米国株の上昇等から持ち直し、年度末は21,000円台となりました。
生命保険業界におきましては、低金利環境の継続、少子高齢化や単身世帯化の進展、ライフスタイルの変化等を背景としたお客さまニーズの多様化、選別志向の高まりなどが見られる中、それらに対応する販売チャネルの強化や商品の開発等を行うことでお客さまの自助努力を支援するという当業界の役割は、ますます大きくなってきていると考えています。
日本郵政グループでは、お客さまが安全・安心で、快適で、豊かな生活・人生を実現することをサポートする「トータル生活サポート企業グループ」を目指す、との経営の方向性を示すものとして、2018年度から2020年度までの新たな中期経営計画「日本郵政グループ中期経営計画2020」を、2018年5月に公表いたしました。この新たな中期経営計画において、当社グループは、「お客さま本位の業務運営の徹底」、「持続的な成長の実現」、「事業経営における健全性の確保」を経営の基本的な考え方に据えて、お客さま本位の募集活動を徹底しつつ、超高齢社会の到来、超低金利環境の継続など、様々な外部環境が変化する中、販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料※1の反転・成長を目指します。具体的には、新たな中期経営計画において、保有契約年換算保険料(個人保険)※2、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額という3つの主要定量目標を設定しております。
※1 年換算保険料とは、保険料の支払方法(月払い、年払いなど)の違いを調整し、1年(12カ月)あたりに換算した金額です。新契約や保有契約に関する年換算保険料は、保険料等収入とともに生命保険会社の売上規模を表す指標です。
※2 郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約(保険)を含めています(別段の記載がない限り、以下同様)。
新たな中期経営計画において設定した主要定量目標を達成するため、当社は3つの戦略に取り組むこととしております。
「保障重視の販売の強化、募集品質の向上、新たな顧客層の開拓、新商品開発、営業基盤の整備」
お客さま本位の募集活動の徹底により、お客さまのご意向に適切にお応えし、真にお客さまにご満足いただける商品・サービスを提供してまいります。
保険募集人に対する研修等を通じて、お客さまの保障ニーズに対応した販売スキルの向上に取り組みます。併せて、未加入者・青壮年層の開拓等を通じて、新契約を確保してまいります。
同時に、募集資料の分かりやすさの徹底、契約維持の評価の導入等による募集品質向上の総合的な対策に取り組みます。
加えて、第三分野など新商品開発による保障性商品の多様化、新営業用携帯端末の導入などの営業基盤の整備を通じて、引き続きお客さまニーズに沿った商品・サービスの提供に努めてまいります。
これらの取り組みにより、保有契約年換算保険料の反転・成長を目指してまいります。
なお、保障性商品の多様化の取り組みとして、当社は、2019年4月よりユニバーサルサービスの対象商品である養老保険及び終身保険並びに無配当総合医療特約について、引受基準緩和型商品の販売を開始しております。この販売によって、従来、病歴や服薬中であるなど健康上の理由から引き受けることができなかったお客さまにも広く保障を提供できるようになりました。また、全額自己負担となる先進医療の技術料の負担に備える先進医療特約(第三分野商品)の販売も開始しております。この販売によって、従来、当社の医療特約では賄えなかった医療保障を提供できるようになりました。
「ICT※1活用によるサービス向上・事務の効率化」
ICTの活用により、お客さまにご満足いただける、質の高いサービスの提供に取り組んでまいります。
保険募集人が携行している営業用携帯端末による自動告知システムの導入や、Web等を通じた各種請求の受付など、更なるお客さまサービスの向上を目指してまいります。
加えて、サービスセンターにおける紙ベースの帳票の電子化、RPA※2の段階的導入等による入力作業の省力化等を進めることにより、事務量の削減に取り組んでまいります。
※1 ICTとは、Information and Communication Technologyの略語で、情報・通信に関する技術の総称です。
※2 RPAとは、Robotic Process Automationの略語で、ロボットによる業務の自動化のことです。
「資産運用の多様化・リスク管理の高度化」
資産運用については、保険金等の確実なお支払いを担保するためALM※1を基本としつつ、リスクバッファーの範囲で外国証券等の収益追求資産のウェイトを向上させるとともに、外債運用・オルタナティブ運用の多様化や株式自家運用の拡大等を通じ、資産運用の多様化を推進してまいります。
加えて、リスク管理の高度化に取り組み、統合的リスク管理(ERM)※2のフレームワークの下で財務の健全性を確保しつつ、リスク対比リターンの向上を目指してまいります。
※1 ALMとは、Asset Liability Managementの略語で、資産負債の総合管理のことです。
※2 統合的リスク管理(ERM: Enterprise Risk Management)とは、会社が直面するリスクに関して、潜在的に重要なリスクを含めて相対的に捉え、会社全体の自己資本などと比較・対照することによって、事業全体として行うリスク管理のことです。
このほか、経営基盤の強化として、働き方改革、ダイバーシティ・健康経営の取り組みの推進により、多様な人材が安心して働きやすい環境を整え、社員一人ひとりの成長を促していくことで、企業価値の向上につなげてまいります。
新たな中期経営計画においては、上記の取り組みを着実に実行し、持続的な利益成長と強固な事業基盤の確保を目指してまいります。
なお、直近の取組みとして、2018年12月19日に、日本郵政株式会社は、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との間で、「資本関係に基づく戦略提携」に関する基本合意書を締結しており、これを踏まえ、日本郵便株式会社及び当社においても、アフラック生命保険株式会社との協業を進めてまいります。
日本郵政グループとアフラック生命保険株式会社は、長年にわたり、がん保険の販売におけるビジネスパートナーとして信頼関係を築いてまいりました。今般の戦略提携も、当社を含む日本郵政グループ各社の企業価値向上に資することをその目的としております。
今回の基本合意書においては、日本郵便株式会社及び当社又はいずれかにおいて販売されるアフラック生命保険株式会社の新商品開発を検討することとしておりますが、当社は、この新商品が、当社が現在又は今後単独で開発・販売予定の商品領域には影響しないものとなることを確認しており、当社グループの企業価値を毀損しないものと認識しております。
今般の戦略提携につきましては、当社グループ及びステークホルダーの皆さまにとって、価値あるものとなるよう取り組んでまいります。
当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しておりますが、これらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク
日本郵便株式会社は、郵政民営化法上のユニバーサルサービスに係る規定を遵守するため、当社と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結して当社の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において、当社の商品及びサービスを提供しております(かかる契約の詳細については「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。特に、保険窓口業務契約は、期間の定めのない契約であり、本契約に定める特段の事情がない限り当社から一方的に解除することはできないこととされております。また当社の定款上、当社は日本郵便株式会社との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合には当社の定款変更が必要となります。したがって、当社が日本郵便株式会社との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。
このように、当社が、ユニバーサルサービスの提供義務を負う日本郵便株式会社との間で、解除することが困難な保険窓口業務契約を締結することで、日本郵便株式会社がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する契約上の義務を負うため、当社の柔軟な事業展開が困難となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後ユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われていましたが、当該費用のうち日本郵便株式会社が負担すべき額を除く基礎的費用は、本法に基づき、2020年3月期から、当社及び株式会社ゆうちょ銀行からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなります。なお、拠出金・交付金の額は、関係法令に基づき郵政管理・支援機構が算定することとなるため、当社の意向が反映されるものではありません。
当該基礎的費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額となります。
ア 郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料・工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、固定資産税・事業所税
イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用
当該基礎的費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務費用は、郵便窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、保険窓口業務に係る按分額を当社が拠出金として拠出することとなり、2020年3月期に当社が支払う拠出額は575億円です。
② 日本郵便株式会社への委託手数料等に関するリスク
当社は、日本郵便株式会社と締結している生命保険募集・契約維持管理業務委託契約、保険窓口業務契約等(以下「業務委託契約等」といいます。)及び代理店手数料規程等に基づき、日本郵便株式会社に対して委託手数料を支払っておりますが、その一部は、日本郵便株式会社が当社に提供する業務に必要な経費単価に郵便局数等を乗じて算定するものや、新契約の獲得により加算されるものがあります(委託手数料の詳細及び金額については、「4 経営上の重要な契約等 (参考)日本郵便株式会社に支払う委託手数料」をご参照ください。)。このように、当社が日本郵便株式会社に支払う委託手数料は、日本郵便株式会社において当社からの委託業務に基づき発生する費用に応じて増加する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前記「① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク」に記載のとおり、2020年3月期から、郵便局ネットワーク維持に要する基礎的費用は、当社及び株式会社ゆうちょ銀行からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなるため、当社が日本郵便株式会社に業務委託契約等に基づいて支払っている委託手数料についても見直しを行っております。その結果、新契約件数その他委託手数料の算定の基礎となる条件が2019年3月期のそれと同一であれば、2020年3月期においては拠出金・交付金制度の導入による当社負担額の総額への重大な影響はないものと考えておりますが、上記のとおり、委託手数料は、日本郵便株式会社において当社からの委託業務に基づき発生する費用に応じて増加するなどの理由により、将来的に変更がなされる可能性があります。
また、委託手数料の他にも、当社は、委託元会社として生命保険の募集及び業務に係る品質を確保する責任があるため、代理店である郵便局において使用されるITシステムの導入、維持及び管理に係る費用の一部を負担し、また、当社の業務を行う日本郵便株式会社の従業員の指導、教育等の費用の一部を負担しております。
③ 郵便局ネットワークへの依存に関するリスク
当社の商品及びサービスの提供は、郵便局ネットワークに大きく依存しております。当社は、日本郵便株式会社との間で業務委託契約等を、各簡易郵便局との間で生命保険募集委託契約をそれぞれ締結し、これらの契約に基づき、当社は商品及びサービスの供給、日本郵便株式会社は商品及びサービスの提供をそれぞれ担うというビジネスモデルを構築しており、新契約保険料の9割程度が郵便局ネットワークにおいて獲得されたものであります。
したがって、コミュニケーション手段の多様化等に伴って郵便サービス及び郵便局の利用者数又は利用頻度が減少し、当社の商品販売のチャネルとしての郵便局ネットワークの魅力が損なわれ、郵便局ネットワークに代替する販売チャネルを確保できない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本郵便株式会社において取り扱う当社の商品・サービスの割合が減少した場合、当社の商品・サービスを取り扱う代理店(約2万局)の数が減少した場合及び業務委託契約等の条件が当社にとって不利に変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社の商品及びサービスの提供の大部分は、業務委託先である日本郵便株式会社の従業員により行われているため、日本郵便株式会社が優秀な人材を確保できない場合や、当社による日本郵便株式会社の従業員の保険業務に関する教育が十分でない場合等においては、当社の商品及びサービスの提供が期待どおりに行われない可能性があり、また、当社が新しい商品及びサービスを提供しようとする場合は、当該新商品等に関する十分な知識等を有する当社従業員又は日本郵便株式会社の従業員が必要となりますが、そのような従業員を確保又は教育できない場合は、当社の新商品等の販売が想定どおりに行われない可能性もあります。これらの結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本郵便株式会社では、当社の商品以外にも、他の生命保険会社の生命保険や変額年金保険、損害保険会社の損害保険の受託販売を行っております。日本郵便株式会社が人材その他の資源を他社の商品等の販売に充てた場合や、日本郵便株式会社において取り扱われる他社の商品等の割合が当社の商品等に比べて著しく増大した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記のとおり、日本郵便株式会社が当社との間で締結している生命保険募集・契約維持管理業務委託契約は、当社の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、日本郵便株式会社が当該契約を解除しようとする場合、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。当連結会計年度末現在において、当該契約の解除に係る申入れ等、契約の存続に支障を来す要因は発生していませんが、当該要因が発生した場合には当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う事業は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、国内の景気や世帯収入の動向などが、当社グループの行う事業に影響を及ぼす可能性があります。近年は、政府の各種経済対策や日本銀行の金融緩和政策が行われる中、景気の緩やかな回復基調が続き、個人消費も持ち直してきているものの、海外経済の不確実性や金融市場の変動の影響が懸念されております。また、長期にわたる少子化の影響を受け、国内の総人口及び労働人口の継続的な減少も予測されております。このような経済情勢等の動向は当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、日本の生命保険市場において、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、各種協同組合等との激しい競争に直面しております。近年は、特に、商品内容・ラインナップ、販売チャネル、保険料水準等に関して、当社より優位に立っている会社もあります。また、統合や再編等により、又は新技術等を応用した魅力的な商品・サービスを開発することにより、今後高い競争力を備える可能性があります。当社が業務範囲を拡大した場合や、規制緩和や新規参入等に伴う市場構造の変化が生じた場合には、現時点では競合関係にない会社との競合関係が新たに生じる可能性もあります。当社が規制緩和や新規参入等に伴う市場構造の変化に対応できない場合や、技術革新等への対応が遅れ当社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の取り扱う商品は、個人向け生命保険に集中しております。個人向け生命保険については、国内の雇用水準及び家計所得水準、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性、社会的信用に対する一般的な認識、出生率及び高齢化等日本の人口構成に影響を与える長期的な人口動態等の要因が、新規契約数や既存契約の解約率に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
1970年代半ば以降、日本の出生率は総じて徐々に低下する傾向にあり、現在は世界で最低の水準にあります。これらの結果、15歳から64歳までの人口は減少傾向が続いており、この傾向が、日本国内における生命保険の総保有契約高の減少の主要な要因であると考えております。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、15歳から64歳までの人口は、今後も減少し続けるであろうと予測しております。当社の顧客基盤(2019年3月末:お客さま数 約2,648万人(個人保険及び個人年金保険の契約者数並びに被保険者数の合計(当社が受再している簡易生命保険契約を含みます。)))は中高年層に強みがありますが、もし、これらの傾向が続き、青壮年層における生命保険に対する需要が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪等大規模災害、新型インフルエンザ等の感染症の大流行、テロリズム、国家間紛争等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、あるいは当社グループの本社、支店その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社の業務の全部又は一部が停止し、又は運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等に対する損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。
また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザ等の感染症の大流行等を原因として多数の死者が出た場合に、当社による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。当社は、保険業法上の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、様々な業務について、他社との提携を行っております。業務提携先において業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供に支障をきたす場合、保険契約者の情報の漏えい等の重大な違法行為が発生した場合等において、当社グループの業務運営、社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、法令上可能な限りにおいて、新たな収益機会を得るため新規業務への参入を行うことがありますが、当社が限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合又は競争の激しい分野に進出した場合に、業務範囲の拡大が功を奏しない又は当初想定した効果をもたらさない可能性があります。加えて、当社は新商品の販売開始にあたって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために当社の計画どおりの時期又は内容で新商品を投入できない可能性があります。また、かかる認可を取得し、新商品を販売した場合であっても、当該商品が当初想定した成果をもたらさない可能性があります。このような結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図る目的で、資産と負債のバランスを考慮してリスクコントロールを行う、ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合的な管理)を行っております。当社がALMを適切に行えなかった場合又は当社のALMによって対処可能な程度を超えて市場環境が大きく変動した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、当社の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。
具体的には、2016年2月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、低金利環境が継続しておりますが、当社が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上する一方、債券価格の下落等による評価損・減損損失や売却損等が発生する可能性があります。加えて、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約が増加する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の保有する外貨建資産に係る為替リスクがへッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約が出来なくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、外国金利の変動により、当社の保有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社において、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって、保有している株式の価格が下落した場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オルタナティブ運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。
当社グループの取引先・投資先・当社が保有する有価証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生、国家間紛争等その他不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用が増加し、又は当社が保有する有価証券の価値が下落すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国公社債運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。
金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が減退した場合は、当社の保有する資産の売却可能性や価値が減少する可能性があります。
当社の財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払による資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされること等により損失を被った場合には、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は日本の生命保険会社であり、保険業法及び関連業規制の下、他の日本の生命保険会社と同様に、金融庁による監督下にあります。保険業法及び関連業規制の主な目的は、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の利益を保護することにあります。この目的に基づき、保険業法は、内閣総理大臣(原則として金融庁長官に権限委任。以下同じ。)に対して、免許取消しや業務停止、報告徴求、会計記録等に関する厳格な立入り検査の実施等、保険業に係る広範な監督権限を与えております。特に、以下のいずれかに該当することとなったときには、保険業法第133条及び第134条の定めにより、業務の全部若しくは一部の停止又は免許の取消しを命ぜられる可能性があります。
・法令、法令に基づく内閣総理大臣の処分又は定款、事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき
・保険業の免許に付された条件に違反したとき
・公益に害する行為をしたとき
・保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者の保護の見地から適当でないと認められたとき
生命保険業免許は、当社の主要な事業活動の前提となっております。当該免許に期限はありませんが、上記のとおり取消事由等が定められております。当連結会計年度末現在において、免許取消事由等に該当する事象は発生していないと認識していますが、当該事象が発生した場合には当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社は、金融庁が日本の生命保険会社の健全性を判断する指標として定める、ソルベンシー・マージン比率と実質純資産に基づく監督に服しております。
ソルベンシー・マージン比率は、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つです。2019年3月31日現在、当社の連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8%であり、法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応した収益追求資産の増加により、低下する傾向にあります。これが200%を下回った場合には、内閣総理大臣による早期是正措置が発動される可能性があり、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、保険監督者国際機構(以下「IAIS」といいます。)は、コム・フレーム(国際的に活動する保険会社グループ(以下「IAIGs」といいます。)に対する共通の監督枠組み)やその一部であるIAIGsに対する保険資本基準(以下「ICS」といいます。)について議論を行っております。IAISは、2017年11月には、ICSについて2020年から5年間のモニタリングを行った後、2025年から規制資本要件として適用する実施計画を公表しております。IAISの構成員である金融庁は、この議論に沿った国内各社に対する新たな規制の導入を検討しておりますが、現行の規制とは大きく異なる可能性があります。このように新たな規制や基準等が導入された場合には、これらに含まれる制約が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
そのほか、国際会計基準審議会は、2017年5月に保険契約に関する初めての真に国際的な基準として、国際財務報告基準(以下「IFRS」といいます。)第17号「保険契約」を公表しております。当該基準は保険契約を経済価値で評価するため、毎期の変動が純資産に影響を及ぼす可能性があります。今後、IFRS又は同基準に準じる基準が日本の法定会計において適用された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上記(8)に記載した保険業法による規制以外にも、保険法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等、各種の法規制の適用を受けており、その改正、その執行に関する政府方針の変更等が行われることにより、関連するコンプライアンス対策の強化・改善のための追加的な費用が発生するなど、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、郵政民営化法及び関係政省令の下、金融庁及び総務省の監督下にあります。また、郵政民営化法及び関係政省令の主な目的は、国内における公正かつ自由な競争を促進することに加えて、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じることにあります。同法では、当社が郵政民営化に関する施策で重要なものを企画する場合は、この目的を担保するため、内閣官房に設置された郵政民営化推進本部が運営する、郵政民営化委員会における審議が必要である旨が定められております。
郵政民営化法の目的である、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保の観点から、当社には他の日本の生命保険会社にはない業務制限規制が課されております。主な規制項目として、被保険者一人あたりの加入可能な保険金額に上限があること、保険会社等の子会社化が禁止されていること、新商品の開発にあたって内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要であること、新たな資産運用手段を実施するにあたって内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要であること等があります(以下「上乗せ規制」といいます。かかる規制の詳細については「第1 企業の概況 3 事業の内容 (参考)郵政民営化法による特例措置」をご参照ください。)。これらの規制により当社の競争条件が悪化した場合や、収益機会が制限された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本は、国家間での物品・サービス等の調達について、国際的なルールを定める機関である、WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であることから、政府調達においては、国内の供給者等に特別な保護を与えることなく、透明性のある、かつ、公平な方法で調達を実施することが要請されております。
日本は、加盟国として「政府調達に関する協定を改正する議定書」を定めていますが、この中で、公社を承継した会社は、この議定書に定められたルールが適用されるとされており、当社グループが物品等の調達を実施する場合においては、WTOによる政府調達のルールを遵守する必要性があります。
当社グループの作為又は不作為により、これらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、中期経営計画をはじめとする事業戦略・経営計画を策定しておりますが、これらに含まれる施策の実施については、本「事業等のリスク」に記載された各種のリスクが内在しております。また、将来において、当社による上記施策の実施を阻害するリスクが高まる又は新たなリスクが生じる可能性もあります。
さらに、これらの事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境、法制度、一般的経済状況、当社及び日本郵便株式会社の従業員の活動状況等に係る多くの前提を置き、それらに基づいて作成されておりますが、かかる前提どおりとならない場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。加えて、市場金利の低下に伴う保険料見直しを行ったこと、又は現中期経営計画において、「保障重視の販売の強化」、「新たな顧客層の開拓」、「新商品開発」等に取り組むこととしている中、顧客にとって魅力的な保障性商品の提供ができないこと若しくは営業社員による有効な営業活動ができないことなどにより、新契約の獲得が計画どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。
なお、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、日本郵政グループの中期経営計画の中で、当社グループは、販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料の反転・成長を目指すことを掲げており、具体的には、保有契約年換算保険料(個人保険)、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額という3つの主要定量目標を設定しております。しかしながら、保有契約年換算保険料(個人保険)については、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したことを主たる要因として、2018年6月末、9月末、12月末及び2019年3月末においてそれぞれ4.82兆円、4.78兆円、4.73兆円及び4.67兆円と推移しており、かかる状況を踏まえると、当連結会計年度末時点においては同中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標値の達成は困難であると認識しております。
この他、日本郵政株式会社は、将来的なIFRS適用を検討しており、将来的に当社もIFRSを適用する可能性があるほか、会計方針等の変更を行う可能性もあります。
当社は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して、次に掲げる計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しております。
保険契約においては、実際の死亡率が事前に設定した予定死亡率を超過した場合、実際の運用利回りが事前に設定した予定利率を下回った場合、実際の経費が事前に設定した予定事業費を超過した場合には、保険期間中の保険料等の受取総額を、保険金・経費等の支払総額が上回ることにより損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、日本の生命保険会社として、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を、責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てております。責任準備金は、当社の負債の最も大きな部分を占めているものであり、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等につき一定の前提を置き、これらに基づく見積りによって計算されるものであります。これらの前提と実際の結果が乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、責任準備金の積立水準に関するガイドラインや標準利率・標準生命表は、金融当局である金融庁等によって定められているものですが、これらに変更があった場合には、保険料見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社が確保すべき契約者配当準備金の繰入額は費用として扱われ、これにより各事業年度における純利益が減少します。当社は契約者配当準備金の繰入額の決定について裁量を有しており、その水準については、当社商品の競争力、業績、ソルベンシー・マージン比率等の様々な要素を考慮して判断しておりますが、その水準によっては、当社グループの株主への配当原資の額、事業、業績及び財政状態又は当社の株式価値に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約については、「旧簡易生命保険契約に基づく保険責任に係る再保険契約」において、当社が引き受けた保険契約と区分してその収益及び費用を経理するものとし、簡易生命保険契約の再保険損益の8割を契約者配当準備金に繰り入れることとしております。また、再保険配当の計算方法の変更の必要性について、毎事業年度、郵政管理・支援機構と当社間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、当連結会計年度末時点において変更の予定もありません。
当社は、正確・迅速な保険金等のお支払いが生命保険会社の根幹業務であるとの認識の下、支払管理態勢の強化、お客さまサポートの充実に取り組んでおりますが、何らかの理由により、監督当局又は当社が支払管理態勢の強化が不十分であると判断した場合には、各種改善策を講じる可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが業務を遂行していく工程には、オペレーショナルリスクが存在し、内部及び外部の不正行為、労務管理及び職場環境面での問題発生、顧客本位の業務運営への対応が不十分であることによる信用失墜、自然災害による被災やシステム障害等に伴う事業中断及び不適切な事務処理、外部への情報漏えいの発生等が生じる可能性があります。特に、当社は郵便局ネットワークに大きく依存しており、そこでは当社の事業のみならず、銀行・物流のサービスも並行して提供されるため、これらのオペレーショナルリスクが顕在化する可能性が相対的に高く、当社グループの業務運営、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業務には、従業員等が適正かつ正確な事務を怠る、あるいは事故、不正等を起こすことにより損失を被る事務リスクが存在します。これらの事務リスクが顕在化した場合には、当社グループの業務運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社が保有するシステムだけでなく、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行が所有するシステム等も利用して、生命保険の募集及び管理業務を行い、また、全国の郵便局や当社の各種拠点等と通信を行っており、情報システムは、当社の事業にとって極めて重要な機能を担っております。
かかる情報システムには、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等の外的要因に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウィルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大な障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステム障害・故障等が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、これらに対する対応や対策のためのコスト等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を行う上で、当社が直接に又は当社の代理店である日本郵便株式会社を通して、大量の情報を取得し保有しております。この情報には、保険契約者等の個人や法人のお客さまの情報のほか、業務上知り得た様々な内部情報が含まれます。その中でも、個人情報(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に定める個人番号も含みます。以下同じ。)については、個人情報の保護に関する法律をはじめとする関係法等に基づき、適切な取扱いが求められております。特に、近年、企業・団体が保有する個人情報の漏えい・紛失や不正なアクセス、サイバー攻撃等が発生するケースが多発しており、より厳格な管理が要求されております。
当社グループでは、プライバシーポリシーを策定するとともに、情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、従業員、代理店、業務委託先又はその他の者による不正なアクセス等により、今後、仮に当社が保有する個人情報やその他重要な情報が外部に漏えい等した場合には、損害賠償請求や行政処分を受ける可能性があり、また、かかる事案に対応するための時間及び費用が生じること、当社の社会的信用が毀損すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、保険業法及び郵政民営化法に基づき、金融庁及び総務省の監督に服しております。加えて、保険法、消費者契約法、個人情報の保護に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律等、生命保険契約を取り扱う事業者として、各種関係法令の遵守の義務を負っております。当社グループ役員・従業員による作為又は不作為による法令等の違反が発生した場合、又は法令等の違反を防止するための対策が効果を発揮しなかった場合には、当社の社会的信用及び業務運営に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便株式会社及び当社は、当社の業務を行う日本郵便株式会社の従業員に対し、法令等の遵守についての指導・教育を行っておりますが、これらの指導・教育が十分に行われない、又はその効果が発揮されないこと等により、同社従業員による不適正な募集活動などの法令等の違反が発生した等の場合、特に当社が、日本郵便株式会社の従業員による不適正な活動の実態を適時かつ適切に把握することができない場合には、同様の影響が及ぶ可能性があります。
さらに、当社は膨大な保険契約や業務委託・物品購入等の契約を締結していますが、当社の契約の相手方による詐欺的行為の被害を受けた場合、反社会的勢力との契約を締結した場合等には、当社グループの社会的信用及び業務運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、従業員、代理店、業務委託先、保険契約者等による詐欺その他の不正による潜在的な損失リスクにさらされております。当社の営業職員及び代理店は、保険契約者との対話を通じて、保険契約者の個人情報及び家計情報を熟知しており、違法な販売手法、詐欺、なりすまし、個人情報の紛失・漏えい又は不適切な利用等が発生する可能性があります。
また、保険契約者も、保険契約の詐欺的な使用や、保険契約時のなりすまし等、詐欺的な行為や違法行為をすることがあります。当社は、このような詐欺的行為を防ぎ、発見するための対策をとっておりますが、当社の取組みがこれらの詐欺、違法行為又は反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。その場合、当社の社会的信用が大幅に低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。また、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起される可能性もあります。当社に対する新たな訴訟が提起された場合、その解決には相当の時間及び費用を要する可能性があります。また、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生し、当社に対して損害賠償の支払いが命じられる等不利益となる判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生命保険会社としての業務遂行のため、保険数理、資産運用、リスク管理等各分野において安定した事務遂行と高い専門性を有する有能で熟練した人材を必要としております。しかし、有能で熟練した人材は限られており、かつ、当社グループは人材の確保及び採用において他社等と競合しているため、有能で熟練した人材の採用又は育成及び定着を図ることができなかった場合には、当社の競争力が相対的に低くなり、これらの結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの経営は、当社グループの経営陣の能力に相当程度依拠しており、何らかの理由によりかかる重要な経営陣が退職又は離職した場合には、当社グループの事業運営、事業戦略の遂行に悪影響を及ぼし、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は強い批判がなされる可能性があり、それにより、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、保険契約者や市場関係者等が、当社グループについて事実と異なる理解・認識をする可能性があり、それにより当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、保険引受リスク、資産運用リスク、市場流動性リスク、資金繰りリスク及びオペレーショナルリスクの全般の管理を実施しております。
しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。
また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、リスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。
さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。
加えて、リスク管理の実施及びその遵守状況の監督は、当社グループ内部だけでなく、当社の商品及びサービスを提供する日本郵便株式会社における郵便局ネットワーク全体に対しても行う必要があります。郵便局ネットワークは、当社の商品及びサービスに加えて、株式会社ゆうちょ銀行の商品及び日本郵便株式会社の郵便・物流サービスも提供しているところ、約2万局の郵便局を有する郵便局ネットワークに対する実施・監督に困難又は落ち度が生じた場合には、当社によるリスク管理が機能せず、又は不十分となる可能性があります。
当社は、経営環境、リスクの状況などの変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、予期していなかった損失を被る可能性や、行政処分を受ける可能性があり、当社グループの社会的評価、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は今後、必要な許認可等を取得の上、当社の商品及びサービスの内容や範囲を拡充する方針ですが、当社の事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となります。しかし、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しております。当社グループが保有する固定資産について、経営環境の変化や収益性の低下等により減損損失を計上することになる場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産額が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件に変更があった場合等には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループの退職給付制度を改定した場合にも、当社が追加的に負担すべき債務が発生する可能性があります。これらの退職給付費用及び債務の増加又は発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます。)への負担金支払義務を負っております。保護機構は、破綻した生命保険会社の保険契約者を保護することを目的としており、破綻した生命保険会社から他の生命保険会社へ保険契約を移転する際に、資金援助を実施しております。保護機構への負担金額は保険料収入及び責任準備金の額などに応じて決められるため、当社の保険料収入及び責任準備金の額が他の生命保険会社に比して増加した場合、負担金が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本の他の生命保険会社の破綻は、日本の生命保険業界全体の評価にも悪影響を与え、保険契約者の生命保険業界全体に対する信用を損ない、これにより当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、格付会社より格付けを取得しておりますが、当社の財務内容の悪化等により格付けが引き下げられた場合、新規契約の減少、既存契約の解約の増加等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本郵政株式会社は、当連結会計年度末現在において、当社の総議決権数のうち約89%を保有しており、その後2019年4月の日本郵政株式会社による当社株式の売出し及び当社による自己株式取得後において、64%程度まで低下したものの、引き続き50%超の当社株式を保有しております。したがって、日本郵政株式会社は、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本国政府は、当連結会計年度末現在において、日本郵政株式会社の発行済株式総数の約57%(自己株式を除く議決権割合は約63%)を保有しております。
日本郵政株式会社は、下記②に記載の当社との業務委託関係その他の取引・契約関係等にあるほか、子会社等を通じて当社と競合し又は競合する可能性のある事業(当社以外の生命保険会社の商品の受託販売等)を行うなど、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しております。例えば、2018年12月19日に、日本郵政株式会社は、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との間で、「資本関係に基づく戦略提携」に関する基本合意書を締結いたしました。この合意において、日本郵政株式会社は、アフラック・インコーポレーテッドの普通株式の発行済株式総数の7%を取得することのほか、がん保険に関する取組みの再確認、新たな協業の取組みの検討を行うこととしております。新たな協業の取組みについては、顧客の多様なニーズに応えるとともに、当社を含む日本郵政グループ3社(日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び当社)及びアフラック生命保険株式会社の各社の企業価値向上に資することを目的として、日本郵便株式会社及び当社又はいずれかにおいて販売されるアフラック生命保険株式会社の新商品開発を含め協業項目を今後検討していくこととしておりますが、現時点で具体的にその内容は決定しておりません。このため、協業に基づくアフラック生命保険株式会社の新商品の販売が当社グループの業績等に影響を及ぼすなど、当社と日本郵政株式会社との間で協業項目の具体的な内容について意見の相違が生じ、当社又は当社の一般株主の利益と相反する可能性があります。また、日本郵政グループの利益やユニバーサルサービスの提供等の観点から議決権の行使等を行うなど、一般株主の利害と異なる議決権の行使その他の行為を行う可能性があります。
日本郵政株式会社が一定の数の当社の議決権を保有する限り、日本郵政株式会社による当社の議決権の行使その他の行為が、他の一般株主の利益とは一致しない可能性があります。
a.日本郵政グループにおける当社の位置づけ
当社グループは、当社の親会社である日本郵政株式会社を中心とした日本郵政グループにおける、生命保険事業セグメントを担っております。
なお、日本郵政グループは、生命保険業のほか、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業等を行っております。
b.日本郵政グループとの人的関係
本書提出日現在において、当社では、日本郵政グループの役員を兼任する役員が在職しております。そのうち、主な日本郵政グループの役員を兼任する役員は、下表のとおりとなっております。また、当社の経営会議(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業の統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 b.業務執行」をご参照ください。)には、当社の常務以上の執行役を兼任している者を除き、原則、日本郵政株式会社の役員は出席していませんが、議題又は報告事項に応じて、出席が必要と当社が考える日本郵政株式会社の代表執行役に出席を要請することとしております。
(注) 同氏は、日本郵政株式会社の子会社である、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行の取締役(非常勤)も兼任しております。
上記①のとおり、日本郵政株式会社は当社の一般株主とは異なる利害を有しており、このような役員の兼任等を通じて、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす可能性があります(当社の役員の状況については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」をご参照ください。)。
また、当社は、日本郵政株式会社及びその子会社である日本郵便株式会社との間で、人事交流を目的として相互に出向者を受け入れており、モニタリングその他郵便局に対する支援等の業務を行っておりますが、このうち、当社において重要な役職についている者はおりません。
c.日本郵政グループとの取引
当社は日本郵政グループに属する他社との取引を行っております。当連結会計年度における主な取引は以下のとおりであります。
なお、日本郵政グループに属する他社との取引条件の適切性を確保するため、新たに重要な取引を実施する場合及び既存の重要な取引の取引条件を変更する場合に、社外取締役を含む取締役会で決議する態勢を整備しております。
d.日本郵政株式会社に対するブランド価値使用料
当社は、2015年3月31日付けで、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行との間で、日本郵政グループ共通の理念及び方針その他のグループ運営に係る基本的事項について定め、円滑な日本郵政グループの運営に資することを目的とした「日本郵政グループ協定」を締結し、また、その下で、日本郵政株式会社との間で「日本郵政グループ運営に関する契約」を締結しております(かかる契約の詳細については「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。
当該協定等に基づき、グループ運営を適切・円滑に行うために必要な事項や、法令等に基づき日本郵政株式会社による管理等が必要となる事項については、日本郵政株式会社との事前協議又は日本郵政株式会社への報告の対象となります。
また、当該協定等に基づき、当社は日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループが持つブランド力を当社の事業活動に活用できることによる利益の対価(郵政ブランドに対するロイヤリティ)として、ブランド価値使用料を支払っております。
当該協定の締結前においても、当社は日本郵政グループに属することによるブランド価値の利益を享受していたものの、完全親子会社関係を前提としていたため、当該ブランド価値に係る金銭の支払いは行っておりませんでしたが、株式会社ゆうちょ銀行及び当社が2015年11月4日に株式上場するにあたり、グループの総合力としてのブランド価値を維持・向上させるという日本郵政株式会社の責務が明確化されたことを契機に、当社はブランド価値使用料を支払うことといたしました。
当社が日本郵政グループに属することにより利益を享受するブランド価値は当社の業績に反映されるとの考え方に基づき、当該利益が反映された業績指標である前年度末時点の保有保険契約高に対して、一定の料率(0.0036%)を掛けて算出することとしております。
この料率は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り変更しないこととしております。
なお、ブランド価値使用料は、当社が日本郵政グループに属している限り、継続して支払うこととなり、当社が日本郵便株式会社法に定める関連保険会社としての業務を行っている間は、日本郵政株式会社の当社株式の保有割合にかかわらず、当社は日本郵政グループに属するものとして、当該使用料の支払義務が継続いたします。
e.日本郵政株式会社が有する商標
日本郵政株式会社は、「日本郵政グループ」、「JP」のほか、「かんぽ生命」、「JAPAN POST INSURANCE」等の商標を有しており、2015年3月31日付けで締結した「日本郵政グループ商標管理協定」及び「グループ商標管理契約」により、当社グループがこれらの商標を使用する場合のルールを定めております。また、これらの商標使用についての対価は、上記dに記載のブランド価値使用料に含まれております。
なお、当社はこれらの商標が当社のブランド認知度等に貢献していると考えており、「日本郵政グループ商標管理協定」の終了等により、当該商標が使用できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本郵政株式会社は、当連結会計年度末現在、当社の総議決権数のうち約89%を保有しており、その後2019年4月の日本郵政株式会社による当社株式の売出し及び当社による自己株式取得後において、64%程度まで低下したものの、引き続き50%超の当社株式を保有しておりますが、郵政民営化法上、日本郵政株式会社が保有する当社株式は、その全部を処分することを目指し、当社の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。日本郵政株式会社は、当社株式を、当社の経営の自由度の拡大、日本郵政グループの一体性や総合力の発揮等も視野に入れ、まずは、保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却していく旨を公表しております。郵政民営化法に基づき、当社は同業他社にはない上乗せ規制に服しておりますが(上記(10)をご参照ください。)、かかる規制は、(ⅰ)日本郵政株式会社が当社株式の全部を処分した場合、又は、(ⅱ)日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分し、かつ、内閣総理大臣及び総務大臣が、他の金融機関等との間の適切な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認め、当該規制を適用しない旨を決定した場合に適用されなくなります(郵政民営化法第134条、第135条)。しかしながら、2019年4月の日本郵政株式会社による当社株式の売出し以後の日本郵政株式会社による当社株式の売却の時期等は未定であり、また上記の決定には当局の裁量が存在するため、上乗せ規制がいつどのように撤廃されるかは、不透明な状況にあります。ただし、上乗せ規制のうち、新商品の開発及び新たな資産運用手段を実施するにあたっての認可等、郵政民営化法第138条に定める業務の制限については、日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は適用されないとされております。この場合において、当社が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣に届け出なければならないとされており、また、業務を行うにあたっては他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないとされております(郵政民営化法第138条の2)。
2019年4月の日本郵政株式会社による当社株式の売出し以後の日本郵政株式会社による当社株式の売却の時期、売却の規模等は未確定ですが、将来、当社株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当社株式の数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
逆に、当社株式の処分に係る郵政民営化法の定めの変更、株式市場の動向等により日本郵政株式会社による当社株式の売却が予定どおりに進まない場合には、上乗せ規制の撤廃が行われず、日本郵政株式会社及び当社が期待する経営の自由度の拡大等が実現しない可能性もあります。
日本郵政株式会社による当社株式の売却に伴い、当社が日本郵便株式会社との間で締結している生命保険募集・契約維持管理業務委託契約、保険窓口業務契約、その他の契約の条件が当社に不利な内容に変更された場合や、当該契約が終了した場合は、当社が郵便局ネットワークを利用できなくなるなど、当社の事業を従前どおり維持するために莫大なコストと時間等が必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が日本郵政グループとの間で締結している日本郵政グループ協定及び日本郵政グループ商標管理協定、並びに当社が日本郵政株式会社との間で締結している日本郵政グループ運営に関する契約及びグループ商標管理契約について、当社が関連保険会社に該当しないこととなり協定や契約そのものを適用しないこととなった場合、若しくは重大な経済情勢の変化等の特段の事情に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社の唯一の株主を日本郵政株式会社、日本郵政株式会社の唯一の株主を日本国政府としている当社の上場前の状態にあっても、日本国政府その他の公的機関から何らの保証その他の信用補完を受けていたわけではありませんが、日本郵政株式会社が当社の親会社ではなくなることに伴い、当社と日本国政府との関係が弱まった場合には、顧客等が、当社の経済的信用力が低下したという誤認や錯誤を有することとなる可能性があります。実際の当社の経済的信用力とは無関係であるにもかかわらず、かかる誤認や錯誤が社会に広く伝播した場合等においては、当社による従業員採用活動への悪影響や、当社の顧客その他の取引先による当社との取引停止、取引量の減少、保険契約の解約、当社にとって不利な取引条件の変更等を誘発し、これらの結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
本書には、日本の会計基準によらず、外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、有効でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しております。
なお、金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)及び(デリバティブ取引関係)に記載のとおりであります。
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社を取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積り額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
なお、貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、未だ支払っていないもののために必要な金額を支払備金として計上しております。この支払備金には、当社が未だ支払事由の発生の報告を受けていないが、支払事由が既に発生したと認める保険金等の支払のために必要なものを含みます。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
保険数理計算に使用される基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく異なる場合、あるいは基礎率を変更する必要がある場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
退職給付債務及び退職給付費用は、将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、事業費が減少したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は修正後通期業績予想1,110億円を94億円上回る1,204億円(通期業績予想比8.5%増)となりました。当連結会計年度の期末配当につきましては、1株当たり68円の普通配当に4円の特別配当を加え、1株当たり72円とすることを決定いたしました。
営業面においては、超低金利の長期化等の当社を取り巻く厳しい環境により、個人保険の保有契約年換算保険料は4兆6,771億円(前期比3.8%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)と前連結会計年度に比べ1,823億円の減少となったものの、保障重視の営業活動を進めたことから、第三分野については、保有契約年換算保険料が7,531億円(同0.3%増)(受再している簡易生命保険契約を含む)と前連結会計年度と比べ21億円の増加となりました。
資産運用面においては、低金利環境下で運用収益を確保していくため、ERMの枠組みの中で資産運用の多様化を積極的に進めており、その結果、外国証券等の収益追求資産を総資産の13.8%まで拡大しました。
当連結会計年度末の総資産額は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。主な資産構成は、有価証券58兆4,515億円(同2.8%減)、貸付金6兆7,860億円(同11.0%減)及び金銭の信託2兆7,875億円(同1.0%減)となっております。
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ3兆582億円減少し、71兆7,698億円(前期比4.1%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は67兆937億円(同4.1%減)となりました。
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ1,320億円増加し、2兆1,351億円(前期比6.6%増)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は4,566億円(同13.1%増)となりました。
経常収益は、前連結会計年度と比べ362億円減少し、7兆9,166億円(前期比0.5%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入3兆9,599億円(同6.5%減)、資産運用収益1兆2,044億円(同6.2%減)、その他経常収益2兆7,522億円(同13.2%増)となっております。
保険料等収入は、保有契約の減少等により、前連結会計年度に比べ2,765億円減少し、3兆9,599億円(前期比6.5%減)となりました。
資産運用収益は、有価証券や貸付金から生じる利息及び配当金等収入並びに金銭の信託運用益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ801億円減少し、1兆2,044億円(前期比6.2%減)となりました。
その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ3,203億円増加し、2兆7,522億円(前期比13.2%増)となりました。
経常費用は、前連結会計年度と比べ80億円増加し、7兆6,517億円(前期比0.1%増)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が6兆8,688億円(同0.3%減)、資産運用費用が1,460億円(同37.6%増)、事業費が5,198億円(同2.6%減)、その他経常費用が1,170億円(同2.5%増)等となっております。
保険金等支払金は、前連結会計年度並みの6兆8,688億円(前期比0.3%減)となりました。
資産運用費用は、有価証券売却損が減少したものの、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ399億円増加し、1,460億円(前期比37.6%増)となりました。
事業費は、新契約に係る業務委託手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ136億円減少し、5,198億円(前期比2.6%減)となりました。
その他経常費用は、前連結会計年度に比べ28億円増加し、1,170億円(前期比2.5%増)となりました。
経常利益は、金融派生商品費用の増加によりキャピタル損失が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ443億円減少し、2,648億円(前期比14.3%減)となりました。
提出会社の経常利益等の明細については、「(参考4) 健全性の状況 (1) 基礎利益」の(経常利益等の明細(基礎利益))に記載のとおりであります。
特別損益は、価格変動準備金について、前連結会計年度においては繰り入れを行った一方で、当連結会計年度においては戻し入れを行いました。この結果、当連結会計年度の特別損益は175億円となり、前連結会計年度に比べ618億円利益が増加しました。
契約者配当準備金繰入額は、契約者配当を支払う有配当契約が減少したことにより、前連結会計年度に比べ59億円減少し、1,118億円(前期比5.1%減)となりました。
経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ159億円増加し、1,204億円(前期比15.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益の増加の主な要因は、経常利益が減少したものの、価格変動準備金の戻し入れを行ったこと及び契約者配当準備金繰入額が減少したことによるものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、保有契約の減少等により保険料等収入が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ2,932億円支出増の2兆6,917億円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの支出増に対応し、有価証券等の運用資産の減少額が増加したことから、6,854億円収入増の2兆6,530億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったこと等から、前連結会計年度に比べ945億円収入増の579億円の収入となりました。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、上記a.~c.の要因により、期首から192億円増加し、9,177億円となりました。
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の設備投資を含む当面の設備投資及び株主還元などは自己資金又は社債の発行による調達資金で賄う予定であります。
(3) 目標とする経営指標の達成状況等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載しております3つの主要定量目標のうち、保有契約年換算保険料(個人保険)については、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したことを主たる要因として、2018年6月末、9月末、12月末及び2019年3月末においてそれぞれ4.82兆円、4.78兆円、4.73兆円及び4.67兆円と推移しており、かかる状況を踏まえると、当連結会計年度末時点においては同中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標値の達成は困難であると認識しております。一方で、超低金利環境下において、保障を重視した営業戦略への転換を図ってきた結果、保障性商品の販売占率が拡大するとともに、第三分野商品の販売も好調に推移しており、商品収益性を示す新契約価値の維持及び新契約マージンの向上につながっております。また、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額については、2018年度において200.86円及び72円と期初予想を上回る進捗となっており、引き続き中期経営計画の目標達成を目指してまいります。
なお、新契約価値及び新契約マージンの詳細については、「(参考5) 当社のEV」をご参照ください。
(4) 生産、受注及び販売の状況
生命保険事業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(個人保険及び個人年金保険は、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(単位:百万円)
(注) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
(注) 1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(単位:%)
(注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
当社の当事業年度における基礎利益は、3,771億円となりました。
(単位:百万円)
(注) 1.金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額(前事業年度:55,010百万円、当事業年度:64,865百万円)を「その他キャピタル費用」に計上し、基礎利益に含めております。
2.「その他臨時費用」には、保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた額(前事業年度:197,929百万円、当事業年度:179,882百万円)を記載しております。
生命保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
この比率が200%を下回った場合は、当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円)
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
生命保険会社では、大災害の発生、金融資産の価格変動等、生命保険事業の経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたる健全で安定的な経営を確保するために、危険準備金と価格変動準備金を積み立てることとしております。
当連結会計年度末における残高は危険準備金1兆9,627億円、価格変動準備金8,974億円となり、合計で2兆8,602億円となりました。
(単位:億円)
実質純資産額とは、資産全体を時価評価して求めた資産の合計から、危険準備金や価格変動準備金等の資本性の高い負債を除いた負債の合計を引いたものであり、決算期末の保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標のひとつであります。この数値がマイナスになると業務停止命令等の対象となることがあります(ただし、満期保有目的の債券及び責任準備金対応債券の含み損を除いた額がプラスとなり、かつ、流動性資産が確保されている場合には、原則として業務停止命令等の措置は取られないこととなっております。)。当連結会計年度末における連結実質純資産額は13兆5,357億円となりました。
(単位:億円)
追加責任準備金とは、加入時の計算基礎で計算した積立額では、逆ざや等により保険金等の支払いに不足する額として追加して積み立てている責任準備金であります。当連結会計年度末における追加責任準備金は5兆8,801億円を積み立てております。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
(単位:億円)
貸付金のうち、返済状況が正常でない債権をリスク管理債権といいますが、当社において、リスク管理債権に該当するものはありません。
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、2004年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。
2016年5月には、CFOフォーラムによってEEV原則の改正が公表され、EVに2016年1月から施行された欧州ソルベンシーⅡ等の計算で用いた計算手法及び前提の使用が許容されるようになりました。
今回のEEVの計算には、市場整合的手法を用いております。この手法は、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
当社は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、当社が受再しております。
当社は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EEVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように郵政管理・支援機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来において戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。
当社のEEVは以下のとおりであります。
(単位:億円)
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、株主に帰属すると考えられる価値であります。当期純利益による増加を主な理由として、当事業年度末における修正純資産は前事業年度末から増加しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 1.計算対象に子会社を含めているため、連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.保険契約に係らない有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
当事業年度末の修正純資産を計算する際に除いた保険契約に係る部分は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 1.連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.保険契約に係る部分(②)は、簡易生命保険契約に係る部分を計上しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
3.有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。新契約の獲得を主な理由として、当事業年度末における保有契約価値は前事業年度末から増加しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
将来利益の計算において保険契約に係る資産は簿価評価しております。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円)
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(医療特約の切替加入契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
(単位:億円)
当社は当事業年度において408億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち当事業年度分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート(△0.134%)分に相当する収益が発生しております。
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。当年度の超過収益を計算するために使用した期待収益率は、「付録B EEV計算における主な前提条件 (1) 経済前提」をご参照ください。
当事業年度に実現が期待されていた利益が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、前事業年度末の保有契約から期待される当事業年度の利益と、当事業年度に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた当事業年度の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
前事業年度末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支が変化することによる影響であります。
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。
主に為替リスクのヘッジに伴う資産運用費用の増加により、修正純資産は179億円減少しております。
主に国内金利の低下により、保有契約価値は789億円減少しております。
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
感応度1から4について、修正純資産の増減額は以下のとおりであります。また、感応度5から11については、保有契約価値のみの増減額となります。
(単位:億円)
(注) 参考値として、保有契約に係る資産の含み損益も加えた増減額(税引後に換算)を示しております。なお、EEVの計算にあたって、保険契約に係る部分の資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
新契約価値の感応度
(単位:億円)
なお、リスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。ただし、50bp低下前のリスク・フリー・レートが0%を下回る場合はその値をそのまま使用しております。
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
当社が当事業年度末のEEVを計算するために使用した方法及び前提は市場整合的手法であり、EEV原則とその指針(ガイダンス)に準拠しております。
計算の対象範囲は、当社及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。
なお、当社は生命保険事業のみを取り扱っております。
また、当社は日本郵政グループの一員ですが、本計算は当社単独の計算となっております。
修正純資産は、貸借対照表の純資産の部の金額に対して、以下の調整を加えて計算しております。
なお、修正純資産から必要資本を控除したものがフリー・サープラスと呼ばれております。
なお、保険契約に係る資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
保有契約価値は、確実性等価将来利益現価から、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用を控除することにより算出しております。
確実性等価将来利益現価は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づき、将来キャッシュ・フローを決定論的手法により計算したもので、将来利益をリスク・フリー・レートで割り引いた現在価値であります。
将来利益の計算において、保険契約に係る資産の運用収益を簿価評価しておりますが、リスク・フリー・レートによる割引現在価値は資産時価と一致しております(この取扱いは「EEV原則の指針(ガイダンス)G10.11」のとおりであります。)。なお、EEV及び新契約価値における確実性等価将来利益現価の計算では、将来の資産運用リスクのプレミアム(例えば、株式や債券等に期待されるリスク・フリー・レートを超過する利回り)は反映されておりません。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(参考5)当社のEV (2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
この価値には、契約者配当等のオプションと保証の本源的価値も反映しておりますが、オプションと保証の時間価値は反映されず、別途、計算しております。
オプションと保証の時間価値は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づいた値(確実性等価将来利益現価)と、市場で取引されているオプション価格と整合的な前提により確率論的に計算された将来の税引後利益現価の平均との差として計算しております。
オプションと保証の時間価値は、以下のような要素を勘案しております。
有配当保険においては、発生した損益に対して、株主への分配可能な利益には、非対称性が存在しております。例えば、利益が発生した場合には、契約者配当を支払うことから、利益のすべてが株主には帰属しておりません。一方、損失が発生した場合には、契約者に追加の負担が生じないため、損失のすべてが株主負担となります。契約者配当は、収益状況に応じた一定割合を還元するように設定しているため、シナリオによって異なった金額となります。
経済の状況等に応じて、契約者はさまざまな行動を取るオプションを有しております。ここでは、金利水準により契約者の解約行動が変化することを反映しております。
保険会社は健全性維持のために負債の額を超えて必要資本を保有する必要があります。この必要資本に係る運用収益に対する税金と資産運用管理のための費用を認識しております。
EEV原則において、この必要資本は、法定最低水準以上であることが求められ、さらに、内部の目的を達成するために必要となる金額とすることが認められております。日本における法定最低水準の資本要件はソルベンシー・マージン比率200%であることを踏まえ、当社では、必要資本を維持するための費用の計算にあたり、ソルベンシー・マージン比率600%に相当する金額を必要資本としております。
なお、日本におけるソルベンシー・マージン基準では、一定の範囲内で、全期チルメル式責任準備金相当額超過額をマージンに反映することが規定されており、本計算においてもこれを反映しております。また、保有契約価値の計算において、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金に加え、保険契約に係るその他有価証券評価差額金、一般貸倒引当金及び劣後債を含めて評価しており、これらの準備金等がマージンに含まれるため、当社の前事業年度末及び当事業年度末における必要資本はゼロとなりました。ただし、これらの準備金等は将来において戻入されることを想定しているため、将来における必要資本は必ずしもゼロではありません。
EEV原則では、「EVは対象事業のリスク全体を考慮した上で、対象事業に割り当てられた資産から発生する分配可能利益の中の株主分の現在価値」と定義されており、すべてのリスクを勘案してEEVを計算することが求められております。
一部のリスクについては、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提だけではEEVに与えるさまざまな影響を十分に反映できない場合があり、EEVの計算において、ヘッジ不能リスクに係る費用として認識するという補正が必要となります。このような例として、オペレーショナル・リスクや大災害リスク等が挙げられております。
また、将来、剰余が発生した場合には税金を支払いますが、損失が発生した場合には税金はゼロとなります。この場合でも、税務上の欠損金の多くは翌年度以降に繰り越すことにより回収可能と考えられますが、繰越期間内に回収できないリスクが存在しております。
さらに、計算に用いるリスク・フリー・レートのうち、超長期の金利には十分な取引のある市場が存在しないことにより、価値の不確実性が存在しております。
当社では、簡易モデルによってヘッジ不能リスクに係る費用を推定しております。
当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値であります。
計算対象は、新契約及び特約の中途付加であり、既契約の更新は含めておりません。2017年10月2日の無配当傷害医療特約及び無配当総合医療特約の販売開始に伴い、中途付加時の切替加入(注)を認めております。この切替加入契約の新契約価値としては、旧特約の価値からの正味増加分を反映しております。また、経済前提は2018年12月末時点のもの、非経済前提は保有契約価値と同一の期末時点のものを用いております。
新契約価値の評価について、当社では、実際の契約者配当の水準を、保有契約全体の損益に基づいて決定していることを踏まえ、新契約を獲得した場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVと、新契約を獲得しなかった場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVの差とするマージナル方式としております。マージナル方式では、新契約獲得に伴う分散効果によるリスクの軽減の影響等も新契約価値として評価されております。
(注) 医療特約の約款に定められている医療特約の中途付加と同時に旧特約を解約する場合の特則を適用して加入すること。
確実性等価将来利益現価の計算においては、当社の保有資産等を考慮し、リスク・フリー・レートとして、評価日時点の国債を使用しております。
参照金利のない超長期の金利は、終局金利を用いて補外しております。
具体的には終局金利として3.5%を仮定し、日本国債の流動性等を踏まえ補外開始年度を30年目と設定しております。31年目以降のフォワード・レートは補外開始年度以降30年間で終局金利の水準に収束するようにSmith-Wilson法により補外しております。
計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
(データ:財務省 補正後)
新契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
(データ:財務省 補正後)
金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、豪ドルを通貨とする確率論的αβρ-LIBOR マーケットモデル(注)を構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。オプションと保証の時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。
シナリオのキャリブレーションに使用した金利スワップションのインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。
(注) 当事業年度末EEV及び当事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルを変更しております。前事業年度末EEV及び前事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルは1ファクターHull-Whiteモデルによります。
金利スワップション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。シナリオのキャリブレーションに使用したインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。なお、当社が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比(2018年12月31日:94.0%、2019年3月31日:95.2%)を下記の日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。
株式オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Markit 補正後)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Markit 補正後)
通貨オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元に当社の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。
相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。
主要な変数間の相関係数は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算で使用
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
新契約価値の計算で使用
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
当社の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。
また、当社の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び豪ドル建から構成されるとみなしております。
「前事業年度末EEVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(リスク・フリー・レート分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。
期待収益(超過収益分)の計算に用いる期待収益率は、前事業年度末における資産占率に上記の期待収益率を乗じることにより算出しております。会社全体における資産占率考慮後の期待収益率は、0.078%であります。
保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して(最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提)予測しております。
なお、将来の事業費の改善については織り込んでおりません。
b.翌事業年度から、従来当社が日本郵便株式会社に支払っていた手数料の一部に相当する額を、郵政管理・支援機構への拠出金として拠出することになります。これを踏まえ、将来の事業費前提については、拠出金の拠出とそれに伴う手数料の見直しを反映しております。
c.将来の消費税については、2019年9月までは8%、2019年10月以降は10%としております。
現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。
なお、郵政管理・支援機構への再保険配当については、郵政管理・支援機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。
直近の実効税率に基づき、以下の実効税率を用いております。
2018年3月期 : 28.24%
2019年3月期以降 : 28.00%
当社は、郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを受再しております。また、当該再保険契約に基づき、簡易生命保険契約及びそこから生じた利益を他の保険契約と区分して管理しており、過年度の実績の推移は下表のとおりであります。
下表における旧区分の数値は、上記に基づき算出した簡易生命保険契約に係るものであり、新区分の数値は、全体から旧区分の数値を差し引いたものであります。よって、下表は当社の内部管理上の数値であり、企業会計原則に則って作成される数値ではありません。
経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。
当社は、親会社である日本郵政株式会社を含む、日本郵政グループ内各社と契約を締結しており、また、これらの契約に基づく取引が発生しております。なお、当社には保険業法が適用されることから、日本郵政グループ内各社との取引にあたっては、アームズ・レングス・ルール(保険会社は、親会社及びその子会社等の一定の関係者との間で、通常と著しく異なる条件での取引等を行ってはならないこととされており、この定めを「アームズ・レングス・ルール」といいます。)に基づき、日本郵政グループ内取引の必要性、取引条件の適正性等の観点からのチェックを実施しております。
日本郵政グループ共通の理念及び方針その他のグループ運営に係る基本的事項について定め、円滑な日本郵政グループの運営の実施に資することを目的とした協定であり、グループ商標等に係る商標権の取得・管理等を含む、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の責務が定められております。
本協定の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本協定について必要な見直しを行うものとされております。
日本郵政グループを統轄する日本郵政株式会社が行うグループ運営に関する基本的事項(当社から日本郵政株式会社に対して事前協議又は報告を行うこと等)について定めた契約であり、上記①a.日本郵政グループ協定に基づき締結されたものであります。本契約に基づいて締結したグループ運営のルールに関する覚書における主な事前協議事項は下記のとおりであります。なお、当該事前協議は当社の意思決定を妨げる又は拘束するものではない旨が本契約で定められております。
(主な事前協議事項)
・ 株主総会の決議事項
・ 代表執行役及び役付執行役の選定又は解職
・ 執行役の選任又は解任
・ 経営理念及び経営方針等の策定又は変更
・ 中期経営計画の策定又は変更
・ 年度事業計画(資金調達及び運用計画を含む。)の策定又は変更
・ 子会社の新設
・ 重要な株式の取得及び処分(運用目的の場合を除く。)の決定
・ 重要な業務提携等の決定
・ 重要な資産(不動産、株式、運用目的の債権等の資産を除く。)の取得、処分の決定
・ 重要な投資又は融資の決定
・ 資本戦略の決定
本契約の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本契約について必要な見直しを行うものとされております。
また、本契約に基づき、当社は日本郵政株式会社に対して、ブランド価値使用料を支払うものとされております。ブランド価値使用料の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしており、日本郵政株式会社の当社株式の保有割合に直接影響されるものではありません。なお、2019年3月期の当社から日本郵政株式会社に支払ったブランド価値使用料は、30億円であります。
2012年の郵政民営化法の改正に伴い、日本郵便株式会社に保険のユニバーサルサービス義務が課されました。本契約は、日本郵便株式会社が果たすべきユニバーサルサービス義務のうち、「簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により、あまねく全国において公平に利用できるようにする」との責務を果たすため締結した契約であります。本契約においては、日本郵便株式会社にユニバーサルサービス義務が課される終身保険及び養老保険について、保険募集、満期保険金及び生存保険金の支払請求の受理について、日本郵便株式会社が保険窓口業務を提供することが定められております。
本契約は、期間の定めのない契約であり、本契約に定める特段の事情がない限り、日本郵便株式会社又は当社から一方的に解除することはできないものとされております。また、当社の定款上、本契約を日本郵便株式会社との間で締結することが定められております(本契約に関し、当社グループに生じうるリスクについては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。)。
なお、当社は日本郵便株式会社に対して各種の委託手数料を支払っていますが、ユニバーサルサービス義務が課された業務に対し、同義務が課されていることによる追加的な手数料は支払っておりません。当該手数料の詳細については、下記の「(参考)日本郵便株式会社に支払う委託手数料」をご参照ください。
上記a.の保険窓口業務契約で定めたユニバーサルサービス義務が課された業務を含め、当社を保険者とする生命保険契約の募集及び維持・管理等に関する業務、具体的には保険契約の締結の媒介、保険料等の受領、保険金等の支払等に関する業務を、日本郵便株式会社に委託する契約であります。
なお、本契約に基づき募集を委託する保険商品は当社の全商品としておりますが、当社は通知により、委託する商品を追加、変更又は削除することが可能であります。本書提出日現在においては、当社はかかる通知を行っておりません。
本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は事前協議及び書面による通知なしに本契約を解除することが可能であります。なお、保険窓口業務に該当する業務については、保険窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約の定めるところによるものとしております。
当社が郵政管理・支援機構から受託した簡易生命保険管理業務の一部(簡易生命保険契約に係る保険料等の受領、保険金等の支払等)について、日本郵便株式会社に再委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の意思表示が書面によりなされた場合には、解約することが可能であります。また、郵政管理・支援機構と当社との間の簡易生命保険管理業務委託契約が解除された場合等、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は予告なしに本契約を解除することが可能であります。
当社を保険者とする生命保険契約の募集を行う簡易郵便局に対する指導・教育等について、日本郵便株式会社に委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別に定める総括代理店手数料規程に基づき総括代理店手数料を支払う旨が定められております。
本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされており、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の書面での意思表示がなされた場合には、解約することが可能であります。また、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約が解除された場合には、当社は文書による予告なしに本契約を解除することが可能であります。
株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している窓口端末機等を、当社並びに当社の業務を委託している日本郵便株式会社、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社が当社業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が当社に許諾すること等を定めた契約であります。本契約において当社は、株式会社ゆうちょ銀行に対して、株式会社ゆうちょ銀行が毎年度通知する機器使用料を支払うものとされております。本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされております。
なお、本契約は、株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している紙幣硬貨入出金機を、日本郵便株式会社が郵便及び物販窓口業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が日本郵便株式会社に許諾することについても定めた契約となっているため、3社での契約となっております。
郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険管理業務のうち、簡易生命保険契約の維持・管理、保険料の収納、保険金の支払い、資産運用等の業務を当社が郵政管理・支援機構から受託する契約であります。本契約において郵政管理・支援機構は、下記②の再保険契約が有効である間については、委託業務に関する手数料は支払わないものとされております。本契約は期限の定めのない契約であり、再保険契約の終了に伴い終了する旨が定められております。また、当社が破産の申立てを行った場合等、本契約に定める特段の事由が発生した場合には、郵政管理・支援機構は、予告なく本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。
郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約について、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてを当社が受再する契約であります。郵政管理・支援機構は、簡易生命保険契約の保険料のすべてを再保険料として当社に払い込むこととされております。また、本契約において当社は、毎事業年度末において、再保険損益の8割と公社解散時において確定している簡易生命保険契約の契約者配当の分配のために必要な額の合計額を、再保険配当として契約者配当準備金に繰り入れることとしております。再保険配当の計算方法の変更の必要性については、毎事業年度、郵政管理・支援機構と当社間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、本書提出日時点において変更の予定もありません。
本契約は期限の定めのない契約であり、郵政管理・支援機構は、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、郵政管理・支援機構は直ちに本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。
郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約の契約者に対する貸付金及び地方公共団体等に対する貸付金の総額に相当する額について、公社が相手方と約定した貸付条件と同一の条件で、当社が郵政管理・支援機構に対し貸付けをする契約であります。
該当事項はありません。