第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更があった事項は次のとおりであります。なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当四半期会計期間の末日現在において当行が判断したものであります。

 

(2) 市場リスク

① 金利リスク

当行が保有する日本国債(平成28年3月末日現在、82.2兆円・総資産額の39%)を始めとする金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、平成28年1月の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」や同年9月21日の金融政策決定会合で導入が決定された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の影響等により、本四半期報告書提出日現在、日本国債の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

更に、市場金利の変動は、日本国債を始めとする当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、定額貯金(平成28年3月末日現在、102.4兆円・総貯金額の57%(特別貯金(民営化前に預入された定額郵便貯金相当)を含む。)。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業戦略・経営計画に係るリスク

当行は、郵便局ネットワークをメインチャネルとして、お客さま満足度No.1のサービスを広く国民各層に提供する「最も身近で信頼される銀行」、また、適切なリスク管理の下で運用の多様化を推進し、安定的収益を確保する「本邦最大級の機関投資家」を目指しております。

しかしながら、これらに向けた当行の事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によってベース・ポートフォリオの収益計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速、サテライト・ポートフォリオの拡大等の計画が達成できない可能性があります。更に、平成29年3月期第2四半期以降に満期が集中する定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行もIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。 

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下の記載における将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当行が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

(金融経済環境)

当第3四半期累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済の持ち直しの動きが強まりました。海外では、欧米を中心とする先進国経済の緩やかな成長が続く中、中国をはじめとする新興国経済の減速が一服しました。わが国経済は、個人消費は力強さを欠くものの、外需の牽引により4四半期連続のプラス成長となりました。

金融資本市場では、わが国の10年国債利回りは、6月の英国のEU離脱決定を受けたリスク回避の動きからマイナス0.2%台まで低下しましたが、7月には、日本銀行がマイナス金利の深掘りを見送った後、0%をやや下回る水準まで上昇し、9月の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」導入以降も、ほぼ同水準で推移しました。その後、11月の米大統領選の結果を受け、米国金利が上昇し、わが国の10年国債利回りはプラス圏に転じ、プラス0.1%をやや下回る水準で推移しました。

外国為替市場は、円高基調で推移し、6月に一時対ドルで99円台、対ユーロで109円台まで円高が進みましたが、米大統領選を機に日本と海外の金利差が拡大し、円安基調に転じ、その後の米国の利上げもあり、12月には一時対ドルで118円台、対ユーロで124円台まで急速に円安が進みました。

日経平均株価は、6月にリスク回避の動きから一時15,000円を割る場面もみられましたが、7月の日本銀行によるETF買入れ額の増額もあり、9月には一時17,000円台を回復しました。米大統領選後は、米国経済の拡大期待や円安が好感され、12月に一時19,000円台半ばまで上昇しました。

 

(事業の成果)

損益の状況については、当第3四半期累計期間の業務粗利益は、前年同期比688億円減少1兆691億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前年同期比993億円減少9,614億円となりました。役務取引等利益は、前年同期比48億円減少658億円となりました。また、その他業務利益は、外国為替売買損益の増加等により、前年同期比353億円増加418億円となりました。

経費は、前年同期比49億円減少7,961億円となりました。

以上により、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、業務純益は前年同期比639億円減少2,729億円、経常利益は前年同期比764億円減少3,125億円、四半期純利益は前年同期比431億円減少2,229億円となりました。

財産の状況については、当第3四半期会計期間末における総資産は前事業年度末比3兆1,360億円増加210兆1,920億円となりました。主要勘定につきましては、有価証券は前事業年度末比2兆603億円減少142兆164億円、貸出金は前事業年度末比1兆2,472億円増加3兆7,893億円となりました。貯金残高は、定額貯金の満期が例年に比べて多い中、安定的に推移し、前事業年度末比2兆2,108億円増加180兆828億円となりました。

株主資本が前事業年度末に比べ350億円増加、評価・換算差額等が前事業年度末に比べ1,850億円増加し、純資産は11兆7,281億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆1,444億円となりました。

 

 

当第3四半期累計期間における主な項目は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前第3四半期
累計期間

当第3四半期
累計期間

増減

業務粗利益

1,137,978

1,069,131

△68,846

 資金利益

1,060,726

961,418

△99,308

 役務取引等利益

70,706

65,850

△4,856

 その他業務利益

6,545

41,863

35,318

  うち外国為替売買損益

6,622

42,004

35,382

  うち国債等債券損益

△114

△1,980

△1,865

経費(除く臨時処理分)

△801,104

△796,164

4,939

 人件費

△93,593

△94,867

△1,273

 物件費

△650,524

△643,254

7,269

 税金

△56,986

△58,042

△1,056

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

336,873

272,967

△63,906

一般貸倒引当金繰入額

28

△0

△29

業務純益

336,902

272,966

△63,935

臨時損益

52,113

39,601

△12,512

 うち株式等関係損益

3,232

△3,232

 うち金銭の信託運用損益

49,140

40,005

△9,135

経常利益

389,015

312,567

△76,448

特別損益

△868

△467

400

 固定資産処分損益

△867

△437

430

 減損損失

△0

△30

△29

税引前四半期純利益

388,147

312,100

△76,047

法人税、住民税及び事業税

△135,781

△93,318

42,463

法人税等調整額

13,684

4,123

△9,561

法人税等合計

△122,096

△89,195

32,901

四半期純利益

266,050

222,904

△43,146

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

 

① 国内・国際別収支

当行は、銀行業のみを単一のセグメントとし、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引等は「国際業務部門」に含む)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別収支は次のとおりとなりました。

当第3四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金運用収支は6,387億円、役務取引等収支は652億円、その他業務収支は22億円となりました。

国際業務部門においては、資金運用収支は3,227億円、役務取引等収支は5億円、その他業務収支は395億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金運用収支は9,614億円、役務取引等収支は658億円、その他業務収支は418億円となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前第3四半期累計期間

763,993

296,732

1,060,726

当第3四半期累計期間

638,706

322,711

961,418

うち資金運用収益

前第3四半期累計期間

973,840

425,409

60,652

1,338,597

当第3四半期累計期間

823,157

467,515

73,700

1,216,972

うち資金調達費用

前第3四半期累計期間

209,846

128,676

60,652

277,870

当第3四半期累計期間

184,451

144,803

73,700

255,554

役務取引等収支

前第3四半期累計期間

70,144

562

70,706

当第3四半期累計期間

65,275

574

65,850

うち役務取引等収益

前第3四半期累計期間

94,373

602

94,976

当第3四半期累計期間

90,082

597

90,680

うち役務取引等費用

前第3四半期累計期間

24,229

40

24,269

当第3四半期累計期間

24,806

23

24,830

その他業務収支

前第3四半期累計期間

4,605

1,940

6,545

当第3四半期累計期間

2,270

39,593

41,863

うちその他業務収益

前第3四半期累計期間

5,286

11,016

16,303

当第3四半期累計期間

2,270

50,479

52,749

うちその他業務費用

前第3四半期累計期間

681

9,076

9,757

当第3四半期累計期間

10,885

10,885

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第3四半期累計期間4,675百万円、当第3四半期累計期間4,746百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。

 

 

② 国内・国際別役務取引の状況

当第3四半期累計期間の役務取引等収益は906億円、役務取引等費用は248億円となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前第3四半期累計期間

94,373

602

94,976

当第3四半期累計期間

90,082

597

90,680

うち預金・貸出業務

前第3四半期累計期間

25,964

25,964

当第3四半期累計期間

26,378

26,378

うち為替業務

前第3四半期累計期間

47,711

541

48,252

当第3四半期累計期間

47,499

532

48,032

うち代理業務

前第3四半期累計期間

2,001

2,001

当第3四半期累計期間

2,084

2,084

役務取引等費用

前第3四半期累計期間

24,229

40

24,269

当第3四半期累計期間

24,806

23

24,830

うち為替業務

前第3四半期累計期間

2,724

11

2,736

当第3四半期累計期間

2,835

8

2,844

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

 

 

③ 国内・国際別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前第3四半期会計期間

178,406,273

178,406,273

当第3四半期会計期間

180,082,834

180,082,834

流動性預金

前第3四半期会計期間

63,007,893

63,007,893

当第3四半期会計期間

67,253,320

67,253,320

 うち振替貯金

前第3四半期会計期間

12,471,293

12,471,293

当第3四半期会計期間

12,836,700

12,836,700

 うち通常貯金等

前第3四半期会計期間

50,142,911

50,142,911

当第3四半期会計期間

54,024,187

54,024,187

 うち貯蓄貯金

前第3四半期会計期間

393,687

393,687

当第3四半期会計期間

392,432

392,432

定期性預金

前第3四半期会計期間

115,133,162

115,133,162

当第3四半期会計期間

112,718,659

112,718,659

 うち定期貯金

前第3四半期会計期間

12,009,567

12,009,567

当第3四半期会計期間

10,398,176

10,398,176

 うち定額貯金等

前第3四半期会計期間

103,122,405

103,122,405

当第3四半期会計期間

102,320,483

102,320,483

その他の預金

前第3四半期会計期間

265,218

265,218

当第3四半期会計期間

110,854

110,854

譲渡性預金

前第3四半期会計期間

当第3四半期会計期間

総合計

前第3四半期会計期間

178,406,273

178,406,273

当第3四半期会計期間

180,082,834

180,082,834

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金等+貯蓄貯金
「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

4.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金等+特別貯金(教育積立郵便貯金相当)
「定額貯金等」=定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当)

5.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

6.特別貯金は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金で、同機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。

7.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

④ 国内・国際別貸出金残高の状況

○ 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前第3四半期会計期間

当第3四半期会計期間

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

2,623,740

100.00

3,789,308

100.00

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

51,816

1.97

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

86,534

3.29

88,274

2.32

卸売業、小売業

金融・保険業

1,645,714

62.72

1,444,110

38.11

建設業、不動産業

12,124

0.46

14,074

0.37

各種サービス業、物品賃貸業

8,533

0.32

26,019

0.68

国、地方公共団体

636,785

24.27

2,043,618

53.93

その他

182,231

6.94

173,209

4.57

国際及び特別国際金融取引勘定分

3,300

100.00

政府等

金融機関

その他

3,300

100.00

合計

2,627,040

3,789,308

 

  (注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

  2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構向け貸出金は前第3四半期会計期間末1,349,328百万円、当第3四半期会計期間末1,083,926百万円であります。

 

(2) 主要な設備

当第3四半期累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。

(平成28年12月31日現在)

店舗名
その他

所在地

区分

設備の内容

投資予定金額 (注1)
(百万円)

資金調達
方法

着手
年月

完了予定
年月

総額

既支払額

営業店

更改

紙幣硬貨入出金機

36,924

自己資金

平成28年

4月

平成36年

3月

更改

対外接続システム

11,866

自己資金

平成28年

6月

平成38年

1月

 

  (注) 1.上記設備計画の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。

2.当行は、銀行業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

 

(参考)

 

金融再生法開示債権(末残)

 

(単位:億円)

 

前第3四半期会計期間

当第3四半期会計期間

 

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

0

要管理債権

 合計(A)

0

 正常債権

27,430

38,335

 総計(B)

27,430

38,335

 不良債権比率(A)/(B)

0.00