当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は、以下のとおりであります。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後について記載を一部省略しております。また、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
なお、文中の将来に関する事項は、本第3四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(前略)
(12) 事業戦略・経営計画が奏功しないリスク
当社は、中期経営計画をはじめとする事業戦略・経営計画を策定しておりますが、これらに含まれる施策の実施については、本「事業等のリスク」に記載された各種のリスクが内在しております。また、将来において、当社による上記施策の実施を阻害するリスクが高まる又は新たなリスクが生じる可能性もあります。
さらに、これらの事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境、法制度、一般的経済状況、当社及び日本郵便株式会社の従業員の活動状況等に係る多くの前提を置き、それらに基づいて作成されておりますが、かかる前提どおりとならない場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。加えて、市場金利の低下に伴う保険料見直しを行ったこと、又は現中期経営計画において、「保障重視の販売の強化」、「新たな顧客層の開拓」、「新商品開発」等に取り組むこととしている中、顧客にとって魅力的な保障性商品の提供ができないこと若しくは営業社員による有効な営業活動ができないことなどにより、新契約の獲得が計画どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。
なお、第13期有価証券報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、日本郵政グループの中期経営計画の中で、当社グループは、販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料の反転・成長を目指すことを掲げており、具体的には、保有契約年換算保険料(個人保険)、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額という3つの主要定量目標を設定しております。しかしながら、保有契約年換算保険料(個人保険)については、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したことを主たる要因として、2018年6月末、9月末、12月末及び2019年3月末においてそれぞれ4.82兆円、4.78兆円、4.73兆円及び4.67兆円と推移しており、かかる状況を踏まえると、前連結会計年度末時点においては同中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標値の達成は困難であると認識しております。
この他、日本郵政株式会社は、将来的なIFRS適用を検討しており、将来的に当社もIFRSを適用する可能性があるほか、会計方針等の変更を行う可能性もあります。
上記の他、下記「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 対処すべき課題」に記載の契約乗換※等に関する事案の判明を受け、当社及び日本郵便株式会社は、2019年7月以降、郵便局及び当社からの積極的な当社商品のご提案を控えていたことに加えて、2019年12月27日に金融庁から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、当社商品に係る保険募集(生命保険募集人に委託しているものを含みます。以下同じです。)及び保険契約の締結を停止(顧客からの自発的な意思表示を受けて行う保険募集及び保険契約の締結を除きます。その他、当局が契約者保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除きます。以下同じです。)することから、当該計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標の達成は、さらに困難であると認識しております。
また、上記業務停止命令と同日に金融庁から受けた業務改善命令を踏まえ今後の営業目標について、当社においては、適正な募集品質に基づく営業力に見合った目標設定への見直しに取り組むとともに、当社及び日本郵便株式会社においては、新契約と契約継続の両方を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月額保険料を差し引きしたストック目標の導入や、募集品質に係る評価項目について見直しを行う予定でありますが、かかる営業目標・評価基準等の見直しが奏功しなかった場合には、当社グループの事業・業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社においては、お客さま本位の営業活動の徹底と抜本的な改善策により、全社をあげて信頼回復に取り組んでいく予定ですが、当該事案の判明を受けて、当社グループに対するお客さま、その他のステークホルダーからの信用は大きく毀損されている状況にあり、かかる信用が早期に回復しないことにより、新契約の獲得が計画どおり進まない場合や既存の契約の解約数が増加する場合には、当該計画における目標の達成がさらに困難になる可能性があるほか、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、当社グループにとっては厳しい状況が継続することが見込まれます。
※ 乗換:契約乗換の判定期間内(契約日の前3か月から後6か月)に既にご加入の契約を解約等し、新しい契約にご加入いただく形で保障内容を変更すること。
(中略)
(17) オペレーショナルリスク
当社グループが業務を遂行していく工程には、オペレーショナルリスクが存在し、内部及び外部の不正行為、労務管理及び職場環境面での問題発生、顧客本位の業務運営への対応が不十分であることによる信用失墜、自然災害による被災やシステム障害等に伴う事業中断及び不適切な事務処理、外部への情報漏えいの発生等が生じる可能性があります。特に、当社は郵便局ネットワークに大きく依存しており、そこでは当社の事業のみならず、銀行・物流のサービスも並行して提供されるため、これらのオペレーショナルリスクが顕在化する可能性が相対的に高く、当社グループの業務運営、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① 保険募集プロセスの品質事案に関するリスク
当社及び日本郵便株式会社は、下記「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 対処すべき課題」に記載のとおり、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案が判明したことによって、当社グループに対するお客さま、その他のステークホルダーからの信用は大きく毀損されている状況にあります。当社グループにおいては、かかる事案に対処するため、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取り組み等を実施することにより、保険募集プロセスの品質改善を通じて、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております。
上記事案の事実関係及び原因等の究明に関しては、2019年12月に当社及び日本郵便株式会社による調査の結果及び外部専門家のみで構成される特別調査委員会による調査の結果が公表されておりますが、更なる事実関係及び原因等の究明のため、当社及び日本郵便株式会社によるご契約調査や、特別調査委員会による調査(特定事案調査及び全契約調査の検証・分析、これらに必要な範囲での特定事案等を受理した募集人に対する個別的調査、不適正募集問題に係る経営陣の認識等を含めた事実経緯などの調査)等が継続して行われており、これらの調査が想定より遅れる等によって、事実関係及び原因等の徹底究明にそれ以上の時間を要する可能性があります。また、今後、調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例、さらには法令違反又は社内ルール違反の事例が追加で判明する等の場合には、当社グループの社会的信用がさらに毀損されることにより、業務運営に影響を及ぼす可能性があるほか、さらに追加での調査やお客さまの不利益解消に向けた保険契約に関するお手続き(契約復元等)等が必要となる可能性があります。それらの結果、新契約の獲得が減少し、若しくは既存の契約の解約数が増加する、又は対策のための追加的な費用を要すること等により当社グループの事業・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社及び日本郵便株式会社は、ご契約調査の結果判明したお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた契約乗換等に係る個別事案について、お客さまのご意向確認等を行っていくとともに、保険募集プロセスの品質改善に向けて更なる取り組みを実施していくものの、これらの取り組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する可能性があり、その場合、上記の取り組みによる効果を発揮させるための追加的な費用がかかる可能性があります。さらに、取り組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が発生した場合には、当社グループの社会的信用及び業務運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社及び日本郵便株式会社は、2019年7月以降、郵便局及び当社支店からの積極的な当社商品のご提案を控えていたことに加えて、2019年12月27日に金融庁から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、当社商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止することとなります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積極的な当社商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する場合には、新契約の獲得も引き続き進まないことにより、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態並びに企業価値を表すEV(エンベディッド・バリュー)や財務健全性を表すESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)といった指標に影響を及ぼす可能性があります。また、積極的な当社商品の営業を行えないことによって、当社の保険商品の営業社員が報酬の低下等により離職する、又はモチベーションを喪失することにより、当社の保険商品の営業活動の再開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社及び日本郵便株式会社からお客さまに対する通常のご提案が可能となったとしても、当社グループへの信頼の喪失等により、当社の保険商品の販売が回復しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに企業価値を表すEV(エンベディッド・バリュー)や財務健全性を表すESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)といった指標に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループは、保険業法及び郵政民営化法に基づき、金融庁及び総務省の監督に服しており、当社は2019年12月27日、金融庁より保険業法第132条第1項に基づく業務停止命令及び業務改善命令を受けました。当該処分を受けて、当社は、2020年1月31日付で、業務改善計画を金融庁に提出しております。今後は、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとの進捗及び改善状況を報告することとなりますが、業務停止命令の遵守状況並びに業務改善計画の内容、進捗及び改善状況について、監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合には、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険契約者等から訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 事務リスク
(本文略)
③ システムリスク
(本文略)
④ 情報漏えいリスク
(本文略)
⑤ コンプライアンス違反、不正・不祥事に関するリスク
(本文略)
⑥ 従業員、代理店、業務委託先、保険契約者等の不正により損害を被るリスク
(本文略)
(中略)
(27) 日本郵政グループとの資本関係、人的関係及び取引関係に関するリスク
① 日本郵政株式会社が議決権を保有することによる影響力及び他の一般株主との利益相反に関するリスク
(本文略)
② 日本郵政グループとの人的関係及び取引関係に関するリスク
a.日本郵政グループにおける当社の位置づけ
(本文略)
b.日本郵政グループとの人的関係
本書提出日現在において、当社では、日本郵政グループの役員を兼任する役員が在職しております。そのうち、主な日本郵政グループの役員を兼任する役員は、下表のとおりとなっております。また、当社の経営会議(第13期有価証券報告書「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業の統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 b.業務執行」をご参照ください。)には、当社の常務以上の執行役を兼任している者を除き、原則、日本郵政株式会社の役員は出席していませんが、議題又は報告事項に応じて、出席が必要と当社が考える日本郵政株式会社の代表執行役に出席を要請することとしております。
上記①のとおり、日本郵政株式会社は当社の一般株主とは異なる利害を有しており、このような役員の兼任等を通じて、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす可能性があります(当社の役員の状況については第13期有価証券報告書「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」をご参照ください。)。
また、当社は、日本郵政株式会社及びその子会社である日本郵便株式会社との間で、人事交流を目的として相互に出向者を受け入れており、モニタリングその他郵便局に対する支援等の業務を行っておりますが、このうち、当社において重要な役職についている者はおりません。
(後略)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況及び分析・検討
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ2兆217億円減少し、71兆8,832億円(前連結会計年度末比2.7%減)となりました。
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆217億円減少し、71兆8,832億円(前連結会計年度末比2.7%減)となりました。主な資産構成は、有価証券56兆7,083億円(同3.0%減)、貸付金6兆313億円(同11.1%減)及び金銭の信託3兆3,680億円(同20.8%増)となっております。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆2,530億円減少し、69兆5,168億円(前連結会計年度末比3.1%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は、保有契約の減少により64兆9,663億円(同3.2%減)となりました。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ2,313億円増加し、2兆3,664億円(前連結会計年度末比10.8%増)となりました。純資産の部のうち、資本剰余金は、2019年4月8日付けで取得した自己株式37,411千株について2019年5月31日付けで37,400千株消却したことに伴い、前連結会計年度末に比べ950億円減少し、4,050億円(同19.0%減)となりました。また、その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末に比べ2,811億円増加し、7,378億円(同61.6%増)となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末における連結ソルベンシー・マージン比率(大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標のひとつ)は、1,131.6%と高い健全性を維持しております。
(2) 経営成績の状況及び分析・検討
① 経常収益
経常収益は、前年同期と比べ4,517億円減少し、5兆4,615億円(前年同期比7.6%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入2兆5,257億円(同15.9%減)、資産運用収益8,674億円(同5.2%減)、その他経常収益2兆684億円(同3.6%増)となっております。
a. 保険料等収入
保険料等収入は、保有契約の減少及び2019年7月中旬以降の積極的な当社商品の営業活動の停止等に伴う新契約の減少等により、前年同期に比べ4,762億円減少し、2兆5,257億円(前年同期比15.9%減)となりました。
b. 資産運用収益
資産運用収益は、総資産残高の減少に伴う利息及び配当金等収入の減少及び金銭の信託で保有する有価証券の売却益の減少等による運用益の減少等により、前年同期に比べ476億円減少し、8,674億円(前年同期比5.2%減)となりました。
c. その他経常収益
その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前年同期に比べ721億円増加し、2兆684億円(前年同期比3.6%増)となりました。
② 経常費用
経常費用は、前年同期と比べ4,716億円減少し、5兆2,275億円(前年同期比8.3%減)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が4兆6,811億円(同8.5%減)、資産運用費用が913億円(同20.8%減)、事業費が3,688億円(同4.1%減)、その他経常費用が862億円(同1.3%増)等となっております。
a. 保険金等支払金
保険金等支払金は、満期保険金の減少等により、前年同期に比べ4,332億円減少し、4兆6,811億円(前年同期比8.5%減)となりました。
b. 資産運用費用
資産運用費用は、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用が増加したものの、有価証券売却損の減少等により、前年同期に比べ239億円減少し、913億円(前年同期比20.8%減)となりました。
c. 事業費
事業費は、ご契約調査等により費用の増加があったものの、2019年7月中旬以降の積極的な当社商品の営業活動の停止等による新契約の減少に伴う業務委託手数料の減少等により、前年同期に比べ155億円減少し、3,688億円(前年同期比4.1%減)となりました。
d. その他経常費用
その他経常費用は、税金が減少したものの、契約復元等に係る引当による費用の増加等により、前年同期に比べ11億円増加し、862億円(前年同期比1.3%増)となりました。
③ 経常利益
経常利益は、業務委託手数料が減少したこと等による事業費の減少等により、前年同期に比べ199億円増加し、2,339億円(前年同期比9.3%増)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、価格変動準備金戻入額の増加等により、前年同期に比べ19億円増加し、99億円の利益となりました。
⑤ 契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、契約者配当を支払う有配当契約の減少等に伴い、前年同期に比べ53億円減少し、813億円(前年同期比6.2%減)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する四半期純利益
経常利益に特別利益、特別損失、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の増加に加え、契約者配当準備金繰入額が減少したこと等により、前年同期に比べ183億円増加し、1,150億円(前年同期比19.0%増)となりました。
なお、当社の当第3四半期累計期間における基礎利益(生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標)は、3,004億円(前年同期比2.5%増)となりました。
(3) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営戦略及び対処すべき課題」につきまして、以下の追加すべき事項が生じております。
当社は、お客さま本位の業務運営の徹底を最重要経営課題のひとつとして、日本郵便株式会社と連携しながら、保険募集プロセスの品質向上やご家族同席などの高齢者募集対応をはじめとした諸課題に取り組んでまいりました。具体的には、2017年4月に「お客さま本位の業務運営に係る基本方針」を策定、公表し、募集品質向上策を「募集品質向上に向けた総合対策」として重層的に取り組んでおり、2018年度からの中期経営計画においても、お客さま本位の業務運営の徹底をその主要戦略のひとつとして掲げております。
しかしながら、お客さまが保障を見直される際の取り扱い等に関する社内調査を実施した結果、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じた可能性のある契約乗換等に係る事案が判明しました。これを受け、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じた可能性が特定可能な類型(以下「特定事案」といいます。)の調査及び特定事案に該当するものを除く全てのご契約についての調査(以下「全ご契約調査」といいます。)を実施しているところです。
本書提出日現在における特定事案調査、全ご契約調査(以下「ご契約調査」といいます。)及び再発防止に向けた改善策等の状況は、以下のとおりです。
「ご契約調査の状況」
① 特定事案調査
特定事案につきましては、契約類型(下記A~F類型)ごとに、過去のご契約データから合致するものを抽出し、お客さまのご契約加入時の状況及び契約復元等のご意向確認を行っております。
その結果、契約復元等をご希望されたお客さまに対しては、丁寧にその内容をお聞きし、契約状況等を確認の上、ご要望に沿った形で再提案するなど、お客さまのご意向・ご都合に合わせて、手続きを進めております。また、現時点で契約復元等の手続きをご希望されないお客さまに対しても、今後、改めてご要望があった場合には、その経緯等を確認した上で契約復元等に対応させていただくなど、お客さまの声を常に傾聴しながら、不利益解消に努めてまいります。
なお、お客さまへのご契約時の状況の確認等を行った結果、法令違反や社内ルール違反の可能性のある事案が判明しております。これらの事案については、募集人からの聴き取り等を行い、募集態様に問題がなかったかどうかの調査を特別調査委員会に適宜ご説明し、ご意見をいただきながら進めております(募集人調査)。その結果、募集人調査の対象事案の一部において、法令又は社内ルールに違反する事実が認められました。これらの事案に関わった募集人に対しては不適正募集の程度に応じ処分を行うとともに、引き続き厳正かつ公正・公平な募集人調査を継続してまいります。
② 全ご契約調査
特定事案調査の対象を除く全てのご契約に対して、ご加入のご契約がご意向に沿うものであるか等の確認のため、返信用はがきを同封した書面をお送りしております。その結果、お客さまからご返信いただいたはがき又はコールセンターへのお電話等によりご意見・ご要望をいただいており、これらについては、日本郵政グループを挙げて順次、内容の確認とお客さま対応を進めてまいります。
また、全ご契約調査のさらなる深掘調査として、業務改善計画に記載のとおり、当社支店社員による訪問等を優先順位の高いものから順次開始し、お客さまのご不満やご意見等の確認、当時の募集状況の調査を行い、不利益が発生しているお客さまについては、その解消を図ってまいります。
全ご契約調査等におけるご回答・ご意見等の中には、お客さまのご意向に沿ったものではない可能性が想定される事案が存在することを把握しており(下表「多数契約調査」のとおり。)、対象のお客さまには当社支店社員が訪問し、ご契約内容の確認を進めてまいります。
多数契約調査
※1 2014年4月から2019年3月までの間を指します。下表「多数契約以外の調査」において同じです。
※2 解約、失効、減額又は保険料払済契約への変更を指します。下表「多数契約以外の調査」において同じです。
さらに、多数契約以外の調査(下表「多数契約以外の調査」のとおり。)として、お支払いいただく保険料が高額であったり、被保険者や保険種類を変更するなどして新規契約に加入したことがあるなどのお客さまについて、当社支店社員等の訪問、お客さまの契約状況が分かるお手紙の発送やお電話などにより、ご契約内容の確認を進めてまいります。
多数契約以外の調査
上記調査対象以外についても、訪問活動を順次実施することを通じ、お客さまのご契約内容の確認が必要な事案は、誠実に不利益解消を図ってまいります。さらに、継続的なご契約内容の確認活動や年に1度ご契約者さまにお送りしている「ご契約内容のお知らせ」を改善し、お客さまにご契約内容をご確認いただき、お客さまの気づきを促す機会を提供してまいります。
「特別調査委員会による調査」
契約乗換に係る事案の判明を受け、当社は日本郵政株式会社、日本郵便株式会社とともに、本事案の徹底解明と原因究明を中立・公正な外部専門家に委ねるため、3社と利害関係を有しない弁護士から構成される特別調査委員会を設置いたしました。本委員会からは、2019年9月30日付で「調査の現状及び今後の方針の概要について」、2019年12月18日付で「調査報告書」を受領しております。
本委員会による調査は、2020年3月末を目途に行われる予定でありますので、引き続き本調査に協力するとともに、本事案に係る改善策の提言について真摯に受け止め対応してまいります。
「当局による行政処分」
当社は、2019年12月27日、金融庁より保険業法第132条第1項に基づく業務停止命令及び業務改善命令を受けました。2019年7月以降、郵便局及び当社支店からの積極的な当社商品のご提案を控えてまいりましたが、当該業務停止命令により、2020年1月1日から同年3月31日までの間、当社商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しております。また、当該業務改善命令を受けて、当社は、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化に向けた業務改善計画を策定し、2020年1月31日付で、金融庁に提出しております。当社は、当該業務改善計画の実行を経営の最重要課題として位置づけ、適切な業務運営を確保し、保険契約者の保護を図るための施策を実行していくとともに、お客さまの信頼回復に全力で取り組んでまいります。
「業務改善計画の要旨」
○ 不適正な募集行為を行ったと認められる募集人に対する適切な対応
a. 事実認定・事故判定の厳格化等
(a) 自認に頼らない事実認定・事故判定の実施
募集人が不適正募集の事実を否定した場合であっても、外形的にお客さまに不利益と認められる契約形態、お客さまからの回答内容や信憑性の高い状況証拠に基づき、不適正募集に関する事実認定を行い、適切な処分を実施しております。
(b) 調査協力(自己申告)制度の取組強化
調査の実施に当たって、自らの違反行為の申告や調査への十分な協力を行った場合には、募集人に対する処分について、本来よりも軽減又は免除を行うといった迅速な原因究明等に資する取り組みを実施しております。
b. 処分基準の厳格化等
(a) 募集人処分における「業務停止」及び「注意」の追加
募集人処分については、従前は「業務廃止」と「厳重注意」の二段階としておりましたが、一定期間募集を停止させる処分等を追加し、不適正募集の態様・程度に応じた処分を実施します。
(b) 管理者に対する処分
不適正募集を発生させた募集人の管理者については、部下社員の過怠の程度に応じた厳格な処分を日本郵便株式会社に対して要請します。
○ 再発防止に向けた主な対策
① 適正な営業推進態勢の確立
a. 適正な営業目標の設定
(a) 営業の実力に見合った営業目標の設定と配算方法の見直し
営業目標の設定においては、生命保険マーケット等の見通しを踏まえ、現場の営業力に不適切な募集が含まれていないかを確認することのほか、当年度と次年度の各種施策の変化要素に渉外社員数の増減の影響を加えた上で算出するとともに、適正な募集品質に基づく営業力で達成できるものになっているか等、営業部門・経営企画部門のほか、募集管理部門との間で協議して決定することとします。
また、営業目標の日本郵便株式会社の各支社及び各郵便局への配算に当たっては、営業目標の水準の適正化と合わせて、適切に実施できているか日本郵便株式会社の取り組みの確認を行います。
(b) 販売額(フロー)を重視した営業目標から、保有契約(ストック)を重視した営業目標への見直し
これまでの新契約月額保険料実績に偏重した目標管理等を改め、新契約と契約継続の両方を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月額保険料を差し引きしたストック目標を導入します。
(c) 人事評価の見直し
募集品質に係る評価項目のウエイトの見直しを実施します。
b. 契約乗換への対策
(a) 契約乗換の販売実績不計上・手当不支給
契約乗換については販売実績の計上を行わないとしたことに加え、現行の手当(通常の契約の二分の一支給)を、不支給とするよう見直しを行います。
(b) 契約乗換潜脱の防止
契約乗換の判定期間を拡大するとともに、判定期間に近接する契約についてはシステムでアラート表示を行い、確認することについて、必要な対応を行います。
c. 高齢者募集への対策
(a) お客さまのご家族登録の必須化
満70歳以上のお客さまについては、ご家族の方でも契約内容の確認ができるよう、必ずご家族登録をご利用いただくこととしております。
(b) お申込時のご家族等へのご説明の必須化
満70歳以上のお客さまについては、原則、募集人からの勧奨を停止しておりますが、お客さまのご意向によりお申込みをいただく場合には、必ずご家族等の同席又はご家族等への事前のご説明を実施することとしたほか、満80歳以上のお客さまからのお申込みの受付時に被保険者さまから事前同意をいただく取扱いを満70歳以上のお客さまに拡大します。
d. お客さまの保障ニーズに応えるための商品開発
多様な保険商品の開発が出来ていない中、低金利環境下で、商品魅力が低下している養老保険・年金保険等の貯蓄性の高い商品が主力となっていたことを踏まえ、青壮年層を含めたお客さまの保障ニーズに応えるための商品の開発を目指します。
② コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成
a. 適切な募集方針の策定・浸透
(a) お客さま本位の理念に基づいた行動規範の策定
生命保険本来の役割・使命を踏まえた高い倫理観に基づき保障を提供するというプリンシプルベースの基本的な行動の実践を徹底するため、お客さま本位の理念を行動規範(募集(勧誘)方針など)に反映させたうえで、お客さま本位のあるべき姿の明示やお客さまの立場に立って最適なサービスを自律的に考える環境の整備を行います。
(b) 「かんぽ商品のスタンダードモデル」の策定
お客さまの将来への不安や現状等を踏まえた真のニーズをヒアリングシート等により的確に把握したうえで商品提案を行う等といったかんぽ商品のスタンダードな販売モデルを策定し、徹底します。
b. 募集人等に対する研修
「かんぽ商品のスタンダードモデル」に基づく郵便局向けマニュアル等を作成し、お客さま本位の理念に基づいた行動規範(募集(勧誘)方針など)及び「かんぽ商品のスタンダードモデル」を郵便局等の営業現場まで浸透させるための研修を実施します。
c. 社員の声の把握の充実
かんぽ商品の募集をはじめとした金融商品営業専用の社外通報窓口を新設します。
また、当社社員から当社社長への直接提案制度の導入のほか、グループ各社社員の日頃の業務における問題の相談等を受ける窓口の新設など、社員の声の把握に努めます。
③ 適正な募集管理態勢の確立
a. お申込みから契約締結までの重層的なチェックの実施
外形上、募集品質に懸念のある申込みについては、既に導入している「募集事前チェック機能」の対象を拡大するとともに、郵便局管理者及び当社の専用コールセンターによるお客さまへのご意向確認に加え、引受審査時の当社のサービスセンターによる重層的なご意向確認を行っております。
また、解約請求の際には、郵便局の渉外社員による説明・確認に加え、当社の専用コールセンターからお客さまに意向確認や不利益事項のご説明の有無の確認を行います。
さらに今後は、解約手続きを原則郵便局の窓口のみで実施することの検討のほか、解約等請求時のサービスレベル低下の回避策として、ダイレクトチャネルでの解約等受付についても検討します。
b. 適正な募集管理に向けた態勢の強化
(a) 体制の強化
本社の募集管理部門、コンプライアンス部門及び苦情対応部門等の体制を強化します。
(b) 当社本社・支店等の機能の見直し
調査業務の指揮命令機能を集約する組織等を設置することで調査機能の強化を図るほか、営業推進に注力した代理店支援から、募集品質の確保を前提とした代理店支援・指導へ見直し、募集態様調査及び適正募集指導に係る体制を強化します。
(c) お客さま情報の高度化
当社の支店及び郵便局において、お客さまからお申込みをいただいた際に、お客さまの過去の契約の加入・消滅履歴のほか、当該契約の募集人情報をシステム上、簡易に把握できる仕組みを設け、募集品質管理に活用できる態勢を整備します。
c. 条件付解約等制度・契約転換制度の導入
保障の見直しをお客さま本位で実現できる制度として、条件付解約等制度の導入を実施しました。
また、既契約の解約を伴わない契約転換制度を導入してまいります。
d. 募集状況の録音・録画・保管
募集時において、渉外社員の携帯端末機で募集状況を録音・保管することにより、募集状況の可視化を図り、お客さまから苦情があった場合に、お客さまのご意向に沿ったご提案ができていたかを確認できる仕組みを構築します。
e. 苦情等からの潜在的問題の把握
募集態様に問題が疑われる苦情を高いリスク感度を持って検知し、各担当部署の役割分担を明確にした上で、入口から出口まで責任を持って、フォローを行う態勢を構築します。
④ 上記を着実に実行し、定着を図るためのガバナンスの抜本的な強化
a. 募集状況等の実態把握の強化及びPDCAサイクルの徹底
(a) 社内外のリスク情報の把握・分析
お客さまからの苦情、社員の声、経営データ等様々な情報をシステム等を活用しながらリスク感度を上げて、把握・分析します。
(b) 問題を検知した事象に対する同種同構造の事案の網羅的な横展開調査
問題を検知した事象に対して個別的に対応するのみならず、同種同構造の事案を検知し調査を横展開することで、当該問題の深度を把握する態勢を構築します。
(c) PDCAサイクルの徹底
改善策の検討に当たっては、真因分析を行った上で、改善策の優先順位を含め、経営陣での深度ある議論を行い、募集品質向上に向けた改善策の効果検証・見直しのサイクルについてスピード感をもって徹底する態勢を整備します。
b. 内部統制の強化
(a) 取締役会等のガバナンス機能強化
ア 取締役会における「審議」の新設等
経営課題を前広に議論するため、従来の「決議」、「報告」に加え、決議案の作成段階から社外取締役の知見を活用する「審議」を新設するほか、決議事項の対象範囲を見直します。
また、取締役会の臨時開催のほか、取締役懇談会を積極的に活用して、意見交換を充実させます。
イ 監査委員会の機能強化
(ア) 内部監査計画の決定・変更及び内部監査部門の重要人事(担当執行役・部長)については、監査委員会の事前同意を必要とすることと改めます。
(イ) 募集態様の実態やお客さまに生じている不利益事項に踏み込んだ報告を受けたうえで、検証のための調査を指示し、調査結果をもとに監査委員会として、担当執行役に対して必要な助言等を行います。
(b) 内部監査
内部監査の人材・体制を強化するほか、リスクアセスメントの強化などにより実効的な監査を実施します。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(参考1) 当社の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(1) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(2) 新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(3) 保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(4) 新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(参考2) 当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
(注) 当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。