第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

① 金融経済環境

当事業年度の経済情勢を顧みますと、不確定な要素から下振れするリスクはあるものの、年度後半より世界経済の持ち直しの動きが強まりました。海外では、欧米を中心とする先進国経済の緩やかな成長が続く中、中国をはじめとする新興国経済の減速が一服しました。わが国経済は、平成28年1-3月期以降、5四半期連続のプラス成長となり、緩やかな成長が続きました。

わが国の10年国債利回りは、6月の英国のEU離脱決定を受けたリスク回避の動きからマイナス0.2%台まで低下しました。しかし、7月の日本銀行のマイナス金利の深掘りの見送りや9月の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入を受け、0%をやや下回る水準となりました。その後、11月の米大統領選後の米国金利の急上昇を受けプラス圏に転じ、概ね0.1%をやや下回る水準で推移しました。

米国の10年国債利回りは、年度当初は1.8%程度で推移していましたが、早期利上げ観測の後退や英国のEU離脱決定を受け、7月には一時1.4%を下回る水準まで低下しました。その後、11月の大統領選の結果を受け、新政権への政策期待等から一時2.6%台まで上昇した後は、概ね2.5%前後に落ち着きました。

外国為替市場は、年度当初は円高基調で推移し、6月に一時対ドルで99円台、対ユーロで109円台まで円高が進みました。しかし、11月の米大統領選後の米国金利の急上昇を受け、日本と海外の金利差が拡大したことから円安基調に転じ、一時対ドルで118円台、対ユーロで124円台まで急速に円安が進みました。その後、米大統領によるドル高牽制発言等を受け、円安進行は一服し、年明け以降は対ドルでは112~114円台、対ユーロでは120円程度となりました。

日経平均株価は、6月に一時15,000円を割る場面も見られましたが、7月の日本銀行によるETF買入れ額の増額や、米大統領選後の米国経済の拡大期待や円安が好感され、12月には一時19,000円台半ばまで上昇しました。その後、19,000円台を割る場面も見られましたが、概ね19,000円台での動きとなりました。

 

② 当事業年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の事業の取組み

当行は、「Super Regional & Super Global」の事業モデルを掲げ次の2点を目指しております。

・約24,000局の郵便局を中心にした全国を網羅するネットワークを通じ、お客さま満足度No.1のサービスを提供する「最も身近で信頼される銀行」

・「本邦最大級の機関投資家」として、巨大な国際金融市場で、適切なリスク管理の下、運用の高度化・多様化を推進し、安定的収益を確保

 

中期経営計画(平成27年度から平成29年度)の2年目である当事業年度は、目指す姿の実現に向け「顧客基盤の確保と手数料ビジネスの強化」「サテライト・ポートフォリオの資産内容充実など運用の高度化・多様化」「内部管理態勢の充実・経営基盤の強化」に取り組みました。

 

(顧客基盤の確保と手数料ビジネスの強化)

日本郵便株式会社と協働し、お客さまとの安定的で持続的な関係を深め、「総預かり資産」の拡大に努めました。具体的には、資産運用コンサルタントを1,200人体制に向けて増員・育成するなどリテール営業力の向上に注力しました。また、給与・年金口座等の提案など当行をメインバンクとしてご利用いただくための取組みを推進しました。

当事業年度は、例年に比べて定額貯金の満期を迎えるお客さまが大幅に増える中で、満期のお知らせや身近な郵便局からの案内等を通じて、関連商品も含めた当行商品の継続的なご利用を促進しました。

なお、当行は、郵政民営化法により、決済用預金である振替貯金を除き、原則として一の預金者からの受け入れ可能な金額が制限されています。このうち通常貯金、定額貯金、定期貯金等の合計額の上限は、平成28年4月に1,000万円から1,300万円に引き上げられました。

手数料ビジネスについては、資産運用商品販売の拡大・ATM事業の強化等に取り組みました。

 

資産運用商品の販売にあたっては、お客さまの裾野拡大に向けて、各種キャンペーンを展開するとともに、資産運用コンサルタントによる丁寧な提案等に注力しました。また、少額投資非課税制度(NISA)・未成年者少額投資非課税制度(ジュニアNISA)のご利用を促進しました。あわせて、多様化するお客さまの資産運用ニーズに適うよう、投資信託等の商品のラインアップを拡充しました。

ATMは、駅やショッピングセンター等の利便性の高い場所などへ戦略的に配置しました。更に、平成29年1月以降、16言語対応等の機能を備えた小型ATMを導入し、全国のファミリーマート店舗への設置を進めています。

 

(地域経済活性化への貢献)

全国津々浦々のお客さまの大切な資金を地域に循環させ、地域金融機関との連携を通じて地域経済活性化に貢献する取組みとして、平成28年7月、熊本地震からの復旧・復興を目的とする「九州広域復興支援投資事業有限責任組合」に、同年11月には北海道地方・九州地方における地域経済活性化ファンドに参加することを決定しました。

また、日本郵便株式会社とともに、平成29年1月から、仙台市・熊本市において、手数料無料ですぐに入会が可能な、地域版Visaプリペイドカード「mijica(ミヂカ)」を発行しています。中心部商店街、小売店など地域のみなさまにご参加いただき、ポイント優遇等のサービスを試行しています。

 

(サテライト・ポートフォリオの資産内容充実など運用の高度化・多様化)

ALM(資産・負債の総合管理)では、ベース・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオの二つを基軸に、運用の高度化・多様化、市場環境に応じたポートフォリオの組替えの取組みを継続しました。具体的には、低金利継続の影響によるベース・ポートフォリオの収益の減少に対応し、サテライト・ポートフォリオでは、海外の投資適格債を中心とした外国証券投資を拡大しました。また、外貨建コマーシャル・ペーパーの発行により外貨資金の調達手段の多様化を進めました。

更に、成長が見込まれる未上場企業等へ投資するプライベート・エクイティ、不動産ファンド、ヘッジファンドなどのオルタナティブ資産への投資を始めました。新たな投資領域の開拓により長期的な収益の向上を目指します。

外部から専門的人材を積極的に登用し、各運用資産クラスに特化した組織体制へ再編が完了したほか、市場部門管理社員に対する株式給付制度を導入するなど運用態勢の更なる強化に取り組みました。

一方、リスク管理も運用の高度化・多様化に対応してモニタリングを高度化したほか、オルタナティブ投資に対するリスク管理態勢を整備しました。また、外貨資産・負債の増加にあわせて外貨流動性リスク管理を高度化しました。

 

(内部管理態勢の充実・経営基盤の強化)

「コンプライアンスなくして会社は存続し得ない」との強い信念の下、各種研修等を通じたコンプライアンス意識の更なる浸透や、資産運用商品販売における顧客保護等管理態勢の強化など、内部管理態勢の充実を経営上の重要課題として取り組みました。

また、コーポレートガバナンスの充実に向け、取締役会の実効性に関する分析・評価を実施するなど取締役会の実効性の更なる向上等に努めました。

このほか、IR活動・IR態勢の充実、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)、BPR(業務プロセスの変革による生産性の向上)の推進や経費の効率的使用に努めました。特にダイバーシティ・マネジメントは、平成28年7月にダイバーシティ推進部を設置し、女性の活躍推進を重点に代表執行役社長をトップとしたダイバーシティ・コミッティ活動や、全社的な意識醸成を目的としたダイバーシティ・フォーラムの開催等の取組みを推進しました。

 

 

(「新規業務の認可申請」について)

平成29年3月31日、「顧客本位の良質な金融サービスの提供」「地域への資金の循環等」「資金運用の高度化・多様化」の3点を基軸に、当行の更なる企業価値の向上の観点から、郵政民営化法第110条第1項の規定に基づき、金融庁長官及び総務大臣に対し、新規業務について認可を申請しました。

なお、平成24年9月3日に行った個人向けローン等に係る認可申請については、同時に取り下げました。

 

新規業務の認可申請の内容

 

Ⅰ.口座貸越サービス

決済サービスの一環として、残高を超える自動払込等の場合に、不足分を自動的に貸越しするサービスについての認可申請
 

Ⅱ.地域金融機関との連携に係る業務等

地域金融機関との事務の共同化など、当行が、郵政民営化法上実施可能とされている業務に付随する業務等についての認可申請
 

Ⅲ.市場運用関係業務

資金運用の高度化・多様化に資するため、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)等の市場運用関係業務についての包括的な認可申請

 

 

※ 上記認可申請については、平成29年6月19日に認可を取得いたしました。

 

③ 事業の成果

損益の状況については、当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比418億円減少1兆4,102億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前事業年度比1,375億円減少1兆2,235億円となりました。役務取引等利益は、前事業年度比45億円減少866億円となりました。また、その他業務利益は、外国為替売買損益の増加等により、前事業年度比1,002億円増加1,000億円となりました。

経費は、前事業年度比100億円減少1兆561億円となりました。

以上により、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、業務純益は前事業年度比317億円減少3,540億円、経常利益は前事業年度比399億円減少4,420億円となりました。当期純利益は3,122億円と前事業年度比128億円の減益となりましたが、通期業績予想の当期純利益3,000億円に対する達成率は104.0%となりました。

財産の状況については、当事業年度末における総資産は前事業年度末比2兆5,127億円増加209兆5,688億円となりました。主要勘定につきましては、有価証券は前事業年度末比5兆2,843億円減少138兆7,924億円、貸出金は前事業年度末比1兆5,220億円増加4兆641億円となりました。貯金残高は安定的に推移し、前事業年度末比1兆5,626億円増加179兆4,346億円となりました。

株主資本が前事業年度末に比べ1,243億円増加、評価・換算差額等が前事業年度末に比べ1,475億円増加し、純資産は11兆7,800億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆2,337億円となりました。

 

当行は、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

(a) 国内・国際別収支

当行は、銀行業のみを単一のセグメントとし、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別収支は次のとおりとなりました。

当事業年度は、国内業務部門においては、資金運用収支は8,040億円、役務取引等収支は858億円、その他業務収支は6億円となりました。

国際業務部門においては、資金運用収支は4,195億円、役務取引等収支は7億円、その他業務収支は994億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金運用収支は1兆2,235億円、役務取引等収支は866億円、その他業務収支は1,000億円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前事業年度

970,588

390,477

1,361,065

当事業年度

804,038

419,508

1,223,546

うち資金運用収益

前事業年度

1,248,620

545,998

63,401

1,731,217

当事業年度

1,046,541

596,691

75,719

1,567,512

うち資金調達費用

前事業年度

278,032

155,520

63,401

370,151

当事業年度

242,503

177,183

75,719

343,966

役務取引等収支

前事業年度

90,401

737

91,139

当事業年度

85,883

736

86,619

うち役務取引等収益

前事業年度

122,223

795

123,019

当事業年度

118,688

776

119,465

うち役務取引等費用

前事業年度

31,821

58

31,879

当事業年度

32,805

40

32,845

その他業務収支

前事業年度

5,178

△5,301

△122

当事業年度

688

99,402

100,091

うちその他業務収益

前事業年度

6,357

6,596

12,953

当事業年度

2,453

111,918

114,371

うちその他業務費用

前事業年度

1,178

11,897

13,076

当事業年度

1,764

12,516

14,280

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度4,776百万円、当事業年度4,779百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。

 

 

(b) 国内・国際別資金運用/調達の状況

当事業年度の資金運用勘定の平均残高は200兆3,210億円、利回りは0.78%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は190兆4,431億円、利回りは0.18%となりました。

国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は193兆9,919億円、利回りは0.53%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は184兆9,911億円、利回りは0.13%となりました。

国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は48兆2,526億円、利回りは1.23%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は47兆3,755億円、利回りは0.37%となりました。

 

イ.国内業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前事業年度

192,120,047

1,248,620

0.64

当事業年度

193,991,919

1,046,541

0.53

うち貸出金

前事業年度

2,681,909

25,091

0.93

当事業年度

3,081,133

17,741

0.57

うち有価証券

前事業年度

109,010,368

1,116,543

1.02

当事業年度

92,901,349

926,690

0.99

うち債券貸借取引
支払保証金

前事業年度

8,586,952

7,958

0.09

当事業年度

8,318,619

1,471

0.01

うち預け金等

前事業年度

39,310,383

35,624

0.09

当事業年度

47,723,014

24,916

0.05

資金調達勘定

前事業年度

184,078,165

278,032

0.15

当事業年度

184,991,156

242,503

0.13

うち貯金

前事業年度

177,868,069

232,795

0.13

当事業年度

179,251,855

200,373

0.11

うち債券貸借取引
受入担保金

前事業年度

8,650,599

7,337

0.08

当事業年度

8,385,284

844

0.01

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。

2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,440,503百万円、当事業年度2,646,066百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,440,503百万円、当事業年度2,646,066百万円)及び利息(前事業年度4,734百万円、当事業年度4,778百万円)を控除しております。

3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

 

 

ロ.国際業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前事業年度

40,910,445

545,998

1.33

当事業年度

48,252,687

596,691

1.23

うち貸出金

前事業年度

2,614

11

0.43

当事業年度

2,151

7

0.35

うち有価証券

前事業年度

40,072,765

541,079

1.35

当事業年度

48,099,311

595,384

1.23

うち債券貸借取引
支払保証金

前事業年度

当事業年度

うち預け金等

前事業年度

777,583

4,704

0.60

当事業年度

81,553

968

1.18

資金調達勘定

前事業年度

38,370,177

155,520

0.40

当事業年度

47,375,519

177,183

0.37

うち貯金

前事業年度

当事業年度

うち債券貸借取引
受入担保金

前事業年度

5,500,853

25,895

0.47

当事業年度

4,674,255

40,697

0.87

 

(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度10,333百万円、当事業年度184百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度10,333百万円、当事業年度184百万円)及び利息(前事業年度41百万円、当事業年度0百万円)を控除しております。

 

 

ハ.合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去額(△)

合計

資金運用勘定

前事業年度

233,030,492

32,530,225

200,500,267

1,794,619

63,401

1,731,217

0.86

当事業年度

242,244,607

41,923,561

200,321,045

1,643,232

75,719

1,567,512

0.78

うち貸出金

前事業年度

2,684,524

2,684,524

25,103

25,103

0.93

当事業年度

3,083,285

3,083,285

17,748

17,748

0.57

うち有価証券

前事業年度

149,083,133

149,083,133

1,657,623

1,657,623

1.11

当事業年度

141,000,661

141,000,661

1,522,075

1,522,075

1.07

 

うち債券貸借取引
支払保証金

 

前事業年度

8,586,952

8,586,952

7,958

7,958

0.09

当事業年度

8,318,619

8,318,619

1,471

1,471

0.01

うち預け金等

前事業年度

40,087,966

40,087,966

40,329

40,329

0.10

当事業年度

47,804,568

47,804,568

25,885

25,885

0.05

資金調達勘定

前事業年度

222,448,342

32,530,225

189,918,117

433,553

63,401

370,151

0.19

当事業年度

232,366,676

41,923,561

190,443,114

419,686

75,719

343,966

0.18

うち貯金

前事業年度

177,868,069

177,868,069

232,795

232,795

0.13

当事業年度

179,251,855

179,251,855

200,373

200,373

0.11

 

うち債券貸借取引受入担保金

 

前事業年度

14,151,453

14,151,453

33,233

33,233

0.23

当事業年度

13,059,539

13,059,539

41,542

41,542

0.31

 

(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,450,837百万円、当事業年度2,646,250百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,450,837百万円、当事業年度2,646,250百万円)及び利息(前事業年度4,776百万円、当事業年度4,779百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。

 

 

(c) 国内・国際別役務取引の状況

当事業年度の役務取引等収益は1,194億円、役務取引等費用は328億円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前事業年度

122,223

795

123,019

当事業年度

118,688

776

119,465

うち預金・貸出業務

前事業年度

33,986

33,986

当事業年度

34,612

34,612

うち為替業務

前事業年度

62,192

713

62,906

当事業年度

62,269

688

62,957

うち代理業務

前事業年度

2,641

2,641

当事業年度

2,709

2,709

役務取引等費用

前事業年度

31,821

58

31,879

当事業年度

32,805

40

32,845

うち為替業務

前事業年度

3,638

15

3,653

当事業年度

3,802

11

3,814

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

 

 

(d) 国内・国際別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前事業年度

177,871,986

177,871,986

当事業年度

179,434,686

179,434,686

流動性預金

前事業年度

63,834,943

63,834,943

当事業年度

67,994,923

67,994,923

うち振替貯金

前事業年度

13,874,601

13,874,601

当事業年度

13,052,115

13,052,115

うち通常貯金等

前事業年度

49,571,866

49,571,866

当事業年度

54,550,845

54,550,845

うち貯蓄貯金

前事業年度

388,475

388,475

当事業年度

391,963

391,963

定期性預金

前事業年度

113,852,874

113,852,874

当事業年度

111,280,733

111,280,733

うち定期貯金

前事業年度

11,441,153

11,441,153

当事業年度

10,065,156

10,065,156

うち定額貯金等

前事業年度

102,410,683

102,410,683

当事業年度

101,215,576

101,215,576

その他の預金

前事業年度

184,168

184,168

当事業年度

159,029

159,029

譲渡性預金

前事業年度

当事業年度

総合計

前事業年度

177,871,986

177,871,986

当事業年度

179,434,686

179,434,686

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金等+貯蓄貯金

「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

4.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金等+特別貯金(教育積立郵便貯金相当)

「定額貯金等」=定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当)

5.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

6.特別貯金は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金で、同機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。

7.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

(e) 国内・国際別貸出金残高の状況

イ.業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前事業年度

当事業年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

2,538,749

100.00

4,064,120

100.00

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

51,808

2.04

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

83,769

3.29

75,811

1.86

卸売業、小売業

10,518

0.25

金融・保険業

1,525,987

60.10

1,311,274

32.26

建設業、不動産業

12,112

0.47

14,062

0.34

各種サービス業、物品賃貸業

26,132

1.02

23,044

0.56

国、地方公共団体

638,140

25.13

2,440,005

60.03

その他

200,799

7.90

189,404

4.66

国際及び特別国際金融取引勘定分

3,300

100.00

政府等

金融機関

その他

3,300

100.00

合計

2,542,049

4,064,120

 

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構向け貸出金は、前事業年度末1,216,710百万円、当事業年度末951,200百万円であります。

 

ロ.外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

 

 

(f) 国内・国際別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前事業年度

82,255,654

82,255,654

当事業年度

68,804,989

68,804,989

地方債

前事業年度

5,856,509

5,856,509

当事業年度

6,082,225

6,082,225

短期社債

前事業年度

204,995

204,995

当事業年度

233,998

233,998

社債

前事業年度

10,362,715

10,362,715

当事業年度

10,752,831

10,752,831

株式

前事業年度

1,390

1,390

当事業年度

1,390

1,390

その他の証券

前事業年度

45,395,569

45,395,569

当事業年度

1,942

52,915,071

52,917,013

うち外国債券

前事業年度

19,829,503

19,829,503

当事業年度

20,143,467

20,143,467

うち投資信託

前事業年度

25,520,966

25,520,966

当事業年度

32,726,722

32,726,722

合計

前事業年度

98,681,264

45,395,569

144,076,834

当事業年度

85,877,377

52,915,071

138,792,448

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.投資信託の投資対象は主として外国債券であります。

 

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「営業活動によるキャッシュ・フロー」が前事業年度比2兆7,285億円減少7,174億円、「投資活動によるキャッシュ・フロー」が前事業年度比5兆756億円減少4兆8,767億円、「財務活動によるキャッシュ・フロー」が前事業年度比29億円減少△1,877億円となりました。

その結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前事業年度末比5兆4,068億円増加し、51兆2,169億円となりました。

 

 

(参考)

 

1.ポートフォリオの概要

 


 

当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとしてベース・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。)

 

ベース・ポートフォリオ(以下「BP」)は、金利・流動性リスクをマネージしつつ、国債運用等により安定的収益の確保を図る当行全体の基盤ポートフォリオです。具体的には、顧客性調達(お客さまからの貯金)と市場性調達(他の日本の金融機関等から調達した資金)により資金を調達し(BP調達サイド)、国債、政府保証債、短期運用資産等への運用を行って(BP運用サイド)、主として運用と調達の長短金利スプレッドにより収益を生み出しております。BPの運用戦略の特徴は、主に個人貯金で構成される安定的な顧客性調達の割合が大きいという調達構造を受けて、満期保有目的の債券を大きな割合で保有していることです。

 

サテライト・ポートフォリオ(以下「SP」)は、国際分散投資等により主に信用・市場リスクを取って、キャピタル・ゲイン(債券等の売買益)も含め収益の積上げを追求するポートフォリオです。具体的には、主としてBPからの内部取引(管理会計上、ALM部署と各ポートフォリオの間で行う取引)により資金を調達し、地方債、社債、外国証券、貸出金、金銭の信託等に運用しております。SPでは市場変動との相関も意識して多様な資産に分散投資し、市場動向を踏まえ米欧等の適格公社債等への投資を、民営化した平成19年度末の約4兆円から平成29年3月末の約70兆円まで増加させてきました。また、安定的な調達と厚い資本基盤は、相場サイクルを超えた期間の投資も可能としています。

 

ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。

 

 

 

≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫                          (単位:億円)

 

平成25年

3月末

平成26年

3月末

平成27年

3月末

平成28年

3月末

平成29年

3月末

ベース・ポートフォリオ

1,596,696

1,564,615

1,495,904

1,363,887

1,290,981

 

短期資産

178,473

215,307

353,427

477,080

546,460

国債・政府保証債

1,394,363

1,329,581

1,125,571

872,663

733,145

貸出金

23,859

19,727

16,905

14,143

11,375

サテライト・ポートフォリオ

306,473

369,304

480,720

615,636

704,526

 

地方債

58,060

55,503

55,251

58,565

60,822

社債等

59,723

59,357

62,326

68,481

77,191

外国証券(注1)

157,077

227,313

329,478

454,463

523,748

貸出金

15,820

11,036

10,934

11,277

10,695

金銭の信託(株式)等

15,790

16,094

22,729

22,849

25,996

オルタナティブ資産(注2)

6,073

 

(注) 1.外国証券は、外貨建の買入金銭債権を含んでおります。

2.オルタナティブ資産は、プライベート・エクイティ、不動産ファンド、ヘッジファンドであります。

 

 

2.ポートフォリオ別平残・損益の概要                    (単位:平残/兆円、損益/億円)

 

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平残

損益

平残

損益

平残

損益

平残

損益

平残

損益

ポートフォリオ全体
(BP+SP)

187.4

5,921

190.5

5,731

194.2

5,599

196.5

4,804

197.5

4,330

 

ベース・ポートフォリオ
(BP)

158.0

3,421

156.7

2,897

151.7

947

141.7

△356

131.5

△2,433

 

 

BP(顧客性調達・営業)

△602

△1,203

△2,224

△2,504

△3,996

 

 

BP運用等

4,023

4,100

3,172

2,147

1,563

 

サテライト・
ポートフォリオ(SP)

29.3

2,499

33.7

2,834

42.4

4,651

54.8

5,160

66.0

6,764

 

(注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。

 

 

ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。

損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当)

 

資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(トランスファー・プライス(TP)を設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、BP(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、SPには、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。

 

役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主にBP(顧客性調達・営業)に計上しております。

 

経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどはBP(顧客性調達・営業)に計上しております。

① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費

ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課

イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦

② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費

各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦

 

以上により算出したポートフォリオ別損益の平成28年度までの推移を概観しますと、国債等の歴史的な低金利の継続を反映して、ベース・ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受取るTP収益が低下する一方、貯金調達レートの低下余地は限定的で、当行全体の経費のほとんどが賦課されることから、同ポートフォリオの赤字幅が拡大してきました。しかし、国内金利が平常化していく局面では、基本的には収益の回復が期待されます(詳細は、「4 事業等のリスク (2) 市場リスク ① 金利リスク」をご参照ください。)。一方、外国証券等に運用を拡大・多様化してきたサテライト・ポートフォリオの収益は増加してきており、歴史的低金利の下で、ポートフォリオ全体の収益確保に貢献してきました。

(なお、今後、更に運用の高度化・多様化が進んだ場合等には、現在の上記ポートフォリオによるALMの枠組みを見直す可能性があります。)

 

 

(参考)

 

(1) 損益状況

① 損益の概要

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

業務粗利益

1,452,082

1,410,256

△41,825

 資金利益

1,361,065

1,223,546

△137,519

 役務取引等利益

91,139

86,619

△4,520

 その他業務利益

△122

100,091

100,213

  うち外国為替売買損益

△1,471

99,395

100,867

  うち国債等債券損益

1,846

△2,454

△4,300

経費(除く臨時処理分)

△1,066,184

△1,056,168

10,015

人件費

△125,423

△125,328

95

物件費

△865,169

△854,369

10,800

税金

△75,591

△76,470

△879

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

385,897

354,087

△31,810

一般貸倒引当金繰入額

10

10

業務純益

385,897

354,098

△31,799

臨時損益

96,100

87,987

△8,112

株式等関係損益

3,232

88

△3,143

金銭の信託運用損益

93,867

82,930

△10,937

不良債権処理額

△102

△102

 個別貸倒引当金純繰入額

△102

△102

貸倒引当金戻入益

0

△0

償却債権取立益

39

34

△5

その他臨時損益

△1,039

5,035

6,075

経常利益

481,998

442,085

△39,912

特別損益

△1,109

△1,488

△379

固定資産処分損益

△1,103

△529

573

減損損失

△5

△958

△953

税引前当期純利益

480,888

440,596

△40,292

法人税、住民税及び事業税

△152,528

△133,287

19,241

法人税等調整額

△3,291

4,954

8,245

法人税等合計

△155,819

△128,332

27,486

当期純利益

325,069

312,264

△12,805

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

 

② 営業経費の内訳

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

給与・手当

101,439

101,128

△311

退職給付費用

6,345

6,283

△62

福利厚生費

15,529

15,882

352

減価償却費

36,666

35,306

△1,359

土地建物機械賃借料

11,849

12,388

539

営繕費

3,858

2,365

△1,492

消耗品費

6,138

5,475

△662

給水光熱費

2,225

1,988

△237

旅費

1,483

1,241

△242

通信費

19,513

18,968

△545

広告宣伝費

8,348

6,837

△1,511

租税公課

75,591

76,470

879

その他

775,014

769,715

△5,298

1,064,004

1,054,053

△9,951

 

(注) 1.損益計算書中「営業経費」の内訳であります。

2.「その他」のうち、日本郵便株式会社への銀行代理業務等に係る委託手数料の支払が、前事業年度609,431百万円、当事業年度612,465百万円、日本郵政株式会社への交付金の支払が、前事業年度9,862百万円、当事業年度8,371百万円であります。なお、日本郵政株式会社への交付金の支払は、郵政民営化法第122条の規定に基づくものであり、同交付金は特別貯金残高に係る預金保険料に相当するものであります。

 

(2) 利鞘(全店)

 

 

前事業年度
(%)(A)

当事業年度
(%)(B)

増減(%)
(B)-(A)

(1) 資金運用利回

0.86

0.78

△0.08

(イ)貸出金利回

 

0.93

0.57

△0.35

(ロ)有価証券利回

 

1.11

1.07

△0.03

(2) 資金調達原価

0.75

0.73

△0.02

(イ)貯金等利回

 

0.13

0.11

△0.01

(ロ)外部負債利回

 

1.42

1.32

△0.09

(3) 総資金利鞘

①-②

0.10

0.04

△0.05

 

(注) 1.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。

2.「外部負債」=コールマネー+借用金

 

(3) ROE

 

前事業年度
(%)(A)

当事業年度
(%)(B)

増減(%)
(B)-(A)

業務純益ベース(一般貸倒引当金繰入前)

3.33

3.04

△0.29

業務純益ベース

3.33

3.04

△0.29

当期純利益ベース

2.80

2.68

△0.12

 

(注)

ROE

業務純益(又は当期純利益)

×

100

 

[(期首純資産+期末純資産)/2]

 

 

 

(4) 預金・貸出金の状況

① 預金・貸出金の残高

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

貯金(末残)

177,871,986

179,434,686

1,562,699

貯金(平残)

177,868,069

179,251,855

1,383,786

貸出金(末残)

2,542,049

4,064,120

1,522,070

貸出金(平残)

2,684,524

3,083,285

398,760

 

(注) 貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。

 

② 個人・法人別預金残高(国内)

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

個人

154,412,038

163,886,725

9,474,687

法人

4,492,444

4,414,563

△77,880

158,904,482

168,301,288

9,396,806

 

(注) 1. 特別貯金(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金で、同機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金)は除いております。特別貯金の残高は、前事業年度末18,967,503百万円、当事業年度末11,133,397百万円であります。

2.別段貯金及び普通為替・定額小為替はすべて法人に含まれております。

 

③ 消費者ローン残高

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

住宅ローン残高

その他ローン残高

200,799

189,404

△11,394

200,799

189,404

△11,394

 

(注) その他ローン残高は、預金者貸付、国債等担保貸付等の個人向け貸出で構成されております。

 

④ 個人・中小企業等貸出金

 

前事業年度
(A)

当事業年度
(B)

増減
(B)-(A)

個人・中小企業等貸出金残高   ①

百万円

200,799

189,404

△11,394

総貸出金残高          ②

百万円

2,542,049

4,064,120

1,522,070

個人・中小企業等貸出金比率   ①/②

7.89

4.66

△3.23

個人・中小企業等貸出先件数   ③

1,725,773

1,674,540

△51,233

総貸出先件数          ④

1,725,896

1,674,662

△51,234

個人・中小企業等貸出先件数比率 ③/④

99.99

99.99

△0.00

 

(注) 1. 個人・中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、サービス業は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業は100人、小売業は50人、サービス業は100人)以下の会社及び個人であります。

2. 個人・中小企業等貸出金残高は、預金者貸付、国債等担保貸付等の個人向け貸出で構成されております。

 

 

(5) 債務の保証(支払承諾)の状況

○ 支払承諾の残高内訳

種類

前事業年度

当事業年度

口数(件)

金額(百万円)

口数(件)

金額(百万円)

保証

2

75,000

2

75,000

 

 

(6) 内国為替の状況

区分

前事業年度

当事業年度

口数(千口)

金額(百万円)

口数(千口)

金額(百万円)

仕向(他行あての送金)

26,793

23,586,237

27,897

21,516,587

被仕向(他行からの送金)

79,485

17,625,900

92,705

20,798,405

 

(注) 全国銀行データ通信システムによる他の金融機関との内国為替取扱状況を記載しております。

 

(7) 外国為替の状況

区分

前事業年度

当事業年度

金額(百万米ドル)

金額(百万米ドル)

仕向為替

売渡為替

1,090

1,041

買入為替

10

0

被仕向為替

支払為替

122

126

取立為替

1,223

1,169

 

 

 

(自己資本比率の状況)

 

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき算出しております。

なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

平成29年3月31日

1.自己資本比率(2/3)

22.22

2.単体における自己資本の額

86,169

3.リスク・アセット等の額

387,798

4.単体総所要自己資本額

15,511

 

(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。

 

 

(資産の査定)

 

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

(1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

(2) 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

(3) 要管理債権

要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

(4) 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

債権の区分

平成28年3月31日

平成29年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

要管理債権

正常債権

26,454

41,454

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当行が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当行は、以下の経営理念の下、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。

「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。

「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。

「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。

「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。

 

(2) 経営戦略等

当行は、平成27年度から平成29年度を計画期間とする中期経営計画に取り組んでおります。「約24,000局の郵便局を中心にした全国を網羅するネットワークを通じ、お客さま満足度No.1サービスを提供する『最も身近で信頼される銀行』」であるとともに、「『本邦最大級の機関投資家』として、適切なリスク管理の下で、運用の高度化・多様化を推進し、安定的収益を確保」することを目指し、各種戦略・施策を実行しております。あわせて、中期経営計画で掲げた経常利益や当期純利益等の経営目標の達成を目指しております。

<主な取組み>

① 1億人規模のお客さまの生活・資産形成に貢献するリテールサービスの推進
・安定的な顧客基盤の構築による総預かり資産の拡大
・資産運用商品・ATM・クレジットカードなどの成長分野の役務手数料の拡大
・営業基盤の整備
・お客さま本位のサービス提供体制の構築

② 資金運用戦略の高度化
・国際分散投資の加速
・オルタナティブ投資などの新たな投資領域の開拓
・運用戦略の高度化に向けた態勢整備

③ 強靭な経営態勢の構築
・上場企業としてのガバナンス強化
・リスク管理態勢の一層の充実
・人材育成の推進、戦略的な人材配置の実現、女性の活躍推進
・迅速・的確な事務処理体制の構築
・システム経費をはじめとして、コスト削減努力を継続

 

(3) 経営環境

当行における経営環境については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績 ① 金融経済環境」の記載をご参照ください。

 

(4) 対処すべき課題

当行は、郵便局のネットワークを中心としたリテール営業力が支える安定した資金調達や、強固な資本基盤、またこれらの特性を活かしたALM・運用戦略によって、安定的な利益を計上してきました。引き続き、厳しい経営環境下、全社一丸となって中期経営計画に盛り込んだ課題に取り組みます。

特に、金利が低位で推移することにより、ベース・ポートフォリオの収益減少が見込まれますが、安定的な利益を確保するため、手数料ビジネスの強化、サテライト・ポートフォリオの収益拡大、経費の効率的使用に注力します。

 

(顧客基盤の確保と手数料ビジネスの強化)

お客さまの資産形成の多様化をサポートするため、資産運用コンサルタントの増員・育成等によるリテール営業力を一層強化します。また、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の確立・定着に努め、お客さまの資産運用ニーズや投資経験にあわせた投資信託や変額年金保険等の資産運用商品を提案します。

投資経験の少ないお客さまには、簡単で分かりやすい商品や様々な分野に投資を行うバランス型の商品を提案し、少額投資非課税制度(NISA)・未成年者少額投資非課税制度(ジュニアNISA)などの制度も活用して、裾野拡大に向けた取組みを推進します。一方、投資経験の豊富なお客さまには、リスク特性の異なる商品を提案して一層のご利用を促進します。

お客さまの資産運用ニーズを広くくみ取るため、郵便局の店舗網の更なる活用、人材育成支援により販売態勢を強化します。

また、引き続き、ATMの戦略的な配置や、全国のファミリーマート店舗への小型ATMの設置を進めるとともに、送金決済サービスの拡充を推進して、お客さまの利便性の向上を図ります。

 

平成28年度に続き、定額貯金の満期を迎える多くのお客さまに、今後も当行をご利用いただけるよう、ニーズに適う商品・サービスの提供に努めます。

 

(地域経済活性化への貢献)

地域金融機関との連携による地域経済活性化ファンドへの出資は、今後も拡大します。ファンドを通じて当行の資金を地域に還元することで、地域経済の活性化に貢献します。更に、ファンド出資に係る知見の蓄積や専門人材の育成により、引き続き、態勢の強化を図ります。また、これら以外の連携についても、引き続き、将来を見据えた戦略としてビジネス開拓・協働等に取り組みます。

 

(サテライト・ポートフォリオの資産内容充実など運用の高度化・多様化)

ベース・ポートフォリオでは、低金利の長期化により、資金運用を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるものの、中長期的な安定収益の確保を目指し、金利動向に応じて機動的に運用します。

サテライト・ポートフォリオでは、収益の向上を目指し、これまでの国際分散投資に加え、新たな投資領域であるプライベート・エクイティ、不動産ファンド、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資を推進します。既存の投資領域についても、デリバティブ取引等も活用し、相場動向に応じた機動的な運用に努めます。あわせて、引き続き、外貨資金の調達手段を多様化するとともに、専門的人材の採用・育成により運用態勢を強化します。

一方、リスク管理も、ストレス・テストの充実など将来の課題を見据えた(フォワードルッキングな)ものに高度化します。また、オルタナティブ投資の推進に伴い、リスク管理態勢を強化するほか、外貨流動性リスク管理強化等に取り組みます。

 

(経費の効率的使用)

お客さまサービスの向上や当行の成長に資する分野への投資は積極的に行う一方で、既定経費の削減やBPR(業務プロセスの変革による生産性の向上)を推進するなど、一層の経費の効率的使用に努めます。

 

(内部管理態勢の充実・経営インフラの整備)

各種研修等を通じたコンプライアンス意識の更なる浸透や、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)を実現するための方針を定めた上で、その実践に努め、企業価値向上に向けた内部管理態勢の一層の強化に取り組みます。

また、IR活動・IR態勢の充実、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)等の推進のほか、Fin Tech(金融とITの融合)への対応、成長分野を中心とした人材育成、事務の効率化や社員の生産性を高めるための働き方改革に取り組み、経営インフラの整備を図ります。

なお、CSR(企業の社会的責任)では、「安心のサービス」「環境」「ダイバーシティ・マネジメント」「教育」を重点テーマとして、当行の業務の特性を活かして社会の基盤づくりに貢献します。

 

当行は、これらの諸施策を通じて企業価値向上に努めます。

 

4 【事業等のリスク】

当行の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行が認識している重要な事項について、記載しております。

本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当事業年度末現在において当行が判断したものであります。また、当行が認識していない、又は重要性が乏しいと考えている追加的なリスク等が、当行の事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。

 

(1) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク

当行は、リスク管理に関する規程を定め、管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。また、当行は、経営環境、リスクの状況、今後の事業規模・範囲拡大などの想定に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行っておりますが、有効にリスク管理態勢が機能しない場合には、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、新たな投資領域を開拓するなど当行が有価証券等の運用業務・対象を多様化し、また、貸付け業務の範囲・規模を拡大した場合、信用・市場リスク管理態勢や不公正取引発生防止態勢等を拡充する必要がありますが、かかる業務の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分になされない可能性があります。

加えて、当行によるリスク管理方針の実施、その遵守状況の監督は、当行内部だけでなく、当行の商品・サービス(貯金・資産運用商品・為替等)を販売する日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク全体についても行う必要がありますが、約24,000もの郵便局を有する広範な郵便局ネットワークでの実施・監督に困難又は不備が生じた場合には、当行によるリスク管理方針が機能せず、又は不十分となる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場リスク

当行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、大幅な市場変動等によりかかる管理が十分に機能しない場合には、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券、オルタナティブ投資等への運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。

① 金利リスク

当行が保有する日本国債(平成29年3月末日現在、68.8兆円・総資産額の32%)を始めとする金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、平成28年1月の日本銀行による「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」政策や同年9月21日の金融政策決定会合で導入が決定された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の影響等により、当事業年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

更に、市場金利の変動は、日本国債を始めとする当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、定額貯金(平成29年3月末日現在、101.2兆円・総貯金額の56%(特別貯金(民営化前に預入された定額郵便貯金相当)を含む。)。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 為替リスク

当行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加(平成29年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は52.9兆円・総資産額の25%)しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 株式価格変動リスク

当行は、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、市場性のある株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が低下する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 市場流動性リスク

経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、当行が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 資金流動性リスク

当行の業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、当行の収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けた当行格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 信用リスク

当行の取引先や、当行が保有する社債等の負債性証券の発行者その他の投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が急激に悪化する可能性があります。その結果、当行の与信関係費用が増加、当行が保有する負債性証券等の価値が下落すること等により、当行の業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性や、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券への運用、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性があります。

 

(6) オペレーショナル・リスク等

① 事務リスク

当行や当行の商品・サービスを販売・提供する日本郵便株式会社の役員・従業員が、事務に関する社内規程・手続等に定められた事務処理を怠る、あるいは事故・不正等を起こすリスクが存在します。これらの事務リスクが顕在化した場合には、当行への行政処分、訴訟提起等により、当行の事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行の業務に関連して、顧客その他の第三者が、偽名による口座開設、当行口座の不正目的による使用、又は盗難カードを使用した犯罪行為その他の不正行為を行った場合や、当行の取引先が反社会的勢力と何らかの関係を有する者であった場合には、これに対応する費用の支出が発生する等、当行の事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② システムリスク

当行は、当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険と共用しているシステムも利用して、銀行口座、資産運用等の取引・管理を行い、また、全国の郵便局ネットワークや全国銀行データ通信システム等と通信しているなど、情報通信システムは、当行の事業にとって極めて重要な機能を担っております。これらについて、自然災害・サイバー攻撃等の外的要因に加えて、人的過失、事故、コンピュータウィルスの感染、システムの新規開発・更新における瑕疵等により、システム障害が発生する可能性があります。こうしたシステムの不具合、故障等が生じた場合に、これに対応する費用の支出の発生、業務の停止・混乱、それに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等が発生することにより、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 情報資産リスク

当行は、多数の個人・法人のお客さま等の情報を保有しています。顧客情報は銀行法、金融商品取引法等により適切な取扱いが求められ、特に個人情報については個人情報保護法等の下で、より厳格な管理が求められております。

当行では、プライバシーポリシーを策定するとともに、情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、機密情報や顧客情報等の重要な情報について、内部からの漏えいや、コンピュータへのサイバー攻撃等外部からの不正なアクセス等が発生する可能性があり、業務委託先を含め、仮にこのような事象が生じた場合には、これに対応する費用の支出の発生、当行に対する損害賠償請求、行政処分、社会的信用の毀損等により、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 訴訟等に係るリスク

当行は、事業の遂行に関して、訴訟等が提起されるリスクを有しております。

業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当行に不利な判断がなされた場合には、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 人事リスク

人事処遇、勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合や、これらに関連する重大な訴訟等が発生し、当行に不利な判断がなされた場合、当行の業績、社会的信用及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ レピュテーショナル・リスク

当行や当行事業の風説・風評が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板への書込み、ソーシャル・ネットワーク・サービス等により拡散した場合、また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、お客さまや市場関係者等が、当行について事実と異なる理解・認識をし、当行の社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行と競合する他の金融機関等に関する問題や不祥事の発生、批判、風評等であっても、それにより銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が下落する場合には、当行の事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 法令違反等に係るリスク

当行は、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に取り組み、法令・諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスやその意識の水準向上、内部牽制・内部監査・顧客保護等管理など内部管理の強化を経営上の重要課題として位置づけ、適切な指示・指導・モニタリングを行う態勢を整備するとともに、法令違反・不正行為等の防止策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、横領その他の犯罪行為、マネー・ローンダリング、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない可能性があります。また、これらの法令等の不遵守を、組織として迅速・適切に認識できない可能性もあります。業務委託先である日本郵便株式会社等を含め、法令違反・不正行為等に関するリスクが顕在化した場合には、当行への訴訟提起、行政処分等により、当行の事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当行は平成21年12月に、当行・郵便局株式会社(現日本郵便株式会社)での不祥事件発生に対し、金融庁から銀行法第26条第1項に基づく業務改善命令を受けました。これに対し、当行は、法令等遵守に取り組む経営姿勢の明確化、全行的な法令等遵守意識の醸成、不祥事件の抜本的な再発防止策策定による全行的な法令等遵守態勢の確立、郵便局・直営店における内部牽制機能や内部監査機能の充実・強化、適切な人事管理、不祥事件発覚後の対応の迅速・適正化、日本郵便株式会社への指導・管理等を内容とする業務改善計画を策定の上、その進捗・実施状況等を四半期ごとに金融庁に報告し、内部管理態勢の充実を図ってきました。
 これらの取組みにより、業務改善命令の報告義務は、平成27年12月に解除されました。

⑧ 災害リスク

当行は、大規模災害等に備えた事業継続計画等を整備し、危機管理態勢の強化に努めておりますが、大規模災害、感染症の大流行、テロリズム・武力衝突等の人的災害、電気・通信その他の社会インフラの障害や混乱等が発生した場合、当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステム等が毀損し、又は正常な業務遂行が困難になること等により、当行が損失を被る可能性があります。また、かかる状況の下で当行の業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生による経済・社会活動の沈滞や、インフラの機能不全等の影響を受けて、当行が保有する金融商品に評価損・減損損失や売却損等が生じたり、当行の不良債権・与信関係費用が増加したりする可能性もあり、その結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業戦略・経営計画に係るリスク

当行は、郵便局ネットワークをメインチャネルとして、お客さま満足度No.1のサービスを広く国民各層に提供する「最も身近で信頼される銀行」、また、適切なリスク管理の下で運用の高度化・多様化を推進し、安定的収益を確保する「本邦最大級の機関投資家」を目指しております。

しかしながら、これらに向けた当行の事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によってベース・ポートフォリオの収益計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速、サテライト・ポートフォリオの拡大を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、当行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。更に、平成29年3月期第2四半期以降に満期が集中している定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行もIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 業務範囲の拡大等に係るリスク

当行は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、郵政民営化法、銀行法の規制により必要となる当局の認可等を適時に取得できない可能性があります。例えば、当行は、平成24年9月3日に行った相対による法人向け貸付、住宅ローン等の個人向け貸付などを内容とする認可申請を、平成29年3月31日に取り下げました。

また、認可を得て業務範囲を拡大した場合でも、当行が限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合等において、業務範囲の拡大が功を奏しない、又は、当初想定した成果をもたらさない可能性があります。その結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 事業環境等に係るリスク

① 主要な事業の前提に係るリスク

当行は、郵政民営化法第98条第1項により、次に掲げる条件付きで銀行法第4条に定める銀行業の免許を受けたものとみなされております。

・郵政民営化法第110条第1項各号に掲げる業務(いわゆる新規業務。「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (1) 業務の制限」をご参照ください。)を行おうとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこと。

・郵政民営化法第8章第3節の規定の適用を受ける間、業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するための基盤となる銀行代理業者への継続的な業務の委託がされていること。

この免許につきましては、有効期間は定められておりませんが、銀行法第26条、第27条、第28条及び第41条に規定された要件に該当した場合、業務の停止又は免許の取消し等を命じられることがあります。当事業年度末現在において、当行は、これらの要件に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により当行がこれらの要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたし、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 銀行法を始めとする各種法令等に係るリスク

当行は事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行が物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行の競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。

また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております(当行に係る郵政民営化法に基づく規制は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行の事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行に影響をもたらす可能性もあります。

③ 経済・社会情勢、市場に係るリスク

当行が行う事業による収益の多くは日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、当行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、当行の事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中期的な安定的収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。

④ 競争に係るリスク

当行が行う事業は、いずれも激しい競争状況に置かれております。当行の主力事業は郵便局ネットワークをメインチャネルとするリテール・バンキング事業であるため、当行は、都市銀行のほか、地方銀行その他の金融機関と競合しております。また、当行が業務範囲を拡大した場合には、現時点では当行と競合関係にない会社との競合が新たに生じる可能性もあります。更に、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。

当行が競合する他の金融機関に対して優位に立てない場合や、市場構造の変化に対応できなかった場合、規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 日本郵政株式会社との関係に係るリスク

① 日本郵政株式会社の当行の事業運営に対する影響

日本郵政株式会社は、以下の諸点を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

(a) 議決権の行使等を通じた影響

日本郵政株式会社は、当事業年度末現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しており、当行の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等、当行の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政株式会社は、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載の日本郵政グループ協定その他の契約や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有等により、当行について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主の期待と異なる議決権の行使を行う可能性があります。更に、当行以外の日本郵政グループ各社が、直接又は子会社等を通じて当行と競合し又は競合する可能性のある事業を行うなど、当行の一般株主の利益とは異なる観点で行動する可能性があります。

(b) 日本郵政グループとの人的関係を通じた影響

下表のとおり、日本郵政グループの役員等が当行の役員を兼任しています。

また、当行経営会議(「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの状況 ② 企業統治の体制の概要等」をご参照ください。)には、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しないものの、会議の議題に応じて、出席が必要と当行が考える日本郵政株式会社の代表執行役に限り出席を要請することとしています。

更に、従業員についても、平成29年3月末日現在、当行に、日本郵政株式会社の子会社である日本郵便株式会社からの受入出向者が約340名、当行・日本郵便株式会社に、両社職務の兼務者が約700名(当行所属従業員約310名、日本郵便株式会社所属従業員約390名)おります。この他、日本郵政株式会社等からの受入出向者は7名であります。当行は日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しており、代理店の現状に精通した人材を代理店の業務指導・支援に活用し、また、代理店の要員に当行直営店業務を経験させることは、代理店の事務品質・業務知識の向上を狙いとしています。更に、当行エリア本部、日本郵便株式会社の支社の所属者を相互に兼務させ、営業施策の立案・推進管理、営業人材の育成を協働推進させることは、直営店・郵便局一体の営業力強化を企図しております。なお、これらの受入出向者・兼務者はいずれも、当行の重要な意思決定に影響を与える職位・職務には就いておりません。

日本郵政株式会社は、上記の役員兼任等を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(日本郵政グループの役員等と当行役員を兼任している者)

本有価証券報告書提出日現在 

役職・氏名

兼任している会社・役職

兼任の理由

会社

役職

取締役兼代表

執行役社長

池田 憲人

日本郵政

株式会社

取締役
(非常勤)

当行代表として、親会社である日本郵政株式会社の意思決定過程に参画するため

取締役兼代表

執行役副社長

田中  進

日本郵政

株式会社


常務執行役
 

国が資本金の2分の1以上を出資している法人である日本郵政株式会社として国会で当行に関する専門的な質問への答弁対応の必要があると考えているため

取締役
(非常勤)

長門 正貢

日本郵政

株式会社

 

日本郵便

株式会社

 

株式会社

かんぽ生命
保険

取締役兼

代表執行役社長

 

取締役
(非常勤)

 

 

取締役
(非常勤)

 

グループ経営の観点からの総合的な助言を得るため

常務執行役

林  鈴憲

日本郵政

スタッフ

株式会社

取締役
(非常勤)

当行が日本郵政スタッフ株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため

 

 

(c) 契約関係・取引関係を通じた影響

当行は、後記「5 経営上の重要な契約等」や「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおり、日本郵政グループ各社と契約を締結し取引していますが、当該取引にあたっては、契約の締結・改定の際に、取引の目的・必要性、取引条件の適正性(銀行法に定めるアームズ・レングス・ルール)等を確認しており、日本郵政グループ内の取引を適正に管理する態勢を整備しております。加えて、当行と日本郵政グループ各社との重要な取引や、当行と当行の主要株主との非定型的な取引については、取締役会において審議の上、承認することにより、当行又は株主共同の利益を害することのないよう監視しております。

当行は、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定等を締結しております。これらの協定等に基づき、当行は一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行うこととされ、また日本郵政株式会社から「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、別途合意した算定方法に従いブランド価値使用料を支払っています。これらの協定等は後記「5 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続するため、当行は当該解除までの間、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合に関わらず、一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行う義務や、日本郵政株式会社に対してブランド価値使用料を支払う義務等を負います。

また、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ、これらの協定等の終了又は見直しにより現在の条件での商標の使用が継続できなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等が生じたと判断してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合等には、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 日本郵政株式会社による当行株式の追加処分の可能性

日本郵政株式会社は、上記①のとおり、当事業年度末現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有していますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしています。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、日本郵政株式会社は、前記「第1 企業の概況 2 沿革」に記載のとおり、当行株式をまずは保有割合が50%程度となるまで段階的に売却していく方針を発表しており、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合に関わらず、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行の株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制(「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。

③ 日本国政府との関係希薄化により顧客等に誤認が伝播するリスク

当行は、日本国政府から何らの明示又は黙示の保証その他の信用補完を受けておりません。しかし、日本郵政株式会社による当行株式の処分や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の処分の進捗に伴い、当行と日本国政府との関係の希薄化により、当行の経済的信用力が低下したとの誤認や錯誤が伝播した場合等には、貯金等の減少、取引条件や人材の採用・定着への影響等を通じ、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク

① 郵便局ネットワークをメインチャネルとする営業に係るリスク

当行は、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しています。平成29年3月末日現在、当行の店舗24,060のうち23,826が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、当行の事業は、代理店である日本郵便株式会社の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています。

従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、当行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱う当行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また当行代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便株式会社が人材等のリソースを当行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、当行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、日本郵便株式会社の郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便株式会社に対して支払っております(「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)が、当該委託手数料の算定方法その他の条件が当行と日本郵便株式会社との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記(9)①のとおり、日本郵便株式会社が当行との間で締結している銀行代理業務の委託契約等は、当行の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、解除に係る協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。当事業年度末現在において、日本郵便株式会社から当該契約等の見直しや解除の申入れ等、契約の存続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該要因が発生した場合には、当行の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② ユニバーサルサービスの提供に係るリスク

当行は、後記「5 経営上の重要な契約等 (1) 銀行窓口業務契約」に記載のとおり、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。

その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。

一方、本契約が終了した場合にも、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) その他のリスク

① 自己資本比率等に係るリスク

当行は、「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成十八年金融庁告示第十九号)に基づき、自己資本比率の規制比率(4%以上)を維持する必要があります。平成29年3月末日現在、当行の単体自己資本比率は22.22%となっており、規制比率に比べ高い水準を確保しておりますが、運用の高度化・多様化により、自己資本比率が低下傾向にあることに加え、業績・財政状態や運用ポートフォリオの変動、比率の算出方法、バーゼル銀行監督委員会の議論(信用リスクに係る標準的手法の見直し等)の結果を受けた規制の新設・変更等により、当行の自己資本比率が低下したり、新たな規制等への対応が必要となる可能性があります。当行の自己資本比率等が規制比率を満たさない場合には、当局から業務の縮小・停止等の行政上の措置が課されること等により、当行の事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、一定の金利変動による資産・負債ネットの経済価値低下額の自己資本に対する割合を計る基準であるアウトライヤー比率を計測しております。平成29年3月末日現在、11.16%となっておりますが、今後、当行のアウトライヤー比率が規制比率(20%)を超えた場合には、金融庁から改善措置を求められる等の可能性があります。

アウトライヤー基準の適用については、当局が定めた「主要行等向けの総合的な監督指針」において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(アウトライヤー基準に該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされています。

なお、今後、バーゼル銀行監督委員会における銀行勘定の金利リスクに関する議論を受けた規制の変更により、新たな対応が必要となる可能性があります。

② 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出及び監査人による監査を受けることが義務付けられております。
  当行は、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当行の財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

③ 管理会計等に係る内部管理に関するリスク

本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が、含まれております。当行は、これらについても内部管理の体制を整備しておりますが、有効でない場合には、数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

④ 退職給付債務に係るリスク

当行の退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合等には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 人材確保に係るリスク

当行は、安定した事務遂行と高い専門性を必要とする業務を行っており、営業・運用・ALM・リスク管理・IT・財務・コンプライアンス等の分野において有能で熟練した人材が必要とされます。当行は、他の金融機関等と競争状況に置かれているため、有能な人材を採用し定着・育成することができなかった場合には、事業の競争力、業務運営の効率性等が損なわれ、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば上記分野等の要員に係る採用、報酬等の処遇、育成に注力しても、十分なスキルを持った従業員を育成・定着させることができない可能性や、経営幹部を採用・定着させられない可能性があり、これらの場合には、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 業務提携・外部委託等に伴うリスク

当行は、業務の提携、運用・事務・システム開発等の外部委託等を行っております。当行が期待していたとおりの成果や利益を達成できない場合や、業務提携先や当行の関係会社・日本郵政グループ各社を含む委託先等で、業務遂行の問題が生じ商品・サービスの提供等に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報漏えい等の違法行為が発生した場合、また、提携・委託等が解消され適切な代替委託先等を適時に確保できない場合等において、当行の事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 他の金融機関等の信用力の悪化等に係るリスク

当行は、国内の銀行、証券会社、保険会社等の金融機関と取引を行っておりますが、取引先や他の金融機関の業績や財政状態の悪化により信用力等に問題が生じた場合、当行が当該金融機関との取引で損失を被ったり、政府が当該金融機関の資本増強や収益回復等のために規制・資金調達・税務等に係る救済措置を講じ、預金保険料等が増加したり、競争上の不利益を被ること等により、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

当行の経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

 

(1) 銀行窓口業務契約(平成24年10月1日締結)(期間の定めのない契約)

日本郵便株式会社は、日本郵便株式会社法により、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務、簡易に利用できる生命保険の役務を、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国で公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を、日本郵政株式会社とともに負っています。このうち簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務の業務を、銀行代理業として提供するために、日本郵便株式会社は、当行との間で銀行窓口業務契約を締結しており(日本郵便株式会社法第2条第2項、同法第4条第1項、同法第5条)、当行定款にもこの旨規定しております。

銀行窓口業務契約では、日本郵便株式会社が、当行を関連銀行として、ユニバーサルサービス(通常貯金、定額貯金、定期貯金、普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替)の銀行窓口業務を営むこととしております。

なお、本契約は、銀行窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除できないものと定めております。

 

(2) 銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、上記(1)の銀行窓口業務契約で定めたユニバーサルサービスに関する業務を含め、貯金の受払いや国債・投資信託の募集の取扱等の業務を委託するため、日本郵便株式会社との間で銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約を締結しております。

なお、本契約は、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。また、銀行窓口業務に該当する業務については、銀行窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、銀行代理業に係る業務の委託契約の定めるところによるものとしております。

 

(3) 郵便貯金管理業務の再委託契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」)より受託した郵便貯金管理業務の一部について、日本郵便株式会社が郵便貯金管理業務を営むこととする再委託契約を締結しております。本契約は、以下(5)の契約と同様、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。

 

(4) 委託手数料支払要領(平成25年3月28日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、上記(1)~(3)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めた支払要領を締結し、当行直営店での業務コストをベースに、日本郵便株式会社での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額を算出し、これに「営業・事務報奨」を併せて支払っております。

具体的には、まず、委託業務コスト見合いの総額として、当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストに日本郵便株式会社での取扱実績を乗じた額を算出し、その中から、郵便局ネットワークの確保のために、郵便局維持に係るコスト(日本郵便株式会社の管理会計による当行委託業務配賦分)を「窓口基本手数料」として支払います。また、残額について、「貯金の預払事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」、「資産運用商品の販売事務等」毎に毎年、料率・単価を算出し、下表の式により委託手数料を支払っております。

併せて、営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払っております。

 

委託手数料の項目

支払額の算出式

① 貯金の預払事務等

平均貯金残高 × 料率

② 送金決済その他役務の提供事務等

取扱件数 × 単価

③ 資産運用商品の販売事務等

販売額 × 料率

平均投信残高 × 料率

 

(注) 「平均貯金残高」「取扱件数」「販売額」「平均投信残高」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。なお、本要領は、上記(1)~(3)の契約すべてを解除するまで、効力を有するものと定めております。

 

 

(参考:委託手数料の推移)                               (単位:百万円)

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

609,578

607,266

602,446

609,431

612,465

 

(注) 平成28年度の委託手数料(6,124億円)の内訳は、窓口基本手数料2,620億円、貯金関連2,027億円、送金等982億円、資産運用商品関連41億円、営業・事務報奨450億円(平成27年度は、窓口基本手数料2,558億円、貯金関連2,094億円、送金等978億円、資産運用商品関連25億円、営業・事務報奨436億円)であります。

 

(5) 郵便貯金管理業務委託契約、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法及び郵政民営化法の規定に基づく貯金に関する契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、機構との間で機構の業務である郵便貯金管理業務(日本郵政公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払い等)について、業務委託契約を締結し委託を受けております。

また、当行は、機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金(特別貯金)に関する契約を締結しております。本契約は、当行の国債等の安全資産保有額が特別貯金の合計額を下回ってはならないこと、また、特別貯金残高を基準として定める額以上の国債・地方債等を担保として機構に提供することを定めております。

なお、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法上、郵便貯金管理業務委託契約の変更又は解除には、総務大臣の認可が必要とされております。

 

(6) 機構の借入金に関する契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

郵便貯金の預金者・地方公共団体に対し機構が保有する貸付債権のバックファイナンスとして、当行は、機構との間でその総額に相当する額について、当行からの借入金として機構が債務を負うものとする契約を締結しております。

 

(7) 日本郵政グループ協定、日本郵政グループ運営に関する契約(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループ各社の相互の連携・協力、シナジー効果の発揮が、グループ各社、ひいては日本郵政グループ全体の価値を向上させることに鑑み、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定を締結しております。

この協定を受け、当行は、日本郵政株式会社との間で、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ運営の重要事項を、同社との事前協議事項(経営理念・経営方針、中期経営計画・年度事業計画の策定・変更等)、同社への報告事項(月次の貸借対照表・損益計算書等)としておりますが、同社は当行の意思決定を妨げ又は拘束しない旨、明定しております。更に、上記協定では、当行を含む同社の事業子会社は、日本郵政グループに属する利益を活用し、自主的・自律的な経営を行う旨、また、この旨を踏まえた上で、同社と日本郵便株式会社が、郵政民営化法第7条の2が規定する基本的な役務(いわゆるユニバーサルサービス)を確保するに当たり、グループとしての総合力を発揮できるよう相互に連携する旨、定めております。

これらの協定・契約等は、当行又は株式会社かんぽ生命保険のいずれかが、それぞれ上記(1)の銀行窓口業務契約又は日本郵便株式会社法第2条第3項に定める保険窓口業務契約を解除するまで存続する旨、また、両社のいずれかが日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、必要な見直しを行う旨、定めております。

 

(8) 日本郵政グループ商標管理協定、グループ商標管理契約(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループのブランド価値の維持・向上を目的とした商標管理協定、日本郵政株式会社との間で商標管理契約を締結しております。

これらの協定・契約に基づき、当行は日本郵政株式会社が一元的に管理(商標権の取得等)する「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されており、本協定・契約は、上記(7)の日本郵政グループ協定が存続する間存続し、同協定を見直した場合は必要な見直しをする旨、定めております。

 

 

(9) ブランド価値使用料の算定及び支払に関する覚書(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

上記(7)の契約に基づき、当行は、日本郵政株式会社に対し平成27年度から、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、ブランド価値使用料を支払っており、本覚書は当該使用料の算定方法等を定めております。

ブランド価値使用料は、「ゆうちょ」等の商標使用料を含んでおり、他の企業グループでの例も参考に、当行が日本郵政グループのブランド力から利益を受ける代表的な業績指標に、当行と日本郵政株式会社が協議し合意した料率を乗じて、各事業年度の支払い総額を算出しております。具体的には、前事業年度の平均貯金残高に0.0023%を乗じた額としております。

上記の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしております。

 

(参考:ブランド価値使用料)                                                        (単位:百万円)

平成27年度

平成28年度

4,088

4,091

 

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

① 主な収支

当事業年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の業務粗利益は、前事業年度比418億円減少し、1兆4,102億円となりました。

このうち、資金運用収支は、国債利息の減少を主因に、前事業年度比1,375億円減少し、1兆2,235億円となりました。役務取引等収支は、前事業年度比45億円減少し、866億円となりました。その他業務収支は、外国為替売買損益の増加等により、前事業年度比1,002億円増加し、1,000億円となりました。

一方、経費は、前事業年度比100億円減少し、1兆561億円となりました。

この結果、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、業務純益は前事業年度比317億円減少し、3,540億円となりました。

(単位:億円)

 

 

前事業年度

当事業年度

増減

資金運用収支

 

13,610

12,235

△1,375

資金運用収益

17,312

15,675

△1,637

資金調達費用
 (金銭の信託運用見合費用控除後)

3,701

3,439

△261

役務取引等収支

 

911

866

△45

役務取引等収益

1,230

1,194

△35

役務取引等費用

318

328

9

その他業務収支

 

△1

1,000

1,002

その他業務収益

129

1,143

1,014

その他業務費用

130

142

12

業務粗利益
(=①-②+③-④+⑤-⑥)

14,520

14,102

△418

経費(除く臨時処理分)

10,661

10,561

△100

実質業務純益(=⑦-⑧)

3,858

3,540

△318

一般貸倒引当金繰入額

△0

△0

業務純益(=⑨-⑩)

 

3,858

3,540

△317

 

 

② 臨時損益

当事業年度の臨時損益は879億円となりました。

(単位:億円)

 

前事業年度

当事業年度

増減

臨時損益

961

879

△81

臨時収益

1,017

959

△58

臨時費用

56

79

22

 

 

 

③ 与信関係費用

(単位:億円)

 

前事業年度

当事業年度

増減

与信関係費用

△0

△0

0

 

一般貸倒引当金繰入額

△0

△0

0

 

貸出金償却

 

個別貸倒引当金繰入額

 

償却債権取立益

 

(注) 与信関係費用は金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。

 

(2) 財政状態の分析

当事業年度末における財政状態のうち、主なものは次のとおりであります。

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

資産の部

2,070,560

2,095,688

25,127

うち有価証券

1,440,768

1,387,924

△52,843

うち貸出金

25,420

40,641

15,220

負債の部

1,955,478

1,977,887

22,408

うち貯金

1,778,719

1,794,346

15,626

純資産の部

115,081

117,800

2,718

株主資本合計

86,052

87,296

1,243

評価・換算差額等合計

29,028

30,504

1,475

 

(注) 貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。

 

① 資産の部
(a) 有価証券

当事業年度末の有価証券残高は、市場動向等を踏まえて運用した結果、前事業年度末比5兆2,843億円減少138兆7,924億円となりました。国債残高は68兆8,049億円、その他の証券残高は52兆9,170億円となりました。

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

有価証券

1,440,768

1,387,924

△52,843

国債

822,556

688,049

△134,506

地方債

58,565

60,822

2,257

短期社債

2,049

2,339

290

社債

103,627

107,528

3,901

株式

13

13

その他の証券

453,955

529,170

75,214

 

 

(b) 貸出金

当事業年度末の貸出金残高は4兆641億円となりました。

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

貸出金

25,420

40,641

15,220

 

 

 

イ.リスク管理債権

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

破綻先債権

延滞債権

3カ月以上延滞債権

貸出条件緩和債権

合計

 

 

ロ.金融再生法開示債権

(単位:億円)

 

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

 

破産更生債権及び
これらに準ずる債権

危険債権

要管理債権

 

合計(A)

正常債権

26,454

41,454

15,000

総計(B)

26,454

41,454

15,000

不良債権比率(A)/(B)

 

 

(c) 繰延税金資産

当事業年度末の繰延税金資産合計は1,347億円、繰延税金負債合計は1兆4,053億円となりました。その結果、当事業年度末の繰延税金負債の純額は1兆2,705億円となりました。

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

繰延税金資産

 

 

 

貸倒引当金

1

0

△0

退職給付引当金

458

455

△3

減価償却限度超過額

97

84

△12

未払貯金利息

5

4

△1

金銭の信託評価損

16

26

9

繰延ヘッジ損益

1,853

514

△1,339

未払事業税

37

31

△6

その他

211

229

18

繰延税金資産合計

2,683

1,347

△1,335

繰延税金負債

 

 

 

その他有価証券評価差額金

△14,688

△13,991

696

その他

△107

△61

45

繰延税金負債合計

△14,795

△14,053

742

繰延税金資産(△は負債)の純額

△12,112

△12,705

△592

 

 

 

② 負債の部

○ 貯金

当事業年度末の貯金残高は、安定的に推移し、前事業年度末比1兆5,626億円増加179兆4,346億円となりました。負債は、前事業年度末に比べ2兆2,408億円増加197兆7,887億円となりました。

 

期末残高

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

金額(億円)

構成比(%)

金額(億円)

構成比(%)

金額(億円)

流動性預金

638,349

35.88

679,949

37.89

41,599

定期性預金

1,138,528

64.00

1,112,807

62.01

△25,721

その他の預金

1,841

0.10

1,590

0.08

△251

1,778,719

100.00

1,794,346

100.00

15,626

譲渡性預金

合計

1,778,719

100.00

1,794,346

100.00

15,626

 

 

平均残高

 

前事業年度

当事業年度

増減

金額(億円)

構成比(%)

金額(億円)

構成比(%)

金額(億円)

流動性預金

624,328

35.10

659,526

36.79

35,197

定期性預金

1,152,476

64.79

1,131,380

63.11

△21,096

その他の預金

1,875

0.10

1,612

0.08

△263

1,778,680

100.00

1,792,518

100.00

13,837

譲渡性預金

合計

1,778,680

100.00

1,792,518

100.00

13,837

 

(注) 1.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金+貯蓄貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

2.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当+教育積立郵便貯金相当)

3.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

4.特別貯金は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金で、同機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。

5.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

③ 純資産の部

純資産は、株主資本が前事業年度末に比べ1,243億円増加、評価・換算差額等が前事業年度末に比べ1,475億円増加し、11兆7,800億円となりました。利益剰余金は、2兆2,337億円となりました。

(単位:億円)

 

前事業年度末

当事業年度末

増減

純資産の部合計 

115,081

117,800

2,718

株主資本合計

86,052

87,296

1,243

資本金

35,000

35,000

資本剰余金

42,962

42,962

利益剰余金

21,089

22,337

1,247

自己株式

△12,999

△13,004

△4

評価・換算差額等合計

29,028

30,504

1,475

その他有価証券評価差額金

33,228

31,669

△1,558

繰延ヘッジ損益

△4,199

△1,165

3,033

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、資金の運用・調達等により、前事業年度比2兆7,285億円減少7,174億円、「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有価証券の取得・売却等により、前事業年度比5兆756億円減少4兆8,767億円、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、前事業年度比29億円減少△1,877億円となりました。

その結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前事業年度末比5兆4,068億円増加し、51兆2,169億円となりました。

 

(4) 自己資本比率に関する分析(単体自己資本比率(国内基準))

(単位:億円、%)

 

当事業年度末

コア資本に係る基礎項目の額 ①

86,361

コア資本に係る調整項目の額 ②

192

自己資本の額 ①-②=③

86,169

リスク・アセット等の額の合計額 ④

387,798

 

信用リスク・アセットの額の合計額

359,065

 

マーケット・リスク相当額の合計額を8%で除して得た額

 

オペレーショナル・リスク相当額の合計額を8%で除して得た額

28,732

単体自己資本比率 ③/④

22.22